JP2511584B2 - 核燃料棒束の実質的に内側の位置に水を収容するために使用可能な水棒及び核燃料棒束 - Google Patents

核燃料棒束の実質的に内側の位置に水を収容するために使用可能な水棒及び核燃料棒束

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JP2511584B2 JP3145257A JP14525791A JP2511584B2 JP 2511584 B2 JP2511584 B2 JP 2511584B2 JP 3145257 A JP3145257 A JP 3145257A JP 14525791 A JP14525791 A JP 14525791A JP 2511584 B2 JP2511584 B2 JP 2511584B2
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は原子炉用の水棒に関し、
特に、沸騰水型原子炉において実質的にボイドのない水
を包囲する管形棒に関する。
【0002】
【発明の背景】代表的な沸騰水型原子炉では、燃料が多
数の燃料棒内に設けられる。燃料自体は濃縮ウランの筒
形ペレットの形態をなす。濃縮度は非核分裂性のウラン
238に対する核分裂性のウラン235の割合である。
これらのペレットは長い筒形管内に入れられ、両端で密
封される。燃料ペレットを封入した筒形管は「燃料棒」
として知られている。燃料棒は原子炉内に複数の「燃料
束」と呼ばれる個別集合体として設けられる。
【0003】各燃料束は上側結合板と下側結合板との間
に保持された複数の棒を具備する。両結合板は燃料棒の
端部を位置づけかつ保持する座または開口を有する。ま
た、両結合板は燃料棒間の間隙における水流を通す開口
を有する。
【0004】各燃料束は燃料チャネルによって囲まれ
る。このチャネルは断面が正方形で、下側結合板から上
側結合板まで延在する。このチャネルは両結合板間かつ
燃料棒の周囲の水流の範囲を制限するように機能する。
【0005】通例7つのスペーサが燃料チャネル内に燃
料束の長さ方向に沿ってほぼ均等に隔設される。スペー
サはさらに燃料棒をそれらの全長に沿って位置づけるよ
うに作用する。通例上側結合板に取付けた上側ハンドル
部と、下側結合板から下方に突出した下側突端片とが、
燃料束の頂部と底部を画成する。ハンドルと突端片は、
いわゆる「原子炉アウテージ(出力停止)」中の燃料束
の挿入と引抜きを容易にするように働く。
【0006】燃料束内の個々の燃料棒はマトリックス状
に配置され、通常縦横列に配列される。通例、マトリッ
クスの縦横列の幾つかは結合棒によって占められる。結
合棒はねじ付き燃料棒で、上下両結合板と係合して燃料
束に構造的一体性を与える。代表的な燃料棒は長さが約
160 インチである。
【0007】原子炉では、複数の燃料束が炉心内に配置
される。燃料束は下側炉心板とその上方にあるトップガ
イドとの間に配置される。燃料束は炉心内に下側炉心板
の高さの所で支持され、そしてトップガイドの所で直立
離間関係に保持される。
【0008】炉心内の各燃料束は通例その隣の燃料束か
ら離間している。この離間は炉心バイパス域として知ら
れる炉心内の満水域を設定する。燃料束ノズルを通る少
量の水の流量規制によりこの炉心バイパス域に水が保た
れる。
【0009】核反応は複数の制御棒またはブレードによ
り制御される。これらは通例十字形であり、従って、各
制御ブレードは4つの燃料束に隣接する。制御棒は炉心
バイパス域に挿入され、そこから引抜かれる。これらの
制御棒は中性子吸収材を内蔵するので、制御棒の挿入は
核反応を局所的に減速するか停止して臨界状態にならな
いようにする。
【0010】原子炉の運転中、水が下側結合板を経て燃
料束に入る。水は加熱により燃料束内を上昇し、また1
個以上のポンプを使用の場合その強制循環作用により原
子炉内を循環する。水が燃料束内を上昇してさらに加熱
されるにつれ、正常運転中、水は結局その沸点に達す
る。沸騰水から蒸気が発生し、その結果燃料束の上部に
蒸気ボイドが生じる。
【0011】沸騰水型原子炉内の水は2つの機能を果た
す。第1に、水は原子炉から熱を奪い去り、その熱は、
例えばタービンにより有用なエネルギーに変換され得
る。第2に、水は減速材として作用する。すなわち、そ
れは「高速」中性子を減速する。
【0012】核反応中の中性子は様々なエネルギーレベ
ルで存在し、一般に、「高速」中性子および「低速」
(または「熱」)中性子と呼ばれる。高速中性子の減速
は少なくとも2つの理由で望ましい。第1に、低速中性
子は、それらがウラン235原子の核分裂を包含する所
望連鎖反応を保つという意味で比較的反応性が高い。第
2に、低速中性子は高速中性子より容易に制御ブレード
により捕獲される。従って、減速材は事実上制御ブレー
ドの効率を高める。
【0013】上述のように、水は高速中性子の減速材で
あるが、加熱されるにつれ、密度が減り減速材としての
効果が減る。水は蒸気になると減速材としての有効性が
激減するので、用途によっては、無視できる減速材とし
て扱われ得る。
【0014】初期の燃料束設計では、燃料束内の全格子
位置は燃料棒により占有された。このような初期の設計
では、燃料束内の水に用い得る空間は、燃料棒間の空間
