JP3748198B2 - 電子機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、イメージスキャナ、複写機、ファクシミリ装置等の電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、画像読取装置であるイメージスキャナにおいては、CCD(Charge Coupled Device)及びこのCCDから出力された画像データに各種の画像処理を施す回路を実装した基板と、CPU(Central Processing Unit)を実装して画像読取装置の動作を制御する基板とが、シリアル接続されている場合が多い。
【0003】
また、近年においては、装置の小型化に伴って、基板間を接続するための接続手段であるコネクタやその接続ケーブルも小型のものが使用されるようになっている。特に、FFC(Flexible Flat Cable)は配線密度が高く、スペースを有効に活用できることから、基板間の接続に多く使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、基板間の接続にFFCを使用した場合には、基板のコネクタに対するFFCの斜め挿しが発生することがある。ここで、図12はコネクタ101に対してFFC100が斜め挿しされた状態の一例を示す説明図である。図12に示すように、FFC100がコネクタ101に対して斜め挿しされた場合には、コネクタ101の端子(図示せず)に未接続なFFC100の端子102(図中aで示す部分)が発生し、基板間において必要な信号が接続されないという問題が発生する。図12に示すように、このような未接続となるのは斜め挿しされたFFC100の端子102の左右のどちらか一方の端部側であり、未接続となった信号線に依存する信号の基板間でのやり取りは正常に行われない。そして、例えばイメージスキャナ等においては、このように基板間において必要な信号が接続されない場合には、異常画像が発生してしまうことになる。
【0005】
加えて、FFC100がコネクタ101に対して斜め挿しされた場合には、FFC100の隣接する端子102同士(図中bで示す部分)がショートすることがあり、この場合にも基板間での信号のやり取りは正常に行われない。特に、電源ラインと他のラインとがショートした場合には、装置に重大なダメージを与えてしまうことがある。
【0006】
このようなコネクタ101に対するFFC100の斜め挿しが発生してしまう要因としては、FFC100をコネクタ101に挿し込んだ場合のクリック感が乏しく、また、省スペース化を図る観点からFFC100を狭い場所に実装することが多いためにFFC100がコネクタ101に対して奥まで平行に挿し込まれているか否かの確認が困難であるということに起因するものと考えられる。
【0007】
本発明の目的は、接続手段に対する接続ケーブルの接続状態に異常がある可能性を検知することが可能な電子機器を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、電源線を含む複数の信号線を略ライン状に配列して各信号線を相互に接続する第一の接続手段を有する第一基板と、一端が前記第一基板の前記第一の接続手段に挿し込まれる接続ケーブルと、前記第一の接続手段と同様の構成の第二の接続手段を有して前記接続ケーブルの他端が挿し込まれることにより前記第一基板の各信号線との接続が可能な第二基板と、を備える電子機器において、前記各接続手段における各信号線の配列を前記電源線に近接した外側に接続検知用の信号線を位置させた配列とし、前記接続検知用の信号線からの出力レベルに基づいて前記各接続手段に対する前記接続ケーブルの接続状態が正常であるか否かを判断する接続状態認識手段と、この接続状態認識手段によって前記各接続手段に対する前記接続ケーブルの接続状態が正常でないと判断された場合、前記各接続手段に対する前記接続ケーブルの接続状態が異常である可能性がある旨を報知する報知手段と、を備える。
【0017】
