JP3756140B2 - 収穫作業機の変速制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、収穫対象作物を引き起こす引起し装置を有する収穫作業装置、及び、走行装置を備えた収穫作業機の変速制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
収穫対象作物を引き起こす引起し装置を有する収穫作業装置、及び、走行装置を備えた収穫作業機としては、走行に伴って、収穫対象作物としての穀稈を引起し装置にて引起しながら刈り取り、刈り取った穀稈を脱穀装置に搬送する刈取処理装置を収穫作業装置として備えるコンバインや、走行に伴って、収穫対象作物としての根菜類の葉茎を引起し装置にて引起しながら引き上げて圃場から抜き取る引き抜き装置を収穫作業装置として備える根菜類収穫機等がある。
このような収穫作業機においては、走行装置の走行速度が高速になるほど、収穫作業装置の少なくとも引起し装置の作動速度を高速にするように同調変速することが望まれるものであり、従来では、例えばコンバインにおいて、主変速装置の変速後の出力を走行装置と刈取処理装置とに分配状態で伝達して、走行装置と刈取処理装置を同調状態で変速することが行われている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−193835号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の同調変速構成では、走行速度の変速範囲の全範囲において、走行速度が高速になるほど引起し装置の作動速度が正比例関係で高速になるものとなるが、このような正比例関係での同調では穀稈を適正に引起し難い虞があった。説明を加えると、穀稈を引起すには引起し装置をある程度速めの作動速度で作動させることが好ましいものであるが、走行速度が低速のときには引起し装置の作動速度はかなり低めとなり、穀稈を適正に引起せないものとなる虞があった。ちなみに、走行速度が低速でも引起し装置の作動速度が十分な高速になるようにすることが考えられるが、この場合、走行速度が高速のときに引起し装置の作動速度が速くなり過ぎて、穀稈を損傷させてしまう虞がある。そして、このような問題点は、穀稈が倒伏しているときに顕著となる。つまり、穀稈が倒伏しているときには、穀稈が倒伏していないときに比べて、引起し装置を速めの作動速度で作動させることが好ましいものであるが、このように穀稈が倒伏しているときには、走行速度を低速にして作業するものであるため、引起し装置の作動速度はかなり低めとなり、倒伏している穀稈を適正に引起せないものとなる虞があった。
【0005】
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、走行装置と収穫作業装置を適正に同調状態で変速させることができる収穫作業機の走行変速制御装置を提供する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の収穫作業機の変速制御装置は、収穫対象作物を引き起こす引起し装置を有する収穫作業装置、及び、走行装置を備えたものであって、
前記走行装置の走行速度を無段階に変速する走行用無段変速装置、前記収穫作業装置の少なくとも前記引起し装置の作動速度を無段階に変速する作業用無段変速装置、及び、変速用制御手段が設けられ、
前記変速用制御手段が、
走行変速用操作具が中立位置から走行用不感帯を越えて走行出力開始位置になると出力を開始し、その走行出力開始位置から高速側に前記走行変速用操作具が操作されるほど高速変速状態になるように、前記走行用無段変速装置を変速操作し、及び、前記走行変速用操作具が前記中立位置から作業用不感帯を越えて作業出力開始位置になると出力を開始し、その作業出力開始位置から高速側に前記走行変速用操作具が操作されるほど高速変速状態になるように、前記作業用無段変速装置を変速する形態で、且つ、
前記作業出力開始位置を前記走行出力開始位置よりも前記中立位置側とする形態で、前記走行用無段変速装置及び前記作業用無段変速装置を変速操作するように構成されている点を特徴とする。
