JP2002325484A - ブラシレスモータの制御装置 - Google Patents

ブラシレスモータの制御装置

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JP2002325484A
JP2002325484A JP2001131441A JP2001131441A JP2002325484A JP 2002325484 A JP2002325484 A JP 2002325484A JP 2001131441 A JP2001131441 A JP 2001131441A JP 2001131441 A JP2001131441 A JP 2001131441A JP 2002325484 A JP2002325484 A JP 2002325484A
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pole position
brushless motor
motor
duty
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Taro Kishibe
太郎 岸部
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロータの磁極位置を検出するセンサがない、
ブラシレスモータを駆動するセンサレス制御装置におい
て、モータを効率良く駆動するための進角制御を実現
し、また負荷変動による運転停止を防止する制御機能を
有すること。 【解決手段】 ブラシレスモータの複数相のステータ巻
線の端子電圧を検出する端子電圧検出手段と、基準値と
端子電圧検出手段で検出した値を比較する比較手段と、
この比較手段からの信号によりロータの磁極位置の情報
を得る磁極位置推定手段と、磁極位置と電圧指令の情報
からPWMのdutyに基づいた通電タイミング信号を
出力する制御手段と、この制御手段からの通電タイミン
グ信号に基づいてステータ巻線に通電する出力手段とを
備え、基準値をPWMのdutyとモータ回転数から決
定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばブラシレス
モータの制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、環境保護の点からモータの高効率
化の開発が盛んに行われている。モータの種類としては
誘導モータからマグネットを利用したDCモータ、中で
もロータ部にマグネットを用いたブラシレスモータはメ
ンテナンスが不要であるため主流となっている。特にエ
アコンの圧縮機においては省エネを目的としてブラシレ
スモータが採用されている。圧縮機の内部は高温で、冷
媒ガスが存在するため電子部品等を設置することができ
ない。そのため磁極位置を検出するセンサを付けずに、
誘起電圧を検出して磁極位置を推定する制御方式(以
下、センサレス制御)が一般的に採用されている。従
来、ブラシレスモータのセンサレス制御方式としては図
9に示したような制御装置が提案されている。この方式
は120度通電矩形波駆動と呼ばれる方式であり、トラ
ンジスタのOFF区間に現れる誘起電圧を検出してロー
タの位置を推定している。25は分割抵抗部であり、各
相の出力電圧を抵抗分割することで電圧レベルを回路入
力が可能なレベルに下げる。この出力電圧の波形を図1
0のU相出力電圧に示す。トランジスタがONあるいは
電流が流れている区間は電圧が+側、あるいは−側に張
り付いたレベルとなる。トランジスタがOFFし、かつ
電流が流れていない区間では誘起電圧が出力端子に現れ
る。この検出した誘起電圧と基準値をコンパレータで比
較し、コンパレータの出力信号をロータの磁極の位置を
示すCS信号としてロータの位置を検出している。基準
値はインバータの主電源1を抵抗2、3で均等に分割し
た値を用いる。一方、エアコンのコンプレッサに利用さ
れるモータは、近年ではモータの高効率化や頑強性の観
点からロータ内にマグネットを埋め込み、リラクタンス
トルクの利用で高率アップを図り、またマグネットの飛
散防止を実現できるIPMモータが主流となってきてい
る。IPMモータを高効率で駆動させるにはリラクタン
ストルクを有効に使うためには、誘起電圧に対し電流位
相を5〜40度まで進めた制御方式が用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のセンサ
レス制御方式ではコンパレータで誘起電圧と比較する基
準値を主電源1の中点としているので、電圧位相を30
度以上進めると誘起電圧の検出点までスイッチングして
しまうことになるため、位相の検出ができないため進角
