JP2004282344A - 画像処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構成によって線数を落とさずにザラツキの無い画像を得る。
【解決手段】図8の(a)で示すようなパターンとマッチングした場合、注目画素の値を変換テーブルに従って図8の(b)に示すようなパターンに置き換える。これにより、例えば、2値の万線構造はエッジが補間されて万線が滑らかに平滑化されるように変換される。
【選択図】 図8
【解決手段】図8の(a)で示すようなパターンとマッチングした場合、注目画素の値を変換テーブルに従って図8の(b)に示すようなパターンに置き換える。これにより、例えば、2値の万線構造はエッジが補間されて万線が滑らかに平滑化されるように変換される。
【選択図】 図8
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリ、MFP(Multi−Function Peripheral)等に使用される画像処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、デジタル化された画像データに基づいてレーザを駆動し階調を再現するレーザプリンタ等の電子写真プロセス方式を使用した画像形成装置が広く知られている。また、電子写真プロセス方式を使用した画像形成装置としてはカラー画像を扱う画像形成装置も普及している。カラー画像を扱う場合、モニタ等ではRGB系で画像を扱い、プリンタ等ではCMY系、あるいはCMYK系で画像を扱っている。
【0003】
また、モニタではRGB毎に輝度変調により純粋に1画素を多値の階調数で表示しているが、プリンタ等ではディザ法や濃度パターン法といった疑似中間調処理の技法を用いて、基本的に画素単位、あるいは、さらに画素をより分割した単位でのドットのオン、オフの2値出力を一定の微小面積内で制御することにより面積的に階調を表現している。カラーでは、これをC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の4色、あるいはC、M、Yの3色に適用し、最終印字面上で3色あるいは4色の微小ドットを重ね合わせることにより、微妙なカラー階調画像を再現している。
【0004】
ところで、ホストコンピュータあるいはパーソナルコンピュータ等で作成、編集された文書やグラフィック、写真等は、プリンタドライバによって、例えば、PostscriptやPCLと呼ばれるPDL言語に変換され、LANやセントロニクス等の中継手段を経由して画像出力装置に送られる。画像出力装置では、これを画像処理部内のコントローラで言語解釈してRIP(Raster Image Processor)によりラスターデータに展開する処理を行う。(以下、RIP処理と称する。)
一般的に、このRIP処理によりコントローラから出力される画像データは、1色当たり1画素1ビット乃至8ビットという、出力機器の印字能力に合わせた階調再現範囲の画像データが出力される。基本的に1ビットや低ビットのRIP処理では、コントローラにおける擬似中間調処理部でビットの圧縮処理が行われ、8ビットのRIP処理では、コントローラでは擬似中間調処理は行われず、エンジン側において、パルス幅変調、パワー変調といったレーザ変調技術を応用して階調を再現している。
【0005】
また、画像出力装置には、ラスター化されたデータを複数ページ分まとめて処理する電子ソート、N in 1、両面印刷等の付加価値の高い機能を搭載したものもある。このような付加価値を付けるためには、コントローラによってラスター化された画像データを数ページ分まとめて一旦メモリ等の記憶手段に保持する必要がある。しかし、8ビットのRIP処理では画像データの量が非常に多くなり、例えば、A4サイズ1枚分だけでも、600dpiの8ビットフルカラー画像をそのまま保存するには100Mバイト以上の記憶容量が必要となる。このため、圧縮等の技術も必要となり装置が複雑化する。特に、圧縮率を稼ぐために非可逆圧縮にすると、高周波成分を含む文字や線画の画質は著しく低下し、これの対応としてさらに複雑な処理が必要になる。
【0006】
一方、1ビットのRIP処理では8ビットのRIP処理に比べて単純にデータ容量が1/8になり、これに簡易な可逆圧縮方式を組み合わせることにより装置を複雑化すること無くデータ量を抑えることができ、また、トータルな高速処理を実現させることができる。この1ビットのRIP処理時の擬似中間調処理では、ディザマトリクスを使用した組織的ディザ法や濃度パターン法の手法が使用されているが、これらの手法を電子写真方式の画像形成装置に適用した場合に問題が生じる。
【0007】
すなわち、最近の電子写真方式の画像形成装置ではエンジンが持つ純解像度がますます高解像度化されており、単独の1画素を安定した状態で形成することが難しく、ドット分散型のディザマトリクスを使用すると、一般的には高画質な画像を得ることが困難である。このため、ドット集中型のディザマトリクスを使用し、複数画素をまとめた単位で面積的に階調を再現することにより、安定した画像を得ている。なお、ドット集中型のディザとしては形状的には網点タイプや万線タイプやチェーンタイプといった様々な手法が存在するが、本質的には複数ドットを任意の方向に固めて階調を再現するという点では同じである。
【0008】
ドット集中型のディザマトリクスを使用して面積的に階調を再現する場合、画像を視覚的に満足させる程度に擬似階調数を上げるためには、ディザマトリクスの網の基本サイズを大きく取れば良いことになる。しかし、反面、ディザマトリクスの網の基本サイズを大きくすると解像度が低下する。このように擬似中間調処理では解像度と階調性は相反する特性を持っている。従って、このような擬似中間調処理を行った場合、階調性は満足すべきものであっても、画像中の階調を持った文字や線画等の解像度情報であるエッジ部は著しく画質が劣化する。
【0009】