と、個別燃料束間の間隙域だけであった。燃料棒間の空
間は通例汽水混合物で満たされるので、この空間の減速
効果は「ソリッド(中実)」減速材を内蔵する燃料束間
の空間より少ない。従って、原子炉の最も有効な減速水
は燃料束間に、すなわち、燃料チャネルの外側の燃料束
間空隙における炉心バイパス域内に設けられた。
【0015】このような初期の形状では、燃料束内の内
側燃料棒が多量の「ソリッド」減速水から隔たる距離は
大きかった。この距離のため、燃料束内の最も内側の位
置では高速中性子対低速中性子の比率が高く、従って、
「低速」または「熱」中性子を要する核反応を維持する
効率は低かった。従って、内側燃料棒の濃縮度を高くし
てこの効率不足を補うのが通例であった。しかし、棒濃
縮度のこのような増加はかなり費用がかかる。それ故、
以前から、燃料束の内側位置に減速水を追加する方策が
とられてきた。
【0016】最初に、1本以上の燃料棒の代りに、水を
通す同径の中空棒(「水棒」と呼ばれる)が設置され
た。この水棒は下側結合板と連通しそして上側結合板を
貫通するものであった。水棒はそれ自体の中に水流路を
もつので、(バイパス域と同様に)減速水で満たされ
る。
【0017】水棒は、燃料棒によって占有されない空間
を残すだけの場合に比べて核的および熱的利点を有す
る。中空棒を設けることにより、内側のサブクールされ
た水が燃料束内の他の加熱された水と混合せず、また幾
分絶縁される。従って、水棒内の水は燃料束内の他の水
のようには沸騰しない。
【0018】この方策は、燃料束の内側位置に追加減速
材を設けるので幾つかの利点をもたらした。最初、水棒
は燃料棒と寸法が同じであった。後に、より大径の水棒
を燃料束内に設ける試みがなされ、これらの水棒は通常
の燃料棒の寸法を超えるものであった。このような比較
的大径の水棒を設ける試みは、標準の円形断面の管ある
いは場合によっては正方形断面の管を1本以上の燃料棒
の代りに燃料束の内側位置に配置するに過ぎなかった。
しかし、相隔たる標準の丸いまたは正方形の管から逸脱
するか、あるいは原子炉効率に対するこれらの形状の効
果を組織的に解析する有効な試みはなされなかった。
【0019】燃料棒を水平断面で見た時それらは縦横列
に配置されているので、普通、各燃料棒は一つの「格子
位置」を占めるという。水棒の寸法を拡大した時、水棒
は一つの燃料棒位置から、隣接燃料棒の占める燃料棒位
置に侵入した。
【0020】水棒設計が進歩するにつれ、水棒が一つよ
り多くの格子位置を占めるほど大きな直径をもつ円形断
面を有するような形状が提案された。このような一設計
では、4つの格子位置が円形水棒を収容するために犠牲
にされた。また、ほぼ正方形の断面形状をもちかつ4つ
または9つのこのような格子位置を占める水棒が開発さ
れた。
【0021】
【設計構成】新しい水棒設計の開発において必要であっ
たことは、幾つかの設計要目を一緒にすることである。
これらの要目は従来一般に知られているが、それらの併
用で、ここに開示したような設計を可能にするものは知
られていない。従って、このような設計要目に続けて本
設計を説明する。これらを一括したものが本発明を構成
すると理解されたい。
【0022】従来組織的に扱われなかった水棒設計の一
面は、燃料棒をそれらの格子位置から排除することであ
る。水棒の設置はかならず燃料束における相当数の燃料
棒の削減を必要とし、その結果燃料束内の燃料の量が減
る。燃料用空間を犠牲にするにもかかわらず水棒の設置
は有用であることがわかっている。なぜなら、減速材を
燃料棒束内に配設すると比較的高い総合効率が得られる
からである。前述のように、より多くの燃料棒を減速材
に比較的近い位置に置くので、比較的低い濃縮度の燃料
棒をより多く設けることができる。これは原子炉出力を
犠牲にすることなく燃料費を減らすことになる。
【0023】原子炉設計と関係する他の要因は、様々な
安全要因に対する影響である。この面の理解を促進する
ために、幾つかの安全要因を簡単に説明する。
【0024】安全要件は原子炉の設計と運転に幾つもの
拘束をもたらす。原子炉運転中の任意の時点で原子炉を
停止できることが常に必要である。沸騰水型原子炉は、
それが比較的低温の時、例えば始動時に、反応度が最も
高いので、停止能力の制限因子はコールド状態反応度余
裕である。これは常に反応度の少なくとも1%に保たれ
なければならない。
【0025】沸騰水型原子炉では、高速中性子はそれら
自体の核反応を誘起する。多くのこのような高速中性子
核反応においてプルトニウムが発生する。残念ながら、
プルトニウムは原子炉がコールド状態の時反応度が最も
高い。従って、高い高速中性子束がコールド状態反応度
余裕を減らし得ることが知られている。
【0026】コールド反応度余裕に加えて、ホット運転
余裕も存在する。原子炉をその全出力近くで連続的に運
転することが望ましい。しかし、原子炉の正常連続運転
に必要なことは、全出力状態でも幾本かの制御棒を原子
炉内に配置することにより反応を整形すること、すなわ
ち、原子炉内のホットスポットを減らすか除去すること
である。従って、原子炉の設計に当たっては、全出力反
応度を、全制御棒を引抜いたと仮定した場合の出力より
少なくしなければならない。この反応度差は「ホット過
