JP3778265B2 - 画像処理方法及び画像処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理方法及び画像処理装置に関し、特に、複数のドットからなる網点によってハーフトーン処理を行うカラー電子写真法によりカラー画像再生を行う場合の画像処理方法及び画像処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カラープリンタやカラーコピー等の電子写真装置は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)のトナーを利用してカラー画像の再生を行うものである。カラープリンタの中でも、特に、レーザビームによって感光体ドラム上に静電潜像を形成し、帯電したトナーにより現像し、現像されたトナーによる画像を転写紙に転写し、定着することによってカラー画像再生を行うカラーレーザプリンタは、レーザビームの照射領域をドット内において種々変更することができ、単位面積当たりのドット数が少ない場合でも、より高解像度で且つより高い階調のカラー画像を再現することを可能にする。
【0003】
そのようなカラーレーザプリンタによりカラー画像再生を行う場合の画像処理の工程の概略を図7を参照して説明すると次のようである。
画像データはデータ解釈される(ステップS1)。データ解釈とは、画像データがどのような構造を有しているかを解釈することである。例えば、カラースキャナで読み込まれた画像データはビットマップデータであるが、それがそのままビットマップ形式で保存されることもあり、JPEG等の適宜な圧縮方式によりデータ圧縮されて保存される場合もある。この場合にはデータ圧縮された画像データはビットマップ形式とは異なるものとなる。また、図形作成ツール等のアプリケーションプログラムによって作成された画像のデータは、ページ・ディスクリプション・ランゲージ(page description language:PDL)等のビットマップ形式ではない形式のデータとなされる。このように画像データのデータ構造は種々であるので、画像データがどのような構造のものであるのかを解釈するのである。そして、データ解釈の工程で解釈された画像データのデータ構造は、それ以降の工程の処理に反映される。なお、データ解釈の手法は周知であるので詳細な説明は省略する。
【0004】
次に、画像データに対して解像度変換が施され(ステップS2)、ラスタオペレーションにより画像データはビットマップ化される(ステップS3)。解像度変換は、画像データの解像度を、指定された画像再生の解像度に変換するものである。そして、ラスタオペレーションによって、RGBの3つのビットマッププレーン(以下、単にプレーンと称す)が生成される。なお、解像度変換及びラスタオペレーションの手法は周知であるので詳細な説明は省略する。
【0005】
次に、色変換によって、RGBの3色は、YMCKの4色に変換される(ステップS4)。これによって、YMCKの4つのプレーンが生成される。この色変換も周知の手法を用いればよい。
【0006】
次に、YMCKのそれぞれのプレーンに対してハーフトーン処理が行われる(ステップS5)。ハーフトーン処理についても種々の手法が知られているが、ここでは、本出願人が特開2000−228728号公報で提案した、パターンマトリクスとガンマテーブルを用いる手法を用いるものとする。
【0007】
具体的には次のようである。
パターンマトリクスは、YMCKの各プレーンの各画素の階調値に基づいて網点を生成していく際に、どのような配置の何個の画素で網点を生成していくか、その網点を生成する画素のマトリクス構成を定めるものであり、例えば、上記の公開公報には12×12のマトリクス構成のパターンマトリクスが示されているが、それと同様に、3×3の9個のマトリクス構成の画素の階調値に基づいて網点を生成していくものとすると、パターンマトリクスは図8(a)に示すように、3×3のマトリクスとなり、マトリクス内には1〜9の参照番号が重複無く割り当てられている。
【0008】
ガンマテーブルは、パターンマトリクスの参照番号に対応する各画素の静電潜像を形成する際に、各画素に対応する潜像形成領域内のどの位置に、どの程度の面積でレーザビームを照射すべきかという画像再生情報を定めたテーブルであり、パターンマトリクスの各参照番号について、画素の階調値に対するレーザビームのパルス幅と、そのパルス位置が書き込まれている。つまり、画像再生情報は、パルス幅とパルス位置の2つの情報を含んでいるのである。
【0009】
パターンマトリクスが図8(a)のときのガンマテーブルの例の一部分を図8(b)に示す。図8(b)は、パルス幅を 0〜127 の 128段階として7ビットで表した場合のガンマテーブルの例を示しており、127 を分母とする分数がパルス幅を示しており、「右寄せ」、「左寄せ」がパルス位置を示している。このように、パルス位置は、各画素が再生される領域内のどの位置にパルスを生成するかという情報なのである。
【0010】
そして、画像データに対して、図8(a)のパターンマトリクスと、図8(b)のガンマテーブルが順次対応付けられ、各画素がパターンマトリクスのどの参照番号の位置にあるかに応じて、ガンマテーブルから画素の階調値に対する画像再生情報が読み出されて出力される。
【0011】
例えば、ここでは画素の階調は8ビットで表されるものとし、いま、YMCKのプレーンの中の一つのプレーンについて、図8(a)に示すパターンマトリクスと図8(b)に示すガンマテーブルを用いてハーフトーン処理を行うものとする。そして、当該プレーンの画像データの中の図9(a)のp1 ,p2 で示す2つの画素が、それぞれパターンマトリクスの参照番号の1番と2番の位置であるとし、p1 の階調値は 1、p2 の階調値は100 であるとすると、図8(b)のガンマテーブルから、p1 の画素についての画像再生情報としては、パルス幅は20/127、パルス位置は右寄せが出力され、p2 の画素についての画像再生情報としては、パルス幅は100/127、パルス位置は右寄せが出力される。その他の画素についても同様である。従って、このハーフトーン処理で得られる画像再生情報をパルス幅変調方式(PWM)により変調して、周知の工程により感光体にトナーを付着し、それを印刷用紙に転写すると、これらp1 、p2 の画素はそれぞれ図9(b)のp1′、p2′に示すように画像再生されることになる。なお、図9(b)において、黒で示す部分はトナーが転写された部分を示している。
