JP3756450B2 - 加熱ローラを誘導加熱して記録媒体上の現像剤像を定着させる定着装置を有する画像形成装置 - Google Patents

加熱ローラを誘導加熱して記録媒体上の現像剤像を定着させる定着装置を有する画像形成装置 Download PDF

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浩 中山
健二 高野
泰造 木本
範幸 梅澤
修 高木
聡 木野内
和彦 菊地
雅彦 小倉
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、コイルから高周波磁界を発生させ、その高周波磁界を発熱部材に与えることによりその発熱部材に渦電流を生じさせ、渦電流損に基づく発熱部材の自己発熱により記録媒体上の現像剤像を定着させる定着装置を有する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタル技術を利用した画像形成装置いわゆる電子複写機は、原稿が載置された原稿台を露光し、その原稿台からの反射光量に対応する画像信号をCCD(電荷転送デバイス)型のラインセンサから得、そのラインセンサから得られる画像信号に応じたレーザ光を感光体ドラムに照射して感光体ドラムの周面に静電潜像を形成し、その静電潜像をあらかじめ帯電(負極性)がなされた現像剤(トナー)の付着により顕像化する。感光体ドラムには、その感光体ドラムの回転にタイミングを合わせて用紙が送られており、その用紙に感光体ドラム上の顕像(現像剤像)が転写される。こうして、現像剤像が転写された用紙は、定着装置に送られる。
【0003】
定着装置は、加熱ローラと、この加熱ローラに接する加圧ローラとを備え、この両ローラ間に用紙を挟み込んでその用紙を搬送しながら、加熱ローラの熱によって用紙上の現像剤像を定着させる。
【0004】
加熱ローラの熱源の一例として、誘導加熱装置がある。誘導加熱装置は、加熱ローラの内部に収容されるコイルと、このコイルに高周波電流を供給する高周波発生回路と、を備える。
【0005】
高周波発生回路は、交流電源の電圧を整流する整流回路と、この整流回路の出力電圧(直流電圧)を所定周波数の高周波に変換するスイッチング回路と、を備える。この高周波発生回路の出力端(スイッチング回路の出力端)に上記コイルが接続される。
【0006】
高周波発生回路が動作すると、コイルに高周波電流が供給され、コイルから高周波磁界が発生する。この高周波磁界が加熱ローラに与えられて、加熱ローラに渦電流が生じる。そして、渦電流損に基づいて加熱ローラが自己発熱し、その発熱によって用紙上の現像剤像が定着される。
【0007】
しかし、上記電子複写機において、電源投入時の立ち上げ処理を行う際に、上記誘導加熱装置の立ち上げが他の個所の立ち上げよりも時間が掛かるものとなっている。
【0008】
上記電子複写機の本体の上記誘導加熱装置以外の他の個所に対する立ち上げ処理を開始した後に、上記誘導加熱装置に対する立ち上げ処理を開始するようになっている。
【0009】
このため、ウォームアップに時間が掛かってしまうという問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、上記の事情を考慮したもので、ウォームアップ時間の短縮化を行うことを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明の画像形成装置において、加熱ローラ内にコイルを有し、このコイルから高周波磁界を発生させることにより加熱ローラに渦電流を生じさせ、渦電流損に基づく加熱ローラの自己発熱により記録媒体上の現像剤像を定着させる定着装置を有するものにおいて、商用交流電源の出力を整流する整流回路と、この整流回路により整流された出力を所定周波数の高周波に変換し、上記コイルに高周波を出力するスイッチング回路と、このスイッチング回路を制御する第1の制御回路と、上記商用交流電源から電力が供給され、上記画像形成装置のうち上記定着装置以外の個所を制御する第2の制御回路と、上記第1の制御回路と上記第2の制御回路を電気的に絶縁しつつ、上記第1の制御回路と第2の制御回路との間でのデータ送受信を中継するインターフェイス回路と、からなり、上記商用交流電源の電源スイッチ投入時に、上記第1の制御回路による立上げ処理を開始するとともに、上記第2の制御回路による立上げ処理を開始し、上記第1の制御回路による立上げ処理と上記第2の制御回路による立上げ処理とを並行して行うことにより、上記画像形成装置の他の個所に先立って上記第1の制御回路からの指示により上記スイッチング回路の駆動を開始する先行立ち上げ処理を実施するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の第1の実施例について説明する。
