JP5324318B2 - 制御棒 - Google Patents

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Description

本発明は、制御棒に係り、特に、沸騰水型原子炉に適用するのに好適な制御棒に関する。
沸騰水型原子力発電プラントでは、核分裂性物質であるウラン235を含む核燃料物質(例えば、UO)で製造した複数の燃料ペレットを充填する複数の燃料集合体を、原子炉圧力容器内に配置された炉心に装荷している。沸騰水型原子力発電プラントの運転中、燃料集合体内に供給される冷却水がウラン235の核分裂で生じる熱によって加熱され、この冷却水の一部が蒸気になる。この蒸気は、原子炉からタービンに供給され、タービンを回転させる。タービンに連結された発電機も回転され、発電が行われる。
炉心内では、ウラン235の核分裂によって新たに生じた中性子は、別のウラン235の核分裂を引き起こす。制御棒は、炉心内に挿入されており、発生した中性子の一部を吸収して炉心内における核分裂反応を制御する。この制御棒によって、原子炉出力を制御することができる。
沸騰水型原子炉に設けられる制御棒は、横断面形状が十字形をしており、軸心から四方に伸びる4枚のブレードを有する。中性子吸収材(例えば、炭化ホウ素(BC)、ハフニウム(Hf))が各ブレード内に配置されている。制御棒の各ブレードは、炉心内に装荷された燃料集合体の間に配置される。
制御棒は、軸心にタイロッドを配置し、タイロッドの上端部にハンドルを、タイロッドの下端部に落下速度リミッタをそれぞれ溶接にて取り付けている。各ブレードは、タイロッドに取り付けられた横断面がU字状のシース、及びこのシース内に配置されて、中性子吸収材であるBCを充填した複数の中性子吸収棒を有している(特開2002−257968号公報参照)。BCを充填した中性子吸収棒の替りにハフニウムをシース内に配置した制御棒も、知られている(特開平8−105989号公報参照)。
C、すなわち、ボロンは中性子を吸収したときにヘリウムガスを発生し、このヘリウムガスは中性子吸収棒内に蓄えられる。沸騰水型原子力発電プラントでは、制御棒が、寿命になるまで、複数の運転サイクルに亘って使用される。この制御棒の使用期間中において、中性子吸収棒の内圧がヘリウムガスの蓄積によって上昇する。中性子吸収棒の内圧上昇は制御棒の機械的寿命に影響を与えるために、中性子吸収棒の内圧を抑制する対策が検討されている。
制御棒では、中性子吸収材の中性子吸収量が、各ブレードの上部及び横断面における先端部で多くなる。このため、ブレードに配置された各中性子吸収棒の内圧は、中性子吸収棒が配置された位置によって異なっている。このような中性子吸収棒の内圧の違いを考慮し、特開昭63−85396号公報に記載された制御棒では、ブレード内に配置された各中性子吸収棒内の空間を、連通部材を用いて接続している。ブレード内の各中性子吸収棒内の圧力が均一化され、ブレードの先端部に位置する中性子吸収棒の内圧上昇が抑制される。
制御棒内にガス溜め室を新たに形成し、ブレード内のBC充填領域の圧力上昇を抑制する制御棒が提案されている(特開昭59−79182号公報及び特開昭61−47584号公報参照)。特開昭59−79182号公報に記載された制御棒では、ブレードの上端部でその内部(第3図参照)に、さらに、タイロッドの位置(第4図参照)にヘリウムガスを溜めるガス溜め室を形成している。特開昭61−47584号公報に記載された制御棒では、ヘリウムガスを溜めるガス溜め室を制御棒の軸心に形成している。それぞれのガス溜め室は、ブレード内に配置された各中性子吸収棒またはブレード内に形成されたBC充填領域に連絡されている。