また、文字、線画等の2値画像に対して斜め線や曲線を滑らかに再現する手法として平滑化処理と呼ばれる擬似高解像度化手法が知られている。しかし、階調再現性を上げるためにはこのような擬似高解像度化手法は不向きである。そこで、カラーディザパターンを別のより高解像度のカラーディザパターンに変換することによって、文字や図形の輪郭を滑らかに印刷するとともにカラー中間調画像の高画質化を図ったものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0010】
【特許文献1】
特開平6−15880号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
1ビット、すなわち、2値のRIP処理では1画素に対して画素のオン、オフの制御しかできないので、多値の場合に比べて階調再現用のパターン配置の自由度が低く、設計が難しい問題がある。特に、高画質化のためにはこの階調再現用のパターンをいかに安定正確に印字し、かつ、各階調間で連続的に滑らかにパターンを再現させるかによって大きく画質に影響がでる。このため、1画素をオン、オフにしか制御できない2値の状態では、視覚的なザラツキが発生してしまい、多値に比べてやむを得ず線数を落とさなければならなかった。
【0012】
また、上述した特許文献1の手法は、処理自体が複雑であるとともにディザパターンそのものを別のディザパターンに変換しているため最適なパラメータ設計が複雑化する問題があった。
そこで本発明は、非常に簡易な構成によって線数を落とさずにザラツキの無い画像を得ることができる画像処理方法を提供する。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、画素が全面均一階調の入力多値画像データを擬似中間調処理して2値の万線構造パターンもしくは略万線構造パターンを有する画像データに変換する場合において、任意階調における階調情報である2値の万線構造もしくは略万線構造のエッジ部を補間することにより万線構造もしくは略万線構造を平滑化することにある。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、この実施形態は本発明をカラーレーザプリンタに適用したものについて述べる。
図1は、システム全体の構成を示すブロック図で、ネットワーク11上に複数のパーソナルコンピュータ12を接続するとともに1台のカラーレーザプリンタ13を接続している。
【0015】
前記各パーソナルコンピュータ12は、カラーレーザプリンタ13に対して画像データの構造を示すPDLデータを送信するようになっている。すなわち、各パーソナルコンピュータ12はカラーレーザプリンタ13とのインターフェース特性に合わせて、ドライバ14からカラーレーザプリンタ13のプリンタコントローラ15にPDLコードあるいはラスターのデータを転送するようになっている。前記カラーレーザプリンタ13は、前記プリンタコントローラ15により、プリンタエンジン16を駆動制御するようになっている。
【0016】
前記プリンタコントローラ15は、パーソナルコンピュータ12から送られてきたコード化された画像データであるPDL等のページ記述言語をビットマップに展開するとともに各種の画像処理を行った後、内蔵しているイメージメモリに格納する。前記プリンタエンジン16は、プリンタコントローラ15からのビットマップの画像データを駆動信号に変換し、また、用紙などの記録媒体を搬送するとともに駆動信号によってレーザの駆動制御等を行って印字動作を行うようになっている。
【0017】
なお、パーソナルコンピュータ12とカラーレーザプリンタ13との関係は必ずしもネットワーク化されている必要はなく、セントロニクスに代表されるパラレル接続等で使用しても良く、また、1対1の関係であっても良い。また、プリンタコントローラ15とプリンタエンジン16とのインターフェースは、基本的にプリンタのアーキテクチャーに依存するものであり規定化されているものではない。
【0018】
図2は、前記カラーレーザプリンタ13のプリンタコントローラ15及びプリンタエンジン16の構成を示すブロック図で、ラスター画像に展開処理された後のカラー画像処理のみを示したものである。
すなわち、色変換処理部21、BG/UCR処理部22、γ(ガンマ)変換部23、疑似階調処理部24によってプリンタコントローラ15内のカラー画像処理部を構成している。また、エンジンASIC25は、画像データを元にレーザを駆動するパルス信号を変換する処理を担うもので前記プリンタエンジン16を構成している。
【0019】
次に、入力階調を各色8bit、256階調として各部の機能について説明する。なお、白を0、各色のベタを255とする。
前記プリンタコントローラ15は、例えば、入力された各色8bitのモニタなどで標準的なR8G8B8の色信号を、まず色変換処理部21で、プリンタでの色再現色である各色8bit、すなわち、多値のC8M8Y8の色信号に変換してBG/UCR処理部22に供給している。なお、R、G、Bはレッド、グリーン、ブルーの各色を示し、C、M、Yはシアン、マゼンタ、イエローの各色を示している。
【0020】
前記BG/UCR処理部22は、CMY色から墨成分を抽出し、かつ、その後のCMY色を決定し、最終的に各色8bitのC8M8Y8K8色に変換してガンマ変換部23に供給している。なお、Kは黒色を示している。
前記ガンマ変換部23は、各色毎にプリンタの実質出力特性に応じた階調補正を行い、補正した各色8bitのC8M8Y8K8階調画像データを疑似階調処理部24に供給している。
【0021】
前記疑似階調処理部24は、各色毎にディザ処理により、1画素のデータをプリンタエンジン16の印字能力に合わせた各色1bit又は各色2ビットの、より小さい階調数の画像データに変換するようになっている。疑似階調処理部24からの各色1bitのC1M1Y1K1階調画像データ、または各色2bitのC2M2Y2K2階調画像データを、プリンタエンジン16を構成するエンジンASIC25に供給している。
【0022】
