JP2019110857A - 作物収穫機 - Google Patents
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Abstract
Description
これにより、機体の進行に伴って、分離体により絡み合った作物が互いに分離されるのであり、互いに分離された作物が収穫部に無理なく収穫される。
機体の前進に伴って圃場の作物を収穫する収穫部と、
前記収穫部の前部に設けられて、圃場の作物を上側に持ち上げることにより、隣接する作物を分離するように、回転駆動される分離体とが備えられ、
前記分離体の作動速度を検出する作動速度センサーと、前記分離体の作動速度を設定する分離速度設定部と、
前記分離速度設定部により設定された分離設定速度で前記分離体が作動するように、前記作動速度センサーの検出値に基づいて、前記分離体の作動速度を変速する分離変速部とが備えられている。
これにより、収穫時の負荷の変化等の影響を受けることなく、分離体の作動速度が分離設定速度に維持されるので、分離体による作物の分離が安定して行われるようになり、作物収穫機の収穫性能を向上させることができる。
機体の走行速度を検出する走行速度センサーが備えられ、
前記分離速度設定部は、前記走行速度センサーの検出値に基づいて、機体の走行速度が高速になるほど、前記分離設定速度を高速側に変更し、機体の走行速度が低速になるほど、前記分離設定速度を低速側に変更すると好適である。
本発明によると、機体の走行速度に応じて、分離体の作動速度(分離設定速度)が高速側及び低速側に変更されるのであり、機体の走行速度が速い場合、分離体による作物の分離が遅れることなく行われ、機体の走行速度が遅い場合、分離体による作物の損傷が抑えられる。
このように、収穫部による単位時間当たりの収穫量に対応して、分離体の作動速度(分離設定速度)が適切に変更されるようになって、作物収穫機の収穫性能を向上させることができる。
機体が停止状態から前進を開始すると、前記分離体の作動速度が停止状態から、事前に設定された設定速度に急速に上昇するように、前記分離変速部が作動し、
前記設定速度が、前記分離設定速度の下限値であると好適である。
これにより、機体が停止状態から前進を開始した当初の状態(機体の走行速度が極低速の状態)において、分離体による作物の持ち上げが遅くなり過ぎるという状態を避けることができるのであり、隣接する作物の分離が適切に行えない状態を避けることができる。
これにより、前述のように、機体の走行速度に応じて分離体の作動速度(分離設定速度)が高速側及び低速側に変更される場合、分離体の作動速度(分離設定速度)は、設定速度よりも低速側に設定されることはないのであり、分離体による作物の持ち上げが遅くなり過ぎるという状態を避けることができる。
機体の走行速度が停止状態から、事前に設定された設定走行速度に達するまで、前記分離設定速度が前記設定速度に維持されると好適である。
これにより、機体が停止状態から前進を開始した際に、収穫部による収穫が安定するまで、分離体の作動速度(分離設定速度)を設定速度に維持することによって、収穫部による収穫の安定が促進される。
前記設定速度を高速側及び低速側に変更自在な設定速度変更部が備えられていると好適である。
機体の走行速度に対する前記分離設定速度の変化率を大側及び小側に変更自在な変化率変更部が備えられていると好適である。
前記分離速度設定部は、人為的な操作に基づいて前記分離設定速度を設定し、人為的な操作に基づいて前記分離設定速度を高速側及び低速側に変更すると好適である。
収穫を開始してから、分離速度設定部の操作が行われないと、分離体の作動速度(分離設定速度)は変化なく維持される。分離体の作動速度(分離設定速度)を変更する必要があると作業者が判断すれば、分離速度設定部の操作により分離体の作動速度(分離設定速度)を変更することができる。
前記分離設定速度に、下限値が設定されていると好適である。
これにより、機体が停止状態から前進を開始した当初の状態(機体の走行速度が極低速の状態)において、分離体の作動速度(分離設定速度)は下限値以上の値となっているので、分離体による作物の持ち上げが遅くなり過ぎるという状態を避けることができるのであり、隣接する作物の分離が適切に行えない状態を避けることができる。
図1及び図2に示すように、右及び左のクローラ型式の走行装置2により、機体1が支持されており、機体1の右前部に運転部3が支持されている。機体1の左部に、搬送装置4(収穫部に相当)が前後方向に沿って支持されており、搬送装置4の前部に分離装置5が支持され、機体1の前部に補助車輪6及びサブソイラ17が支持されている。
機体1の上部に屋根10が支持されており、屋根10は、前後方向で運転部3から貯留部8に亘り、左右方向で運転部3から搬送装置4に亘っている。
