JP5857825B2 - モータ制御装置 - Google Patents

モータ制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5857825B2
JP5857825B2 JP2012062937A JP2012062937A JP5857825B2 JP 5857825 B2 JP5857825 B2 JP 5857825B2 JP 2012062937 A JP2012062937 A JP 2012062937A JP 2012062937 A JP2012062937 A JP 2012062937A JP 5857825 B2 JP5857825 B2 JP 5857825B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phase
motor
voltage
rotor
magnetic pole
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012062937A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013198299A (ja
Inventor
貴広 寺
貴広 寺
浩志 瀧
浩志 瀧
理基 大林
理基 大林
黒田 昌寛
昌寛 黒田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2012062937A priority Critical patent/JP5857825B2/ja
Publication of JP2013198299A publication Critical patent/JP2013198299A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5857825B2 publication Critical patent/JP5857825B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)

Description

本発明は、電力変換回路のスイッチング素子を操作することで、q軸インダクタンスがd軸インダクタンスより大きい三相モータに電圧を印加するモータ制御装置に関する。
ブラシレスモータをセンサレスで駆動する方式として、ステータのコイルに誘起される誘起電圧が基準電圧と一致するゼロクロスタイミングに基づいて、モータの各相に矩形波形状の電圧を印加する方式が知られている。特に、モータの回転速度、トルク、及び電流を制御する場合は、矩形波形状の電圧をパルス幅変調(PWM)して印加するPWM制御方式が知られている。
PWM制御方式の1つとして、3相電力変換回路に含まれる3組の上下スイッチング素子のうち、第3相の上下スイッチング素子をオフにし、第2相の下スイッチング素子をオンにし、第1相の上スイッチング素子をオンオフして電圧を印加する方式(非相補PWM方式)がある。この方式は、第1相の上スイッチング素子をオンした期間でしかゼロクロスタイミングを検出できないため、デューティ比が小さい低速時においてロータの磁極位置を検出することが困難という問題がある。
これに対し、特許文献1や特許文献2のように、3相電力変換回路に含まれる3組の上下スイッチング素子のうち、第3相の上下スイッチング素子をオフにしたまま、第1相の上スイッチング素子をオンにし第2相の下スイッチング素子をオンにした第1状態と、第1相の下スイッチング素子をオンにし第2相の上スイッチング素子をオンにした第2状態とを交互に切り替えて電圧を印加する方式(相補PWM方式)がある。なお、相補PWM方式では、各相の上下スイッチング素子の一方がオンの時に他方はオフにされる。
特許第4513863号公報 特開2011−30385号公報
特許文献1では、第3相の端子に現れる誘起電圧と基準電圧とが一致するタイミングを、ゼロクロスタイミングとしている。しかしながら、特許文献1では、ロータの磁極位置の変化による巻線インダクタンスの変化は考慮されていない。q軸インダクタンスがd軸インダクタンスより大きいIPMモータ等では、ロータの磁極位置に応じてインダクタンスが変化する。そのため、第3相の端子に現れる誘起電圧は、スイッチング素子を第1状態と第2状態とに切り替えるごとに、上下に変動する。それゆえ、ロータの磁極位置を誤検出してしまうおそれがある。
