JP4056750B2 - ブラシレスdcモータの起動方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば界磁に永久磁石を利用したブラシレスDCモータの駆動方法に係り、特に、永久磁石を備えた回転子の磁極位置の検出をモータの端子電圧に基づいて行うセンサレス駆動の技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、界磁に永久磁石を利用したブラシレスDCモータの制御装置として、例えば3相の固定子巻線に対する通電制御を、永久磁石を備えた回転子の磁極位置に応じて行うため、回転子の磁極位置を検出する位置センサとして、例えば各相毎に設けたホール素子等を備え、各位置センサからの検出信号に基づいて通電状態を切り換える制御装置が知られている。
しかしながら、このような制御装置では、例えばモータにホール素子等の位置センサを取り付ける際における取り付け位置のばらつき等によって機械的な位置関係に誤差が生じ、所定の基準位置を示す位置センサの信号が真の基準位置に対してずれた値を示すことで、モータに対する通電状態を切り換えるための相出力のタイミングがずれてしまう虞がある。しかも、位置センサを備えることによって、モータの部品点数が増大し、装置構成が複雑化するという問題が生じる。
このような問題に対して、従来、例えば特開昭61−112591号公報に開示されたブラシレス直流モータのように、3相の固定子巻線の各入出力端子における端子電圧に基づいて回転子の磁極位置を検出し、モータに対する通電状態を切り換えるセンサレス駆動方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来技術に係るブラシレス直流モータにおいては、モータの起動時には誘起電圧が発生していないので、先ず、固定子巻線を所定の初期設定状態に所定時間だけ励磁し、この後に、例えばモータの回転速度が所定の回転速度に到達するまで、所定の励磁切換動作を行う。そして、モータの回転速度が所定の回転速度に到達すると、回転磁界の回転位置を検出し、この検出結果に基づいて固定子巻線を励磁切換するように設定されている。
ここで、モータの起動時に対しては、例えば予め設定された所定の大きさの負荷でモータを起動することができるように、所定の励磁切換周期(つまり、モータの起動回転数)が設定されている。
しかしながら、例えばモータの経年変化や負荷の増大等が生じると、所定の励磁切換周期では迅速な起動が困難になるという問題が生じる。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、例えばモータにおける負荷の変動等が生じる場合であっても、迅速かつ確実に起動させることが可能なブラシレスDCモータの起動方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、請求項1に記載のブラシレスDCモータの起動方法は、永久磁石を有する回転子と、この回転子を回転させる回転磁界を発生する複数相の固定子巻線(例えば、後述する実施の形態における各電機子コイル22U,22V,22W)とを備え、前記複数相の固定子巻線の各一端部が共通接続されてなるブラシレスDCモータを、複数のスイッチング素子を備え、前記固定子巻線への通電を順次転流させる通電切換手段(例えば、後述する実施の形態におけるモータ駆動部12)により回転駆動させるブラシレスDCモータの起動方法であって、前記複数のスイッチング素子のオン/オフの組み合わせからなる複数の制御パターン(例えば、後述する実施の形態における第1〜第6制御ステージST1,…,ST6)の中から所定の制御パターン(例えば、後述する実施の形態における起動時制御ステージ)を選択し、この制御パターンに基づいて前記固定子巻線への通電を行い、前記回転子の磁極位置を所定位置に設定する第1ステップ(例えば、後述する実施の形態におけるステップS06)と、前記第1ステップの実行後に、前記通電切換手段により前記複数の制御パターンを順次切り換えて通電を行うと共に、前記複数のスイッチング素子のオン/オフの比率(例えば、後述する実施の形態における起動DUTY)および前記制御パターンの切換周期(例えば、後述する実施の形態における起動タイマー値S)を変更する第2ステップ(例えば、後述する実施の形態におけるステップS38およびステップS39)と、前記ブラシレスDCモータの状態を検出する第3ステップとを含み、前記第2ステップでは、前記ブラシレスDCモータの状態が所定状態に到達するまで、所定の起動タイマ値だけ経過する毎に複数の制御パターンを順次切り換えることを特徴としている。
【0006】
上記のようなブラシレスDCモータの起動方法によれば、例えばモータの経年変化や駆動時の負荷の変動等が発生した場合であっても、複数のスイッチング素子のオン/オフの比率および制御パターンの切換周期を変更することによって、迅速かつ確実にモータを起動させることができる。
【0007】
さらに、請求項2に記載のブラシレスDCモータの起動方法は、前記ブラシレスDCモータの状態(例えば、後述する実施の形態における回転数N、モータトルクTor、温度Tmag、各相電圧、各相電流)を検出する第3ステップ(例えば、後述する実施の形態におけるステップS28)を含み、前記第2ステップは、前記ブラシレスDCモータの状態が所定状態に到達するまで、前記複数のスイッチング素子のオン/オフの比率を増加傾向に変化させることを特徴としている。
【0008】
上記のようなブラシレスDCモータの起動方法によれば、通電切換手段により複数の制御パターンを順次切り換えることによって、固定子巻線への通電を順次転流させる際に、モータの状態が所定状態(例えば、モータの回転数が所定回転数)に到達するまで、複数のスイッチング素子のオン/オフの比率を増加傾向に変化させることによって、モータを確実に加速させることができる。