【0014】
まず、図1は画像形成装置たとえば電子複写機の内部の構成を示している。
【0015】
本体1の上部に原稿載置用の原稿台2があって、その原稿台2の上に自動原稿送り装置3が設けられている。自動原稿送り装置3は、原稿を一枚ずつ原稿台2の上面に自動送りする。
【0016】
原稿台2の下面側にキャリッジ4が往復動自在に設けられている。このキャリッジ4に露光ランプ5が設けられており、その露光ランプ5が点灯しながらキャリッジ4が往動することにより、原稿台2の全面が露光走査される。
【0017】
この露光走査により、原稿台2に載置されている原稿の反射光像が得られ、その反射光像が反射ミラー6,7,8および変倍用レンズブロック9を介してCCD(電荷転送デバイス)型のラインセンサ(以下、CCDセンサと称する)10に投影される。CCDセンサ10は、受光量に対応する電圧レベルの画像信号を出力する。この画像信号は、レーザユニット27に送られる。レーザユニット27は、画像信号に応じたレーザ光を発する。
【0018】
本体1内に、感光体ドラム20が回転自在に設けられる。この感光体ドラム20の周囲に、帯電チャージャ21、現像器22、転写チャージャ23、剥離チャージャ24、クリーナ25、除電器26が順次に配設される。上記レーザユニット27から発せられるレーザ光が、帯電チャージャ21と現像器22との間を通り、感光体ドラム20の周面に照射される。
【0019】
本体1内の底部に、複数の給紙カセット30が設けられる。これら給紙カセット30には、記録媒体であるコピー用紙Pがそれぞれ多数枚収容されている。
【0020】
各給紙カセット30には、コピー用紙Pを1枚ずつ取出すためのピックアップローラ31が設けられている。
コピー時、各給紙カセット30のいずれか1つからコピー用紙Pが一枚ずつ取出される。取出されたコピー用紙Pは、分離器32により給紙カセット30から分離され、レジストローラ33に送られてそこで感光体ドラム20の回転を待つ。レジストローラ33は、感光体ドラム20の回転にタイミングを合わせて、コピー用紙Pを転写チャージャ23と感光体ドラム20との間に送り込む。
【0021】
感光体ドラム20は、コピー時、図示時計方向に回転する。帯電チャージャ21は、高圧電源部(図示しない)から供給される高電圧を感光体ドラム20に印加し、感光体ドラム20の表面に静電荷を帯電させる。この帯電と、感光体ドラム20に対するレーザユニット27からのレーザ光の照射とにより、感光体ドラム20上に静電潜像が形成される。
【0022】
現像器22は、感光体ドラム20に現像剤を供給する。この現像剤の供給により、感光体ドラム20上の静電潜像が顕像化される。転写チャージャ23は、レジストローラ33から送り込まれるコピー用紙Pに対し、感光体ドラム20上の顕像(現像剤像)を転写する。転写が済んだコピー用紙Pは剥離チャージャ24によって感光体ドラム20から剥離される。剥離されたコピー用紙Pは、搬送ベルト34によって定着装置40に送られる。
【0023】
定着装置40は、加熱ローラ41および加圧ローラ42を備え、この両ローラ間にコピー用紙Pを挟み込んでそのコピー用紙Pを搬送しながら、加熱ローラ41の熱によってコピー用紙P上の現像剤像を定着させる。定着装置40を経たコピー用紙Pは、搬送ローラ35によってトレイ36に排出される。定着装置40の具体的な構成を図2に示す。
【0024】
コピー用紙Pの搬送路を上下に挟む位置に、導電性の加熱ローラ41およびこの加熱ローラ41に対し加圧状態で転接する加圧ローラ42が設けられている。両ローラ41,42の転接部は一定のニップ幅を持つように維持される。
【0025】
加熱ローラ41は矢印方向に回転駆動される。加圧ローラ42は、加熱ローラ41の回転を受けて、矢印方向に回転する。この加熱ローラ41と加圧ローラ42との転接部(定着ポイント)をコピー用紙Pが通過し、かつコピー用紙Pが加熱ローラ41から熱を受けることにより、コピー用紙P上の現像剤像Tがコピー用紙Pに定着される。
【0026】
