JP3757122B2 - 沸騰水型原子炉用制御棒 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、沸騰水型原子炉内において原子炉の出力を制御するための沸騰水型原子炉用制御棒に関する。
【0002】
【従来の技術】
沸騰水型原子炉の炉水は、放射線照射による水の分解で生成される酸素,過酸化水素等が存在するため、炉内構造物にとって腐食環境としてのポテンシャルが存在することが一般に知られている。この腐食環境を改善する従来技術として、炉水中に水素を注入する方法が、特開平9−222495号公報に記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、水素を注入する方法の場合、原子炉内の水が循環し易い部位では非常に有効であるが、水が循環し難い部位では効果が少ないと考えられる。例えば、制御棒をその軸方向に摺動させるためのガイド用ローラにおけるピンとピン穴との隙間は、水が循環し難い部位に相当する。現在の原子炉の運転期間であれば、上記隙間における腐食は問題とはならない。しかし、原子炉が更に高出力化され、制御棒の原子炉内の滞在期間が更に長期化する場合、上記隙間における腐食が懸念される。
【0004】
この隙間における環境の改善方法として、単に隙間を大きくすることにより隙間部の水を入れ替える方法が考えられる。しかし、単にピンとピン穴との隙間を大きくすると、ピンを正確な位置に固定できないので、ガイド用ローラによる制御棒の摺動機能が著しく低下する可能性がある。
【0005】
本発明の目的は、制御棒の原子炉内の滞在期間が更に長期化する場合でも、ガイド用ローラによる制御棒の摺動機能を維持しつつ、ガイド用ローラの隙間部の腐食環境を確実に改善できる沸騰水型原子炉用制御棒を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、横断面が概略十字形のタイロッドと、該タイロッドの各辺に取り付けられ横断面が概略U字形のシースと、該シースの内側に配置された中性子吸収棒と、制御棒の軸方向における前記シースの一端に設けられたハンドルと、前記軸方向における前記シースの他端に設けられた下部支持板又は落下速度リミッタとを備えた沸騰水型原子炉用制御棒において、前記ハンドル、前記下部支持板、又は前記落下速度リミッタのうち少なくとも1つが、ピンと、該ピンが挿入されるピン穴と、前記ピンを中心に前記軸方向に回転するローラとからなる摺動構造物(ガイド用ローラ)を備え、前記ピンと前記ピン穴との隙間に水の流れを生じさせるための空間(溝)が、前記隙間に隣接して設けられている。
【0007】
好ましくは、前記空間は、前記軸方向における上流側及び下流側の2箇所に設けられている。また、好ましくは、前記空間は、前記ピンの端部付近まで形成されている。
【0008】
本発明によれば、隙間に水の流れを生じさせるための空間の作用により、隙間部の水を効果的に入れ替えることができる。これにより、隙間部における放射線照射による水の分解で生成される酸素,過酸化水素等の増加を防ぐことができる。従って、制御棒の原子炉内の滞在期間が更に長期化しても、ガイド用ローラの隙間部の腐食環境を確実に改善できる。
【0009】
また、空間が設けられていない隙間の部分において、ピンはピン穴により所定の位置に位置決めされるので、ガイド用ローラによる制御棒の摺動機能を維持できる。更に、制御棒の製造時に洗浄が不足していた場合には、原子炉内で上記隙間部の水を入れ替えることにより、洗浄効果も期待できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による沸騰水型原子炉用制御棒の一実施例を図面を用いて説明する。本制御棒は、沸騰水型原子炉の炉心に挿入されて、原子炉の出力を制御するためのものである。図1は、本制御棒の概略構成図で、軸方向の中央部を省略して示している。図2は、図1のa−a矢視図で、本制御棒を燃料チャンネルボックスの間に挿入した状態を示している。
