JP3755780B2 - ディスクカートリッジ用の収納ケース - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスク等のディスクカートリッジを収納保存するためのブックケース型の収納ケースに関する。
【0002】
【従来の技術】
かかるディスクカートリッジのひとつにミニディスク(以下単にMDという)がある。MD用の収納ケースは薄い角箱状に形成してあり、ケース前側面に出入口を設けてブックケース状に構成してある。ケースの左右側壁の内奥寄りには一対のロック体が組み込んであり、MDを収納ケースに差し込んで、両ロック体をカートリッジケースの下面両側の位置決め凹部に落とし込み係合することにより、MDが収納ケースから滑落するのを防止できる。
【0003】
収納ケースの内部には、MDと共にインデックスカードを収めるが、出入口の開口幅が5〜6mm前後と小さいため、MDを収納ケースから抜き出すとき、インデックスカードを同時に抜き出すことがある。MDを収納ケースから抜き出した状態において、枚葉シート状のインデックスカードが出入口から滑り落ちることもある。
【0004】
上記のような不具合を解消するために、本出願人は出入口の両側縁に、インデックスカードを受け止めるためのストッパーを突設した収納ケースを先に提案した(特願平8−295646号)。さらに、出入口の開口縁の全幅にわたって抜け止め用のリブを突設し、このリブでインデックスカードの抜け出しを防ぐようにした収納ケースも提案している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、抜け止め用のリブを突設した収納ケースによれば、インデックスカードがMDと共に抜き出されるのを防止できる。しかし、抜け止め用のリブを備えた収納ケースで動作確認を行ったところ、新たな問題を生じることが判った。MDには、信号読書窓をスライド開閉するシャッターが設けられているが、MDを抜き出す際に、シャッターの端縁が先のリブに受け止められて引っ掛かるのである。とくに、インデックスカードを収納していない場合に引っ掛かりやすい。
本出願人はMDの出し入れを容易化するために、ケース本体とこれの上面をスライド開閉できる蓋体とで構成した収納ケースを提案しているが、このように片手でMDの取り出しを行える収納ケースにおいて、シャッターの端縁が引っ掛かりやすいのを確認している。蓋体をスライド開放したのち、MDをスライドしながら出入口から抜き出すとき、シャッターのスライド凹部がリブの突端面に押し付けられて、シャッター端縁がリブに接当係合してしまうからである。
【0006】
本発明の目的は、ディスクカートリッジと共に収容したインデックスカードが、ディスクカートリッジの取り出し時に不用意に抜き出し操作されたり、あるいはインデックスカードがケース外へ滑り出てしまうのを確実に防止でき、しかもシャッター付きのディスクカートリッジであっても支障なく取り出せる、ディスクカートリッジ用の収納ケースを提供することにある。
本発明の目的は、スライド開閉される蓋体を備えている収納ケースにおいて、蓋体の開放およびディスクカートリッジの取り出しを支障なく行う場合にも、ディスクカートリッジの取り出しを支障なく確実に行えるようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の収納ケースは、信号読書用の窓4を開閉するシャッター5が設けてあるディスクカートリッジ1を収納対象としており、上面が開口するケース本体10と、ケース本体10の上面開口を塞ぐ蓋体11とで構成されて、前側面にディスクカートリッジ1用の出入口12が開口してあるブックケース型に構成する。出入口12の開口内縁壁に、インデックスカードCの出入口12側の端縁を受け止めるリブ37を突設する。シャッター5の端縁との接当干渉を避ける逃げ領域Eを出入口12の側端に確保する。前記リブ37は逃げ領域Eを避けて突設する。
【0008】
具体的には、逃げ領域Eを出入口12の両側端に確保し、両逃げ領域E間の出入口12の開口内縁壁に沿って、リブ37を突設する。蓋体11は、ケース本体10の側壁15と蓋体11の蓋側壁19との対向面間に設けたスライド機構で、前後スライド自在に案内支持されてケース上面の第2開口17をスライド開閉できる。スライド機構は、ケース本体10の側壁15の内面に設けたガイド溝22と、蓋体11の蓋側壁19に突設されてガイド溝22内を前後スライドする軸21とからなる。ケース本体10側の開口内縁壁にリブ37を突設する。