加熱ローラ41の周囲に、コピー用紙Pを加熱ローラ41から剥離させる剥離爪43、加熱ローラ41上に残るトナーおよび紙屑等のごみを除去するクリーニング部材44、加熱ローラ41の表面温度Trを検知するサーミスタ45、加熱ローラ41の表面に離型剤を塗布する離型剤塗布装置46が配設される。
【0027】
加熱ローラ41の内部に、熱源として誘導加熱装置50が収容される。誘導加熱装置50は、コア51、およびこのコア51に装着されたコイル52を備え、コイル52から高周波磁界を発生させ、その高周波磁界によって加熱ローラ41を誘導加熱する。
【0028】
すなわち、後述の高周波発生回路61からコイル52に高周波電流が供給されることにより、コイル52から高周波磁界が発生し、この高周波磁界によって加熱ローラ41に渦電流が生じ、渦電流と加熱ローラ41の抵抗とによる渦電流損に基づき、加熱ローラ41が自己発熱する。
【0029】
図3に示すように、コア51の両端部にそれぞれ支持部材53が取付けられ、その各支持部材53が本体1の固定用板金(図示しない)に固定されている。これら支持部材53により、誘導加熱装置50が加熱ローラ41とは別個に支持される。
【0030】
図4に示すように、コイル52の両端から電線(いわゆる引き出し線)52a,52bが導出され、その電線52a,52bが誘導加熱装置50側の回路基板60に接続される。そして、電線52a,52bを磁気的にシールドするためのシールド部材70が、電線52a,52bを囲む状態に設けられる。
【0031】
上記回路基板60は、図5に示すように、商用交流電源80に接続される入力端子61a,61b、この入力端子61a,61bに接続された高周波発生回路61、この高周波発生回路61の出力端に接続された出力端子64a,64b、入力端子61a,61bに接続された定電圧回路部65、この定電圧回路部65の出力端に接続された駆動制御部66、この駆動制御部66と本体側回路基板90の制御部91との間のデータ送受信を絶縁状態で行うインタフェース回路67、上記サーミスタ45の検知温度データを上記駆動制御部66に取り込むための入力端子68を備える。
【0032】
整流回路62は、商用交流電源80の電圧を整流する。スイッチング回路63は、整流回路62の出力電圧(直流電圧)を所定周波数の高周波に変換する。定電圧回路部65は、整流回路62の出力電圧を駆動制御部66の動作に適した一定レベルに調整して出力する。駆動制御部66は、本体側回路基板90の制御部91から送出される指令に応じて、スイッチング回路63に対する駆動を制御する。
【0033】
この回路基板60の出力端子64a,64に、上記電線52a,52bが接続されている。
【0034】
本体側回路基板90は、商用交流電源80に接続されている。本体側回路基板90には、制御部91のほかに、図示していないが、本体1の各電気回路部が搭載されている。
【0035】
上記インタフェース回路67は、図6に示すように、誘導加熱装置50側の回路基板60に設けられているフォトダイオードD1、D2、フォトトランジスタT1、T2、抵抗R2、R3、R4により構成されている。フォトダイオードD1とフォトトランジスタT1、及びフォトダイオードD2とフォトトランジスタT2とにより、それぞれフォトカプラが構成されている。これにより、フォトダイオードD1の点灯によりフォトトランジスタT1がオンし、フォトダイオードD2の点灯によりフォトトランジスタT2がオンするようになっている。
【0036】
上記フォトダイオードD1のアノードには、上記本体側回路基板90の制御部91の出力端91aからの出力信号が上記本体側回路基板90側の抵抗R1を介して供給されている。このフォトダイオードD1のカソードには、上記本体側回路基板90からの電源電圧VDDが印加されている。
【0037】
これにより、制御部91の出力端91aからの出力信号に応じて、フォトダイオードD1が点灯、消灯されるようになっている。
【0038】
上記フォトトランジスタT1と抵抗R2により直列回路が構成され、抵抗R2の一端側とフォトトランジスタT1のカソードとの接続点に上記駆動制御部66の入力端66aが接続され、抵抗R2の他端側には電源電圧VCCが印加され、フォトトランジスタT1のアノードは接地している。
【0039】
これにより、フォトトランジスタT1のオン、オフに応じた信号が上記駆動制御部66の入力端66aに供給される。
【0040】
上記フォトダイオードD2のアノードには、上記駆動制御部66の出力端66bからの出力信号が抵抗R3を介して供給されている。このフォトダイオードD2のカソードには、電源電圧VCCが印加されている。
