JP3749865B2 - 回転レバーの連結機構 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、2個の回転レバーの連結機構に関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来、2個の回転レバーを連結バネの弾力で互いに連動するように連結させたものは公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記公知の連結方法には多数のものがあるが、第1回転レバーの一方回転と第2回転レバーの他方回転は連結バネの弾力を介さずにメカ的にそれぞれ第2回転レバーと第1回転レバーとに伝達し、第1回転レバーの他方回転と第2回転レバーの一方回転は前記連結バネを弾力的に圧縮させることで弾力的にそれぞれ第2回転レバーと第1回転レバーとに伝達するものはなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
よって、本発明は、中心軸29を中心にそれぞれ回転する第1回転レバー30と第2回転レバー72とを連結バネ73で連結し、前記第1回転レバー30の一方側回転と前記第2回転レバー72の他方側回転は前記連結バネ73の弾力を介さずにメカ的にそれぞれ前記第2回転レバー72と前記第1回転レバー30とに伝達され、前記第1回転レバー30の他方側回転と前記第2回転レバー72の一方側回転は前記連結バネ73を弾力的に圧縮させることで弾力的にそれぞれ前記第2回転レバー72と前記第1回転レバー30とに伝達される機構において、前記第1回転レバー30には前記連結バネ73の一方脚部73Aが挿通される第1長孔30Aと前記連結バネ73の他方脚部73Bが挿通される第1丸孔30Bとを形成し、前記第2回転レバー72には前記連結バネ73の前記一方脚部73Aが挿通される第2丸孔72Aと前記他方脚部73Bが挿通される第2長孔72Bとを形成し、前記第1長孔30Aと前記第2長孔72Bはそれぞれ前記各レバー30、72の回転方向に長く形成し、前記第1回転レバー30から前記第2回転レバー72への一方側回転のメカ的伝達は、前記第1回転レバー30の前記第1丸孔30Bに挿通させた前記連結バネ73の前記他方脚部73Bと前記第2回転レバー72の前記第2長孔72Bとのメカ的当接により行われ、前記第2回転レバー72から前記第1回転レバー30への他方側回転のメカ的伝達は、前記第2回転レバー72の前記第2丸孔72Aに挿通させた前記連結バネ73の前記一方脚部73Aと前記第1回転レバー30の前記第1長孔30Aとのメカ的当接により行われる回転レバーの連結機構としたものである。
【0005】
【実施例】
本発明の実施例を図により説明する。以下、本発明の回転レバーの連結機構を車両ドアラッチ装置に用いたものとして説明する。車両ドアラッチ装置は、ドア(図示なし)に取付られるラッチアッシー1と、車体(図示なし)に固定されるストライカ2とを有する。ラッチアッシー1は、ドアが閉じられるとストライカ2と係合するラッチ3と、ラッチ3とストライカ2との係合を保持するラチェット4とを有する。ラッチ3は、合成樹脂製のラッチボディ5の表面に形成された凹部6内にラッチ軸7により回転自在に収納され、ラチェット4は凹部6内にラチェット軸8により回転自在に収納される。
【0006】
前記ラッチ3は、ラッチバネ9の弾力により図1において時計回転方向に付勢され、前記ラチェット4は、ラチェットバネ10の弾力により反時計回転方向に付勢される。図1のラッチ3はラッチバネ9の弾力によりアンラッチ位置(開扉位置)にあり、ドアを閉扉位置に向けて移動させると、前記ストライカ2はラッチボディ5に形成された水平通路11に進入してラッチ3のU型溝12に当接し、これによりラッチ3は反時計回転し、ラッチ3がハーフラッチ位置まで回転すると、ラチェット4はラッチ3の第1ステップ13に係合してドアもハーフラッチ位置となり、また、ラッチ3がフルラッチ位置に至ると、ラチェット4はラッチ3の第2ステップ14に係合して、ドアはフルラッチ位置に保持される。
【0007】
前記ラチェット4は、前記ラッチボディ5の開口15を介してラッチボディ5の背面側に突出するラチェットピン16を有する。前記ラッチボディ5の表面には、前記凹部6を塞ぐ金属カバープレート17が固定される。
【0008】