【0009】
【作用】
出入口12の開口縁にリブ37を突設するので、収納ケース内に収めたインデックスカードCの出入口12側の端縁をリブ37で受け止めて、その抜け出しを阻止できる。従って、インデックスカードCが誤ってディスクカートリッジ1と共に抜き出されたり、インデックスカードCが自重で、あるいは外力を受けて出入口12から滑り出るのを阻止できる。出入口12の側端に逃げ領域Eを確保し、この領域Eを避けてリブ37を設けるので、ディスクカートリッジ1を収納ケースからケース外へ抜き出し操作する際に、シャッター5の端縁がリブ37に引っ掛かるのを解消できる。シャッター5の端縁は常に逃げ領域E内を通過するからである。
【0010】
出入口12の両側端に逃げ領域Eを確保すると、ディスクカートリッジ1が左右に反転された姿勢で収納ケースに装填してある場合にも、シャッター5の端縁がリブ37に引っ掛かるのを防止できる。蓋体11のスライド開放とディスクカートリッジ1の取り出しとを片手で連続して行う時には、親指以外の四指でケース本体10を支えることが多い。こうした場合にはディスクカートリッジ1を親指でケース本体10に押し付け気味にして取り出すが、このような状況下においても、出入口12に逃げ領域Eを確保しておくことにより、シャッター5の引っ掛かりを確実に防止できる。
【0011】
【実施例】
図面は本発明の実施例を示しており、これはMD(ディスクカートリッジ)用の収納ケースに供するものである。図3においてMD1は、光磁気ディスク2が薄角箱状のカートリッジケース3に収まっており、カートリッジケース3の上下両面の一側に開口した信号読み書き用の窓4をシャッター5でスライド開閉できる。カートリッジケース3の下ハーフ側の左右両側の後部には、位置決め用の凹部6が半長円状にそれぞれ凹設されている。カートリッジケース3の上面には、ディスクドライブに対する適正な装填方向を示す装填表示7が印刷してある。シャッター5はカートリッジケース3の上下面に浅く凹み形成したスライド凹部8の範囲内を開閉スライドできる。
【0012】
図2において収納ケースは、ケース本体10と蓋体11とで収納室を区画した薄形角箱状のケースからなり、ケース前面にMD1を出し入れするための出入口12が設けてある。収納室の内部には、MD1と共にインデックスカードCが収容される。
【0013】
ケース本体10は、底壁14と、左右一対の側壁15・15と、底壁14の後縁に立設した後壁16とを一体に形成した、上面および前面が開口するプラスチック成形品からなり、ケース前面の開口が出入口12となっており、ケース上面の開口が第2開口17になっている。蓋体11は、第2開口17の全体を上面側から閉止する主面壁18と、主面壁18の左右両側の下面側に側壁15と平行に突設した左右一対の蓋側壁19と、主面壁18の後縁の左右両端から下方に突設した蓋後壁20とを一体に形成したプラスチック成形品からなり、透明ないし半透明のプラスチック材で形成する。両蓋側壁19の対向間隔は、MD1の左右幅寸法より僅かに大きい。
【0014】
ケース本体10と蓋体11とはスライド機構を介して連結されていて、先の第2開口17を蓋体11でスライド開閉できる。図2において、蓋体11の左右蓋側壁19の中途部の下端外面には、軸21をそれぞれ外向きに突設する。ケース本体10の左右側壁15の後端下部にはガイド溝22を設け、このガイド溝22で軸21を受け入れ支持してスライド機構を構成する。ガイド溝22は、側壁15の内面に突設したリブで区画する。ガイド溝22の長さは、後述するロック体30の装着位置との関係で規定しており、蓋体11を後述する第1開放位置までスライド開放したとき、ロック体30がケース後方へ十分に突出できる長さに設定されている。
【0015】