すなわち、走行用無段変速装置と作業用無段変速装置とが各別に備えられて、走行変速用操作具が走行出力開始位置から高速側に操作されるほど高速変速状態になるよう、変速用制御手段によって走行用無段変速装置が変速操作され、そして、走行用変速用操作具が作業出力開始位置から高速側に操作されるほど高速変速状態となるように、変速用制御手段によって作業用変速装置が変速操作されるものであるから、走行速度と引起し装置の作動速度との同調変速状態を任意に設定できるものとなるのであり、例えば、走行速度が単位量増速されることに対する引起し装置の作動速度の増速量を、走行速度の低速域においては大きく、走行速度の高速域においては小さくする状態で同調状態で変速するようにすれば、走行速度の低速域において、引起し装置の作動速度を走行速度の割に高めに設定しながらも、走行速度の高速域において、引起し装置の作動速度が必要以上に高速になるのを抑制できるものとなり、引起し装置の作動速度を引起しのために好都合な速度に維持し易いものとなる。
【0007】
しかも、走行変速用操作具が中立位置から走行用不感帯を越えて走行出力位置になってから出力を開始するように、変速制御手段が走行用無段変速装置を変速操作し、そして、走行変速用操作具が中立位置から作業用不感帯を越えて作業出力位置になると出力を開始するように、変速制御手段が作業用無段変速装置を変速操作するものであるから、走行変速用操作具が走行用不感帯内や作業用不感帯内にて遊動しても、走行装置が駆動されたり、引起し装置が駆動されることが無いようにして、走行変速用操作具を扱い易いものにできる。
【0008】
さらに、本請求項1によれば、作業出力開始位置を走行出力開始位置よりも中立位置側とする形態で、変速制御手段が走行用無段変速装置及び作業用無段変速装置を変速操作するものであるから、走行が開始される前に引起し装置を予め適正な状態に作動させておくことができるものとなり、走行開始と同時に収穫対象作物を引起さなければならないようなときにでも、適正に作動している引起し装置にて収穫対象作物を適正に引起すことができるものとなる。つまり、引起し装置を作動させるように出力しても、引起し装置が適正に作動するまでには時間遅れが生じるものとなり、例えば、作業出力開始位置と走行出力開始位置との中立位置に対する位置を同じにしたり、作業出力開始位置を走行出力開始位置よりも中立位置から離れる側に位置させる形態で、変速制御手段にて走行用無段変速装置及び作業用無段変速装置を変速操作するようにすると、走行が開始されたときに引起し装置が適正に作動されていないものとなって、走行開始と同時に収穫対象作物を引起さなければならないようなときに、収穫対象作物を適正に引起せないトラブルを招く不利があるが、本請求項1によれば、走行開始と同時に収穫対象作物を引起さなければならないようなときにでも、引起し装置にて収穫対象作物を適正に引起すことができるものとなる。
【0009】
したがって、走行装置と収穫作業装置の少なくとも引起し装置とを、引起し装置の引起し作動を適正に行わせることが可能となる状態で同調変速することができる収穫作業機の変速制御装置を提供できるに至った。
【0010】
請求項2の収穫作業機の変速制御装置は、請求項1の特徴に加えて、
前記変速用制御手段が、前記走行変速用操作具が前記作業出力開始位置から高速側に操作されるときの前記作業用無段変速装置の変速モードとして、少なくとも走行速度の低速域において、前記引起し装置の作動速度が同じ走行速度で高低に異なる高速側モードと低速側モードとを選択自在に備えて、選択された高速側モードあるいは低速側モードにて前記作業用無段変速装置を変速操作するように構成されている点を特徴とする。
【0011】
すなわち、収穫対象作物の倒れ具合が大きくて、走行速度を十分に低速にしながらも引起し装置を速めの作動速度で作動させたいときには、高速側モードを選択するようにすることにより、倒れ具合が大きな収穫対象作物でも適正に引起すことが可能となるのであり、そして、収穫対象作物の倒れ具合がそれほど大きくないときや、収穫対象作物が立姿勢のときには、低速側モードを選択するようにすることにより、引起し装置が不必要に高速で作動して、収穫対象作物を損傷するのを抑制しながら、収穫対象作物を引起すことができるものとなる。
【0012】
従って、収穫対象作物の状況に応じて、高速側モードと低速側モードとを使い分けるように選択することにより、収穫対象作物の引起しを一層良好に行わせることができるものとなる。
【0013】
請求項3の収穫作業機の変速制御装置は、請求項2の特徴に加えて、
前記高速側モードと前記低速側モードとを切換えて選択する人為式の選択手段が設けられ、
