JP3757678B2 - 電子写真装置および電子写真の画像処理方法、並びに記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真装置および電子写真の画像処理方法、並びに記録媒体に関し、特に、複数のドットから形成される網点により階調を表現する電子写真装置において、ハーフトーン処理を行う際、参照されるガンマ(γ)テーブルのデータ量を小さくすることができるようにした電子写真装置および電子写真の画像処理方法、並びに記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
図1は、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)およびブラック(K)のトナーを利用して、カラー画像の再生を行う電子写真システムの一例を示している。
【0003】
パーソナルコンピュータ(PC)1において、オペレータは、予めインストールされているアプリケーションプログラム11(例えば、ワードプロセッサ、図形ツール等)を用いて、文字データや図形データを生成する。アプリケーションプログラム11により生成されたデータは、パーソナルコンピュータ1に予めインストールされているプリンタ2用のドライバ12に供給される。ドライバ12は、供給されたデータを画素毎のRGB(8ビット×3=24ビット)の階調データからなる画像データに変換する。この画像データは、ケーブル3を介してプリンタ2に供給される。プリンタ2は、コントローラ21とエンジン22から構成されており、供給された画像データに基づいてカラー画像を再生する。
【0004】
コントローラ21は、色変換部31、ハーフトーン処理部32およびパルス幅変調(PWM(Pulse Width Modulation))部33から構成されている。色変換部31は、供給された各画素毎のRGBの階調データを、RGBと補色関係にあるCMYKの階調データD1に変換する。CMYKの階調データD1は、それぞれ8ビットずつで構成され、最大で256階調を有している。色変換部31から出力されるCMYKの階調データD1は、ハーフトーン処理部32に供給される。
【0005】
図2は、ハーフトーン処理部32の構成例を示している。図2に示すように、ハーフトーン処理部32は、ページメモリ51、スクリーン処理部52およびスクリーンテーブルメモリ53から構成されている。ページメモリ51には、色変換部31から供給されたCMYKの階調データD1が格納される。スクリーンテーブルメモリ53には、スクリーンテーブル(ガンマテーブル)が予め格納されている。このスクリーンテーブルは、各画素毎に階調データと画像再生情報であるレーザの駆動パルス幅データとの対応を有する。
【0006】
スクリーン処理部52は、ページメモリ51に格納されている各画素毎の階調データD1を読み出し、読み出した画素に対応するスクリーンテーブルを選択する。スクリーン処理部52は、選択したスクリーンテーブルを参照して、階調データに対応する駆動パルス幅データD2を読み出し、読み出した駆動パルス幅データD2をパルス幅変調部33に供給する。パルス幅変調部33は、供給された駆動パルス幅データD2に基づいて、エンジン22内のレーザダイオード(LD)42を駆動するためのパルス幅変調信号D3を生成し、生成したパルス幅変調信号D3をエンジン22に供給する。
【0007】
エンジン22は、レーザドライバ41、レーザダイオード(LD)42、感光ドラム(図示せず)、転写ドラム(図示せず)等から構成されている。レーザドライバ41は、供給されたパルス幅変調信号D3に基づいて、画像描画用のレーザダイオード42を駆動する。レーザダイオード42により発光されたレーザビームは、図示せぬ感光ドラムの所定の領域に照射され、感光ドラム上に所定の表面電位を有する潜像を形成する。感光ドラム上に形成された潜像に、帯電したトナーが付着し、図示せぬ転写ドラムを介してトナーが印刷用紙に転写される。これにより、カラー画像が再生される。
【0008】
次に、エンジン22で再生される画像を構成するスクリーンについて、図3を参照して説明する。図3は、一例として3×3(縦×横)の画素から構成されるスクリーン(またはセル)61を示している。画素1乃至画素9の各画素内の所定の領域には、パルス幅変調信号D3に基づいて、トナーが付着された領域であるドットが形成される。複数のドットにより網点62が形成され、この網点の大きさにより、中間調(ハーフトーン)の階調が表現される。このように、網点の大きさにより濃淡画像の中間階調を再現する手法は、ディザ法(Dither Method)と呼ばれ、広く利用されている。スクリーン61においては、ドット1乃至ドット5が、それぞれ画素1乃至画素5内に形成されており、これらのドット1乃至5により網点62が形成されている。