一方、特許文献2では、第1状態のときの第3相の端子電圧と、第2状態のときの第3相の端子電圧との差がゼロとなるタイミングを、ゼロクロスタイミングとしている。この検出方法では、電圧デューティ比を100%とした場合、一方のスイッチング状態が存在しないこととなり、ゼロクロスタイミングを検出できない。よって、電圧デューティ比を100%とした場合は、第3相の電圧と基準電圧とを比較する方法などに切り替える必要がある。なお、電圧デューティ比が100%に近い場合でも、いわゆるリンギングにより電圧が安定しないため、第1状態のときの第3相の端子電圧と、第2状態のときの第3相の端子電圧との差がゼロとなるタイミングを検出することは難しい。
本発明は、上記実情を鑑みてなされたものである。本発明は、低速時から高速時まで、簡易な方法で精度良くロータの磁極位置を検出可能なモータ制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明はq軸インダクタンスがd軸インダクタンスより大きい三相モータに接続された電力変換回路のスイッチング素子を操作することで、前記モータに電圧を印加するモータ制御装置であって、前記モータの第1相から第2相へ通電する場合に、前記第1相が前記電力変換回路の高電位側入力端子に前記第2相が前記電力変換回路の低電位側入力端子にそれぞれ導通された第1スイッチング状態と、前記第1相が前記電力変換回路の低電位側入力端子に前記第2相が前記電力変換回路の高電位側入力端子にそれぞれ導通された第2スイッチング状態とを、交互に切り替えるように前記スイッチング素子を操作するパルス幅変調手段と、前記第1相から前記第2相に通電する場合に、前記モータの第3相の端子に生じる誘起電圧が基準電圧と一致するゼロクロスタイミングの検出に基づいて、前記モータに含まれるロータの磁極位置を検出する位置検出手段とを備え、前記位置検出手段は、前記パルス幅変調手段により前記第1スイッチング状態に切り替えられている期間であることを条件として、前記磁極位置を検出する。
上記構成によれば、三相モータの第1相が電力変換回路の高電位側入力端子に第2相が電力変換回路の低電位側入力端子にそれぞれ導通された第1スイッチング状態と、第1相が電力変換回路の低電位側入力端子に第2相が電力変換回路の高電位側入力端子にそれぞれ導通された第2スイッチング状態とを、交互に切り替えるようにスイッチング素子を操作して、モータの第1相から第2相へ通電させる。そして、第1スイッチング状態の期間において、モータの第3相の端子に生じる誘起電圧が基準電圧と一致するゼロタイミングの検出に基づいて、ロータの磁極位置を検出する。
突極性を有するモータの場合、ロータの磁極位置の変化に伴い、巻線インダクタンスが変化する。それにより、第1スイッチング状態の期間において第3相の端子に生じる誘起電圧は、突極性を有しないモータの場合と比較して、基準電圧との差が大きくなる方向に変動する。一方、第2スイッチング状態の期間において第3相の端子に生じる誘起電圧は、突極性を有しないモータの場合と比較して、基準電圧との差が小さくなる方向に変動する。
したがって、基準電圧との差が大きくなる第1スイッチング状態の期間では、ゼロクロスタイミングを精度よく検出することができる。よって、第1スイッチング状態の期間である場合にロータの磁極位置を検出し、第1スイッチング状態の期間でない場合にロータの磁極位置を検出しないようにすることにより、低速回転時から高速回転時まで、簡易な方法でロータの磁極位置を精度良く検出することができる。
モータシステムを示す回路図。 スイッチング操作態様の推移を示すタイミングチャート。 第1スイッチング状態を示す回路図。 第2スイッチング状態を示す回路図。 インダクタンスの変化を示すグラフ。 W相端子電圧(突極比=1)を示す図。 W相端子電圧(突極比>1)を示す図。 W相端子電圧(低速回転時)を示す図。 W相端子電圧(高速回転時)を示す図。 センサレス駆動制御の処理手順を示すフローチャート。 リンキング対策図。
モータ制御装置を車両用エアコンのファンモータに適用した一実施形態について図面を参照しつつ説明する。まず、図1を参照して、本実施形態にかかるモータ制御装置を適用したモータシステムの全体構成を説明する。
モータ10は、ロータに永久磁石を埋設し、ステータにコイルを巻きつけた3相のIPM(Interior Permanent Magnet)モータである。ステータの3つの相は、U相、V相、W相の順に、0°から電気角120°ピッチで配置されている。また、モータ10は、ロータの磁極位置を検出するホール素子等を備えていない、センサレスモータである。後述するモータ制御装置20が、コイルの各相に発生する誘起電圧のゼロクロスタイミングに基づいてロータの磁極位置を検出し、モータ10の通電相を切り替えている。