シースを使用しないで金属板によりブレードを形成した制御棒が、上記した特開昭61−47584号公報以外に特表2002−533736号公報でも提案されている。これらの制御棒は、金属板内に複数の孔部を形成し、これらの孔部内にBCを充填している。このタイプの制御棒は、特開2002−257968号公報に記載された制御棒のように、シース及び中性子吸収棒を有していないので、シースと中性子吸収棒の間に形成される間隙も存在しない。
特開平1−254895号公報に記載された制御棒は、横断面が正方形をした複数の管状部材を水平方向に並べて結合してブレードを形成している。各管状部材に形成された中性子吸収材充填孔内には中性子吸収材が充填されている。この制御棒は、軸心にタイロッドを配置して、複数の管状部材を結合した4つのブレードを、タイロッドから四方に伸びるように、タイロッドに取り付けている。タイロッドの上端にはハンドル部材が取り付けられ、タイロッドの下端には下部支持部材を取り付けている。各管状部材はハンドル部材と下部支持部材の間に配置されている。
特開2002−257968号公報 特開平8−105989号公報 特開昭63−85396号公報 特開昭59−79182号公報 特開昭61−47584号公報 特表2002−533736号公報 特開平1−254895号公報
近年、沸騰水型原子炉に用いられている制御棒のシースに微小なひびが生じる事象が報告されている。制御棒の使用環境は、高温水中であって多量の中性子が照射される。特に、制御棒では、シースとシース内の中性子吸収部材との間に形成される間隙内に高温水が流れる。このような使用環境に置かれる制御棒のシースに発生したひびは、照射誘起応力腐食割れ(IASCC:Irradiation Assisted Stress Corrosion Cracking)による可能性がある。IASCCの発生要因としては中性子照射、腐食環境及び引張応力の3つが考えられている。これらの要因のうち1つの要因を排除することによって、IASCCの発生が抑制される。
制御棒では、ヘリウムガスの蓄積に起因した内圧上昇の抑制、及び制御棒構成部材の応力腐食割れの抑制が望まれている。
本発明の目的は、内圧上昇を抑制することができ、且つ構成部材の応力腐食割れを抑制できる制御棒を提供することにある。
上記した目的を達成する本発明の特徴は、ブレード内に形成された複数の中性子吸収材充填領域内に配置された、中性子の吸収によってガスを生成する中性子吸収材と、ブレードの下端部に設置された下部支持部材に設けられたガス溜め室と、各々の中性子吸収材充填領域とガス溜め室とを連絡する連絡通路とを備えたことにある。
各中性子吸収材充填領域内に配置された中性子吸収材の中性子の吸収によって発生したガスは、連絡通路を通って下部支持部材に設けられたガス溜め室内に排出される。このため、各中性子吸収材充填領域内の圧力の上昇が抑制される。すなわち、制御棒の内圧上昇を抑制することができる。
ガス溜め室が下部支持部材に設けられるので、制御棒が炉心に全挿入された状態でも下部支持部材は炉心の下方に位置しており、原子炉の運転中ではガス溜め室は必ず炉心よりも下方に位置する。このため、ガス溜め室を構成する構造部材への中性子照射量が少なくなり、中性子累積照射量も少なくなる。したがって、ガス溜め室を構成する構造部材の応力腐食割れ、特に、照射誘起応力腐食割れ(IASCC)を抑制することができる。ガス溜め室を下部支持部材に設けることによって、中性子照射量が多い制御棒の上部における溶接部を低減できるので、制御棒上部での照射誘起応力腐食割れも抑制することができる。
本発明によれば、制御棒の内圧の上昇を抑制することができ、且つ制御棒の構成部材の応力腐食割れを抑制することができる。
本発明の好適な一実施例である実施例1の制御棒の構成図である。 本発明の他の実施例である実施例2の制御棒の構成図である。 本発明の他の実施例である実施例3の制御棒の構成図である。 本発明の他の実施例である実施例4の制御棒の構成図である。 本発明の他の実施例である実施例5の制御棒の構成図である。 図5のVI−VI断面図である。