したがって、接続手段の電源線の外側に接続検知用の信号線を位置させ、接続検知用の信号線からの出力レベルに基づいて接続手段に対する接続ケーブルの接続状態が正常であるか否かを判断するだけで、接続手段に対する接続ケーブルの接続状態に異常がある可能性を検知することが可能になる。これにより、接続手段に対して接続ケーブルが斜め挿しされた場合に電源線と隣の接続検知用の信号線とがショートすることによるダメージを最小にとどめることが可能になる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の実施の形態を図1ないし図7に基づいて説明する。本実施の形態は、電子機器としてパーソナルコンピュータ等の外部装置に接続されて使用される画像読取装置であるイメージスキャナに適用したものである。
【0019】
図1は、イメージスキャナ1の概略構成を示す概念図である。このイメージスキャナ1の筐体2の上面部には、原稿(図示せず)を載置するコンタクトガラス3と、シェーディング補正用の白基準板4とが設けられている。白基準板4は、シェーディング補正時の補正データを得るため、主走査方向に設けられた均一濃度のほぼ白色の部材である。
【0020】
また、コンタクトガラス3上には、原稿を自動的に順に搬送する周知のADF(Auto Document Feeder)5が筐体2に対して開閉自在に設けられている。このADF5は、コンタクトガラス3上に載置された原稿が浮きあがらないように押える圧板としても機能する。
【0021】
なお、特に図示しないが、このイメージスキャナ1には、ADF5の開閉を検知する開閉センサや、ADF5に原稿がセットされたことを検知する原稿センサ等が設けられている。
【0022】
筐体2の内部であってコンタクトガラス3の下方には、光源6、走査光学系である3枚のミラー7,8,9、レンズ10等が設けられている。光源6とミラー7,8,9は、図示しない第1および第2走行体を形成し、モータ12の駆動により、原稿の読取面と基板A上に設けられた光電変換素子であるCCD(Charge Coupled Device)11との間の距離を一定に保ちながら副走査方向に移動する。つまり、イメージスキャナ1は、白基準板4やコンタクトガラス3の読取面に対してある角度で光源6から光を照射し、その照射された光を白基準板4または原稿で反射させ、その反射光を3枚のミラー7,8,9およびレンズ10を経由してCCD11に入射させることにより、画像を読み取る仕組みになっている。
【0023】
また、CCD11が設けられている第一基板である基板Aは、接続ケーブルであるFFC(Flexible Flat Cable)13を介してCPU(Central Processing Unit)(図示せず)を実装してイメージスキャナ1の動作を制御する第二基板である基板Bにシリアル接続されており、基板Aは基板Bにより制御されることになる。つまり、基板Aおよび基板Bには、FFC13に対応した接続手段であるコネクタ(図示せず)が設けられている。また、基板Bには、CPUの他、制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)、プログラム実行用のワークメモリとして機能するRAM(Random Access Memory)、タイマ、カウンタ等(いずれも図示せず)が備えられている。
【0024】
次に、イメージスキャナ1に内蔵された各部の電気的な接続について図2を参照して説明する。図2に示すように、原稿からの反射光を受光したCCD11は入射光量に対応した電圧をアナログ画像信号に変換して出力する。なお、図2ではCCD11からの出力は1系統のみ記載してあるが、高速タイプのCCDでは2系統あるいは4系統の出力タイプも存在しており、これらのCCDを用いるものであってもよい。
【0025】
CCD11から出力されたアナログ画像信号は、サンプリング回路14にてサンプルホールドされ、リセットノイズ等の高周波成分が除去される。このサンプリング回路14の出力は、ゲインアンプ15及びオフセット設定部16を介して、A/Dコンバータ17へと送られる。なお、ゲインアンプ15による増幅量は、A/Dコンバータ17のダイナミックレンジを超えない範囲で効率良く使用できるように設定されている。また、オフセット設定部16のオフセット量は、光量0の場合のA/Dコンバータ17の出力が0を割りこまない様に設定される。この設定が大きいとA/Dコンバータ17のダイナミックレンジを狭めてしまうので、必要最小限にとどめるのが普通である。
【0026】