【0012】
このようにして、パターンマトリクスとガンマテーブルを用いたハーフトーン処理をYMCKの全てのプレーンについて行うと、次に、そのハーフトーン処理の結果得られたYMCK4色についての各画素の画像再生情報をパルス幅変調方式(PWM)により変調してレーザ駆動パルスを生成する(ステップS6)。そしてその後、このレーザ駆動パルスでレーザダイオードを駆動し、レーザービームを感光ドラムに照射する。これにより、一つ一つの画素に対応した静電潜像形成領域内の、画像再生情報のパルス位置によって定められた右側または左側に、画像再生情報のパルス幅によって定められた面積領域だけにレーザービームが照射され、トナーが付着される。そして、印刷用紙への転写、定着が行われて画像再生が行われることになる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図7に示す画像再生時の画像処理は、全てカラーレーザプリンタ側で行われることもあり、一部はホストコンピュータで行われることもある。前者においては、画像データを蓄積しているホストコンピュータからカラーレーザプリンタに転送し、カラーレーザプリンタ側でステップS1のデータ解釈以降の全ての画像処理を行うことになり、後者の場合としては、例えばホストコンピュータ側でステップS3のラスタオペレーションまで行うものとすると、ホストコンピュータからラスタオペレーションの結果得られるRGBの3色のプレーンをカラーレーザプリンタに転送し、カラーレーザプリンタ側でステップS4の色変換以降の処理を行うことになる。勿論、ホストコンピュータ側でステップS4の色変換まで行ったり、ステップS5のハーフトーン処理まで行ったりすることも可能である。
【0014】
しかし、何れにせよ、従来では、画像再生を行う場合には、その都度、図7に示す画像処理を行わなければならず、画像再生に時間を要するという問題がある。
また、例えば、ホストコンピュータ側でラスタオペレーションあるいは色変換まで行うものとすると、前者の場合にはRGBの3色のプレーン、後者の場合にはYMCKの4色のプレーンのデータをカラーレーザプリンタに転送しなければならず、そのデータ転送に時間を要するという問題もある。
【0015】
そこで、本発明は、画像再生あるいはホストコンピュータ側からカラーレーザプリンタへのデータ転送を従来より短時間で行うことができる画像処理方法及び画像処理装置を提供することを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の画像処理方法は、画像データの各画素の階調値に基づいて網点を生成する際に、その網点を生成する画素のマトリクス構成を定めるものであって、マトリクス内に参照番号が重複無く割り当てられたパターンマトリクスと、前記パターンマトリクスの各参照番号について、画像データの画素の階調値に対して、前記階調値を表現するビット数よりも少ないビット数で表現されるパルス幅が書き込まれた階調値対パルス幅テーブルとを用い、画像データの画素に対して前記パターンマトリクスを当てはめ、前記階調値対パルス幅テーブルを参照して、前記パターンマトリクスの各参照番号の位置に対応する画素の階調値から、それぞれの画素についてのパルス幅値を生成していく処理を、パターンマトリクスのサイズずつずらしながら順次行って、パルス幅値からなる第1ハーフトーンデータを生成する第1ハーフトーン処理と、前記第1ハーフトーンデータを保存あるいは転送する処理と、前記第1ハーフトーン処理で用いたと同じパターンマトリクスと、前記パターンマトリクスの各参照番号について、各パルス幅値に対して、パルス幅とパルス位置が書き込まれたパルス幅値対パルス位置テーブルとを用い、読み出された第1ハーフトーンデータあるいは転送された第1ハーフトーンデータの各パルス幅値に対して前記パターンマトリクスを当てはめ、前記パルス幅値対パルス位置テーブルを参照して、前記パターンマトリクスの各参照番号の位置に対応するパルス幅値から、前記第1ハーフトーンデータのそれぞれのパルス幅値に対して、パルス幅値とパルス位置とを生成していく処理を、前記パターンマトリクスのサイズずつずらしながら順次行う第2ハーフトーン処理とを備えることを特徴とする。
請求項2記載の画像処理装置は、画像データの各画素の階調値に基づいて網点を生成する際に、その網点を生成する画素のマトリクス構成を定めるものであって、マトリクス内に参照番号が重複無く割り当てられたパターンマトリクスと、前記パターンマトリクスの各参照番号について、画像データの画素の階調値に対して、前記階調値を表現するビット数よりも少ないビット数で表現されるパルス幅が書き込まれた階調値対パルス幅テーブルとを備え、画像データの画素に対して前記パターンマトリクスを当てはめ、前記階調値対パルス幅テーブルを参照して、前記パターンマトリクスの各参照番号の位置に対応する画素の階調値から、それぞれの画素についてのパルス幅値を生成していく処理を、パターンマトリクスのサイズずつずらしながら順次行って、パルス幅値からなる第1ハーフトーンデータを生成する第1ハーフトーンモジュールと、前記第1ハーフトーンデータを保存するメモリと、前記第1ハーフトーン処理で用いたと同じパターンマトリクスと、前記パターンマトリクスの各参照番号について、各パルス幅値に対して、パルス幅とパルス位置が書き込まれたパルス幅値対パルス位置テーブルとを備え、前記メモリから読み出された第1ハーフトーンデータの各パルス幅値に対して前記パターンマトリクスを当てはめ、前記パルス幅値対パルス位置テーブルを参照して、前記パターンマトリクスの各参照番号の位置に対応するパルス幅値から、前記第1ハーフトーンデータのそれぞれのパルス幅値に対して、パルス幅値とパルス位置とを生成していく処理を、前記パターンマトリクスのサイズずつずらしながら順次行う第2ハーフトーンモジュールとを備えることを特徴とする。