蓋体11は、主面壁18がケース本体10の左右側壁15間に面一状に嵌まり込んで、第2開口17を完全に閉止する図6(a)の閉じ位置と、図6(b)の実線で示すように全体がガイド溝22に沿って出入口12から遠ざかる後ろ向きにスライド移動した第1開放位置と、図6(b)の想像線で示すように全体が軸21を中心にして上開き揺動し、第2開口17の全体を開放する第2開放位置とに変位できる。蓋体11の後方スライドを許すために、図2に示すごとくケース本体10の後壁16の左右両端には、それぞれ開口25を設けてある。更に蓋体11を揺動開閉するとき、蓋側壁19がケース本体10の底壁14と接当干渉するのを防ぐために、蓋側壁19の軸21より後ろ側の壁面に逆V字形の切欠26を設けてある(図6(b)参照)。
【0016】
閉じ位置において、蓋体11が不用意にケース後方へスライド移動するのを規制するために、蓋側壁19とケース本体10の左右側壁15との対向面間にそれぞれスライドロックを設ける。図4においてスライドロックは、蓋側壁19の外側面の前端上部に突設した側面から見てL字状の係合片27と、係合片27に対応して両側壁15の内側面の前端上部寄りに突設した平面視が台形状のロック壁28とからなる。閉じ位置において、係合片27の垂直壁部がロック壁28の前方の係合案内面と接当係合して、蓋体11が後方へスライドするのを接当規制する。更に、係合片27の水平壁部はロック壁28の下面側に位置して、蓋体11が第2開口17から浮き上がる向きに動こうとするのを阻止する。係合片27とロック壁28との係合力に抗して蓋体11をスライド操作すると、主に側壁15が弾性変形して、両者27・28の係合状態を解除できる。
【0017】
収納ケースの取り扱い時にMD1が滑落するのを防ぐために、蓋体11の左右の蓋側壁19にそれぞれロック体30を設ける。図5においてロック体30は、前後一対の係合爪31を有するコ字枠状の基部32と、基部32の下部に連続する部分円弧状の弾性腕33とを一体に形成したプラスチック成形品からなり、係合爪31を蓋側壁19に設けた装着穴に圧嵌係合して装着する。この装着状態において、弾性腕33は蓋側壁19に設けた切欠を介してケース内方に突出する。図5に示すようにMD1を収納ケースに装填した状態では、弾性腕33がカートリッジケース3の左右の凹部6に外側方から落ち込み係合して、MD1の抜け出しを防ぐ。
【0018】
図2および図3に示すように、出入口12の左右中央部には台形状の切欠部34が形成してあって、MD1を収納ケースに収納した状態において、その前部中央が切欠部34から露出するようにしてある。この露出部と収納ケースを両手でつかんでMD1を抜き出し操作するためである。切欠部34は、ケース本体10の底壁14と、蓋体11の主面壁18とにそれぞれ切り欠き形成してある。
【0019】
インデックスカードCは、ケース本体10の底壁に沿う第1紙面35と、第1紙面35の後縁に折り起こされた第2紙面36とからなる。インデックスカードCの不用意な抜け出しを防ぐために、出入口12の開口内縁にリブ37を設ける。リブ37はケース本体10の底壁14側に限って前記切欠部34を含む開口縁に沿って突設する。その突出寸法はインデックスカードCの厚みと同じか、これより僅かに小さく設定する。インデックスカードCの出入口12側の端縁形状は、リブ37の内縁形状に合致して形成する。
【0020】
先に説明したように、MD1のシャッター5は、カートリッジケース3の外面に設けたスライド凹部8に被さっており、スライド凹部8とシャッター5の上下表面との間に、シャッター5の厚み寸法に相当する段差が形成される。この段差部分、とくにカートリッジケース3の側端寄りに位置する、シャッター5の端縁側の段差部分が前記リブ37に引っ掛かるのを避けるために、出入口12におけるリブ37の形成範囲を次のように設定する。
【0021】
MD1を収納ケースから抜き出す際に、シャッター5の端縁とその周辺部分が通過する領域を逃げ領域Eとして確保し、この領域Eを避けてリブ37を突設する。この実施例では、出入口12の左右両側端に逃げ領域Eを確保し、両逃げ領域E間の出入口12の開口内縁壁に沿って、リブ37をハット形に突設した。逃げ領域Eは、MD1が適正な装填姿勢で収納ケースに収納される限り、出入口12の右側端にのみ設けるだけで足りる。しかし、出入口12の左右に逃げ領域Eを設けると、MD1が左右に反転された姿勢で収納される場合にも、シャッター5がリブ37に引っ掛かるのを同時に解消できる。
【0022】