図1,2,3に示すように、搬送装置4は、前部が圃場の近傍の低位置で、後部が搬送コンベア7の上側の高位置に位置するように、全体が後上がり状(前下がり状)に支持されており、右及び左の支持フレーム13、右及び左の第1搬送ベルト11、右及び左の第2搬送ベルト12、カッター14等を備えている。
図1及び図2に示すように、分離装置5は、多数のアーム部18a,19aが間隔を置いて並ぶように一体的に形成された4組の分離ベルト18,19(分離体に相当)と、上下方向に配置された支持フレーム20とを備えており、支持フレーム20が支持フレーム13の前部に支持されている。
図1,2,3に示すように、機体1の左前部に、上リンク22及び下リンク23が上下に揺動自在に支持され、上リンク22及び下リンク23の前部に縦リンク24が接続されて、四連リンクが構成されている。
図2及び図3に示すように、屋根10において、搬送装置4の後部の上側に位置する屋根10の左後部10aは、屋根10の本体部分とは分離されている。
図1及び図2に示すように、支持フレーム13の前部に、支持リンク32が上下に揺動自在に支持されており、支持リンク32の前部が、支持フレーム20の下部に揺動自在に接続されている。
以上の構造により、油圧シリンダ34により操作アーム33を上下に揺動駆動することによって、分離装置5の圃場からの高さを変更することができる。
図1及び図2に示すように、機体1が前進するのに伴って、右及び左の分離ベルト18の間に、収穫予定の列の大根Aが入る。
この場合、サブソイラ17により圃場の土が崩されるので、大根Aが圃場から無理なく持ち上げられる(引き抜かれる)。
この場合、大根Aの葉A1が第1搬送ベルト11の後端部の略真下に落下するように、大根Aの葉A1を案内する案内板21が備えられている。
図4に示すように、エンジン35の動力が、エンジン35の出力軸35aから伝動ベルト36を介して、静油圧式無段変速装置38に伝達される。
搬送装置4において、第1搬送ベルト11及び第2搬送ベルト12を回転駆動する油圧モータ40が備えられ、分離装置5において、分離ベルト18,19を回転駆動する油圧モータ41が備えられており、搬送コンベア7を回転駆動する油圧モータ42が備えられている。
図4に示すように、タンク43の作動油がストレーナ44を介して油圧ポンプ39に供給されており、油圧ポンプ39の作動油が制御弁ユニット45に供給されている。
図5に示すように、モード設定部63、同調速度変更部64、方向設定部65、搬送速度設定部66、分離速度設定部67が運転部3に備えられており、モード設定部63、同調速度変更部64、方向設定部65、搬送速度設定部66、分離速度設定部67の操作信号が制御装置71に入力されている。
方向設定部65は、作業者により人為的に操作されるものであり、油圧モータ40(第1搬送ベルト11及び第2搬送ベルト12)の回転方向を設定することができる。
第1搬送ベルト11の作動速度V1を検出する作動速度センサー69が油圧モータ40に備えられて、作動速度センサー69の検出値が制御装置71に入力されている。
分離ベルト18,19の作動速度V2を検出する作動速度センサー70が油圧モータ41に備えられて、作動速度センサー70の検出値が制御装置71に入力されている。
モード設定部63により第1モードが設定された状態において、第1搬送ベルト11(第2搬送ベルト12)の作動状態について説明する。
傾斜角度θは、搬送装置4が全体が後上がり状(前下がり状)に支持された状態において、圃場に対する搬送装置4の傾斜角度である。
図8に示すように、同調速度変更部64を操作することにより、式1に基づく関係線L11を少し高速側に変更したり(関係線L12参照)、式1に基づく関係線L11を少し低速側に変更したりすることができる(関係線L13参照)。
モード設定部63により第1モードが設定された状態において、分離ベルト18,19の作動状態について説明する。
分離速度設定部67とは別に、ソフトウェアとしての分離速度設定部77が制御装置71に備えられている。分離速度設定部77により、走行速度センサー68の検出値に基づいて分離設定速度V21が設定される。
分離変速部73により、関係線L21及び作動速度センサー70の検出値に基づいて、以下の説明のように、分離ベルト18,19の作動速度V2が分離設定速度V21となるように、制御弁47がデューティ制御されて、油圧モータ41が正転駆動される。
モード設定部63により第2モードが設定された状態において、第1搬送ベルト11(第2搬送ベルト12)の作動状態について説明する。
モード設定部63により第2モードが設定された状態において、分離ベルト18,19の作動状態について説明する。
分離速度設定部67の人為的な操作に基づいて、分離設定速度V21を関係線L42,L43のように高速側及び低速側に変更することができる。この場合、設定速度V22が下限値となるのであり、分離設定速度V21(関係線L41,L42,L43)を、設定速度V22よりも低速側に設定することはできない。