復帰姿勢から被操作姿勢に操作されている間において、前記選択手段にて選択されているモードとは異なるモードに優先的に切り換える手指操作式の優先操作手段が、前記走行変速用操作具の握り部に設けられているる点を特徴とする。
【0014】
すなわち、人為式の選択手段にて高速側モードと低速側モードとが選択されることになり、そして、手指操作式の優先操作手段を復帰姿勢から被操作姿勢に切り換えた間だけ、人為式の選択手段にて選択されたモードと異なるモードに切り換えることができることになる。
【0015】
説明を加えると、収穫対象作物の倒れ具合は、一つの圃場ではその全体に亘り概ね同じであり、その圃場の収穫対象作物の倒れ具合を見て、人為式の選択手段にて高速側モードと低速側モードとを切換えて選択することにより、請求項2で述べた如く、収穫対象作物の引起しを良好に行わせることができるものとなるのであるが、圃場内の一部においては、収穫対象作物の倒れ具合が他の部分よりも大きく異なることがある。このような場合にも、人為式の選択手段にて高速側モードと低速側モードとを切換えて選択すればよいが、この種の人為式の選択手段は、運転席の前や横の操作パネルに設けられるものであり、操作が面倒である。そこで、本請求項3においては、収穫作業機を運転する作業者が、頻繁に操作するため、運転中は握り操作し続けることが多く、または、握り操作し続けることがなくても、頻繁に操作するために扱いが慣れている変速用操作具の握り部に、手指操作式の優先操作手段を設けて、高速側モードと低速側モードとの切換えの操作性の向上を図るものであり、特に、この手指操作式の優先操作手段は、復帰姿勢から被操作姿勢に操作されている間だけ、前記選択手段にて選択されているモードとは異なるモードに優先的に切り換えるものであるから、圃場内の一部において収穫対象作物の倒れ具合が他の部分よりも大きく異なる箇所があれば、その箇所に対する収穫作業のときに、優先操作手段を復帰姿勢から被操作姿勢に操作するだけで、その一部の箇所に適するモードに切換えることができるから、使い勝手の優れた形態でモードの選択を行えることができるものとなるのである。
【0016】
したがって、収穫対象作物の引起しを良好に行わせるために、圃場の一部の箇所において収穫対象作物の状況に応じて、高速側モードから低速側モードに、又は、低速側モードから高速側モードに切り換えることがあっても、その切換え操作を簡単な操作により行わせることができるものとなるのであり、一層便利に使用できるものとなるのである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を収穫作業機の一例であるコンバインに適用した場合を、図面に基づいて説明する。
図1に示すように、このコンバインは、左右一対のクローラ式走行装置1L、1Rを走行装置Aとして備えた走行機体2の前部に、収穫対象作物としての稲や麦である穀稈を引起す引起し装置3A、引起された穀稈の株元を切断する刈取装置3B、及び、刈取処理した穀稈を後方に向けて搬送する刈取搬送装置3C等を備えた収穫作業装置としての刈取処理装置Bを昇降操作可能に連結し、走行機体2に、刈取処理装置Bからの刈取穀稈を受け取って脱穀・選別処理を行う脱穀装置4と、脱穀装置4からの穀粒を貯留する穀粒タンク5とを搭載するとともに、穀粒タンク5の前方箇所に搭乗運転部6を備えさせることによって構成されている。
【0018】
図2に示すように、このコンバインは、エンジン7からの動力が、ベルトテンション式の主クラッチ8を介してギヤ伝動装置の入力軸10に伝達され、この入力軸10の動力が、走行用の無段変速装置Cの一例である一対の第1静油圧式無段変速装置11L、11R(以下、第1無段変速装置と略称する)と作業用の無段変速装置Dの一例である第2静油圧式無段変速装置(以下、第2無段変速装置と略称する)12とに伝達され、そして、一対の第1無段変速装置11L、11Rうちの左側用の第1無段変速装置11Lの動力が、左側のギヤ式伝動装置13Lを介して左側のクローラ式走行装置1Lに伝達され、右側用の第1無段変速装置11Rの動力が、右側のギヤ式伝動装置13Rを介して右側のクローラ式走行装置1Rに伝達され、また、第2無段変速装置12による変速後の動力が、ベルトテンション式の刈取クラッチ14を介して刈取処理装置Bに伝達されるように構成されている。つまり、左右のクローラ式走行装置1L、1Rは、対応する第1無段変速装置11L、11Rにて各別に変速されるものであり、刈取処理装置Bは、第2無段変速装置12にて変速されるようになっている。