前記ラッチボディ5の裏面には、図2のように、金属バックプレート18が固定される。バックプレート18は、その内端側(室内側)に、ラッチボディ5から離れる方向(裏面側)に屈曲させた屈曲プレート18Aを一体的に有する。前記屈曲プレート18Aには前記ドアの内側オープンハンドル19にワイヤー20等を介して連結されるインナーレバー21(図3、4参照)が回転自在に取付けられる。
【0009】
前記ラッチアッシー1の裏面側には、前記ラチェット4を前記ラッチ3から離脱させることで前記ドアを開扉させるオープンレバー22と、ラッチアッシー1をロック状態とアンロック状態とに切り替えるロックレバー23とが設けられる。オープンレバー22は前記ラチェット軸8に回転自在に取付けられ、オープンレバー22の室外側の端部には前記ドアの外側オープンハンドル25に連結されたロッド26の一端がロストモーションをもって連結される。ロックレバー23はロック軸24により前記ラッチボディ5又は前記バックプレート18に軸支され、ロックレバー23の室内側の端部には連結孔27を設ける。
【0010】
前記屈曲プレート18Aにはモータ式アクチュエータ28を固定し、図3のように、アクチュエータ28の出力軸(中心軸)29には出力レバー(第1回転レバー)30(図14)を取付け、出力レバー30の先端を前記ロックレバー23の前記連結孔27に係合させ、これにより、アクチュエータ28の出力でロックレバー23がアンロック位置Xとロック位置Yとの間を変位できるように構成する。
【0011】
前記ロックレバー23と前記オープンレバー22との間には、ロックリンク31が設けられる。前記ロックリンク31の上端側には、前記オープンレバー22に形成した長孔32にスライド自在に係合するロックピン33を設け(図5、6参照)、下端側は軸34で前記ロックレバー23に連結する。
【0012】
前記ラチェット軸8にはラチェットレバー35が軸支される。ラチェットレバー35は、前記ラッチボディ5の裏面側に位置し、その室外側に伸びるアウターアーム35Aには、前記ラチェット4から後方に伸びる前記ラチェットピン16を係合させ、ラチェットレバー35がラチェット4と一体的に回転するようにする。ラチェットレバー35の室内側に伸びるインナーアーム35Bは、前記インナーレバー21の回転軌跡上に臨ませ、前記内側オープンハンドル19の開扉操作でインナーレバー21が回転すると、ラチェットレバー35はインナーレバー21との当接により図2、5、6に置いて反時計回転するように構成する。ラチェットレバー35が反時計回転すると、ラチェット4はラチェットピン16を介して前記ラッチ3から離脱するように回転し、もって前記ドアが開扉される。
【0013】
前記ロックレバー23は、前記アクチュエータ28の動力や前記ドアの後述する内側ロックボタン36(図3)の操作で回転して、周知のようにアンロック位置X(図5)とロック位置Y(図6)とに切り替わる。ロックレバー23がアンロック位置Xにあると、前記ロックピン33は前記ラチェットレバー35の当接片35Cと係合可能に対峙する。このアンロック状態で、前記オープンレバー22が、前記外側オープンハンドル25の開扉操作で反時計回転すると、前記ロックピン33は前記当接片35Cに当接して前記ラチェットレバー35を反時計回転させるから、前記ドアは開扉される。
【0014】
図5において、前記ロックレバー23をロック位置Yに向けて時計回転させると、図6のように、前記ロックリンク31は上方に移動して、前記ロックピン33と前記当接片35Cとの対峙状態は解除される。このロック状態では、前記外側オープンハンドル25により前記オープンレバー22が反時計回転しても前記ラチェットレバー35は回転しないから、前記ドアは開かない。しかし、図6のロック状態でも、前記内側オープンハンドル19を開扉操作すると、前記インナーレバー21は前記ラチェットレバー35の前記インナーアーム35Bに当接してラチェットレバー35を直接回転させるから、前記ドアは開扉される。このように、前記内側オープンハンドル19の開扉操作は、前記ロックレバー23がロック位置Yにあっても有効となる。
【0015】
前記ロックリンク31は、前記ラチェットレバー35の前記アウターアーム35Aに向けて伸びる突部37を有する。突部37は、図6のロック状態においては、前記アウターアーム35Aの下側縁近傍に位置する。このため、ロック状態において前記内側オープンハンドル19の開扉操作により前記ラチェットレバー35が反時計回転すると、前記アウターアーム35Aは前記突部37に当接して前記ロックリンク31を下動させて、前記ロックピン33を前記当接片35Cに対峙させると共にロックレバー23をアンロック位置Xに復帰させる。したがって、ロック状態における前記内側オープンハンドル19の開扉操作は、前記ドアの開扉と、前記ロックレバー23のアンロック位置Xへの復帰を同時に達成する。この機構は、内側オープンハンドル19のワンモーション開扉機構と呼ばれる。