請求項3記載の画像処理装置は、画像データの各画素の階調値に基づいて網点を生成する際に、その網点を生成する画素のマトリクス構成を定めるものであって、マトリクス内に参照番号が重複無く割り当てられたパターンマトリクスと、前記パターンマトリクスの各参照番号について、画像データの画素の階調値に対して、前記階調値を表現するビット数よりも少ないビット数で表現されるパルス幅が書き込まれた階調値対パルス幅テーブルとを用い、画像データの画素に対して前記パターンマトリクスを当てはめ、前記階調値対パルス幅テーブルを参照して、前記パターンマトリクスの各参照番号の位置に対応する画素の階調値から、それぞれの画素についてのパルス幅値を生成していく処理を、パターンマトリクスのサイズずつずらしながら順次行って生成された、パルス幅値からなる第1ハーフトーンデータを保存するメモリと、前記第1ハーフトーン処理で用いたと同じパターンマトリクスと、前記パターンマトリクスの各参照番号について、各パルス幅値に対して 、パルス幅とパルス位置が書き込まれたパルス幅値対パルス位置テーブルとを備え、前記メモリから読み出された第1ハーフトーンデータの各パルス幅値に対して前記パターンマトリクスを当てはめ、前記パルス幅値対パルス位置テーブルを参照して、前記パターンマトリクスの各参照番号の位置に対応するパルス幅値から、前記第1ハーフトーンデータのそれぞれのパルス幅値に対して、パルス幅値とパルス位置とを生成していく処理を、前記パターンマトリクスのサイズずつずらしながら順次行う第2ハーフトーンモジュールとを備えることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ発明の実施の形態について説明するが、先ず、画像処理方法について説明する。
上記の問題を解決するためには、画像処理の何れかの段階で、RGBの3プレーンや、YMCKの4プレーンのデータ量に比較してデータ量が少ない形態のデータを生成すればよい。そして、そのデータ形態で蓄積しておき、画像再生を行う際にはその形態のデータを読み出して、その後の必要な画像処理を行って画像再生するようにすれば、従来よりも短時間で画像再生を行うことが可能であり、しかも、その形態のデータを蓄積するためのメモリ容量は、RGBの3プレーンやYMCKの4プレーンの形態でデータを蓄積する場合に比較して少なくて済むことになる。
【0018】
また、ホストコンピュータ側である程度の画像処理を行う場合、このようなデータ量が少ない形態のデータの生成までをホストコンピュータ側で行うようにすれば、カラーレーザプリンタへのデータ転送を従来よりも短時間で行うことが可能となる。
【0019】
さて、上記のようなデータ量が少ない形態データの生成を、どの段階で、どのようにして生成するかが問題となるが、この画像処理方法では、それをハーフトーン処理に求めている。即ち、上述したように、従来のハーフトーン処理では、パターンマトリクスとガンマテーブルを用い、ガンマテーブルからパルス幅とパルス位置という2つの情報からなる画像再生情報を出力しているのであるが、これを2段階に分け、第1段階のハーフトーン処理ではパルス幅だけからなる第1画像再生情報を得、第2段階のハーフトーン処理ではパルス位置だけからなる第2画像再生情報を得、これら第1画像再生情報と、第2画像再生情報の2つの情報をPWMするのである。
【0020】
この画像処理方法は、ハーフトーン処理において出力されるパルス幅のビット数は、YMCKの1画素のビット数よりも小さくできることに基づいている。例えば、図8(b)に示すガンマテーブルでは、YMCKの各プレーンの1画素は8ビット構成であるが、1画素についてのパルス幅の情報は7ビットとなっており、8ビットよりも少ないビット数で表されている。実際には、1画素についてのパルス幅の情報は2〜4ビット構成でも十分である。
【0021】
従って、この第1段階のハーフトーン処理の結果得られるパルス幅の第1画像再生情報にファイル名を付して蓄積しておき、画像再生を行う際にはこの第1画像再生情報を読み出し、第2段階のハーフトーン処理等の必要な処理を行って画像再生すれば、従来のように画像再生の都度図7に示す画像処理を行う必要がないので、短時間で画像再生を行うことが可能となるばかりでなく、当該第1画像再生情報のデータ量は少ないので、これを記憶するためのメモリ容量も少なくて済むものである。
【0022】
また、ホストコンピュータ側で第1段階のハーフトーン処理まで行うようにすれば、カラーレーザプリンタへの当該データの転送に要する時間は、RGBやYMCKのプレーンのデータを転送する場合に比較して短時間で済む。
【0023】
以下、具体的に説明する。
図1は本発明に係る画像処理方法の工程の一実施形態を示す図である。
図1のステップS11のデータ解釈からステップS14の色変換までの処理は、図7のステップS1からステップS4までの処理と同じである。ステップS14の色変換の処理が終了すると、色変換の処理によって生成されたYMCKの4色の各プレーンの画像データに対して第1ハーフトーン処理が施される(ステップS15)。
【0024】
この第1ハーフトーン処理では、パターンマトリクスと、階調値対パルス幅テーブルを用いる。この階調値対パルス幅テーブルは、図8(b)に示すガンマテーブルからパルス位置の情報を除いたものであり、パターンマトリクスの各参照番号について、画像データの画素の階調値に対するパルス幅のみが書き込まれたものである。階調値対パルス幅テーブルの例を図2に示す。図2(a)、図2(b)に示す階調値対パルス幅テーブルは、何れもパターンマトリクスを3×3のマトリクスとした場合のものであり、図2(a)はパルス幅を128 段階(7ビット)で表す場合の階調値対パルス幅テーブルの例であり、図2(b)はパルス幅を16段階(4ビット)で表す場合の階調値対パルス幅テーブルの例である。実用上は、パルス幅値は1画素当たり2〜4ビット構成で十分であり、高品質な画像再生が望まれる場合には、1画素あたりのパルス幅を6ビットあるいは7ビットとすればよい。
【0025】
そして、第1ハーフトーン処理では、画像データの画素に対してパターンマトリクスを当てはめ、階調値対パルス幅テーブルを参照して、パターンマトリクスの各参照番号の位置に対応する画素の階調値から、それぞれの画素についてのパルス幅値を生成していく処理を、パターンマトリクスのサイズずつずらしながら順次行う。
【0026】
従って、図2(a)に示す階調値対パルス幅テーブルを用いた場合、いま第1ハーフトーン処理の対象となっている画像データのある画素がパターンマトリクスの参照番号1番の位置に対応し、その画素の階調値が 1であるとすると、当該画素に対しては20/127の値が7ビットのコードで出力される。図2(a)では画像データの1画素は8ビット構成であるので、この第1ハーフトーン処理によって1画素は7ビット構成となされ、ビット数が減ることになる。同様に、図2(b)に示す階調値対パルス幅テーブルを用いた場合、いま第1ハーフトーン処理の対象となっている画像データのある画素がパターンマトリクスの参照番号1番の位置に対応し、その画素の階調値が 1であるとすると、当該画素に対しては1/15の値が4ビットのコードで出力される。図2(b)でも画像データの1画素は8ビット構成であるので、この第1ハーフトーン処理によって1画素は4ビット構成となされる。