【0019】
図1に示すように、搭乗運転部6には、走行変速用操作具の一例である前後方向に揺動操作可能な主変速レバー24が装備され、その他、前後方向に揺動操作可能な副変速レバー25や、左右方向に揺動操作可能な操向レバー26が装備されている。
前記主変速レバー24は、図4に示すように、中立位置Nから前進側及び後進側に揺動されて、中立位置Nから走行用不感帯K1を越えて走行出力開始位置になると出力を指令し、そして、その走行出力開始位置から中立位置Nと離れる側となる高速側に操作されるほと高速を指令するように構成されており、後述の如く、主変速レバー24が高速側に操作されるほど、走行用の第1無段変速装置11L、11Rが高速変速状態に操作されるようになっている。
前記操向レバー26は、直進に対応する中立位置から旋回側に操作されるほど大きな減速比率を指令するように構成されており、後述の如く、左右のクローラ走行装置1L、1Rのうちで、旋回中心側のクローラ走行装置の走行速度が前記減速比率に基づいて減速されるようになっている。
前記副変速レバー25は、左右のギヤ伝動装置13L、13R中に設けた副変速部を高低2段に変速するものである。
【0020】
図3に示すように、主変速レバー24の操作位置を検出するポテンショメータを用いた主変速用レバーセンサ27、操向レバー26の操作位置を検出するポテンショメータを用いた操向用レバーセンサ28、刈取処理装置Bを走行装置Aと同調駆動するか否かを指令する刈取駆動スイッチ39、刈取処理装置Bを走行装置Aと同調駆動するときにおいて、低速側モードと高速側モードとを切り換えて選択する人為式の選択手段としてのモード切換えスイッチ40、前記主変速レバー24の握り部24Aに上方に突出する復帰姿勢に復帰付勢されるように設けられて、復帰姿勢から押し込み操作される被操作姿勢に操作されている間において、モード切換えスイッチ40に選択されるモードとは異なるモードに優先的に切換える手指操作式の優先操作手段としての優先切換えスイッチ41、左側用の第1無段変速装置11Lの変速用操作部材32Lの操作位置を検出する左側用の変速検出センサ33L、右側用の第1無段変速装置11Rの変速用操作部材32Rの操作位置を検出する右側用の変速検出センサ33R、第2無段変速装置12の変速操作部材34の操作位置を検出する刈取用の変速センサ35、左側用の第1無段変速装置11Lの出力速度を左側クローラ走行装置1Lの走行速度として検出する左側速度センサ42L、右側用の第1無段変速装置11Rの出力速度を右側クローラ走行装置1Rの走行速度として検出する右側速度センサ42L、第2無段変速装置12の出力速度を刈取処理装置Bの作動速度として検出する作動速度センサ43、及び、それらセンサ類からの検出情報が入力される制御装置29が設けられ、そして、左側用の第1無段変速装置11Lの変速用操作部材32Lを操作する左用の第1油圧シリンダ36L、右側用の第1無段変速装置11Rの変速用操作部材32Rを操作する右用の第1油圧シリンダ36R、及び、第2無段変速装置12の変速操作部材34を操作する第2油圧シリンダ37が、制御装置29にて作動されるようになっている。つまり、走行のための走行制御として、直進制御と旋回制御とが行われ、そして、刈取処理装置Bを走行装置Aと同調駆動することが指令されているときには、高速側モードあるいは低速側モードにて刈取処理装置Bが同調駆動されるようになっている。
ちなみに、本実施形態においては、制御装置29を主要部として、走行装置Aの走行速度を無段階に変速する走行用無段変速装置としての、左側用の第1無段変速装置11L及び右側用の第1無段変速装置11Rを変速制御し、並びに、作業用無段変速装置としての第2無段変速装置12を変速制御する変速用制御手段Hが構成されることになる。
【0021】
以下、変速用制御手段H、つまり、制御装置29の制御作動について説明を加える。