【0009】
次に、上記スクリーン61上で表現される濃度(階調)について、図4を参照して説明する。図4(A)に示すように、スクリーン61は、例えば9画素から構成されており、0(0/9)乃至1(9/9)の濃度を表現することができる。ここで、濃度0は最低濃度とされ、濃度1は最大濃度とされる。スクリーン61上で表現される濃度は、パルス幅変調部33において生成されるパルス幅変調信号D3に基づいている。
【0010】
例えば、スクリーン61上で濃度1/9を表現させる場合、パルス幅変調部33は、それぞれ3つの画素を有する3行の走査ラインに対して、図4(B)に示すようなパルス幅変調信号を出力する。この場合、パルス幅変調信号は画素1の位置でH(High)レベルになる。濃度0/9乃至1/9を表現させる場合、パルス幅変調部33は、画素1内でパルス幅変調信号のパルス幅を濃度に対応して変化させる。スクリーン61上で濃度2/9を表現させる場合、パルス幅変調部33は、3行の走査ラインに対して、図4(C)に示すようなパルス幅変調信号を出力する。即ち、パルス幅変調信号は、画素1および画素2の位置でHレベルになる。スクリーン61上で濃度4/9を表現させる場合、パルス幅変調部33は、3行の走査ラインに対して、図4(D)に示すようなパルス幅変調信号を出力する。即ち、パルス幅変調信号は、画素1、画素2、画素3および画素4の位置でHレベルになる。上記以外の濃度を表現させる場合も同様に、パルス幅変調部33は、所定の走査ラインに対して、濃度(最大256階調)に対応するパルス幅のパルス幅変調信号を出力する。
【0011】
上述したように、スクリーン61上の各画素に対して、パルス幅変調信号のパルス幅を変化させることにより、1画素あたり256階調まで表現することができる。しかしながら、エンジン22において、1画素あたり形成されるドットの面積の種類は、トナーの粒径等の理由で、実際には20程度であるので、256階調表現することができない。但し、スクリーン61上で表現できる階調数は、1画素あたり20階調とすると、9画素で180階調となる。
【0012】
次に、コントローラ21の処理動作について、図5を参照して具体的に説明する。先ず、画素1の階調データの処理について、以下に説明する。スクリーン処理部52は、ページメモリ51に格納されている画素1の階調データ“42”を読み出し(図5(A))、画素1に対応したスクリーンテーブル(ガンマテーブル)を選択する(図5(B))。スクリーン処理部52は、選択したスクリーンテーブルを参照して、階調データ“42”に対応する駆動パルス幅データ“255”を読み出し(図5(C))、読み出した駆動パルス幅データ“255”をパルス幅変調部33に供給する。パルス幅変調部33は、供給された駆動パルス幅データ“255”に基づいてパルス幅変調信号D3を生成し(図5(D))、生成したパルス幅変調信号D3をエンジン22内のレーザドライバ41に供給する。
【0013】
画素2の階調データの処理の場合は、スクリーン処理部52は、ページメモリ51に格納されている画素2の階調データ“41”を読み出し(図5(A))、画素2に対応したスクリーンテーブル(ガンマテーブル)を選択する(図5(B))。スクリーン処理部52は、選択したスクリーンテーブルを参照して、階調データ“41”に対応する駆動パルス幅データ“120”を読み出し(図5(C))、読み出した駆動パルス幅データ“120”をパルス幅変調部33に供給する。パルス幅変調部33は、供給された駆動パルス幅データ“120”に基づいてパルス幅変調信号D3を生成し(図5(D))、生成したパルス幅変調信号D3をエンジン22内のレーザドライバ41に供給する。
【0014】
画素3乃至画素9の各画素の階調データの処理については、上述の画素1および画素2と同様の処理が行われるので、説明は省略する。但し、図5の例では、画素3乃至画素9の各画素に対応するパルス幅変調信号は全て0となっている。
【0015】
次に、図5(B)に示したスクリーンテーブル(ガンマテーブル)の入出力特性の一例を図6に示す。図6(A)は画素1に関するスクリーンテーブルの入出力特性の一例を、図6(B)は画素2に関するスクリーンテーブルの入出力特性の一例を、図6(C)は画素9に関するスクリーンテーブルの入出力特性の一例を示している。横軸は画素の階調データ(入力)を、縦軸は駆動パルス幅データ(出力)を表している。