本発明の実施例を以下に説明する。
本発明の好適な一実施例である実施例1の制御棒を、図1を用いて説明する。本実施例の制御棒1は、ブレード2、ハンドル10、下部支持板11及び落下速度リミッタ12を備えている。制御棒1の横断面の形状は、十字形をしている。ハンドル10は2枚のブレード2の上端に設けられている。下部支持板11はブレード2の下端に取り付けられ、落下速度リミッタ12は下部支持板11の下端部に設けられる。本実施例における下部支持部材は、下部支持板11及び落下速度リミッタ12を含んでいる。
4枚のブレード2は、制御棒1の軸心から四方に向って伸びている。ブレード2は、ステンレス鋼の板部材3を有し、複数の中性子吸収材充填孔4及び複数の中性子吸収材充填孔5を板部材3内に形成している。複数の開口部9が、制御棒1の軸心側で、制御棒1の軸方向に断続的に形成されている。各ブレード2の板部材3は、制御棒1の軸方向において隣り合う開口部9の相互間で互いに溶接にて接合されている。
中性子吸収材充填孔4及び5のそれぞれは、制御棒1の軸心に対して傾斜しており、制御棒1の軸心側からブレード2の先端部に向って下向きに伸びている。ブレード2において、中性子吸収材充填孔5が形成された領域はハンドル10の下方に配置され、中性子吸収材充填孔4が形成された領域は中性子吸収材充填孔5が形成された領域の下方に配置される。
中性子吸収材充填孔4及び5は板部材3を貫通していなく、それぞれの両端部が封鎖されている。中性子吸収材である炭化ホウ素7が中性子吸収材充填孔4内に充填され、中性子吸収材であるハフニウム8が中性子吸収材充填孔5内に充填されている。各板部材3内に形成された全ての中性子吸収材充填孔4の、制御棒1の軸心側の端部が、板部材3内でその軸心側に形成された連通孔(連絡通路)14に接続されている。連通孔14は、ブレード2の下端に向って伸びており、下部支持板11内に形成されて制御棒1の軸心と直交する方向に伸びている連通孔(連絡通路)15に接続される。ハフニウム8は中性子の吸収によってガスを生成しないため、ハフニウム8が充填されている中性子吸収材充填孔5は連通孔14に接続されていない。
落下速度リミッタ12では、ローラ17が周方向の4箇所に設置される。原子炉圧力容器(図示せず)の底部に設置される制御棒駆動機構(図示せず)と着脱可能に連結されるコネクタ18が、落下速度リミッタ12の下端部に設けられる。さらに、ガス溜め室13が落下速度リミッタ12内に形成されている。下部支持板11及び落下速度リミッタ12のそれぞれの内部に形成された連通孔(連絡通路)16が、連通孔15とガス溜め室13を接続している。連通孔16は制御棒1の軸方向に延びている。
沸騰水型原子炉では、制御棒1が、原子炉圧力容器内の炉心(図示せず)内に配置され、原子炉圧力容器の底部に設けられた制御棒駆動機構にコネクタ18によって連結される。制御棒1は、沸騰水型原子炉の運転中において、炉心に装荷された4体の燃料集合体間に配置されており、制御棒駆動機構の駆動により、炉心から引き抜かれ、さらには炉心に挿入される。原子炉出力は、制御棒1が炉心から引き抜かれるときに上昇し、制御棒1が炉心に挿入されるときに減少する。各燃料集合体の下端部は、原子炉圧力容器内で炉心の下方に配置された炉心支持板に設けられた複数の燃料支持金具によって支持されている。