【0027】
この第1のハーフトーン処理を、YMCKの4色のプレーン全てについて行うと、YMCKの各プレーンについてビット数が低減された第1ハーフトーンデータが得られる。勿論、この第1ハーフトーンデータの各画素の値は階調値ではなくパルス幅の値である。
【0028】
第1のハーフトーン処理の結果得られたYMCKの4色の第1ハーフトーンデータは、そのまま、あるいはデータ圧縮(ステップS16)されて保存されたり、転送されたりする。以上の通り、第1ハーフトーン処理においてデータ量が低減されているので、第1ハーフトーンデータを保存するためのメモリ容量は少なくて済み、第1ハーフトーンデータを転送する場合には、その転送時間は短くて済むものである。なお、ステップS16のデータ圧縮の方法としては、ランレングス法やハフマン法等を用いればよい。このデータ圧縮の処理、及びステップS17の解凍の処理は本発明において本質的な事項ではない。図1においてステップS16、S17の処理を破線で記載しているのはこのことを示している。従って、以下ではステップS16、S17の処理は行わないものとする。
【0029】
ところで、第1ハーフトーンデータを保存するにしても、転送するにしても、第1ハーフトーンデータの各パルス幅値が、1頁の画像内のどの位置の画素に対応するものであるか、その画像内での主走査方向位置及び副走査方向位置が分からなければならない。これは、後述するように、第2ハーフトーン処理において第1ハーフトーンデータの各パルス幅値が1頁の画像内のどの位置の画素に対応するかという位置情報が必要になるからである。
【0030】
そのための方法の一つとして、第1ハーフトーンデータの各パルス幅値に対して、当該パルス幅値が1頁の画像内のどの位置の画素に対応するものであるかを示す位置情報をも付加することが考えられるが、このように特別に位置情報をも付加するとなるとデータ量が増えてしまうことになる。
【0031】
そこで、第1ハーフトーンデータに対して、特別に画素の位置情報を付加することなく、後の第2ハーフトーン処理において正しく処理を行うことができるようにするための方法としては、第1ハーフトーンデータを記憶する場合には、例えば、第1ハーフトーンデータの各パルス幅値を、色変換の処理によって生成されたYMCKの各プレーンに書き込まれている画素配置と同じ配置でメモリに書き込むようにすればよい。即ち、ステップS14の色変換の処理によって生成されたYMCKの各プレーンにおいて、画素Pi,j (i=1,2,…,m、j=1,2,…,n)が図3(a)のように配置されていたとすると、第1ハーフトーンデータの各パルス幅値Hi,j (i=1,2,…,m、j=1,2,…,n)を図3(b)に示すように、図3(a)における画素配置と同じ配置でメモリに書き込むのである。なお、図3では、パルス幅値Hi,j は、画素Pi,j の階調値に基づいて第1ハーフトーン処理によって出力されたパルス幅値としている。
【0032】
このようにすれば、第1ハーフトーンデータに、各パルス幅値が1頁内の画像内のどの位置の画素に対応するかという位置情報を特別に付加することなく、YMCKの各プレーンの画素位置と、第1ハーフトーンデータのパルス幅値の位置を一対一対応させることができ、パルス幅値Hi,j が1頁の画像内のどの位置にある画素に対応するものであるかを認識することができることになる。
【0033】
また、第1ハーフトーンデータを、いわゆるバンドイメージとしてメモリに保存するようにしてもよい。バンドイメージとは、周知のように、ビットマップ形式の画像データを、いくつかのライン毎にまとめて保存する手法であり、第1ハーフトーンデータをバンドイメージとして保存する場合には、各バンド毎に、バンドの先頭のパルス幅値が、1頁の画像内のどの位置の画素に対応するものであるかという位置情報が付加する必要がある。
【0034】
更に、第1ハーフトーンデータを転送する場合にはラスタ形式で行えばよい。つまり、第1ハーフトーンデータは、値はパルス幅ではあるがビットマップ形式のデータであるので、ビットマップ形式のデータの転送において通常行われているラスタ形式で転送を行うことができる。例えば、第1ハーフトーンデータが図3(b)のようである場合には、第1ラインの先頭であるH1,1 から順次H1,n まで転送し、次に第2ラインのパルス幅値、その次に第3ラインのパルス幅値というように、第1ラインの先頭から順次ラスタを構成するパルス幅値を転送していけばよい。
【0035】
メモリから読み出された第1ハーフトーンデータ、あるいは転送された第1ハーフトーンデータに対しては、第2ハーフトーン処理が施される(ステップS18)。なお、第1ハーフトーンデータがデータ圧縮されている場合には、第2ハーフトーン処理に先立って圧縮の解凍(ステップS17)が行われる。
【0036】
第2ハーフトーン処理では、第1ハーフトーンデータに基づいてパルス位置の情報が生成され、そのパルス位置情報がパルス幅値に付加され、対となされて出力される。
第2ハーフトーン処理では、第1ハーフトーンデータに基づいてパルス位置情報を生成するために、パターンマトリクスと、パルス幅値対パルス位置テーブルを用いる。そして、第1ハーフトーンデータの各パルス幅値に対してパターンマトリクスを当てはめる際に、画素カウンタにより、いま注目しているパルス幅値が、1頁の画像内のどの位置の画素に対応するものであるかを判断する。
【0037】
第2ハーフトーン処理で用いるパターンマトリクスは、ステップS15の第1ハーフトーン処理で用いたパターンマトリクスと同じものである。従って、第1ハーフトーン処理において3×3のマトリクスを用いたとすれば、第2ハーフトーン処理でも3×3のマトリクスを用いる。このことと上記の画素カウンタによって、第1ハーフトーン処理の際に、パターンマトリクスの参照番号がN番(N=1,2,…,9)の位置に対応していた画素のパルス幅値は、第2ハーフトーン処理においてもパターンマトリクスの参照番号がN番の位置に対応付けられる。