【0009】
さらに、請求項3に記載のブラシレスDCモータの起動方法 は、前記ブラシレスDCモータの状態(例えば、後述する実施の形態における回転数N、モータトルクTor、温度Tmag、各相電圧、各相電流)を検出する第3ステップ(例えば、後述する実施の形態におけるステップS28)を含み、前記第2ステップは、前記ブラシレスDCモータの状態が所定状態に到達するまで、前記制御パターンの切換周期を変更することを特徴としている。
【0010】
上記のようなブラシレスDCモータの起動方法によれば、通電切換手段により複数の制御パターンを順次切り換えることによって固定子巻線への通電を順次転流させる際に、モータの状態が所定状態(例えば、モータの回転数が所定回転数)に到達するまで、制御パターンの切換周期を変更することによって、モータを確実に加速させることができる。
【0011】
また、本発明に係るブラシレスDCモータの制御装置は、永久磁石を有する回転子と、この回転子を回転させる回転磁界を発生する複数相の固定子巻線(例えば、後述する実施の形態における各電機子コイル22U,22V,22W)とを備え、前記複数相の固定子巻線の各一端部が共通接続されてなるブラシレスDCモータを、複数のスイッチング素子を備え、前記固定子巻線への通電を順次転流させる通電切換手段(例えば、後述する実施の形態におけるモータ駆動部12)により回転駆動させるブラシレスDCモータの制御装置であって、前記複数のスイッチング素子のオン/オフの組み合わせからなる複数の制御パターン(例えば、後述する実施の形態における第1〜第6制御ステージST1,…,ST6)の中から所定の制御パターン(例えば、後述する実施の形態における起動時制御ステージ)を選択し、この制御パターンに基づいて前記固定子巻線への通電を行い、前記回転子の磁極位置を所定位置に設定する初期励磁手段(例えば、後述する実施の形態におけるステップS06)と、前記ブラシレスDCモータの状態(例えば、後述する実施の形態における回転数N、モータトルクTor、温度Tmag、各相電圧、各相電流)を検出する状態検出手段(例えば、後述する実施の形態におけるトルク検出器41、モータ温度検出器42、U相電圧検出器44U,V相電圧検出器44V、U相電流検出器45U,V相電流検出器45V)と、前記通電切換手段により前記複数の制御パターンを順次切り換えて通電を行う際に、前記状態検出手段により検出される前記状態に応じて、前記複数のスイッチング素子のオン/オフの比率(例えば、後述する実施の形態における起動DUTY)を変更するデューティ変更手段(例えば、後述する実施の形態におけるステップS38)および前記制御パターンの切換周期(例えば、後述する実施の形態における起動タイマー値Sまたは起動回転数)を変更する切換周期変更手段(例えば、後述する実施の形態におけるステップS39)とを備えることを特徴としている。
【0012】
上記構成のブラシレスDCモータの制御装置によれば、例えばモータの経年変化や駆動時の負荷の変動等が発生した場合であっても、複数のスイッチング素子のオン/オフの比率および制御パターンの切換周期を変更することによって、迅速かつ確実にモータを起動させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のブラシレスDCモータの起動方法の一実施形態について添付図面を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施形態に係るブラシレスDCモータの起動方法を実現するブラシレスDCモータの制御装置10の構成図であり、図2は各制御ステージでのスイッチング素子の動作を示すタイミングチャートであり、図3(a)〜(f)は図2に示す各制御ステージにおけるモータ11の動作を示す模式図である。
【0014】
本実施の形態に係るブラシレスDCモータの制御装置10は、例えば図1に示すように、モータ11と、モータ駆動部12と、位置基準信号生成部13と、ECU(電子制御装置)14とを備えて構成されている。
【0015】
モータ11は、例えば界磁に永久磁石を利用したブラシレスDCモータをなし、1磁極対のN極およびS極を有する回転子21は、界磁磁束を3相(U相・V相・W相)の各電機子コイル22U,22V,22Wに鎖交させている。
【0016】
モータ駆動部12は、例えばパルス幅変調(PWM)によるPWMインバータをなすものであって、複数のハイ側スイッチング素子SUH,SVH,SWHおよびロー側スイッチング素子SUL,SVL,SWLを用いてブリッジ接続してなるブリッジ回路を備えて構成され、複数の各スイッチング素子SUH,SVH,SWH,SUL,SVL,SWLは、例えばMOSFET(Metal Oxide Semi-conductor Field Effect Transistor)とされている。
【0017】
各ハイ側スイッチング素子SUH,SVH,SWHのドレインは、全て直流入出力端子12Dに接続され、各ロー側スイッチング素子SUL,SVL,SWLのソースは、全て接地端子12Gに接続されている。
U相ハイ側スイッチング素子SUHのソースはU相ロー側スイッチング素子SULのドレインに接続され、V相ハイ側スイッチング素子SVHのソースはV相ロー側スイッチング素子SVLのドレインに接続され、W相ハイ側スイッチング素子SWHのソースはW相ロー側スイッチング素子SWLのドレインに接続されている。
また、U相交流入出力12Uは、U相ハイ側スイッチング素子SUHのソースおよびU相ロー側スイッチング素子SULのドレインに接続され、V相交流入出力端子12Vは、V相ハイ側スイッチング素子SVHのソースおよびV相ロー側スイッチング素子SVLのドレインに接続され、W相入出力端子12Wは、W相ハイ側スイッチング素子SWHのソースおよびW相ロー側スイッチング素子SWLのドレインに接続されている。