【0041】
これにより、駆動制御部66の出力端66bからの出力信号に応じて、フォトダイオードD2が点灯、消灯されるようになっている。
【0042】
上記フォトトランジスタT2と抵抗R4により直列回路が構成され、抵抗R4の一端側とフォトトランジスタT2のカソードとの接続点に上記本体側回路基板90の制御部91の入力端91bが接続され、抵抗R4の他端側には上記本体側回路基板90からの電源電圧VDDが印加され、フォトトランジスタT2のアノードは接地している。
【0043】
これにより、フォトトランジスタT2のオン、オフに応じた信号が上記制御部91の入力端91bに供給される。
【0044】
このような構成によれば、制御部91の出力端91aからサービスモードの通知信号(Lレベル)が出力される。すると、上記本体側回路基板90からの電源電圧VDDがフォトダイオードD1と抵抗R1の直列回路に印加され、フォトダイオードD1が点灯する。この点灯により、フォトトランジスタT1がオンすることにより、誘導加熱装置50の回路基板60側の電源電圧VCCがフォトトランジスタT1と抵抗R2による直列回路に印加され、駆動制御部66の入力端66aにサービスモードの通知信号(Lレベル)が供給される。
【0045】
このサービスモードの通知信号の供給に基づいて、駆動制御部66は立ち上げ処理の中断を行うようになっている。
【0046】
また、駆動制御部66はステータス信号を出力端66aから出力する。電源異常等のエラー時、Hレベルの信号を出力し、正常時、Lレベルの信号を出力する。
【0047】
すなわち、正常時、駆動制御部66の出力端66aからLレベルの信号が出力されている。これにより、誘導加熱装置50の回路基板60側の電源電圧VCCがフォトダイオードD2と抵抗R3による直列回路に印加され、フォトダイオードD2が点灯する。この点灯により、フォトトランジスタT2がオンすることにより、上記本体側回路基板90からの電源電圧VDDがフォトトランジスタT2と抵抗R4の直列回路に印加され、制御部91の入力端91bに正常を示すステータス信号(Lレベル)が供給される。
【0048】
また、異常(エラー)時、駆動制御部66の出力端66aからHレベルの信号が出力される。すると、誘導加熱装置50の回路基板60側の電源電圧VCCがフォトダイオードD2と抵抗R3による直列回路に印加されず、フォトダイオードD2が消灯したままとなる。これにより、フォトトランジスタT2がオフしたままとなり、上記本体側回路基板90からの電源電圧VDDがフォトトランジスタT2と抵抗R4の直列回路に印加されず、制御部91の入力端91bに異常(エラー)を示すステータス信号(Hレベル)が供給される。
【0049】
上記駆動制御部66は、入力電源の異常、各回路部の異常、コイルの異常(断線)を判断するようになっている。
【0050】
上記したように、定着装置40の誘導加熱装置50の回路基板60側の動作制御部66と本体側回路基板90の制御部91とは、インターフェース回路67内のフォトカプラにより分離されており、絶縁されている。
【0051】
これにより、回路基板60側の電源電圧VCC(100ボルト)と、本体側回路基板90の電源電圧VDD(24ボルト)とを分離、絶縁でき、回路基板60側で異常が発生したとしても、その電源電圧VCCが本体側回路基板90に流れ込んで故障させてしまうことを防止できる。
【0052】
次に、電源オン時の立ち上げ処理を、図7に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
【0053】
すなわち、図示しない電源スイッチがオンされた際(電源オン時)、本体側回路基板90の制御部91による立ち上げ処理と定着装置40の誘導加熱装置50の回路基板60側の動作制御部66による立ち上げ処理とを並行して行う。
【0054】
まず、動作制御部66は、上記電源オンにより、立ち上げ処理つまりコイル52への高周波電流の供給を開始する(ST1)。ついで、動作制御部66は、上記制御部91からサービスモードの通知があったか否かを判断する(ST2)。この判断の結果、動作制御部66は、サービスモードの通知がなかった場合、上記立ち上げ処理を継続する(ST3)。
【0055】