【0038】
パルス幅値対パルス位置テーブルは、パターンマトリクスの各参照番号について、各パルス幅値に対するパルス位置が書き込まれたものである。パルス幅値対パルス位置テーブルの例を図4(a)に示す。図4(a)に示すパルス幅値対パルス位置テーブルは、パターンマトリクスを3×3のマトリクスとした場合のものであり、図4(a)は、第1ハーフトーン処理において階調値対パルス幅テーブルとして図2(a)に示すものを用いた場合のパルス幅値対パルス位置テーブルの例である。
【0039】
そして、第2ハーフトーン処理では、第1ハーフトーンデータの各パルス幅値に対してパターンマトリクスを当てはめ、パルス幅値対パルス位置テーブルを参照して、パターンマトリクスの各参照番号の位置に対応するパルス幅値から、それぞれのパルス幅値についてのパルス位置を生成していく処理を、パターンマトリクスのサイズずつずらしながら順次行う。
【0040】
従って、図4(a)に示すパルス幅値パルス位置テーブルによれば、いま第2ハーフトーン処理の対象となっている第1ハーフトーンデータのパルス幅値が、パターンマトリクスの参照番号が1番の位置に対応し、そのパルス幅値が20/127であるとすると、当該パルス幅値に対しては「右寄せ」が生成され、このパルス位置情報がパルス幅値と共にPWMに入力されることになる。その他のパルス幅値についても同様である。
【0041】
第1ハーフトーン処理において図2(b)に示す階調値対パルス幅テーブルを用いた場合にも図4(a)に示すと同様な構造のパルス幅値対パルス位置テーブルを用いることができる。ただし、この場合には第2ハーフトーン処理に入力されるパルス幅値は0/15〜15/15の範囲となる。
【0042】
しかし、図4(a)に示すように、パターンマトリクスの参照番号とパルス幅値とに基づいてパルス位置情報を生成するだけではなく、第1ハーフトーン処理で得られたパルス幅値を補正するようにすることもできる。図4(b)に示すものは、パルス幅値を補正することができるパルス幅値対パルス位置テーブルの例である。図4(b)に示すパルス幅値対パルス位置テーブルは、第1ハーフトーン処理において階調値対パルス幅テーブルとして図2(b)に示すものを用いた場合のパルス幅値対パルス位置テーブルの例であり、このパルス幅値対パルス位置テーブルは、パターンマトリクスの各参照番号について、各パルス幅値に対するパルス幅とパルス位置が書き込まれたものである。つまり、図4(b)に示すパルス幅値対パルス位置テーブルは、ガンマテーブルと同じ構造を有しているのである。
【0043】
このようにして、第2ハーフトーン処理によって、パルス幅値から、少なくともパルス位置情報が生成され、そのパルス位置情報はパルス幅値と対となされてPWMに供給される(ステップS19)。その後は従来と同じである。なお、パルス幅値対パルス位置テーブルが図4(b)に示すようにパルス位置とパルス幅が書き込まれたものである場合には、このパルス幅値対パルス位置テーブルに書き込まれているパルス幅値とパルス位置とが対となされて出力される。
【0044】
以上のようであるので、この画像処理方法によれば、データ量が少ない第1ハーフトーンデータを保存したり、転送することができるので、保存するメモリ容量は少なくて済み、また転送時間を短縮化することが可能となる。実際、上記の画像処理を行って画像再生を行っても、明らかな画質劣化は認められないことが確認されている。
【0045】
また、上記の画像処理によれば、第1ハーフトーンデータに特別に位置情報を付加しなくても第2ハーフトーン処理では正常に処理できる、即ち第1ハーフトーン処理の際に、パターンマトリクスの参照番号がN番の位置に対応していた画素のパルス幅値は、第2ハーフトーン処理においてもパターンマトリクスの参照番号がN番の位置に対応付けられるので、パルス幅値のビット数を2ビットまでは減らすことができ、同じビット数でより高い画質の画像を再生することができる。
【0046】
更に、第2ハーフトーン処理においてパルス幅値を補正すれば、同じビット数(階調解像度)でより適切なパルス幅を選択することができ、画質が向上する。即ち、網点はそのサイズを変調して濃淡を表現するものであるが、網点が最大サイズとなったときに占める画素の領域を網点領域と呼ぶことにすると、網点領域の中心部の画素、例えば図8(a)のパターンマトリクスを用いた場合には参照番号が5番の位置に対応する画素では濃度が低い場合でもドットが形成されるので、再生画像上で孤立ドットとなることが多く、所望の網点サイズを再生画像上に再現するためには、当該画素についてはパルス幅値は大きめの値が選ばれるのが一般的であるのに対して、網点領域の周辺部の画素では入力データの濃度が高くなってからドットが形成されるので、再生画像上ではドットに囲まれることが多く、潰れがちなので、所望の網点サイズを再現するためには、小さめの値が選ばれるのが一般的である。このように、画素によって出力すべきパルス幅値は異なっているのであり、第2ハーフトーン処理においてパルス幅値を補正することによって、同じパルス幅値に対して、その画素の網点領域内での位置によって適切なパルス幅値に変換させることができ、以て画質を向上させることができるのである。
第2ハーフトーン処理においてパルス幅値を補正することは、また、ドットゲインやドットロスのある場合に有効である。
【0047】
また更に、この画像処理方法は、無理正接のハーフトーン処理の場合に適用して好適である。即ち、無理正接のハーフトーン処理では、▲1▼ハーフトーン処理後のデータのビット数を低減することが難しい、▲2▼無理正接ではスクリーンマトリクスのセルが多いので、パルス成長の特性も様々であり、単純にビット数を減らして階調解像度を落とすと画質の劣化が激しいという問題があり、また、無理正接では特にパルス位置情報が重要なのであるが、上記の画像処理方法によれば、無理正接のハーフトーン処理においても、画質劣化を伴わずにビット数を低減でき、またパルス位置情報についても適切なパルス位置情報を生成することができる。
【0048】
以上、本発明に係る画像処理方法について説明したが、次に、画像処理装置の実施形態について説明する。なお、以下に示す実施形態では図1のステップS16のデータ圧縮、及びステップS17の圧縮データの解凍は行わないものとしている。