モータ10の各相には、電圧を印加するインバータ12(電力変換回路)が接続されている。インバータ12は、3相インバータであり、スイッチング素子SW1とSW2との直列接続体と、スイッチング素子SW3とSW4との直列接続体と、スイッチング素子SW5とSW6との直列接続体とが並列接続されたブリッジ回路である。そして、上アーム側スイッチング素子SW1、SW3及びSW5は、バッテリ14の正極側(高電位側入力端子)と接続され、下アーム側スイッチング素子SW2、SW4及びSW6は、バッテリ14の負極側(低電位側入力端子)及びGNDと接続されている。さらに、スイッチング素子SW1とスイッチング素子SW2とを直列接続する接続点と、スイッチング素子SW3とスイッチング素子SW4とを直列接続する接続点、及びスイッチング素子SW5とスイッチング素子SW6とを直列接続する接続点は、それぞれモータのU相、V相、W相と接続されている。また、スイッチング素子SW1〜6には、それぞれフライホイールダイオードD1〜6が並列接続されている。
なお、上アーム側スイッチング素子SW1、SW3及びSW5は、PチャネルMOS電界効果型トランジスタから構成され、モータ制御装置20から各ゲート電極に負電圧を印加されると、閉状態(オン状態)となる。一方、下アーム側スイッチング素子SW2、SW4及びSW6は、NチャネルMOS電解効果トランジスタから構成され、モータ制御装置20から各ゲート電極に正電圧を印加されると、閉状態となる。また、フライホイールダイオードD1〜6は、MOS電界効果トランジスタの寄生ダイオードとして構成されている。
モータ制御装置20は、位置検出手段及びパルス幅変調手段を含み、スイッチング素子SW1〜6を操作して、モータ10を矩形波駆動させる。詳しくは、ゼロクロスタイミングに基づいてロータの磁極位置を検出する。そして、ロータの磁極位置に基づいてモータ10の通電相を切り替え、ロータを回転させる。また、モータ制御装置20は、PWMでスイッチング素子SW1〜6に印加する電圧を制御することにより、モータ10の回転速度やトルク、電流を制御する。なお、モータ制御装置20は、例えば専用制御ICやマイクロコンピュータにより構成される。
ロータの磁極位置の検出に用いられるゼロクロスタイミングは、モータ10の各相の端子電圧Vu、Vv、Vwに誘起電圧が現れる期間において、誘起電圧が基準電圧と一致するタイミングとして検出される。具体的には、各相の端子電圧Vu、Vv、Vwを、それぞれ比較器24〜26の+入力端子に入力し、基準電圧を比較器24〜26の−入力端子に入力する。比較器24〜26のそれぞれの出力が反転したタイミングを、ゼロクロスタイミングとして検出する。そして、ゼロクロスタイミングから所定の電気角(例えば30°)遅角したタイミングにおいて、通電相を切り替えるようにスイッチング素子SW1〜6を操作する。なお、基準電圧は、バッテリ14の電圧(電源電圧)を、同じ大きさの抵抗R1とR2で分圧した電圧である。すなわち、基準電圧は、電源電圧の半分の電圧である。したがって、基準電圧は、モータ10の端子電圧を平均化した電圧である仮想中性点電圧のように、誘起電圧に応じて変動することはない。また、端子電圧Vu、Vv、Vwは、それぞれ抵抗Ru、Rv、Rwにより比較器24〜26の電源電圧範囲内に収まる電圧とされ、比較器24〜26に入力される。
図2(a)〜(f)に、スイッチング素子SW1〜6の操作態様の推移をそれぞれ示す。また、図2(g)と(h)に、ゼロクロスタイミングと転流(通電相の切り替え)タイミングとをそれぞれ示す。図示されるように、インバータ12の3つの相のうち1つの相は、上アーム側と下アーム側の両スイッチング素子が開状態(オフ状態)となっている。一方、他の2つの相は、一方の相の上アーム側スイッチング素子と他の相の下アーム側スイッチング素子とが閉となる第1スイッチング状態と、一方の相の下アーム側スイッチング素子と他の相の上アーム側スイッチング素子とが閉となる第2スイッチング状態とが交互に切り替えられている。この場合、各相の上下スイッチング素子の一方が閉状態のとき、他方は開状態となっている。以下、図3及び図4を参照しつつ、詳しく説明する。
図3及び図4は、図2のA期間の回路を示す。A期間では、モータ10のV相(第1相)からU相(第2相)へ通電する。図3は、SW3及びSW2を閉状態とし、V相がバッテリ14の正極側(インバータ12の高電位側入力端子)に、U相がバッテリ14の負極側(インバータ12の低電位側入力端子)にそれぞれ導通された第1スイッチング状態を示す。この場合、V相の端子電圧Vvは、バッテリ14の電圧VB(より正確には、これよりもスイッチング素子SW3のソースとドレイン間の電圧降下量程度低い値)となる。また、U相の端子電圧Vuは、接地電位GND(より正確には、これよりもスイッチング素子SW2のソースとドレイン間の電圧降下量程高い値)となる。なお、開状態のSW5及びSW6と接続されているモータ10のW相(第3相)は、ハイインピーダンス状態となっている。モータ制御装置20は、非通電相であるW相の端子に生じる誘起電圧が基準電圧と一致するゼロクロスタイミングの検出に基づいて、ロータの磁極位置を検出する。