また、動作制御部66は、エラーを判断せずに正常に動作している際、このステータスを本体側回路基板90の制御部91に通知する(ST4)。また、動作制御部66は、エラーを判断した際、このステータスを本体側回路基板90の制御部91に通知する(ST4)。このエラー時、動作制御部66は、立ち上げ処理つまりコイル52への高周波電流の供給を停止する(ST5)。
【0056】
また、動作制御部66は、上記ステップ2において、サービスモードの通知を判断した場合、立ち上げ処理つまりコイル52への高周波電流の供給を中断(停止)する(ST6)
また、制御部91は上記電源オンにより、立ち上げ処理つまり定着装置40の誘導加熱装置50以外の個所の立ち上げ処理を開始する(ST21)。また、制御部91はサービスモードが選択されたか否かを判断し(ST22)、サービスモードが選択された場合に、サービスモードの通知が誘導加熱装置50の回路基板60側の動作制御部66に供給される(ST23)。
【0057】
この後、制御部91は誘導加熱装置50の動作制御部66からエラー信号が供給された際(ST24)、エラー処理を行う。
【0058】
また、制御部91は誘導加熱装置50の動作制御部66から正常信号が供給されている状態で、サーミスタ45からの検知温度が所定温度に達した際、プレラン開始温度と判断し(ST25)、プレラン処理を開始する(ST26)。すなわち、制御部91は定着装置40の加熱ローラ41を回転させ、加熱ローラ41による全体の表面温度を均一化させる。この後、制御部91は他の初期処理が終了した時点で、レディ状態となる。
【0059】
上記したように、定着装置の誘導加熱装置を駆動制御する制御部と電子複写機全体を制御する本体制御部を別個(独立)に有し、電源投入時の立ち上げ時に、上記誘導加熱装置に対する立ち上げ処理を上記電子複写機の本体の上記誘導加熱装置以外の他の個所に対する立ち上げ処理よりも先行して開始するものである。
【0060】
これにより、ウォームアップ時間を短縮することができる。
【0061】
また、定着装置の異常時、定着装置側の制御部により異常の判断を行うことができる。
【0062】
また、電子複写機の本体の上記誘導加熱装置以外の他の個所に対する立ち上げと並行して定着装置の立ち上げが行われる。
【0063】
また、サービスマンによる調整モード時、あるいは定着ジャム復帰時、定着装置に対する立ち上げ処理を停止(中断)する。これにより、本体に関係なく定着装置の温度が上昇すると危険なので、立ち上げ時の、電子複写機の本体の状態によっては、定着装置に対する立ち上げ処理を停止する(安全対策)。
【0064】
また、定着装置側の制御部と電子複写機の本体側の制御部とは、インターフェース回路内のフォトカプラにより分離されており、絶縁されている。
【0065】
また、上記第1の実施例では、定着装置の誘導加熱装置の駆動制御部が電子複写機の本体の制御部と独立して立ち上げ処理を実行する場合について説明したが、これに限らず、第2の実施例として、電子複写機の本体の制御部において定着装置の誘導加熱装置の駆動制御部での立ち上げ処理を制御する場合も同様に実施できる。
【0066】
この場合、図1から図6の構成は同一である。ただし、本体側回路基板90の制御部91に出力端91aからの信号が、コイル52への高周波電流の供給と停止を示すものに変更し、たとえばLレベルの際、コイル52への高周波電流の供給を示し、Hレベルの際、コイル52への高周波電流の停止を示す。
【0067】
次に、電源オン時の立ち上げ処理を、図8に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
【0068】
すなわち、図示しない電源スイッチがオンされた際(電源オン時)、本体側回路基板90の制御部91による立ち上げ処理つまり定着装置40の誘導加熱装置50以外の個所の立ち上げ処理を開始し、誘導加熱装置50の回路基板60側の動作制御部66にコイル52への高周波電流の供給を通知する(ST31)。
【0069】
これにより、動作制御部66は、上記通知により、立ち上げ処理つまりコイル52への高周波電流の供給を開始する。
【0070】
この動作制御部66は、エラーを判断せずに正常に動作している際、このステータスを本体側回路基板90の制御部91に通知する。また、動作制御部66は、エラーを判断した際、このステータスを本体側回路基板90の制御部91に通知する。
【0071】