は30度以上進めることはできない。実際のエアコンで
は、ロータリー圧縮機の内部は高温吸入・圧縮・吐出の
サイクルで負荷トルクの変動が大きく、進角は10度程
度が限界であり効率の良い運転ができない。
【0004】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明は、ブラシレスモータの複数相のステータ巻線
の端子電圧を検出する端子電圧検出手段と、基準値と端
子電圧検出手段で検出した値を比較する比較手段と、こ
の比較手段からの信号によりロータの磁極位置の情報を
得る磁極位置推定手段と、磁極位置と電圧指令の情報か
らPWMのdutyに基づいた通電タイミング信号を出
力する制御手段と、この制御手段からの通電タイミング
信号に基づいてステータ巻線に通電する出力手段とを備
え、基準値をPWMのdutyとモータ回転数から決定
する基準値設定手段を設けた構成としている。
【0005】または、ブラシレスモータの複数相のステ
ータ巻線の端子電圧を検出する端子電圧検出手段と、基
準値と端子電圧検出手段で検出した値を比較する比較手
段と、この比較手段からの信号によりロータの磁極位置
の情報を得る磁極位置推定手段と、磁極位置と電圧指令
の情報からPWMのdutyに基づいた通電タイミング
信号を出力する制御手段と、この制御手段からの通電タ
イミング信号に基づいてステータ巻線に通電する出力手
段とを備え、磁極位置推定値に位置推定リミット手段を
設けた構成としている。
【0006】または、磁極位置に応じて複数の磁極位置
推定手段を設けた構成としている。
【0007】または、複数の磁極位置推定手段からの信
号により、PWMのdutyを増減するduty増減手
段を設けた構成としている。
【0008】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)図1に本発明の
第1の実施の形態のモータ制御装置のブロック図を示
す。18はブラしレスモータ、16はインバータ部であ
りIGBT等パワー素子によって構成される。通常よく
使用される3相モータの場合、6つのパワー素子をフル
ブリッジ結合した構成がとられる。1は主電源であり、
インバータ部16を通してブラシレスモータ18へ電源
を供給する。32はPWM制御部で設定する電圧のdu
tyを作成するPWM duty作成部である。エアコ
ンのコンプレッサ用モータは通常速度制御で駆動される
ため、上位ループで指令速度と現状の速度を比較した結
果の電圧指令が入力される。31はPWM制御部であ
り、パワー素子を駆動するための前段回路、制御信号と
パワー部を絶縁するフォトカプラ等から構成されてい
る。ロータ位置検出部30からのCS信号と、PWM
duty作成部からの電圧のduty指令を受けて、イ
ンバータ部16へPWM信号35を出力する。25は分
割抵抗部であり、モータ出力端子を抵抗を介して接続し
て、その接続点(中性点)をグランドに接地し、モータ
出力端子と中性点からの電位を各モータ出力端子の電位
とする。モータ出力端子の電位は図2のようになってお
り、検出している相に対応するインバータ部16の上側
トランジスタがPWMで駆動しているときは、出力端子
の電位は矩形波状となっており、下側トランジスタがO
Nしているときは0となっている。対応する相のトラン
ジスタがOFFのときはモータの誘起電圧が端子に現れ
る。このときのモータ出力端子の電位としきい値設定部
から出力されるしきい値とをコンパレータ部29で比較
することで、ロータの磁極位置に対応したCS信号
‘H’、‘L’信号を出力する。30はロータ位置検出
部であり、コンパレータ部29からの信号を受け、各相
への通電パターンを決める信号を検出する。CS信号は
3相モータの場合は、CS1、CS2、CS3の電気角
で120°ずれた‘L’、‘H’の信号が入力される。
例えば3相4極のモータの場合、1回転あたり2度の
‘H’区間(2パルス)があり、電気角360°あたり
6パルス出力することからロータ位置角度を電気角で6
0°の精度で分解する。例えばモータがCW方向に回転
している場合、CS1、CS2、CS3の出力はロータ
位置が0°から60°のとき‘H’、‘L’、‘H’、
60°から120°のとき‘H’、‘L’、‘L’、1
20°から180°のとき‘H’、‘H’、‘L’、1
80°から240°のとき‘L’、‘H’、‘L’、2
40°から300°のとき‘L’、‘H’、‘H’、3
00°から360°のとき‘L’、‘L’、‘H’とな
る。41は回転速度検出部であり、ロータ位置検出部3
0からのCS信号を受けて、CS信号の切り替わり時間
を測定することで回転速度を演算する。電圧検出部39
は主電源1の電圧を抵抗2、3で抵抗分割した値を測定
して基準となる中性点電位を作成する。しきい値設定部