図5及び図8に示すように、モード設定部63により第3モードが設定され、方向設定部65により正転状態が設定されると、前述の第1モードと同様に、搬送変速部72により、作動速度センサー69の検出値に基づいて、第1搬送ベルト11(第2搬送ベルト12)の作動速度V1が搬送同調速度V11となるように、制御弁46が中立位置46Nと正転位置46Aとの間でデューティ制御されて、油圧モータ40が正転駆動される。
図4に示すように、搬送コンベア7を回転駆動する油圧モータ42は、分離ベルト18,19を回転駆動する油圧モータ41の下手側に位置している。
図4及び図5に示すように、前述の第1モード、第2モード及び第3モードにおいて、方向設定部65により停止状態が設定されると、第1搬送ベルト11(第2搬送ベルト12)、及び、分離ベルト18,19は停止する。
第1搬送ベルト11(第2搬送ベルト12)に大根Aや土の詰まりが発生した場合、この詰まりを解消する為に、油圧モータ40を逆転駆動する。
図12及び図14に示すように、設定速度変更部75を備えてもよい。設定速度変更部75は、作業者により人為的に操作されるダイヤル操作型式であり、設定速度V22を高速側及び低速側に変更することができる。
図13及び図15に示すように、変化率変更部76を備えてもよい。変化率変更部76は、作業者により人為的に操作されるダイヤル操作型式であり、第1モードが設定された状態において、分離設定速度V21の変化率を大側及び小側に変更することができる。
前述の(発明の実施の第1別形態)に記載のように、設定走行速度VK1も、高速側及び低速側に変更できるように構成してもよい。
第1モードが設定された状態での関係線L21〜L25を、1次関数のような直線ではなく、2次関数(2次曲線)のような曲線に設定してもよい。
大根Aの長さに応じて、支持フレーム13(第2搬送ベルト12)の後部の高さを変更したり、第1搬送ベルト11(支持フレーム13)の前部の高さを変更したりして、傾斜角度θが変化した場合、この変化する傾斜角度θ及び機体1の走行速度VKにより、式1に基づいて搬送同調速度V11を演算するように構成してもよい。
支持フレーム30の上下スライドに応じて油圧シリンダ74が作動して、屋根10の左後部10aが自動的に上側に操作されるのではく、作業者の人為的な操作により油圧シリンダ74を作動させて、屋根10の左後部10aを任意に上側に操作できるように構成してもよい。
走行速度センサー68を、走行装置2ではなく変速レバー78に設けて、変速レバー78の操作位置を検出することにより、機体1の走行速度VKを検出するように構成してもよい。
4 収穫部
18 分離ベルト(分離体)
19 分離ベルト(分離体)
67 分離速度設定部
68 走行速度センサー
70 作動速度センサー
73 分離変速部
75 設定速度変更部
76 変化率変更部
77 分離速度設定部
A 作物
V2 分離体の作動速度
V21 分離設定速度
V22 設定速度
VK 機体の走行速度
VK1 設定走行速度
Claims (8)
- 機体の前進に伴って圃場の作物を収穫する収穫部と、
前記収穫部の前部に設けられて、圃場の作物を上側に持ち上げることにより、隣接する作物を分離するように、回転駆動される分離体とが備えられ、
前記分離体の作動速度を検出する作動速度センサーと、前記分離体の作動速度を設定する分離速度設定部と、
前記分離速度設定部により設定された分離設定速度で前記分離体が作動するように、前記作動速度センサーの検出値に基づいて、前記分離体の作動速度を変速する分離変速部とが備えられている作物収穫機。 - 機体の走行速度を検出する走行速度センサーが備えられ、
前記分離速度設定部は、前記走行速度センサーの検出値に基づいて、機体の走行速度が高速になるほど、前記分離設定速度を高速側に変更し、機体の走行速度が低速になるほど、前記分離設定速度を低速側に変更する請求項1に記載の作物収穫機。 - 機体が停止状態から前進を開始すると、前記分離体の作動速度が停止状態から、事前に設定された設定速度に急速に上昇するように、前記分離変速部が作動し、
前記設定速度が、前記分離設定速度の下限値である請求項2に記載の作物収穫機。 - 機体の走行速度が停止状態から、事前に設定された設定走行速度に達するまで、前記分離設定速度が前記設定速度に維持される請求項3に記載の作物収穫機。
- 前記設定速度を高速側及び低速側に変更自在な設定速度変更部が備えられている請求項3又は4に記載の作物収穫機。
- 機体の走行速度に対する前記分離設定速度の変化率を大側及び小側に変更自在な変化率変更部が備えられている請求項2〜5のうちのいずれか一項に記載の作物収穫機。
- 前記分離速度設定部は、人為的な操作に基づいて前記分離設定速度を設定し、人為的な操作に基づいて前記分離設定速度を高速側及び低速側に変更する請求項1に記載の作物収穫機。
- 前記分離設定速度に、下限値が設定されている請求項7に記載の作物収穫機。
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