また、各スイッチング素子SUH,SVH,SWH,SUL,SVL,SWLのゲートは、後述するECU14に接続されている。
【0018】
モータ駆動部12は、モータ11が電動機として動作する場合に、直流電源Eから直流入出力端子12Dおよび接地端子12Gを介して入力される直流電流を交流電流に変換し、この交流電流を各交流入出力端子12U,12V,12Wから出力して、モータ11の各電機子コイル22U,22V,22Wに送出する。すなわち、モータ駆動部12は、各ハイ側スイッチング素子SUH,SVH,SWHの通電状態を切換制御することによって、直流電源Eからモータ11の各電機子コイル22U,22V,22Wへの電流路を切り換え、各ロー側スイッチング素子SUL,SVL,SWLの通電状態を切換制御することによって、モータ11の各電機子コイル22U,22V,22Wから直流電源Eへの電流路を切り換えている。
【0019】
位置基準信号生成部13は、モータ11の各電機子コイル22U,22V,22Wの各端子電圧UOUT,VOUT,WOUTを合成して得た合成電圧が所定の閾値を超える場合に、論理「ハイ」レベル(オン)のCOMM信号を出力し、合成電圧が所定の閾値以下の場合に、論理「ロー」レベル(オフ)のCOMM信号を出力するコンパレータ31を備えている。
すなわち、分圧抵抗R1,R2によって所定比率(例えば、1/2)に分圧される直流電源Eの分圧点での電圧(例えば、E/2)は、コンパレータ31の反転入力に入力され、各電機子コイル22U,22V,22Wの合成電圧はコンパレータ31の非反転入力に入力されている。
【0020】
ECU14は、モータ駆動部12の各スイッチング素子SUH,SVH,SWH,SUL,SVL,SWLのゲートと接続されており、例えばパルス幅変調(PWM)により各スイッチング素子SUH,SVH,SWH,SUL,SVL,SWLをオン/オフ駆動させるための各パルスUH,VH,WH,UL,VL,WLを出力する。ここで、ECU14は、各パルスUH,VH,WH,UL,VL,WLのデューティ比DUTY、つまりオン/オフの比率のマップ(データ)をモータ11の状態に応じて記憶しており、マップ検索して得た値に基づいた各パルスUH,VH,WH,UL,VL,WLを出力する。
なお、ECU14は、例えば各ハイ側スイッチング素子SUH,SVH,SWHの通電状態を切換制御する際に、各ハイ側スイッチング素子SUH,SVH,SWHを通電状態とする所定周期内において複数回のオン/オフ駆動を繰り返すチョッピング制御を行い、例えば各ロー側スイッチング素子SUL,SVL,SWLの通電状態を切換制御する際には、通電状態とする所定周期に亘って単一のオン駆動を持続するように設定されている。
【0021】
さらに、ECU14は、各スイッチング素子SUH,SVH,SWH,SUL,SVL,SWLの通電状態を切換制御する際の切換周期のマップ(データ)をモータ11の状態に応じて記憶しており、マップ検索して得た値に基づいた切換周期によって、各パルスUH,VH,WH,UL,VL,WLのオン/オフを切り換えて出力する。
これにより、ECU14は、後述するように、モータ11の起動制御およびCOMM信号に応じた駆動制御を行う。
【0022】
このため、ECU14には、モータ11の状態に対する検出信号、例えば、モータトルクTorを検出するトルク検出器41からの検出信号と、モータ11の温度Tmagを検出するモータ温度検出器42からの検出信号と、モータ11の各相電圧、例えばモータ駆動部12の各交流入出力端子12U,12V,12WのうちのU相交流入出力12Uと中性点22Nとの間のU相電圧VunおよびV相交流入出力12Vと中性点22Nとの間のV相電圧Vvnを検出する各相電圧検出器44U,44Vからの検出信号と、モータ11の各相に供給される各相電流、例えばU相電流IuおよびV相電流Ivを検出する各相電流検出器45U,45Vの検出信号とが入力されている。
【0023】
ここで、ECU14は、モータ11を回転駆動させる際に、例えば図2および図3(a)〜(f)に示すように、6つの各制御ステージST1,…,ST6を順次切り換えて設定している。
すなわち、第1制御ステージST1においては、U相ハイ側スイッチング素子SUHとV相ロー側スイッチング素子SVLのみが通電状態とされ、順次、U相交流入出力12U,U相電機子コイル22U,V相電機子コイル22V,V相交流入出力12Vに電流が流れる。
そして、第2制御ステージST2においては、U相ハイ側スイッチング素子SUHとW相ロー側スイッチング素子SWLのみが通電状態とされ、順次、U相交流入出力12U,U相電機子コイル22U,W相電機子コイル22W,W相交流入出力12Wに電流が流れる。
【0024】
そして、第3制御ステージST3においては、V相ハイ側スイッチング素子SVHとW相ロー側スイッチング素子SWLのみが通電状態とされ、順次、V相交流入出力12V,V相電機子コイル22V,W相電機子コイル22W,W相交流入出力12Wに電流が流れる。
そして、第4制御ステージST4においては、V相ハイ側スイッチング素子SVHとU相ロー側スイッチング素子SULのみが通電状態とされ、順次、V相交流入出力12V,V相電機子コイル22V,U相電機子コイル22U,U相交流入出力12Uに電流が流れる。
【0025】
そして、第5制御ステージST5においては、W相ハイ側スイッチング素子SWHとU相ロー側スイッチング素子SULのみが通電状態とされ、順次、W相交流入出力12W,W相電機子コイル22W,U相電機子コイル22U,U相交流入出力12Uに電流が流れる。
そして、第6制御ステージST6においては、W相ハイ側スイッチング素子SWHとV相ロー側スイッチング素子SVLのみが通電状態とされ、順次、W相交流入出力12W,W相電機子コイル22W,V相電機子コイル22V,V相交流入出力12Vに電流が流れる。