40はコンパレータ部29でモータ出力端子と比較する
しきい値を出力する。
【0009】以上のような構成のモータ制御装置につい
て図2、図3のモータ動作状態図を用いて説明する。し
きい値設定部40から出力されるしきい値の設定方法よ
り電圧の位相を進めたり遅らせたりすることが可能とな
る。電圧検出部39で作成した中性点電位にΔrを和差
することで設定できる。位相を進める場合にはCS信号
が‘H’のときは中性点電位にΔrをプラス、CS信号
が‘L’のときはΔrをマイナスして、位相を遅らせた
い場合にはCS信号が‘H’のときは中性点電位にΔr
をマイナス、CS信号が‘L’のときはΔrをプラスす
ることで位相の設定が容易に可能となる。またモータは
回転状態によって高率が向上する電圧位相が異なるた
め、しきい値設定部40では回転速度検出部41からの
回転速度値とPWM duty43から最適なしきい値
を求める。この設定方法としてはPWM dutyに対
して高率が最大となる電圧位相を求めておき、duty
に対するΔr量Rdとしてテーブル化する。また回転速
度ωに対して効率が最大となる電圧位相を求めておき、
ωに対するΔr量Rωとしてテーブル化する。このデー
タをそれぞれ合わせることで総Δr量としてRβを算出
する。このRβはdutyからだけ、又は回転速度から
だけで求めても高率を上げる効果があることは言うまで
もない。
【0010】以上のように本発明は、誘起電圧と比較す
る基準値の値を変更する基準値設定手段を設け、また、
この基準値の設定をPWMのdutyとモータ回転数か
ら決定することでモータをセンサレスで高率良く駆動す
ることができる。
【0011】(実施の形態2)図4、図5を用いて本発
明の第2の実施の形態について説明する。図4は負荷変
動が少ない場合のロータ位置検出部30とPWM制御部
31の動作を示したものである。負荷変動が少ない場合
はロータ位置検出部30で検出したCS信号間の時間は
ほぼ等しくtθとなる。この場合のPWM制御出力はロ
ータ位置に合わせてPWM制御部31のように出力すれ
ばいい。しかし図5のように負荷変動が大きい場合はC
S信号間の時間はロータ位置ごとに大きくずれる。トラ
ンジスタをON/OFFするタイミングはCS信号から
Δθずれた位相であり、このΔθはCS信号間の時間か
ら求めるため、CS信号のばらつきが大きい場合にはΔ
θも正確な値が得られないためトランジスタのON/O
FFタイミングが大きくずれる。特に負荷が重くなり、
CSの切替えタイミングが遅れている場合、図5のロー
タ位置検出部30に示すようにロータ位置推定値にリミ
ッタを設けることで位相のずれを補正するものである。
【0012】以上のように本発明は、ロータ位置検出部
30内にロータ位置推定値リミッタ機構を設けること
で、負荷変動の大きい使用環境においてモータの脱調を
防ぐことができる。
【0013】(実施の形態3)図6を用いて本発明の第
3の実施の形態について説明する。負荷変動が大きい使
用環境において負荷変動の周期でCS間の時間を個別に
測定する。例えばレシプロ型のコンプレッサでは通常3
相4極モータがよく用いられている。レシプロ型コンプ
レッサはモータ1回転で1周期の負荷変動があり、この
場合はCS間は12に分割する。例えばm区間ではm区
間だけで求めた速度から位置を決定する。速度の推定に
は、tc間隔でカウントアップするカウント割り込みタ
イマを動作させ、m区間でのカウント数Cmを求める。
従ってm区間での速度vmはCm/tcとなる。このよ
うに速度が求まるので、ロータの位置θを速度から求め
ることができる。
【0014】以上のように本発明は、負荷変動の周期ご
とに個別にCS間の時間を測定し、速度を推定する構造
とすることで、負荷変動の大きい使用環境においてモー
タの脱調を防ぐことができる。
【0015】(実施の形態4)図7、図8を用いて本発
明の第4の実施の形態について説明する。実施の形態3
において、duty一定の場合は図7に示すようにモー
タ回転速度の変動が大きく、脱調しやすい。そこでモー
タ回転速度の低い区間のdutyを高くし、モータ回転
速度の高い区間のdutyを低くすることでモータ回転
速度の変動幅を小さくする。dutyの設定は図8に示
すように、CS間の時間から求めた値と速度指令の差に
比例ゲインを掛けたものをDutyとする。
【0016】以上のように本発明は、負荷変動の周期ご
とに個別に求めたCS間のモータ回転速度から電圧のd
utyを可変にすることで速度変動幅を小さくすること
が可能となり、負荷変動の大きい使用環境においてモー
タの脱調を防ぐことができる。
【0017】
【発明の効果】以上のように本発明は、誘起電圧と比較
する基準値の値を変更する基準値設定手段を設け、ま