図4は、図3の第1スイッチング状態から、SW1及びSW4を閉状態とした第2スイッチング状態に切り替えた場合を示す。第2スイッチング状態は、V相がバッテリ14の負極側(インバータ12の低電位側入力端子)に、U相がバッテリ14の正極側(インバータ12の高電位側入力端子)にそれぞれ導通されたスイッチング状態となる。この切り替えに際しては、コイルのインダクタンスにより、スイッチング状態を切り替えた後も、スイッチング状態を切り替える前と同じようにV相からU相へ電流を流そうとする起電力が生じる。このため、SW4からV相へ電流が流れ、U相からSW1へ電流が流れる。この場合、V相の端子電圧Vvは、接地電位GND(より正確には、これよりもスイッチング素子SW4のソースとドレイン間の電圧降下量程低い値)となる。また、U相の端子電圧Vuは、バッテリ14の電圧VB(より正確には、これよりもスイッチング素子SW1のソースとドレイン間の電圧降下量程度高い値)となる。なお、W相は、第1スイッチング状態と同様に、ハイインピーダンス状態となっている。
図2のA期間では、図3の第1スイッチング状態と図4の第2スイッチング状態が交互に切り替えられる。すなわち、モータ10の第1相から第2相へ通電する場合、第1相がインバータ12の高電位側入力端子に、第2相がインバータ12の低電位側入力端子にそれぞれ導通された第1スイッチング状態と、第1相がインバータ12の低電位側入力端子に、第2相がインバータ12の高電位側入力端子にそれぞれ導通された第2スイッチング状態とを、交互に切り替えるようにスイッチング素子がPWM信号により制御される。これによりPWM信号に応じた電圧がモータ10に印加される。なお、通電相の組み合わせは6パターンあり、60°ごとに切り替えられて合計で1周期(電気角360°)となる。
次に、非通電相に現れる誘起電圧の変動について述べる。図5に、ロータがU相からV相の方向へ電気角で360°回転する際における、モータ10の各相のインダクタンスLu、Lv、Lwを示す。図示されるように、各相のインダクタンスLu、Lv、Lwは、ロータの磁極位置に応じて変動している。ここで、ロータの磁極が作る磁束の方向をd軸と設定し、d軸と電気的、磁気的に直交する方向をq軸と設定する。そうすると、突極性を有するモータ10では、d軸のインダクタンスLdとq軸のインダクタンスLqの比(突極比)Lq/Ldが1より大きくなる。よって、モータ10の各相のインダクタンスLu、Lv、Lwは、ロータの磁極位置に応じて変動する。なお、突極性を有しない(突極比=1)モータの場合は、各相のインダクタンスLu、Lv、Lwは、ロータの磁極位置に関わらず一定である。
図6は、突極性を有しないモータのV相(第1相)からU相(第2相)に通電した際に、W相(第3相)の端子に現れる誘起電圧を示す。この場合、第1スイッチング状態のデューティ比を55%、第2スイッチング状態のデューティ比を45%とし、第1スイッチング状態と第2スイッチング状態を交互に切り替えて、V相からU相に通電している。図示されるように、第1スイッチング状態に切り替えられている期間の誘起電圧と、第2スイッチング状態に切り替えられている期間の誘起電圧とは、同じ曲線上に乗っている。すなわち、第1スイッチング状態に切り替えられている期間と第2スイッチング状態に切り替えられている期間とにおいて、誘起電圧の変動はない。
一方、図7は、突極性を有するモータ10のV相(第1相)からU相(第2相)に通電した際に、W相(第3相)の端子に現れる誘起電圧を示す。破線は、突極比=1の場合の誘起電圧である。図5に示すように、ロータ位置が0°〜60°ではLu<Lv、60°〜120°ではLu>Lvとなる。この場合も、図6と同様に、第1スイッチング状態のデューティ比を55%、第2スイッチング状態のデューティ比を45%とし、第1スイッチング状態と第2スイッチング状態を交互に切り替えて、V相からU相に通電している。
図示されるように、第1スイッチング状態に切り替えられている期間の誘起電圧は、突極比=1の場合の誘起電圧より振幅が大きくなっている。すなわち、突極比=1の場合と比較して、基準電圧との差が大きくなる方向に変動している。これに対し、第2スイッチング状態に切り替えられている期間の誘起電圧は、突極比=1の場合の誘起電圧より振幅が小さくなっている。すなわち、突極比=1の場合と比較して、基準電圧との差が小さくなる方向に変動している。そのため、突極性を有するモータの場合、第1スイッチング状態と第2スイッチング状態とを切り替えるごとに、誘起電圧が変動する。