【0016】
画素1に対応するスクリーンテーブルの入出力特性は、図6(A)に示すように、画素の階調データが小さい領域で駆動パルス幅データは256階調まで急激に立ち上がっている。一方、画素2に対応するスクリーンテーブルの入出力特性は、図6(B)に示すように、緩やかに立ち上がっている。画素9に対応するスクリーンテーブルの入出力特性は、図6(C)に示すように、画素の階調データが大きい領域で駆動パルス幅データは256階調まで急激に立ち上がっている。そして、出力の駆動パルス幅データは全て8ビットで構成され、256の分解能を有する。その結果、スクリーンテーブルメモリ53は、(256階調×8ビット)×9画素分のメモリ容量を必要とする。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、スクリーン(セル)61のサイズは、実際には多くの画素を有し、その結果、スクリーンテーブルメモリ53は、256階調×8ビットからなる1画素分の容量のデータを画素数分だけ格納する必要があり、スクリーンテーブルメモリ53の容量が非常に大きくなるという課題があった。
【0018】
また、スクリーンテーブルメモリ53は、通常、高速のSRAMで構成され、かかるメモリ容量の増大は、コストの上昇を招くという課題があった。
【0019】
そこで、本発明の目的は、画質を劣化させることなく、スクリーンテーブルメモリの容量を小さくした電子写真装置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は、入力される階調データに対して出力される画像再生情報が画素毎に異なることを利用して、所定の画素に対応する変換テーブルの画像再生情報のビット数を、それ以外の画素に対応する画像再生情報のビット数よりも少なくする。その結果、変換テーブルのデータ数を減らすことができる。
【0021】
上記の目的を達成するために、本発明は、複数のドットから形成される網点により階調を表現して画像を再生する電子写真装置において、入力される階調データに対して、画素毎に階調データと画像再生情報との対応を有する第1の変換テーブルまたは第2の変換テーブルを参照して、画像再生情報を出力するハーフトーン処理部を有し、前記第1の変換テーブルの画像再生情報は、第1のビット数で構成され、前記第2の変換テーブルの画像再生情報は、前記第1のビット数より多い第2のビット数で構成されることを特徴とする。
【0022】
上記本発明によれば、再生画像の画質を劣化させることなく、スクリーンテーブル(変換テーブル)メモリの容量をより小さくすることができる。
【0023】
上記の目的を達成するために、本発明は、複数のドットから形成される網点により階調を表現して画像を再生する電子写真の画像処理方法において、入力される階調データに対して、画素毎に階調データと画像再生情報との対応を有する第1の変換テーブルまたは第2の変換テーブルを参照して、画像再生情報を出力するハーフトーン処理ステップを有し、前記第1の変換テーブルの画像再生情報は、第1のビット数で構成され、前記第2の変換テーブルの画像再生情報は、前記第1のビット数より多い第2のビット数で構成されることを特徴とする。
【0024】
上記の目的を達成するために、本発明は、複数のドットから形成される網点により階調を表現して画像を再生する電子写真の画像処理手順をコンピュータに実行させるプログラムを記録した記録媒体において、前記画像処理手順は、入力される階調データに対して、画素毎に階調データと画像再生情報との対応を有する第1の変換テーブルまたは第2の変換テーブルを参照して、画像再生情報を出力するハーフトーン処理ステップを有し、前記第1の変換テーブルの画像再生情報は、第1のビット数で構成され、前記第2の変換テーブルの画像再生情報は、前記第1のビット数より多い第2のビット数で構成されることを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態例を説明する。しかしながら、かかる実施の形態例が、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0026】