【0016】
前記アクチュエータ28は、全体が合成樹脂製のケース38で囲われたユニット状に形成される。前記出力軸29はケース38を貫通して室外側に突出し、そこに前記第1回転レバー30は固定される。ケース38の室内側には、図4のように、ケース38を貫通する入力軸39が設けられ、入力軸39の露出端には入力レバー40が固定される。入力レバー40には、前記ロック軸24に回転自在に支持させたキーレバー41の室内側に設けた係合ピン42を係合連結させる。キーレバー41は、前記ドアのキーシリンダ43にロッド44を介して連結される。キーレバー41には、前記ロックレバー23に形成した係合凹部23Aにロストモーションを持って係合する屈曲片41Aを形成し、キーレバー41の回転でロックレバー23がアンロック位置Xとロック位置Yとに切り替わるように構成する。前記キーシリンダ43は、キー操作を受けていないときは内部のバネ弾力で中立位置に保持される。
【0017】
前記アクチュータ28のケース38の内部には、図7のように、2個のモータ45、46が設けられる。一方のロック用モータ45のモータ軸47には、円筒ウォーム48を固定し、円筒ウォーム48にはカムホイール49のギア部を噛合させる。カムホイール49にはカム溝50が形成され、カム溝50内には前記出力軸29に固定された出力連動レバー51(図8参照)のピン52を係合可能に臨ませ、これにより、ロック用モータ45の動力で出力連動レバー51は両方向に回転する。出力連動レバー51の回転は、出力軸29を介して第1回転レバー30に伝わるから、前記ロックレバー23はロック用モータ45の回転でアンロック位置Xとロック位置Yとに切り替わる。
【0018】
前記入力軸39は、図7のように、前記出力軸29と軸心が一致するように配置されるが、互いは独立して回転する。入力軸39のケース38内の端部には、キー連動レバー53(図9参照)が固定される。キー連動レバー53と前記出力連動レバー51との間には、複数の接触固定端子54A〜54D(図8、9)を備えた基板55を配置し、出力連動レバー51の裏面には可動ブラシ56を固定し、キー連動レバー53の裏面には可動ブラシ57を固定する。出力連動バー51は、前記ロックレバー23にロストモーションなく連結されており、したがって、可動ブラシ56と基板55との作用で、ロックレバー23の位置が検出される。また、キー連動レバー53は前記キーシリンダ43とロストモーションなく連結されており、したがって、可動ブラシ57と基板55との作用でキーシリンダ43のロック操作およびアンロック操作が検出される。
【0019】
図7において、前記出力連動レバー51の左側方には、係合レバー58が設けられる。係合レバー58は軸59で前記ケース38に軸支され、直線状に伸びる第1アーム58Aには出力連動レバー51の突起60がスライド自在に係合する長孔61を形成する。係合レバー58の第2アーム58Bはフック状に屈曲させる。
【0020】
前記アクチュエータ28の他方のアンチセフト用モータ46の駆動軸には駆動ギア62を固定し、駆動ギア62には軸63を中心に回転する大径歯車64を噛合させる。大径歯車64には一体回転する小径歯車65を設け、小径歯車65にブロック体66のセクターギア部67を噛合させる。
【0021】
前記ブロック体66は、ブロック軸68で前記ケース38に支持され、前記アンチセフトモータ46の動力でブロック位置と非ブロック位置とに変位する。ブロック体66は、右方に伸びるキャンセルアーム69と、キャンセルアーム69に形成したブロックピン70とを有している。なお、ブロック軸68はブロック体66と一体的に回転する。
【0022】