剰余裕」として知られ、通例約1%であることが望まし
い。
【0027】このように、原子炉反応度は、反応度の
「窓」により拘束されるものとみなし得る。原子炉反応
度はコールド停止余裕を保たなければならず、また、ホ
ット過剰余裕を発生できる必要もある。この運転拘束窓
は「ホット・コールド間スイング(hot-to-cold swing)
」と呼ばれる。
【0028】燃料束内の追加減速材は上記のコールド停
止余裕を改善する。これは少なくとも部分的に次の理
由、すなわち、より多くの減速水がより高い割合の熱中
性子を発生するという理由による。熱中性子のプルトニ
ウム発生効率はそれほど高くない。従って、水を増加す
ると一般にプルトニウムの発生が減る。プルトニウムが
コールド反応度を高めることは周知のことである。従っ
て、一般に水の増加はコールド反応度を減らすので望ま
しい。
【0029】燃料束内の水の増加はまたホット過剰余裕
を良くする。これは、水の量が増すと熱中性子が増すの
で反応度が高まるからである。燃料束内の水の増加はコ
ールド停止余裕とホット過剰余裕の改善に役立つので、
比較的大きなホット・コールド間スイングをもたらす。
【0030】安全要因に加え、他の要因として装荷燃料
の寿命がある。反応度は一般に特定装荷燃料の老化とと
もに減少する。従って、コールド停止余裕は、装荷燃料
が新しくてその反応度が最大の時、安全要件内になけれ
ばならない。これは新しい装荷燃料の反応度に上限を定
める。装荷燃料が老化するにつれ、反応度は燃料交換が
必要になる点まで低下する。燃料交換は極めて費用のか
かる問題であり、燃料装荷の時間間隔の延長は大いに有
利である。従って、もし装荷燃料の老化の関数としての
反応度低下速度を減らすことができれば、反応度が燃料
交換を要する点まで低下する時間が増す。
【0031】この反応度低下速度を下げる一方法は、酸
化ガドリニウムまたは他の「可燃性吸収材」を加えるこ
とである。これらの可燃性吸収材は熱中性子を捕獲して
核反応を抑止する。この核反応抑止特性の故に、それら
は時々「毒」と呼ばれる。
【0032】このような毒は最初個別燃料棒における燃
料の反応度を減らすように作用する。しかし、これらの
可燃性吸収材は原子炉の老化とともに減損または「燃
焼」するので、それによる新装荷燃料の反応度の低下は
老化装荷燃料の反応度の低下より多い。このように、老
化とともに反応度が減る速度は低減する。
【0033】しかし、このような可燃性吸収材は悪影響
も及ぼす。核燃料の老化段階中、幾らかの量の残存可燃
性吸収材、通常ガドリニウムが依然として存在し、これ
は、反応度の低減が望ましくない時に反応度を減らす。
従って、ガドリニウムを用いずに(または比較的少量用
いて)新装荷燃料反応度を減らすことが一般に好まし
い。
【0034】原子炉設計に重要な他の因子は無核沸騰の
存在である。無核沸騰を招く不安定は熱・水圧振動と核
・熱・水圧複合振動とを包含し得る。これらの振動は、
特に燃料束の上部内の2相圧力降下が単相圧力降下より
大きくなり過ぎた時に現れる。その結果生じる燃料冷却
材流は、正常な定常状態流に重なり合う振動成分を有す
る。
【0035】上述の水圧振動は動的な核・熱的フィード
バック過程により強化され得る。蒸気ボイドが発生する
につれ核反応度は低下する。なぜなら蒸気は液状の水に
比べて貧弱な減速材だからである。従って、負帰還系が
発生し得、これにより核反応から熱が生じて蒸気ボイド
を生成する。この時、蒸気ボイドは、減速作用が弱いの
で、反応度を減らし、その結果、燃料から伝達される熱
が減り、そして水対蒸気の比が増大する。水対蒸気の比
の増大により反応度が高まり、従って上述のサイクルが
再び始まる。厳しい状況では、燃料表面ホットフラック
スのこの振動的挙動と、振動的な冷却材流量とにより無
核沸騰過程が生じ得る。その結果、燃料被覆温度が局所
的に高まる。従って水力的振動は望ましくない。
【0036】水棒設計の幾つかの様相は燃料束設計の歴
史を簡単に述べれば明らかになる。燃料束の設計は燃料
束内の燃料棒の本数の面で進歩を示してきた。初期の燃
料束は7×7配列の燃料棒で形成され、従って49の格
子位置を有した。次に、8×8配列の燃料棒をもつ燃料
束が製造された。最近になって、9×9燃料棒配列の燃
料束が製造されるようになった。燃料束の物理的寸法と
断面積は増加しなかった。むしろ、進歩は、燃料束内に
比較的小径の燃料棒をより多く設けるという方向に向か
った。比較的小さな燃料棒により生じる熱は周囲の水に
比較的迅速に伝達される。この熱伝達率の増加により、
核・熱的に強化された水圧振動への傾向が増す。
【0037】水棒はこのような振動の制御に有用であ
る。比較的「ソリッド(中実)」な減速材を利用し得る
ので、チャネル内減速材密度の変化に対する核分裂率の
感応度が減り、従って水圧振動への傾向が減る。
【0038】水棒の設置と寸法拡大は幾つかの望ましい
結果をもたらしたが、拡大水棒の望ましくない影響も存
在する。第1に、比較的大きな水棒は比較的多くの核燃
料を排除するので、原子炉の全発熱能力が影響を受け
る。第2に、水棒を大きくすると、燃料束圧力降下、す
なわち、底部結合板と頂部結合板の間の水圧差が大きく
なる。この圧力降下の増大は水圧振動発生傾向の増加と
関連することがわかった。第3に、水は中性子を減速す