図7は、変換テーブルであるスクリーンテーブル(ガンマテーブル)の入出力特性の一例を示している。横軸は画素の階調データ(入力)を、縦軸は画像再生情報である駆動パルス幅データ(出力)を表している。図7の例は、スクリーン61を構成する9つの画素に対応するガンマテーブル(の入出力特性)γ1乃至γ9を示している。ガンマテーブルγ1では、画素の階調データが小さい領域で駆動パルス幅データは256階調まで急激に立ち上がっている。このように、入力の変化に対して出力が急激に変化するガンマテーブルでは、出力にあまり細かい分解能は必要とされない。一方、ガンマテーブルγ2およびγ3では、画素の階調データに対して駆動パルス幅データは緩やかに立ち上がっている。このように、入力の変化に対して出力が緩やかに変化するガンマテーブルでは、その出力に細かい分解能が必要とされる。ガンマテーブルγ9では、画素の階調データが大きい領域で駆動パルス幅データは256階調まで急激に立ち上がっている。従って、ガンマテーブルγ1と同様にあまり細かい分解能は必要とされない。
【0027】
図7に示したスクリーンテーブルの入出力特性の例は、例えば、スクリーン(セル)の濃度がゼロに近い領域(γ1)では出力値を急激に立ち上げて、確実にトナーが付着できるようにし、比較的濃度が低い領域(γ2,γ3)では階調の変化が人間の目にはっきりと認識できるので、出力値を比較的緩やかに立ち上げている。そして、濃度が高い領域(γ9)では階調の変化が人間の目にほとんど認識できないので、出力値を急激に立ち上げている。このように、スクリーンテーブルを利用したハーフトーン処理では、画素毎に異なる入出力特性のガンマテーブルを設けることが必要であり、そうすることにより、人間の目に理想的な濃度変化を与えることができる。
【0028】
図8は、各画素毎のスクリーンテーブル(変換テーブル)の入出力特性の一例を示している。このスクリーンテーブルは、図6のスクリーンテーブルに対応している。図8(A)は画素1に関するスクリーンテーブルの入出力特性(γ1)の一例を、図8(B)は画素2に関するスクリーンテーブルの入出力特性(γ2)の一例を、図8(C)は画素9に関するスクリーンテーブルの入出力特性(γ9)の一例を示している。横軸は画素の階調データ(入力)を、縦軸は画像再生情報である駆動パルス幅データ(出力)を表している。
【0029】
画素1の入出力特性(γ1)は、図8(A)に示すように、画素の階調データが小さい領域で駆動パルス幅データが256階調まで急激に立ち上がっている。従って、駆動パルス幅データは細かい分解能を必要とされないため、8ビットよりも少ないビット数、例えば、4ビットで構成される。画素2の入出力特性(γ2)は、図8(B)に示すように、画素の階調データに対して駆動パルス幅データが緩やかに立ち上がっている。従って、駆動パルス幅データは細かい分解能を必要とされるため、従来と同様に8ビットで構成される。画素9の入出力特性(γ9)は、図8(C)に示すように、画素の階調データが大きい領域で駆動パルス幅データが256階調まで急激に立ち上がっている。従って、駆動パルス幅データは細かい分解能を必要とされないため、8ビットよりも少ないビット数、例えば、4ビットで構成される。これにより、画像再生情報である駆動パルス幅データのビット数を減らすことができる。従って、スクリーンテーブルメモリ53の容量を小さくすることが可能となる。
【0030】
本発明を適用した電子写真システムの一実施の形態の構成は、図1および図2と同じである。本実施の形態においても、ページメモリ51には、供給されたCMYKの階調データが格納される。同様に、スクリーンテーブルメモリ53には、各画素毎に階調データと駆動パルス幅データの対応関係を示すスクリーンテーブル(ガンマテーブル)が予め格納されている。但し、本実施の形態では、スクリーンテーブルの画像再生情報は、スクリーンテーブルの入出力特性が急激に立ち上がる場合、4ビット(少数ビット)で構成され、入出力特性が緩やかに立ち上がる場合、8ビット(多数ビット)で構成される。
【0031】
図9は、スクリーンテーブルメモリ53の構成例を示している。スクリーンテーブルメモリ53は、4ビットの画像再生情報で構成される少数ビットテーブル71、画像再生情報のビット数を拡張するビット拡張部72、および8ビットの画像再生情報で構成される多数ビットテーブル73を格納している。尚、図9においては、便宜上、少数ビットテーブルおよび多数ビットテーブルを1つずつ示したが、実際には、スクリーンの画素の数だけテーブルが存在する。
【0032】