図7および図10は、アンロック状態を示しており、この状態で、ロックレバー23と連動する出力連動レバー51をロック用モータ45により時計回転(ロック回転)させると、図11のロック状態となり、ロックレバー23は第1回転レバー30を介してロック位置Yに変位する。また、係合レバー58も出力連動レバー51の回転により回転して、そのフック状の第2アーム58Bはブロックピン70から外れ、ブロック体66は反時計回転(ブロック回転)可能状態となる。この図11のロック状態において、アンチセフト用モータ46によりブロック体66を反時計回転させて非ブロック位置からブロック位置に変位させると、図12のアンチセフト状態になる。アンチセフト状態では、ブロックピン70は、第2アーム58Bの先端と対峙して、係合レバー58の時計回転(アンロック回転)を不能にする。このため、係合レバー58にロストローションなく連結された出力連動レバー51のアンロック回転(反時計回転)も不能となって、ドアラッチ装置をアンロックすることができなくなる。これが、本実施例におけるブロック式アンチセフト機構である。図12のアンチセフト状態になると、出力連動レバー51に第1回転レバー30を介してロストモーションなく連結されたロックレバー23は、ロック位置Yから移動できなくなる。
【0023】
前記アンチセフト状態は、前記アンチセフト用モータ46により前記ブロック体66を時計回転させることで解除できるが、前記ドアキーシリンダ43によっても解除できる。図12において、ブロック位置にあるブロック体66のキャンセルアーム69の先端は、ドアキーシリンダ43とロストモーションなく連結されたキー連動レバー53の近傍に位置し、また、キーレバー41の屈曲片41Aとロックレバー23の係合凹部23Aとの間には、図6のようにキーレバー41のアンロック方向の回転を許容するのロストモーションが形成されている。このため、アンチセフト状態において、キーシリンダ43を中立位置からアンロック方向に回転させると、キー連動レバー53はキーレバー41および入力レバー40を介して図12において反時計回転してキャンセルアーム69に当接し、ブロック体66を時計回転させ、アンチセフト状態を解除する。このとき、本実施例においては、アンチセフト状態を解除するキー連動レバー53は、ドアキーシリンダ43にロストモーションなく連結されているから、適切なドアキー無しでこれを動かすことはできず、したがって、ドアラッチ装置の防犯効果は格段に向上する。なお、キーレバー41の屈曲片41Aは、アンチセフト状態が解除された後にロックレバー23の係合凹部23Aに当接する。
【0024】
図3において、前記アクチュエータ28の前記出力軸(中心軸)29の露出端には、前記内側ロックボタン36にロッド71を介して連結されるサブロックレバー(第2回転レバー)72(図15)が回転自在に軸支される。第2回転レバー72と前記第1回転レバー30との間には、図13のように、連結バネ73が設けられる。連結バネ73の一方の脚部73Aは、第2回転レバー72の丸孔72Aと第1回転レバー30の長孔30Aに挿通され、連結バネ73の他方の脚部73Bは、第2回転レバー72の長孔72Bと第1回転レバー30の丸孔30Bに挿通される。これにより、第2回転レバー72のロック方向の回転力は、実質的なロストモーション無しで機械的に第1回転レバー30に、また、第1回転レバー30のアンロック方向の回転力は、実質的なロストモーション無しで機械的に第2回転レバー72にそれぞれ伝達されるが、第2回転レバー72のアンロック方向の回転力および第1回転レバー30のロック方向の回転力は、連結バネ73の弾力を介して弾力的に第1回転レバー30および第2回転レバー72にそれぞれ伝達される。前記長孔30Aと前記長孔72Bはそれぞれ前記各レバー30、72の回転方向に長く形成される。
【0025】
このため、前記ロックレバー23がロック位置Yで、前記ブロック体66がブロック位置にあるときに、前記内側ロックボタン36をアンロック操作すると、ブロックピン70と係合レバー58の第2アーム58Bとの係合により出力連動レバー51および第1回転レバー30のアンロック回転が不能になっているにも拘らず、第2回転レバー72は連結バネ73を弾力的に拡張させることで、図13の仮想線で示したように単独でアンロック方向に回転する。したがって、ブロック状態において内側ロックボタン36によるアンロック操作が行われても、ブロック効果により機械的に動くことができない部材に無理な力が加わることは防止される。
【0026】
また、前記第1回転レバー30と前記第2回転レバー72とは、前記長孔30A、72Bにより規定される範囲内において前記連結バネ73の弾力に抗して互いに独立して回転可能となる。
【0027】
前記アクチュエータ28の前記ブロック軸68は、図3のように前記ケース38を貫通して外方に突出させ、その突出部に回転レバー74を固定する。回転レバー74の先端には長い連結リンク75の一端を連結する。連結リンク75の他端側には前記屈曲プレート18Aに設けた支持ピン76にスライド自在に係合する長孔77を設け、連結リンク75の他端には連結ピン78で湾曲リンク79の基部を連結する。