るだけでなく熱中性子を吸収するようにも作用すること
が知られている。従って、水の供給量が多過ぎると、水
は(高速中性子はもちろん)熱中性子を過度に吸収して
原子炉の反応度を減らす。
【0039】燃料束内に設ける水棒の形状を定める問題
に対する従来の方策は、一般に実験的な性質のものであ
った。水棒特性の解析または設計に有効な一般方法はな
かった。従って、従来の設計は大部分、従来の管形状、
例えば、断面が実質的に円形または正方形の管に限られ
てきた。
【0040】水棒の設置と関連する問題の幾つか、例え
ば、燃料用の格子位置を犠牲にすることなどは、従来周
知のことであった。しかし、一般的な解析方法はなかっ
たので、追加減速材の相対的利点と問題は設計において
組織的に考慮されなかった。さらに、様々な形状の棒を
製作することの実行可能性や、水棒と燃料棒を所望間隔
を置いて互いに連結する方法などの実際的な問題が、従
来設置された水棒の種類に別の拘束を加えた。従って、
前述のように、従来の水棒は通例、相隔たる円形または
正方形の管状体だけであった。
【0041】
【発明の概要】本発明は水棒用の新しい設計パラメータ
の提供を包含する。この新しいパラメータは、概括的に
言えば、犠牲にした燃料棒位置をいかに良く利用するか
の目安であり、「水棒効率」と呼ばれる。水棒効率につ
いて、3つの因子、すなわち、(1)水棒内部の断面
積、(2)犠牲にしたまたは排除した格子位置の数、お
よび(3)単一格子位置の断面積を考える。すると、水
棒効率は、犠牲格子位置の数に対して、水棒の断面積を
単一格子位置の面積で割ったものとして計算される。
【0042】空間利用に関して効率が良く、特に、水棒
効率が約0.6 より高く、好ましくは約0.7 より高い水棒
設計を提供する。水棒は複数の格子位置を占め、これら
の格子位置は、所望量の減速を発生し、しかも作用流面
積と燃料棒の本数とを減らし過ぎないように選択し得る
とわかったものである。
【0043】効率を高めた水棒を設けることにより、幾
つかの利点が得られる。概括的に言えば、これらの利点
は、水棒の利点をもたらすが燃料棒位置を犠牲にする必
要を減らすので効率と関係する。
【0044】比較的多量の減速材を効率良く設けること
は、比較的多くの減速材を燃料棒に近づけて設けること
によりコールド余裕を改善する。開示した設計はホット
反応度を高めることによりホット余裕を改善する。なぜ
なら、比較的多量の減速材が存在するからである。それ
ゆえ、ホット・コールド間スイングが改善される。従っ
て、酸化ガドリニウムの量を減らすことができるので、
残存ガドリニウムが減る。
【0045】比較的多量の減速材を効率良く設けること
はまた、原子炉の2相部における水対蒸気の比を高め
る。この比が高まると、不安定への傾向が減る。不安定
傾向のこのような減少は、比較的多数の水棒と関連する
圧力降下の増大を少なくとも部分的に相殺する。
【0046】水棒に隣接する燃料棒位置を多くすること
により、比較的多数の燃料棒が高価値の(すなわち減速
材に近接した)位置に置かれる。従って、濃縮度と費用
の少ない燃料を、反応度を犠牲にすることなく使用でき
る。
【0047】燃料束内に比較的多数の低濃縮度の燃料棒
を設けることにより、より均等な熱分布が発生し得、棒
間および束間ピーキングを減らす。
【0048】燃料束の一部に集中する比較的大きな断面
積をもつ1本の水棒は、複数の相隔たる比較的小さな棒
によって画成される同じ断面積より好ましいことがわか
った。
【0049】比較的多量の減速材を効率良く設けること
は水圧不安定と核・熱・水圧不安定への傾向を減らす。
これにより、照射の多い燃料棒の使用、例えば9×9配
列の潜在燃料棒位置の使用が可能になる。この利点はさ
らに有利である。なぜなら、格子位置の数を増すと水棒
配置の融通性が増すからである。
【0050】水棒設計用の新しい設計パラメータを設定
することにより、候補の水棒形状を効率良く選別でき、
そして提案された設計を客観的に効率に基づいて選択で
きる。
【0051】実用可能で経済的に設け得る特定の水棒断
面形状を提供する。これらの好適形状は、2つの隣り合
う円形部分をもつ「8字」形と、狭まった部分により分
けられた2つの実質的に三角形の丸角付き部分をもつ
「ピーナッツ」形断面形状とを包含する。他の設計は、
ほぼ「長方形」断面の設計と、4つのローブ(lobe)を
分ける4つの凹部を有する「十字形」設計とを包含す
る。これらの特定設計は実施可能な構造のもので、所望
効率と所望範囲の減速とをもたらす。
【0052】水棒特性を解析する方法として、定義した
水棒効率の判定と、所定範囲内の数の格子位置の実質的
な占有とを包含する方法を提供する。
【0053】また、水棒を燃料棒とスペーサとに対して
位置づけかつ連結する装置と方法を提供する。
【0054】
【実施例の記載】図1は炉心の一部の斜視図であり、4
つの燃料束12、14、16、18を示す。これらの燃
料束は従来のように原子炉において下側炉心板19と上
側「トップ」ガイド20との間に配置されている。燃料
束12、16は部分的に切取られた状態で示され、上側
結合板なしに、燃料束の内部を露出している。十字形制
御棒21が部分的に挿入された位置に示されている。4
つの燃料束12、14、16、18はそれぞれ、例えば