スクリーン処理部52は、ページメモリ51に格納されている画素の階調データを読み出し、読み出した画素に対応するスクリーンテーブルを選択する。スクリーン処理部52は、選択したスクリーンテーブルを参照して、階調データに対応する駆動パルス幅データ(画像再生情報)を読み出す。選択されたスクリーンテーブルが少数ビットテーブル71である場合、読み出された4ビットの駆動パルス幅データは、ビット拡張部72に供給され、8ビットの駆動パルス幅データに拡張されてからパルス幅変調部33に供給される。選択されたスクリーンテーブルが多数ビットテーブル73である場合、読み出された8ビットの駆動パルス幅データはそのままパルス幅変調部33に供給される。
【0033】
次に、コントローラ21の処理動作について、図10を参照して具体的に説明する。先ず、画素1の階調データの処理について、以下に説明する。スクリーン処理部52は、ページメモリ51に格納されている画素1の階調データ“42”を読み出し(図10(A))、画素1に対応した少数ビットテーブル71を選択する(図10(B))。スクリーン処理部52は、選択した少数ビットテーブル71を参照して、階調データ“42”に対応する駆動パルス幅データ“15”を読み出す。読み出された4ビットの駆動パルス幅データ“15”は、ビット拡張部72に供給され、8ビットの駆動パルス幅データ“255”にビット拡張された後(図10(C))に、パルス幅変調部33に供給される。パルス幅変調部33は、供給された駆動パルス幅データ“255”に基づいてパルス幅変調信号D3を生成し(図10(D))、生成したパルス幅変調信号D3をエンジン22内のレーザドライバ41に供給する。
【0034】
画素2の階調データの処理の場合、スクリーン処理部52は、ページメモリ51に格納されている画素2の階調データ“41”を読み出し(図10(A))、画素2に対応した多数ビットテーブル73を選択する(図10(B))。スクリーン処理部52は、選択した多数ビットテーブル73を参照して、階調データ“41”に対応する駆動パルス幅データ“120”を読み出し(図10(C))、読み出した8ビットの駆動パルス幅データ“120”をパルス幅変調部33に供給する。パルス幅変調部33は、供給された駆動パルス幅データ“120”に基づいてパルス幅変調信号D3を生成し(図10(D))、生成したパルス幅変調信号D3をエンジン22内のレーザドライバ41に供給する。
【0035】
画素3乃至画素9の各画素の階調データの処理については、上述した画素1または画素2の階調データと同様の処理が行われるので、説明は省略する。但し、図10の例では、画素3乃至画素9の各画素に対応するパルス幅変調信号D3は全て0となっている。
【0036】
次に、ビット拡張部72おける3つのビット拡張方法について、図11乃至図13を参照して説明する。ここで、4ビットで構成される駆動パルス幅データを8ビットに拡張する理由について説明する。パルス幅変調部33は、いずれの画素に対しても8ビットの駆動パルス幅データを供給され、パルス幅変調により、そのデータに対応したパルス幅の駆動信号を生成する。従って、駆動パルス幅データが少数ビットで構成される少数ビットテーブルから読み出された4ビットのデータは、パルス幅変調部33が受信できるように、8ビットに拡張する必要がある。
【0037】
第1の拡張方法を図11に示す。第1の拡張方法では、駆動パルス幅データ“0”(“0000”)乃至“14”(“1110”)については、拡張される前の4ビットを上位4ビットとし、下位4ビットに“0000”を付加する。駆動パルス幅データ“15”(“1111”)については、拡張される前の4ビットを上位4ビットとし、下位4ビットに“1111”を付加する。これにより、4ビットの駆動パルス幅データの最大階調値と8ビットの駆動パルス幅データの最大階調値を対応させることができる。従って、拡張後の駆動パルス幅データも最大濃度を表現することが可能となる。
【0038】
第2の拡張方法を図12に示す。第2の拡張方法では、駆動パルス幅データ“0”(“0000”)乃至“7”(“0111”)については、拡張される前の4ビットを上位4ビットとし、下位4ビットに“0000”を付加する。駆動パルス幅データ“8”(“1000”)乃至“15”(“1111”)については、拡張される前の4ビットを上位4ビットとし、下位4ビットに“1111”を付加する。これにより、第1の拡張方法の如く、拡張後の8ビットの駆動パルス幅データが最大階調値で急激に変化することを防止することができる。
【0039】
第3の拡張方法を図13に示す。第3の拡張方法では、拡張される前の4ビットの駆動パルス幅データ“0”(“0000”)乃至“15”(“1111”)のそれぞれを上位4ビットとし、下位4ビットに上位4ビットと同一のものを付加する。これにより、拡張後の駆動パルス幅データに4ビットの駆動パルス幅データと同等の変化を持たせることができる。