さらに、モータ10が低速回転している場合及び高速回転している場合において、誘起電圧の変動について詳しく述べる。図8に、モータ10のロータが低速回転(1000rpm)している場合において、W相(第3相)の端子に現れる誘起電圧を示す。振幅の大きい曲線(実線)は、第1スイッチング状態でV相(第1相)からU相(第2相)に通電したときの誘起電圧である。振幅の小さい曲線(一点鎖線)は、第2スイッチング状態でV相(第1相)からU相(第2相)に通電したときの誘起電圧である。破線は、突極比=1の場合の誘起電圧である。
図示されるように、第1スイッチング状態においては、基準電圧と一致するゼロクロスタイミングは、ロータの位置が60°の時にのみ検出される。しかしながら、第2スイッチング状態においては、ロータの位置が60°のとき以外にも、ゼロクロスタイミングが検出される。低速回転時では、非通電相に生じる誘起電圧が小さい。第2スイッチング状態では、非通電相に生じる誘起電圧と基準電圧との差は特に小さくなる。そのため、本来のゼロクロスタイミング以外のタイミングでも、誘起電圧と基準電圧が一致してしまうことがある。したがって、第2スイッチング状態に切り替えられている期間において、ゼロクロスタイミングの検出に基づいてロータの磁極位置を検出すると、誤検出するおそれがある。一方、第1スイッチング状態に切り替えられている期間では、ゼロクロスタイミングの検出に基づいてロータの磁極位置を精度良く検出できる。そこで、第1スイッチング状態に切り替えられている期間であることを条件として、ロータの磁極位置を検出する。
また、図9に、モータ10のロータが高速回転(5000rpm)している場合において、V相(第1相)からU相(第2相)に通電した際に、W相(第3相)の端子に現れる誘起電圧を示す。低速回転時では、非通電相に生じる誘起電圧が小さいため、第2スイッチング状態に切り替えられている期間においてロータの磁極位置を検出すると、誤検出するおそれがあるという問題があった。これに対して、高速回転時では、図示されるように、非通電相に生じる誘起電圧が大きい。そのため、第2スイッチング状態の期間においても、誘起電圧と基準電圧との差が大きくなり、ロータの磁極位置を精度良く検出できる。よって、高速回転時では、第2スイッチング状態に切り替えられている期間であっても、ロータの磁極位置を検出する。
次に、図10を参照して、モータ10をセンサレス駆動制御する処理手順を説明する。センサレス矩形波駆動の場合、始動時は誘起電圧が発生していないため、ゼロクロスタイミングの検出に基づいてロータの磁極位置を検出することができない。それゆえ、最初に強制的にロータを回転させ、特定の位置まで移動させる。
まずS1では、スイッチング素子SW1、SW4及びSW6をオン状態にし、U相からV相とW相とに電流を流す。このようにすると、ステータの0°の位置にS極が生じ、S極と電気角180°隔てた位置にN極が生じる。そしてロータは、ステータに生じた磁極により強制的に回転される。これを1回か2回行うと、ロータは、ステータの磁極位置に対応して、N極が0°、S極が180°となる位置に移動する。このようにして、ロータの初期位置が決定される。
続いて、S2において、スイッチング素子SW3及びSW2をオン状態にし、V相からU相へ通電させる。このとき、W相はハイインピーダンス状態とする。このようにすると、ステータの電気角150°の位置にS極が生じ、電気角330°の位置にN極が生じる。よって、ロータは、0°から150°の方向(U相からV相の方向)へ回転を始める。
そして、ロータが電気角60°回転したところで、W相の端子に生じる誘起電圧が基準電圧と一致する。よって、W相の端子に生じる誘起電圧が基準電圧と一致したタイミングにおいて、ロータの磁極位置を60°と検出する(S3)。これにより、ロータの磁極位置の最初の検出が行われる。なお、ロータの磁極位置の最初の検出は、周知の他の方法を用いて行ってもよい。
その後は、通常のセンサレス駆動を始める(S4)。詳しくは、最初に検出した磁極位置60°から電気角30°遅角したタイミングで、通電相を切り替え、W相からU相へ電流を流す。そして、V相に現れる誘起電圧と基準電圧が一致したタイミングをゼロクロスタイミングとして検出し、それから電気角30°遅角したタイミングで、通電相を切り替える。このように、図3に示したスイッチング操作態様で、順次通電相を切り替えて、モータ10を駆動させる。ここでは、第1スイッチング状態に切り替えられている期間であることを条件として、ロータの磁極位置の検出を行う。