ここでは、RIP(Raster Image Processor)の解像度を、600×600dpi/1bit(2値)と、1200×600dpi/1bit(2値)の2つのモードに対して記載している。特に、1200×600dpi/1bitでは、エンジンASIC25に対して、並列2ビット構成で接続するI/Fとしている。なお、1bit(2値)においては、0をオフ、1をオンとし、オンの時に画素を形成するようになっている。
【0023】
前記エンジンASIC部25は、プリンタコントローラ15、すなわち、前記擬似階調処理部24から入力されたラスター画像データを、レーザを駆動するためのPWM(Pulse Wide Modulation)信号に変換し、画像を形成するようになっている。
【0024】
次に、要部である前記擬似階調処理部24について詳しく述べる。なお、ここでは600×600dpi/1bitの擬似階調処理を基本にして述べる。
前記擬似階調処理部24は、ここでは組織的ディザ処理によって擬似階調処理を行うようになっている。組織的ディザ処理は、入力画像データに対して対応する位置のディザ閾値との間で1対1の大小比較によって対象となる画素をオンするかオフするか決定する非常に簡単な論理に基づいて行う処理である。
【0025】
図3は、非常に簡略化した2種類の2値のディザ閾値により決定される各入力階調における画素の出現状態の遷移を示すもので、(a)は出力パターンが万線系となる性質を持つディザ閾値配列による擬似中間調処理の変換結果を示し、(b)は出力パターンが網点系となる性質を持つディザ閾値配列による擬似中間調処理の変換結果を示している。なお、ここでは説明の容易化のため16階調分のパターンのみを示したが、入力8bitの画像に対して256階調の擬似中間調処理を行うのであれば、このディザ閾値は255個の異なる閾値を持つ構成になり、出力パターンも256種類となる。また、マトリクスサイズもより大きなものとなる。
【0026】
一般的に、万線といえども2値の擬似中間調処理ではハイライト部から万線が構成されるわけではなく、図3の(a)に示すようにハイライト部では孤立したドットが出現し、徐々に万線が形成されて行くような構造となる。また、網点に対しても同様で、図3の(b)に示すように最初は孤立したドットが出現しこれが徐々に網として大きくなって行くような構造となる。但し、600dpi程度の解像度では1つの網点で256階調程度再現すると、線数が50lpi(Line Per Inch)以下と大幅に落ちてしまうため、1つの網点で構成する階調数は少な目にして、クラスタを拡張することで擬似的に階調数を稼ぐテクニックを使っている。このクラスタ拡張の概念は万線タイプにおいても本質的には同じである。
【0027】
図3からも分かるように、2値の擬似中間調処理では最小画素単位である600dpiの1画素に対してオンするかオフするかの状態しか取れないため、電子写真のアナログ的な特性上、図4に示す多値の万線構造のように滑らかな安定した万線が形成できない。すなわち、2値の擬似中間調処理では図5に示すように万線輪郭部のジャギが目立ち、階調再現の連続性が劣り、また、面内安定性も悪くなる。このため、安定した画像を再現するための唯一の対策としては低線数化するしかなかった。
【0028】
600dpiの理想的な1ドットは正方格子であるが、一般的な電子写真方式のプロセスではアナログ的な要素が複雑に絡み合っており、この理想的な正方格子の中にドットを正確に印字することはできず、円形に近い形で像が再現される。また、ビーム径を走査方向全面に対して安定して絞ることは難しく、マージンを持った設計をするとレーザの径が自ずと大きくなる。一般的にはレーザの光学系及びプロセスのアナログ的なボケによりこの理想正方格子を完全に覆う以上の径の円で形成されることになる。また、このアナログ的な特性の影響から、1ドットの孤立点を安定して再現することと1ラインペア画像のような高MTFの必要な画像再現することはある種の相対関係となり、これらを同時に満足できるような画像再現は非常に難しい。
【0029】
多値の万線構造と2値の万線構造を比較すると、図4と図5の関係になり、2値の万線ではジャギが目立つ構造となっている。また、図中Aで示す部分には点で示すような接続ポイントが発生しており、このような部分は像再現の安定性を妨げている。これは搬送方向の送りムラ等が発生した場合、点で接続されているポイントは重なったり、離れたりして像形成が不安定になり易く、ジッタ等がより目立ち易くなり、面内安定性を妨げる。また、このような万線構造パターンは、文字や線画等とは異なり、万線を形成している画素集合の面積自体が擬似的な階調情報となっている。従って、このような像構造に対してむやみに変更を加えると、肝心の階調再現性の連続性自体が崩れることになる。
【0030】
ここでは、線数を落とすこと無く、可能な限り少ない補正で安定した万線を形成し、かつ階調再現性も犠牲にしない手法を開示する。基本的に万線構造自体は単純なので、パターンマッチング処理により、簡易に2値万線の構造を補正することができる。また、パターンマッチングに必要なサイズは最大でも5×5程度の大きさがあれば十分であり、非常に簡易なハードウエアで実現できる。
【0031】
600×600dpi/1bitに対して、プリンタコントローラ15において画像を純粋に高画質化する方法としては、解像度を上げる手法とbit深さを増す手法がある。解像度を上げる手法は、600×600dpi/1bitを1200×600dpi/1bitや1200×1200dpi/1bit等に変換することであり、bit深さを増す手法は、600×600dpi/1bitを600×600dpi/2bitや600×600dpi/4bit等に変換することである。
【0032】