【0011】
図1に示すように、制御棒1は、横断面(軸方向に垂直な断面)が概略十字形をしており、軸心(中心軸)から四方に延びる4つのブレード6を有している。ステンレス鋼製のハンドル5がブレード6の上端に設けられ、落下速度リミッタ2がブレード6の下端に設けられている。
【0012】
各ブレード6は、制御棒の軸心に配置されたステンレス鋼製のタイロッド4に両端部が取り付けられた概略U字状のシース6aと、シース6aの内側に配列された中性子吸収棒(中性子吸収体)3とから構成される。各ブレード6は、その側面に多数の開口6bを備え、この開口6bを通して冷却水がブレード内を流れるように構成されている。タイロッド4も、概略十字形の横断面を有する。
【0013】
ハンドル5はタイロッド4の上部に溶接で取り付けられ、下部支持板2はタイロッド4の下部に溶接で取り付けられる。シース6aの上端部は、ハンドル5の下部に嵌合され、溶接で取り付けられる。シース6aの下端部は、下部支持板2の上部に嵌合され、溶接で取り付けられる。中性子吸収棒3は、ハンドル5と下部支持板2との間の領域で且つシース6aの内側の領域に一列に配置されて保持される。シース6aの材質としては、ステンレス鋼(SUS304,SUS316L)などが用いられる。中性子吸収棒3は、主に炉心内の熱中性子を吸収するためのもので、その材質としては、B4C,Hf などが用いられる。
【0014】
制御棒1は、図2に示すように、燃料チャンネルボックス7の間に挿入され、原子炉の起動,運転,停止の各状態に応じて、その挿入量が調整される必要がある。即ち、制御棒1はその軸方向に移動される必要がある。この制御棒の軸方向移動を補助するために、ハンドル5を構成する4つの翼部はそれぞれにガイド用ローラ(摺動構造物)を備えており、落下速度リミッタ2も周方向の4箇所にガイド用ローラを備えている。図2に示すローラ8は、ガイド用ローラの構成要素の一部である。
【0015】
図2は、ハンドル5のローラ8が、四角筒状の燃料チャンネルボックス7の外表面に接している状態を示す。このようなローラを備えることにより、制御棒1及び燃料チャンネルボックス7に傷を付けずに、制御棒1を容易に移動させることができる。尚、図2において、燃料チャンネルボックス7内の燃料棒,シース6a内の一部の中性子吸収棒3は、簡単のために省略している。
【0016】
次に、図3A〜図3Dを用いて、本発明の第1実施例におけるハンドルのガイド用ローラ周りの詳細構造を説明する。図3Aは図1のX矢視図、図3Bは図1のY矢視図である。図3Cは図3Bのb−b断面図、図3Dは図3Aのc−c断面図である。
【0017】
図3Bに示すように、ハンドル5の側面には円孔8aが設けられており、ローラ8がピン9を中心に回転するように、円孔8a内に設置されている。ローラ8の回転方向(図3Bの上下方向)が制御棒1の移動方向(軸方向)となるように、ピン9は制御棒の軸方向に垂直な方向に設置される。
【0018】
図3Dに示すように、ピン9の左端部は、ハンドル5に溶接で固定される。図3Dの15がピン9の溶接部を示す。図3Cに示すように、ピン9が挿入されるピン穴12の上部及び下部に溝10が設けられている。即ち、2つの溝10は、制御棒の軸方向における上流側及び下流側に、ピン9とピン穴12との隙間に隣接して配置される。換言すれば、2つの溝10は、隙間の上流側及び下流側において、隙間に連通している。図3Dに示すように、溝10は円孔8aからピン9の端部付近まで形成されている。ガイド用ローラ(摺動構造物)は、ピン9,ピン穴12,ローラ8から構成される。
【0019】