頂板22において画成されているような正方形9×9配
列の81個の格子位置を有する。
【0055】図3に明示のように、上記配列の81の格
子位置は仮想線24により画成され、これらの線は距離
またはピッチ26だけ相隔たっている。81の格子位置
の各々は1本の燃料棒が占有しうる場所である。各燃料
束構造において、これらの場所の幾つかは、構造上の目
的で頂板と底板とを共に保持する結合棒(図示せず)に
よって占められる。格子位置のほとんどは基本的な燃料
棒28によって実質的に占有される。ほとんどの燃料束
構造において、燃料棒は接線間に間隔32をもつように
相隔たっている。前述のように、燃料棒のこの間隔は、
後に詳述するような離隔装置によって保たれることが好
ましい。通例、沸騰水型原子炉では、9×9配列を用い
る場合、ピッチ26は約11mmに等しくそして間隔32は
約3mmに等しい。 ̄
【0056】以下に、新規な水棒効率パラメータを説明
し、そして幾つかの従来の水棒について水棒効率を示
す。次に、新しい効率パラメータにより水棒効率が高い
とされる3種の特定水棒形状を述べる。最後に、このよ
うな水棒を設ける方法と、水棒をスペーサと係合させる
仕方とを説明する。
【0057】本発明によれば、過減速なしに所望の減速
効果をもたらす水棒が提供される。過減速とは、熱中性
子の吸収により原子炉の全効率が望ましくない程減少す
るような多くの減速をもたらすことを意味する。このた
め、水棒を4つより多い格子位置、好ましくは少なくと
も5つの格子位置を占めるように形成すべきことがわか
った。水棒はまた、9つより少ない格子位置、好ましく
は約7つ以下の格子位置を占めるべきである。この範囲
の格子位置を占める水棒を設けることにより、水棒内の
水の減速効果は原子炉の過減速なしに望ましい原子炉効
率の向上をもたらすのに十分となることがわかった。
前述のように、「水棒効率」と呼ぶ効率表示因子を用い
る。この量は次のような計算によって得られる有用なも
のであることがわかった。
【0058】 正味水棒断面積÷(単一格子位置の面積×犠牲格子位置の数) 図2には、正味水棒断面積を単一格子位置の面積で割っ
たものを犠牲格子位置の数の関数として示す。
【0059】
【表1】 表1 点 従来設計または本発明 犠牲格子位置数 形状 図 34 従来設計 1 円形* -- 38 従来設計 1 円形** -- 42 従来設計 4 円形 -- 48 従来設計 4 正方形 -- 50 従来設計 9 正方形 -- 46 本発明 7 8字形 9,10 52 本発明 7 ピーナッツ形 3,4 54 本発明 7 長方形 5,6 56 本発明 5 十字形 7,8 * 直径=燃料棒直径 ** 直径>燃料棒直径 前述の第1式で定義される水棒効率は、図2のグラフに
おいて、ある点と原点(0,0 )を結ぶ線の傾斜に相当す
るものとみなし得る。例えば、線64は水棒34と同じ
形状の水棒の効率を示す。このような形状に対する水棒
効率は約0.33である。線66は水棒38として形成され
た水棒の効率を示す。このような水棒の効率は約0.65で
ある。線68は100 %すなわち1.0 の効率を示す。図2
から分かるように、線64、66の水棒のような幾つか
の従来の水棒形状は、約0.6 未満の水棒効率に限定され
てきた。
【0060】以下のグラフ表示の説明が理解しやすいよ
うに、まず幾つかの先行技術の水棒構造について述べ
る。水棒効率のパラメータを先行技術に対して評価し得
るように、グラフ上に複数の特定点をプロットする。
【0061】その後、このパラメータの助けにより開発
された本発明の設計をグラフ上で評価し、4つより多い
が9つより少ない格子位置を占める水棒に対して図2の
グラフ表示が有益な設計手段となることを示す。
【0062】水棒の最も簡単な従来の例を考える。この
水棒は形状と内径が燃料棒と同じである。当然それは一
つの格子位置を占めそして円形である。燃料束全体に補
充減速材を分布させるために10本の均等に隔置した水棒
が9×9配列内に分布すると考える。このような水棒を
1本だけ使うと仮定すれば、その水棒の位置占有は図2
のグラフの位置34に現れる。
【0063】次に、同じ水棒の位置を同配列内で全部で
10の位置に増してみる。このような水棒分布は図2の
グラフの点58にあることがわかるであろう。
【0064】点34と点58をグラフの原点を通る直線
で結ぶと参考になる。中間の本数の水棒で同じ形状に属
するものは全てグラフの線64上にある対応「犠牲格子
位置」に示される。
【0065】形状は同じ円形だが直径を増した水棒を考
える。水棒を隣接格子位置境界と干渉しない最大直径に
達するまで拡大する。1本のこのような水棒を燃料束内
に置くと仮定すると、点38が得られる。
【0066】水棒の全数を10本に増すと、点60が得ら
れる。両点を前と同様にグラフの原点を通る直線66で
結ぶと、この水棒設計の効率がさらに画定される。ま
た、中間本数の水棒で同じ形状に属するものは全てグラ
フの線66上にある対応「犠牲格子位置」に示されるこ
とがわかるであろう。
【0067】図2に定めた2本の線64、66の傾斜
は、丸い従来の水棒と、単一格子位置を占める最大直径
の水棒とに対する相対的な効率境界をただちに決定す
る。
【0068】さらに2種の先行技術水棒構造をプロット
