JP3752489B2 - 電子転流式直流モータの転流方法、およびこの方法を実施するためのモータ - Google Patents

電子転流式直流モータの転流方法、およびこの方法を実施するためのモータ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子転流式直流モータの転流方法およびこの方法を実施するためのモータに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子転流式モータは“呼吸するように”動作する。すなわち、その通常のエネルギー消費に加えてエネルギーを電源網または電源網に接続された蓄積コンデンサから取り出し、またその間では転流中に、エネルギーをこの蓄積コンデンサに出力することを交互に行う。電子技術ではこの現象を無効電力現象とも称する。この無効電力に適合するために蓄積コンデンサは非常に大きな容量を有していなければならず、エネルギーを一時蓄積できるようにするため、通常は数百μFである。このような蓄積コンデンサは制限された寿命を有し、モータの中で広いスペースを必要とする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の課題は、電子転流式モータの転流方法およびこの方法を実施するのに適するモータを提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明によればこの課題は、請求項1の構成によって解決される。この方法は電子転流式モータの転流方法であり、電流パルスのスイッチオフとこれに続く電流パルスのスイッチオンとの間で作用する改善された転流プロシージャを有している。ここでは瞬時の(augenblicklich)回転数に基づいて、スイッチオフ時点が計算され、この時点に達したとき、直流電源からモータへのエネルギー供給が遮断される。次にスイッチオフすべき巻線は双方向に導通する2つの半導体スイッチを介して実質的に短絡状態で作動され、巻線で減衰する電流が監視される。この電流が低減された値に達すると、巻線の巻線端子は一時的に高抵抗に切り替えられ、それから後続の電流パルスが開始する。このようにして転流プロシージャ中に、モータのインダクタンスに蓄積された電気エネルギーが良好に機械的エネルギーに変換されるようになり、従って無効電力が減少し、必要な蓄積コンデンサを比較的に小さくすることができる。
【0005】
即ち本発明の転流方法は、電子転流式モータの転流方法であって、該モータは直流電源に接続されるよう構成されており、かつ永久磁石ロータと、複数の半導体スイッチを有するフルブリッジ回路と、2つの巻線端子を備えた駆動巻線を有するステータとを有し、前記駆動巻線の一方の巻線端子からは、フルブリッジ回路の第1の半導体スイッチ(HSL)が直流電源の第1の線路に導かれ、フルブリッジ回路の第2の半導体スイッチ(LSL)が当該直流電源の第2の線路(122)に導かれ、他方の巻線端子からは、フルブリッジ回路の第3の半導体スイッチ(HSR)が第1の線路に、フルブリッジ回路の第4の半導体スイッチ(LSR)が直流電源の第2の線路に導かれ、駆動巻線に、ロータの所定の回転角度領域内での作動時に、少なくとも領域的に電流が第1の方向で供給され、転流プロシージャの経過中に電流が遮断された後は、引き続く回転角度領域内で少なくとも領域的(bereichsweise)に電流が前記第1の方向とは反対の第2の方向で供給される形式のものにおいて、以下のステップを有することを特徴とする:a)ロータの角速度を表す量(t_HALL)を検出するステップ;b)当該量(t_HALL)に基づいて、転流プロシージャの開始時に電流を遮断するための将来的時点(図15:t3,t4)を計算するステップ;c)前記時点に達した後、第1の半導体スイッチ(HSL)と第3の半導体スイッチ(HSR)の全体のうち、当該時点に導通している半導体スイッチを非導通に制御し、これにより直流電源から第1の方向で駆動巻線に流れる電流を遮断するステップ;d)前記半導体スイッチを非導通に制御した後、第2の半導体スイッチ(LSL)と第4の半導体スイッチ(LSR)の全体のうち、当該時点に導通している半導体スイッチに加えて当該時点に非導通の半導体スイッチも導通制御し、これにより駆動巻線の巻線端子が第2の半導体スイッチ(LSL)と第4の半導体スイッチ(LSR)を介して低抵抗に相互に接続されるようにし、以て、駆動巻線を流れる電流が第1の方向で第2の半導体スイッチ(LSL)と第4の半導体スイッチ(LSR)とを通ってさらに流れ、消失できるようにするステップ;e)前記電流が低減された値に達した場合、駆動巻線の巻線端子を高抵抗に切替え、当該巻線端子間では実質的に電流が流れることができないようにするステップ;f)前記ステップe)の終了に続く時点で、フルブリッジ回路の制御によって直流電源からの駆動巻線への電流供給を反対の第2の方向でスイッチオンするステップ(形態1・基本構成1)。この方法を実施するための有利なモータは請求項8に記載されている。即ち、電子転流式モータであって、該モータは直流電源に接続されるよう構成されており、かつ永久磁石ロータと、複数の半導体スイッチを有するフルブリッジ回路と、2つの巻線端子を備えた駆動巻線を有するステータとを有し、前記駆動巻線の一方の巻線端子からは、フルブリッジ回路の第1の半導体スイッチが直流電源の第1の線路に導かれ、フルブリッジ回路の第2の半導体スイッチが当該直流電源の第2の線路に導かれ、他方の巻線端子からは、フルブリッジ回路の第3の半導体スイッチが第1の線路に、フルブリッジ回路の第4の半導体スイッチが直流電源の第2の線路に導かれ、駆動巻線に、ロータの所定の回転角度領域内での作動時に、少なくとも領域的に電流が第1の方向で供給され、転流プロシージャの経過中に電流が遮断された後は、引き続く回転角度領域内で少なくとも領域的に電流が前記第1の方向とは反対の第2の方向で供給される形式のものにおいて、以下のステップを行うよう構成された制御装置を有すること、すなわち:a)ロータの角速度を表す量を検出するステップ;b)当該量に基づいて、転流プロシージャの開始時に電流を遮断するための将来的時点を計算するステップ;c)前記時点に達した後、第1の半導体スイッチと第3の半導体スイッチの全体のうち、当該時点に導通している半導体スイッチを非導通に制御し、これにより直流電源から第1の方向で駆動巻線に流れる電流を遮断するステップ;d)前記半導体スイッチを非導通に制御した後、第2の半導体スイッチと第4の半導体スイッチの全体のうち、当該時点に導通している半導体スイッチに加えて当該時点に非導通の半導体スイッチも導通制御し、これにより駆動巻線の巻線端子が第2の半導体スイッチと第4の半導体スイッチを介して低抵抗に相互に接続されるようにし、以て、駆動巻線を流れる電流が第1の方向で第2の半導体スイッチと第4の半導体スイッチとを通ってさらに流れ、消失できるようにするステップ;e)前記電流が低減された値 に達した場合、駆動巻線の巻線端子を高抵抗に切替え、当該巻線端子間では実質的に電流が流れることができないようにするステップ;f)前記ステップe)の終了に続く時点で、フルブリッジ回路の制御によって直流電源からの駆動巻線への電流供給を反対の第2の方向でスイッチオンするステップ;を行うよう構成された制御装置を有することを特徴とする(形態8・基本構成2)。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明のさらなる詳細および有利な改善構成は、以下に説明する、および図面に示された、しかし本発明の制限と理解すべきではない実施例並びに従属請求項から明かとなる。以下に、本発明の好ましい実施の形態を、上記基本構成1及び2をそれぞれ形態1及び8として示す:
(形態1) 上掲
(形態2) 上記形態1の方法において、前記ステップe)で、低抵抗の接続に流れる電流を検出し、駆動巻線に流れる電流が所定の値まで低下した場合、駆動巻線の巻線端子を高抵抗に切り替えることが好ましい。
(形態3) 上記形態2の方法において、前記所定の値は電流0の領域にあることが好ましい。
(形態4) 上記形態2の方法において、前記ステップe)で、前記ステップd)の開始からの時間を監視し、所定の時間間隔を経過した後、巻線端子を高抵抗に切り替えることが好ましい。
(形態5) 上記形態1の方法において、前記ステップe)で、低抵抗の接続に流れる電流を検出し、・駆動巻線の電流が所定の値まで低下した場合、または・前記ステップd)の開始から所定の時間間隔が経過した場合に、駆動巻線の巻線端子を高抵抗に切り替えることが好ましい。
(形態6) 上記形態5の方法において、電流の前記所定の値は電流0の領域にあることが好ましい。
(形態7) 上記形態1〜6の方法において、フルブリッジ回路はHブリッジとして構成されていることが好ましい。
(形態8) 上掲
(形態9) 上記形態8のモータにおいて、前記ステップe)で、低抵抗の接続に流れる電流を検出し、駆動巻線に流れる電流が所定の値まで低下した場合、駆動巻線の巻線端子を高抵抗に切り替えることが好ましい。
(形態10) 上記形態9のモータにおいて、前記所定の値は電流0の領域にあることが好ましい。
(形態11) 上記形態9のモータにおいて、前記ステップe)で、前記ステップd)の開始からの時間を監視し、所定の時間間隔を経過した後、巻線端子を高抵抗に切り替えることが好ましい。
(形態12) 上記形態8のモータにおいて、前記ステップe)で、低抵抗の接続に流れる電流を検出し、・駆動巻線の電流が所定の値まで低下した場合、または・前記ステップd)の開始から所定の時間間隔が経過した場合に、駆動巻線の巻線端子を高抵抗に切り替えることが好ましい。
(形態13) 上記形態12のモータにおいて、電流の前記所定の値は電流0の領域にあることが好ましい。
(形態14) 上記形態8〜13のモータにおいて、フルブリッジ回路はHブリッジとして構成されていることが好ましい。
(形態15) 上記形態8のモータにおいて、ロータ位置の検出のためホール発電機を有することが好ましい。
(形態16) 上記形態8〜15のモータにおいて、前記フルブリッジ回路では、第1の直流線路と第1のブリッジトランジスタが接続されており、第2の直流線路とは第2のブリッジトランジスタが接続されており、さらに一方の直流線路から少なくとも1つのブリッジトランジスタへ流れる電流を監視するための監視装置を有し、当該監視装置は、所定の電流を上回る際に応答し、他方の直流線路と接続された少なくとも1つのブリッジトランジスタを導通状態から非導通状態へ制御するように構成されており、該監視装置は、一方の線路に設けられたブリッジトランジスタに測定抵抗を有し、該測定抵抗にはコンパレータが配属されており、該コンパレータは、測定抵抗から導出された測定電圧を所定の 比較電圧と比較し、前記比較電圧は該コンパレータの出力信号の関数であり、所定の電流を上回る際に変化して、スイッチヒステリシスに影響を及ぼし、これにより当該監視装置は、第1の電流値でアクティベートされ、第2の電流値でデアクティベートされ、該第2の電流値は大きさは第1の電流値よりも小さくなるよう構成されることが好ましい。
(形態17) 上記形態16のモータにおいて、ロータ位置の検出のためホール発電機を有することが好ましい。
(形態18) 上記形態16又は17のモータにおいて、制御のためマイクロコンピュータを有することが好ましい。
(形態19) 上記形態18のモータにおいて、該マイクロコンピュータは、ソフトウェアで制御可能な(パルス幅)デューティ比( Tastverhaeltnis )( pwm )を備えたPWM信号(PWM)の生成装置を備え、該(パルス幅)デューティ比は、該モータに通電される電流の大きさを規定することが好ましい。
(形態20) 上記形態17〜19のモータにおいて、複数の測定抵抗と、該測定抵抗に配属されたコンパレータとが設けられており、該コンパレータの出力信号は結合素子を介して1つの共通の出力素子に供給され、該出力素子は、ブリッジトランジスタで所定の電流を上回る際に相応の出力信号を送出し、すべてのコンパレータに対する基準電圧を低下させることが好ましい。
(形態21) 上記形態16〜20のモータにおいて、他方の直流線路と接続されたブリッジトランジスタは所定の電流を上回る際にハードウエアにより非導通に制御されることが好ましい。
(形態22) 上記形態21のモータにおいて、他方の直流線路と接続されたブリッジトランジスタは所定の電流を上回る際に冗長的にソフトウエアによっても非導通に制御されることが好ましい。
(形態23) 上記形態22のモータにおいて、電流監視装置の出力信号(Imax)は、モータのハードウエアにも、モータに配属されたマイクロコンピュータにも供給され、これによりハードウエアを介して直接的にも、マイクロコンピュータの出力端での命令によっても、他方の直流線路と接続されたブリッジトランジスタを非導通に制御することが好ましい。
(形態24) 上記形態23のモータにおいて、出力信号(Imax)はマイクロコンピュータの入力端に供給され、該マイクロコンピュータでは該出力信号の発生時に割込み(Imax割込み)がトリガされることが好ましい。
(形態25) 上記形態24のモータにおいて、割込みの発生時に、他方の直流線路と接続されたブリッジトランジスタの非導通制御に加えて、一方の直流線路と接続された複数のブリッジトランジスタを導通制御し、これによりこれらのトランジスタを介してモータの巻線は実質的に短絡で作動されることが好ましい。
(形態26) 上記形態25のモータにおいて、時間制御部が設けられており、これによりブリッジトランジスタの導通制御を所定時間の経過後にデアクティベートすることが好ましい。
(形態27) 上記形態25又は26のモータにおいて、割込み(Imax割込み)の発生時に、PWM信号(PWM)のデューティ比(pwm)は縮小され、該デューティ比はモータのステータ巻線における電流実効値に影響を及ぼすことが好ましい。
(形態28) 上記形態27のモータにおいて、デューティ比(pwm)は、電流が過度に大きいことに起因する割込みが繰り返し発生する際、少なくとも2つのロータ回転の間にはこのような割込みが発生しないように低下されることが好ましい。
【0007】
【実施例】
以下の説明で、同じ部材または同じに作用する部材には同じ参照符号を用い、それらは通常一度しか説明しない。内容が難解であるので、しばしば具体的数値を挙げる。これは例えば3A、1.6A、200μs、1000U/min等であり、明細書を読みやすくするためである。しかしこれらの具体的値は、単なる例であり、本発明を制限するものではない。
【0008】
図1は、本発明のモータの有利な一実施例を概略的に示す。
【0009】
本来のモータ100はこの実施例では、2つの端子104、106を備える巻線102、並びに永久磁石ロータ108を有する。以下に説明する実施例は、4極ロータ108を有するモータ100に関連するものであるが、もちろん、任意の極数および他の巻線の数も可能である。このモータ100の例を選択したのは、その単純さのため、非常に複雑な本発明の理解を容易にするためである。
【0010】
この実施例はモータ100を示し、このモータでは180゜elのロータ回転の領域で電流iが端子104から端子106の方向へ流れ、引き続く180゜elのロータ回転の領域で電流iが106から104へ流れる。電流iとiの持続時間(開始から終了まで)と振幅はモータの必要性に応じて変化される。このことは通常、いわゆるブロック制御と称される。すなわち電流iは例えば0゜から180゜elの長さを有することができ、電流iも同じである。さらに追加コストなしでいわゆる早期点弧(Fruehzuendung)が可能である。これは図15にVZで示されており、後で式(3a)と(4a)で説明する。
【0011】
このようなモータはただ1つの巻線102だけが必要であるから、このモータは非常に単純である。このモータは有利にはファンの駆動に使用される。DE2346380はこのようなモータの構造に対する例を開示しており、非常に多くのバリエーションで製造されている。
【0012】
モータ100は有利にはロータ108により制御される電流磁気効果型ロータ位置センサー110、例えばホール発電機(Hallgenerator)を有し、このセンサは図1の左側にも改めて示されている。このセンサの出力信号は増幅器112を介して増幅され、矩形パルスHALLに変形され、マイクロコントローラμC40に供給される。ここでこのパルスHALLの各エッジは割込みをトリガする(以下、HALL割込みと称する)。図16参照。ロータ108は磁化されているので、ロータ108の180゜elの回転後その都度このようなHALL割込みがトリガされる。2つのHALL割込みの間の間隔t_HALLは、回転数が小さい場合には大きく、回転数が大きい場合には小さい。従ってこの間隔t_HALLはロータ108の回転数に対する尺度であり、回転数制御(図30)に使用される。時間間隔t_HALLは、ロータ108が180゜el回転するのに必要な時間に相応する。以下の式(6)及び式(7)を参照。
【0013】
巻線102の端子104はPチャネルMOSFET114のドレインDと接続され、そのソースSはプラス線路116に接続されており、プラス線路は保護ダイオード118を介してプラス端子120と接続される。プラス端子は、通常は、概略的に図示した電源装置121に接続され、電源装置は、例えば12V、24V、48Vまたは60Vの直流電圧を、モータ100の形式に応じて供給する。モータ100のマイナス線路(GND)は122により示されており、その端子は124により示されている。プラス線路116とマイナス線路122との間にはコンデンサ126が接続される。
【0014】
モータ100はあたかも「呼吸」するかのように作動する。すなわちモータはエネルギーを電源装置121とコンデンサ126から取り込み、その間、即ち各転流プロシージャの間にエネルギーを送出する。このエネルギーはコンデンサ126により中間蓄積されなければならない。これは線路116と122との間の電圧が過度に高くならないようにするためである。従ってコンデンサ126の容量は、対比可能な出力データを有する従来のモータではおよそ500μFであるが、本発明ではこれを格段に小さくすることができる。小型モータでは、比較的に大きなコンデンサ126を収容するのは簡単ではない。モータ内の高温のため、このようなコンデンサの寿命は制限される。従って本発明の課題の1つは、コンデンサ126を小型に保持し、電気的にあまり負荷をかけないようにすることである。たとえば動作電圧が12Vの場合、このコンデンサの容量は、モータが本発明により作動すれば、60〜100μFにすることができる。
【0015】
巻線102の端子106はPチャネルMOSFET130のドレインDと接続され、そのソースSは線路116と接続される。
【0016】
端子104もまたNチャネルMOSFET132のドレインDと接続され、そのソースSは測定抵抗134を介してマイナス線路122と接続される。
【0017】
同じように端子106はNチャネルMOSFET136のドレインDと接続され、そのソースSは測定抵抗138を介してマイナス線路122と接続される。
【0018】
MOSFET114、130、132、136に対して逆並列になるよう通常のようにフリーホイールダイオード114’、130’、132’、136’が接続される。
【0019】
MOSFET132のゲートGは増幅器140の出力端に接続され、その入力端142にはμC40から信号LSLが、MOSFET132がスイッチオンされるべき場合に供給される(LSLは、以下、LSL_OUTとも示す。信号LSR,HSLおよびHSRについても同様である)。
【0020】
MOSFET136のゲートGは増幅器144の出力端に接続され、その入力端146にはμC40から信号LSRが、トランジスタ136がスイッチオンされるべき場合に供給される。
【0021】