ハンドル5に溝10を加工する方法としては、放電加工,ドリル加工,エンドミルによる加工などを用いることができる。放電加工では、マイクロクラックの発生を抑制するために、仕上加工が必要となる。ドリル加工では、溝の寸法が小さい場合、溝を加工した後でピン穴を加工できる。溝の寸法が大きい場合、溝を先に加工すると、ピン穴の位置精度を確保することが困難となる。また、ピン穴を先に加工すると、ドリルがピン穴方向に逃げるので溝の寸法精度を確保することが困難となる。従って、溝が大きい場合には、ピン穴を先に加工し、溝をエンドミルで少しずつ加工する方法が好ましい。
【0020】
制御棒1が原子炉内に設置された場合、冷却水は制御棒の軸方向(図3C及び図3Dの上下方向)に流れる。従って、2つの溝10を図3C及び図3Dのように設けることにより、図3Dに矢印で示すような水の流れ16を積極的に発生させることができる。即ち、溝10は、ピン9とピン穴12との隙間に水の流れを生じさせる機能(この隙間の水の流れを促進させる機能)を有する。この場合、ローラ8と円孔8aとの間の空間の下部から隙間内に侵入した水は、溝10を通して、ローラ8と円孔8aとの間の空間の上部に流出する。
【0021】
このように冷却水の流路を形成する溝10をピン穴12の上部及び下部に設けることにより、ピン9とピン穴12との隙間の水を効果的に入れ替えることができる。従って、制御棒の原子炉内の滞在期間が長期化しても、ピン9周りの隙間部の腐食環境を確実に改善できる。これにより、制御棒の健全性を向上して、信頼性を向上できる。更に、溝10が設けられていない隙間の部分では、ピン9はピン穴12により所定の位置に位置決めされるので、ガイド用ローラによる制御棒の摺動機能は維持される。
【0022】
ここで、溝10の好ましいサイズについて説明する。図4は、制御棒のハンドル5にピン9を設置した状態で、冷却水の流速を変えて実施した腐食試験結果の一例を示す。横軸は制御棒の周辺における冷却水の流速xを、縦軸は腐食試験によるピン9の質量増加量yをそれぞれ示す。正の質量増加量yは、腐食生成物が生じたことでピン9の質量が増加したことを意味する。即ち、質量増加量yは、ピン9の腐食量に対応する。
【0023】
試験条件としては、ピン9の直径3.18mm,ピン穴12の直径3.2mm,ピン穴12の深さL2 =11mm(図3D参照)、冷却水の温度288℃,冷却水の溶存酸素濃度32ppm である。ピン穴12の上部及び下部に設けた溝10の断面形状は、幅2mm×深さ1mmである。図3DのL1 は約7.9mm で、冷却水の温度及び溶存酸素濃度は実際の原子炉における典型的な値とした。このような条件下で、約200時間の腐食試験を実施した。
【0024】
図4で、▲印は溝無しの場合を、●印は溝有りの場合をそれぞれ示す。溝無しの場合、ピン9とピン穴12との隙間は片側0.01mmで、隙間の断面積は0.1mm2 である。この隙間断面積は、実機の値とほぼ等しい。溝有りの場合、隙間と溝の総断面積は4.3mm2である。
【0025】
図4に示すように、溝無しの場合、冷却水の流速xが変化しても、質量増加量yは0.07mgのままでほとんど変わらない。一方、溝有りの場合、冷却水の流速xの増加に伴って質量増加量yは減少する。この場合における流速xと質量増加量yとの関係は、図4に破線で示すβ(y=−0.769x+0.07)で近似できる。即ち、溝無しの場合、ピン9とピン穴12との隙間において水の流れがほとんど無く、溝有りの場合、ピン9とピン穴12との隙間において水の流れが存在することを示している。
【0026】
実機では、制御棒1と燃料チャンネルボックス7との間に、下から上へ向かう水の流れ(流速:約0.2m/s以上)が存在する。流速0.2m/sにおける質量増加量を0mgとするためには、質量増加量yの流速xに対する負の変化率(以下、腐食減少率という)を、−0.35mg/(m/s)以上に大きな負の値にする必要がある。この境界線α(y=−0.350x+0.07)を、図4に実線で示す。