すると参考になる。丸い水棒を考え、この水棒は4つの
格子位置を占めるものとする。このような水棒はグラフ
上の点42で示される。
【0069】次に、水棒の形を取上げ、水棒の断面形状
を円形の代りに正方形にしてみる。また、この水棒は4
つの格子位置を占めるものとする。このような水棒はグ
ラフ上の点48で示される。
【0070】最後に、同じ正方形の水棒の寸法を拡大し
て、水棒が9つの格子位置を占めるようにすると、点5
0がプロットされる。
【0071】しかし、点48、50の水棒の形状には欠
点がある。水棒48は所望数より少ない格子位置を占
め、また水棒50は所望数より多い格子位置を占めるこ
とがわかった。
【0072】4つ以下の格子位置を占める水棒形状がも
たらす減速は燃料束における所望効率の反応には少な過
ぎることがわかった。また、9つ以上の格子位置を占め
る他の形状は反応の過減速を引起こすかまたは多過ぎる
燃料棒を犠牲にするので望ましくないことがわかった。
【0073】図2のグラフの原点(0,0 )と特定点とを
結ぶ線の傾斜を考慮すると理解されるように、点48、
50の2つの形状は極めて望ましい効率をもつ。しか
し、少な過ぎる格子位置(点48では4箇所)かまたは
多過ぎる格子位置(点50では9箇所)を占めることか
ら、それぞれの減速は不足か過多になる。従って、見か
けの高い効率にもかかわらず、先行技術のこれらの設計
は好適でない。
【0074】従って、本発明は、犠牲にすべき格子位置
を効率良く用い、例えば、約0.6 より高い、好ましくは
0.7 より高い水棒効率をもたらし、また所望範囲の減速
を発生することにより原子炉運転の効率を高めるような
水棒形状を提供することを包含する。
【0075】図3と図4に示す水棒52は2つの位相的
に凹形の区域74a、74bを有する。位相的に凹形の
区域とは、その区域の2点を結ぶ少なくとも1本の線分
が水棒52の境界の外側を通らなければならないような
凹形域のことである。例えば、点100、102を取
り、両点を線103で結ぶと、図示のように、線103
は水棒境界の外側を通る。
【0076】水棒52は7つの格子位置を占め、そして
角の丸い2つの3角形区域76a、76bを画成するよ
うに形成されている。両3角形区域は、それぞれの基部
78a、78bで、狭まった区域82により互いに接続
されている。この狭域82は、図4に明示のように、2
つの内方に延在する縦突起84a、84bにより画成さ
れている。図4に見られるように、これらの内向きの縦
突起は水棒の外部に2つの溝86a、86bを画成し、
両溝は燃料棒87a、87bの一部を受入れるように形
成されている。
【0077】図5と図6に示す水棒54は位相的に凸形
のものとして設けられている。位相的に凸形とは、任意
の2点を結ぶ線分が水棒の境界の外側を通らないような
形のことである。例えば、図からわかるように、いかな
る2点を線で結んでも、その線は水棒の外側を通らな
い。
【0078】水棒54の断面形状は実質的に長方形であ
る。図5に明示のように、水棒は燃料棒束内に配置した
少なくとも10本の燃料棒と実質的に隣接している。ここ
では、ある燃料棒の格子位置が少なくとも一つの辺を一
つの燃料棒排除格子位置と共有すればその燃料棒を隣接
しているものとみなす。水棒54は7つの格子位置を占
める。
【0079】図7と図8に示す水棒56は4つの内方に
延在する縦突起96a〜96dを有し、これらの内向き
突起間に4つの外向きに突出するローブ(葉形部)98
a〜98dが画成されている。内向き突起96a〜96
dは溝102a〜102dを画成し、これらの溝はそれ
ぞれ燃料棒104a〜104dの少なくとも一部分を受
入れるように形成されている。水棒56は5つの格子位
置を占め、そして4つの位相的に凹形の区域を有する。
【0080】図9と図10には、2つの実質的に円形の
部分をもつ水棒46を示す。この水棒は燃料棒束内に配
置した少なくとも10本の燃料棒と実質的に隣接してい
る。水棒46は7つの格子位置を占める。水棒46は概
念的に2つの隣接する収縮円形管とみなし得るものであ
る。この見方では、各円形管は3つ半の格子位置を占め
る。これは、管を離間位置というより近接位置に設ける
ことの一利点である。もし2つの円形管を引離せば、各
管は4つの格子位置を占めることになる。2つの管を隣
接させて単一の「8字形(figure 8)」水棒を形成するこ
とにより、全部で7つの位置だけが占有され、1つの格
子位置が節約になる。
【0081】上述の諸設計を図2のグラフにプロットす
ると、有益な表示が得られる。第1に図3と図4の実施
例はグラフの点52で表される。この点で得られる効率
は0.91より高く、本発明の諸設計の最高効率である。従
って、この実施例は好適である。
【0082】図5と図6の設計はグラフの点54で表さ
れる。この点は図3と図4の設計より低い効率(0.77)
をもたらすが、構造上製造しやすい設計を示す。この設
計は図3と図4の実施例ほど好適ではないが、大いに有
利である。
【0083】図7と図8の四つ葉または「クローバー」
形設計(点56)では効率が高く、また5つの格子位置
が占有され、この占有は十分な減速の発生に要する範囲
内にある。この設計の効率は0.83である。この設計は、