A/Dコンバータ17は、アナログ画像信号を上限基準値、下限基準値に基づいて所定の分解能(例えば8bit)でデジタル画像信号に変換する。このA/Dコンバータ17の精度を十分に発揮させるためには、アナログ画像信号がA/Dコンバータ17の上限基準値と下限基準値の間を広く使って変化することが必要である。そのため、ゲインアンプ15での増幅量とオフセット設定部16でのオフセット量とが、前述したように調整される。なお、これらの調整量は、タイミング信号生成およびI/F部18からD/Aコンバータ26,27を介して、ゲインアンプ15、オフセット設定部16にそれぞれ与えられる。A/Dコンバータ17で変換されたデジタル画像信号は、ドライバ28を介して基板Bに出力される。
【0027】
タイミング信号生成およびI/F部18は、基板Bとのインタフェースを司るとともに、各種タイミング信号の発生タイミングおよび動作モード等の設定を内部レジスタに記憶し、上記設定に基づいてタイミング信号の生成を行う。そして、タイミング信号生成およびI/F部18から出力された駆動信号がドライバ19,20を介してCCD11,A/Dコンバータ17にそれぞれ与えられることにより、CCD11,A/Dコンバータ17がそれぞれ駆動される。
【0028】
加えて、タイミング信号生成およびI/F部18には、電圧検出手段21が接続されている。ここで、図3は電圧検出手段21の構成を示す回路図である。図3に示すように、電圧検出手段21は、電源22、抵抗23、ダイオード24、コンデンサ25を接続した回路構成とされており、電源22のオン時に抵抗23とコンデンサ25とで決定される時定数で上昇する電圧(Vo)が、タイミング信号生成およびI/F部18のリセット端子(図示せず)に入力されることになる。
【0029】
次に、FFC13について説明する。ここで、図4はFFC13を示す平面図である。図4に示すように、基板Aと基板Bとをシリアル接続するFFC13は、両端部に基板A及び基板Bに設けられたコネクタと接触する電極面13aを有しており、各電極(端子)13b間のピッチは0.5mm程度とされている。
【0030】
ここで、図5は基板A/Bの信号線とコネクタのピン番号との対応を示す説明図である。図5に示すように、本実施の形態の基板A/Bのコネクタは、30ピン構成とされており、シリアル通信関連の信号線は、2,3,28,29ピンというように、コネクタの端部近傍にアサインしてある。なお、各々の意味合いは、
“XSCLK” : シリアル通信するためのクロック
“SIN” : 基板Bから基板Aに対するデータ
“SOUT” : 基板Aから基板Bに対するデータ
“XCS” : シリアル通信用のチップセレクト信号
である。なお、その他の信号については、本発明とは直接的には関わりがないのでその説明は省略する。
【0031】
ここで、図6はシリアル通信関連の信号の出力であって、(a)は基板Bから基板Aに書き込みを行う場合を示すタイミングチャート、(b)は基板Aから基板Bが読み取りを行う場合を示すタイミングチャートである。図6(a)に示すように、基板Bから基板Aに書き込みを行う場合には(write動作)、“XCS”をLowレベルにした後、“XSCLK”に合わせて“SIN”に基板Aのタイミング生成およびI/F部18のアドレス(A0〜A3)と書き込みデータ(D0〜D7)とを送信する。これにより、“XSCLK”および“SIN”は、“XCS”がLowレベルの間だけ有効になり、指示されたアドレス(A0〜A3)にデータ(D0〜D7)が書き込まれることになる。
【0032】
一方、図6(b)に示すように、基板Aから基板Bが読み取りを行う場合には(read動作)、“XCS”をLowレベルにした後、“XSCLK”に合わせて“SIN”に基板Aのタイミング生成およびI/F部18のアドレス(A0〜A3)を送信する。これにより、“XSCLK”および“SIN”は、“XCS”がLowレベルの間だけ有効になり、指示されたアドレス(A0〜A3)に対応した内容が“SOUT”から出力され、基板B側でデータ(D0〜D7)を読み取ることになる。
【0033】
なお、SOUT端子の出力は、電源22のオン直後にリセット端子電圧(Vo)が所定の電圧(Vs)より大きくなった時点でHighレベルになり、それ以前はLowレベルになるようにしてある。
【0034】
次に、基板BのCPUによる制御処理に基づくイメージスキャナ1の動作について説明する。なお、従来のイメージスキャナによって行なわれている処理と同様の処理についてはその説明を省略し、本実施の形態のイメージスキャナ1が備える特長的な機能である接続異常検知処理について説明する。