図5は、ホストコンピュータ側で図1のステップS13までの処理を行ってRGBの3色のプレーンのビットマップ形式のデータを画像処理装置に転送する場合に用いて好適な画像処理装置を用いたシステムの実施形態を示す図であり、図中、1はホストコンピュータ、2はアプリケーションプログラム、3はデータ解釈モジュール、4は解像度変換モジュール、5はラスタオペレーションモジュール、10は画像処理装置、11はインターフェース(I/F)、12は制御装置(CPU)、13はRAM、14はダイレクトメモリアクセス(Direct Memory Access)コントローラ(DMAコントローラ)、15は色変換モジュール、16は第1ハーフトーンモジュール、17は第2ハーフトーンモジュール、18はFIFO(First In First Out)メモリ、19はPWM、20はバスを示す。なお、DMAコントローラ14は、メモリへのデータの書き込み時、及びメモリからのデータの読み出し時にCPU12に代わってメモリへのアクセスを行うものとして周知であるので詳細な説明は省略する。
【0049】
ホストコンピュータ1において、ワードプロセッサや図形ツールなどのアプリケーションプログラム2により、文字データ、図形データあるいはビットマップデータ等が生成される。これらのアプリケーションプログラム2により生成されたそれぞれのデータは、ホストコンピュータ1内にインストールされている、データ解釈モジュール3、解像度変換モジュール4及びラスタオペレーションモジュール5からなるカラープリンタ用のドライバによってビットマップ化され、画素またはドット毎のRGB各色の階調データからなる画像データに変換される。ここでは、RGB各色について1画素8ビット構成としている。
【0050】
オペレータは、ホストコンピュータ1を操作して、画像再生したい画像をアプリケーションプログラム2で作成したデータの中から選択して、画像処理装置10へのデータ転送を指示する。これにより、選択された画像の画像データがアプリケーションプログラム2から読み出されて、データ解釈モジュール3に供給されて、そのデータ構造が解釈され、次に解像度変換モジュール4によって解像度変換が行われ、ラスタオペレーションモジュール5においてRGBの3色のビットマップ形式のプレーンが生成され、画像処理装置10に転送される。データ解釈モジュール3、解像度変換モジュール4、ラスタオペレーションモジュール5は、それぞれ、図1の図S11、S12、S13の処理を行うものであるが、これらは周知であるので詳細な説明は省略する。
【0051】
ホストコンピュータ1から転送されたRGBの3色のプレーンの画像データは、I/F11を介して画像処理装置10に入力される。この画像処理装置10は、カラープリンタ(図5には図示せず)と別体となされていてもよいし、カラープリンタに内蔵されていてもよいものである。
【0052】
画像処理装置10に入力されたRGBの画像データは、色変換モジュール15によってYMCKの4色のプレーンに変換され、第1ハーフトーンモジュール16に供給される。なお、色変換モジュール15は周知のものを用いればよい。また、ここではYMCKの各プレーンの1画素は8ビット構成であるとする。
【0053】
第1ハーフトーンモジュール16は、パターンマトリクスと階調値対パルス幅テーブルを用いて、上述した図1のステップS15の処理を行い、YMCKの4色について第1ハーフトーンデータを生成する。そして、この第1ハーフトーンデータは、DMAコントローラ14の制御によってRAM13に書き込まれて保存される。なお、RAM13への第1ハーフトーンデータの書き込みは、図3に関して説明した通りである。また、第1ハーフトーンデータをRAM13に保存する際にはファイル名を付けるが、このファイル名としては、例えば、ホストコンピュータ1から転送されたRGBの画像データに付されているファイル名をそのまま用いればよい。
【0054】
このシステムでは、RAM13に保存されている第1ハーフトーンデータは、ホストコンピュータ1から読み出し指示を行うことができるようになされており、ホストコンピュータ1からファイル名を指定して第1ハーフトーンデータの読み出し指示を行うと、この指示は画像処理装置10のCPU12に通知され、CPU12はDMAコントローラ14に対して当該指示された第1ハーフトーンデータの読み出しを指示する。そして、DMAコントローラ14の制御によりRAM13から読み出された第1ハーフトーンデータは、第2ハーフトーンモジュール17に供給される。
【0055】
第2ハーフトーンモジュール17は、パターンマトリクスとパルス幅値対パルス位置テーブルを用いて上述した図1のステップS18の第2ハーフトーン処理を実行し、RAM13から読み出された各々のパルス幅値に対して第2ハーフトーン処理で生成したパルス位置情報を付加して、パルス幅値とパルス位置情報を対として出力する。ここで、パルス幅値対パルス位置テーブルが、図4(a)のようにパターンマトリクスの参照番号とパルス幅値とに基づいてパルス位置情報のみを生成するものである場合には、出力するパルス幅値はRAM13から読み出されたパルス幅値であり、図4(b)のようにパターンマトリクスの参照番号とパルス幅値とに基づいてパルス幅値とパルス位置とを生成するものである場合には、出力されるパルス幅値は当該パルス幅値対パルス位置テーブルによって生成された値であることは上述したとおりである。
【0056】
そして、第2ハーフトーンモジュール17から出力されたパルス幅値とパルス位置情報は対となされて、FIFO18を介してPWM19に供給されてパルス幅変調され、直接あるいはバッファやインターフェースを介してプリンタエンジンに与えられ、画像再生が行われる。プリンタエンジンには、レーザダイオード、感光体、転写ベルト等とそれらの駆動部が備えられているが、それらは本発明の本質ではなく、周知のものでよいので、図5ではプリンタエンジンの図示は省略している。
【0057】
なお、図1のステップS16のデータ圧縮、及びステップS17の圧縮データの解凍を行う場合には、第1ハーフトーンモジュール16の出力である第1ハーフトーンデータに対してデータ圧縮を施してからRAM13に保存し、RAM13から読み出した圧縮されたデータに対して解凍を施してから第2ハーフトーンモジュール17に供給するようにすればよい。
【0058】
以上のようであるので、この画像処理装置によれば、画像再生を行う場合には、画像処理装置10のRAMから第1ハーフトーンデータを読み出せばよいので、画像再生を短時間で行うことができ、また、第1ハーフトーンデータのデータ量は少ないので、一つの画像についての第1ハーフトーンデータを保存するためのメモリ容量は少なくて済むものである。