【0040】
尚、本実施の形態においては、ビット拡張部72をスクリーンテーブルメモリ53の内部に設けるようにしたが、勿論、パルス幅変調部33の内部に設けるようにしてもよい。その場合は、スクリーン処理部52は、4ビットまたは8ビットの駆動パルス幅データとともに、少数ビットか多数ビットかを区別できるデータもパルス幅変調部33に供給する必要がある。
【0041】
次に、コントローラ21の処理動作について、図14のフローチャートを参照して説明する。先ず、ステップS1において、パーソナルコンピュータ1はケーブル3を介してRGBの階調データを色変換部31へ供給する。
【0042】
ステップS2において、色変換部31は、供給されたRGBの階調データをCMYKの階調データに変換し、CMYKの階調データをページメモリ51に記憶させる。
【0043】
スクリーン処理部52は、ステップS3において、ページメモリ51に記憶されている画素毎の階調データを読み出し、ステップS4において、読み出した画素に対応したスクリーンテーブル(ガンマテーブル)をスクリーンテーブルメモリ53から選択し、ステップS5において、選択したスクリーンテーブルを参照して、階調データに対応する駆動パルス幅データを読み出す。
【0044】
次に、ステップS6において、スクリーン処理部52は、選択したスクリーンテーブルが少数ビットテーブルである場合、ステップS7に進み、読み出した駆動パルス幅データをビット拡張部72に供給する。ビット拡張部72は、供給された4ビットの駆動パルス幅データを8ビットの駆動パルス幅データに拡張し、ステップS8に進む。
【0045】
ステップS6において、選択したスクリーンテーブルが少数ビットテーブルでない(多数ビットテーブルである)場合、ステップS7はスキップされ、ステップS8に進む。
【0046】
ステップS8において、スクリーン処理部52は、駆動パルス幅データをパルス幅変調部33へ供給する。パルス幅変調部33は、供給された駆動パルス幅データに基づいてパルス幅変調信号D3を生成し、生成したパルス幅変調信号D3をレーザドライバ41に供給し、処理動作は終了される。
【0047】
図15は、電子写真システムの他の実施の形態の構成を示すブロック図である。図15の電子写真システムは、図1に示した電子写真システムのプリンタ2側の色変換機能とハーフトーン処理機能を、パーソナルコンピュータ81内のドライバ92に取り込み、実現したものである。ドライバ92は、パーソナルコンピュータ81に予めインストールされるコンピュータプログラムである。アプリケーションプログラム91、色変換部112、ハーフトーン処理部113、パルス幅変調部121、レーザドライバ131、およびレーザダイオード132のそれぞれの機能は、上記実施の形態例におけるアプリケーションプログラム11、色変換部31、ハーフトーン処理部32、パルス幅変調部33、レーザドライバ41、およびレーザダイオード42と同一である。
【0048】
図15のシステム例では、パーソナルコンピュータ81側にインストールされるドライバ92により、色変換処理とハーフトーン処理とが行われる。図1のシステム例では、色変換処理とハーフトーン処理とは、プリンタ2内のコントローラ21で行っていたが、図15のシステム例では、パーソナルコンピュータ81側で行う。プリンタ82の低価格化が要求される場合、コントローラ101の能力を下げて、パーソナルコンピュータ81にインストールされるドライバプログラムにより色変換処理とハーフトーン処理とを実現することが有効である。ドライバ92によりハーフトーン処理が実現される場合、上記ハーフトーン処理手順をコンピュータに実行させるプログラムが格納された記録媒体が、パーソナルコンピュータ81に内蔵される。
【0049】
尚、上記処理を実行するコンピュータプログラムをユーザに提供する記録媒体には、磁気ディスク、CD-ROMなどの情報記録媒体の他、インターネット、ディジタル衛星などのネットワークによる伝送媒体も含まれる。
【0050】
また、本実施の形態においては、少数ビットテーブルにおける駆動パルス幅データのデータ構成を4ビットとし、多数ビットテーブルにおける駆動パルス幅データのデータ構成を8ビットとするようにしたが、勿論これ以外のビット数で構成することも可能である。例えば、階調データに対して駆動パルス幅データが急激に立ち上がるテーブルでは1ビットとし、階調データに対して駆動パルス幅データが緩やかに立ち上がるテーブルでは8ビットとし、その中間のテーブルでは4ビットとすることも可能である。