【0027】
図5は、上記腐食減少率zと隙間断面積Sとの関係を求めた結果である。尚、この隙間断面積Sは、ピン9とピン穴12との隙間の断面積と、溝10の断面積との総和を示している。腐食減少率zと隙間断面積Sとの関係は、z=−0.179Sで近似できる。図5から、−0.35mg/(m/s)以上の腐食減少率を得るためには、隙間断面積Sを1.96mm2以上にする必要があることが解る。実機でのピン9とピン穴12との隙間0.01mm(隙間断面積0.1mm2)を考慮すると、溝
10の断面積は、1.86mm2以上にすることが好ましい。
【0028】
次に、ピン穴12に溝10を設けたことによる他の効果について説明する。例えば、原子炉内の水(炉水)を循環させるためのポンプの故障などにより、炉水を循環できなくなった場合には、溝10を設けた構造でも腐食が急激に進む可能性がある。このような場合、ピン9とピン穴12との隙間で腐食生成物が成長し、図6に示すように、ハンドル5を押し広げる力13が発生する。尚、図6は、図3Cと同じ断面を示しており、ローラ8は省略している。
【0029】
この場合、ハンドル5で割れが発生する位置は最も板厚が薄い部位5aであり、部位5aに作用する応力14がハンドル5の構成部材の引張応力以上になった場合に割れが発生すると考えられる。このような現象に対して、本実施例のようにピン穴12に溝10を設けることにより、ハンドル5は力13に対して変形し易くなる。このため、部位5aに作用する応力14は、溝10が無い場合に比べて小さくなる。即ち、ピン9とピン穴12との隙間で仮に腐食が生じた場合でも、部位5aに作用する応力14を低減できるので、ハンドル5における応力腐食割れの発生を抑制することができる。
【0030】
図4で説明した総断面積4.3mm2は、炉水を循環させるポンプの故障に起因する腐食によって発生する応力14及び地震時の荷重を考慮して求めた好ましい値である。この総断面積に対応する好ましい溝10の寸法は、幅2mm,深さ1mmである。
【0031】
尚、上記した検討結果は、ピン穴深さL2 が実機と同じ11mmである場合の結果である。ピン穴深さL2が浅い場合には、浅くした割合だけ総断面積(即ち、溝10の断面積)を小さくすることができる。
【0032】
次に、図7A〜図7Dを用いて、本発明の第2実施例におけるハンドルのガイド用ローラ周りの詳細構造を説明する。図7Aは図1のX矢視図、図7Bは図1のY矢視図である。図7Cは図7Bのb−b断面図、図7Dは図7Aのc−c断面図である。
【0033】
本実施例は、第1実施例の制御棒のハンドル5に、2つの楕円孔11を追加したものである。図7Bに示すように、楕円孔11はピン9の両端部に設けられている。即ち、一方の楕円孔11は、ピン9の先端部(図7Bの右端部)に設けられ、溝10及びピン穴12と連通している。他方の楕円孔11は、ピン9の溶接部(図7Bの左端部)15に隣接して設けられ、溝10及びピン穴12と連通している。
【0034】
本実施例でも、図7Dに矢印で示すような水の流れ16を積極的に発生させることができるので、第1実施例と同じ効果が得られる。即ち、制御棒の原子炉内の滞在期間が長期化しても、ガイド用ローラによる制御棒の摺動機能を維持しつつ、ピン9周りの隙間部の腐食環境を確実に改善できる。これにより、制御棒の健全性を向上して、信頼性を向上できる。
【0035】
本実施例の場合、楕円孔11が溝10及びピン穴12と連通しているため、水の流れ16は第1実施例よりも流れ易くなるので、更に効果的となる。即ち、楕円孔11は、溝10及びピン穴12内の水の流れを促進する機能を有する。また、図7Dに示すように、楕円孔11では、円孔8aから流れてくる水の流れ16の他に、直接流入する水の流れ16aも存在する。この水の流れ16aは、楕円孔11における水の流れ16を促進する助けとなる。この作用も、ピン9周りの隙間部における腐食環境の改善に寄与する。