【0059】
次に、もう一つの画像処理装置の実施形態を図6に示す。この実施形態でも図1のステップS16のデータ圧縮、及びステップS17の圧縮データの解凍は行わないものとしている。また、図6においてもプリンタエンジンは図示を省略している。
【0060】
図6は、ホストコンピュータ側で図1のステップS15の第1ハーフトーン処理までを行って、第1ハーフトーンデータを画像処理装置に転送する場合に用いて好適な画像処理装置を用いたシステムの実施形態を示す図である。なお、図6において図5に示す構成要素と同等のものについては同一の符号を付している。
【0061】
ホストコンピュータ1には、文字データ、図形データあるいはビットマップデータ等を作成するアプリケーションプログラム2がインストールされ、また、データ解釈モジュール3、解像度変換モジュール4、ラスタオペレーションモジュール5、色変換モジュール15及び第1ハーフトーンモジュール16からなるカラープリンタ用のドライバもインストールされている。データ解釈モジュール3、解像度変換モジュール4、ラスタオペレーションモジュール5、色変換モジュール15、第1ハーフトーンモジュール16は、それぞれ、図1の図S11、S12、S13、S14、S15の処理を行うものである。
【0062】
オペレータは、ホストコンピュータ1を操作して、画像再生したい画像をアプリケーションプログラム2で作成したデータの中から選択して、画像処理装置10へのデータ転送を指示する。これにより、選択された画像の画像データがアプリケーションプログラム2から読み出されて、データ解釈モジュール3でそのデータ構造が解釈され、解像度変換モジュール4によって解像度変換が行われ、ラスタオペレーションモジュール5においてRGBの3色のビットマップ形式のプレーンが生成され、色変換モジュール15によってYMCKの4色のプレーンが生成され、第1ハーフトーンモジュール16において第1ハーフトーンデータが生成されて、画像処理装置10に転送される。
【0063】
ホストコンピュータ1から転送された第1ハーフトーンデータは、I/F11を介して画像処理装置10に入力される。この画像処理装置10は、カラープリンタ(図6には図示せず)と別体となされていてもよいし、カラープリンタに内蔵されていてもよいものである。
【0064】
さて、画像処理装置10に入力された第1ハーフトーンデータは、DMAコントローラ14の制御によりRAM13に保存される。このとき付けるファイル名については上述した通りである。
【0065】
このシステムでは、RAM13に保存されている第1ハーフトーンデータは、ホストコンピュータ1から読み出し指示を行うことができるようになされており、ホストコンピュータ1からファイル名を指定して第1ハーフトーンデータの読み出し指示を行うと、この指示は画像処理装置10のCPU12に通知され、CPU12はDMAコントローラ14に対して当該指示された第1ハーフトーンデータの読み出しを指示する。そして、DMAコントローラ14の制御によりRAM13から読み出された第1ハーフトーンデータは、第2ハーフトーンモジュール17に供給される。第2ハーフトーンモジュール17は、パターンマトリクスとパルス幅値対パルス位置テーブルを用いて上述した図1のステップS18の第2ハーフトーン処理を実行し、RAM13から読み出された各々のパルス幅値に対して第2ハーフトーン処理で生成したパルス位置情報を付加して、パルス幅値とパルス位置情報を対として出力する。ここで、パルス幅値対パルス位置テーブルが、図4(a)のようにパターンマトリクスの参照番号とパルス幅値とに基づいてパルス位置情報のみを生成するものである場合には、出力するパルス幅値はRAM13から読み出されたパルス幅値であり、図4(b)のようにパターンマトリクスの参照番号とパルス幅値とに基づいてパルス幅値とパルス位置とを生成するものである場合には、出力されるパルス幅値は当該パルス幅値対パルス位置テーブルによって生成された値であることは上述したとおりである。
【0066】
そして、第2ハーフトーンモジュール17から出力されたパルス幅値とパルス位置情報は対となされて、FIFO18を介してPWM19に供給されてパルス幅変調され、直接あるいはバッファやインターフェースを介してプリンタエンジンに与えられ、画像再生が行われる。
【0067】
なお、図1のステップS16のデータ圧縮、及びステップS17の圧縮データの解凍を行う場合には、第1ハーフトーンモジュール16の出力である第1ハーフトーンデータに対してデータ圧縮を施して画像処理装置10へ転送し、画像処理装置10では圧縮データの解凍を行ってから第2ハーフトーンモジュール17に供給するようにすればよい。
【0068】
以上のようであるので、この画像処理装置によれば、ホストコンピュータ1から画像処理装置10へ転送するのは第1ハーフトーンデータであるので、転送時間の短縮化が図れる。また、図5に示す実施形態と同様に、画像再生を行う場合には、画像処理装置10のRAMから第1ハーフトーンデータを読み出せばよいので、画像再生を短時間で行うことができ、また、第1ハーフトーンデータのデータ量は少ないので、一つの画像についての第1ハーフトーンデータを保存するためのメモリ容量は少なくて済むものである。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能であることは当業者に明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像処理方法の工程の一実施形態を示す図である。
【図2】図1のステップS15の第1ハーフトーン処理で用いる階調値対パルス幅テーブルの例を示す図である。
【図3】第1ハーフトーン処理で生成された第1ハーフトーンデータをメモリに保存する際の保存方法を説明するための図である。
【図4】図1のステップS18の第2ハーフトーン処理で用いるパルス幅値対パルス位置テーブルの例を示す図である。
【図5】ホストコンピュータ側で図1のステップS13までの処理を行ってRGBの3色のプレーンのビットマップ形式のデータを画像処理装置に転送する場合に用いて好適な画像処理装置を用いたシステムの実施形態を示す図である。