例えば、1200×600dpi/1bitと600×600dpi/2bitでは、画像の持つ総データ量は同じであるが、1200×600dpi/1bitは600dpi換算で1画素当たりの階調数は3階調であるが、解像度に対してより情報を保持する方向で働き、600×600dpi/2bitは1画素当たり4階調の階調再現能力を持っているという特徴がある。すなわち、階調再現的には600×600dpi/2bitの方が優れており、解像度的には1200×600dpi/1bitの方が優れている。但し、一般的なプリンタコントローラの構成上は、1200×600dpi/1bitの方が実現容易なため、プリンタとしては、1200×600dpi/1bitを持つものが一般的である。なお、1200×1200dpi/1bitと600×600dpi/4bitの関係も基本的に同じである。
【0033】
次に、パターンマッチングについて述べる。
このパターンマッチング処理は、エンジンASIC25で行う。このエンジンASIC25において、パルス幅変調によりレーザを駆動するパルス幅信号を制御する。図6は600×600dpi/1bitの画像に対するエッジ補間方法の原理を示す図であり、図7は1200×600dpi/1bitの画像に対するエッジ補間方法の原理を示す図である。図6は対称解像度に関し、図7は非対称解像度に関するもので、どちらも基本的には600×600dpiの画素を基本単位として扱っている。
【0034】
これにより、画像転送クロックを600dpiに共通化できる。また、システムを高速化する必要が無いという効果がある。解像度の違いを吸収するのは最終段であるレーザのパルス幅変調部分で制御することによりシステムを簡略化できる。図6の(a)はパターンマッチングサイズを3×3とした場合の例を示し、図6の(b)はパターンマッチングサイズを5×5とした場合の例を示している。図7の(a)はパターンマッチングサイズを1200×600dpi換算で4×3とした場合の例を示し、図7の(b)はパターンマッチングサイズを1200×600dpi換算で6×3とした場合の例を示している。
【0035】
また、図7においては、画像の低解像度側、すなわち、600dpi側の1画素のサイズを基準とした正方ピクセルを形成し、この中の複数画素をまとめて処理の対象となる注目画素としている。すなわち、600dpiの1正方ピクセルが注目画素となっている。そして、注目画素のパターン走査は、主走査方向に600dpi単位となる2画素単位で行う。
【0036】
図6の(a)に示すパターンマッチング処理では、図8の(a)で示すようなパターンとマッチングした場合、注目画素の値を変換テーブルに従って他の値に置き換える。すなわち、図8の(b)に示すようなパターンに置き換える。これにより、図10の(a)に示すような2値の万線構造は図10の(b)に示すように変換され、エッジが補間され万線が滑らかに平滑化される。
【0037】
また、図7の(a)に示すパターンマッチング処理では、図9の(a)で示すようなパターンとマッチングした場合、注目画素の値を変換テーブルに従って他の値に置き換える。すなわち、図9の(b)に示すようなパターンに置き換える。これにより、図11の(a)に示すような2値の万線構造は図11の(b)に示すように変換され、エッジが補間され万線が滑らかに平滑化される。
【0038】
このようにして、エッジが補間され万線が滑らかに平滑化された出力画像を得ることができる。これにより、線数を落とさずにザラツキの無い画像を得ることができる。
なお、図6の(b)及び図7の(b)に示すパターンマッチングサイズを使用した場合もパターンマッチングして変換する原理は同じである。
【0039】
図8及び図9に示したように、2値ディザの万線構造においては、非常に構造が単純で、像形成の周期的な規則性が存在するので、非常に少ないパターンで十分な効果を得ることができる。従って、パターンマッチング処理においては、マッチングパターンが少ないという点から、ルック・アップ・テーブル等の高価なメモリ回路を使用せずに、安価で単純な論理演算回路で容易に実現できる。
【0040】
また、図10や図11からも分かるように補間の前後、すなわち、(a)と(b)との間で数画素という局所的な範囲での面積率が等しくなるようにしている。これにより、階調情報自体である万線構造の面積率が変化しないので、各入力階調間での階調再現の連続性を保持できることになる。また、電子写真のアナログ的な特性により補間前後で面積率を完全に等しくする必要はなく、連続的な入力階調に対して階調反転が起こらない程度に変換値を設定すればよい。
【0041】
なお、この実施の形態は2値の万線構造の補間について述べたが必ずしもこれに限定するものではなく、2値の万線構造に近い、略万線構造の補間にも適用できるものである。
【0042】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、非常に簡易な構成によって線数を落とさずにザラツキの無い画像を得ることができる画像処理方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す図で、システム全体の構成を示す図。
【図2】同実施の形態におけるカラー画像処理部及びプリンタエンジンの構成を示すブロック図。
【図3】同実施の形態において2値のディザ閾値により決定される画素の出現状態の遷移を示す図。
【図4】多値の万線構造を示す図。
【図5】2値の万線構造を示す図。
【図6】同実施の形態における600×600dpi/1bitの画像に対するエッジ補間方法の原理を示す図。
【図7】同実施の形態における1200×600dpi/1bitの画像に対するエッジ補間方法の原理を示す図。
【図8】同実施の形態における600×600dpi/1bitのパターンマッチングの変換例を示す図。
【図9】同実施の形態における1200×600dpi/1bitのパターンマッチングの変換例を示す図。
【図10】同実施の形態において600×600dpi/1bitのパターンマッチングの変換によって再現される階調パターンを示す図。
【図11】同実施の形態において1200×600dpi/1bitのパターンマッチングの変換によって再現される階調パターンを示す図。
【符号の説明】
15…プリンタコントローラ、24…疑似階調処理部、25…エンジンASIC。