【0051】
【発明の効果】
以上の如く、本発明によれば、テーブルの入出力特性に応じてデータ構成を変化させるようにしたので、メモリ容量をより小さくすることが可能となる。従って、コストをより低く抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子写真システムの一例を示すブロック図である。
【図2】図1のハーフトーン処理部32の構成例を示す図である。
【図3】スクリーン61を説明するための図である。
【図4】スクリーン61とパルス幅変調信号の関係を説明するための図である。
【図5】コントローラ21における処理を具体的に説明するための図である。
【図6】図5(B)のスクリーンテーブルの入出力特性の一例を示す図である。
【図7】スクリーンテーブルの入出力特性の一例を示す図である。
【図8】本発明を適用したスクリーンテーブルの入出力特性の一例を示す図である。
【図9】図2のスクリーンテーブルメモリ53の構成例を示す図である。
【図10】コントローラ21における処理を具体的に説明するための図である。
【図11】ビット拡張部72におけるビット拡張方法の一例を示す図である。
【図12】ビット拡張部72におけるビット拡張方法の一例を示す図である。
【図13】ビット拡張部72におけるビット拡張方法の一例を示す図である。
【図14】コントローラ21の処理動作を説明するためのフローチャートである。
【図15】電子写真システムの他の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 パーソナルコンピュータ
2 プリンタ
21 コントローラ
22 エンジン
31 色変換部
32 ハーフトーン処理部
33 パルス幅変調部
41 レーザドライバ
42 レーザダイオード
51 ページメモリ
52 スクリーン処理部
53 スクリーンテーブルメモリ(変換テーブル)
71 少数ビットテーブル
72 ビット拡張部
73 多数ビットテーブル
Claims (5)
- 複数のドットから形成される網点により階調を表現して画像を再生する電子写真装置において、
入力される階調データに対して、画素毎に階調データと画像再生情報との対応を有する第1の変換テーブルまたは第2の変換テーブルを参照して、画像再生情報を出力するハーフトーン処理部を有し、
前記第1の変換テーブルの画像再生情報は、第1のビット数で構成され、前記第2の変換テーブルの画像再生情報は、前記第1のビット数より多い第2のビット数で構成される
ことを特徴とする電子写真装置。 - 前記第1の変換テーブルは、前記階調データに対して前記画像再生情報が急激に立ち上がり、前記第2の変換テーブルは、前記階調データに対して前記画像再生情報が緩やかに立ち上がる
ことを特徴とする請求項1に記載の電子写真装置。 - 前記第1のビット数および前記第2のビット数は、前記第1の変換テーブルおよび前記第2の変換テーブルの入出力特性に基づく
ことを特徴とする請求項1に記載の電子写真装置。 - 複数のドットから形成される網点により階調を表現して画像を再生する電子写真の画像処理方法において、
入力される階調データに対して、画素毎に階調データと画像再生情報との対応を有する第1の変換テーブルまたは第2の変換テーブルを参照して、画像再生情報を出力するハーフトーン処理ステップを有し、
前記第1の変換テーブルの画像再生情報は、第1のビット数で構成され、前記第2の変換テーブルの画像再生情報は、前記第1のビット数より多い第2のビット数で構成される
ことを特徴とする電子写真の画像処理方法。 - 複数のドットから形成される網点により階調を表現して画像を再生する電子写真の画像処理手順をコンピュータに実行させるプログラムを記録した記録媒体において、
前記画像処理手順は、
入力される階調データに対して、画素毎に階調データと画像再生情報との対応を有する第1の変換テーブルまたは第2の変換テーブルを参照して、画像再生情報を出力するハーフトーン処理ステップを有し、
前記第1の変換テーブルの画像再生情報は、第1のビット数で構成され、前記第2の変換テーブルの画像再生情報は、前記第1のビット数より多い第2のビット数で構成される
ことを特徴とする画像処理プログラムを記録した記録媒体。
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