【図6】ホストコンピュータ側で図1のステップS15の第1ハーフトーン処理までを行って、第1ハーフトーンデータを画像処理装置に転送する場合に用いて好適な画像処理装置を用いたシステムの実施形態を示す図である。
【図7】カラーレーザプリンタによりカラー画像再生を行う場合の画像処理の工程の概略を説明する図である。
【図8】図7のステップS5のハーフトーン処理で用いるパターンマトリクスと、ガンマテーブルの例を示す図である。
【図9】図7のステップS5のパターンマトリクスとガンマテーブルを用いたハーフトーン処理を説明するための図である。
【符号の説明】
1…ホストコンピュータ
2…アプリケーションプログラム
3…データ解釈モジュール
4…解像度変換モジュール
5…ラスタオペレーションモジュール
10…画像処理装置
11…インターフェース(I/F)
12…制御装置(CPU)
13…RAM
14…ダイレクトメモリアクセスコントローラ(DMAコントローラ)
15…色変換モジュール
16…第1ハーフトーンモジュール
17…第2ハーフトーンモジュール
18…FIFO(First In First Out)メモリ
19…PWM
20…バス

Claims (3)

  1. 画像データの各画素の階調値に基づいて網点を生成する際に、その網点を生成する画素のマトリクス構成を定めるものであって、マトリクス内に参照番号が重複無く割り当てられたパターンマトリクスと、
    前記パターンマトリクスの各参照番号について、画像データの画素の階調値に対して、前記階調値を表現するビット数よりも少ないビット数で表現されるパルス幅が書き込まれた階調値対パルス幅テーブルと
    を用い、
    画像データの画素に対して前記パターンマトリクスを当てはめ、前記階調値対パルス幅テーブルを参照して、前記パターンマトリクスの各参照番号の位置に対応する画素の階調値から、それぞれの画素についてのパルス幅値を生成していく処理を、パターンマトリクスのサイズずつずらしながら順次行って、パルス幅値からなる第1ハーフトーンデータを生成する第1ハーフトーン処理と、
    前記第1ハーフトーンデータを保存あるいは転送する処理と、
    前記第1ハーフトーン処理で用いたと同じパターンマトリクスと、
    前記パターンマトリクスの各参照番号について、各パルス幅値に対して、パルス幅とパルス位置が書き込まれたパルス幅値対パルス位置テーブルと
    を用い、
    読み出された第1ハーフトーンデータあるいは転送された第1ハーフトーンデータの各パルス幅値に対して前記パターンマトリクスを当てはめ、前記パルス幅値対パルス位置テーブルを参照して、前記パターンマトリクスの各参照番号の位置に対応するパルス幅値から、前記第1ハーフトーンデータのそれぞれのパルス幅値に対して、パルス幅値とパルス位置とを生成していく処理を、前記パターンマトリクスのサイズずつずらしながら順次行う第2ハーフトーン処理と
    を備えることを特徴とする画像処理方法。
  2. 画像データの各画素の階調値に基づいて網点を生成する際に、その網点を生成する画素のマトリクス構成を定めるものであって、マトリクス内に参照番号が重複無く割り当てられたパターンマトリクスと、前記パターンマトリクスの各参照番号について、画像データの画素の階調値に対して、前記階調値を表現するビット数よりも少ないビット数で表現されるパルス幅が書き込まれた階調値対パルス幅テーブルとを備え、画像データの画素に対して前記パターンマトリクスを当てはめ、前記階調値対パルス幅テーブルを参照して、前記パターンマトリクスの各参照番号の位置に対応する画素の階調値から、それぞれの画素についてのパルス幅値を生成していく処理を、パターンマトリクスのサイズずつずらしながら順次行って、パルス幅値からなる第1ハーフトーンデータを生成する第1ハーフトーンモジュールと、
    前記第1ハーフトーンデータを保存するメモリと、
    前記第1ハーフトーン処理で用いたと同じパターンマトリクスと、前記パターンマトリクスの各参照番号について、各パルス幅値に対して、パルス幅とパルス位置が書き込まれたパルス幅値対パルス位置テーブルとを備え、前記メモリから読み出された第1ハーフトーンデータの各パルス幅値に対して前記パターンマトリクスを当てはめ、前記パルス幅値対パルス位置テーブルを参照して、前記パターンマトリクスの各参照番号の位置に対応するパルス幅値から、前記第1ハーフトーンデータのそれぞれのパルス幅値に対して、パルス幅値とパルス位置とを生成していく処理を、前記パターンマトリクスのサイズずつずらしながら順次行う第2ハーフトーンモジュールと
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  3. 画像データの各画素の階調値に基づいて網点を生成する際に、その網点を生成する画素のマトリクス構成を定めるものであって、マトリクス内に参照番号が重複無く割り当てら れたパターンマトリクスと、前記パターンマトリクスの各参照番号について、画像データの画素の階調値に対して、前記階調値を表現するビット数よりも少ないビット数で表現されるパルス幅が書き込まれた階調値対パルス幅テーブルとを用い、画像データの画素に対して前記パターンマトリクスを当てはめ、前記階調値対パルス幅テーブルを参照して、前記パターンマトリクスの各参照番号の位置に対応する画素の階調値から、それぞれの画素についてのパルス幅値を生成していく処理を、パターンマトリクスのサイズずつずらしながら順次行って生成された、パルス幅値からなる第1ハーフトーンデータを保存するメモリと、
    前記第1ハーフトーン処理で用いたと同じパターンマトリクスと、前記パターンマトリクスの各参照番号について、各パルス幅値に対して、パルス幅とパルス位置が書き込まれたパルス幅値対パルス位置テーブルとを備え、前記メモリから読み出された第1ハーフトーンデータの各パルス幅値に対して前記パターンマトリクスを当てはめ、前記パルス幅値対パルス位置テーブルを参照して、前記パターンマトリクスの各参照番号の位置に対応するパルス幅値から、前記第1ハーフトーンデータのそれぞれのパルス幅値に対して、パルス幅値とパルス位置とを生成していく処理を、前記パターンマトリクスのサイズずつずらしながら順次行う第2ハーフトーンモジュールと
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
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