【0028】
前記インナーレバー21は、図4のように、前記屈曲プレート18Aに支持軸80で軸支される。インナーレバー21には、前記湾曲リンク79の先端に形成した係合ピン81がスライド自在に係合する長孔82が設けられ、前記支持軸80には、前記内側オープンハンドル19に至る前記ワイヤー20が連結される中間レバー83が軸支される。
【0029】
前記連結リンク75は、前記ブロック軸68が前記アンチセフト用モータ46の動力で前記ブロック体66と共に回転すると、図3において左右方向にスライドし、前記ブロック体66が非ブロック位置にあるときは、図3および図4の位置にある。この状態では、湾曲リンク79の先端の係合ピン81は、前記中間レバー83と係合可能に対峙し、したがって、内側オープンハンドル19を開扉操作すると、中間レバー83は開扉方向に回転して係合ピン81に当接し、インナーレバー21を開扉回転させ、前記ラチェットレバー35を回転させて、ドアが開扉される。
【0030】
しかし、アンチセフト用モータ46の動力でブロック体66がブロック位置に変位すると(このときロックレバー23は必ずロック位置Yにある)、ブロック体66の変位によりブロック軸68が回転して回転レバー74を図3において反時計回転させ、これにより連結リンク75は図3に置いて左方にスライドする。すると、湾曲リンク79も左方にスライドして、係合ピン81と中間レバー83との対峙関係は解除される。このため、ドアラッチ装置がアンチセフト状態にあると、内側オープンハンドル19を開扉操作して中間レバー83を開扉回転させても、インナーレバー21は開扉回転しない。したがって、ブロック状態において、内側オープンハンドル19を開扉操作しても、機械的に動くことができないロックレバー23に、ワンモーション開扉機構により無理やり動かそうとする力が加わることが回避される。
【0031】
【発明の効果】
以上のように本発明は、中心軸29を中心にそれぞれ回転する第1回転レバー30と第2回転レバー72とを連結バネ73で連結し、前記第1回転レバー30の一方側回転と前記第2回転レバー72の他方側回転は前記連結バネ73の弾力を介さずにメカ的にそれぞれ前記第2回転レバー72と前記第1回転レバー30とに伝達され、前記第1回転レバー30の他方側回転と前記第2回転レバー72の一方側回転は前記連結バネ73を弾力的に圧縮させることで弾力的にそれぞれ前記第2回転レバー72と前記第1回転レバー30とに伝達される機構において、前記第1回転レバー30には前記連結バネ73の一方脚部73Aが挿通される第1長孔30Aと前記連結バネ73の他方脚部73Bが挿通される第1丸孔30Bとを形成し、前記第2回転レバー72には前記連結バネ73の前記一方脚部73Aが挿通される第2丸孔72Aと前記他方脚部73Bが挿通される第2長孔72Bとを形成し、前記第1長孔30Aと前記第2長孔72Bはそれぞれ前記各レバー30、72の回転方向に長く形成し、前記第1回転レバー30から前記第2回転レバー72への一方側回転のメカ的伝達は、前記第1回転レバー30の前記第1丸孔30Bに挿通させた前記連結バネ73の前記他方脚部73Bと前記第2回転レバー72の前記第2長孔72Bとのメカ的当接により行われ、前記第2回転レバー72から前記第1回転レバー30への他方側回転のメカ的伝達は、前記第2回転レバー72の前記第2丸孔72Aに挿通させた前記連結バネ73の前記一方脚部73Aと前記第1回転レバー30の前記第1長孔30Aとのメカ的当接により行われる回転レバーの連結機構としたため、従来になかったバネ連結機構が得られ、簡単な構成で実施化できる。
また、本発明は、前記機構において、前記第1回転レバー30と前記第2回転レバー72とは、前記長孔30A、72Bにより規定される範囲内において前記連結バネ73の弾力に抗して互いに独立して回転可能とした回転レバーの連結機構としたため、連結バネを用いた更に特殊な連結機構が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ラッチアッシーの正面図。
【図2】 ロック状態のラッチアッシーの背面図。
【図3】 ラッチアッシーの室内側側面図。
【図4】 ラッチアッシーの要部の室外側側面図。
【図5】 アンロック状態におけるレバー類の関係図。
【図6】 ロック状態におけるレバー類の関係図。