炉心に挿入されている制御棒1の中性子吸収材である炭化ホウ素7及びハフニウム8が、燃料集合体に含まれている核燃料物質の核分裂によって発生する中性子を吸収し、原子炉出力を制御する。ハフニウム8は中性子を吸収することによってガスを発生しない。これに対して、炭化ホウ素7は中性子を吸収することによってガス、すなわち、ヘリウムガスを発生する。各中性子吸収材充填孔4内で炭化ホウ素7から発生したヘリウムガスは、連通孔14,15及び16を通ってガス溜め室13内に導かれる。ガス溜め室13の形成によって、各中性子吸収材充填孔4内の内圧上昇が抑制されると共に、ガス溜め室3に連通された各中性子吸収材充填孔4内の内圧が均一化される。このため、制御棒1の内圧が低下し、制御棒1の機械的寿命が長くなる。
特開昭59−79182号公報及び特開昭61−47584号公報に記載された各制御棒でも、ガス溜め室が形成されている。これらの公知の制御棒では、ガス溜め室が制御棒の上端部または制御棒の軸心に形成されている。いずれの場合でも、ガス溜め室が、制御棒の構造部材を溶接で接合することによって形成され、且つ制御棒の上部に配置されている。沸騰水型原子炉では、制御棒の挿入量調整により出力制御をするため、制御棒の上部は下部に比べて長時間、燃料集合体近傍に位置することになる。このため、制御棒への中性子累積照射量は、制御棒下部に比べて上部の方が多くなる。したがって、特開昭59−79182号公報及び特開昭61−47584号公報に記載された各制御棒では、ガス溜め室の形成時に形成された溶接部が、中性子累積照射量が多くなる制御棒の上部に存在するため、IASCCの感受性が高くなり、IASCCが発生しやすくなる。
これに対して、本実施例の制御棒1は、ガス溜め室13を落下速度リミッタ12内に形成しているので、IASCCの発生を抑制することができる。落下速度リミッタ12は、制御棒1が炉心内に全挿入された状態でも燃料支持金具よりも下方に位置しており、炉心内に挿入されることはない。このため、落下速度リミッタ12における中性子累積照射量は、制御棒1の上部におけるそれよりも極めて少なくなる。ガス溜め室13はガス溜め室13の底部を形成する底部材を落下速度リミッタ12の下端に溶接して形成されるが、落下速度リミッタ12の中性子累積照射量が極めて少ないので、底部材の溶接部付近でのIASCCの発生確率が非常に小さい。また、ガス溜め室13が落下速度リミッタ12内に形成されるので、特開昭59−79182号公報及び特開昭61−47584号公報に記載された各制御棒のように、ガス溜め室を形成するための溶接部が制御棒1の上部に形成されない。すなわち、中性子照射量が多くなる制御棒1の上部における溶接部の数を低減することができる。これによっても、中性子累積照射量が多い、制御棒1の上部におけるIASCCの発生確率も小さくなる。したがって、制御棒1において、構成部材の応力腐食割れを抑制することができる。
制御棒1では、板部材3内で、各中性子吸収材充填孔4を制御棒1の軸心からブレード2の先端に向かって下部支持板11側に傾斜させているので、炭化ホウ素7が中性子の照射によって粉末化しても、この粉末が連通孔14内に落下することを防ぐことができる。したがって、連通孔14が粉末によって閉鎖されることを防止できる。連通孔14が粉末で閉鎖されることによる中性子吸収材充填孔4内の圧力上昇を避けることができる。
本実施例の制御棒1は、内圧上昇を抑制することができ、且つ構成部材の応力腐食割れを抑制できる。
本発明の他の実施例である実施例2の制御棒を、図2を用いて説明する。本実施例の制御棒1Aは、制御棒1のブレード2をブレード2Aに替えた構成を有する。制御棒1Aの他の構成は制御棒1と同じである。
ブレード2Aは、特開平1−254895号公報に記載されているように、中性子吸収材充填孔を軸心に形成した複数の管状部材19を制御棒1Aの軸心と直交する方向に並べて配置し、隣接した管状部材19を互いに溶接にて接合して構成される。炭化ホウ素7が管状部材19に形成された中性子吸収材充填孔内に充填される。2枚のブレード2Aを構成するそれぞれの管状部材19の上端部が、ハンドル12Aに溶接にて接合されている。残りの2枚のブレード2Aを構成するそれぞれの管状部材19の上端部は、上部支持部材27に取り付けられる。4枚のブレード2Aの、それぞれの管状部材19の下端部が、下部支持板11の上端部に溶接にて接合されている。