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリ、MFP(Multi−Function Peripheral)等に使用される画像処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、デジタル化された画像データに基づいてレーザを駆動し階調を再現するレーザプリンタ等の電子写真プロセス方式を使用した画像形成装置が広く知られている。また、電子写真プロセス方式を使用した画像形成装置としてはカラー画像を扱う画像形成装置も普及している。カラー画像を扱う場合、モニタ等ではRGB系で画像を扱い、プリンタ等ではCMY系、あるいはCMYK系で画像を扱っている。
【0003】
また、モニタではRGB毎に輝度変調により純粋に1画素を多値の階調数で表示しているが、プリンタ等ではディザ法や濃度パターン法といった疑似中間調処理の技法を用いて、基本的に画素単位、あるいは、さらに画素をより分割した単位でのドットのオン、オフの2値出力を一定の微小面積内で制御することにより面積的に階調を表現している。カラーでは、これをC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の4色、あるいはC、M、Yの3色に適用し、最終印字面上で3色あるいは4色の微小ドットを重ね合わせることにより、微妙なカラー階調画像を再現している。
【0004】
ところで、ホストコンピュータあるいはパーソナルコンピュータ等で作成、編集された文書やグラフィック、写真等は、プリンタドライバによって、例えば、PostscriptやPCLと呼ばれるPDL言語に変換され、LANやセントロニクス等の中継手段を経由して画像出力装置に送られる。画像出力装置では、これを画像処理部内のコントローラで言語解釈してRIP(Raster Image Processor)によりラスターデータに展開する処理を行う。(以下、RIP処理と称する。)
一般的に、このRIP処理によりコントローラから出力される画像データは、1色当たり1画素1ビット乃至8ビットという、出力機器の印字能力に合わせた階調再現範囲の画像データが出力される。基本的に1ビットや低ビットのRIP処理では、コントローラにおける擬似中間調処理部でビットの圧縮処理が行われ、8ビットのRIP処理では、コントローラでは擬似中間調処理は行われず、エンジン側において、パルス幅変調、パワー変調といったレーザ変調技術を応用して階調を再現している。
【0005】
また、画像出力装置には、ラスター化されたデータを複数ページ分まとめて処理する電子ソート、N in 1、両面印刷等の付加価値の高い機能を搭載したものもある。このような付加価値を付けるためには、コントローラによってラスター化された画像データを数ページ分まとめて一旦メモリ等の記憶手段に保持する必要がある。しかし、8ビットのRIP処理では画像データの量が非常に多くなり、例えば、A4サイズ1枚分だけでも、600dpiの8ビットフルカラー画像をそのまま保存するには100Mバイト以上の記憶容量が必要となる。このため、圧縮等の技術も必要となり装置が複雑化する。特に、圧縮率を稼ぐために非可逆圧縮にすると、高周波成分を含む文字や線画の画質は著しく低下し、これの対応としてさらに複雑な処理が必要になる。
【0006】
一方、1ビットのRIP処理では8ビットのRIP処理に比べて単純にデータ容量が1/8になり、これに簡易な可逆圧縮方式を組み合わせることにより装置を複雑化すること無くデータ量を抑えることができ、また、トータルな高速処理を実現させることができる。この1ビットのRIP処理時の擬似中間調処理では、ディザマトリクスを使用した組織的ディザ法や濃度パターン法の手法が使用されているが、これらの手法を電子写真方式の画像形成装置に適用した場合に問題が生じる。
【0007】
すなわち、最近の電子写真方式の画像形成装置ではエンジンが持つ純解像度がますます高解像度化されており、単独の1画素を安定した状態で形成することが難しく、ドット分散型のディザマトリクスを使用すると、一般的には高画質な画像を得ることが困難である。このため、ドット集中型のディザマトリクスを使用し、複数画素をまとめた単位で面積的に階調を再現することにより、安定した画像を得ている。なお、ドット集中型のディザとしては形状的には網点タイプや万線タイプやチェーンタイプといった様々な手法が存在するが、本質的には複数ドットを任意の方向に固めて階調を再現するという点では同じである。
【0008】
ドット集中型のディザマトリクスを使用して面積的に階調を再現する場合、画像を視覚的に満足させる程度に擬似階調数を上げるためには、ディザマトリクスの網の基本サイズを大きく取れば良いことになる。しかし、反面、ディザマトリクスの網の基本サイズを大きくすると解像度が低下する。このように擬似中間調処理では解像度と階調性は相反する特性を持っている。従って、このような擬似中間調処理を行った場合、階調性は満足すべきものであっても、画像中の階調を持った文字や線画等の解像度情報であるエッジ部は著しく画質が劣化する。
【0009】
また、文字、線画等の2値画像に対して斜め線や曲線を滑らかに再現する手法として平滑化処理と呼ばれる擬似高解像度化手法が知られている。しかし、階調再現性を上げるためにはこのような擬似高解像度化手法は不向きである。そこで、カラーディザパターンを別のより高解像度のカラーディザパターンに変換することによって、文字や図形の輪郭を滑らかに印刷するとともにカラー中間調画像の高画質化を図ったものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0010】
【特許文献1】
特開平6−15880号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
1ビット、すなわち、2値のRIP処理では1画素に対して画素のオン、オフの制御しかできないので、多値の場合に比べて階調再現用のパターン配置の自由度が低く、設計が難しい問題がある。特に、高画質化のためにはこの階調再現用のパターンをいかに安定正確に印字し、かつ、各階調間で連続的に滑らかにパターンを再現させるかによって大きく画質に影響がでる。このため、1画素をオン、オフにしか制御できない2値の状態では、視覚的なザラツキが発生してしまい、多値に比べてやむを得ず線数を落とさなければならなかった。