次に、ロータの回転速度が所定回転速度より速いかどうか判定を行う(S5)。ロータの回転速度が所定回転速度以下の場合は(N0)、そのまま、第1スイッチング状態に切り替えられている期間であることを条件として、ロータの磁極位置の検出し、センサレス駆動を行う。
一方、ロータの回転速度が所定回転速度より速い場合は(YES)、第1スイッチング状態に切り替えられている期間に加えて、第2スイッチング状態に切り替えられている期間においても、ロータの磁極位置の検出を行う(S6)。
なお、図11に示すように、上アーム側のスイッチング素子と下アーム側のスイッチング素子とを切り替える際に、リンギングが発生する。そこで、S4及びS6において、磁極位置の検出をする際は、スイッチング素子をオンにした直後から所定時間経過するまでは、磁極位置の検出をしない。以上で、モータ10をセンサレス駆動制御する処理を終える。
以上説明した本実施形態は以下の効果を奏する。
・突極性を有するモータ10の場合、ロータの磁極位置の変化に伴い、インダクタンスLu、Lv、Lwが変化する。それにより、第1スイッチング状態の期間において第3相の端子に生じる誘起電圧は、突極性を有しないモータの場合と比較して、基準電圧との差が大きくなる方向に変動する。一方、第2スイッチング状態の期間において第3相の端子に生じる誘起電圧は、突極性を有しないモータの場合と比較して、基準電圧との差が小さくなる方向に変動する。
したがって、基準電圧との差が大きくなる第1スイッチング状態の期間では、ゼロクロスタイミングを精度よく検出することができる。よって、第1スイッチング状態の期間である場合にロータの磁極位置を検出し、第1スイッチング状態の期間でない場合にロータの磁極位置を検出しないようにすることにより、低速回転時から高速回転時まで、簡易な方法でロータの磁極位置を精度良く検出することができる。また、低速回転時から、センサレス駆動が可能なため、騒音を抑制できる。
・低速回転時では、第3相の端子に生じる誘起電圧が小さいため、第2スイッチング状態の期間においてロータの磁極位置の検出を行うと、誤検出するというおそれがある。しかしながら、高速回転時では、第3相の端子に生じる誘起電圧が大きい。そのため、第2スイッチング状態の期間においても、第3相の端子に生じる誘起電圧と基準電圧との差は大きい。したがって、高速回転時では、第2スイッチ状態の期間においてもゼロクロスタイミングが精度良く検出される。よって、高速回転時では、第2スイッチ状態に切り替えられている期間であっても、ロータの磁極位置の検出を行う。これにより、検出機会が増え、ロータの磁極位置の検出精度が向上する。
・基準電圧を電源電圧の半分の電圧とすると、モータ10の端子電圧を平均化した電圧である仮想中性点電圧を基準電圧とする場合と比較して、基準電圧が誘起電圧の影響を受けて変動することがない。それゆえ、第3相の端子に生じる誘起電圧と基準電圧との差を大きくできるため、ロータの磁極位置の検出精度が向上する。
・リンキングにより第3相の端子に生じる誘起電圧が不安定になっている期間は、ロータの磁極位置の検出をしないことにより、ゼロクロスタイミングの誤検出を抑制することができる。
さらに、上記実施形態に限定されず、例えば次のように実施することができる。
・ロータの回転速度によらず、第1スイッチング状態に切り替えられている期間でのみ、ロータの磁極位置検出を行うようにしてもよい。ロータが高速回転している場合は上記実施形態よりも位置検出機会は減少するが、第1スイッチング状態に切り替えられている期間でのみ位置検出を行っても、精度良くロータの磁極位置を検出できる。
・上記実施形態よりも位置検出精度は低下するものの、基準電圧をモータ10の仮想中性点電圧としてもよい。
・ロータの回転速度が所定回速度より速い場合であっても、電圧デューティ比が所定値より大きいときは、第1スイッチング状態に切り替えられている期間でのみ、ロータの磁極位置の検出を行うようにしてもよい。電圧デューティ比が100%近い値のときは、第2スイッチング状態でのパルス幅は非常に狭くなる。そのため、第2スイッチング状態の期間では、ロータの磁極位置の検出が難しくなるので、位置検出を行わないようにしてもよい。
・モータ10は、q軸インダクタンスよりd軸インダクタンスが大きいモータとして、インセット型SPMモータを採用してもよい。また、固定子の磁気飽和により、q軸インダクタンスがd軸インダクタンスより大きくなるSPMモータを採用してもよい。
10…モータ、12…インバータ、14…バッテリ、20…モータ制御装置、24〜26…比較器。