製造が複雑なため、図3と図4の設計ほど好適でない。
【0084】最後に、図9と図10の2つの隣り合う丸
棒(点46)は高い効率を示す。しかし、この設計は弦
により切断したものであり、製造が容易でない。この設
計の効率は0.76である。
【0085】前述のように、水棒と燃料棒はスペーサに
より離間配列状に保たれる。円形と正方形のような従来
の形状では、水管をその縦軸線を中心としてある程度回
しても隣接燃料棒と干渉することはなかった。この特性
を利用し、水棒をスペーサに取付けまたは係止して相対
的な軸方向運動を防止した。このような方法では、タブ
が水管の外面に設けられた。水管をスペーサに対して長
さ方向に移動させ、この移動は、タブがスペーサの係合
または係止部分と整合するけれどもそれからずれた状態
になるまで行われた。次いで、水管をその縦軸線を中心
として回すことにより、タブをスペーサの係合または係
止部分と係合させた。
【0086】本発明はスペーサに対する水棒の軸方向位
置を維持する別の方法の提供を包含する。この方法は様
々な水棒に用い得るが、水棒をその縦軸線を中心として
回転できない場合に特に有用である。
【0087】本発明によれば、凹みが水棒の外面の一部
に形成される。この凹みは水棒からの突起により画成さ
れ得る。これらの突起は水棒と一体に形成されるかまた
は溶接、ろう付け、接着等により取付けられる。水棒の
形状は、スペーサに対する凹みの位置を弾性たわみによ
り変え得るような形状である。好適実施例では、水管の
側壁の凹みに隣接する部分が、ある程度の弾性を有す
る。この弾性は、凹みに近い側壁の一部分を内方にたわ
ませて凹部を動かし得るような十分な弾性である。ま
た、この弾性により、その後側壁がほぼその原形に戻っ
て凹部をスペーサの一部と係合させ得る。
【0088】図11A〜図11Cについて述べると、突
起110が水棒112の外面に一体に形成されている。
水棒突起110は凹み114を画成している。スペーサ
116は凹みに対して補完的な形状の構造部を有する。
水棒をスペーサ組立体に対して軸方向に滑らせてゆく
と、突起110がスペーサ組立体116の少なくとも一
部と接触する。水棒を軸方向に動かし続けると、水棒1
12が、例えば、スペーサ組立体のカム作用面との係合
により弾性的にたわむ。これにより、図11Bに明示の
ように、水棒112の側壁が内向きにたわむ。水棒をス
ペーサ組立体に対してさらに軸方向に動かすと、凹み1
14はスペーサ組立体116の係合部と整合し得る。こ
のような係合により、水棒側壁112が、図11Cに示
すように、実質上その元の位置に弾性的に戻り得る。従
って、水棒112はスペーサに対して係合または係止位
置にあるので、水棒112に対するスペーサ組立体11
6の軸方向位置が保たれる。
【0089】水棒突起の好適な周方向位置を図3と図5
と図7に示す。図3では、突起120が溝の一つ86b
において水棒52の外面に設けられている。図5では、
突起122が長方形水棒54の長い側壁の一つの外面に
設けられている。図7では、突起124が水棒56の溝
の一つ102Cに設けられている。図9に示した水棒
は、好ましくは、前述のように円形管を縦軸線周りに回
転させることによりスペーサ構造部に取付けられる。
【0090】数々の可能な水棒形状を考え得るが、実際
には幾つかの形状のものだけを所要数量正確かつ経済的
に製造できる。図3と図5と図7と図9それぞれに示し
た形状の水棒52、54、56、46は多量に正確かつ
経済的に製造され得る。一つの製造方法では、まず、従
来形状の、好ましくは薄壁(例えば30〜35ミルまたは約
0.75〜0.85mm)をもつ管状体、例えば、円形または正方
形断面の管材を用いる。このような管材を必要に応じて
一つ以上のダイスを経る冷間引抜きによって形成し、所
望の形状を得る。この形成は図3〜図8に示したような
溝86a、86b、102a〜102d、ローブ98a
〜98d、またはコーナの形成を包含し得る。図5と図
6に示した水棒54はまた、2本のU形溝形材の接合例
えば溶接により製造され得る。
【0091】図3〜図10に示した形状は、それらが所
望の効率と減速をもたらしかつ実際に製造が可能である
という意味で、実用可能な形状であることがわかった。
【0092】本発明は実用的な水棒形状をもたらすよう
に水棒を設計する方法を包含し、所望の効率と減速をも
たらす。従来の実質上経験的な方法では、水棒形状を、
通例その効率を知ることなく選定した。多くの他の原子
炉設計要目は水棒形状の選択に依存する。従って、一度
選択がなされると、再設計は費用がかかり過ぎるので、
従来の設計方式では、妥当な設計特性を経験的に定め得
る前に一つの設計を採用してしまった。これに対し、本
発明では、二つ以上の設計に対して水棒効率と占有格子
位置の計算をし、そして計算した効率と占有位置を用い
て一つの設計を選択する。こうして、水棒をそれらの効
率と占有位置の知識をもって設計できる。従って、水棒
形状の選択による後の困難かつ高価な再設計の必要性が
減少する。
【0093】当業者に明らかなように、開示した実施例
の様々な改変も実際に可能である。水棒の他の断面形状
も、それらが約0.6 以上、好ましくは約0.7 以上の水棒
効率をもたらしかつ所望範囲の減速を発生すれば、使用