上記のように構成した収納ケースは、図7に示すように親指と他の四指とで収納ケースの上下面を挟持し、蓋体11を親指でケース後方へ押し出し、ロック体30と凹部6との係合を解除した後、MD1を親指で手前側へ引き寄せて収納ケースから取り出すことができる。このとき、MD1はケース本体10の底壁14に押し付け気味にスライド操作されるので、図1に示すようにMD1の全体が僅かに傾き、シャッター5の端縁が底壁14で受け止められることがある。こうした場合でも、シャッター5の端縁の通過領域に対応して、リブ37を省略して逃げ領域Eを確保してあるので、MD1の取り出しを支障なく行える。
【0023】
上記の実施例では、リブ37を出入口12の開口縁に沿って連続形成したが、断続する複数のリブで形成してもよい。蓋体11は閉じ位置から90度起立した位置まで開放できるに越したことはないが、第2開放位置において主面壁18が傾斜する状態であってもよく、単に閉じ位置と第1開放位置との間でスライド開閉できるものでもよい。
【0024】
【発明の効果】
本発明では、出入口12の開口内縁壁にリブ37を設けるので、ケース内に収容したインデックスカードCが不用意に抜け出るのを防止できる。さらに、出入口12の側端に確保した逃げ領域Eを避けてリブ37を形成するので、ディスクカートリッジ1を収納ケースから抜き出す際に、そのシャッタ5の端縁がリブ37に引っ掛かるのを防止でき、ディスクカートリッジ1の取り出しを支障なく行える。つまり、ディスクカートリッジ1の取り出し時に、インデックスカードCが同時に抜き出されるのを防止できるうえ、ディスクカートリッジ1のみが収納ケースに収納してある場合であっても、その取り出しを支障なく行える。片手操作のみで取り出しを行う場合にも、同様にディスクカートリッジ1を容易に取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】リブとディスクカートリッジとの関係を示す要部の縦断正面図ある。
【図2】蓋体とケース本体とを分離した状態での斜視図である。
【図3】収納ケースの内部構造を示す一部破断平面図である。
【図4】図3におけるA−A線断面図である。
【図5】図3におけるB−B線断面図である。
【図6】蓋体の動作を説明する縦断側面図である。
【図7】収納ケースの使用状態を示す斜視図である。
【図8】リブ形状を示すケース本体の内部平面図である。
【符号の説明】
1 ディスクカートリッジ(MD)
5 シャッター
10 ケース本体
11 蓋体
12 出入口
37 リブ
C インデックスカード
E 逃げ領域
Claims (3)
- 信号読書用の窓(4)を開閉するシャッター(5)が設けてあるディスクカートリッジ(1)を収納対象としており、
上面が開口するケース本体(10)と、ケース本体(10)の上面開口を塞ぐ蓋体(11)とで構成されて、前側面にディスクカートリッジ(1)用の出入口(12)が開口しているブックケース型の収納ケースであって、
蓋体(11)は、ケース本体(10)の側壁(15)と蓋体(11)の蓋側壁(19)との対向面間に設けたスライド機構で、前後スライド自在に案内支持されてケース上面の第2開口(17)をスライド開閉でき、
ケース本体(10)の底壁(14)には、出入口(12)の開口内縁壁に、インデックスカード(C)の出入口(12)側の端縁を受け止めるリブ(37)が突設されており、
出入口(12)の側端に、シャッター(5)の端縁との接当干渉を避ける逃げ領域(E)が確保されており、
前記リブ(37)が逃げ領域(E)を避けて突設されているディスクカートリッジ用の収納ケース。 - 逃げ領域(E)が出入口(12)の両側端に確保されており、
両逃げ領域(E)間の出入口(12)の開口内縁壁に沿って、リブ(37)が突設してある請求項1記載のディスクカートリッジ用の収納ケース。 - 前記スライド機構が、ケース本体(10)の側壁(15)の内面に設けたガイド溝(22)と、蓋体(11)の蓋側壁(19)に突設されてガイド溝(22)内を前後スライドする軸(21)とからなる請求項1又は2記載のディスクカートリッジ用の収納ケース。
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JPH10258887A JPH10258887A (ja) | 1998-09-29 |
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