【0036】
また、第1実施例では、ピン穴12はピン9の両端部で閉じているため、炉水を循環させるためのポンプの故障によって腐食が発生した場合、図6で説明した応力14はピン9の両端部で大きくなる。本実施例の場合、楕円孔11がピン9の両端部に設置されているため、ピン9の両端部に応力14が作用する部位5aが存在しない。従って、ポンプの故障などによりピン9とピン穴12との隙間で仮に腐食が生じた場合でも、隙間周辺の部位に作用する応力14を低減できる。これも応力腐食割れの発生の抑制に寄与する。
【0037】
次に、図8A〜図8Dを用いて、本発明の第3実施例におけるハンドルのガイド用ローラ周りの詳細構造を説明する。図8Aは図1のX矢視図、図8Bは図1のY矢視図である。図8Cは図8Bのb−b断面図、図8Dは図8Aのc−c断面図である。
【0038】
本実施例は、第1実施例でハンドル5に溝10を設けた代わりに、ピン9に溝10aを設けたものである。図8Cに示すように、ピン9の上端部及び下端部に溝10aが設けられている。即ち、2つの溝10aは、制御棒の軸方向における上流側及び下流側に、ピン9とピン穴12との隙間に隣接して配置される。図8Dに示すように、溝10aは円孔8aからピン9の端部付近まで形成されている。
【0039】
本実施例でも、図8Dに矢印で示すような水の流れ16を積極的に発生させることができるので、第1実施例と同じ効果が得られる。即ち、制御棒の原子炉内の滞在期間が長期化しても、ガイド用ローラによる制御棒の摺動機能を維持しつつ、ピン9周りの隙間部の腐食環境を改善できる。これにより、制御棒の健全性を向上して、信頼性を向上できる。更に、本実施例では、ピン9に溝10aを設けることにより、第1実施例よりも溝の加工が容易となるので、制御棒の加工時間及び加工費を更に低減できる。
【0040】
尚、以上の実施例では、ハンドル5におけるガイド用ローラのピン周りに溝を設けた例を説明したが、落下速度リミッタ2におけるガイド用ローラのピン周りに同様な溝を設けても、同様な効果が得られる。また、図9に示す例のように、下部支持板2aにおけるガイド用ローラのピン周りに同様な溝を設けても、同様な効果が得られる。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、制御棒の原子炉内の滞在期間がより長期化しても、ガイド用ローラによる制御棒の摺動機能を維持しつつ、ガイド用ローラの隙間部の腐食環境を確実に改善できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による沸騰水型原子炉用制御棒の一実施例の概略構成図。
【図2】図1のa−a矢視図。
【図3A】図1のX矢視図で、本発明の第1実施例におけるハンドルのガイド用ローラ周りの詳細構造図。
【図3B】図1のY矢視図で、本発明の第1実施例におけるハンドルのガイド用ローラ周りの詳細構造図。
【図3C】図3Bのb−b断面図。
【図3D】図3Aのc−c断面図。
【図4】冷却水の流速と腐食試験によるピンの質量増加量との関係を求めた測定例を示す図。
【図5】腐食減少率と隙間断面積との関係を求めた測定例を示す図。
【図6】腐食に伴ってハンドルに作用する応力の説明図。
【図7A】図1のX矢視図で、本発明の第2実施例におけるハンドルのガイド用ローラ周りの詳細構造図。
【図7B】図1のY矢視図で、本発明の第2実施例におけるハンドルのガイド用ローラ周りの詳細構造図。
【図7C】図7Bのb−b断面図。
【図7D】図7Aのc−c断面図。
【図8A】図1のX矢視図で、本発明の第3実施例におけるハンドルのガイド用ローラ周りの詳細構造図。
【図8B】図1のY矢視図で、本発明の第3実施例におけるハンドルのガイド用ローラ周りの詳細構造図。