ブレード2Aを板状部材で構成し、炭化ホウ素7を充填する複数の中性子吸収材充填孔を、その板状部材内に形成してもよい。この場合には、2枚のブレード2Aの各板状部材の上端部がハンドル12Aに溶接にて接合され、4枚のブレード2Aの、それぞれの板状部材の下端部が下部支持板11の上端部に溶接にて接合される。
落下速度リミッタ12が下部支持板11の下端部に設けられている。連通孔(連絡通路)20が、下部支持板11の上端部に形成される。連通孔20は、制御棒1Aの軸心に直交する方向に伸びており、中性子吸収材充填孔にそれぞれ連絡されている。落下速度リミッタ12に形成されたガス溜め室13が、連通孔16によって連通孔20に接続されている。本実施例における下部支持部材も、下部支持板11及び落下速度リミッタ12を含んでいる。
中性子吸収材充填孔内の炭化ホウ素7が中性子を吸収することによって発生したヘリウムガスは、連通孔20及び16を通ってガス溜め室13内に導かれる。
本実施例の制御棒1Aは、実施例1の制御棒1で生じる各効果のうち、中性子吸収材充填孔4が傾斜していることによって生じる効果以外の各効果を得ることができる。
本発明の他の実施例である実施例3の制御棒を、図3を用いて説明する。本実施例の制御棒1Bは、制御棒1の落下速度リミッタ12を落下速度リミッタ12Aに替えた構成を有する。制御棒1Bの他の構成は制御棒1と同じである。
落下速度リミッタ12Aは、制御棒1Bの軸心から放射状に伸びる8つの仕切り板21a,21b,21c,21d,21e等を有する。これらの仕切り板は、周方向に45°間隔に配置されている。仕切り板21a,21c及び21e、さらに仕切り板21g(図示せず)が、横断面が十字形をしている下部支持板11の下端部に溶接にて接合されている。落下速度リミッタ12Aの底部材25が各仕切り板の下端にそれぞれ溶接されている。1つ置きの仕切り板21a,21c,21e及び21gには、制御棒1Bの軸方向に伸びる連通孔22がそれぞれ形成されており、これらの連通孔22は各仕切り板の両側面に形成された開口部23に連絡される。仕切り板21a,21c,21e及び21gのそれぞれの間に配置された各仕切り板(例えば、仕切り板21b、21d、21f等)には、貫通孔24がそれぞれ形成される。カバー部材(図示せず)が、底部材25の上方に配置され、仕切り板21a,21b,21c,21d,21e等の8つの仕切り板に設けられる。コネクタ18が底部材25に設置されている。各仕切り板は底部材25に溶接にて接合されている。底部材25の上方に配置されたカバー部材(図示せず)が、各仕切り部材の上端に溶接にて接合されている。カバー部材の下端も底部材25に溶接にて接合される。本実施例における下部支持部材は、下部支持板11及び落下速度リミッタ12Aを含んでいる。
本実施例では、8つの仕切り板を設けているが、周方向に等間隔に配置された少なくとも4つの仕切り板が設けられていればよい。
ガス溜め室13Aが、カバー部材と底部材25の間で周方向に配置された各仕切り板の相互間に、それぞれ形成される。例えば、1つのガス溜め室13Aが、カバー部材と底部材25の間で且つ仕切り板21cと仕切り板21dの間に形成される。仕切り板21a,21c,21e及び21gに形成されたそれぞれの連通孔22は、1つの仕切り板に接する2つのガス溜め室13Aに開口部23を介して連絡される。各連通孔22は、下部支持板11内に形成された連通孔16に連絡され、さらに、連通孔15を経て連通孔14につながっている。連通孔22が形成された仕切り板間に位置する仕切り板(例えば、仕切り板21d)に形成された貫通孔24は、この仕切り板に接する2つのガス溜め室13Aを連絡している。