Claims (6)

  1. q軸インダクタンスがd軸インダクタンスより大きい三相モータ(10)に接続された電力変換回路(12)のスイッチング素子(SW1〜6)を操作することで、前記モータに電圧を印加するモータ制御装置(20)であって、
    前記モータの第1相から第2相へ通電する場合に、前記第1相が前記電力変換回路の高電位側入力端子に前記第2相が前記電力変換回路の低電位側入力端子にそれぞれ導通された第1スイッチング状態と、前記第1相が前記電力変換回路の低電位側入力端子に前記第2相が前記電力変換回路の高電位側入力端子にそれぞれ導通された第2スイッチング状態とを、交互に切り替えるように前記スイッチング素子を操作するパルス幅変調手段と、
    前記第1相から前記第2相に通電する場合に、前記モータの第3相の端子に生じる誘起電圧が基準電圧と一致するゼロクロスタイミングの検出に基づいて、前記モータに含まれるロータの磁極位置を検出する位置検出手段とを備え、
    前記位置検出手段は、前記パルス幅変調手段により前記第1スイッチング状態に切り替えられている期間であることを条件として、前記磁極位置を検出することを特徴とするモータ制御装置。
  2. 前記位置検出手段は、前記ロータが所定回転速度より速く回転している場合、前記パルス幅変調手段により前記第2スイッチング状態に切り替えられている期間であっても、前記磁極位置を検出する請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. q軸インダクタンスがd軸インダクタンスより大きい三相モータ(10)に接続された電力変換回路(12)のスイッチング素子(SW1〜6)を操作することで、前記モータに電圧を印加するモータ制御装置(20)であって、
    前記モータの第1相から第2相へ通電する場合に、前記第1相が前記電力変換回路の高電位側入力端子に前記第2相が前記電力変換回路の低電位側入力端子にそれぞれ導通された第1スイッチング状態と、前記第1相が前記電力変換回路の低電位側入力端子に前記第2相が前記電力変換回路の高電位側入力端子にそれぞれ導通された第2スイッチング状態とを、交互に切り替えるように前記スイッチング素子を操作するパルス幅変調手段と、
    前記第1相から前記第2相に通電する場合に、前記モータの第3相の端子に生じる誘起電圧が基準電圧と一致するゼロクロスタイミングの検出に基づいて、前記モータに含まれるロータの磁極位置を検出する位置検出手段とを備え、
    前記位置検出手段は、前記パルス幅変調手段により前記第1スイッチング状態に切り替えられている期間のみに、前記磁極位置を検出することを特徴とするモータ制御装置。
  4. 前記基準電圧は、電源電圧の半分の電圧である請求項1〜3のいずれか1項に記載のモータ制御装置。
  5. 前記位置検出手段は、前記スイッチング素子をオン状態にした直後から所定時間経過するまでは、前記磁極位置を検出しない請求項1〜4のいずれか1項に記載のモータ制御装置。
  6. 前記モータは、前記ロータに永久磁石を埋設したIPMモータである請求項1〜5のいずれか1項に記載のモータ制御装置。
JP2012062937A 2012-03-20 2012-03-20 モータ制御装置 Expired - Fee Related JP5857825B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012062937A JP5857825B2 (ja) 2012-03-20 2012-03-20 モータ制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012062937A JP5857825B2 (ja) 2012-03-20 2012-03-20 モータ制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013198299A JP2013198299A (ja) 2013-09-30
JP5857825B2 true JP5857825B2 (ja) 2016-02-10