制御装置29は、走行制御として、前述の如く直進制御と旋回制御とを行うものであって、直進制御としては、左右のクローラ走行装置1L,1Rの走行速度が、前記主変速用レバー24にて指令された目標走行速度になるように制御することになる。旋回制御としては、前記主変速用レバー24にて指令された目標走行速度に対して前記操向レバー26にて指令される減速比率を乗算して、旋回用速度を求め、左右のクローラ走行装置1L,1Rのうちで、旋回中心から遠い側のクローラ走行装置を、前記主変速用レバー24にて指令された目標速度になるように制御し、且つ、旋回中心側のクローラ走行装置を前記旋回用速度に制御することになる。説明を加えると、直進制御においては、前記目標速度に応じて、左右の変速操作部材32L、33Rの目標変速位置を求め、前記左右の変速検出センサ33L、33Rにて検出される変速操作部材32L、33Rの変速位置が目標変速位置になるように制御することになる。旋回制御においては、左右のクローラ走行装置1L、1Rのうちで、旋回中心から遠い側のクローラ走行装置に対する変速操作部材32L、33Rの目標変速位置を求め、旋回中心から遠い側のクローラ走行装置に対する変速検出センサ33L、33Rにて検出される変速操作部材32L、33Rの変速位置が目標変速位置になるように制御し、旋回中心側のクローラ走行装置の走行速度を速度センサ42L,42Rにて検出して、その速度センサ42L,42Rにて検出される走行速度が前記旋回用速度になるように制御することになる。
ちなみに、前記直進制御においても、前記左右の変速検出センサ33L、33Rにて検出される変速操作部材32L、33Rの変速位置が目標変速位置になるように制御したのちにおいて、左右のクローラ走行装置1L、1Rの走行速度を速度センサ42L,42Rにて検出して、それらの速度検出センサ42L,42Rにて検出される速度が同じになるように同期制御が行われるようになっている。
【0022】
前記制御装置29は、刈取処理装置Bの同調変速制御として、図5に示すように、主変速レバー24が前記中立位置Nから作業用不感帯K2を越えて作業出力開始位置になると出力を開始し、その作業出力開始位置から高速側に主変速レバー24が操作されるほど高速変速状態になるように、第2無段変速装置12を変速する形態で、且つ、作業出力開始位置を前記走行出力開始位置よりも前記中立位置側とする形態で、走行用の第1無段変速装置11L、11R及び第2無段変速装置12を変速操作するように構成されている。つまり、主変速レバー24の操作位置に応じて変速操作部材34の目標操作位置を求め、刈取用の変速センサ35にて検出される変速操作部材34の位置が目標操作位置になるように制御されるようになっている。
そして、主変速レバー24の操作位置に応じて変速操作部材34の目標操作位置を求めるにあたり、前述の高速側モードM1と低速側モードM2とが設けられている。つまり、主変速レバー24が作業出力開始位置から高速側に操作されるときの第2無段変速装置12の変速モードとして、少なくとも走行速度の低速域において、前記引起し装置3Aの作動速度が同じ走行速度で高低に異なる高速側モードM1と低速側モードM2とが前記モード切換えスイッチ40にて選択自在に備えられて、制御装置29が、選択された高速側モードM1あるいは低速側モードM2にて第2無段変速装置12を変速操作するように構成されている。ちなみに、走行速度が極低速の領域(例えば0.2m/s以下)では、刈取処理装置Bの作動速度を一定速度に維持するようになっている。
【0023】
さらに、制御装置29は、前記優先切換えスイッチ41が復帰姿勢から被操作姿勢に操作されている間において、前記モード切換えスイッチ40にて選択されているモードとは異なるモードに優先的に切り換えるように構成されている。つまり、優先切換えスイッチ41が復帰姿勢から被操作姿勢に操作されと、その操作が行われている間は、モード切換えスイッチ40にて高速側モードM1が選択されていると低速側モードM2に優先的に切り換えられ、モード切換えスイッチ40にて低速側モードM2が選択されていると高速側モードM1に優先的に切り換えられるようになっている。
【0024】
次に、図6のフローチャートに基づいて、制御装置29の制御作動について説明を加える。
先ず、センサ類の情報を入力する入力処理を行い、操向レバー26の操作状況に基づいて旋回を行うか否かが判断される。旋回を行うときには、前述して旋回制御が実行され、旋回を行わないときには、前述の直進制御が実行される。