MOSFET114のゲートGは増幅器148の出力端に接続され、その入力端150は結合素子152の出力信号によって制御される。これは増幅器148と共にNANDゲートを形成する。すなわち、結合素子152の入力信号の1つがローであるとき、MOSFET114は遮断される。この場合、結合素子152はロー出力信号を有している。これによりドライバ増幅器148は高抵抗となり、電位をFET114のゲートGでプルアップし、FET114は非導通となる。
【0022】
MOSFET130のゲートGは増幅器154の出力端に接続され、その入力端156は結合素子160の出力信号により制御される。これは増幅器154と共にNANDゲートを形成する。すなわち結合素子160の入力信号の1つがローであれば、MOSFET130は遮断される。この作動態様は、回路の対称性のため、FET114と同様である。
【0023】
2つの結合素子152と160にはμC40からPWM信号PWMが供給される。このPWM信号は例えば周波数20kHzを有し、そのデューティ比pwmはμC40によって0〜100%の間で調整可能である。この信号PWMは作動時に連続的にμC40により生成され、モータ100に供給される電流の大きさを定める。
【0024】
同様に2つの結合素子152と160、並びにμC40には、MOSFET132またはMOSFET136の電流が所定の限界値を上回ると(ローの)信号Imaxが供給される。この信号Imaxは2つのMOSFET114と130をモータのハードウエアを介して直ちに遮断する。(所定の時点ではこの2つのMOSFET114,130の1つだけは常に導通可能である。)従ってこの信号Imaxは「ローアクティブ」である。すなわちImaxがローであるとき、電流は遮断される。
【0025】
さらに結合素子152にはμC40から転流信号HSLが供給され、トランジスタ114を制御する。同じように結合素子160にはμC40から転流信号HSRが供給され、トランジスタ130を制御する。
【0026】
概念HSL等は記憶上の便宜のためのものであり、次のことを意味する。
HSL High Side Left トランジスタ114
HSR High Side Right トランジスタ130
LSL Low Side Left トランジスタ134
LSR Low Side Right トランジスタ136
4つのトランジスタ114、130、132、136は巻線102と共にいわゆるHブリッジ(またはフルブリッジ)137を形成し、このHブリッジは上段(High SideまたはHS)トランジスタ114、130と、下段(Low SideまたはLS)トランジスタ132、136を有している。トランジスタ114と136がスイッチオンされると、電流iは巻線102内を左から右へ流れる。トランジスタ130と132がスイッチオンされると、電流iは巻線102内を右から左へ流れる。
【0027】
入力端142と150との間にはロック素子166が設けられている。このロック素子はトランジスタ114と132が同時に導通するのを阻止する。同じように入力端146と156との間にはロック素子168が設けられており、このロック素子はトランジスタ130と136が同時に導通するのを阻止する。これらロック素子はHブリッジ137を保護するために用いる。
【0028】
抵抗134での電圧は(ノイズパルスをろ波除去するための)信号フィルタ170を介してコンパレータ172のプラス入力端に供給され、そのマイナス入力端はノード点174と接続される。このノード点は抵抗176を介してマイナス線路122と、また抵抗178を介してノード点180と接続される。ノード点180は抵抗182を介して線路184と接続される。線路184は+5Vの制御電圧に接続される。従って抵抗176での電圧は、どの程度の電流で最大電流の識別(検出)が応答するかを設定する基準電圧Urefをなす。
【0029】
ノード点180は抵抗186を介してnpnトランジスタ188のコレクタと接続される。このトランジスタでは過電流の際に(ローの)信号Imaxが形成され、従ってこのトランジスタは結合素子152および160並びにμC40に直接接続され、さらに抵抗190を介して線路184と接続される。
【0030】
トランジスタ188のエミッタはマイナス線路122と接続される。このトランジスタのベースは抵抗191を介して2つのダイオード192,194のカソードと接続され、これら2つのカソードは抵抗193を介してマイナス線路122(GND)と接続される。ダイオード192のアノードはコンパレータ172の出力端と接続される。
【0031】
測定抵抗138での電圧は、信号フィルタ196を介してコンパレータ198のプラス入力端に供給され、このコンパレータのマイナス入力端はノード点174と接続される。コンパレータ198の出力端はダイオード194のアノードと接続される。
【0032】
測定抵抗134を通る電流が過度に高い場合、コンパレータ172のプラス入力端はマイナス入力端に対して正となるため、トランジスタ188はダイオード192を介してベース電流を受け取り、スイッチオンされる。抵抗138を流れる電流が過度に高い場合、コンパレータ198のプラス入力端はそのマイナス入力端に対して正となるため、トランジスタ188はダイオード194を介してベース電流を受け取り、導通する。
【0033】
両方の場合とも、この結果、抵抗186が抵抗176,178に対して並列に接続される。これにより抵抗182を通る電流が増加し、従ってこの抵抗での電圧降下が増大する。従ってトランジスタ188が導通すると直ちに自動的に基準電圧Urefが低下し、これはスイッチヒステリシス(Schalthysterese)へ作用する。すなわちコンパレータ172は、例えば3Aの過電流の際にはスイッチオンし、約1.6Aになってから初めて再びスイッチオフする。コンパレータ198も同様に作動する。これは、上段トランジスタ114,130は例えば3Aの際に強制的にスイッチオフされ、抵抗134または138での電流が1.6Aに降下してから初めて再びスイッチオンできる(スイッチオンしなければならないのではない)ことを意味する。これによって上段トランジスタ114、130の過負荷は阻止される。すなわちちょうど導通しているトランジスタは、過電流の場合、ローの信号Imaxがトランジスタ188のコレクタに生成されると直ちに、完全に遮断される。そしてこのトランジスタは、信号Imaxがもはや生成されなくなり、かつこのトランジスタに対する他のスイッチオン基準(これについては後に詳細に説明する)が存在してから初めて再びスイッチオンすることができる。
【0034】
2つの上段トランジスタ114、130が遮断され、かつ、2つの下段トランジスタ132、136が導通している場合に対してゼロ(零点、零位(線))通過を識別(検出)するために、コンパレータ202が用いられる。このコンパレータ202のマイナス入力端はコンパレータ172のプラス入力端と、コンパレータ202のプラス入力端はコンパレータ198のプラス入力端と接続される。
【0035】
既に導通している上段トランジスタ114または130が遮断された後、2つの下段トランジスタ132、136が導通制御されると、巻線102に蓄積されていた電気エネルギーにより生成される電流によって、2つの抵抗134、138に電圧降下が生ずる。巻線102を流れる電流が電動機的作動モードから発電機的作動モードへ移行すると、図3の個所222に示す場合のように、この電流はその方向を変化させ、その時にゼロを通過する。
【0036】
例えば電動機的作動モードの電流が端子106から抵抗138、134を介して端子104へ流れる場合、コンパレータ202のプラス入力端はそのマイナス入力端に対して正である。ゼロ通過の後、電流は端子104から抵抗134、138を介して端子106へ流れ、今度はコンパレータ202のマイナス入力端がプラス入力端に対して正となる。従って電流のゼロ通過の際に信号Iminはコンパレータ202の出力端で跳躍的に変化する。すなわち、LowからHighへ、またはHighからLowへ変化する。従ってゼロ通過時に急激な信号変化(切替エッジ)がコンパレータ202の出力端に発生し、これはμC40での割込みに作用する。この割込みにより4つのトランジスタ114、130、132、136はすべて遮断される。この割込みはImin割込みと称し、後で図19に基づき詳細に説明する。
【0037】
図1の基本的作動態様を説明する。図2と図3を参酌して、非常に概略的に作動を説明する。図2は、従来技術のモータのステータにおける電流推移を示す。図3は、本発明のモータの一例についての同様の電流推移を示す。図2と図3は、360゜elの回転角度にわたり以下の値を示す:
a)ロータ108の磁束密度(“誘導”)B
磁束密度はテスラ(T)で測定される。その推移はこの実施例ではほぼ台形状である。これを“台形状の磁化”と呼ぶことができる。これは、本発明の枠内において、Bの有利な推移であるが、Bのただ1つの可能な推移ではない。
【0038】
ロータ108が回転するとき、磁束密度Bの変化は、ステータ巻線102に電圧を誘導する。この電圧の形状はBの形状に相応する。従ってこの実施例では同様に台形状である。この電圧の振幅は回転数の上昇と共に増大する。この電圧を“誘導電圧”または“逆起電力(Gegen-EMK,counter EMF)”と称する。
【0039】
b)図2は、従来のモータでのステータ電流の電流推移を示す。
巻線102を流れる電流iは通常、時間的に0゜el後に開始し、この領域ではBの値が低い、すなわち逆起電力が小さいため、最初は210で急激に立ち上がる。この立ち上がりにより、電流iにより供給されるエネルギーの一部が−時間的に遅延されて−ロータ108の運動エネルギーに変換される。次に電流iは211では、逆起電力が比較的大きいため、極小値212まで再び少し低下する。図2、すなわち従来のモータでは、212から、電流iは極大値216まで上昇し、ここで電流iは遮断され、その後、曲線218に沿ってゼロまで低下する。ゼロ通過217はこの例(図2)では、180゜elのやや前で達成されるが、ホール発電機110の角度位置(Winkelstellung)に応じて180゜elの後であっても良い。
【0040】
端子106から端子104へ流れる電流iに対しては、装置構成が対称的であるので、同様の推移が生じるので、再度説明はしない。電流iは図2では180゜elで開始する。
【0041】
個所217と電流iの開始との間の時間間隔Pを切替休止または切替ギャップPと称する。これはHブリッジ137の短絡を阻止するためにとりわけ必要である。(図1で例えばトランジスタ114と132が同時に導通するとすれば、これらトランジスタを通ってプラス線路116からマイナス線路122への短絡電流が発生することになるであろう。)
【0042】
凡そ0゜elから極大値216までの角度領域で、従来の転流によるECMの場合、巻線電流iは時間的に遅延されてロータ108の運動エネルギーに変換される。
【0043】
個所216で電流iが急激に遮断されると、巻線102に、この電流iをさらに流し続けようとする高い誘導電圧が発生する。その結果、電流iは個所216と217との間でフライホイールダイオード132’および130’を介してコンデンサ126へ流れこみ、これを充電する。ここで巻線102に蓄積されたエネルギーEはほとんど完全にコンデンサ126に移しかえられる。従って従来のモータでは、線路116と122との間で電圧が過度に強く立ち上がらないようにするためには、このコンデンサを非常に大きくしなければならない。。エネルギーEは時点216での電流Iの二乗と、巻線102のインダクタンスLに依存する。次式が成立する
E=I2*L/2 (1)
ここで
E=巻線102に蓄積された磁気的エネルギー
I=巻線102の瞬時(実際ないしその時々:augenblicklich)の電流
L=巻線102のインダクタンス
Iは遮断時には非常に大きいので、巻線102に誘導的に蓄積されるエネルギーEも非常に大きい。
【0044】
このエネルギーは巻線102の遮断後、コンデンサ126に伝達される。従って無効電力がコンデンサ126と巻線102との間で往復することとなる。従来のモータではこの無効電力は大きいので、コンデンサ126も大きくなければならない。この無効電力のため流れる大電流によって、モータの効率を低下させる不必要な損失が発生する。
【0045】
これに対し、本発明ではこの無効電力は低減される。すなわち、本発明では、遮断時に巻線102からコンデンサ126へ逆流するエネルギーをできるだけ小さくするのではなく、このエネルギーによりロータ108を駆動するのである。
【0046】
本発明のよる転流プロシージャ(図3)
この理由から図3では、従来技術とは大きく異なる転流プロシージャが使用される。図3でも電流iはスイッチオン後、210で大きく立ち上り、211で減少する。この点においては推移は図2と同様である。しかし以下の点で異なる:
【0047】
a)線路116,122から巻線102へのエネルギー供給がμC40により計算された個所214で遮断される。通常そこでは、モータ電流iがまだその極大値216(図2)に到達していない。遮断時点214の計算は、図30に示されている。遮断は、瞬時に(当該時点で:augenblicklich)導通している上段トランジスタ(114または130)が個所214で遮断されることにより行われる。以下に図25で一例としてこれがどのように行われるかを説明する。
【0048】
b)次に時点214で、通常は短い休止の後に、2つの下段トランジスタ132と136が導通制御される。図25、S840参照。これにより電流iはこの2つのトランジスタを通ってさらに流れることができ、電流はFET136内をドレインDからソースSへ流れる。このことはFETの場合は可能である。これにより巻線102の端子104と106との間の低抵抗の接続が形成され、この接続時に電流iは曲線220に沿って減衰する。このとき電流はロータ108をさらに駆動する。すなわち電動機的エネルギーを生成する。
【0049】
c)個所222で電流iはゼロを通過し、その後は、トランジスタ132と136がさらに導通しているとすれば、発電機的電流224としてとしてさらに流れることとなるであろう。この電流224は点線で示されている。この電流は制動的に作用することとなるものであるので、望ましいものではない。
【0050】
この電流を阻止するため、演算増幅器202(図1)により個所222の領域で信号Iminが生成される。この信号はμC40でImin割込みを構成する。従ってμC40はHブリッジ137の4つのトランジスタ114、130、132、136をすべて直ちに非導通制御する。このことは図3の実施例ではポイント222の直後に行われる。
【0051】
時点222で電流i=0であるので、すべてのMOSFETの遮断時に巻線102にはエネルギーはもはや蓄積されない。その結果、巻線102の遮断後にエネルギーが巻線102からコンデンサ126へ逆流することもない。
【0052】
巻線102にはこの時点でまだ、ロータ磁石108により誘導された電圧が存在するが、この電圧は時点222では小さく、通常はほんの数Vであり、従って障害とはならない。
【0053】
そして、短い切替休止P1後、電流iがスイッチオン(投入)される。このスイッチオンのための時点はμC40により計算される。図30参照。
【0054】
モータのスタート時には、曲線220の電流iが値ゼロに達するまでかなり長く掛かるであろうから、従ってここでは電流は特別の関数、いわゆるTIMEOUT関数により所定時間後、例えば500〜800μs後に遮断される。この遮断は、たとえ電流i(またはi)が値ゼロにまだ達していなくても行われる。従ってここでは、上段トランジスタ114、130が遮断される個所214に達してからの時間T3と電流Iminが監視される。Hブリッジ137のすべてのトランジスタは、遅くともT3の経過後、遮断されるか、またはImin割込みがT3の終了よりも早期に発生する場合、このImin割込みの形成時に遮断される。T3は典型的には500〜800μsの領域にある。
【0055】
図4は巻線102を流れる電流を示す。この電流は作動時に実際に測定されるものであり、線路116(図1)の電流Iも比較のために示されている。巻線102を流れる電流は、ロータ108の回転時にその方向を変化させる。他方、電流Iは一方向にだけ流れる。電流Iは分かり易く比較するためにゼロライン98を基準にして下方にプロットされている。
【0056】
時点t10では、電流iは、ここで遮断命令を受け取り、そのため、上段トランジスタ130は遮断され、短時間の遅延後に2つの下段トランジスタ132、136がスイッチオンされる。このことにより電流iは曲線220Aに沿って減衰する。
【0057】
時点t11で電流iはゼロを通過し、時点t12で上述したImin割込みが作動する。このImin割込みにより4つすべてのトランジスタ114、130、134、138が遮断され、これにより巻線102にはt12の直後の時点から時点t13まで電流が流れない。
【0058】
μC40で計算される時点t13(図30参照)で、電流iがスイッチオン(投入)される。このスイッチオンは、トランジスタ114と138が導通制御されることにより行われる。従って電流iは図示のように上昇する。μC40で計算される時点t14でiは遮断される。この遮断は、上段トランジスタ114が遮断され、下段トランジスタ132、136が両方とも導通制御されることにより行われる。その結果、電流iは曲線220Bに沿って減少し、時点t15で値ゼロに達する。その直後に、Imin割込みが作動し、4つすべてのトランジスタ114、130、132、136は時点t16まで遮断される。そしてこの時点t16でトランジスタ130と132がスイッチオンされ、これにより電流iは流れることができる。
【0059】
図4は、t10の左に線路116の電流Iを示し、これは巻線102の電流iと同じである。
【0060】
時点t10で電流Iはプラス線路116から流れることができなくなる。なぜなら上段トランジスタ130が開成され、2つの下段トランジスタ132、136が導通するからである。その結果、電流iはこの2つのトランジスタを通ることによってのみさらに流れる。従って電流Iはt10からt13の間、実質的に値ゼロに留まる。
【0061】
t13からt14までは、電流Iは電流iに対して(ゼロライン98に関し)鏡像的に推移する。すなわちこの2つの電流は絶対値的には同じ大きさである。t14からt16まで、電流Iは値ゼロを有し、t16から電流Iは再びiと実質的に同じ値を有する。ここでは場合によりt16の直後に、付加的に少々エネルギーがコンデンサ126から供給される。
【0062】
従って本発明により、エネルギーが巻線102とコンデンサ126との間で往復することが回避され、その結果、コンデンサ126をこれに応じて比較的小型にすることができる。
【0063】
図5は、電流制限を使用した場合の電流の典型的推移をオシログラフに示したものである。この電流制限は、電流iとiをこの実施例では3Aの値Imaxに制限する。
【0064】
t20で電流iがスタートする。μC40での転流制御によって、時点t21で電流iはトランジスタ114の開成により遮断される。そして2つのトランジスタ132、136の閉成によって巻線102はt21から時点t22まで短絡される。
【0065】
t23からトランジスタ130、132がスイッチオン(投入)され、これにより電流iが流れる。
【0066】
この電流iには急速に負の電流制限値−Imaxまで上昇する。時点t24で上段トランジスタ130が信号Imaxにより遮断され、その結果、電流iは時点t25に達するまで降下する。このとき2つのトランジスタ132、136は導通制御される。t25では、iが1.6Aまで降下したのでトランジスタ188は信号Imaxを再び遮断する。その結果トランジスタ130が再び導通しiは再び上昇する。
【0067】
