JP3752388B2 - 画像形成装置の排紙ローラ構造、画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置の排紙ローラ構造、画像形成装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、レーザープリンタ等の画像形成装置が有する画像定着後の記録紙を搬送して排紙部へ排紙するための排紙ローラ部の構造に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
図1はレーザープリンタの一例の略中央断面図である。図中の矢印方向に回転する感光体1の周りに、帯電手段2、クリーニング手段3、レーザー光学系4、トナー5を供給して感光体1上の静電潜像を顕像化する現像手段6及び転写手段7が配置されている。そして、図1の下側に配置され、図中矢印A方向に着脱可能な第一給紙トレイ8内の用紙Pは、図示せぬ加圧手段により底板9で給紙ローラ10に押し付けられ、給紙ローラ10が回転すると用紙Pの最上紙が分離パッド11で一枚ずつに分離されながらレジストローラ12まで搬送され、感光体1上の画像と同期するようにタイミングがとられ、転写手段7に送り出される。転写手段7によって感光体1から画像を得た用紙は、定着手段13に搬送され、ヒータを内蔵した定着ローラ14と圧接対向する加圧ローラ15との間を通り、トナー像を定着される。その後、画像形成の終わった用紙は排紙ローラ対16により画像面を下にして排紙トレイ17の上に排出される。
【0003】
定着手段13を通過した記録紙は、定着ローラ14側を内側にしてカールするのが通常である。すなわち、電子写真方式の画像形成装置においては用紙Pに熱と圧力をかけて画像を定着させる構成上、用紙Pがカールしやすい。このため記録紙のカール方向とは逆方向に力を加えることでカール矯正を行うことが多い。排出時に排紙ローラ対16で用紙のカール取りを行うためには、図2に示すように排紙ローラ対16を上側の1個のローラ18に対して当接回転する下側のローラを2個のコロ19、19で構成することが広く行われている。
【0004】
コロ19、19は上側のローラ18に対して押圧する必要がある。このため、従来は図2に示すような板バネ20を用いている。この板バネ20は、コロ19、19を回転可能に保持するコロ保持部21と、装置本体22に固定する基部23とからなり、コロ保持部21は用紙Pの搬送方向に略沿わせてあり、基部23はコロ保持部21に対して大きな鈍角をなして交差するように折り曲げ形成され、装置本体22の取り付け部位の上面に沿うようにされている。
【0005】
ところがこのような従来の構造では、各部品の寸法精度によりコロ19を2個とも確実にローラ18に押圧接触させるのは難しく、図2に示すように片方しか当接せず、このため十分なカール取りの効果が得られないことが生じる。これは、板バネ20の可動方向が図2中の矢印aに示すように、コロ保持部21の上下方向での回動のみであり、用紙Pの搬送方向の前後方向やローラ18の軸の周りの回転方向においては固定であるためで、部品の狂いが生じても対処できないからである。
【0006】
この不具合を改善するのに、図3に示す板バネ30のように、コロ保持部31を基部32に軸支し、コロ保持部31をローラ18の軸の周りの回転方向(矢印b方向)において揺動可能とする構造が知られている。ところがこのような構造を採用すると、板バネの構造が複雑になるために部品点数の増加やコストアップを伴うという別の問題が生じる。
【0007】
本発明は、上記従来の問題を解決すべくなしたもので、簡単な構成で確実にカール取りの効果が得られる画像形成装置の排紙ローラ構造を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決する手段】