【図7】 アクチュエータの内部を示す図。
【図8】 出力連動レバーと基板を示す図。
【図9】 キー連動レバーと基板を示す図。
【図10】 アンロック状態におけるアクチュエータの要部を示す図。
【図11】 ロック状態におけるアクチュエータの要部を示す図。
【図12】 ブロック状態におけるアクチュエータの要部を示す図。
【図13】 第1回転レバーと第2回転レバーの関係を示す図。
【図14】 第1回転レバーの平面図。
【図15】 第2回転レバーの平面図。
【符号の説明】
1…ラッチアッシー、2…ストライカ、3…ラッチ、4…ラチェット、5…ラッチボディ、6…凹部、7…ラッチ軸、8…ラチェット軸、9…ラッチバネ、10…ラチェットバネ、11…水平通路、12…U型溝、13…第1ステップ、14…第2ステップ、15…開口、16…ラチェットピン、17…カバープレート、18…バックプレート、18A…屈曲プレート、19…内側オープンハンドル、20…ワイヤー、21…インナーレバー、22…オープンレバー、23…ロックレバー、23A…係合凹部A、24…ロック軸、25…外側オープンハンドル、26…ロッド、27…連結孔、28…アクチュエータ、29…出力軸(中心軸)、30…第1回転レバー(出力レバー)、30A…長孔、30B…丸孔、31…ロックリンク、32…長孔、33…ロックピン、34…軸、35…ラチェットレバー、35A…アウターアーム、35B…インナーアーム、35C…当接片、36…内側ロックボタン、37…突部、38…ケース、39…入力軸、40…入力レバー、41…キーレバー、41A…屈曲片、42…係合ピン、43…キーシリンダ、44…ロッド、45…ロック用モータ45、46…アンチセフト用モータ、47…モータ軸、48…円筒ウォーム、49…カムホイール、50…カム溝、51…出力連動レバー、52…ピン、53…キー連動レバー、54A〜54D…接触固定端子、55…基板、56、57…可動ブラシ、58…係合レバー、58A…第1アーム、58B…第2アーム、59…軸、60…突起、61…長孔、62…駆動ギア、63…軸、64…大径歯車、65…小径歯車、66…ブロック体、67…セクターギア部、68…ブロック軸、69…キャンセルアーム、70…ブロックピン、71…ロッド、72…第2回転レバー(サブロックレバー)、72A…丸孔、72B…長孔、73…連結バネ、73A、73B…脚部、74…回転レバー、75…連結リンク、76…支持ピン、77…長孔、78…連結ピン、79…湾曲リンク、80…支持軸、81…係合ピン、82…長孔、83…中間レバー。
Claims (2)
- 中心軸29を中心にそれぞれ回転する第1回転レバー30と第2回転レバー72とを連結バネ73で連結し、前記第1回転レバー30の一方側回転と前記第2回転レバー72の他方側回転は前記連結バネ73の弾力を介さずにメカ的にそれぞれ前記第2回転レバー72と前記第1回転レバー30とに伝達され、前記第1回転レバー30の他方側回転と前記第2回転レバー72の一方側回転は前記連結バネ73を弾力的に圧縮させることで弾力的にそれぞれ前記第2回転レバー72と前記第1回転レバー30とに伝達される機構において、前記第1回転レバー30には前記連結バネ73の一方脚部73Aが挿通される第1長孔30Aと前記連結バネ73の他方脚部73Bが挿通される第1丸孔30Bとを形成し、前記第2回転レバー72には前記連結バネ73の前記一方脚部73Aが挿通される第2丸孔72Aと前記他方脚部73Bが挿通される第2長孔72Bとを形成し、前記第1長孔30Aと前記第2長孔72Bはそれぞれ前記各レバー30、72の回転方向に長く形成し、前記第1回転レバー30から前記第2回転レバー72への一方側回転のメカ的伝達は、前記第1回転レバー30の前記第1丸孔30Bに挿通させた前記連結バネ73の前記他方脚部73Bと前記第2回転レバー72の前記第2長孔72Bとのメカ的当接により行われ、前記第2回転レバー72から前記第1回転レバー30への他方側回転のメカ的伝達は、前記第2回転レバー72の前記第2丸孔72Aに挿通させた前記連結バネ73の前記一方脚部73Aと前記第1回転レバー30の前記第1長孔30Aとのメカ的当接により行われる回転レバーの連結機構。
- 請求項1において、前記第1回転レバー30と前記第2回転レバー72とは、前記長孔30A、72Bにより規定される範囲内において前記連結バネ73の弾力に抗して互いに独立して回転可能とした回転レバーの連結機構。
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