【0026】
すなわち、ECU14は、各制御ステージST1,…,ST6において、各パルスUH,VH,WH,UL,VL,WLに対するオン/オフのパターンを切り換えて出力することによって、モータ11の回転子21を所定方向(例えば、図3(a)〜(f)に示す時計回り方向)に回転駆動させる。
これに伴い、位置基準信号生成部13は、各制御ステージST1,…,ST6での無通電相の各電機子コイル22U,22V,22Wの各端子電圧UOUT,VOUT,WOUTが所定の閾値(例えば、E/2)を超える場合に、論理「ハイ」レベルのCOMM信号を出力する。すなわち、例えばCOMM信号が論理「ロー」レベルから「ハイ」レベルとなる時点(COMM信号の立ち上がりのエッジ)において、モータ11の回転子21の磁極位置が所定の基準位置に等しくなる。
なお、位置基準信号生成部13は、各スイッチング素子SUH,SVH,SWH,SUL,SVL,SWLの通電状態の切換時(例えば、図2に示す各ロー側スイッチング素子SUL,SVL,SWLに対する時刻S1,S3,S5等)においても、逆起電圧によるスパイク電圧に起因して論理「ハイ」レベルのCOMM信号(以下において、スパイクノイズと呼ぶ)を出力する。
【0027】
ECU14は、後述するように、モータ11の起動時には、各制御ステージST1,…,ST6の何れかを起動時制御ステージとして選択し、この起動時制御ステージに応じた各パルスUH,VH,WH,UL,VL,WLに対するオン/オフのパターンを、例えば所定時間に亘って出力して初期励磁を行う。そして、モータ11の回転数Nが所定回転数#Nに到達するまで、所定の励磁切換動作、例えば6つの各制御ステージST1,…,ST6を順次切り換えて設定する処理により、モータ11を強制的に回転駆動させる。
このとき、ECU14は、後述するように、パルス幅変調(PWM)により各スイッチング素子SUH,SVH,SWH,SUL,SVL,SWLをオン/オフ駆動させるための各パルスUH,VH,WH,UL,VL,WLのデューティ比DUTYを徐々に変化、例えば増加傾向に変化させると共に、例えば6つの各制御ステージST1,…,ST6を順次切り換えて設定する励磁切換動作の切換周期(つまり、モータ11の起動回転数)を、モータ11の状態に応じて変更する。
【0028】
さらに、ECU14は、後述するように、モータ11の回転数Nが所定回転数#N以上となった時点で、起動時における強制的な励磁切換動作を終了し、モータ11の回転子21の磁極位置に係るCOMM信号に応じた励磁切換動作、例えば6つの各制御ステージST1,…,ST6を回転子21の磁極位置に応じて順次切り換えて設定する処理によって、モータ11を回転駆動させる。
このとき、ECU14は、後述するように、COMM信号がスパイク電圧に起因して論理「ハイ」レベルとなっている場合には、このCOMM信号(つまりスパイクノイズ)を無視するように設定されている。
【0029】
本実施の形態によるブラシレスDCモータの制御装置10は上記構成を備えており、次に、このブラシレスDCモータの制御装置10の動作について説明する。
図4は図1に示すブラシレスDCモータの制御装置10の動作、特に起動処理を示すフローチャートであり、図5は図1に示すブラシレスDCモータの制御装置10の動作、特にエッジ検出割込処理を示すフローチャートであり、図6および図7は図1に示すブラシレスDCモータの制御装置10の動作、特にタイマー割込処理を示すフローチャートであり、図8は図4から図7に示す各処理の実行タイミングを示すタイミングチャートの一例を示す図であり、図9は図8に示すタイミングチャートの要部拡大図である。
【0030】
以下に、モータ11の起動時に実行する起動処理について説明する。
先ず、図4に示すステップS01においては、起動フラグF_STのフラグ値に「1」が設定されているか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS02に進む。
次に、ステップS02においては、モータ11の回転数Nがゼロとなる停止状態であるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合、つまりモータ11が回転状態であれば、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS03に進み、制御上の各種パラメータに基づいて算出されるモータ出力の目標DUTYがゼロか否かを判定する。
【0031】
ステップS03での判定結果が「YES」の場合には、ステップS04に進み、各制御ステージST1,…,ST6の何れかを選択し、選択した制御ステージに応じて各パルスUH,VH,WH,UL,VL,WLに対するオン/オフのパターンを切り換えて出力する処理の実行を禁止して、一連の処理を終了する。
一方、ステップS03での判定結果が「NO」の場合には、ステップS05に進み、読込カウンタCRのカウンタ値にゼロを設定して、ステップS06に進む。
【0032】
ステップS06においては、モータ11の起動時における制御に対して予め設定されたモータ出力の所定DUTYを起動DUTYとして設定し、各制御ステージST1,…,ST6の何れかを起動時制御ステージとして選択する。
そして、ステップS07においては、タイマーに所定の起動タイマー値Sを設定し、起動時制御ステージに応じた各パルスUH,VH,WH,UL,VL,WLに対するオン/オフのパターンを出力して初期励磁を行い、ステップS06にて設定した起動DUTYに応じてモータ11をいわば強制的に回転駆動させる。
そして、ステップS08においては、起動フラグF_STのフラグ値に「1」を設定して、一連の処理を終了する。