できる。1本より多い水棒を単一の燃料棒束内に設ける
ことができ、そして相異なる形状の水棒を相異なる燃料
束内で用い得るが、同じ形状を全束において用いること
が好ましい。様々な開示水棒の特性を組合せた水棒を設
けることができる。
【0094】燃料棒用の燃料は、通例、標準の断面形状
を用いて製造されるので、燃料棒は通例、それらが図1
に示したように一つの燃料棒位置の全部を占めるかまた
は全く存在しないという意味で完全体である。しかし、
燃料棒の寸法を軸方向に増すかまたは燃料棒の形状を変
えて異なる形状の水棒を収容し、効率と減速の度合いと
排除される流れ面積の計算を適宜修正することもでき
る。
【0095】水棒を製造する他の方法、例えば、鋳造、
フライス削り、圧延、熱間引抜き等も使用できる。
【0096】水棒のスペーサへの取付けは、水棒の側壁
の実質的なたわみなしにタブをたわめることにより、ま
たは水棒のたわみを必要とせずスペーサ組立体の一部を
たわめることにより、あるいはそれらの組合せにより、
達成できる。
【0097】本発明の好適実施例を説明したが、本発明
を他の様々な改変態様で実施することも本発明の範囲内
で可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】原子炉内に配置する燃料束のある部分を切取っ
て燃料束内の燃料棒と水棒を示す燃料束の斜視図であ
る。
【図2】様々な水棒設計のために犠牲にした格子位置の
関数としての空間利用を示しそして水棒効率を示すグラ
フである。
【図3】本発明による水棒を示す概略断面図である。
【図4】図3の水棒とその近辺の燃料棒の部分斜視図で
ある。
【図5】本発明の他の実施例による水棒を示す概略断面
図である。
【図6】図5の水棒とその近辺の燃料棒の部分斜視図で
ある。
【図7】本発明の他の実施例による水棒を示す概略断面
図である。
【図8】図7の水棒とその近辺の燃料棒の部分斜視図で
ある。
【図9】本発明の他の実施例による水棒を示す概略断面
図である。
【図10】図9の水棒とその近辺の燃料棒の部分斜視図
である。
【図11】図11A〜図11Cは水棒の一部とスペーサ
との係合中の3段階の状態を示す。
【符号の説明】
26 格子ピッチ 28 燃料棒 46 水棒 52 水棒 54 水棒 56 水棒 76a 3角形区域 76b 3角形区域 82 狭域 98a ローブ(葉形部) 98b ローブ 98c ローブ 98d ローブ 110 突起 112 水棒 116 スペーサ

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の格子ピッチで相隔たった複数の格
    子位置を有している核燃料棒束の実質的に内側の位置に
    水を収容するために使用可能な水棒であって、 当該管の断面内域を画成している側壁を有しており、長
    さ方向に延在している中空の管であって、前記断面内域
    は、前記燃料棒束の所定の数の格子位置を実質的に占め
    るように形成されており、前記所定の数の格子位置は、
    4つよりも多く且つ9つよりも少ない格子位置であり、
    前記断面内域の面積と、前記所定の数の格子位置と、前
    記格子ピッチとは、約0.6よりも高い水棒効率を画定
    している、中空の管と、 前記側壁の外側部の上に設けられた少なくとも1つの突
    起であって、前記水棒が障害物に接近するように軸方向
    に移動したときに前記突起が前記障害物を乗り越えて通
    過可能なように、前記側壁は、少なくとも前記突起に実
    質的に隣接した部分で該側壁の内方に撓み得るのに十分
    な弾性を有している、少なくとも1つの突起とを備えた
    核燃料棒束の実質的に内側の位置に水を収容するために
    使用可能な水棒。
  2. 【請求項2】 前記断面内域は、狭まった区域により連
    続して接続されている2つの丸角付き3角形区域を画成
    するように形成されており、前記狭まった区域は、内方
    に延在している2つの縦突起により画成されている請求
    項1に記載の水棒。
  3. 【請求項3】 前記断面内域は、内方に延在している4
    つの縦突起を画成するように形成されており、該4つの
    縦突起は、相互の間に外向きに突出している4つのロー
    ブを画成している請求項1に記載の水棒。
  4. 【請求項4】 前記断面内域は、実質的に長方形を画成
    するように形成されている請求項1に記載の水棒。
  5. 【請求項5】 前記断面内域は、2つの実質的に円形の
    部分を画成するように形成されており、該2つの実質的
    に円形の部分は、実質的に隣り合っている請求項1に記
    載の水棒。
  6. 【請求項6】 前記所定の数は、7である請求項2、4
    又は5のいずれか一項に記載の水棒。
  7. 【請求項7】 前記所定の数は、5である請求項3に記
    載の水棒。
  8. 【請求項8】 前記水棒効率は、約0.7よりも高い請
    求項2、3又は4のいずれか一項に記載の水棒。
  9. 【請求項9】 請求項1から請求項8までのいずれか一
    項に記載の水棒を備えた核燃料棒束。
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