上記制御部91は、誘導加熱装置50の動作制御部66からエラー信号が供給されず(ST32)、しかもサービスモードが選択されなかった場合に(ST33)、サーミスタ45からの検知温度が所定温度に達した際、プレラン開始温度と判断し(ST34)、プレラン処理を開始する(ST35)。すなわち、制御部91は定着装置40の加熱ローラ41を回転させ、加熱ローラ41による全体の表面温度を均一化させる。この後、制御部91は他の初期処理が終了した時点で、レディ状態となる。
【0072】
また、制御部91は、上記ステップ32により誘導加熱装置50の動作制御部66からエラー信号が供給された際、エラー処理を行い、誘導加熱装置50の回路基板60側の動作制御部66にコイル52への高周波電流の停止を通知する(ST36)。
【0073】
これにより、動作制御部66は、立ち上げ処理つまりコイル52への高周波電流の供給を停止する。
【0074】
また、制御部91は、上記ステップ33によりサービスモードが選択された場合に、誘導加熱装置50の回路基板60側の動作制御部66にコイル52への高周波電流の停止を通知し(ST36)、サービスモードの処理を行う。
【0075】
これにより、動作制御部66は、立ち上げ処理つまりコイル52への高周波電流の供給を停止する。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子複写機の全体的な構成を示す図。
【図2】定着装置の構成を示す図。
【図3】誘導加熱装置の要部の構成を示す図。
【図4】誘導加熱装置と回路基板との接続を示す図。
【図5】誘導加熱装置と本体の電気回路のブロック図。
【図6】インターフェース回路の概略構成を示すブロック図。
【図7】第1の実施例における電源オン時の立ち上げ処理を説明するためのフローチャート。
【図8】第2の実施例における電源オン時の立ち上げ処理を説明するためのフローチャート。

Claims (6)

  1. 加熱ローラ内にコイルを有し、このコイルから高周波磁界を発生させることにより加熱ローラに渦電流を生じさせ、渦電流損に基づく加熱ローラの自己発熱により記録媒体上の現像剤像を定着させる定着装置を有する画像形成装置において、
    商用交流電源の出力を整流する整流回路と、
    この整流回路により整流された出力を所定周波数の高周波に変換し、上記コイルに高周波を出力するスイッチング回路と、
    このスイッチング回路を制御する第1の制御回路と、
    上記商用交流電源から電力が供給され、上記画像形成装置のうち上記定着装置以外の個所を制御する第2の制御回路と、
    上記第1の制御回路と上記第2の制御回路を電気的に絶縁しつつ、上記第1の制御回路と第2の制御回路との間でのデータ送受信を中継するインターフェイス回路とからなり、
    上記商用交流電源の電源スイッチ投入時に、上記第1の制御回路による立上げ処理を開始するとともに、上記第2の制御回路による立上げ処理を開始し、上記第1の制御回路による立上げ処理と上記第2の制御回路による立上げ処理とを並行して行うことにより、上記画像形成装置の他の個所に先立って上記第1の制御回路からの指示により上記スイッチング回路の駆動を開始する先行立ち上げ処理を実施することを特徴とする画像形成装置。
  2. 上記第1の制御回路は、上記定着装置の異常を判断する判断手段をさらに有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 上記画像形成装置に対するメンテナンスを行うためのサービスモードに設定する設定手段と、
    この設定手段により上記サービスモードに設定された際に、上記第1の制御回路による先行立ち上げ処理を停止する停止手段と、
    を具備したことと特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  4. 上記インターフェイス回路は、送信側のフォトダイオードと受信側のフォトトランジスタとから構成させることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  5. 上記第1の制御手段は、上記第2の制御手段からの信号により上記立ち上げ処理を中止することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  6. 上記第1の制御回路と上記第2の制御回路に供給される電源電圧は異なることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
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