【0033】
以下に、エッジ検出割込処理について説明する。なお、このエッジ検出割込処理は、例えばCOMM信号の立ち上がりのエッジ毎に繰り返し実行される処理である。
先ず、図5に示すステップS21においては、モータ出力のDUTYが所定値#DUTY(例えば、#DUTY=95%)以上か否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、ステップS22に進み、読込回数NRに、所定の第1回数#NR1(例えば、#NR1=1)を設定し、ステップS24に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS23に進み、読込回数NRに所定の第2回数#NR2(例えば、#NR2=3)を設定し、ステップS24に進む。
なお、読込回数NRとは、例えばCOMM信号が論理「ロー」レベルから「ハイ」レベルとなるCOMM信号の立ち上がりのエッジを検出した回数である読込カウンタCRに対する所定の判定閾値である。
【0034】
ステップS24では、読込カウンタCRを計数して、ステップS25に進む。
ステップS25においては、読込カウンタCRが所定の読込回数NRに等しいか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合、つまり読込カウンタCRが所定の読込回数NR未満の場合には、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS26に進む。
これにより、例えば位置基準信号生成部13での処理等において、モータ出力のDUTYが所定値#DUTY以上となることで、本来は複数のオン/オフの繰り返しからなるCOMM信号が、単一のオンのみからなる信号として出力されてしまう場合であっても、単なるスパイクノイズであると判定せずに、COMM信号の立ち上がりのエッジを検出したと判定することができる。
【0035】
ステップS26においては、エッジ検出割込処理を禁止して、ステップS27に進む。
ステップS27においては、エッジ間隔時間(周期)T、つまりCOMM信号における一連のオン/オフの繰り返しが継続される期間、すなわち各制御ステージST1,…,ST6での無通電相の各電機子コイル22U,22V,22Wの各端子電圧UOUT,VOUT,WOUTが所定の閾値(例えば、E/2)を超える期間の取り込みを行い、ステップS28に進む。
【0036】
そして、ステップS28においては、モータ11の回転数Nが所定回転数#N以上か否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS29に進む。
【0037】
そして、ステップS29においては、エッジ検出割込処理の実行を示す信号を出力すると共に、タイマーに所定の第1タイマー値αを設定し、この時点で設定されている制御ステージに応じた各パルスUH,VH,WH,UL,VL,WLに対するオン/オフのパターンを出力して、モータ11を回転駆動させ、ステップS30に進む。
そして、ステップS30においては、起動フラグF_STのフラグ値に「0」を設定して、一連の処理を終了する。
【0038】
このエッジ検出割込処理においては、タイマーに設定する第1タイマー値αを、例えば制御上の各種パラメータ等に応じて0〜T/2間の適宜の値に設定することによって、この時点で設定されている制御ステージから次の制御ステージに切り換えるまでの期間を変更することができ、これに伴い、モータ11を強制的に回転駆動させる制御の終了後に実行する駆動制御(つまり、COMM信号に基づいた励磁切換動作)の開始に対して、電気角0〜30°までの進角が可能となる。
【0039】
以下に、例えば所定時間毎に繰り返し実行されるタイマー割込処理について説明する。
先ず、図6に示すステップS31においては、タイマー割込処理の実行を示す信号を出力すると共に、起動フラグF_STのフラグ値が「1」か否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、後述する図7に示すステップS42に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS32に進み、モータ11の起動時における起動DUTYを設定する。
そして、ステップS33においては、タイマーに予め適宜に設定された起動タイマー値Sを設定する。
【0040】
次に、ステップS34においては、各制御ステージST1,…,ST6の何れかを起動時制御ステージとして選択し、設定した起動時制御ステージに応じた各パルスUH,VH,WH,UL,VL,WLに対するオン/オフのパターンを出力し、ステップS32にて設定した起動DUTYに応じてモータ11をいわば強制的に回転駆動させる。
そして、ステップS35においては、例えばモータ11が1回転する回数MNを計数する。
【0041】
そして、ステップS36においては、モータ11が1回転する回数MNが、所定回数#MN(例えば、#MN=10)以下か否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、後述するステップS40に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS37に進み、モータ11が1回転する回数MNの計数値にゼロを設定し、ステップS38に進む。
【0042】
ステップS38においては、例えばモータ11の起動時における状態(例えば、回転数N、モータトルクTor、温度Tmag、各相電圧、各相電流等)に応じて予め設定された各パルスUH,VH,WH,UL,VL,WLのデューティ比DUTYをマップ検索等により検索し、新たに起動DUTYとして設定し、ステップS39に進む。