た、この基準値の設定をPWMのdutyとモータ回転
数から決定することでモータをセンサレスで高率良く駆
動することができる。
【0018】以上のように本発明は、ロータ位置検出部
30内にロータ位置推定値リミッタ機構を設けること
で、負荷変動の大きい使用環境においてモータの脱調を
防ぐことができる。
【0019】以上のように本発明は、負荷変動の周期ご
とに個別にCS間の時間を測定し、速度を推定する構造
とすることで、負荷変動の大きい使用環境においてモー
タの脱調を防ぐことができる。
【0020】以上のように本発明は、負荷変動の周期ご
とに個別に求めたCS間のモータ回転速度から電圧のd
utyを可変にすることで速度変動幅を小さくすること
が可能となり、負荷変動の大きい使用環境においてモー
タの脱調を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のモータ制御装置の
ブロック図
【図2】本発明の第1の実施の形態のモータ動作状態図
【図3】本発明の第1の実施の形態のモータ制御装置の
ブロック図
【図4】本発明の第2の実施の形態のモータ動作状態図
【図5】本発明の第2の実施の形態のモータ動作状態図
【図6】本発明の第3の実施の形態のモータ動作状態図
【図7】本発明の第4の実施の形態のモータ動作状態図
【図8】本発明の第4の実施の形態のモータ制御装置の
ブロック図
【図9】従来例のモータ制御装置のブロック図
【図10】従来例のモータ動作状態図
【符号の説明】
1 主電源 2、3、19、20、21、22、23、24 分割抵
抗 4、5、6、7、8、9 パワートランジスタ 10、11、12、13、14、15 フライホイール
ダイオード 16 インバータ部 17 シャント抵抗 18 ブラシレスモータ 25 分割抵抗部 26、27、28 コンパレータ 29 コンパレータ部 30 ロータ位置検出部 31 PWM制御部 32 PWM duty作成部 33 制御装置 34 電圧指令入力 35 PWM出力 39 電圧検出部 40 しきい値設定部 41 回転速度検出部 42 しきい値 43 PWM duty 44 制御ゲイン 45 duty 46 モータ+負荷 47 CS間速度検出部 48 ロータ位置情報 49 速度 50 速度指令

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブラシレスモータの複数相のステータ巻
    線の端子電圧を検出する端子電圧検出手段と、基準値と
    端子電圧検出手段で検出した値を比較する比較手段と、
    この比較手段からの信号によりロータの磁極位置の情報
    を得る磁極位置推定手段と、磁極位置と電圧指令の情報
    からPWMのdutyに基づいた通電タイミング信号を
    出力する制御手段と、この制御手段からの通電タイミン
    グ信号に基づいてステータ巻線に通電する出力手段とを
    備え、基準値の値を変更する基準値設定手段を設けたこ
    とを特徴とするブラシレスモータの制御装置。
  2. 【請求項2】 基準値設定手段はPWMのdutyとモ
    ータ回転数から決定することを特徴とする請求項1記載
    のブラシレスモータの制御装置。
  3. 【請求項3】 ブラシレスモータの複数相のステータ巻
    線の端子電圧を検出する端子電圧検出手段と、基準値と
    端子電圧検出手段で検出した値を比較する比較手段と、
    この比較手段からの信号によりロータの磁極位置の情報
    を得る磁極位置推定手段と、磁極位置と電圧指令の情報
    からPWMのdutyに基づいた通電タイミング信号を
    出力する制御手段と、この制御手段からの通電タイミン
    グ信号に基づいてステータ巻線に通電する出力手段とを
    備え、磁極位置推定値に位置推定リミット手段を設けた
    ことを特徴とする請求項1または2記載のブラシレスモ
    ータの制御装置。
  4. 【請求項4】 磁極位置に応じて複数の磁極位置推定手
    段を設けた請求項1または2記載のブラシレスモータの
    制御装置。
  5. 【請求項5】 複数の磁極位置推定手段からの信号によ
    り、PWMのdutyを増減するduty増減手段を設
    けた請求項4記載のブラシレスモータの制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項1から5のいずれか1項に記載の
    ブラシレスモータの制御装置を有する空調圧縮機。
  7. 【請求項7】 請求項1から5のいずれか1項に記載の
    ブラシレスモータの制御装置を有する冷凍圧縮機。
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