【図8C】図8Bのb−b断面図。
【図8D】図8Aのc−c断面図。
【図9】図1において、落下速度リミッタの代わりに下部支持板を設けた沸騰水型原子炉用制御棒の一例を示す概略構成図。
【符号の説明】
1…制御棒、2…落下速度リミッタ、2a…下部支持板、3…中性子吸収棒、4…タイロッド、5…ハンドル、6…ブレード、6a…シース、6b…開口、
7…燃料チャンネルボックス、8…ローラ、8a…円孔、9…ピン、10,10a…溝、11…楕円孔、12…ピン穴、15…溶接部、16,16a…水の流れ。

Claims (7)

  1. 横断面が概略十字形のタイロッドと、該タイロッドの各辺に取り付けられ横断面が概略U字形のシースと、該シースの内側に配置された中性子吸収棒と、制御棒の軸方向における前記シースの一端に設けられたハンドルと、前記軸方向における前記シースの他端に設けられた下部支持板又は落下速度リミッタとを備えた沸騰水型原子炉用制御棒において、
    前記ハンドル、前記下部支持板、又は前記落下速度リミッタのうち少なくとも1つが、ピンと、該ピンが挿入されるピン穴と、前記ピンを中心に前記軸方向に回転するローラとからなる摺動構造物を備え、
    前記ピンと前記ピン穴との間に形成される隙間に連通する溝が、前記ハンドル、前記下部支持板、又は前記落下速度リミッタのうち少なくとも1つ、及び前記ピンのいずれかに設けられていることを特徴とする沸騰水型原子炉用制御棒。
  2. 請求項1において、前記は、前記軸方向における上流側及び下流側の2箇所に設けられていることを特徴とする沸騰水型原子炉用制御棒。
  3. 請求項1又は2において、前記は、前記ピンの端部付近まで形成されていることを特徴とする沸騰水型原子炉用制御棒。
  4. 請求項1乃至の何れかにおいて、前記ハンドルは、前記ピンの端部付近に開口部を備えていることを特徴とする沸騰水型原子炉用制御棒。
  5. 横断面が概略十字形のタイロッドと、該タイロッドの4辺にそれぞれ取り付けられ横断面が概略U字形のシースと、該シースの内側に配置された中性子吸収棒と、前記シースの上端に設けられたハンドルと、前記シースの下端に設けられた下部支持板又は落下速度リミッタとを備えた沸騰水型原子炉用制御棒において、 前記ハンドルを構成する4つの翼部のそれぞれが、ピンと、該ピンが挿入されるピン穴と、前記ピンを中心に前記軸方向に回転するローラとからなるガイド用ローラを備え、
    前記ピンと前記ピン穴との間に形成される隙間に連通する溝が、前記翼部のそれぞれ、又は前記ピンに、2箇所に設けられていることを特徴とする沸騰水型原子炉用制御棒。
  6. 請求項において、前記下部支持板又は前記落下速度リミッタの少なくとも一方が、第2ピンと、該第2ピンが挿入される第2ピン穴と、前記第2ピンを中心に前記軸方向に回転する第2ローラとからなる第2のガイド用ローラを備え、前記第2ピンと前記第2ピン穴との間に形成される第2隙間に連通する第2溝が、前記下部支持板又は前記落下速度リミッタの少なくとも一方、及び前記第2ピンいずれかに、2箇所に設けられていることを特徴とする沸騰水型原子炉用制御棒。
  7. 横断面が概略十字形のタイロッドと、該タイロッドの4辺にそれぞれ取り付けられ横断面が概略U字形のシースと、該シースの内側に配置された中性子吸収棒と、前記シースの上端に設けられたハンドルと、該ハンドルに設けられ制御棒をその軸方向に摺動させるためのガイド用ローラとを備えた沸騰水型原子炉用制御棒において、
    前記ガイド用ローラのピンとピン穴との間に形成される隙間に連通する溝が、前記ハンドル及びピンのいずれかに、前記軸方向における上流側及び下流側の2箇所に設けられていることを特徴とする沸騰水型原子炉用制御棒。
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