そして、ステップS39においては、例えばモータ11の起動時における状態(例えば、回転数N、モータトルクTor、温度Tmag、各相電圧、各相電流等)に応じて予め設定されたタイマー値をマップ検索等により検索し、新たに起動タイマー値Sとして設定し、ステップS40に進む。
【0043】
ステップS40においては、各制御ステージST1,…,ST6の何れかを起動時制御ステージとして設定する。
そして、ステップS41においては、タイマーに所定の起動タイマー値Sを設定し、起動時制御ステージに応じた各パルスUH,VH,WH,UL,VL,WLに対するオン/オフのパターンを出力して、ステップS32にて設定した起動DUTYに応じてモータ11をいわば強制的に回転駆動させ、一連の処理を終了する。
【0044】
一方、図7に示すステップS42においては、タイマー割込処理の実行を示す信号の出力が、エッジ検出割込処理の実行を示す信号が出力された後の1回目の出力であるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS45に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS43に進み、制御上の各種パラメータに基づいて算出されるモータ出力の演算DUTYを設定し、各制御ステージST1,…,ST6の何れかを選択する。
次に、ステップS44においては、タイマーに周期Tと同等の第2タイマー値Tを設定し、ステップS43にて設定した演算DUTYおよび選択した制御ステージに応じて、各パルスUH,VH,WH,UL,VL,WLに対するオン/オフのパターンを出力して、モータ11を回転駆動させ、一連の処理を終了する。
【0045】
一方、ステップS45においては、タイマー割込処理の実行を示す信号の出力が、エッジ検出割込処理の実行を示す信号が出力された後の2回目の出力であるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS48に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS46に進み、制御上の各種パラメータに基づいて算出されるモータ出力の演算DUTYを設定し、各制御ステージST1,…,ST6の何れかを選択する。
次に、ステップS47においては、タイマーに、例えばCOMM信号のオン/オフの周期よりも長く、かつ、T/2未満等の所定の第3タイマー値βを設定し、ステップS46にて設定した演算DUTYおよび選択した制御ステージに応じて、各パルスUH,VH,WH,UL,VL,WLに対するオン/オフのパターンを出力して、モータ11を回転駆動させ、一連の処理を終了する。
【0046】
一方、ステップS48においてはエッジ検出割込処理を許可して、ステップS49に進み、読込カウンタCRのカウンタ値にゼロを設定して、ステップS50に進み、タイマーの作動を停止して、一連の処理を終了する。
【0047】
例えば、図8に示す時刻t0において、停止状態のモータ11に対して起動処理を実行し、所定の起動タイマー値Sの期間に亘って、各制御ステージST1,…,ST6の何れか(例えば、第4制御ステージST4)を起動時制御ステージとして設定し、起動DUTYおよび起動時制御ステージに応じて、各パルスUH,VH,WH,UL,VL,WLに対するオン/オフのパターンを出力して初期励磁を行い、モータ11をいわば強制的に回転駆動させる。
そして、時刻t0から所定の起動タイマー値Sだけ経過した時刻t1においてタイマー割込処理を実行し、起動時制御ステージを他の制御ステージST1,…,ST6の何れか(例えば、第5制御ステージST5)に切り換える。
【0048】
そして、時刻t1から所定の起動タイマー値Sだけ経過した時刻t2においてタイマー割込処理を実行し、起動時制御ステージを他の制御ステージST1,…,ST6の何れか(例えば、第6制御ステージST6)に切り換える。
このとき、U相ロー側スイッチング素子SULがオフ状態とされ、V相ロー側スイッチング素子SVLがオン状態とされることで、通電状態が切り換えられると、各電機子コイル22U,22V,22Wの端子電圧UOUT,VOUT,WOUTを合成して得た合成電圧にスパイク電圧が発生し、論理「ハイ」レベルのCOMM信号、つまりスパイクノイズが出力される。
【0049】
そして、時刻t2から所定の起動タイマー値Sの1/2(つまりS/2)だけ経過した時刻t3においては、設定されている制御ステージ(例えば、第6制御ステージST6)での無通電相の電機子コイルの端子電圧(例えば、U相電機子コイル22UのU相端子電圧UOUT)が所定の閾値(例えば、E/2)を超えることで、COMM信号が論理「ロー」レベルから「ハイ」レベルとなる。
ただし、この時刻t3では、例えばモータ11の回転数Nが所定回転数#N未満であって、モータ11の状態が所定状態に到達していないため、エッジ検出割込処理は実行せずに、モータ11を強制的に回転駆動させる制御を継続する。
【0050】
そして、時刻t2から所定の起動タイマー値Sだけ経過した時刻t4、および、時刻t4から所定の起動タイマー値Sだけ経過した時刻t6においてタイマー割込処理を実行し、起動時制御ステージを他の制御ステージST1,…,ST6の何れか(例えば、順次、第1制御ステージST1、第2制御ステージST2)に切り換える。
【0051】
そして、時刻t6から所定の起動タイマー値Sの1/2(つまりS/2)だけ経過した時刻t7においては、設定されている制御ステージ(例えば、第2制御ステージST2)での無通電相の電機子コイルの端子電圧(例えば、V相電機子コイル22VのV相端子電圧VOUT)が所定の閾値(例えば、E/2)を超えることで、COMM信号が論理「ロー」レベルから「ハイ」レベルとなる。