【0035】
ここで、図7は接続異常検知処理の流れを概略的に示すフローチャートである。図7に示すように、電源22がオンされると(ステップS1のY)、ステップS2に進み、エラー関連のフラグ(READ_ERR,SOUT_ERR)をリセットする。
【0036】
続くステップS3においては、予めリプライ内容がわかっているレジスタまたはリプライ内容の正誤判定が出来るレジスタの内容をシリアル通信にてリードする。本実施の形態においては、予めリプライ内容がわかっている基板AのIDが“ID=val1(任意の値)”か否かを判断している。ここに、通信状態判断手段の機能が実行される。
【0037】
基板AのIDが“val1”である場合には(ステップS3のY)、通信が正常に行われたということになり、コネクタのシリアル通信関連の信号線である“XSCLK”,“SIN”,“XCS”,“SOUT”のピン(2,3,28,29ピン)がFFC13の端子13bに正しく接続されていると判断され、処理を終了する。
【0038】
一方、基板AのIDが“val1”でない場合には(ステップS3のN)、ステップS4に進み、正常でないリプライがあったとするエラー関連のフラグ(READ_ERR)が基板B側で既にセットされているか否かを判断する。
【0039】
エラー関連のフラグ(READ_ERR)がセットされていない場合には(ステップS4のN)、エラー関連のフラグ(READ_ERR)をセットした後(ステップS5)、基板Aのレジスタを一旦リセットし(ステップS6)、再度ステップS3に進んで基板AのIDが“ID=val1(任意の値)”か否かを判断する。ここで、基板Aのレジスタを一旦リセットして再度ステップS3に進むようにしたのは、電源22をオンにした直後には基板A側の動作が不安定な場合(電源22をオフした後にすぐにオンした場合等の意図しない動作モードに陥っている場合)を想定したものである。
【0040】
一方、エラー関連のフラグ(READ_ERR)が既にセットされている場合には(ステップS4のY)、基板Aとは正常にシリアル通信できないものと判断して、エラー関連のフラグ(SOUT_ERR)をセットする(ステップS7)。そして、このような場合には、FFC13がコネクタに対して斜め挿し等により正常に挿し込まれていない可能性があるため、ステップS8に進み、エラー処理を実行する。このエラー処理としては、例えば操作パネル(図示せず)に異常が発生している可能性がある旨を表示する等の報知手段が考えられる。
【0041】
ここに、コネクタの信号線のライン両端近傍にシリアル通信に使用する信号線(2,3,28,29ピン)を位置させ、このシリアル通信に使用する信号線(2,3,28,29ピン)を使用したシリアル通信が正常に行われているか否かを判断するだけで、コネクタに対するFFC13の接続状態に異常がある可能性を検知することが可能になる。これにより、コネクタに対するFFC13の接続状態が異常である可能性があるか否かを検知するための信号線を特に増やすことなく、コネクタに対するFFC13の接続状態に異常がある可能性を検知することが可能になる。また、FFC13の接続状態が異常である可能性があるものと判断された場合にはその旨が報知されることにより、不具合解析時間の短縮化が図られるので、サービスマンによる修理の際には、故障箇所の特定がしやすく、短時間で修理を済ませることが可能になる。
【0042】
次に、本発明の第二の実施の形態を図8に基づいて説明する。なお、本発明の第一の実施の形態において説明した部分と同一部分については同一符号を用い、説明も省略する。本実施の形態は、第一の実施の形態とは接続異常検知処理の流れが異なるものである。
【0043】
ここで、図8は接続異常検知処理の流れを概略的に示すフローチャートである。図8に示すように、電源22がオンされると(ステップS11のY)、ステップS12に進み、エラー関連のフラグ(READ_ERR,SOUT_ERR)をリセットする。
【0044】
続いて、“SOUT”の端子(29ピン)の状態を検知する際の時間制限をするためのタイマ(TIME_RST)をリセットするとともに(ステップS13)、“SOUT”の端子(29ピン)の状態を連続して正しく検知した回数をカウントするためのカウンタ(i)をリセットし(ステップS14)、ステップS15に進む。
【0045】