本発明の画像形成装置の排紙ローラ構造のうち請求項1に係るものは、上記目的を達成するために、定着後の記録紙を搬送して排紙部へ排紙するための排紙ローラ対を有し、該排紙ローラ対が、対をなす一方のローラ1個に対し、上記記録紙搬送方向に沿って連接した2個のコロを当接回転させて前記排紙しようとする記録紙のカール取りを行う画像形成装置の排紙ローラ構造において、上記コロ対を板バネにより保持するとともに、該板バネが、上記記録紙搬送方向に略沿って前記一対のコロを取り付け保持可能なコロ保持部と、該コロ保持部から折れ曲がって連なる基部とからなり、該基部を上記記録紙搬送方向に対して略垂直方向に配して保持し、上記ローラに対する上記二個のコロの当接圧を変更可能とする調整部材を有し、該調整部材は上記記録紙のカール量が少ない時には上記板バネの位置を下げることにより、上記二個のコロのうち一個だけ当接させて当接圧を小さくし、上記記録紙のカール量が大きい時は上記板バネの位置を上方へ上げ、上記ローラに対する前記二個のコロの当接圧よりも強く、 2 個のコロを当接させることが可能であることを特徴とする。
【0009】
同請求項2に係るものは、請求項1の画像形成装置の排紙ローラ構造において、上記調整部材が、上記板バネの基部の先端位置を受ける部位を段付きとし、略前記記録紙搬送方向に沿って移動可能としたものであることを特徴とする。
【0010】
同請求項3に係る画像形成装置は、請求項1または2の画像形成装置の排紙ローラ構造を用いたことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお以下では従来と共通する部分には共通する符号を付すにとどめ重複する説明は省略する。
図4は本発明に係る画像形成装置の排紙ローラ構造の第1の実施形態を示す図2相当の側面図である。図示のように、本実施形態で用いる板バネ40は、従来の例の板バネ20と同様のコロ保持部41と、従来の板バネ20とは逆にコロ保持部41から下方へ折れ曲がって連なる基部42とからなる。基部42は、記録紙搬送方向に対して略垂直方向に配して保持可能となっており、図示の実施形態では装置本体22に差し込んで保持されている。
【0013】
このように取り付けた板バネ40は、従来の板バネ20でも可能であったコロ保持部41の上下方向(矢印a方向)の動きに加え、矢印cで示す用紙Pの搬送方向での前後方向の動きも可能となり、2個のコロ19、19は確実に対向するローラ18に当接する。基部42の取り付けは、装置本体22に差し込むだけでよく、特に面倒な組み付けは必要としない。なお装置本体22には板バネ40の基部42を差し込むために穴付きの板バネ保持部43を突出形成しているが、板バネ40の保持構造はこのような構成のものには限定されず、たとえば装置本体22にガイド溝を設ける構造等が種々採用できる。
【0014】
図5は本発明に係る画像形成装置の排紙ローラ構造の第2の実施形態を示す図2相当の側面図である。図示のように、本実施形態の板バネ50は、コロ保持部51は先の実施形態と同様のものであるが、ローラ18へのコロ19、19の当接をより確実にするために基部52の先端、すなわち図に示す状態では装置本体22への差し込み側となる下端に曲げ53を付けることで上下方向(矢印d方向)の動作を大きくしている。
【0015】
図6は本発明に係る画像形成装置の排紙ローラ構造の第3の実施形態を示す図2相当の側面図である。本実施形態は、第1の実施形態と同じ板バネ40を用い、装置本体22への基部42の差し込み量を可変としてコロ19、19のローラ18へ当接圧を変更可能とするために、図示のように上面を段付き形状とした調整部材60を用いている。すなわち、色々な記録紙の種類や装置の使用環境により用紙Pのカール量は一定ではないため、各状況に応じてカール取りの度合いの調整が必要となる場合がある。たとえば用紙Pのカール量が少ないときには当接圧を小さくするために板バネ40の位置を下げ、ローラ18からコロ19を遠ざけ、ローラ18に対してコロ19が1個だけ当接するように設定する(図6(B))。またカールが大きい厚紙等においては当接圧を強く設定するために、コロ19ができるだけローラ18に近づくように板バネ40の位置を上方へ上げる(図5(c))。
【0016】
なお上述の第3の実施形態で用いた調整部材60は、楔形の断面形状を有する部材の上面に溝61を複数個形成した段付き形状を実現しているが、もちろん本発明で使用する調整部材はこの形状のものに限定されず、単なる楔形や階段形状のもの、溝に代えて突部を設けて板バネの基端を係止可能としたもの等々を採用できる。
【0017】
また上述のような調整部材60の移動は、図7(A)に示すように手動で操作する操作ピン62を設けたり、あるいは図7(B)に示すように調整部材60にラック部63を設けてステッピングモータ64により駆動する等々種々の構成が採用可能である。
すなわち本発明の画像形成装置の排紙ローラ構造においては、カール取り用のコロ対を保持する板バネの基部を記録紙の搬送方向に対し略垂直方向に配置するので、板バネのコロ対を保持する部分が記録紙の搬送方向に沿って動けるようになり、対をなすローラとの当接性が高まり、安価な構成で記録紙のカール取りが確実に行え、また組み付け性の向上も得られる。また板バネの挿入部先端が所定角度を持った曲げ部を有しているので、上記共通の効果に加え、記録紙のカール取りがより一層確実に行える。また板バネの先端部の位置を調整する調整部材を有しているので、種々の状況の記録紙のカールに対して最適なカール取りの効果が得られる。さらに、調整部材の板バネ基部の先端を受ける部位を段付き形状としかつ記録紙搬送方向に略沿って移動可能としたので、さらに種々の状況の記録紙のカールに対して最適なカール取りの効果が得られる。
【0018】
【発明の効果】
本発明は、以上説明してきたように、板バネのコロ対を保持する部分が記録紙の搬送方向に沿って動けるようになり、対をなすローラとの当接性が高まり、安価な構成で記録紙のカール取りが確実に行え、また組み付け性の向上も得られ、また板バネの先端部の位置を調整する調整部材を有しているので、種々の状況の記録紙のカールに対して最適なカール取りの効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】レーザープリンタの一例の略中央断面図である。
【図2】図1のレーザープリンタに用いられる従来の排紙ローラ構造を示す側面図である。
【図3】従来の他の排紙ローラ構造を示す側面図である。
【図4】本発明に係る画像形成装置の排紙ローラ構造の第1の実施形態を示す図2相当の側面図である。
【図5】本発明に係る画像形成装置の排紙ローラ構造の第2の実施形態を示す図2相当の側面図である。
【図6】本発明に係る画像形成装置の排紙ローラ構造の第3の実施形態を示す図2相当の側面図である。
【図7】図6の実施形態の調整部材の変形例を示す斜視図である。
【符号の説明】
16 排紙ローラ対
18 ローラ
19 コロ
22 装置本体
40、50 板バネ
41、51 コロ保持部
42、52 基部
43 板バネ保持部
53 板バネの曲げ
60 調整部材
61 溝
62 操作ピン
63 ラック部
64 ステッピングモータ

Claims (3)

  1. 着後の記録紙を搬送して排紙部へ排紙するための排紙ローラ対を有し、該排紙ローラ対が、対をなす一方のローラ1個に対し、上記記録紙搬送方向に沿って連接した2個のコロを当接回転させて前記排紙しようとする記録紙のカール取りを行う画像形成装置の排紙ローラ構造において、
    上記コロ対を板バネにより保持するとともに、
    該板バネが、上記記録紙搬送方向に略沿って前記一対のコロを取り付け保持可能なコロ保持部と、該コロ保持部から折れ曲がって連なる基部とからなり、
    該基部を上記記録紙搬送方向に対して略垂直方向に配して保持し
    上記ローラに対する上記二個のコロの当接圧を変更可能とする調整部材を有し、
    該調整部材は上記記録紙のカール量が少ない時には上記板バネの位置を下げることにより、上記二個のコロのうち一個だけ当接させて当接圧を小さくし、
    上記記録紙のカール量が大きい時は上記板バネの位置を上方へ上げ、上記ローラに対する前記二個のコロの当接圧よりも強く、 2 個のコロを当接させることが可能である
    ことを特徴とする画像形成装置の排紙ローラ構造。
  2. 上記調整部材が、上記板バネの基部の先端位置を受ける部位を段付きとし、略前記記録紙搬送方向に沿って移動可能としたものであることを特徴とする請求項1の画像形成装置の排紙ローラ構造。
  3. 請求項1または2の画像形成装置の排紙ローラ構造を用いたことを特徴とする画像形成装置。
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