この時刻t7では、例えばモータ11の回転数Nが所定回転数#N以上であって、モータ11の状態が所定状態に到達していることから、エッジ検出割込処理を実行する。そして、モータ11の回転子21の磁極位置に係るCOMM信号に応じて、例えば6つの各制御ステージST1,…,ST6を順次切り換えて設定する励磁切換動作を開始するまでの時間として、所定の第1タイマー値αをタイマーに設定する。
なお、時刻t6以降において、モータ11を強制的に回転駆動させる制御によってモータ11を所定回数#MNを超える回数だけ回転させたときに、モータ11の回転数Nが所定回転数#N未満である場合には、起動DUTYおよび起動タイマー値Sを変更し、再び、モータ11を強制的に回転駆動させる制御を実行する。
【0052】
そして、図8および図9に示すように、時刻t7から所定の第1タイマー値αだけ経過した時刻t8において、時刻t7にて検出されたCOMM信号の立ち上がりのエッジに基づく励磁切換動作(例えば、第2制御ステージST2から第3制御ステージST3への切換)を実行する。このとき、エッジ検出割込処理の実行を示す信号を出力した後における、1回目のタイマー割込処理の実行を示す信号を出力すると共に、切換後の制御ステージ(例えば、第3制御ステージST3)をCOMM信号のエッジ間隔時間(周期)Tの期間に亘って持続するために、タイマーに周期Tと同等の第2タイマー値Tを設定する。
なお、上述した時刻t7において、第1タイマー値αをエッジ間隔時間(周期)Tの1/2(つまり、T/2)に設定すると、COMM信号に基づいた励磁切換動作の開始に対して、進角は電気角0°となるが、0≦α≦T/2において第1タイマー値αを適宜に設定することによって、例えば最大で電気角30°(α=0)までの進角が可能となる。
【0053】
そして、時刻t8から所定の第2タイマー値Tだけ経過した時刻t10において、励磁切換動作(例えば、第3制御ステージST3から第4制御ステージST4への切換)を実行する。これにより、1回のCOMM信号のエッジ検出割込処理を基準として、2回の励磁切換動作を実行する。
このとき、エッジ検出割込処理の実行を示す信号を出力した後における、2回目のタイマー割込処理の実行を示す信号を出力すると共に、切換時に発生するスパイクノイズによってエッジ検出割込処理が実行されることを防止するために、COMM信号の入力を禁止する期間として、例えばCOMM信号のオン/オフの周期よりも長く、かつ、T/2未満の所定の第3タイマー値βをタイマーに設定する。
これにより、例えばU相ロー側スイッチング素子SULがオフ状態とされ、V相ロー側スイッチング素子SVLがオン状態とされることで、通電状態が切り換えられ、各電機子コイル22U,22V,22Wの端子電圧UOUT,VOUT,WOUTを合成して得た合成電圧にスパイク電圧が発生し、論理「ハイ」レベルのCOMM信号、つまりスパイクノイズが出力されても、この信号の入力は禁止される。
【0054】
そして、時刻t10から所定の第3タイマー値βだけ経過した時刻t11において、エッジ検出割込処理の実行を示す信号を出力した後における、3回目のタイマー割込処理の実行を示す信号を出力すると共に、COMM信号の入力を許可し、タイマーの作動を停止する。
そして、時刻t12のように、設定されている制御ステージ(例えば、第4制御ステージST4)での無通電相の電機子コイルの端子電圧(例えば、W相電機子コイル22WのW相端子電圧WOUT)が所定の閾値(例えば、E/2)を超えることで、COMM信号が論理「ロー」レベルから「ハイ」レベルとなるときに、次回の励磁切換動作を開始するまでの時間として、所定の第1タイマー値αをタイマーに設定する。
【0055】
以下、上述した時刻t7から時刻t12にて実行した処理と同様にして、第1タイマー値αおよび第2タイマー値Tおよび第3タイマー値βおよびCOMM信号の立ち上がりのエッジを検出したタイミングに基づいて、6つの各制御ステージST1,…,ST6を順次切り換えて設定する励磁切換動作を継続する。
なお、各ハイ側スイッチング素子SUH,SVH,SWHの通電状態の切換時(例えば、時刻t8、t13、t18等)には、各ロー側スイッチング素子SUL,SVL,SWLの通電状態の切換時(例えば、時刻t10、t15、t20等)と同様にスパイクノイズが発生する。ただし、各ハイ側スイッチング素子SUH,SVH,SWHの通電状態の切換時は、COMM信号における一連のオン/オフの繰り返しが継続される期間、すなわち各制御ステージST1,…,ST6での無通電相の各電機子コイル22U,22V,22Wの各端子電圧UOUT,VOUT,WOUTが所定の閾値(例えば、E/2)を超える期間に含まれるため、COMM信号の入力を禁止する処理を実行しないように設定されている。
【0056】
以上説明したように、本実施の形態に係るブラシレスDCモータの制御装置10およびブラシレスDCモータの起動方法によれば、各制御ステージST1,…,ST6を順次切り換えて設定し、モータ11を強制的に回転駆動させる起動時において、パルス幅変調(PWM)のデューティ比DUTYを徐々に変化させると共に、励磁切換動作の切換周期(つまり、モータ11の起動回転数)を、モータ11の状態に応じて変更することにより、例えばモータ11の経年変化や駆動時の負荷の変動等が発生した場合であっても、迅速かつ確実にモータ11を起動させることができる。
さらに、モータ11の起動後に、モータ11の回転子21の磁極位置に応じて各制御ステージST1,…,ST6を順次切り換えて設定し、励磁切換動作を実行する際に、例えばホール素子等のように磁極位置を検出する位置検出装置を備える必要無しに、COMM信号の立ち上がりのエッジの検出に基づいて的確にモータ11の駆動制御を行うことができる。
【0057】