これらのガス溜め室13Aの形成を具体的に説明する。仕切り板21a,21b,21c,21d,21e等の8つの仕切り板の上端が、周方向に所定間隔を置いてカバー部材の下面にそれぞれ溶接される。その後、落下速度リミッタ12Aの軸心から半径方向に末広がりになる三角形状をした8枚の底部材25が、隣り合う仕切り板の間に配置されて、それぞれの仕切り板の下端部に溶接される。各底部材25の周縁部がカバー部材の周縁部に溶接される。このようにして、開口部23に連絡されている以外は密封されたガス溜め室13Aが形成される。
各中性子吸収材充填孔4内の炭化ホウ素7が中性子を吸収することによって発生したヘリウムガスは、連通孔20及び16を通ってガス溜め室13内に導かれる。
本実施例の制御棒1Bも、実施例1の制御棒1で生じる各効果を得ることができる。本実施例は、複数の仕切り板を用いて各ガス溜め室13Aを形成しているので、ガス溜め室13Aを有する落下速度リミッタ12Aの耐圧性が向上する。
本実施例で用いられる落下速度リミッタ12Aは、制御棒1Aの落下速度リミッタ12として用いてもよい。
本発明の他の実施例である実施例4の制御棒を、図4を用いて説明する。本実施例の制御棒1Cは、制御棒1の落下速度リミッタ12を落下速度リミッタ12Bに替えた構成を有する。制御棒1Cの他の構成は制御棒1と同じである。
落下速度リミッタ12Bは、制御棒1Cの軸心から放射状に伸びる4つの仕切り板21a,21b,21c及び21dを有する。これらの仕切り板は、周方向に90°間隔に配置されている。仕切り板21a,21b,21c及び21dが、横断面が十字形をしている下部支持板11の下端部に溶接にて接合されている。落下速度リミッタ12Bの底部材25が仕切り板21a,21b,21c及び21dの下端にそれぞれ溶接されている。仕切り板21a,21b,21c及び21dには、制御棒1Cの軸方向に伸びる連通孔22がそれぞれ形成されている。コネクタ18が底部材25に設置されている。各仕切り板の下端が底部材25に溶接されている。仕切り板21a,21b,21c及び21dは、落下速度リミッタ12Bの半径方向において、複数の溝28を形成している。これらの溝28は、各仕切り板の上端から下方に向かって伸びており、落下速度リミッタ12Bの周方向において各仕切り板を貫通している。本実施例における下部支持部材も、下部支持板11及び落下速度リミッタ12Bを含んでいる。
落下速度リミッタ12Bは、螺旋状に曲げた細管26を有する。この細管26が、仕切り板21a,21b,21c及び21dに形成されたそれぞれの溝28内に挿入されており、周方向において各仕切り板を貫通している。溝28内に挿入された螺旋状の細管26は、仕切り板21a,21b,21c及び21dに溶接により取り付けられる。仕切り板21a,21b,21c及び21dには、制御棒1Cの軸方向に伸びる連通孔22がそれぞれ形成される。これらの連通孔22は、隣り合う溝28間に配置されており、細管26に連絡される。連通孔22の下端部は、各仕切り板内において落下速度リミッタ12Bの半径方向に曲げられている。細管26は、制御棒1Cの軸方向において、複数層、設けてもよい。細管26と各仕切り板の貫通部との間に隙間を形成しないために、細管26の仕切り板との貫通部は細管18の全周に亘って溶接される。
各中性子吸収材充填孔4内の炭化ホウ素7が中性子を吸収することによって発生したヘリウムガスは、連通孔14,15,16及び22を通って細管26内の空間、すなわち、ガス溜め室13内に導かれる。
本実施例の制御棒1Cも、実施例1の制御棒1で生じる各効果を得ることができる。本実施例は、細管26内をガス溜め室として用いているので、実施例3の制御棒1Bに比べて溶接箇所が少なくなり、製造が容易になる。