Family

ID=49396609

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012062937A Expired - Fee Related JP5857825B2 (ja) 2012-03-20 2012-03-20 モータ制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5857825B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6217369B2 (ja) * 2013-12-10 2017-10-25 株式会社デンソー モータ制御装置及びモータ制御方法
JP2016136820A (ja) * 2015-01-23 2016-07-28 アスモ株式会社 モータ駆動装置
JP6858167B2 (ja) * 2018-08-28 2021-04-14 株式会社ナカニシ 医療装置
JP7407093B2 (ja) * 2020-09-30 2023-12-28 ルネサスエレクトロニクス株式会社 半導体装置、モータ駆動システム、およびモータ起動方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3416494B2 (ja) * 1997-11-10 2003-06-16 三菱電機株式会社 Dcブラシレスモータの制御装置及びdcブラシレスモータの制御方法
JP4488708B2 (ja) * 2003-09-26 2010-06-23 株式会社東芝 回転機制御装置および洗濯機

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013198299A (ja) 2013-09-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4801773B2 (ja) ブラシレスモータ、ブラシレスモータ制御システム、およびブラシレスモータ制御方法
US20020014870A1 (en) System for the electronic commutation of a brushless DC motor
WO2005117249A1 (ja) ブラシレスモータ駆動制御回路及びそれを用いたブラシレスモータ装置
JPH11356088A (ja) ブラシレスモータの駆動装置
JP2019187154A (ja) 半導体装置、モータ駆動システム、およびモータ制御プログラム
JP5857825B2 (ja) モータ制御装置
US8766574B2 (en) Method and control device for operating a three-phase brushless direct current motor
JP2004312855A (ja) モータ及びディスク装置
JP5087411B2 (ja) モータ駆動装置
JP5330728B2 (ja) ブラシレスモータの駆動装置
JP2011030385A (ja) モータ駆動装置、及びモータに備えられたロータの相対位置の判別方法
JP2009011014A (ja) インバータ制御装置と電動圧縮機および家庭用電気機器
EP2704308A1 (en) Brushless motor control device and brushless motor control method
JP5923437B2 (ja) 同期電動機駆動システム
JP4056749B2 (ja) ブラシレスdcモータの駆動方法
JP4147826B2 (ja) ブラシレスモータ駆動制御装置
JP5930264B2 (ja) 二相ブラシレスモータの駆動装置及び駆動方法
JP5326948B2 (ja) インバータ制御装置と電動圧縮機および電気機器
JP2005312145A (ja) ブラシレスモータの駆動装置
JP2020191724A (ja) 制御装置
US9257919B2 (en) Method and apparatus for brushless DC motor control
US20140103909A1 (en) Method and apparatus for detecting position and startup a sensorless motor
US20240007030A1 (en) Motor control device and electric pump device
JP4056750B2 (ja) ブラシレスdcモータの起動方法
WO2021200456A1 (ja) 電動機の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140515

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150218

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150324

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150520

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151117

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151130

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5857825

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees