JP3751244B2 - ディスクチェンジャー装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスクチェンジャー装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、DVD(Digital Versatile Disc)等の複数枚ディスクの管理・操作が可能なディスクチェンジャー装置が実現されている。このディスクチェンジャー装置は複数枚のディスクを格納し、これら格納された複数枚のディスクの中から特定のディスクを指定して再生することが可能である。この場合、ディスクの格納形式は様々である。例えば、動径方向に放射状に伸びる複数の溝(以下、ストッカーと称する)が形成された回転盤上に、各ストッカーに合わせてディスクを立脚させることによりディスクを保持して格納するロータリートレイが考案されている。
【0003】
前記したストッカーを備えたディスクチェンジャー装置は、所望のディスクのストッカー番号をキー入力により指定し、再生部へと導くようになっている。すなわち、指定されたストッカーを所定の搬送位置まで移動させ、このストッカー内の所望のディスクを再生部へと搬送して、再生を開始する。また、両面に情報を記憶させたディスクの場合には、ディスクの片面の再生が終了すると、ストッカーに収納してディスク交換口まで搬送する。そして、ディスクを取り出して表裏を反転させた後、 再びディスクを挿入して、反対面を再生するようになっている。このようなディスクを再生する従来の処理方法を、図7によって説明する。
【0004】
図7に示すように、まず所望のディスクが指定されると、ディスクの位置を検出する検出処理により、全ディスクの中から該当するディスクが選択され、再生部の近傍位置までディスクを収納したストッカーが搬送される。そして、ストッカーから再生部にディスクが送られ、ディスクが再生される(S201)。ディスクの片面の再生が終了するとディスクは再びストッカーに収納され(S202)、ロータリートレイの回転動作により、ストッカーがディスク交換口に来るまで移動する(S203)。そして、ディスク交換口の扉が開かれ(S204)、ディスクが取り出される。そして、表裏を反転した後、再びストッカーに収納され(S205)、扉が閉められる(S206)。そして、再びディスクの位置を検出する検出処理により、所望のディスクを収納したストッカー番号を特定し(S207)、その後、ストッカーを再生部へと導き、ディスクの反対面を再生するようになっている(S208)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のディスクチェンジャー装置においては、以下に示す問題点があった。すなわち、従来のディスクチェンジャー装置では、ディスク交換口が一旦開かれると、一度に複数のディスクが取り出されたり、又は交換されてしまう可能性があるため、それまで記憶されていたディスク装填情報が自動的に全てクリアされる。よって、その後、ディスク交換口が閉じられると、ロータリートレイ上の全ディスクの有無を検出する検出処理がその都度行われていた。
【0006】
従って、ディスクの表裏を入れ替える場合のみならず、ディスクを取り出した同じストッカーに別のディスクを挿入して再生を行なう場合にも、ディスク交換口が閉じられてから全装填ディスクの有無を検出するため、待ち時間が長く、スムーズで快適な操作を行うことができなかった。
【0007】
本発明の課題は、多数のディスクをロータリートレイ上に装填可能なディスクチェンジャー装置において、ディスク交換後に装填されたディスクの検出に要する時間を短縮することである。又、他の課題として、表裏の反転が指示されたディスクを容易に交換できるようにし、ディスク検出に無駄な時間を要しないようにすることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、請求項1記載の発明は、情報が記録された複数の記録媒体を収納すると共に、所定の方向に移動自在な複数の収納部と、前記収納部内の記録媒体を交換する際に開閉する扉部と、前記扉部の開閉状態を検知する扉検知部と、前記収納部ごとの記録媒体の有無を検出する有無検出部と、この有無検出部の検出結果に基づく装填情報を記憶する記憶部とを備えたディスクチェンジャー装置において、前記扉部は、外側に配置される第1扉と、この第1扉の内側に配置され、かつ、1枚幅のスリットを有する第2扉と、前記扉部の開閉指示を入力する入力部とを備え、前記扉検知部により前記扉部の何れか一方が閉状態であると検知されると、前記記憶部に記憶した前記装填情報を保持する制御手段を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のディスクチェンジャー装置であって、前記第2扉が閉じられた状態で、前記収納部を前記スリットの背面の位置まで回転移動させるとともに、前記位置において前記スリットからの前記記録媒体の入替えが可能な入替手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項2記載のディスクチェンジャー装置であって、前記自動入替手段により前記収納部に再び挿入された記録媒体の装填情報を前記記憶部の前記装填情報を基に検出する再検出手段を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項2又は3記載のディスクチェンジャー装置であって、再生の状態によって表裏を反転すると判断された前記記録媒体を自動で排出する記録媒体排出手段を備えることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図6を参照して本発明の一実施の形態におけるディスクチェンジャー装置1について詳細に説明する。
ディスクチェンジャー装置1は、200枚のディスク(記録媒体)Aを格納することができるものとするが、格納可能なディスク枚数は200枚に限らず、100枚、150枚等、自由である。
【0013】
図1は、本実施の形態におけるディスクチェンジャー装置1の前面部を示す図である。図1に示すように、ディスクチェンジャー装置1の前面部には、ディスク交換口1a、再生キー1b、停止キー1c、交換口開閉キー1d等の各種操作キー、ロータリートレイ操作ダイヤル1e、表示部1f等が配置されている。また、本実施例の特徴である反転キー(入力部)1gが設けられている。
【0014】
図2はディスクチェンジャー装置1に内設されるディスク収納部10の概略構成を示す上面図である。図2に示すように、ディスク収納部10は、ロータリートレイ11、ロータリートレイ制御モータ12、ディスクアーム13、支持板14、第1〜第3センサ14a〜14c、ディスク有無検出センサ(有無検出部、再検出手段)14d、開閉扉感知センサ(扉検知部)14e及びディスク出入機構15等が基板16上部に配置され、図中符号▲1▼〜▲5▼に示すラインは、図5に示すマイクロコンピュータ100、及びその周辺回路に接続される。
【0015】
ロータリートレイ11は、その中心から動径方向に伸びる多数個のストッカー(収納部)11aを備え、ストッカー11a上にディスクAを立脚させることによってディスクAを保持して格納するものであり、基板16中央部に装着される。図2に示すように、ロータリートレイ11は、ロータリートレイ制御モータ12による動力によって回転動作を行う。
【0016】
ロータリートレイ制御モータ12は、図中符号▲6▼に示すラインを介してロータリートレイ制御モータドライバ104から出力される制御信号に応じてロータリートレイ11を駆動し、ロータリートレイ11に正確な回転動作を行わせる。
【0017】
ディスクアーム13は、図中符号▲7▼に示すラインを介してディスクアーム制御モータドライバ105から出力される制御信号に応じて動作する。すなわち、上記制御信号に応じてロータリートレイ11のストッカー11aから所定ディスクAを1枚引き出し、このディスクAを再生装置(図示略)にセットし、再生後、再びロータリートレイ11のストッカー11aに格納する。
【0018】
ディスク出入機構15は、図中符号▲8▼に示すラインを介してディスク取出し制御モータドライバ(入替手段、記録媒体排出手段)106から出力される制御信号に応じて動作する。すなわち、上記制御信号に応じて後述する開閉扉5の内側扉5bの中央に設けられたスリット6からストッカー11aに収納された所定ディスクAが自動的に押し出される。
また、内側扉5bのスリット6からディスクAが挿入されると、再びロータリートレイ11のストッカー11aに格納する。
【0019】
次に、第1センサ14a〜第3センサ14c、ディスク有無検出センサ14d、及び開閉扉感知センサ14eについて説明する。上記センサ群は、ディスク交換口1aの近傍にある基板16上に配設される。更に、これら第1センサ14a〜第3センサ14c、ディスク有無検出センサ14d、及び開閉扉感知センサ14eは、▲1▼から▲5▼に示すラインを介してマイクロコンピュータ100に出力する。
【0020】
第1、第2センサ14a、14bは基板16上にあり、かつ、ロータリートレイ11の下部に設置される。これらは、ロータリートレイ11上のディスクAのストッカー11aのナンバーを検出すると共に、ロータリートレイ11の回転方向の検出を行う。第3センサ14cは、基板上に配設され、ロータリートレイ11の回転位置を検出する。
【0021】
ディスク有無検出センサ14dは、支持板14上にあると共に、ロータリートレイ11の上部に設置され、ロータリートレイ11上の各ストッカー11aについてディスクAの有無を検出する。
【0022】
開閉扉感知センサ14eは、基板上にあり、かつ、ディスク交換口1aの近傍位置に設けられ、開閉扉5の開閉状態を検出する。
【0023】
次に、ロータリートレイ11、及びそこに格納された各ディスクAの位置を、上記各センサ14a〜14dが出力する信号に基づいて判別する判別方法を、図3(a)、(b)を参照しながら詳細に説明する。
【0024】
図3(a)は、センサ14a〜14cが出力するパルス信号PH1〜PH3のタイミングチャートであり、図3(b)は、第1センサ14a及び第2センサ14bが出力するパルス信号PH1、PH2と、ディスク有無検出センサ14dが出力するディスク有無検出信号のタイミングチャートである。
【0025】
PH1は、第1センサ14aが出力するパルス信号であり、PH2は、PH1より1/4周期遅れて第2センサ14bから出力されるパルス信号である。両パルス信号PH1、PH2は、ロータリートレイ11の回転動作に応じて出力されるものであり、"High"、及び"Low"の2種類のレベルのみを有するビット信号である。また、PH3は、第3センサ14cからマイクロコンピュータ100へ出力されるゲート信号である。
【0026】
図中符号C1〜C8は、マイクロコンピュータ100が一枚単位のディスク格納場所(ロータリートレイ11に予め形成されたストッカー11a)をカウントするカウントタイミングを示す。このカウントタイミングは、パルス信号PH1とPH2が共に"Low"となる場合に発生する。
【0027】
ゲート信号PH3は、ロータリートレイ11に対し固有のゲート長を有するものであり、例えば、図3(a)に示すPH3の"Low"区間は、ロータリートレイ11に形成される上記ストッカー11a5つ分のゲート長を有する区間に対応している。すなわち、ロータリートレイ11には予め複数の区間が設けられ、これら各区間内に形成されるストッカー11aの数は互いに全て異なる。
【0028】
従って、ゲート信号PH3の"Low"区間内に包含される上記カウントタイミングの数(スロットの数)を計数することにより、ロータリートレイ11の回転位置を検出することが可能となる。
【0029】
パルス信号PH1、PH2の位相は互いに1/4周期分ずれており、ロータリートレイ101の回転方向が逆転すれば、この位相も逆転して図3(a)のPH1とPH2の信号が入れ替わる。すなわち、パルス信号PH1、PH2の位相からロータリートレイ11の回転方向を検出することが可能となる。
【0030】
図3(b)に示すように、ディスク有無検出センサ14dは"High"信号を通常出力する標準信号とする。ロータリートレイ11の回転動作による上記カウントタイミングの発生時、このカウントタイミングに対応するロータリートレイ11上のストッカー11aにディスクAが格納されていれば、ディスク有無検出センサ14dは標準信号の出力を継続すると共に、マイクロコンピュータ100は記憶部100aにこの情報を記憶させる。
【0031】
それに対し、ロータリートレイ11の回転動作による上記カウントタイミングの発生時、上記カウントタイミングに対応するロータリートレイ11上のストッカー11aにディスクAが格納されていなければ、ディスク有無検出センサ14dは"Low"信号1パルス分を出力すると共に、マイクロコンピュータ100は記憶部100aにこの情報を記憶させる。
【0032】
図4の(a)〜(c)は、ディスク交換口1aを閉じる開閉扉5を示す図である。図4に示すように、ディスクチェンジャー装置1の前面部には、ディスク交換口1aを塞ぐ断面円弧状を有する開閉扉5を備える。この開閉扉5は二重扉構造となっていて、ディスク交換口1aの外側に形成される外側扉(第1扉)5aと、内側に形成される内側扉(第2扉)5bにより構成される。さらに、内側扉5bの中央にはディスクAの排出及び挿入を行なうスリット6が設けられている。
開閉扉5は、ディスクチェンジャー装置1の前面に沿って回転移動するものであり、この開閉扉5の回転移動によってディスク交換口1aの開閉動作がなされる。
【0033】
図4の(a)は開閉扉5の外側扉5aと、内側扉5bの両方が閉じられた状態を示しており、ディスクAの交換時以外はこの状態である。図4の(b)は、外側扉5aが開かれ、かつ内側扉5bが閉じられた状態を示している。このように、内側扉5bの中央に設けられたスリット6から1枚のディスクA交換が可能であり、ディスク交換口1aの下部に設けられた反転キー1gの操作により、内側扉5bのみ閉じられた状態となる。
図4の(c)は、開閉扉5の外側扉5aと、内側扉5bの両方が開かれた状態を示していて、ディスク交換口1aの下部に設けられる交換口開閉キー1dが押下されることで駆動される。この状態では、ディスク交換口1aから複数枚のディスクAの交換が可能となっている。
【0034】
ディスク収納部10においては、開閉扉5のうち何れか一方が閉鎖状態にある間は、後述する記憶部に記憶されたディスク位置情報が保存され、外側扉5aと、内側扉5bの両方が開放された場合には、記憶部100aに記憶されたディスク位置情報が消去されるように設定されている。
【0035】
図5は、ディスクチェンジャー装置1の内部構成を示すブロック図である。
図5に示すように、ディスクチェンジャー装置1は、マイクロコンピュータ100、操作部101、表示部102、ディスク交換口開閉制御モータドライバ103、ロータリートレイ制御モータドライバ104、ディスクアーム制御モータドライバ105、ディスク取出し制御モータドライバ106、DSP107、ピックアップユニット108、ディスク交換口開閉制御モータ109等により構成されており、各部はバスによって接続されている。
【0036】
記憶部100aは、ディスクチェンジャー装置1の制御を行う為の制御プログラムや、このプログラムに係る各種アプリケーションプログラムを格納するとともに、これら各種プログラムの実行ファイルやその実行に際して生じる各種データ等を一時的に記憶するワークエリアを形成する。特に、▲1▼から▲5▼に示すラインを介して第1〜第3センサ14a〜14cから出力された各ストッカーの位置データや、ディスク有無検出センサ14dから出力されたディスク有無データを記憶すると共に、これら各センサからの信号に基づいてマイクロコンピュータ100が算出した各種データ等を記憶する。
【0037】
更に、マイクロコンピュータ100は、操作部101が備える各種操作キー及びロータリートレイ操作ダイヤル1e(図1参照)の操作による操作信号に応じて、ディスク交換口1aの開閉動作、ロータリートレイ11の回転動作、ディスクアーム13の動作、或いはディスクAがセットされた再生装置(図示略)が行う再生処理等を制御する。
【0038】
操作部101は、再生キー1b、停止キー1c、交換口開閉キー1d等のディスク操作に係る各種操作キー及びロータリートレイ回転ダイヤル1e等により構成される。そして、各キー及びダイヤルの操作信号をマイクロコンピュータ100に出力する。操作部101は、リモートコントロールによる操作信号をマイクロコンピュータ100に出力するようにしてもよい。
【0039】
表示部102は、LCD(liquid Crystal Display)等の表示装置1fにより構成され、マイクロコンピュータ100から入力される表示信号の指示に従って、表示画面上に、再生されているディスクAのトラック番号や進行時間、ロータリートレイ11の回転動作の動作モード等の表示を行う。
【0040】
ディスク交換口開閉制御モータドライバ103は、マイクロコンピュータ100から出力される制御信号に基づいて、ディスクチェンジャー装置1の開閉扉5の開閉を行うディスク交換口開閉制御モータ109を駆動する。なお、本実施例においては、図4(a)〜(c)に示すように、開閉扉5が二重扉構造で形成されており、開閉扉5の外側扉5aと、内側扉5bをそれぞれ単独で開閉可能である。
【0041】
ロータリートレイ制御モータドライバ104は、マイクロコンピュータ100から出力された制御信号に基づいて、ロータリートレイ11の回転動作を行うロータリートレイ制御モータ12を駆動する。
【0042】
ディスクアーム制御モータドライバ105は、マイクロコンピュータ100から出力された制御信号に基づいて、ディスクアーム13の動作を行うディスクアーム制御モータ(図示略)を駆動する。
【0043】
ディスク取出し制御モータドライバ106は、マイクロコンピュータ100から出力された制御信号に基づいて、ディスク押し出し機構15の引き出し動作を行うディスク取出し制御モータ110を駆動する。
【0044】
DSP(Digital Signal Processor)107は、ピックアップユニット108から出力される符号化デジタルデータを、マイクロコンピュータ100が処理可能なデータ形式に変換してマイクロコンピュータ100に出力する。
ピックアップユニット108は、再生装置(図示略)にセットされたディスクAに記録された符号化デジタルデータを読み取り、DSP107に出力する。
【0045】
次に、動作について図6のフローチャートに基づいて説明する。
まず、ディスクチェンジャー装置1の再生キー1bが押され、ディスクAの再生開始を指示する再生開始信号が入力されると、ディスクチェンジャー装置1のマイクロコンピュータ100は、再生動作を開始する。詳しくは、図6に示すように再生キー1bが押されると、マイクロコンピュータ100は、ロータリートレイ制御モータードライバ104に搬送制御信号を供給し、選択されたディスクAを収納したストッカー11aの位置がディスクアーム13の対向位置になるようにロータリートレイ11を回転移動させる(ステップS101)。
【0046】
次いで、選択されたディスクAのストッカー11aの位置がディスクアーム13に対向する位置に回転されると、ディスクアーム制御信号をディスクアーム制御モータードライバ105に供給し、ディスクアーム13によって、その位置に収納されたディスクAをクランプさせ、所定の再生位置へ搬送させる(ステップS102)。その後、ピックアップユニット108によってディスクAに記録されたデータを読取らせ、DSP107によってそのデータを復号再生させる(ステップS103)。
【0047】
次いで、ディスクAの片面の再生が終了後、ディスクチェンジャー装置1の表示部1fにディスクAの交換又は反転するか否かを表示する(ステップS104)。
そして、操作パネル上の反転キー1gを押すことにより、ディスクA交換の指示が入力されると、再生していたディスクAをストッカー11aに戻す処理を行う(ステップS105)。
【0048】
その後、 ロータリートレイ制御モータードライバ104の搬送制御信号により、ディスクAを保持したストッカー11aの収納位置が内側扉5bの中央に設けたスリット6に対向する位置にくるようにロータリートレイ11を回転移動させる。
そして、ロータリートレイ制御モータドライバ104に停止制御信号を供給し、ストッカー11aが、内側扉5bのスリット6の背面位置にくるように、ロータリートレイ11を停止させる(ステップS106)。ここで、マイクロコンピュータ100は操作に応じて、ディスク交換口開閉制御モータードライバ103に開放制御信号を出力して、ディスク交換口開閉制御モーター109によって、開閉扉5のうち内側扉5bが回転移動し、ディスク交換口1aが閉じられる(ステップS107)。 次いで、扉開閉モータードライバに閉鎖制御信号を出力して開閉扉5のうち外側扉5aが回転移動し、ディスク交換口1aが開かれる(ステップS108)。
【0049】
そして、マイクロコンピュータ100から出力された制御信号に基づいて、ディスク取出し制御モータドライバ106は、ディスク押し出し機構15の引き出し動作を行うディスク取出し制御モータ110を駆動する。これに伴って、ディスクAが内側扉5bのスリット6から押し出される(ステップS109)。なお、押し出されたディスクAは、そのままの状態で一定時間放置されると、自動的にディスク取出し制御モータ110によって引き込まれ、再び同じ面が再生される。
【0050】
ディスク交換口1aから取り出したディスクAは、裏表を反転させるか、又は交換した後、再び内側扉5bのスリット6から挿入する(ステップS110)。そして、ディスク取出し制御モータドライバ106により、ディスク取出し制御モータ110が駆動され、ディスクAは自動的に引き込まれる。ディスクAがディスクチェンジャー装置1の内部に挿入されると、ディスク交換口開閉制御モータードライバ103に制御信号を出力して、外側扉5aが回転移動し、ディスク交換口1aが閉じられる。またこの際、内側扉5bが回転移動し図4(a)に示すような状態に戻る(ステップS111)。
【0051】
ディスク交換口1aに挿入されたディスクAは、再びロータリートレイ制御モータードライバ104の制御信号により、ディスクAの収納位置がディスクアーム13に対向する位置にくるようにロータリートレイ11が回転移動される。そして、ストッカー11aの位置がディスクアーム13に対向する位置に回転されると、ディスクアーム13によって、ストッカー11aに収納されたディスクAをクランプさせ、所定の再生位置へ搬送される。そして、ディスクAの反対面が再生される(ステップS112)。
【0052】
以上説明したように、本実施の形態におけるディスクチェンジャー装置1によれば、 再生部にてディスクAの片面の再生が終了した後、 反転キー1gが押されると、ストッカー11aに収納されたディスクAはディスク交換口1aの位置に移動する。また、同時に開閉扉5のうち内側扉5bが閉じられた後に外側扉5aが開く。そして、内側扉5bのスリット6を介してディスクAの交換が行なわれる。よって、基板16上に設けられた開閉扉感知センサ14eはディスク交換口1aが閉状態であると認識する。
【0053】
従って、開閉扉5の外側扉5aが開かれた際、それまで記憶されていたディスク装填情報が消去されず、表裏を反転させたばかりのディスクAを直ちに再生することが可能となり、ディスクA交換後における装填ディスクの検出に要する時間が短縮される。
【0054】
また、反転させるディスクAを収納したストッカー11aが内側扉5bのスリット6の背面位置で停止し、自動的にディスク交換口1aから排出される。したがって、従来のようにストッカー11aの番号を目視確認してからディスクを交換する、という煩雑な手順を踏む必要がなく、容易にディスクAの入替えが可能である。
さらに、従来ではディスク交換口1aで1枚のみディスクAを交換する際、所望のディスクAを収納したストッカー11aばかりでなく、多数のストッカー11aも一緒に露出するため、一見しただけでは所望のストッカー11aがどれか判断し難かった。この結果、ストッカー11aの番号を目視確認してからディスクAを交換する、という煩雑な手順を踏む必要がない。
【0055】
なお、本発明は、上記実施の形態の内容に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。 例えば、本実施の形態においては、ディスクチェンジャー装置1にディスクAを反転させて再生する場合を想定したが、それに限るものではなく、ディスクAを他のディスクに交換したい場合にも適用可能である。
【0056】
また、本実施の形態においては、ディスクチェンジャー装置1に装填するディスクとしてDVDを想定したが、それに限るものではなく、CDやLD等に対しても適用可能である。
【0057】
【発明の効果】
本発明によれば、開閉扉のうち第2扉が閉じられた後に第1扉が開く。 そして、この第2扉のスリットを介して記録媒体の交換が行なわれる。したがって、開閉扉の外側扉が開かれた際、それまで記憶されていた装填情報が消去されず、挿入されたばかりの記録媒体を前記装填情報を基に検出できる。よって、交換後における記録媒体の検出に要する時間が短縮される。
又、同様に、表裏の反転の指示があった記録媒体を容易に交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ディスクチェンジャー装置の前面部を示す図である。
【図2】ディスクチェンジャー装置のディスク収納部の概略構成を示す上面図である。
【図3】(a)は、センサ104a〜104cが出力するパルス信号PH1〜PH3のタイミングチャートであり、(b)は、センサ104a、104bが出力するパルス信号PH1、PH2と、ディスク有無検出センサ104dが出力するディスク有無検出信号のタイミングチャートである。
【図4】ディスクチェンジャー装置のディスク交換口を示す図であり、(a)は開閉扉の外側扉と内側扉の両方が閉じられた状態、(b)は開閉扉の内側扉が閉じられた状態、(c)は開閉扉の外側扉と内側扉の両方が開けられた状態を示している。
【図5】ディスクチェンジャー装置の内部構成を示すブロック図である。
【図6】本例におけるディスクチェンジャー装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】従来例におけるディスクチェンジャー装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 ディスクチェンジャー装置
1a ディスク交換口
1b 再生キー
1c 停止キー
1d 交換口開閉キー
1e ロータリートレイ操作ダイヤル
1f 表示部
1g 反転キー(入力部)
5 開閉扉(扉部)
5a 外側扉(第1扉)
5b 内側扉(第2扉)
6 スリット
10 ディスク収納部
11 ロータリートレイ
11a ストッカー(収納部)
12 ロータリートレイ制御モータ
13 ディスクアーム
14 支持板
14a 第1センサ
14b 第2センサ
14c 第3センサ
14d ディスク有無検出センサ(有無検出部、再検出手段)
14e 開閉扉感知センサ(扉検知部)
15 ディスク出入機構
16 基板
100 マイクロコンピュータ
100a 記憶部
101 操作部
102 表示部
103 交換口開閉制御モータドライバ
104 ロータリートレイ制御モータドライバ
105 ディスクアーム制御モータドライバ
106 ディスク取出し制御モータドライバ(入替手段、記録媒体排出手段)
107 DSP
108 ピックアップユニット
109 交換口開閉制御モータ
A ディスク

Claims (4)

  1. 情報が記録された複数の記録媒体を収納すると共に、所定の方向に移動自在な複数の収納部と、
    前記収納部内の記録媒体を交換する際に開閉する扉部と、
    前記扉部の開閉状態を検知する扉検知部と、
    前記収納部ごとの記録媒体の有無を検出する有無検出部と、
    この有無検出部の検出結果に基づく装填情報を記憶する記憶部と
    を備えたディスクチェンジャー装置において、
    前記扉部は、外側に配置される第1扉と、この第1扉の内側に配置され、かつ、1枚幅のスリットを有する第2扉と、前記扉部の開閉指示を入力する入力部とを備え、
    前記扉検知部により前記扉部の何れか一方が閉状態であると検知されると、前記記憶部に記憶した前記装填情報を保持する制御手段を備えたことを特徴とするディスクチェンジャー装置。
  2. 前記第2扉が閉じられた状態で、前記収納部を前記スリットの背面の位置まで回転移動させるとともに、前記位置において前記スリットからの前記記録媒体の入替えが可能な入替手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のディスクチェンジャー装置。
  3. 前記自動入替手段により前記収納部に再び挿入された記録媒体の装填情報を前記記憶部の前記装填情報を基に検出する再検出手段を備えることを特徴とする請求項2記載のディスクチェンジャー装置。
  4. 再生の状態によって表裏を反転すると判断された前記記録媒体を自動で排出する記録媒体排出手段を備えることを特徴とする請求項2又は3記載のディスクチェンジャー装置。
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