しかも、1回のCOMM信号のエッジ検出割込処理を基準として、第1タイマー値αおよび第2タイマー値Tに基づいて、2回の励磁切換動作を制御することができ、特に、第1タイマー値αを0〜T/2間の適宜の値に設定することによって、電気角0〜30°までの進角制御が可能となる。
さらに、第3タイマー値βによってCOMM信号の入力を禁止する期間を設定することによって、各ロー側スイッチング素子SUL,SVL,SWLの通電状態が切り換えられる際に発生するスパイクノイズによってエッジ検出割込処理が実行されることを防止することができ、COMM信号に応じて適切にモータ11を駆動制御することができる。
【0058】
なお、上述した実施の形態において、位置基準信号生成部13は、論理「ハイ」レベル(オン)のCOMM信号を出力する際の合成電圧に対する所定の閾値をE/2としたが、これに限定されず、その他の値に設定してもよい。例えば所定の閾値をE/2よりも小さな値に設定すると、COMM信号の立ち上がりのエッジを検出するタイミングがより早くなることから、進角をより大きくすることが可能である。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載のブラシレスDCモータの起動方法によれば、例えばモータの経年変化や駆動時の負荷の変動等が発生した場合であっても、複数のスイッチング素子のオン/オフの比率および制御パターンの切換周期を変更することによって、迅速かつ確実にモータを起動させることができる。
【0060】
さらに、請求項2記載のブラシレスDCモータの起動方法によれば、通電切換手段により複数の制御パターンを順次切り換えることによって、固定子巻線への通電を順次転流させる際に、モータの状態が所定状態に到達するまで、複数のスイッチング素子のオン/オフの比率を増加傾向に変化させることによって、モータを確実に加速させることができる。
さらに、請求項3記載のブラシレスDCモータの起動方法によれば、通電切換手段により複数の制御パターンを順次切り換えることによって、固定子巻線への通電を順次転流させる際に、モータの状態が所定状態に到達するまで、制御パターンの切換周期を変更することによって、モータを確実に加速させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係るブラシレスDCモータの起動方法を実現するブラシレスDCモータの制御装置の構成図である。
【図2】 各制御ステージでのスイッチング素子の動作を示すタイミングチャートである。
【図3】 図3(a)〜(f)は図2に示す各制御ステージにおけるモータの動作を示す模式図である。
【図4】 図1に示すブラシレスDCモータの制御装置の動作、特に起動処理を示すフローチャートである。
【図5】 図1に示すブラシレスDCモータの制御装置の動作、特にエッジ検出割込処理を示すフローチャートである。
【図6】 図1に示すブラシレスDCモータの制御装置の動作、特にタイマー割込処理を示すフローチャートである。
【図7】 図1に示すブラシレスDCモータの制御装置の動作、特にタイマー割込処理を示すフローチャートである。
【図8】 図4から図7に示す各処理の実行タイミングを示すタイミングチャートの一例を示す図である。
【図9】 図8に示すタイミングチャートの要部拡大図である。
【符号の説明】
10 ブラシレスDCモータの制御装置
11 モータ(ブラシレスDCモータ)
12 モータ駆動部(通電切換手段)
22U U相電機子コイル(固定子巻線)
22V V相電機子コイル(固定子巻線)
22W W相電機子コイル(固定子巻線)
41 トルク検出器(状態検出手段)
42 モータ温度検出器(状態検出手段)
44U U相電圧検出器(状態検出手段)
44V V相電圧検出器(状態検出手段)
45U U相電流検出器(状態検出手段)
45V V相電流検出器(状態検出手段)
ステップS06 初期励磁手段
ステップS38 デューティ変更手段
ステップS39 切換周期変更手段

Claims (3)

  1. 永久磁石を有する回転子と、この回転子を回転させる回転磁界を発生する複数相の固定子巻線とを備え、前記複数相の固定子巻線の各一端部が共通接続されてなるブラシレスDCモータを、複数のスイッチング素子を備え、前記固定子巻線への通電を順次転流させる通電切換手段により回転駆動させるブラシレスDCモータの起動方法であって、
    前記複数のスイッチング素子のオン/オフの組み合わせからなる複数の制御パターンの中から所定の制御パターンを選択し、この制御パターンに基づいて前記固定子巻線への通電を行い、前記回転子の磁極位置を所定位置に設定する第1ステップと、
    前記第1ステップの実行後に、前記通電切換手段により前記複数の制御パターンを順次切り換えて通電を行うと共に、前記複数のスイッチング素子のオン/オフの比率および前記制御パターンの切換周期を変更する第2ステップと、
    前記ブラシレスDCモータの状態を検出する第3ステップとを含み、
    前記第2ステップでは、前記ブラシレスDCモータの状態が所定状態に到達するまで、所定の起動タイマ値だけ経過する毎に複数の制御パターンを順次切り換えることを特徴とするブラシレスDCモータの起動方法。
  2. 前記ブラシレスDCモータの状態を検出する第3ステップを含み、
    前記第2ステップでは、前記ブラシレスDCモータの状態が所定状態に到達するまで、前記複数のスイッチング素子のオン/オフの比率を増加傾向に変化させることを特徴とする請求項1に記載のブラシレスDCモータの起動方法。
  3. 前記ブラシレスDCモータの状態を検出する第3ステップを含み、
    前記第2ステップでは、前記ブラシレスDCモータの状態が所定状態に到達するまで、前記制御パターンの切換周期を変更することを特徴とする請求項1に記載のブラシレスDCモータの起動方法。
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