時点t26で転流制御によりトランジスタ130が開成され、2つの下段トランジスタ132、136がスイッチオンし、t27でiは値ゼロに達する。t28でトランジスタ114と136が導通制御されることにより新たにiが、スイッチオンされる。
【0068】
信号Imaxがローになるごとに、信号PWMのデューティ比pwmがやや低減される。図17のS508を参照。これにより数回転後、値+Imaxと−Imaxには到達しなくなり、再び図3のような「滑らかな」電流形状が得られる。最大電流が再びImax(3A)未満に低下される間、値BWは制御器(図30)により、それが可能である限り増大される。そしてデューティ比pwmも場合により、モータが再び正常に、すなわち所望の回転数で運転するまでゆっくりと上昇される。場合によりこの過程は繰り返すこともできる。すなわちpwmが過度に強く上昇する場合に、信号Imaxが再び生成することも可能である。
【0069】
図5には、転流制御が該当する電流を遮断する個所がt29からt32により示されている。電流制限が適用される値は+Imaxおよび−Imaxにより示されており、スイッチヒステリシスによる電流値は+ImaxHYおよび−ImaxHYにより示されている。この実施例の場合、Imax=3Aであり、ImaxHY=1.6Aである。
【0070】
図6は、前記の過程を状態チャートを用いて具体的に再度示したものである。230でモータ100は図3の領域210、211に存在し、線路116、122からモータ100へのエネルギー供給が終了されるべきポイント214に到達したか否かが監視される。
【0071】
230で、通電の終了がまだ達成されていないことが検出されると、状態234で通電が継続され、次いで再び230で時点214に到達したか否かが監視される。到達していれば、モータ100は状態236HS OFFに移行し、ここで2つの上段トランジスタ114,130が遮断される。これによりモータ100へのエネルギー供給が中止される。
【0072】
次にプログラムは短い遅延DELAY238へ進み、そして状態LS ON 240において2つの下段トランジスタ132、136をスイッチオンする。その結果、巻線102は実質的に短絡状態で駆動され、電流は曲線220(図3)に沿って減衰する。このことは次の状態242(「電流がゼロに降下するまで待機」)で監視される。このとき巻線102の電流はロータ108をさらに駆動する。
【0073】
電流が値ゼロに達すると、コンパレータ202により信号Iminが生成され、Imin割込み244が作動する。
【0074】
同時に、246では関数TIMEOUTにより所定の時間T3(図3)が満了したか否かが監視される。
【0075】
2つのイベント(TIMEOUT246またはImin割込み244)のうち早期の方により状態248へ移行する。すなわちHブリッジ137の4つのすべてのトランジスタが完全に遮断される(LS OFF&HS OFF)。この状態では、ロータ108の運動エネルギーを発電機的にはコンデンサ126へ伝達することはできない。なぜなら、ロータ108により発電機的に生成された電圧の瞬時値(Augenblickswert)は線路116と122との間の電圧よりも低いからである。
【0076】
巧妙なエネルギー管理により、ここで、冒頭に述べたモータ100の「呼吸」が(ほぼ)阻止される。すなわちモータ100の通常運転時には僅かな無効電力しか巻線102とコンデンサ126との間で往復して移動しないこととなる。しかしImin割込み244の生成は、所要の計算ステップの持続時間のために、ゼロ通過の時点222(図3)において正確に行うことはできず、ややその後で実行されるので、やはりコンデンサ126はモータからのエネルギーを中間蓄積するために必要である。しかしこのコンデンサは従来よりも格段に小さくすることができる。このコンデンサは、モータの遮断時にエネルギーを吸収し、線路116と122との間での電圧が過度に上昇することを回避するためにも必要である。
【0077】
最大電流識別の機能
コンパレータ172と198による最大電流識別についてはすでに図1、図3、図4および図5で説明した。この最大電流識別は信号Imaxを生成し、この信号Imaxは結合素子152、160(図1)を介して直接、上段トランジスタ114、130に作用し、過電流の際に、その時導通しているトランジスタ114または130を直ちに遮断する。さらに信号ImaxはμC40にも供給され、そこでImax割込みを生成する。このImax割込みによりとりわけプログラムステップが初期化され、このプログラムステップは後続の電流パルスに関し、もはや過電流が発生しないように巻線102を通る電流を低下させる。
【0078】
即ち、測定抵抗134、138を流れる電流が、抵抗176で調整された値(図1にはUrefとして示されている)を上回ると、μC40でImax割込みが生成され、上段トランジスタ114、130が直接、ハードウエアにより遮断される。短い遅延の経過後、2つの下段トランジスタ132、136がスイッチオンされ、これにより巻線102の端子104、106は2つのFET132、136により短絡される。引き続くプログラムステップは実質的に、モータの形式と回転数に依存する。すなわち種々のバリエーションをとることが可能である。
【0079】
1つのバリエーションでは、巻線102の電流が値ゼロに到達すると、すでに述べたような態様でImin割込み244が生成される。安全のために付加的に、LS ON240(図6)からの時間がすでに説明した機能TIMEOUT246によって測定される。
【0080】
Imin割込み244が生成される前に時間TIMEOUTが経過すると、命令OFFが2つの下段トランジスタ132、136に対して作用する。Imin割込みが早期に生じる場合、このImin割込みは信号LS OFF(OFF=遮断(AUS))に影響を及ぼす。遅延の後、巻線102の通電が継続される。すなわちロータ108の瞬時(実際:augenblicklich)の回転位置で巻線102の電流が104から106へ流れるべき場合、トランジスタ114、136は再びスイッチオンされ、トランジスタ130、132はスイッチオフされたままとなる。逆方向の電流の場合(106から104)、同様に反対の作動態様が当てはまる。
【0081】
図7は、電流パルスi,iを概略的に示す。これらの電流の振幅A1は個所250,251で電流Imax(3A)に達する。そのためこれらの個所では電流制限が適用され、電流は個所252ないし253まで降下する。そこで電流は再びスイッチオンされる。なぜなら、(ローアクティブな)信号Imaxがもはや生成されないからである。そして再び個所255ないし257まで上昇する。この個所では遮断命令がμC40により発生される。2つの個所250と251でデューティ比pwmは図17のプログラムステップS508により低減され、これにより振幅A1は低下される。
【0082】
図8によれば、このデューティ比pwmの低減により、時間遅延の後、モータ100の電流の振幅A2は3A未満のある値に低減される。このことは図8の白い矢印254、256により示されている。図7では、パルスのブロック長は値BW1、すなわちこのパルスに対するスイッチオン命令からスイッチオフ命令までの時間を有する。
【0083】
振幅をA1からA2に低減したことに対する補償として図8では、パルスi、iの制御に対するブロック長BWが値BW2に延長されている。このことは黒い矢印258により示されている。これによりモータ100に供給されるエネルギーは変化しない。すなわち、図7の曲線iの下方の面積F1は図8の曲線iの下方の面積F2に実質的に相当する。これを例えていえば、図8の力254、256によってパルスi,iが圧縮されて少々幅広になり、このため振幅A1には達しなくなるが、図8の電流i,iの小さくなった振幅A2はそのブロック長BW2を増大することにより補償されるのである。
【0084】
このことが重要であるのは、最大電流を超える際、図5に示した過程による損失が増大し、MOSFETが過負荷される危険があるからである。またモータ100は、その調整された最大電流未満の電流で駆動した方がより静粛に運転される。もちろんパルスiとiが到達してよいのは、180゜elよりやや小さいブロック長BWまでである。そうでないとブリッジ短絡が発生してしまうからである。
【0085】
パルスi1,i2のブロック長BWが過度に大きくなると、ブロック長BWはモータのソフトウエアにより短縮され、この場合は補償のために振幅が高められる。すなわちモータは傾向的に、図8の状態から図7の状態へ移行する。この場合、矢印254、256、258の方向は反対になる。
【0086】
起動の際には場合により電流制限により起動電流が制限される。しかし過電流なしの起動が次のようにして可能となる。すなわち、信号PWM(図1)のデューティ比pwmをランプ(波形:Rampe)状にゆっくりと増大するのである。
【0087】
本発明を実現するために、モータのソフトウエアによって、
a)どのようなデューティpwn比を信号PWMは瞬時(im Augenblich)に有するべきか、
b)どの時点で電流パルスをスイッチオンしなければならないか、及び
c)どの時点で電流パルスをスイッチオフしなければならないか、
が計算される。このことを以下、詳細に説明する。
【0088】
ブロック長BWはこの実施例では回転数制御器により計算される。回転数制御器については図30で説明する。従ってBWは計算のために予め設定され、信号PWMのデューティ比pwnには依存しない。(もちろんBWの計算の際にデューティ比を完全にまたは部分的に考慮することはできる。しかしそのような考慮をしなければ短いプログラムが得られ、このことはモータの場合、重要である。)
【0089】
図9は、この実施例で使用されるマイクロコントローラ(μC)40の回路の一部を示す。この実施例ではマイクロコントローラはArizona Microchip社の形式PIC16C72Aである。このマイクロコントローラはこの実施例では4MHzのクロック周波数で作動する。このマイクロコントローラは1から28の28個の入力端を有し、これらを次のように示す:
1 MCLR/(リセット入力端)
2〜7 RA0...RA5
8 VSS(アース端子)
9 CLKIN
10 CLKOUT
11〜18 RC0...RC7
19 VSS1(アース端子)
20 VDD(+5V)
21〜28 RB0...RB7
【0090】
端子RA1〜RA5、RC3、RC4およびRB1〜RB5はそれぞれ抵抗R(10kΩ)を介してアースGNDと接続される。なぜならこれらの端子は(この実施例では)使用されないからである。これらの抵抗は、図面を分かり易くするために図10には図示されていない。
【0091】
端子CLKINとCLKOUTは水晶発振子42と接続されている。端子VSSとVSS1はアースに接続され、端子VDDは+5Vの(制御された)プラス線路に接続される。端子VDDとVSSとの間にはフィルタコンデンサ44(例えば100nF)が接続される。
【0092】
リセット入力端MCLR/は抵抗46を介してノード点48と接続され、このノード点は抵抗50を介して+5Vと、またコンデンサ52を介してGNDと接続される。コンデンサ52はスイッチオン時に放電され、従って入力端MCLR/はそのとき電位0Vを有する。このため、スイッチオン時にリセット過程はトリガされる。その後、コンデンサ52は抵抗50を介して5Vに充電される。
【0093】
RA0は、μC40のプロセッサ内部A/D変換器の入力端である。この入力端には0〜4.5V(Vcc)の間の電圧を供給することができ、この電圧はデジタル信号に変換される。RA0での信号は、所望の回転数に相応する。この所望の回転数は入力端261にPWM信号262として供給され、このPWM信号のデューティ比pwmは回転数情報を含む。
【0094】
コンパレータ264は、PWM信号262を処理し、制御された振幅aに正規化ないし規格化(standardisieren)するのに用いる。このコンパレータ264の+入力端はノード点266に接続され、このノード点は抵抗268を介して+5Vの一定(制御:geregelt)された電圧に接続され、かつ抵抗270を介してGNDに接続される。+5V一定の(制御)電圧はμC40にも供給される。抵抗268,270は、ノード点266が+2.3Vの電位になるよう選択される。
【0095】
増幅器264のマイナス入力端はノード点272に接続され、このノード点は抵抗274を介して入力端261と接続され、かつ抵抗276を介してGNDと接続される。抵抗274と276は同じ大きさとすることができる。
【0096】
増幅器264の出力端278はプルアップ抵抗280を介して+5Vと接続され、かつ抵抗282を介してRA0と接続される。RA0とGNDとの間にはコンデンサ284が接続されている。構成素子282と284は2つ合わせてローパスフィルタを形成する。
【0097】
信号262は増幅器264により反転される。出力端278の一定の振幅aを有する信号286を参照せよ。この信号286はローパスフィルタ282、284によって直流電圧に平滑化される。この直流電圧は入力端RA0に供給され、そこで問い合わせのたびにデジタル値に変換される。信号286は信号262とは異なり、(1つの)定められた振幅aを有するので、そのデューティ比は(1つの)定められた直流電圧と(1つの)定められたデジタル値に変換される。
【0098】
また、入力端RA0での信号を他の任意の仕方で、例えばポテンシオメータによって生成することもできる。このプロセッサではRA0での最大振幅が5Vに相応する。これは内部A/D基準に相応する。
【0099】
μC40はリングカウンタTIMER1並びにRAMおよびROMを有する。付加的にさらに外部RAM、EEPROM等を設けることもでき、このことは当業者には周知である。
【0100】
図10と図11は図1の回路を詳細に記載した一実施例を示す。図10は、ImaxとIminを識別(検出)するためのハードウエア、並びにホール発電機110を示す。図11は、μC40、およびこれにより制御されるHブリッジ137を示す。同じ部材または同じ作用の部材には上述した図面と同じ参照符号が付してあり、一般的には再度説明しない。
【0101】
図10から図11への移行部は、(Hブリッジ137に対しては)290,292により、信号HALLに対しては294により、信号Iminに対しては296により、信号Imaxに対しては298により表されている。これらは図1にも示されている。
【0102】
図10はホール発電機110を示し、その出力信号はコンパレータ300により増幅される。コンパレータの出力端294はプルアップ抵抗302を介してプラス線路43(+5V、一定(geregelt))と接続される。矩形信号HALLはμC40の入力端RB0に供給される。そこでこの信号の各エッジはホール割込み(Hall-Interrupt)に影響を及ぼす。図16参照。ホール発電機110には抵抗304を介して線路43から電流が供給される。
【0103】
コンパレータ172のプラス入力端は抵抗305を介してその出力端307と接続され、抵抗306を介して点290と接続され、またコンパレータ202のマイナス入力端と接続され、コンデンサ308を介してGNDと接続される。抵抗306とコンデンサ308は2つ合わせて図1のローパスフィルタ170を形成する。出力端307は抵抗309を介してプラス線路43と接続される。
【0104】
同じようにコンパレータ198のプラス入力端は抵抗309を介してその出力端311と接続され、抵抗310を介して点292と接続され、およびコンパレータ202のプラス入力端と接続され、さらにコンデンサ312を介してGNDと接続される。抵抗310とコンデンサ312は2つ合わせて図1のローパスフィルタ196を形成する。出力端311は抵抗314を介してプラス線路43と接続される。
【0105】
コンパレータ172、198のマイナス入力端はノード点174と接続され、このノード点には抵抗176での比較電位Urefが与えられる。
【0106】
コンパレータ202のプラス入力端は抵抗316を介してその出力端318と接続され、この出力端は抵抗320を介してプラス線路43と接続される。
【0107】
信号Iminはコンパレータ202の出力端318で得られる。この信号は抵抗297を介してμC40のポートRB7に供給される。出力端318は、モータ電流のゼロ通過の際にすでに述べたようにその電位を変化する。移行時の切替えエッジ(Schaltflank)はμC40でImin割込みを引き起こす。後の図19を参照のこと。
【0108】
例えば3Aのステータ電流により、抵抗134での電圧降下が抵抗176での電圧Urefより大きくなると、コンパレータ172の出力端は高抵抗となり、高電位を受け取る。これにより抵抗309およびダイオード192を介してベース電流がトランジスタ188へ流れ、これを導通する。これにより点298での信号Imaxはローに(低く)なり、これによりノード点180と174の電位は低下する。このことはすでに説明したスイッチヒステリシスに影響を及ぼす。すなわち電圧Urefは相応に小さくなり、信号Imaxは、抵抗134での電流が例えば1.6Aまで低下してから初めて再びハイとなる。ダイオード192、194のカソードは夫々共通の抵抗193を介してGNDと接続される。
【0109】
この装置は対称的であるので、抵抗138を通るステータ電流が値3Aを上回る場合に対しても同じことが当てはまる。この場合もトランジスタ188は導通し、前記のスイッチヒステリシスに影響を及ぼし、ロー信号Imaxが端子298に生成される。この信号は、当該電流が例えば1.6Aに低下してから初めて再びハイとなる。
【0110】
信号Imaxは図11では直接、結合素子152,160に供給され、これらの結合素子を介して上段MOSFET114、130を遮断する。信号Imaxはさらに抵抗324を介してμC40の入力端RB6に供給される。これにより2つの信号HSL及びHSRがローに切り替えられ、その結果上段トランジスタ114,130の一方は、
a)信号Imaxが再びハイとなり、かつ
b)所属の信号HSLまたはHSRが同様に再びハイとなって、
から初めて再びスイッチオンすることができる。
【0111】
このようにして以下のことが達成される:
・信号Imaxの生成の際、例えば電流が3Aになる際、上段トランジスタ114と130はハードウエアを介して直接遮断され、その直後に、付加的にμC40により遮断される。
・信号Imaxの終了後も、μC40は上段トランジスタ114、130へのコントロールを維持でき、例えば時間BW(図7及び図8)が経過(満了)されている場合、これらを引き続いて遮断できる。
【0112】
図11によれば結合素子152はノード点326を有し、このノード点は抵抗328を介してμC40のポートRC0と接続され、そこから転流のための信号HSLを受け取る。さらにノード点326には3つのダイオード330、331、332のアノードが夫々接続される。ダイオード330のカソードはポートRC2と接続され、このポートには常時、PWM信号PWM(20kHz)が生成される。このPWM信号のデューティ比pwmはソフトウエア命令により変更可能である。ダイオード331のカソードは点298と接続され、この点には信号Imaxが供給される。ダイオード332のカソードはnpnトランジスタ148のベースと、抵抗334を介してGNDと接続される。トランジスタ148のエミッタはGNDと接続され、そのコレクタは抵抗336を介してMOSFET114のゲートGと接続される。このゲートGは抵抗338及びこれと並列に接続されたコンデンサ340を介して線路116、すなわちモータ100の駆動電圧と接続される。この駆動電圧は中間回路電圧(dcリンクの電圧:voltage on dc link)と称することができる。
【0113】
ダイオード330、331が非導通であり、かつポートRC0からハイの信号HSLが供給される限り、ノード点326は高電位を有し、ダイオード332は導通し、トランジスタ148にベース電流を供給する。その結果、このトランジスタ148は導通し、抵抗338、336を介して電流が流れる。その結果、トランジスタ114のゲートGで信号が形成され、この信号はトランジスタ114のソースSの信号よりも数Vだけ低い。その結果、トランジスタ114は完全にスイッチオンされる。コンデンサ340はスイッチング過程に小さな遅延を引き起こし、発振を阻止する。
【0114】
ここでもロッキングダイオード(Verriegelungsdiode)166のカソードは電位GNDを受け取り、その結果、MOSFET132のゲートGにはこれをスイッチオンするための正の電位を供給することができない。すなわちトランジスタ114、132は相互にロックしあう。
【0115】
例えばダイオード330、331の1つが導通するか、またはポートRC0からローの信号HSLが供給されるので、ノード点326の電位が低下する(ローになる)と、ダイオード332は遮断され、その結果、トランジスタ148はベース電流を受け取らなくなり、遮断される。これによりMOSFET114のゲートGは抵抗338を介してプラス線路116の電位を受け取り、従ってMOSFET114は遮断される。ロッキングダイオード166のカソードはこれによりハイの電位を受け取り、その結果、下段MOSFET132をスイッチオンすることができる。
【0116】
ポートRC6からの信号LSLは抵抗342を介してnpnトランジスタ140のベースに供給される。この信号がハイであるか、またはロッキングダイオード166のカソードが低(ローの)電位にある限り、トランジスタ140のコレクタには低(ローの)電位が印加される。この低(ローの)電位は抵抗346を介してMOSFET132のゲートに供給され、これを遮断する。このゲートはコンデンサ348を介してGNDと接続され、これによりスイッチング過程をやや遅延する。
【0117】
ポートRC6の信号LSLがローである場合、トランジスタ140は遮断される。ダイオード166のカソードでの電位がハイである限り、抵抗344を介して高(ハイの)電位をトランジスタ140のコレクタで受け取り、このことは抵抗346を介してMOSFET132を導通させる。抵抗350とダイオード352を介して、MOSFET132のゲートはダイオード166のアノードと接続され、ダイオード166のカソードがGNDになると、MOSFET132のゲートでの正の電位が直ちに抵抗350、ダイオード352およびダイオード166を介してGNDへ放電される。その結果、MOSFET132は遮断される。抵抗350は有利には抵抗346より小さいので、充電時定数の放電時定数に対する比率を変化することができる。これらの時定数は、ゲート容量および回路中のその他の容量の関数でもある。
【0118】
図11の回路の右半分はその左半分と完全に対称的に構成されているので特別に説明しない。なぜなら当業者であれば、左半分についての詳細な説明から右半分がどのように動作するかを容易に理解できるからである。例えば左半分のダイオード352には右半分のダイオード352’が相当する。右ロッキングダイオード168は左半分のロッキングダイオード166と同じ作動態様を有し、MOSFET130と136が同時に導通するのを阻止する。信号HSRはポートRC1から抵抗356を介して結合素子160のノード点358に供給され、信号LSRはポートRC7から抵抗360を介してnpnトランジスタ144のベースに供給される。モータ100がブロックされるとき、すなわち回転が妨げられる場合、ポートRC5に信号ALARMを生成することができる。
【0119】
ロッキングダイオード166、168はとりわけ、EMVが原因の電流スパイクにより回路状態がコントロールできなくなることへの保護素子として作動する。関連するトランジスタのゲートGが充電または放電されなければならないのでスイッチング過程(MOSFETのスイッチオン、スイッチオフ)は常に一定の時間持続する。従って完全な保護は不可能であるが、この簡単な手段により、このようなスパイクが発生した場合、Hブリッジ137の各トランジスタを十分に負荷軽減することができる。
【0120】
図10および図11の構成素子の有利な値
水晶42 4MHz
コンデンサ44 100nF
抵抗46 100Ω
抵抗50、176、302、306、310、314、320 10kΩ
コンデンサ52、308、312、340 1nF
ホール発電機110 HW101G
OP増幅器172,198,202,300 LM2901P
抵抗134、138 0.15Ω
抵抗178 75kΩ
抵抗182 33kΩ
抵抗186 15kΩ
トランジスタ188 BC846B
抵抗190 22kΩ
抵抗191 0.1kΩ
抵抗193、309、316 1MΩ
ダイオード192、194 BAV70
抵抗280 3.3kΩ
抵抗282 6.8kΩ
コンデンサ284 220nF
抵抗297 2kΩ
抵抗304 1.2kΩ
MOSFET114、130、132、136 IRF7379
(構成素子IRF7379はPチャネルMOSFETとNチャネルMOSFETを同じケーシングないに含む)
抵抗328、338 2.2kΩ
ダイオード330、331、332 BAW56S
抵抗334、334’、344 5.1kΩ
トランジスタ140、144、148、154 BC847BS
抵抗336 1.1kΩ
ダイオード166、168、352、352’ BAS316
ダイオード114’、118,130’、132’、136’ SMS2100
抵抗350 100Ω
抵抗346 330Ω
コンデンサ348 4.7nF
抵抗342、360 2.7kΩ
コンデンサ126 100μF、35V
コンデンサ126A 100nF
抵抗356 0.8Ω
これらはもちろん、12Vバッテリーで駆動されるモータ100に関連した単なる例示にすぎない。
【0121】
モータ100のソフトウエア
図12はロータ108の回転位置に依存する、モータ100でのプログラムステップの経過を概観的に示す図である。μC40により制御される電気モータは、その適用に応じて多数の付加的機能、例えば回転数制御、回転数制限、電流制限、一定電流での制御、警報信号の出力構成、エラー処理ルーチン等を有することができる。
【0122】
この実施例では、モータの回転数が目標値(例えば3000回転/分)に制御され、この目標値は例えば周囲温度に依存することができる。従って制御プログラムのためのこの目標値は頻繁かつ自動的に更新されなければならない。
【0123】
さらに回転数制御のためには瞬時(実際ないしその時々:im Augenblick)のモータの回転数の大きさ、例えば2990回転/分が分かっていなければならない。回転数のこの実際値も頻繁かつ自動的に更新されなければならない。
【0124】
さらにこのようなモータにおいては、場合により加速度が計算されなければならず、モータ電流に対するPWM信号が出力されなければならず、回転数制御の計算過程が繰り返し新たに(反復的に)実行されなければならず、場合によりモータの安定な運転を保証するために所定のパラメータが時々新たに初期化されなければならない、。
【0125】
さらにμC40は、回転数制御の計算に相応して、モータへの電流をスイッチオンおよびスイッチオフし、また瞬時(実際ないしその時々:augenblicklich)の回転位置に依存してモータ電流の方向を切り替えなければならない。これらの過程をすべて電気機械分野では転流(Kommutierung)と称する。転流は厳密な精度を以て実行されるべきである。なぜなら転流命令が非常に正確に実行される場合にのみモータは静粛に運転されるからである。これの意味するのは、転流に対するプログラム命令が存在しているか否か、及び当該命令が実行されなければならないか否かをプログラムは非常に頻繁に検査しなければならないということである。
【0126】
従って図12には、信号HALLのエッジ370、372の直後に(カウンタHALL_CNTの値に応じて)比較的に長い計算プロシージャで実行される大きな計算ループ374ないし376と、これに続く転流のみが検査され場合により制御される多数の短い計算ループ378が示されている。これらの短いループ378は互いに密に連続しているので、高い分解能(Aufloesung)が得られる。すなわち例えば転流に関して何かを変化すべきであるか否かが60〜100μsごとに検査される。
【0127】
図12は、例えば信号HALLのエッジ370の直後に長いループ374が実行されることを示しており、このループでは説明(Legende)380に応じ、回転数制御のための目標値が計算され、転流も検査される。
【0128】
大きなループ374には多数の短いループ378が続いており、これらの短いループでは説明382に応じ転流だけが検査され、場合により転流は変更される。
【0129】
信号HALLのエッジ372には、この実施例では長いループ376が続く。このループでは説明384に応じ次の計算ステップが実行される:
・実際値計算
・加速度の計算
・回転数制御
・信号PWMのデューティ比pwmの計算
・所定のレジスタの再初期化
・転流。
【0130】
この長いループ376には、再び、転流の監視および制御のための(複数の)短いループ378が続く。
【0131】
信号HALLの次のエッジではすでに説明した長いループ374が再び実行される。すなわちこの実施例では360゜elごとにこの過程が繰り返される。
【0132】
図13は所属のフローチャートを示し、このフローチャートは上に説明した各ループの基本的経過を概観的に示す。
【0133】
図13の一番上には割込みが390で示されており、この割込みについては後で図14から図20において詳細に説明する。割込みはその発生時に通常のプログラム経過を中断する。このことは矢印392により示されている。
【0134】
モータ100のスイッチオン時に通常のように、ステップS394でμC40の初期化が実行される。ここではとりわけフラグSTARTUPが1にセットされる。このフラグは、まず最初にモータ100の起動ないし回転立ち上り(Hochlauf)に対するプログラムステップを実行しなければならないことを指示する。このプログラムステップは、モータの公称回転数(Nenndrehzahl)の領域で実行されるプログラムステップとは異なる。
【0135】
次にS396で転流が制御される。この転流制御については図23から図26で詳細に説明する。この制御は非常に時間的にクリティカルであり、従ってフローチャートの開始時の短いループ382で実行される。
【0136】
次にS398で、フラグNEW_HALLが、信号HALLの最後の(後ろの)エッジ(を経過して)からすでに大きなループ374または376が実行されたことを指示しているか否かが検査される。
【0137】
このフラグが値1をまだ有していれば、プログラムはS400へ進み、そこでこのフラグを0にセットする。次いでS402で、HALL_CNTが0であるか、または2であるかが検査される。(変数HALL_CNTは図16のS454で生成される。この変数は所定のロータ位置に相応し、このロータ位置はモータのスイッチオン時にランダムに設定される。これは例えば0゜elおよび360゜elまたは180°elおよび540゜elである。)イエス(Y)であれば、プログラムは長いループ374へ進み、S404で目標値t_sの計算を実行する。この目標値はこの実施例の場合、入力端RA0のアナログ信号から計算される。図9参照。
【0138】
S402での応答がノー(N)であれば、プログラムは長いループ376へ進み、そこでS406とS408が実行される。ここでは実際値t_HALLと加速度(図29)が計算される。実際値の検出のためにここでは以下のことが実行される:
・2000回転/分未満では、信号HALLの隣り合う2つのエッジ370と372の間、または372と370の間の時間t_HALL、すなわち180゜elの回転に対する時間が測定される。
・2000回転/分以上では、信号HALLの第1のエッジと第4のエッジとの間の時間が測定される。これは4極ロータ108を使用する場合、360゜mech(機械角)=720゜elの完全な1回転に相当する。従って完全な1回転に対する時間を測定し、これを4で割るとt_HALLが得られる。
【0139】
これらの過程は後に図27と図28に基づいて詳細に説明する。
【0140】
S408にはS410が続き、ここでは回転数制御器RGLの計算過程が実行される。これは図30で詳細に説明する。
【0141】
次のS412でPWM信号のデューティ比pwmが計算され、出力端RC2で調整される。これについては図31参照。
【0142】
これにS414が続く。ここでは所定のレジスタ(複数)が新たに調整される。これはその値が既知でかつ変化しないレジスタであり、例えば回転方向またはコンパレータのコンフィギュレーションのためのレジスタである。これらのレジスタはEMV障害が甚だしい場合はその内容を変化することもあり得るであろう。初期化をすればこの内容は再び形成される。このことはこの実施例ではロータの1回転で2回実行される。
【0143】
プログラムステップS404またはS414の次に、プログラムは無限ループ416でステップS396に戻る。ステップS400でフラグ“NEW_HALL”が“0”に切り替えられたので(このことは、大きなループ374、376の1つを通過したことを意味する)、次いでS398での応答はノー(N)となり、再度短いループ382を通過する。これには数μsかかる。
【0144】
フラグNEW_HALLは、次のホールエッジ(Hallflanke)370または372においてHALL割込みの間に再び1に切り替えられる。図16のS452参照。従って、変数HALL_CNTの瞬時(実際ないしその時々:augenblicklich)の値により、大きなループ374または376の1つを再び一度通過する。
【0145】
モータ100が4極ロータ108を有し、かつ3000回転/分=50回転/秒で回転する場合、目標値および実際値は毎秒100回更新される。このことは高精度の回転数制御を可能にする。
【0146】
図14は割込みルーチン(ハンドラ:Handler)S420を示し、この割込みルーチンは割込み390(図13)を処理する。ここで使用されるプロセッサは任意の割込みの際に作動される割込みルーチンを有する。そして割込みルーチンは、どのような割込みであるか検出し、この割込みを処理するために必要なルーチンを実行する。従って割込み処理の前に、S420によって割込みソース、例えば信号Iminの発生または信号HALLのレベル変化が検出される。
【0147】
割込みルーチンS420は、S422でのリングカウンタTIMER1の割込みがμC40に存在するか否かの問い合せにより開始する。存在する場合にはS424で相応のルーチンが実行される。このルーチンはμC40の標準ソフトウエアの1つである。リングカウンタの割込みが存在しない場合、S426でホール割込みHALL_INTが存在するか否かが問い合わされる。存在する場合、S428で相応のルーチンが実行される。これは図16に示されている。
【0148】
S426での応答がノー(N)の場合、S430でImax割込みが存在するか否かが検査される。イエス(Y)の場合、S432でImax割込みルーチンが実行される。これは図17に示されている。
【0149】
S430での応答がノー(N)の場合、S434でImin割込みが存在するか否かが検査される。イエス(Y)の場合、S436でImin割込みルーチンが実行される。これは図19に示されている。
【0150】
S434での応答がノー(N)の場合、S438でTIMEOUT割込みが存在するか否かが検査される。TIMEOUT機能についてはすでに上記図6の242で説明した。このような割込みが存在する場合、S440でTIMEOUT割込みルーチンが実行される。これは図20に示されている。
【0151】
かくして割込みルーチンS420は終了する。しかしS438においても応答がノー(N)であるような場合はエラーが存在している。そしてプログラムはS442に進み、ここで相応のエラー処理が実行される。このエラー処理はμC40で実行することができる。
【0152】
図15は、ホール割込みの処理のための図16に示すルーチンを説明するものである。
【0153】
図15aは、μC40のポートRC2における信号PWMを示す。この信号は連続的に生成され、例えば20kHzの周波数を有する。そのデューティ比pwmはプログラム制御的に調整することができる。図21および図22参照。
【0154】
図15bは信号HALLを示す。この信号はローからハイに移行するときに立上りエッジ370を有し、ハイからローへ移行するときに立下りエッジ372を有する。
【0155】
エッジが発生する時点t1,t2等はリングカウンタTIMER1により測定され、一時的変数t_TEMPに記憶される。図15が示すように、立上りエッジ370はトランジスタHSL114およびLSR136、すなわち電流i(図1)のスイッチオンを操作する。同様に立下りエッジ372はトランジスタHSR130とLSL132、すなわち電流i2(図1)のスイッチオンを操作する。従ってホール割込みに対するルーチンは、立上りエッジ370と立下りエッジ372を区別しなければならない。
【0156】
2つのエッジ間の持続時間t_HALLは
t_HALL=t2−t1 (2)
として得られる。
【0157】
この持続時間は、ロータ108の瞬時(実際ないしその時々:augenblicklich)の回転数に対する尺度であり、ロータが180゜elの回転をするのに必要な時間に相応する。もちろんこの時間は多種多様に測定することができる。例えばいわゆるセンサレス原理、光学的センサ、磁気抵抗型センサ等により測定することができる。回転数が十分に高くなると直ちに、時間を比較的大きな回転角度に対して、とりわけロータ108の完全な1回転に対して測定すると有利である。このことは図1の実施例では720゜elの回転角度に相応する。この測定については後で説明する。
【0158】
図15cと図15dは、Hブリッジ137の制御のための信号を極く概略的に示したものである。図15cは、トランジスタ130と132の制御、即ち電流i2のスイッチオンのための信号HSR、LSLを示す。図15dはトランジスタ114と136の制御、即ち電流i1のスイッチオンのための信号HSL、LSRを示す。
【0159】
図15cのパルス(列)444の開始は、信号HALLの立下りエッジ372から計算される。このことは矢印445により示されている。図15dのパルス(列)446の開始は信号HALLの立上りエッジ370から計算される。これは矢印447で示されている。(この計算は図30のS673で実行される。)HALLのエッジ370、372はロータ108の所定の回転位置に相応する。図26A参照。図26Aでは例えば立下りエッジ601に0゜elの回転位置が割当てられ、立上りエッジ603に180゜elの回転位置が割り当てられている。転流過程の計算の際に、これらはそれぞれ初めから正確に分かっている唯一の回転位置であり、従って計算はこれら「固定点」を基準にする。
【0160】
制御信号444、446が信号HALLのパルス(列)に対して対称であると仮定すると、信号446の開始する時点t3に対して次の値が得られる。
t3=t1+t_HALL+(t_HALL−BW)/2 (3)
ここで、
BW=信号444、446のブロック長
このブロック長は回転数制御器RGLにより計算される。この回転数制御器については後に図30で説明する。
【0161】
同じように制御信号444が開始する時点t4に対しては次の値が得られる。t4=t2+t_HALL+(t_HALL−BW)/2 (4)
【0162】
例えば時点t3は、t3に一番近い時点t2(信号HALLの直前のエッジ372)から計算されるのではなく、さらに早期の時点t1、すなわちもう1つ前のエッジ370から計算されることに注意されたい。その理由は、BW=t_HALLである場合、時点t2は時点t3と重なってしまうこととなり、このため、計算ステップはt2とt3との間で実行しなければならないので不都合だからである。
【0163】
例えば固定値VZだけのいわゆる点弧角シフトが使用される場合、上記の式は次のように変形される:
t3’=t1+t_HALL+((t_HALL−BW)/2)−VZ (3a)
t4’=t2+t_HALL+((t_HALL−BW)/2)−VZ (4a)
この場合、時点t3とt4は固定値VZだけさらに左へずらされる。このことは図15dにt3’に対して示されている。このことは、電流iとiがやや早期にスイッチオンされることを意味し、効率は改善され得る。またt3’はこの場合、時間的にt2より前にあることが分かる。このことは、t3’の計算に対する基準時間RefTimeが時点t2、すなわち立下りエッジ372ではなく、時点t1、すなわち立上りホールエッジ370であるから可能なことである。これは矢印447により示されている。VZは通常は定数であるが、回転数に依存する関数とすることも、または別個の図示しないプログラム部分により常時最適化することもできる。
【0164】
図16は、ホール割込みの際にエッジ370、372(図15)でトリガされるルーチンS428を示す。この割込みは、入力端RB0での信号が0から1へ、または1から0へ変化するときに形成される。すなわち入力端RB0はエッジ検知性であり、エッジ370または372の発生時に割込みを引き起こす。このルーチンは立上りエッジ370を立下りエッジ372から区別する。このことは後続の処理に対して重要である。
【0165】
ステップS451で、割込みの発生した時点が一時メモリt_TEMPに記憶される。この時点はすでに説明したリングカウンタTIMER1によってμC40で測定される。
【0166】
ステップS452では、フラグNEW_HALL(図13)が次に大きなループ374または376(図12)の1つを実行しなければならないことを示す信号として1にセットされる。
【0167】
ステップS454では、ホールカウンタHALL_CNTが値(HALL_CNT+1)MOD4にセットされる。すなわち1だけカウントアップされ、演算モジュロ4が行われる。モジュロによる演算により余りが指示される。例えば4mod4=0である。なぜなら4は整数であり、4で割りきれるからである。これに対して5mod4=1である。なぜならここでは余り1が生じるからである。同様に6mod4=2である。なぜならここでは余りが2だからである。さらに、7mod4=3、8mod4=0である。従って作動時に、HALL_CNTに対するS454では連続的に数列0、1、2、3、0、1、2、3、0等が生じる。
【0168】
ステップS456で、HALL=HIGHであるか否かが問い合わされる。図12aによれば、このことはロータ108が0゜el〜180゜elの間の角度位置にあることを意味する。
【0169】
HALLがハイでなければ、S458で右側の上段トランジスタHSR130と左側の下段トランジスタLSL132の制御のための基準変数(基準量)が一時メモリt_TEMPに記憶された時間により置換される。次のステップS460で割込み感度が、ポートRB0が次のホール割込みに対してLOWからHIGHへの変化に感受性になる(検知する)よう調整される。
【0170】
S462では、フラグCOMMUT_ONが値0を有するか否かが検査される。このフラグはルーチンCOMMUT(図23)のステップS718で、巻線が電流を受け取ると直ちにセットされ、図24または図25の転流の終了時にゼロにセットされる。図24、図25のS764、S812およびS842参照。応答がノー(N)の場合、このことはハイからローへのホール変化の時点でまだ電流iが流れていることを意味する。
【0171】
これについては図15を参照する。図15ではハイからローへのホール変化372が時点t2で起こる。そこでトランジスタHSR130は、電流iが流れないようにするためすでに遮断されていなければならないであろう。そしてHSRはまだ導通しているので、iは「非常遮断(Not-Abschaltung)」で遮断されなければならない。このためにステップS464でHSR130が遮断され、次のステップS466で2つの下段トランジスタLSL132とLSR136がスイッチオンされる。これにより電流iはトランジスタ132、136と測定抵抗134、138を通り、急速に消失することができ、このときに回転トルクが生成される。(電流iがゼロを通過するとき、図19の遮断を終了させるImin割込みがトリガされる。)次にプログラムはステップS468へ進む。ここでは電流iの遮断プロシージャの開始されること(COMMUT_ON:=0)が維持される。このことは図23のS702では、電流iのスイッチオンに対する前提である。
【0172】
ステップS462で、電流iがすでに遮断されていることが検出される場合、プログラムは直接ステップS468へ進む。
【0173】
ステップS456で、信号HALLがハイであること、すなわち図15での立上りエッジ370の1つであることが検出されると、プログラムはステップS470へ進み、そこでトランジスタHSL114とLSR136の制御に対する基準変数として、一時メモリt_TEMPに記憶された時間が引き渡される。すなわち所定の時間が今度はこの変数から測定・計算される。次にS472で割込み感度が、ポートRB0が次のホール割込みのためにHIGHからLOWへの変化、すなわち立下りエッジを検知する(感受性になる)よう調整される。
【0174】
次のステップS474で、フラグCOMMUT_ONが値0を有するか否かが検査される。このフラグはルーチンCOMMUT(図23)のステップS718で、巻線が電流を受け取ると直ちに1にセットされ、図24または図25の転流終了時にゼロにセットされる。図24、25のS764、S812およびS842参照。応答がノー(N)であれば、このホール変化の際にまだ電流iが流れているので、この電流を「非常遮断」で遮断しなければならない。そのためにステップS476で、上段トランジスタHSL114を遮断することにより電流i1が遮断される。そしてS478で2つの下段トランジスタLSL132とLSR136がスイッチオンされる。これにより電流iは素子132、134、136、138を通って急速に消失することができ、このときにロータ108への回転トルクが生成される。(電流iがゼロを通過するとき、遮断プロシージャは例えば図19のImin割込みによって終了する。)次のS468ではCOMMUT_ONが0にセットされ、iに対する遮断プロシージャが開始されたことを指示する。S474での応答がイエス(Y)の場合、プログラムはステップS468へ直接進む。
【0175】
S468に続くS480では、フラグSTARTUP(図13、S394)が値1を有するか否かが検査される。これが意味するのは、実際の回転数に対して値がまだ存在していないか、または実際の回転数が100回転/分未満であるということである。このフラグがセットされていなければ、プログラムはルーチンS428の終了S493へ直接ジャンプする。
【0176】
S480での応答がイエス(Y)の場合、プログラムはステップS482に進み、そこでt_HALLが値t_HALL_minより小さいか否かが検査され(式(7)参照)。この値は例えば1000回転/分の回転数に相応する。すなわち、回転数1000回転/分を上回っているか否かが検査されるのである。ノー(N)の場合、プログラムはS493へ進む。
【0177】
1000回転/分を上回っていれば、S486でフラグSTARTUPがゼロにセットされる。次にS488で、信号HALLがハイであるか否かが検査される。ノー(N)の場合、S490で予測変数NEXT_COMMに、次の電流ブロックが電流ブロック446(図15)になること、すなわちこの電流ブロックではHSL114とLSR136がスイッチオンされなければならないことが設定される。S488での応答がイエス(Y)であれば、S492で次の電流ブロックが電流ブロック444(図15)になること、すなわちこの電流ブロックではHSR130とLSL132がスイッチオンされなければならないことが設定される。S490またはS492に後、プログラムはS493へ進み、ルーチンS428は終了する。NEXT_COMMUTに対する値は図24のS752および図25のS806で問い合わされ、回転数がより大きい場合には転流への移行を可能にする。
【0178】
図17は、Imax割込みS428を処理するためのルーチンS428に対する有利な一実施例を示す。このルーチンの機能を以下に図18に基づき説明する。
【0179】
S500で、ルーチンCOMMUT_CTRL(図25)でフラグImax_CTRL_ONが1にセットされているか否かが検査される。このことにより、ルーチンS428が信号Imaxによって巻線102に電流が流れているときにのみトリガされ、巻線が無電流状態のときにノイズ信号によってトリガされることがなくなる。S500での応答がイエス(Y)であれば、S501でImax割込みが上限値(3A)または下限値(1.6A)で生成されたかが検査される。電流の上限での割込みの場合、信号Imaxはハイからローへ変化する。なぜならトランジスタ188(図1)が導通され、固定子巻線102への電流がすでにローアクティブ信号Imaxによってハードウエアを介して遮断されているからである。この遮断は2つの上段トランジスタ114と130の遮断によって行われる。このことはすでに図1で説明した。冗長的にはさらに、S501での応答がイエス(Y)の場合、S502で信号HSL_OUTとHSR_OUTが上段トランジスタ114と130に対してゼロにセットされ、これによりこの2つのトランジスタを介するコントロールがソフトウエアによっても得られる。すなわちこれら2つのトランジスタは、ソフトウエアがこれを許可したときに初めて再スイッチオンすることができる。S500での応答がノー(N)であれば、ルーチンはその終了、すなわちS522へ直接進む。たとえ割込みが電流の下限(1.6A)で生成されていても(S501:ノー(N))、ルーチンは直接S522へ進む。
【0180】
S504では、S502に30μsの待機時間が続く。この時間の間、電流はブリッジ137の下段部分で、例えば導通しているトランジスタ136およびフリーホイールダイオード132’を介して、または反対に、導通しているトランジスタ132とフリーホイールダイオード136’を介して流れる。
【0181】
次にS506で2つの下段トランジスタLSL132とLSR136がスイッチオンされ、その結果、巻線102内の電流は素子132、134、136、138を介して消失することができる。このとき電流はロータ108への回転トルクを形成する。
【0182】
S508ではルーチンDEC(pwm)が実行される。このルーチンは図22に示されており、ここでは信号PWMのデューティ比pwmが1段階だけ低減される。これにより巻線102を通る電流は減少し、上限、ここでは3Aに達することはなくなる。このことによって、モータが不必要に電流制限によって作動することが適合的に回避され、低減された電流は値BWの増加(制御器RGLでの)によって補償される。
【0183】
次にステップS510で例えば200μs待機され、これにより巻線102内の電流は消失するのに十分な時間を有する。S511では、次にスイッチオンされるべきトランジスタに対する変数がHSL/LSRであるか否かが検査される。イエス(Y)の場合、S512でトランジスタLSR136は導通のままに留まり、トランジスタLSL132が遮断される。その結果、短絡電流が今度はトランジスタ136とフリーホイールダイオード132’を介して流れる。これに続いてS512で例えば30μs待機され、次に上段トランジスタHSL114が再びスイッチオン準備状態となる。すなわちこのトランジスタは、信号Imaxがハイになるときハードウエアによってスイッチオンすることができる。図17にはこのことは513で「ハードウエア:ON」によって象徴的に示されている。従ってスイッチオンは命令HSL_OUT:=1によって行われるのではなく、1.6Aを下回るときにこの信号と信号Imaxの変化との論理結合によって初めて行われる。従って1.6Aを下回るとき、モータは直ちにエネルギーを直流電流網121から再び受け取り、iは再び上昇する。
【0184】
S511で応答がノー(N)の場合、S514でトランジスタLSR136は遮断され、トランジスタLSL134はスイッチオンのままに留まる。S506参照。その結果、短絡電流がトランジスタ134とフリーホイールダイオード136’を介して流れる。次いで30μs待機され、次に上段トランジスタHSR130が再びスイッチオン準備状態となる。すなわちこのトランジスタは、信号Imaxが再びハイになると、言い替えると電流が1.6Aを下回ると直ちにハードウエアによりスイッチオンすることができる。これは513に示されている。スイッチオンはこの場合でも信号HSR_OUT:=1により行われるのではなく、1.6Aの際に信号Imaxが変化することによって、または言い替えると信号HSR_OUT:=1と信号Imax=1との論理結合によって行われる。1.6Aを下回った後、モータ100は再び電流を直流電流網121から受け取り、電流iは再び上昇する。
【0185】
S512またはS514に続いてルーチンS428はS522へ進み、そこで終了する。
【0186】
ここで信号HSL_OUT,HSR_OUT等は、μC40の関連する出力端で他の信号が生成されるまで記憶されたままであることを述べておく。例えばS502に続き、信号HSL_OUTは、S512で1に切り替えられるまで0に留まり、S512に続いて、これが再び0に切り換えられるまで1に留まる。
【0187】
図18は、図17のルーチンの作用を説明するものである。図18には上側電流閾値に対して値3Aが、下側電流閾値に対して1.6Aが分かり易くするためにプロットされている。もちろんこれらの数値はモータに応じて異なるものとすることができる。
【0188】
t30で電流i1が、トランジスタ114と136をスイッチオンすることによりスイッチオンされる。t31でi1は3Aの許容最大値に達し、信号Imaxがローに変化することによってトランジスタ114は直ちにハードウエアを介して遮断される。同時にt31からルーチンS428が図17に従い実行される。このルーチンは、S506によりt32のときに付加的に下段トランジスタ132をスイッチオンし、その結果、巻線102は短絡で駆動される。次に200μsの間にt33へ進む。そこでトランジスタ132は再び遮断される。その結果、トランジスタ136だけが導通し、上段トランジスタ114のソフトウエア遮断は、ステップS516とS518により中止される。しかし上段トランジスタ114はt34から、すなわち下側電流閾値1.6Aに達してから初めて再び導通する。これにより信号Imaxは再びハイとなり、その結果、電流i1がスイッチオンされ、再び上昇する。t35でi1は再び値3Aに達し、トランジスタ114は再びハードウエアによって遮断され、ルーチンS428が再びスタートされ、前記の過程が繰り返される。
【0189】
t36でトランジスタ114は再びハードウエアによってスイッチオンされ、t37で遮断命令が有効となる。なぜなら、電流ブロックの持続時間BWが経過満了するからである。
【0190】
電流i1自体は、時間BWが経過満了する個所Zですでに遮断されていなければならないものではあるが、遮断命令は、図18に灰色に示した領域でだけ、即ちこの場合は時点t37で初めて有効となることができる。そのため遮断は僅かに遅延される。
【0191】
時点t38で電流i1はゼロを通過する。従ってそこでImin割込みS436が形成される。この割込みは以下に説明する。
【0192】
図17と図18でやや不利な点は、例えば時点t33とt34との間で損失が増加することである。なぜならそこではトランジスタ132がもはや導通していないので、iがフリーホイールダイオード132’を通って流れるからである。以下に変形実施例について説明する。この変形実施例は低速モータに適し、またこれによりこのような損失をさらに低減することができるものである。図17と図18の解決手段は現在の知識では、高速回転モータに対する最適である。なぜなら高速回転モータでは電流変化が非常に急速に経過し、従ってμC40での計算時間は、この電流変化が生じる時間と比較して過度に長いからである。より高速のプロセッサにより、おそらくはさらに改善された解決手段が可能であろうが、高速のプロセッサは現在のところモータに対してはまだ高価すぎる。
【0193】
図19は、Imin割込みの処理に対するサービスルーチン436の経過を示す。
【0194】
S530でフラグImin_INT_ON=1であるか否かが問い合わされる。このフラグは図25のルーチンCOMMUT_CTRL、S824でセットされる。TIMEOUT割込み(図20)が直前に実行される場合、このフラグは値0を有し、そしてプログラムは直ちに終了、すなわちこのルーチンのS532に進む。
【0195】
S530で応答がイエス(Y)であれば、S534でフラグTIMEOUT_INT_ONが0にセットされる。これにより後続のTIMEOUT割込みはそれ以上処理されず、次いでS536で4つのすべてのトランジスタ114、130、132、136が遮断される。なぜなら巻線102は実質的に無電流であり、巻線に誘導エネルギーが蓄積されていないからである。(誘導エネルギーはロータ108の運動エネルギーに変換された。)
【0196】
次にS538でフラグBlockEnd_DONEが1にセットされる。このフラグは図24でルーチンCOMMUT_NORMALの間にS762で問い合わされ、次の転流の準備に用いられる。そして、ルーチンが処理されたので、S539でImin_INT_ONが0にセットされる。
【0197】
図20は、TIMEOUT割込みの処理に対するサービスルーチンS440の経過を示す。
【0198】
S540でフラグTIMEOUT_INT_ONが値1を有するか否かが問い合わされる。Imin割込み(図19)が先行していれば、このフラグは値0を有し、この場合、このルーチンは直接その終了S542に進む。
【0199】
S540で応答がイエス(Y)であれば、ルーチンはステップS544へ進み、そこでフラグImin_INT_ONがゼロにセットされる。これにより後続のImin割込みはそれ以上処理されない。図19のS530参照。
【0200】
次のステップS546では4つのすべてのトランジスタ114、130、132、136が遮断される。なぜなら巻線102の電流がTIMEOUTの実行時に低い(ローの)値を有しており、従って巻線102には大きな誘導エネルギーが蓄積されていないからである。このため巻線102は無電流状態に切り替えられる。
【0201】
次にS548でフラグBlockEnd_DONEが1にセットされる。このフラグは図24のルーチンCOMMUT_NORMALの間にS762で問い合わされる。そして、割込みが処理されたので、S549でTIMEOUT_INTが0にセットされる。
【0202】
図21は、μC40の出力端RC7において信号PWMのデューティ比pwmを高めるためのルーチンINC(PWM)S554を示す。S556でPWMレジスタ内の値が1だけ高められる。このことはデューティ比の1%の上昇に相応する。
【0203】
ステップS558で、pwmが上昇によって100%より大きくなったか否かが検査される。イエス(Y)の場合、プログラムはS560へ進み、ここでこの場合はpwmが100%にセットされる。このことは電流iまたはiが完全にスイッチオンされることを意味する。
【0204】
S558での応答がノー(N)であれば、ルーチンはその終了S562に進み、S560に続く場合も同様である。
【0205】
図22は、デューティ比pwmを低減するためのルーチンDEC(PWM)S564を示す。S540で値pwmは1だけ高められ、このことは約0.5%に相応する。S568でこのことによりpwmが10%より下に低下したか否かが検査される。イエス(Y)であれば、ルーチンはS570へ進み、ここでpwmは下方に向かって10%に制限される。S568で応答がノー(N)であれば、ルーチンはその終了S572へ進む。S570に続く場合も同様である。
【0206】
図21と図22のルーチンはとりわけ適応制御器(adaptiver Regler)の枠内で重要である。適応制御器については後の図31で説明する。
【0207】
図23から図25はルーチンCOMMUTS396を示す。このルーチンはメインプログラム(図13)で常時呼び出され、巻線102内の電流i、iを制御する。転流の制御は極めて頻繁に実行される機能である。この制御は次の2つの部分からなる:
1.始動(Start)および起動ないし回転立上り(Hochlauf)のためのスタートアップ部分
2.通常運転のための部分
【0208】
スタートアッププログラム部分では、モータは静止しているか、またはちょうど回転しようとしている。供給電圧の接続後、図13のステップS394ではフラグSTARTUPがセットされ、これによりモータはルーチンSTARTUPにより始動する。フラグCOMMUT_ONも同様に初期化の際に0にセットされ、これにより新たに通電をスタートすることができる。
【0209】
S700でモータ100がスタートアップ中(STARTUP=1)であるか否かが検査される。イエス(Y)の場合、S702へジャンプし、簡素化された転流が実行される。
【0210】
回転数が低い場合の転流
回転数が低い場合、巻線102を通る電流はルーチンCOMMUTS396(図23)によりスイッチオンされ、それぞれ後続のホール割込みルーチン(図16)で再びスイッチオフされる。まずS702で、このホール期間の電流ブロックがすでにスタートされたか否かが検査される。イエス(Y)の場合、終了S722へジャンプする。なぜなら次のホール変化の後で初めて通電が再び行われるからである。しかしS702でCOMMUT_ON=0であった場合、これはルーチンCOMMUTS396の最初の呼び出しであり、通電がスタートする。
【0211】
これに続いてS704で100μS待機される。これは電流のギャップ(Stromluecke)を形成するためである。これによりすべてのMOSFETが同時に導通することがなくなる。S706でブロック長BWがゼロより大きいか否かが検査される。ノー(N)の場合、モータは電流を受け取らない。従ってルーチンは終了S722へジャンプする。
【0212】
BW>0であれば、信号HALLに依存して巻線102の正しい通電、すなわちi1またはi2がスタートする。図1参照。そしてロータ108は180゜elだけの回転を開始する。
【0213】
HALLがハイであれば、S710で信号HSR_OUTとLSL_OUTが1にセットされる。その結果、巻線102はトランジスタHSR130とLSL132を介して通電され、電流i2が流れる。
【0214】
S712で、次の転流はトランジスタHSL114とLSR136を介して行わなければならないことが前もって設定される。このことは、この転流形式から、回転数が高い場合の転流形式へ変化する場合に重要である。これについては後の図27の説明を参照のこと。
【0215】
これに対してS708で信号HALLがロー(LOW)であれば、S714で別のトランジスタHSL114とLSR136がスイッチオンされ、その結果、電流i1が流れる。そしてS716でNEXT_COMMUTが前もって、後続の転流に対して正しい値にセットされる。
【0216】
S718では最後にフラグCOMMUT_ONが1にセットされる。これにより、巻線102がすでに電流を受け取っているので、ルーチンCOMMUTS396の次の呼び出しの際に、S702からS722へ直接ジャンプする。このことはロータ108が約180゜el回転するまで継続される。
【0217】
180゜elに達したとき、このことをソフトウエアはホール割込みによって識別(検出)する。通電の遮断およびCOMMUT_ONの0へのセットはホール割込みルーチン(図16のS462からS478,S468)で行われる。これにより転流制御は再びS704から、正しい通電方向を有する新たな通電をスタートする。
【0218】
回転数が高い場合の転流
S700でSTARTUP=0であれば、高回転数に対する転流COMMUT_NORMALS720が実行される。図24参照。図26は、この転流の経過を示す概略のグラフである。
【0219】
図24のS750で、連続的にリングカウンタにより測定される瞬時(実際ないしその時々の:augenblicklich)時間t_TIMER1が変数t_CALCに記憶され、S752で変数NEXT_COMMUTに基づき、どの方向で電流が巻線102を流れるべきかが決定される。
【0220】
トランジスタHSLとLSRがスイッチオンされるべき場合、S754へジャンプし、変数t_CALCから、先行するローからハイへのホール変化の時点に相応する変数RefTime_HSL/LSRが減算される。図26にこのことが図示されている。図26Aは、ホール変化601,603,605,607等を有する信号HALLを示し、それらの間で、変数RefTime_HSR/LSL(601と605)およびRefTime_HSL/LSR(603と607)にそれぞれ、瞬時の(augenblicklich)ホール変化の時間が記憶される(図16のS458とS470)。
【0221】
図26は、転流の基本原理を説明するものである。電流ブロックのスイッチオンおよびスイッチオフのために、モータの駆動回転数に達した後、この電流ブロックに割り当てられたロータの基準位置を基準にする。この基準位置はすべての作動状態において、この電流ブロックに対しての最小間隔を維持する。
【0222】
例えば電流ブロックB4(図26C)のスイッチオン・オフに基準位置δ0、ここでは180゜elを使用するならば、この基準位置δ0から出発して、電流ブロックB4のスイッチオンに対する角度位置δ1(ここでは405゜el)を計算し、またブロックB4のスイッチオフに対する角度位置δ2(ここでは495゜el)を計算する。
【0223】
従って角度位置δ0はこの電流ブロックに対する基準点であり、従ってこの角度位置のときにTIMER1で基準時間RefTime_HSL/LSRが測定される。なぜなら電流ブロックB4ではトランジスタHSL114とLSR136が導通でなければならないからである。
【0224】
モータ100は、回転角δを至る所で正確に測定することのできるようなセンサを有しておらず、1ロータ回転ごとに4つの個所でのみ回転位置をある程度正確に検出できるだけである。なぜならそこ、即ち0゜el、180゜el、360゜elおよび540゜elでは、信号HALLが変化するからである。これらの回転位置の間は補間(内挿)しなければならない。補間が可能であるのは、ロータ180の角速度は1回転の経過中僅かしか変化しないからである。
【0225】
従って回転位置δ1でスイッチオンし、回転位置δ2でスイッチオフしたい場合、δ0とδ1との間の角度間隔は例えば405−180=225°elであり、δ0とδ2との間の角度間隔は例えば495−180=315゜elであることが分かる。
【0226】
ロータが180゜el回転するのには時間t_HALLが必要であることが既知であるから、225゜elの回転に対しては、時間t_HALL*(225/180)=1.25*t_HALLが得られる。これはこの実施例の場合、時間t_BLOCK_STARTである。
【0227】
同様に315゜elに対しては、時間
t_HALL*(315/180)=1.75*t_HALLが得られる。これはこの実施例の場合、時間t_BLOCK_ENDである。
【0228】
従って回転位置δ0を通過する際に基準時間、即ちRefTime_HSL/LSRが測定され、これは例えば67.34msである。
【0229】
図33はn=3000回転/分に対する数値例での値を示す。ここでは式(6)に従い時間t_HALL=5msである。ここでこの時間はロータ108が3000回転/分のときに180゜elに対して必要な時間である。
【0230】
制御器RGL(図30)により613で例えば2.5msのブロック長が設定され、続いて図33から予測的に6.25ms後に電流iをスイッチオンしなければならない回転位置δ1(405゜el)に達することが分かる。同様に予測的に、8.75ms後に、電流iをスイッチオフしなければならないか、ないしは転流プロシージャが開始され、直流電流網からのエネルギー供給が遮断される回転位置δ2(495゜el)に達することが分かる。
【0231】
さらに図33は一例として、TIMER1で基準時点δ0で65.34msの基準時間が測定されることを示している。これは時間RefTime_HSL/LSRである。
【0232】
δ1でのスイッチオンとδ2でのスイッチオフを監視するために、図24のS754により連続的に、瞬時(実際ないしその時々:augenblicklich)に測定される時点と65.34msとの間の時間差t_CALCを形成する。t_CALCについては式(5)を参照のこと。
【0233】
例えば時点t40でTIMER1により66.34msの時間が測定される場合、差として
t_CALC=66.34−65.34=1ms
が得られる。電流iは6.25msの時間後に初めてスイッチオンしなければならないから、1msでは短すぎ、電流iはまだスイッチオンされない。
【0234】
時点t41でTIMER1での瞬時(実際ないしその時々の:aktuell)時間が71.60msであれば、差として
t_CALC=71.60−65.34=6.26ms
が得られる。この場合、電流i1はスイッチオンされる。なぜならt_CALCは6.25msより大きいからである。
【0235】
従って回転位置δ0から図25のS800で、t_CALCがt_BLOCK_STARTより大きくなったか否かが常時監視され、大きくなった場合には図25のS810でトランジスタHSL114とLSR136がスイッチオンされる。
【0236】
スイッチオフは同じ原理に従い、t_CALCが量t_BLOCK_ENDと比較される。図25のS820参照。図33ではこの量は8.75msである。この量は遮断角δ2に相応し、これに達したとき転流プロシージャが図25のS826からS844に従い実行される。
【0237】
従って転流は、図13の短いループで例えば0.1msの非常に短い間隔で時間t_CALCが新たに計算され、予測的値t_BLOCK_STARTおよびt_BLOCK_ENDと比較されることに基づく。このことは図33Aでは時間65.34msと74.1msとの間で行われ、点々615により示されている。ここでは各電流ブロックに対して、これに割当てられた基準角度から出発する。この基準角度においてこの電流ブロックに対する基準時間を測定し、この基準時間を比較の際に使用する。従ってロータ108が回転する際は、新たな基準時間が常時検出され、新たな比較が行われる。これにより巻線102を通る電流iとiが正しく制御される。すなわち基準角はロータの回転と共に常時“変動”する。同じ原理を2つ以上の巻線を有するモータに適用できることも自明である。
【0238】
電流を時間ZV=0.4msだけ早期にスイッチオンすべき場合(このことを「早期点弧」と称する)、図33で時間6.25msの代わりにスイッチオンのための時間として
6.25−0.4=5.85ms
を、そしてスイッチオフのための時間として
8.75−0.4=8.35msを使用する。
【0239】
この場合、角度δ1はこの回転数において14.4゜elだけ左へずれ、390.6゜elとなり、角度δ2はこの回転数において同様に14.4゜elだけ左へずれ480.6゜elとなる。すなわち電流iは時間的に早期にスイッチオン・オフされ、早期にスイッチオン・オフされる角度は回転数の上昇と共に増大し、この場合例えば3000回転/分では14.4゜elであるが、6000回転/分では28.8゜elとなる。通常、ZVは回転数の関数である。このように巻線102を流れる電流を早期にスイッチオンすることにより、より高い回転数の場合のモータ100の効率は改善される。このことは本発明では非常に簡単に実現される。
【0240】
図26Bは変数NEXT_COMMUTの値、すなわちHSL/LSRまたはHSR/LSLを示す。図26Cは、通電ブロックB1からB5を時間TIMER1について象徴的に示す。図26Dは、通電ブロックB4に対する時間t_BLOCK_STARTとt_BLOCK_ENDを示す。この通電ブロックB4は609で開始し、611で終了する。ブロックB4はそのスイッチオンおよびスイッチオフのために基準時間として信号HALLのエッジ603を有する。すなわち603で測定される時間RefTime_HSL/LSR(603)である。このことは図26Cに矢印611により象徴的に示されている。621,623,625および627においてプログラムでの新たな計算により、持続時間t_CALC=t_TIMER1−RefTime_HSL/LSR (5)がTIMER1での瞬時(実際:aktuell)の時間に適合される。例えば621では、時点621’に対する時間t_CALC(621’)が計算され、この時間を用いてブロックB4の開始がすでに達成されているか否かが検査される。
【0241】
時点621’、623’、625’および627’で、変数NEXT_COMMUT(図26B)は値HSL/LSRを有する。その結果、S752(図24)からS750へジャンプし、そしてS750で記憶された値t_TIMER1と値RefTime_HSL/LSR(603)との瞬時(momentan)の差が計算され、変数t_CALCに割当てられる。従って時点621’でのルーチンCOMMUT_NORMALの呼び出しの際には、値t_CALCは621(図26D)で出力された値を有する。S756では、変数NEXT_COMMUTが値HSR/LSLを有する場合、同様の計算が行われる。
【0242】
これに基づき本来の転流ルーチンCOMMUT_CTRLS760へジャンプする。この転流ルーチンは図25に示されている。図24のうちS762から始まる部分は転流の終了、すなわち電流の遮断に用いられる。この部分は通電の終了後に一度だけ実行される。これについては後で説明する。
【0243】
ルーチンCOMMUT_CTRLのS760では、トランジスタ114、130、132、136のスイッチオン・オフが行われる。このことを図26に基づいて説明する。
【0244】
t_CALCで計算された持続時間が(時点621’のように)t_BLOCK_STARTよりも小さい場合、巻線102の通電は行われない。
【0245】
623’でt_CALCは初めてt_BLOCK_STARTより大きくなり、従って巻線102への電流がスイッチオンされる。
【0246】
時点625’で、値t_CALCはまだ値t_BLOCK_ENDに達していない。従って巻線102の通電は継続される。
【0247】
627’でt_CALCは最終的に持続時間t_BLOCK_ENDを上回る。従って巻線102へのエネルギー供給は今度は遮断される。
【0248】
上に述べた各ステップはルーチンCOMMUT_CTRLD760で実行される。t_CALCがS800でt_BLOCK_STARTより小さい場合(時点621’)、何も行われず、終了S848へジャンプする。
【0249】
しかしt_CALCがS800でt_BLOCK_STARTより大きいか、または等しい場合(時点623’、625’、627’)、S802で、巻線102の通電がすでにアクティブであるか否か(COMMUT_ON=1)が検査される。ノー(N)の場合(時点623’)、S804からスイッチオンプロシージャが行われる。
【0250】
S804でブロック長BW=0の場合、電流は供給されず、S812へジャンプする。これに対してBW>0の場合、変数NEXT_COMMUTの値に応じて、S808でトランジスタHSR130とLSL132が、またはS810でトランジスタHSL114とLSR136が導通制御される。
【0251】
S812でCOMMUT_ONが1にセットされ、これにより今度は巻線102の通電がスイッチオンされたことが指示される。その後、終了S848へジャンプする。
【0252】
S802で値COMMUT_ON=1の場合(時点625’、627’)、すなわち電流が巻線102に流れている場合、S820で、変数t_CALCがすでに持続時間t_BLOCK_ENDの値に達しているか否かが検査される。この持続時間は図30のS673で計算される。
【0253】
ノー(N)の場合(時点625’)、S822でさらに、t_CALCが(2*t_HALL−A)より大きいかまたは等しいか否かが検査される。ここで(2*t_HALL)はこのモータにおいてロータ108が360゜elだけ回転するのに必要な時間であり、Aは例えば400μsの定数である。S822により巻線への電流は、プログラム経過中に障害が生じた場合でも次のホール変化の約400μs前で遮断される。
【0254】
この400μsが必要であるのは、ホール変化が生じる前に遮断プロシージャ全体を処理できるようにするためである。これはすべての電力トランジスタが同時にスイッチオンするのを回避するために用いられる。この「非常遮断」は回転数が高い場合に必要である。なぜならこの場合、ブロック長BWはt_HALLとほとんど同じ大きさだからである(回転数が高い場合には所要電力も大きい)。回転数が低い場合には、次のホール変化に達するよりずっと前に電流ブロックの終了が達成されている。すなわちS822での応答は常にノー(N)である。そしてS824でImax割込み(図17)がアクティベートされ、これにより、場合によってはモータ電流が過度に高くても応答することができる。
【0255】
これに対してS820でt_CALCの値がt_BLOCK_ENDより大きいかまたは等しい場合、またはS822での応答がイエス(Y)の場合、S826で遮断プロシージャが呼び出される。
【0256】
S826で変数Off_detectedに基づき、通電の遮断、すなわち遮断のための転流プロシージャがすでに開始されているか否かが検査される。イエス(Y)の場合は、終了S848へジャンプする。しかしこれが最初の呼び出しの場合、S826からS828へジャンプする。
【0257】
変数Off_detectedはS828で1にセットされる。S830ではImax割込みがデアクティベートされ、S832でImin割込みがアクティベートされる。(これらの割込みは、プログラムの論理に従って発生し得る領域でだけアクティベートされると非常に有利である。)
【0258】
S834で2つの上段トランジスタHSL114とHSR130とが遮断される。S836では30μs待機され、S838でTIMEOUT割込み(図20)がアクティベートされ、TIMEOUT時間t_TIMEOUTがTIMER1の瞬時(実際ないしその時々の:augenblicklich)値と定数t_T0から計算される。
【0259】
次にS840で2つの下段トランジスタLSL132とLSR136が導通制御される。これにより巻線102の電流は短絡して消失し、このとき運動エネルギーをロータ108に生成することができる。S842ではフラグCOMMUT_ONが0にセットされ、S844で変数BlockEnd_DONEが0にセットされ、これにより転流がまだ完全には終了していないことが指示される。2つの割込みルーチンImin割込みとTIMEOUT割込みのうち、最初に呼び出された方の割込みルーチンが、次いで2つの下段トランジスタLSL132とLSR136を遮断する。図19のS536および図20のS546を参照。そしてBlockEnd_DONEが1にセットされる。図19のS538および図20のS548参照。これにより遮断は完全に終了し、このことはBlockEnd_DONE=1により指示される。
【0260】
ルーチンCOMMUT_NORMALS720の次の呼び出しの際に、図24のS762でS764へジャンプする。S764では、通電が遮断されているので、COMMUT_ONとOff_detectedが0にセットされる。そしてS766からS770までにNEXT_COMMUTの予測値が変化される。すなわち値HSL/LSRがHSR/LSLに、またはその反対に変化される。図26B参照。このことにより、電流が本来割当てられたホール割込みの前でスイッチオンされる早期点弧の場合でも、巻線102内の通電方向が正しく設定される。すなわち値NEXT_COMMUTにより、どのトランジスタペアを引き続きスイッチオン・オフについて監視しなければならないかが設定される。その後S722でフラグBlockEnd_DONEが0にセットされ、これにより次の実行の際にはS672での応答がノー(N)となり、ルーチンは直接S774へ進む。
【0261】
図27は、瞬時の(momentan)ホール時間t_HALLを計算するためのルーチンCALC_t_HALLS406を示す。ホール時間t_HALLとはロータ108が180゜el回転するのに必要な時間である。
【0262】
図28は説明のための概観図である。図28Dは信号HALLを示す。この信号は個所630、631、632、633、634、635にエッジを有する。すなわちそこでそれぞれホール変化が生じ、このホール変化はロータ位置の検出及び回転数と加速度の検出に用いられる。4極ロータ108の場合は1回転ごとに4回のホール変化が生じるので、1回転当たり4回、正確なロータ位置を測定することができる。
【0263】
図28Bは、変数HALL_CNTの値を示す。これはカウンタであり、図16のS454に従いモジュロ(単位)4で増分される。これの意味するのは、この変数が順次、値0、1、2、3、0、1、2、3、0、..を取るということである。
【0264】
図28Aは一例としてロータ108の位置を示す。このロータは図1のように4極ロータとして示されている。例えば信号HALLのエッジ630はロータ位置0゜elおよび計数状態HALL_CNT=0に相応し、エッジ631はロータ位置180゜elおよび計数状態HALL_CNT=1に相応し、エッジ632はロータ位置360゜elおよび計数状態HALL_CNT=2に相応する。
【0265】
2つの形式の測定が使用される。図28Eは、回転数nが低い場合、例えば2000回転/分以下の場合に使用される一方の形式を示す。ここでt_HALLは大きな値を取る。後述の式(6)と式(7)を参照。図28Fは、回転数がより大きい場合、例えば2000回転/分以上の場合に使用される別の形式を示す。ここではホール時間t_HALLは比較的に小さく、完全な1回転(720゜el)の時間を測定することにより、ロータ108の磁化誤差による不正確さ(Ungenauigkeit)が回避される。
【0266】
ルーチンCALC_t_HALL、S406はメインプログラム(図13)により各第2のホール割込みで呼び出される。すなわち変数HALL_CNT(図28)が偶数、すなわち値0または2のときに呼び出される。図13のステップS402参照。
【0267】
予めホール割込みルーチンS428(図16)にはホール変化の瞬時(実際ないしその時々の:augenblicklich)時間が記憶されている。すなわち、ハイからローへのエッジではRefTime_HSR/LSLに(図16のS458;図28C)、ローからハイへのエッジではRefTime_HSL/LSRに(図16のS470;図28C)記憶される。ロータ位置が0゜el、360゜el、720゜el等の場合、当該ロータ位置に対する時間はHSL/LSRに対する基準時間として記憶され、ロータ位置が180゜el、540゜el、900゜el等の場合、当該ロータ位置に対する時間はHSR/LSLに対する基準時間として記憶される。これは図28Cに明確に示されている。
【0268】
S851ないしS852(図27)では信号HALLの値に応じて、瞬時の(momentan)ホール変化と先行のホール変化との間の持続時間が計算され、変数TEMPに記憶される。図28Eでこれは、例えばホール変化632の後のエッジ631と632との間の持続時間、すなわち[RefTime_HSL/LSR(632)−RefTime_HSR/LSL(631)]となるであろう。S854で瞬時の(augenblicklich)時間t_HALLがt_HALL_OLDに記憶され、これにより加速度の計算を実行することができる。図29参照。
【0269】
S856で持続時間TEMPが持続時間t_2000より小さいか否かが検査される。(時間t_2000は2000回転/分における時間t_HALLに等しい。)ノー(N)の場合、モータ100の回転数nが2000回転/分より小さく、左の分岐路S858、S860が実行され、このとき四分の一回転、すなわち180゜elに対する時間t_HALLが測定される。このときS858では、S851またはS852からの値TEMPがホール時間t_HALLに割当てられ、S860でFLAG_1/4を1にセットすることにより、現在、四分の一回転に対する時間だけが測定されることを指示する。
【0270】
モータの回転数がS856ですでに回転数n=2000回転/分に達している場合、S862で変数HALL_CNT=0であるか否かが検査される。これはロータ108が機械的に完全に1回転する毎に起こる場合に相当する(図28Aおよび28B参照)。ノー(N)の場合、直ちに終了S878へジャンプする。これは例えば図28Dのエッジ632の場合に相当する。しかしHALL_CNT=0の場合は、S864で
FLAG_1/4=1であるか否かが検査される。
【0271】
イエス(Y)の場合、これはロータの完全な1回転に対してt_HALL計算の一番最初の実行であり、従ってこの実行の際に瞬時(momentan)値RefTime_HSL/LSRがRefOldに記憶される。これにより次の実行からはRefOldに対して有効(適切)な値による計算が可能となる。一番最初の実行時には機械的に完全な1回転にわたるt_HALLの計算は行われず、これまでの値がそのまま使用される。S866でFLAG_1/4がゼロにセットされる。すなわち次の実行からはロータ108の完全な1回転にわたる測定を行うことができる。
【0272】
HALL_CNT=0の場合においてCALC_t_HALL、S406が次に呼び出されると、S804からS868へジャンプする。そこで、瞬時(augenblicklich)値RefTime_HSL/LSR(例えば図28Dのエッジ634から)とロータの1回転前にRefOldに記憶されている値(例えば図28Dのエッジ630)との間の持続時間が計算される。この持続時間はホール時間t_HALLの4倍に相応し、従って計算された値はS870で4で除算される。その結果、値t_HALLは完全な1回転(図28Eの630から634,すなわち720゜el)に対する持続時間の四分の一に正確に相応する。t_HALLのこの形式の計算はとりわけ正確であり、従ってモータのとりわけ静粛な運転に寄与する。
【0273】
S874で瞬時(augenblicklich)値RefTime_HSL/LSRが次の計算のために変数RefOldに記憶される。これに続いてルーチンをS878で去る。
【0274】
RefTime_HSL/LSRの代わりに、同様に時間RefTime_HSR/LSLを使用することもできるであろう。これは当業者には自明である。このことは、どのロータ位置においてカウンタHALL_CNTが計数状態0を有するかということに依存している。
【0275】
ルーチンCALC_t_HALLS406はこの実施例では、メインプログラム(図13)の分岐路S402に基づいて、各第2のホール割込みの後にだけ呼び出される。図13のS402での問い合わせによって、その呼び出しの際に完全な1回転にわたる回転数計算のために正しい基準時間が使用されることが保証される。
【0276】
高速プロセッサを使用する場合は、同じルーチンCALC_t_HALLS406をさらに頻繁に呼び出すこともできるであろう。
【0277】
図29は、ロータ108の加速度の計算に用いるルーチンCALC_ACCEL、S408を示す。図13によれば、このルーチンは、ステップS854でルーチンS408の実行が準備されるルーチンCALC_t_HALLに続いて実行される。
【0278】
ステップ640では、変数ACCELがt_HALL_OLDとt_HALLの差として計算される。
【0279】
S642で、ACCELが0より小さいか否かが検査される。これの意味するのは、モータの回転数が例えば制動過程により減少していることである。この場合、S644でACCELが0にセットされる。
【0280】
S642でACCEL≧0の場合、ルーチンはS646へ進み、ここでACCELの値が2倍にされる。0より大きなACCELは、ロータ108が加速していること、例えばモータの起動(Hochlauf)時であることを意味する。従ってACCELは予測的に2倍にされる。なぜなら、モータのスタート時には回転数がe関数に従って上昇し、その結果、2倍にしなければ、ACCELの値は計算の終了後にはすでに過度に低い値になってしまうからである。
【0281】
S644およびS646に続いて、ルーチンはS648へ進む。ここでは(S644またはS646からの)ACCELの値に値A、例えば転流プロシージャに対して約400μsの時間が必要なので400μsが加算される。ACCELのこの値は続いてルーチンRGLで使用され、BWの値が変更される。そしてルーチンS408はステップS652で終了する。
【0282】
図30は、回転数制御に対するルーチンRGLS410を示す。このルーチンは、ホール時間t_HALLと目標時間t_sとの比較に基づくものである。目標時間は所望の回転数に相応し、μC40の入力端RA0に設定される。従ってその実施例の制御器は回転数により直接作動するのではなく、ロータ108が所定の回転角に対して必要とする時間により作動する。ホール時間t_HALLは、ロータが180゜elの回転に必要とする時間に相応する。ロータ108が4極であり、かつ3000回転/分で回転する場合、
t_HALL=60/(3000×4)=0.005s=5ms (6)
が成立する。同様にこの時間は1000回転/分の場合は
t_HALL=60/(1000×4)=0.015s=15ms (7)
である。従って回転数が低い場合、実際値t_HALLは非常に大きく、例えば100回転/分の場合、150ms=0.15sであり、これは例えば3000回転/分に対しては5msである目標値t_sよりも格段に大きい。この理由から、制御偏差RGL_DIFFはステップS654に従い、差(t_HALL−t_s)として形成される。これにより差の形成の際に正(プラス)の結果が得られる。
【0283】
S656では、制御偏差が正(プラス)の許容最大値RGL_DIFF_MAXより大きいか否かが検査される。大きい場合には、S658で制御偏差がこの正の最大値にセットされる。これは、そのようにしないと制御偏差が著しく大きくなってしまう始動(Anlauf)時にはとりわけ重要である。
【0284】
S656で、応答がノー(N)の場合、プログラムはステップS660へ進み、制御偏差が負(マイナス)の許容最大値−RGL_DIFF_MAXより小さいか否かが検査される。イエス(Y)の場合、S662で制御偏差が負(マイナス)の最大値にセットされる。(これは、モータが所望の回転数より大きい回転数で運転されている場合に該当する。)
【0285】
ステップS658,S660またはS662にはS664が続く。ここではPI制御器の計算ステップが実行される。このために制御偏差は比例係数RGL_Pと乗算され、比例成分RGL_PROPが得られる。この比例係数RGL_Pは例えば2とすることができる。
【0286】
同様に制御偏差は積分係数RGL_Iと乗算され、古い積分成分RGL_INTに加算される。これにより新たな積分成分が得られる。この積分係数は例えば0.0625とすることができる。
【0287】
最後に電流ブロック444または446(図15)の長さBWが、新たな比例成分と新たな積分成分の和として計算される。
【0288】
比例係数RGL_Pおよび積分係数RGL_Iは、モータの大きさおよび駆動されるべき負荷の慣性モーメントに依存して経験的に設定される。
【0289】
BWは、ロータが180゜elの回転に対して必要とする時間t_HALLよりも長くなってはならないので、次のステップS666でBWが過度に大きくないか否かが検査され、場合によりS668でブロック長が例えば瞬時(augenblicklich)値t_HALLに制限される。
【0290】
S666で応答がノー(N)の場合、ルーチンS410はステップS670へ進み、ここでBWが0より小さいか否かが検査される。これが意味するのはモータが過度に高速に回転していることである。この場合、S671で値BWが0にセットされる。すなわち電流がモータに流れない。同時に積分成分RGL_INTが0に(または小さな値に)リセットされる。積分成分を小さな値にこのようにリセットすることによって制御器の特性が、とりわけオーバーシュート(設定速度の超過)の点で格段に改善されることが示された。
【0291】
S670で応答がノー(N)の場合、S672でブロック長が(BW−ACCEL)に短縮される。このとき、値ACCELは図29のS648から引き渡される。この値は、加速度に依存する成分と、図29で説明した値A*(例えば400μs)を含む。S672を行なう理由は、加速時、例えば起動(Hochlauf)時には次のホール変化が一定回転数の場合よりも早期に発生し、そのためブロック長BWを加速中は相応に短縮しなければならないからである。値ACCELをS646(図29)で2倍にすることも同様に、起動(Hochlauf)時に転流プロシージャに対して十分な時間を準備するために行う。なぜならモータの起動(Hochlauf)時には回転数がほぼe関数に従って上昇するからであり、このことはS646で考慮される。
【0292】
S672によるブロック長BWによって次にS673で時間t_BLOCK_STARTおよびt_BLOCK_ENDが計算される。これは図15にプロットされている。そこでt_BLOCK_STARTはt1とt3との間の時間間隔であり、その大きさは式(3)から得られる。時間t_BLOCK_ENDは図15Dに従い、t_BLOCK_STARTにBWに対する値を加算することにより得られる。時間t_BLOCK_STARTとt_BLOCK_ENDは、引き続く図25での計算(ルーチンCOMMUT_CTRL)のために必要である。これについては図26で詳細に説明した。
【0293】
式(3a)と式(4a)に基づいて説明した「早期点弧」が所望される場合、S673で次式(8):
t_BLOCK_START:=t_HALL+(t_HALL−BW)/2−VZ (8)
が使用される。VZはこの場合、例えば400μsの定数であり、これにより図15dに従いブロック446の開始がt3’の方へずらされる。すなわち電流が早期にスイッチオン・オフされる。ここでt3’はt2の前にあっても良い。このことが本発明で可能であるのは、トランジスタHSL114とLSR136に対するt_BLOCK_STARTの計算に対する基準点として、信号HALLの立上りエッジ370、すなわち2つ前のエッジが使用されるからである。図15の矢印445と447参照。
【0294】
S673の後、ルーチンS410はS674で終了する。
【0295】
従って図30のルーチンによってブロック長BWが得られ、このブロック長は実際の回転数が所望値に近付けば近付くほど小さくなる。
【0296】
ブロック長BWの制御は、後で図31と図32で説明する適応制御器と相互作用する。この適応制御器はデューティ比pwmを介して値BWをさらに最適化する。BWは、転流プロシージャに対する時間が得られるようt_HALLの95%を上回ってはならない。そしてこのことは次のようにして達成される。すなわち、電流ブロック444または446(図15)を形成するPWMパルス(列)が相応に変形されること、即ち1つのブロックにおける平均電流が適応制御器によって上昇または下降されることにより達成される。BWが過度に大きい場合、平均電流は、このパルス(列)のデューティ比の増大によって、ブロック長BWが転流プロシージャの最適な実行が得られるような値に「収縮される」まで自動的に増加される。
【0297】
図31は、デューティ比pwmをモータの作動条件に依存して変更するためのルーチンMOD_pwm、S412を示す。
【0298】
ステップS900で、制御器(図30)によりS672で形成されたブロック長BWが瞬時の(augenblicklich)ホール時間t_HALLの50%以下であるか否かが検査される。この(回転数に依存する)0.5*t_HALLの値は下限値となり、モータノイズを小さく保持するためには(BWは)この値を大きく下回ってはならない。すなわち短い駆動パルス(列)はモータの構造体伝搬雑音上昇の原因となり、また効率も低下させるからである。このことは不所望のことである。
【0299】
下側限界値を下回っている場合、S902でデューティ比pwmが少なくとも10%(この値を実質的に下回ってはならない)であるか否かが検査される。
【0300】
pwmが10%より小さいかまたは等しい場合、プログラムはステップS904へ進み、ここでデューティ比pwm_OUTがμC40の出力端RC2で瞬時(augenblicklich)値pwmに調整され、S906へ進む。すなわちルーチンMOD_pwmS412を終了する。この場合は、pwmをさらに低減することはできない。
【0301】
pwmが10%より大きい場合、プログラムはS908へ進み、そこでカウンタPWM_CNTが値0を有しているか否かが検査される。このカウンタは、下限値、すなわち0.5*t_HALLに到達ないし下回った頻度を計数し、5番目の計数(値)毎にデューティ比pwmが低減されるように作用する。
【0302】
このためにμCは8ビット、すなわち1から256間の値の内部レジスタを有しており、この値はμC40からその出力端RC2に出力されるPWM信号のデューティ比pwmsを設定する。このPWM信号はこのμCにおいて20kHzの一定の周波数を有している。この内部レジスタの値を低減することによりpwmは減少され、このレジスタの値を増大することによりpwmは増大する。
【0303】
S908でカウンタPWM_CNTが値0を有する場合、プログラムはステップ910へ進み、ここでこのカウンタは値5に調節される。次にS912でデューティ比pwmが減少される。図22参照。これによりモータ電流i、iの平均値は減少する。次にプログラムはS904へ進む。
【0304】
S908でカウンタPWM_CNRが0に等しくない場合、プログラムはS914へ進み、ここでPWM_CNTは1だけ減分される。すなわちこの場合、pwmは変化しない。
【0305】
S900での応答がノー(N)の場合、プログラムはステップS916へ進む。そこでは制御器RGLにより計算されたブロック長BWが過度に大きくないか否か、すなわちt_HALLの95%より大きいかまたは等しいかが検査される。このようなことは不所望のことである。なぜなら転流プロシージャは約400μsを必要とするが、BWが過度に大きい場合は最早これが得られないこととなるからである。
【0306】
BWが過度に大きくない場合、プログラムはすでに説明したステップS904へ進み、pwm_OUTは変化しないままである。
【0307】
BWが過度に大きい場合、プログラムはS918へ進み、そこでpwmがすでに100%に達したか否かが検査される。達している場合、100%以上に高めることは不可能なので、プログラムは直接S904へ進む。すなわちBWの持続中は連続的に電流が流れる。
【0308】
S918でデューティ比が100%より小さい場合、ステップS920へ進み、ここでカウンタPWM_CNTが値0を有しているか否かが検査される。イエス(Y)の場合、S922でカウンタPWM_CNTは5にセットされる。次にS924で値pwmが増分される。図21参照。その結果、モータ電流iまたはiの平均値は相応に増加する。
【0309】
S920での応答がノー(N)の場合、プログラムはステップS926へ進み、ここでPWM_CNTは値1だけ減分され、そしてルーチンはステップS904へ進む。
【0310】
図32は、図31のフローチャートの過程を説明するものである。図32では横軸が相対ブロック長bを示す。これは、
b=BW/t_HALL (9)
として定義される。従って相対ブロック長bは、ブロック長BWのホール時間t_HALLに対する瞬時の(augenblicklich)割合をパーセントで示したものに相当する。縦軸は瞬時の(augenblicklich)デューティ比pwmを同様にパーセントで示したものである。確認のために示すと:t_HALLはロータ108が瞬時の(augenblicklich)回転数において180゜el回転するのに必要な時間である。式(6)と式(7)参照。
【0311】
a)相対ブロック長bが過度に大きくなる場合。
ここで、モータ100が作動点C、すなわちブロック長BWがt_HALLの80%であり(即ちb=80%)、かつデューティ比pwmは35%で作動していると仮定する。
【0312】
モータが負荷されると、bは制御器RGLの作用によって特性曲線930に沿って増大する。このときpwm=35%は変化しない。932でb=95%の上限値を上回り、934でS924(図31)によりデューティ比pwmが高められる。その結果、比較的に大きな平均電流が流れ、モータ100にはより多くのエネルギーが供給され、その回転数は上昇する。
【0313】
従ってS936で回転数制御器RGLにより相対ブロック長bが縮小され、再び許容領域に戻る。しかしこのときpwmは高められている。(図32ではpwmの上昇が誇張して示されている;このことは小さなステップ(幅)でのみ行われる。)
【0314】
カウンタPWM_CNTは、上限値932を僅かに上回るたびにpwmが増加するのを阻止する。実験的には、5回ごとに1つ上昇させるとモータが非常に安定して回転することが確認された。しかしこの係数は例えばモータの大きさ、負荷の形式等に依存しうる。この係数が過度に小さい場合、制御器は発振する傾向がある。3から7の間の値が現在の知識では最適と思われる。
【0315】
b)相対ブロック長bが過度に小さくなる場合。
図32は第2の例として、b=55%の相対ブロック長と80%のpwmを有する作動点Dを示す。
【0316】
モータが負荷軽減されると、直線940の特性曲線は下限値942(b=50%)を下回り、944で約47%の相対ブロック長bに至る。このことによりモータ雑音が上昇し、またモータの効率に対しても不利である。
【0317】
従ってS912によりデューティ比pwmが縦軸方向の直線946(図32)に沿って低減され、これによりモータに供給される電流の平均値も減少し、その結果、回転数は低下する。
【0318】
この理由から回転数制御器RGL(図30)は比較的に大きなブロック長BWを計算し、その結果、相対ブロック長bは直線948に沿って再び下限値942より大きい領域に戻る。
【0319】
負荷の変化が大きい場合には上記の過程を数回繰り返すことができる。基本的に回転数制御器は相対的ブロック長bとデューティ比pwmを全領域で調整することができる。この領域は図32に破線950により囲まれている。従ってこの実施例では、pwmは10%から100%の間であり、相対ブロック長bは50〜95%の間である。これを常に最適効率の領域ないしモータ雑音の低い領域へ戻ろうとする適応制御器と称することができる。
【0320】
もちろん本発明の枠内で多種多様の変形および改善が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の直流モータの有利な一実施形態の概略図。
【図2】 従来技術のモータでの転流経過を説明するための概略的線図。
【図3】 本発明のモータの一例での転流プロシージャの経過を説明するための、図2と同様の概略的線図。
【図4】 転流プロシージャの経過中に測定される電流推移の線図。
【図5】 最大電流制限を使用した場合に測定される電流推移の線図。
【図6】 本発明を説明するための状態図。
【図7】 ロータが360゜el回転する際の磁束密度推移と、電流制限が使用される場合のモータ電流推移を示す線図。
【図8】 電流制限が使用された結果を非常に概略的に図7と同様に示した図。ここではモータに配属され電流ブロックの長さBWを相応に拡大する適合制御器が作動する。
【図9】 Arizona Microchip社製のマイクロコントローラによる特別の実施例。この図はマイクロコントローラの配線の一部であり、この部分は図10には示していない。
【図10】 信号IminとImaxを生成するためのハードウエアの詳細な回路図。
【図11】 Hブリッジ137を制御するハードウエアの詳細な回路図。
【図12】 使用されるソフトウエアの基本構造を説明するための概略図。
【図13】 モータ100でのプログラムの基本的推移を示すフローチャート。
【図14】 種々の割込みを識別および操作するための割込みルーチンのフローチャート。
【図15】 後続の各図を説明するための概略図。
【図16】 信号HALLのエッジが発生した際に実行されるホール割込みルーチンのフローチャート。
【図17】 信号Imaxのエッジで実行されるImax割込みルーチンのフローチャート。
【図18】 モータが高速回転する際に最大電流制限の応答を説明するための概略図。
【図19】 信号Iminが発生する際に実行されるImin割込みルーチンのフローチャート。
【図20】 TIMEOUT割込みルーチンのフローチャート。
【図21】 デューティ比pwmを増大するためのフローチャート。
【図22】 デューティ比pwmを減少するためのフローチャート。
【図23】 転流時に実行される過程を説明するためのフローチャート。
【図24】 モータ100が通常の回転数で運転される場合の、転流を説明するためのフローチャート。
【図25】 巻線102で電流が遮断される場合の転流プロシージャの詳細を説明するためのフローチャート。
【図26】 転流時の過程を説明するための線図。
【図27】 回転数が小さい場合と大きい場合での、持続時間t_HALLの計算を説明するためのフローチャート。
【図28】 回転数が小さい場合と大きい場合での、持続時間t_HALLの計算を説明するための線図。
【図29】 加速度を考慮するためのルーチンCALC_ACCELのフローチャート。
【図30】 回転数制御のためのルーチンRGLのフローチャート。
【図31】 モータの作動条件に依存してデューティ比pwmを適合的に変更するためのルーチンのフローチャート。
【図32】 図31の作用を説明するための概略図。
【図33】 図26をさらに具体的に説明するための数値も示した概略図。

Claims (28)

  1. 電子転流式モータの転流方法であって、
    該モータは直流電源に接続されるよう構成されており、かつ永久磁石ロータ(108)と、複数の半導体スイッチ(114,130,132,136)を有するフルブリッジ回路(137)と、2つの巻線端子(104,106)を備えた駆動巻線(102)を有するステータとを有し、
    前記駆動巻線(102)の一方の巻線端子(104)からは、フルブリッジ回路(137)の第1の半導体スイッチ(HSL114)が直流電源の第1の線路(116)に導かれ、フルブリッジ回路(137)の第2の半導体スイッチ(LSL132)が当該直流電源の第2の線路(122)に導かれ、
    他方の巻線端子(106)からは、フルブリッジ回路の第3の半導体スイッチ(HSR130)が第1の線路(116)に、フルブリッジ回路の第4の半導体スイッチ(LSR136)が直流電源の第2の線路(122)に導かれ、
    駆動巻線(102)に、ロータ(108)の所定の回転角度領域内での作動時に、少なくとも領域的に電流が第1の方向で供給され、転流プロシージャの経過中に電流が遮断された後は、引き続く回転角度領域内で少なくとも領域的に電流が前記第1の方向とは反対の第2の方向で供給される形式のものにおいて、
    以下のステップを有する、すなわち:
    a)ロータ(108)の角速度を表す量(t_HALL)を検出するステップ;
    b)当該量(t_HALL)に基づいて、転流プロシージャの開始時に電流を遮断するための将来的時点(図15:t3,t4)を計算するステップ;
    c)前記時点に達した後、第1の半導体スイッチ(HSL)と第3の半導体スイッチ(HSR)の全体のうち、当該時点に導通している半導体スイッチを非導通に制御し、これにより直流電源から第1の方向で駆動巻線(102)に流れる電流を遮断するステップ;
    d)前記半導体スイッチを非導通に制御した後、第2の半導体スイッチ(LSL)と第4の半導体スイッチ(LSR)の全体のうち、当該時点に導通している半導体スイッチに加えて当該時点に非導通の半導体スイッチも導通制御し、これにより駆動巻線の巻線端子が第2の半導体スイッチ(LSL)と第4の半導体スイッチ(LSR)を介して低抵抗に相互に接続されるようにし、以て、駆動巻線(102)を流れる電流が第1の方向で第2の半導体スイッチ(LSL)と第4の半導体スイッチ(LSR)とを通ってさらに流れ、消失できるようにするステップ;
    e)前記電流が低減された値に達した場合、駆動巻線の巻線端子を高抵抗に切替え、当該巻線端子間では実質的に電流が流れることができないようにするステップ;
    f)前記ステップe)の終了に続く時点で、フルブリッジ回路(137)の制御によって直流電源からの駆動巻線への電流供給を反対の第2の方向でスイッチオンするステップ;
    を有することを特徴とする転流方法。
  2. 前記ステップe)で、低抵抗の接続に流れる電流を検出し、駆動巻線(102)に流れる電流が所定の値まで低下した場合、駆動巻線(102)の巻線端子(104,106)を高抵抗に切り替える、請求項1記載の方法。
  3. 前記所定の値は電流0の領域にある、請求項2記載の方法。
  4. 前記ステップe)で、前記ステップd)の開始からの時間を監視し、所定の時間間隔を経過した後、巻線端子を高抵抗に切り替える、請求項2記載の方法。
  5. 前記ステップe)で、低抵抗の接続に流れる電流を検出し、
    ・駆動巻線の電流が所定の値まで低下した場合、または
    ・前記ステップd)の開始から所定の時間間隔が経過した場合に、
    駆動巻線の巻線端子を高抵抗に切り替える、請求項1記載の方法。
  6. 電流の前記所定の値は電流0の領域にある、請求項5記載の方法。
  7. フルブリッジ回路はHブリッジ(137)として構成されている、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
  8. 電子転流式モータであって、
    該モータは直流電源に接続されるよう構成されており、かつ永久磁石ロータ(108)と、複数の半導体スイッチ(114,130,132,136)を有するフルブリッジ回路(137)と、2つの巻線端子(104,106)を備えた駆動巻線(102)を有するステータとを有し、
    前記駆動巻線(102)の一方の巻線端子(104)からは、フルブリッジ回路(137)の第1の半導体スイッチ(HSL114)が直流電源の第1の線路(116)に導かれ、フルブリッジ回路(137)の第2の半導体スイッチ(LSL132)が当該直流電源の第2の線路(122)に導かれ、
    他方の巻線端子(106)からは、フルブリッジ回路の第3の半導体スイッチ(HSR130)が第1の線路(116)に、フルブリッジ回路の第4の半導体スイッチ(LSR136)が直流電源の第2の線路(122)に導かれ、
    駆動巻線(102)に、ロータ(108)の所定の回転角度領域内での作動時に、少なくとも領域的に電流が第1の方向で供給され、転流プロシージャの経過中に電流が遮断された後は、引き続く回転角度領域内で少なくとも領域的に電流が前記第1の方向とは反対の第2の方向で供給される形式のものにおいて、
    以下のステップを行うよう構成された制御装置を有すること、すなわち:
    a)ロータ(108)の角速度を表す量(t_HALL)を検出するステップ;
    b)当該量(t_HALL)に基づいて、転流プロシージャの開始時に電流を遮断するための将来的時点(図15:t3,t4)を計算するステップ;
    c)前記時点に達した後、第1の半導体スイッチ(HSL)と第3の半導体スイッチ(HSR)の全体のうち、当該時点に導通している半導体スイッチを非導通に制御し、これにより直流電源から第1の方向で駆動巻線(102)に流れる電流を遮断するステップ;
    d)前記半導体スイッチを非導通に制御した後、第2の半導体スイッチ(LSL)と第4の半導体スイッチ(LSR)の全体のうち、当該時点に導通している半導体スイッチに加えて当該時点に非導通の半導体スイッチも導通制御し、これにより駆動巻線の巻線端子が第2の半導体スイッチ(LSL)と第4の半導体スイッチ(LSR)を介して低抵抗に相互に接続されるようにし、以て、駆動巻線(102)を流れる電流が第1の方向で第2の半導体スイッチ(LSL)と第4の半導体スイッチ(LSR)とを通ってさらに流れ、消失できるようにするステップ;
    e)前記電流が低減された値に達した場合、駆動巻線の巻線端子を高抵抗に切替え、当該巻線端子間では実質的に電流が流れることができないようにするステップ;
    f)前記ステップe)の終了に続く時点で、フルブリッジ回路(137)の制御によって直流電源からの駆動巻線への電流供給を反対の第2の方向でスイッチオンするステップ;
    を行うよう構成された制御装置を有することを特徴とする電子転流式モータ。
  9. 前記ステップe)で、低抵抗の接続に流れる電流を検出し、駆動巻線(102)に流れる電流が所定の値まで低下した場合、駆動巻線(102)の巻線端子(104,106)を高抵抗に切り替える、請求項8記載のモータ。
  10. 前記所定の値は電流0の領域にある、請求項9記載のモータ。
  11. 前記ステップe)で、前記ステップd)の開始からの時間を監視し、所定の時間間隔を経過した後、巻線端子を高抵抗に切り替える、請求項記載のモータ。
  12. 前記ステップe)で、低抵抗の接続に流れる電流を検出し、
    ・駆動巻線の電流が所定の値まで低下した場合、または
    ・前記ステップd)の開始から所定の時間間隔が経過した場合に、
    駆動巻線の巻線端子を高抵抗に切り替える、請求項記載のモータ。
  13. 電流の前記所定の値は電流0の領域にある、請求項12記載のモータ。
  14. フルブリッジ回路はHブリッジ(137)として構成されている、請求項8から13までのいずれか1項記載のモータ。
  15. ロータ位置の検出のためホール発電機(110)を有する、請求項 8記載のモータ。
  16. 請求項8から15までのいずれか1項記載のモータであって、
    前記フルブリッジ回路(137)では、第1の直流線路(116)と第1のブリッジトランジスタ(114,130)が接続されており、第2の直流線路(122)とは第2のブリッジトランジスタ(132,136)が接続されており、
    さらに一方の直流線路(122)から少なくとも1つのブリッジトランジスタ(132,136)へ流れる電流を監視するための監視装置(172,198)を有し、
    当該監視装置は、所定の電流を上回る際に応答し、他方の直流線路(116)と接続された少なくとも1つのブリッジトランジスタ(114,130)を導通状態から非導通状態へ制御するように構成されており、
    該監視装置は、一方の線路に設けられたブリッジトランジスタ(132,136)に測定抵抗(134,138)を有し、
    該測定抵抗にはコンパレータ(172,198)が配属されており、
    該コンパレータは、測定抵抗から導出された測定電圧を所定の比較電圧(Uref)と比較し、
    前記比較電圧(Uref)は該コンパレータ(172,198)の出力信号の関数であり、所定の電流を上回る際に変化して、スイッチヒステリシスに影響を及ぼし、
    これにより当該監視装置は、第1の電流値でアクティベートされ、第2の電流値でデアクティベートされ、
    該第2の電流値は大きさは第1の電流値よりも小さくなるよう構成される、モータ。
  17. ロータ位置の検出のためホール発電機(110)を有する、請求項16記載のモータ。
  18. 制御のためマイクロコンピュータ(40)を有する、請求項16又は17記載のモータ。
  19. 該マイクロコンピュータ(40)は、ソフトウェアで制御可能なデューティ比( pwm )を備えたPWM信号(PWM)の生成装置を備え、該デューティ比は、該モータ(100)に通電される電流の大きさを規定する、請求項18記載のモータ。
  20. 複数の測定抵抗(134,138)と、該測定抵抗に配属されたコンパレータ(172,198)とが設けられており、
    該コンパレータの出力信号は結合素子(192,194)を介して1つの共通の出力素子(188)に供給され、
    該出力素子は、ブリッジトランジスタで所定の電流を上回る際に相応の出力信号を送出し、すべてのコンパレータに対する基準電圧(Uref)を低下させる、請求項17から19までのいずれか1項記載のモータ。
  21. 他方の直流線路(116)と接続されたブリッジトランジスタ(114,130)は所定の電流を上回る際にハードウエア(148,152,154,160)により非導通に制御される、請求項16から20までのいずれか1項記載のモータ。
  22. 他方の直流線路(116)と接続されたブリッジトランジスタ(114,130)は所定の電流を上回る際に冗長的にソフトウエアによっても非導通に制御される、請求項21記載のモータ。
  23. 電流監視装置(172,198)の出力信号(Imax)は、モータのハードウエアにも、モータに配属されたマイクロコンピュータ(40)にも供給され、
    これによりハードウエアを介して直接的にも、マイクロコンピュータ(40)の出力端での命令によっても、他方の直流線路(116)と接続されたブリッジトランジスタ(114,130)を非導通に制御する、請求項22記載のモータ。
  24. 出力信号(Imax)はマイクロコンピュータ(40)の入力端に供給され、
    該マイクロコンピュータでは該出力信号の発生時に割込み(図17:Imax割込み)がトリガされる、請求項23記載のモータ。
  25. 割込みの発生時に、他方の直流線路(116)と接続されたブリッジトランジスタ(114,130)の非導通制御に加えて、一方の直流線路(122)と接続された複数のブリッジトランジスタ(132,136)を導通制御し、これによりこれらのトランジスタを介してモータ(100)の巻線(102)は実質的に短絡で作動される、請求項24記載のモータ。
  26. 時間制御部(図17:S510)が設けられており、これによりブリッジトランジスタ(132,136)の導通制御を所定時間の経過後にデアクティベートする、請求項25記載のモータ。
  27. 割込み(図17:Imax割込み)の発生時に、PWM信号(PWM)のデューティ比(pwm)は縮小され(図17:S508)、
    該デューティ比はモータのステータ巻線における電流実効値(i,i)に影響を及ぼす、請求項25または26記載のモータ。
  28. デューティ比(pwm)は、電流が過度に大きいことに起因する割込みが繰り返し発生する際、少なくとも2つのロータ回転の間にはこのような割込みが発生しないように低下される、請求項27記載のモータ。
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