【0012】
また、上述した特許文献1の手法は、処理自体が複雑であるとともにディザパターンそのものを別のディザパターンに変換しているため最適なパラメータ設計が複雑化する問題があった。
そこで本発明は、非常に簡易な構成によって線数を落とさずにザラツキの無い画像を得ることができる画像処理方法を提供する。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、画素が全面均一階調の入力多値画像データを擬似中間調処理して2値の万線構造パターンもしくは略万線構造パターンを有する画像データに変換する場合において、任意階調における階調情報である2値の万線構造もしくは略万線構造のエッジ部を補間することにより万線構造もしくは略万線構造を平滑化することにある。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、この実施形態は本発明をカラーレーザプリンタに適用したものについて述べる。
図1は、システム全体の構成を示すブロック図で、ネットワーク11上に複数のパーソナルコンピュータ12を接続するとともに1台のカラーレーザプリンタ13を接続している。
【0015】
前記各パーソナルコンピュータ12は、カラーレーザプリンタ13に対して画像データの構造を示すPDLデータを送信するようになっている。すなわち、各パーソナルコンピュータ12はカラーレーザプリンタ13とのインターフェース特性に合わせて、ドライバ14からカラーレーザプリンタ13のプリンタコントローラ15にPDLコードあるいはラスターのデータを転送するようになっている。前記カラーレーザプリンタ13は、前記プリンタコントローラ15により、プリンタエンジン16を駆動制御するようになっている。
【0016】
前記プリンタコントローラ15は、パーソナルコンピュータ12から送られてきたコード化された画像データであるPDL等のページ記述言語をビットマップに展開するとともに各種の画像処理を行った後、内蔵しているイメージメモリに格納する。前記プリンタエンジン16は、プリンタコントローラ15からのビットマップの画像データを駆動信号に変換し、また、用紙などの記録媒体を搬送するとともに駆動信号によってレーザの駆動制御等を行って印字動作を行うようになっている。
【0017】
なお、パーソナルコンピュータ12とカラーレーザプリンタ13との関係は必ずしもネットワーク化されている必要はなく、セントロニクスに代表されるパラレル接続等で使用しても良く、また、1対1の関係であっても良い。また、プリンタコントローラ15とプリンタエンジン16とのインターフェースは、基本的にプリンタのアーキテクチャーに依存するものであり規定化されているものではない。
【0018】
図2は、前記カラーレーザプリンタ13のプリンタコントローラ15及びプリンタエンジン16の構成を示すブロック図で、ラスター画像に展開処理された後のカラー画像処理のみを示したものである。
すなわち、色変換処理部21、BG/UCR処理部22、γ(ガンマ)変換部23、疑似階調処理部24によってプリンタコントローラ15内のカラー画像処理部を構成している。また、エンジンASIC25は、画像データを元にレーザを駆動するパルス信号を変換する処理を担うもので前記プリンタエンジン16を構成している。
【0019】
次に、入力階調を各色8bit、256階調として各部の機能について説明する。なお、白を0、各色のベタを255とする。
前記プリンタコントローラ15は、例えば、入力された各色8bitのモニタなどで標準的なR8G8B8の色信号を、まず色変換処理部21で、プリンタでの色再現色である各色8bit、すなわち、多値のC8M8Y8の色信号に変換してBG/UCR処理部22に供給している。なお、R、G、Bはレッド、グリーン、ブルーの各色を示し、C、M、Yはシアン、マゼンタ、イエローの各色を示している。
【0020】
前記BG/UCR処理部22は、CMY色から墨成分を抽出し、かつ、その後のCMY色を決定し、最終的に各色8bitのC8M8Y8K8色に変換してガンマ変換部23に供給している。なお、Kは黒色を示している。
前記ガンマ変換部23は、各色毎にプリンタの実質出力特性に応じた階調補正を行い、補正した各色8bitのC8M8Y8K8階調画像データを疑似階調処理部24に供給している。
【0021】
前記疑似階調処理部24は、各色毎にディザ処理により、1画素のデータをプリンタエンジン16の印字能力に合わせた各色1bit又は各色2ビットの、より小さい階調数の画像データに変換するようになっている。疑似階調処理部24からの各色1bitのC1M1Y1K1階調画像データ、または各色2bitのC2M2Y2K2階調画像データを、プリンタエンジン16を構成するエンジンASIC25に供給している。
【0022】
ここでは、RIP(Raster Image Processor)の解像度を、600×600dpi/1bit(2値)と、1200×600dpi/1bit(2値)の2つのモードに対して記載している。特に、1200×600dpi/1bitでは、エンジンASIC25に対して、並列2ビット構成で接続するI/Fとしている。なお、1bit(2値)においては、0をオフ、1をオンとし、オンの時に画素を形成するようになっている。
【0023】
前記エンジンASIC部25は、プリンタコントローラ15、すなわち、前記擬似階調処理部24から入力されたラスター画像データを、レーザを駆動するためのPWM(Pulse Wide Modulation)信号に変換し、画像を形成するようになっている。
【0024】
次に、要部である前記擬似階調処理部24について詳しく述べる。なお、ここでは600×600dpi/1bitの擬似階調処理を基本にして述べる。
前記擬似階調処理部24は、ここでは組織的ディザ処理によって擬似階調処理を行うようになっている。組織的ディザ処理は、入力画像データに対して対応する位置のディザ閾値との間で1対1の大小比較によって対象となる画素をオンするかオフするか決定する非常に簡単な論理に基づいて行う処理である。
【0025】
図3は、非常に簡略化した2種類の2値のディザ閾値により決定される各入力階調における画素の出現状態の遷移を示すもので、(a)は出力パターンが万線系となる性質を持つディザ閾値配列による擬似中間調処理の変換結果を示し、(b)は出力パターンが網点系となる性質を持つディザ閾値配列による擬似中間調処理の変換結果を示している。なお、ここでは説明の容易化のため16階調分のパターンのみを示したが、入力8bitの画像に対して256階調の擬似中間調処理を行うのであれば、このディザ閾値は255個の異なる閾値を持つ構成になり、出力パターンも256種類となる。また、マトリクスサイズもより大きなものとなる。
【0026】
一般的に、万線といえども2値の擬似中間調処理ではハイライト部から万線が構成されるわけではなく、図3の(a)に示すようにハイライト部では孤立したドットが出現し、徐々に万線が形成されて行くような構造となる。また、網点に対しても同様で、図3の(b)に示すように最初は孤立したドットが出現しこれが徐々に網として大きくなって行くような構造となる。但し、600dpi程度の解像度では1つの網点で256階調程度再現すると、線数が50lpi(Line Per Inch)以下と大幅に落ちてしまうため、1つの網点で構成する階調数は少な目にして、クラスタを拡張することで擬似的に階調数を稼ぐテクニックを使っている。このクラスタ拡張の概念は万線タイプにおいても本質的には同じである。
【0027】
図3からも分かるように、2値の擬似中間調処理では最小画素単位である600dpiの1画素に対してオンするかオフするかの状態しか取れないため、電子写真のアナログ的な特性上、図4に示す多値の万線構造のように滑らかな安定した万線が形成できない。すなわち、2値の擬似中間調処理では図5に示すように万線輪郭部のジャギが目立ち、階調再現の連続性が劣り、また、面内安定性も悪くなる。このため、安定した画像を再現するための唯一の対策としては低線数化するしかなかった。
【0028】
600dpiの理想的な1ドットは正方格子であるが、一般的な電子写真方式のプロセスではアナログ的な要素が複雑に絡み合っており、この理想的な正方格子の中にドットを正確に印字することはできず、円形に近い形で像が再現される。また、ビーム径を走査方向全面に対して安定して絞ることは難しく、マージンを持った設計をするとレーザの径が自ずと大きくなる。一般的にはレーザの光学系及びプロセスのアナログ的なボケによりこの理想正方格子を完全に覆う以上の径の円で形成されることになる。また、このアナログ的な特性の影響から、1ドットの孤立点を安定して再現することと1ラインペア画像のような高MTFの必要な画像再現することはある種の相対関係となり、これらを同時に満足できるような画像再現は非常に難しい。
【0029】
多値の万線構造と2値の万線構造を比較すると、図4と図5の関係になり、2値の万線ではジャギが目立つ構造となっている。また、図中Aで示す部分には点で示すような接続ポイントが発生しており、このような部分は像再現の安定性を妨げている。これは搬送方向の送りムラ等が発生した場合、点で接続されているポイントは重なったり、離れたりして像形成が不安定になり易く、ジッタ等がより目立ち易くなり、面内安定性を妨げる。また、このような万線構造パターンは、文字や線画等とは異なり、万線を形成している画素集合の面積自体が擬似的な階調情報となっている。従って、このような像構造に対してむやみに変更を加えると、肝心の階調再現性の連続性自体が崩れることになる。
【0030】
ここでは、線数を落とすこと無く、可能な限り少ない補正で安定した万線を形成し、かつ階調再現性も犠牲にしない手法を開示する。基本的に万線構造自体は単純なので、パターンマッチング処理により、簡易に2値万線の構造を補正することができる。また、パターンマッチングに必要なサイズは最大でも5×5程度の大きさがあれば十分であり、非常に簡易なハードウエアで実現できる。
【0031】
600×600dpi/1bitに対して、プリンタコントローラ15において画像を純粋に高画質化する方法としては、解像度を上げる手法とbit深さを増す手法がある。解像度を上げる手法は、600×600dpi/1bitを1200×600dpi/1bitや1200×1200dpi/1bit等に変換することであり、bit深さを増す手法は、600×600dpi/1bitを600×600dpi/2bitや600×600dpi/4bit等に変換することである。
【0032】
例えば、1200×600dpi/1bitと600×600dpi/2bitでは、画像の持つ総データ量は同じであるが、1200×600dpi/1bitは600dpi換算で1画素当たりの階調数は3階調であるが、解像度に対してより情報を保持する方向で働き、600×600dpi/2bitは1画素当たり4階調の階調再現能力を持っているという特徴がある。すなわち、階調再現的には600×600dpi/2bitの方が優れており、解像度的には1200×600dpi/1bitの方が優れている。但し、一般的なプリンタコントローラの構成上は、1200×600dpi/1bitの方が実現容易なため、プリンタとしては、1200×600dpi/1bitを持つものが一般的である。なお、1200×1200dpi/1bitと600×600dpi/4bitの関係も基本的に同じである。
【0033】
次に、パターンマッチングについて述べる。
このパターンマッチング処理は、エンジンASIC25で行う。このエンジンASIC25において、パルス幅変調によりレーザを駆動するパルス幅信号を制御する。図6は600×600dpi/1bitの画像に対するエッジ補間方法の原理を示す図であり、図7は1200×600dpi/1bitの画像に対するエッジ補間方法の原理を示す図である。図6は対称解像度に関し、図7は非対称解像度に関するもので、どちらも基本的には600×600dpiの画素を基本単位として扱っている。
【0034】
これにより、画像転送クロックを600dpiに共通化できる。また、システムを高速化する必要が無いという効果がある。解像度の違いを吸収するのは最終段であるレーザのパルス幅変調部分で制御することによりシステムを簡略化できる。図6の(a)はパターンマッチングサイズを3×3とした場合の例を示し、図6の(b)はパターンマッチングサイズを5×5とした場合の例を示している。図7の(a)はパターンマッチングサイズを1200×600dpi換算で4×3とした場合の例を示し、図7の(b)はパターンマッチングサイズを1200×600dpi換算で6×3とした場合の例を示している。
【0035】
また、図7においては、画像の低解像度側、すなわち、600dpi側の1画素のサイズを基準とした正方ピクセルを形成し、この中の複数画素をまとめて処理の対象となる注目画素としている。すなわち、600dpiの1正方ピクセルが注目画素となっている。そして、注目画素のパターン走査は、主走査方向に600dpi単位となる2画素単位で行う。
【0036】
図6の(a)に示すパターンマッチング処理では、図8の(a)で示すようなパターンとマッチングした場合、注目画素の値を変換テーブルに従って他の値に置き換える。すなわち、図8の(b)に示すようなパターンに置き換える。これにより、図10の(a)に示すような2値の万線構造は図10の(b)に示すように変換され、エッジが補間され万線が滑らかに平滑化される。
【0037】
また、図7の(a)に示すパターンマッチング処理では、図9の(a)で示すようなパターンとマッチングした場合、注目画素の値を変換テーブルに従って他の値に置き換える。すなわち、図9の(b)に示すようなパターンに置き換える。これにより、図11の(a)に示すような2値の万線構造は図11の(b)に示すように変換され、エッジが補間され万線が滑らかに平滑化される。
【0038】
このようにして、エッジが補間され万線が滑らかに平滑化された出力画像を得ることができる。これにより、線数を落とさずにザラツキの無い画像を得ることができる。
なお、図6の(b)及び図7の(b)に示すパターンマッチングサイズを使用した場合もパターンマッチングして変換する原理は同じである。
【0039】
図8及び図9に示したように、2値ディザの万線構造においては、非常に構造が単純で、像形成の周期的な規則性が存在するので、非常に少ないパターンで十分な効果を得ることができる。従って、パターンマッチング処理においては、マッチングパターンが少ないという点から、ルック・アップ・テーブル等の高価なメモリ回路を使用せずに、安価で単純な論理演算回路で容易に実現できる。
【0040】
また、図10や図11からも分かるように補間の前後、すなわち、(a)と(b)との間で数画素という局所的な範囲での面積率が等しくなるようにしている。これにより、階調情報自体である万線構造の面積率が変化しないので、各入力階調間での階調再現の連続性を保持できることになる。また、電子写真のアナログ的な特性により補間前後で面積率を完全に等しくする必要はなく、連続的な入力階調に対して階調反転が起こらない程度に変換値を設定すればよい。
【0041】
なお、この実施の形態は2値の万線構造の補間について述べたが必ずしもこれに限定するものではなく、2値の万線構造に近い、略万線構造の補間にも適用できるものである。
【0042】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、非常に簡易な構成によって線数を落とさずにザラツキの無い画像を得ることができる画像処理方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す図で、システム全体の構成を示す図。
【図2】同実施の形態におけるカラー画像処理部及びプリンタエンジンの構成を示すブロック図。
【図3】同実施の形態において2値のディザ閾値により決定される画素の出現状態の遷移を示す図。
【図4】多値の万線構造を示す図。
【図5】2値の万線構造を示す図。
【図6】同実施の形態における600×600dpi/1bitの画像に対するエッジ補間方法の原理を示す図。
【図7】同実施の形態における1200×600dpi/1bitの画像に対するエッジ補間方法の原理を示す図。
【図8】同実施の形態における600×600dpi/1bitのパターンマッチングの変換例を示す図。
【図9】同実施の形態における1200×600dpi/1bitのパターンマッチングの変換例を示す図。
【図10】同実施の形態において600×600dpi/1bitのパターンマッチングの変換によって再現される階調パターンを示す図。
【図11】同実施の形態において1200×600dpi/1bitのパターンマッチングの変換によって再現される階調パターンを示す図。
【符号の説明】
15…プリンタコントローラ、24…疑似階調処理部、25…エンジンASIC。
Claims (4)
- 画素が全面均一階調の入力多値画像データを擬似中間調処理して2値の万線構造パターンもしくは略万線構造パターンを有する画像データに変換する場合において、
任意階調における階調情報である2値の万線構造もしくは略万線構造のエッジ部を補間することにより万線構造もしくは略万線構造を平滑化することを特徴とする画像処理方法。 - 2値の万線構造もしくは略万線構造におけるエッジ部の補間は、パターンマッチング処理によって行うことを特徴とする請求項1記載の画像処理方法。
- パターンマッチング処理は、入力される画像が非対称解像度の場合、低解像度側の1画素のサイズを基準とした正方ピクセルを形成し、この中の複数画素をまとめて処理の対象となる注目画素としたことを特徴とする請求項2記載のカラー画像処理方法。
- エッジ部の補間処理は、補間前後において画素の面積率を変えずに補間することを特徴とする請求項1記載のカラー画像処理方法。
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