ステップS15では、“SOUT”の端子(29ピン)の出力レベルがHighであるか否かを判断する。“SOUT”の端子(29ピン)には電源22のオン後に電力が供給されるので、正常状態では所定時間後には出力レベルはHighになるはずである。したがって、“SOUT”の端子(29ピン)の出力レベルがHighでない場合(つまり、出力レベルがLowである場合)であっても(ステップS15のN)、タイマ(TIME_RST)による計測時間が制限時間(t_LIM)を超えていない場合には(ステップS16のN)、再度カウンタ(i)をリセットし(ステップS14)、ステップS15に進む。
【0046】
また、タイマ(TIME_RST)による計測時間が制限時間(t_LIM)を超えた場合には(ステップS16のY)、基板Aとは正常にシリアル通信できないものと判断して、エラー関連のフラグ(SOUT_ERR)をセットし(ステップS23)、エラー処理を実行する(ステップS24)。このエラー処理としては、例えば操作パネル(図示せず)に異常が発生している可能性がある旨を表示する等の報知手段が考えられる。
【0047】
一方、“SOUT”の端子(29ピン)の出力レベルがHighである場合には(ステップS15のY)、カウンタ(i)を1インクリメントした後(ステップS17)、ステップS18に進み、“SOUT”の端子(29ピン)の出力レベルがHighである状態を連続して検知した回数がn回か否かを判断する。これは、ノイズにより偶然Highレベルを読み取った場合や、FFC13のコネクタに対する接続が不安定な状態を排除するためである。
【0048】
制限時間(t_LIM)内に“SOUT”の端子(29ピン)の出力レベルがHighである状態を連続して検知した回数がn回に達した場合には(ステップS18のY)、ステップS19に進み、予めリプライ内容がわかっているレジスタまたはリプライ内容の正誤判定が出来るレジスタの内容をシリアル通信にてリードする。本実施の形態においては、予めリプライ内容がわかっている基板AのIDが“ID=val1(任意の値)”か否かを判断している。
【0049】
基板AのIDが“val1”である場合には(ステップS19のY)、通信が正常に行われたということになり、コネクタのシリアル通信関連の信号線である“XSCLK”,“SIN”,“XCS”,“SOUT”のピン(2,3,28,29ピン)がFFC13の端子13bに正しく接続されていると判断され、処理を終了する。
【0050】
一方、基板AのIDが“val1”でない場合には(ステップS19のN)、ステップS20に進み、正常でないリプライがあったとするエラー関連のフラグ(READ_ERR)が基板B側で既にセットされているか否かを判断する。
【0051】
エラー関連のフラグ(READ_ERR)がセットされていない場合には(ステップS20のN)、エラー関連のフラグ(READ_ERR)をセットした後(ステップS21)、基板Aのレジスタを一旦リセットし(ステップS22)、再度ステップS13に進んでタイマ(TIME_RST)をリセットする。ここで、基板Aのレジスタを一旦リセットして再度ステップS13に進むようにしたのは、電源22をオンにした直後には基板A側の動作が不安定な場合(電源22をオフした後にすぐにオンした場合等の意図しない動作モードに陥っている場合)を想定したものである。
【0052】
一方、エラー関連のフラグ(READ_ERR)が既にセットされている場合には(ステップS20のY)、基板Aとは正常にシリアル通信できないものと判断して、エラー関連のフラグ(SOUT_ERR)をセットする(ステップS23)。そして、このような場合には、FFC13がコネクタに対して斜め挿し等により正常に挿し込まれていない可能性があるため、ステップS24に進み、エラー処理を実行する。このエラー処理としては、前述したように“SOUT”の端子(29ピン)からの出力レベルは通信可能を示唆する出力状態にあることから、FFC13の接続状態の異常ではなく通信関連に異常があるものとして、例えば操作パネル(図示せず)に通信関連に異常がある旨を表示する等の報知手段が考えられる。
【0053】