次に、刈取駆動スイッチ39の操作状況に基づいて、刈取処理装置Bを駆動するか否か、つまり刈取処理装置Bを走行装置Aと同調変速するか否かが判断されることになり、同調変速する場合には、モード切換えスイッチ40の操作状況に基づいて、高速側モードM1又は低速側モードM2のいずれかで第2無段変速装置12の変速制御が行われることになる。さらに、高速側モードM1又は低速側モードM2のいずれかで第2無段変速装置12の変速制御が行うにあたり、優先切換えスイッチ41の操作状況に基づいて優先切換え必要が判断され、優先切換えが指令されていると、高速側モードM1が選択されている場合には低速側モードM2に、また、低速側モードM2が選択されている場合には高速側モードM1に優先的に切り換えられて、第2無段変速装置12の変速制御が実行されるようになっている。
【0025】
〔別実施形態〕
以下、本発明の別実施形態を列記する。
(1)収穫作業機としては、全稈投入形コンバインあるいは収穫作業装置Bとして引き抜き装置を備えた人参収穫機や大根収穫機などであってもよい。
(2)走行装置Aとしては、左右一対の前輪と後輪とを備えて構成されたものであってもよい。
(3)走行用無段変速装置として、上記実施形態では、左右のクローラ走行装置1L、1Rに対応させて一対の無段変速装置11L、11Rを備えさせる場合と例示したが、一つの走行用無段変速装置を備えさせて、その一つの走行用無段変速装置の出力を、左右の操向クラッチを用いて断続可能な形態で、左右のクローラ走行装置1L、1Rに伝動する形態で実施してもよい。
(4)走行用無段変速装置11L、11Rや作業無段変速装置12としては、ディスク式無段変速装置やベルト式無段変速装置などであってもよい。
(5)上記実施形態では、収穫作業装置Bの全体を変速させるようにしたが、少なくとも引起し装置3Aを変速させる形態で実施してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの全体側面図
【図2】伝動構成を示す概略図
【図3】制御構成を示すブロック図
【図4】主変速レバーの操作位置と走行速度との関係を示す図
【図5】主変速レバーの操作位置と刈取処理装置の作動速度との関係を示す図
【図6】制御作動を示すフローチャート
【符号の説明】
3A 引起し装置
11L、11R 走行用無段変速装置
12 作業用無段変速装置
24 走行変速用操作具
24A 握り部
40 人為式の選択手段
41 優先操作手段
A 走行装置
B 収穫作業装置
H 変速用制御手段
M1 走行用不感帯
M2 作業用不感帯
N 中立位置

Claims (3)

  1. 収穫対象作物を引き起こす引起し装置を有する収穫作業装置、及び、走行装置を備えた収穫作業機の変速制御装置であって、
    前記走行装置の走行速度を無段階に変速する走行用無段変速装置、前記収穫作業装置の少なくとも前記引起し装置の作動速度を無段階に変速する作業用無段変速装置、及び、変速用制御手段が設けられ、
    前記変速用制御手段が、
    走行変速用操作具が中立位置から走行用不感帯を越えて走行出力開始位置になると出力を開始し、その走行出力開始位置から高速側に前記走行変速用操作具が操作されるほど高速変速状態になるように、前記走行用無段変速装置を変速操作し、及び、前記走行変速用操作具が前記中立位置から作業用不感帯を越えて作業出力開始位置になると出力を開始し、その作業出力開始位置から高速側に前記走行変速用操作具が操作されるほど高速変速状態になるように、前記作業用無段変速装置を変速する形態で、且つ、
    前記作業出力開始位置を前記走行出力開始位置よりも前記中立位置側とする形態で、前記走行用無段変速装置及び前記作業用無段変速装置を変速操作するように構成されている収穫作業機の変速制御装置。
  2. 前記変速用制御手段が、前記走行変速用操作具が前記作業出力開始位置から高速側に操作されるときの前記作業用無段変速装置の変速モードとして、少なくとも走行速度の低速域において、前記引起し装置の作動速度が同じ走行速度で高低に異なる高速側モードと低速側モードとを選択自在に備えて、選択された高速側モードあるいは低速側モードにて前記作業用無段変速装置を変速操作するように構成されている請求項1記載の収穫作業機の変速制御装置。
  3. 前記高速側モードと前記低速側モードとを切換えて選択する人為式の選択手段が設けられ、
    復帰姿勢から被操作姿勢に操作されている間において、前記選択手段にて選択されているモードとは異なるモードに優先的に切り換える手指操作式の優先操作手段が、前記走行変速用操作具の握り部に設けられている請求項1又は2に記載の収穫作業機の変速制御装置。
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