本実施例で用いられる落下速度リミッタ12Bは、制御棒1Aの落下速度リミッタ12として用いてもよい。
本発明の他の実施例である実施例5の制御棒を、図5を用いて説明する。本実施例の制御棒1Dは、落下速度リミッタ12を有していなく、制御棒1における下部支持板11にガス溜め室13Bを設置した構成を有する。制御棒1Dの他の構成は制御棒1と同じである。本実施例における下部支持部材は、下部支持板11である。
ガス溜め室13Bは、横断面が十字形をした下部支持板11の、制御棒1Dの軸心から伸びる4つの側壁間に設けられる(図6参照)。各ガス溜め室13Bは下部支持板11に形成される各連通孔16に連絡される。
各中性子吸収材充填孔4内の炭化ホウ素7が中性子を吸収することによって発生したヘリウムガスは、連通孔14,15,16及び22を通って細管26内の空間、すなわち、ガス溜め室13内に導かれる。
本実施例の制御棒1Cも、実施例1の制御棒1で生じる各効果を得ることができる。
本発明は、沸騰水型原子炉の制御棒に適用することができる。
1,1A,1B,1C,1D…制御棒、2,2A…ブレード、3…板部材、4,5…中性子吸収材充填孔、7…炭化ホウ素、8…ハフニウム、10…ハンドル、11…下部支持板、12…落下速度リミッタ、13,13A,13B…ガス溜め室、14,15,16,18,22…連通孔(連絡通路)、21a,21b,21c,21d,21e,21f…仕切り板、24…貫通孔、25…底部材、26…細管、28…溝。

Claims (6)

  1. 軸心から四方に伸びる4枚のブレードと、前記ブレードの下端部に設けられた下部支持部材と、前記ブレード内に形成された複数の中性子吸収材充填領域内に配置された、中性子の吸収によってガスを生成する中性子吸収材と、前記下部支持部材に設けられたガス溜め室と、各々の前記中性子吸収材充填領域と前記ガス溜め室とを連絡する連絡通路とを備え、
    前記ブレードが板部材で構成されて前記複数の中性子吸収材充填領域が前記板部材内に形成され、
    前記ガスを生成する前記中性子吸収材が配置された前記複数の中性子吸収材充填領域が、前記軸心から前記ブレードの先端に向かって前記下部支持部材側に傾斜しており、前記複数の中性子吸収材充填領域の、前記軸心側の端部が前記連絡通路に接続されていることを特徴とする制御棒。
  2. 前記ブレードに設けられたハンドルと、前記ガスを生成する中性子吸収材が配置された前記中性子吸収材充填領域と前記ハンドルの間で、前記板部材に形成された他の中性子吸収材充填領域と、前記他の中性子吸収材充填領域内に配置された、前記中性子の吸収によってガスを生成しない他の中性子吸収材とを備えた請求項に記載の制御棒。
  3. 前記中性子の吸収によってガスを生成しない前記他の中性子吸収材が配置された前記他の中性子吸収材充填領域の長さが、前記ガスを生成する中性子吸収材が配置された前記中性子吸収材充填領域よりも長くなっている請求項に記載の制御棒。
  4. 前記ガス溜め室が、前記下部支持部材に設けられる落下速度リミッタに形成される請求項1ないしのいずれか1項に記載の制御棒。
  5. 前記落下速度リミッタが、周方向に間隔を置いて配置された複数の仕切り部材と、これらの仕切り部材に設けられる底部材と、前記底部材の上方に配置されるカバー部材とを有し、
    前記連絡通路に接続される前記ガス溜め室が、隣り合う前記仕切り部材の間で前記底部材と前記カバー部材の間に形成される請求項に記載の制御棒。
  6. 前記落下速度リミッタが、周方向に間隔を置いて配置された複数の仕切り部材と、これらの仕切り部材に設けられる底部材と、前記連絡通路に接続され、内部に前記ガス溜め室を形成する管路部材とを備えた請求項に記載の制御棒。
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