ここに、通信可能か否かを示唆するレベル信号を出力可能な信号線である“SOUT”の端子(29ピン)からの出力レベルが通信可能を示唆する出力状態にならない場合にはコネクタに対するFFC13の接続状態は異常である可能性があると判断され、通信可能か否かを示唆するレベル信号を出力可能な信号線である“SOUT”の端子(29ピン)からの出力レベルが通信可能を示唆する出力状態にあってもシリアル通信が正常に行われていない場合には、FFC13の接続状態の異常ではなく通信関連に異常があるものとして明確に区別することが可能になる。
【0054】
次に、本発明の第三の実施の形態を図9に基づいて説明する。なお、本発明の第一の実施の形態または第二の実施の形態において説明した部分と同一部分については同一符号を用い、説明も省略する。
【0055】
ここで、図9は基板A/Bの信号線とコネクタのピン番号との対応を示す説明図である。図9に示すように、本実施の形態においては、シリアル通信関連の信号線の端子が2,3,28,29ピンというようにコネクタの端部近傍にアサインされているとともに、電源の端子が15〜18ピンにアサインされ、それらの電源の端子の両端(14,19ピン)にそれぞれ接続検知用の信号線である接続検知1端子と接続検知2端子とがアサインされている。つまり、本実施の形態においては、接続検知1端子と接続検知2端子とが電源の端子(15〜18ピン)の両端にアサインしてあることから、FFC13がコネクタに対して斜め挿しされた場合には、電源の端子(15ピン)と接続検知1端子(14ピン)とがショートするか、電源の端子(18ピン)と接続検知2端子(19ピン)とがショートするかのいずれかになる構成とされている。
【0056】
次に、本実施の形態の各基板A/Bの電気的接続について図10を参照して説明する。図10に示すように、接続検知1端子と接続検知2端子とは、基板Bにて抵抗(R3)31に接続されており、その先は抵抗(R4)32及びCPU33に接続されている。
【0057】
このような構成の下に、FFC13がコネクタに対して斜め挿しされ、電源の端子(15ピン)と接続検知1端子(14ピン)とがショートするか、電源の端子(18ピン)と接続検知2端子(19ピン)とがショートした場合について説明する。FFC13がコネクタに対して斜め挿しされてショートした場合、接続検知1端子(接続検知2端子)の電圧はVccとなり、CPU33には2つの抵抗31,32にて分圧された電圧(Vcc*R3/(R3+R4))が入力されることになる。したがって、正常時には抵抗(R3)32にてプルダウンされているのでCPU33はLowレベルを認識することになるが、FFC13がコネクタに対して斜め挿しされてショートした場合には前述した電圧(Vcc*R3/(R3+R4))を認識することになるので、抵抗(R3)31と抵抗(R4)32との値を適切なものにすればFFC13がコネクタに対して斜め挿しされて異常が生じていることの検知が可能になっている。ここに、接続状態認識手段の機能が実現されている。
【0058】
ここで、抵抗(R3)31および抵抗(R4)32の適切な値とは、
Vcc*R3/(R3+R4)
が、CPU33がHighと認識するスレッシュレベルより大きくなるようなR3、R4の組み合わせになる値である。
【0059】
このようにCPU33に2つの抵抗31,32にて分圧された電圧(Vcc*R3/(R3+R4))が入力された場合、CPU33は、Highレベルであることを認識し、基板Aとは正常にシリアル通信できないものと判断して、エラー処理を実行する。エラー処理としては、例えば操作パネル(図示せず)に通信関連に異常がある旨を表示する等の報知手段が考えられる。
【0060】
ここに、コネクタの電源線(15〜18ピン)の外側に接続検知用の信号線である接続検知1端子(14ピン)と接続検知2端子(19ピン)とを位置させ、接続検知1端子(14ピン)と接続検知2端子(19ピン)とからの出力レベルに基づいてコネクタに対するFFC13の接続状態が正常であるか否かを判断するだけで、コネクタに対するFFC13の接続状態に異常がある可能性を検知することが可能になる。これにより、コネクタに対してFFC13が斜め挿しされた場合に電源線(15〜18ピン)と、接続検知1端子(14ピン)または接続検知2端子(19ピン)とがショートすることによるダメージを最小にとどめることが可能になる。
【0061】
次に、本発明の第四の実施の形態を図11に基づいて説明する。なお、本発明の第一の実施の形態ないし第三の実施の形態において説明した部分と同一部分については同一符号を用い、説明も省略する。本実施の形態は、電子機器として複写機を適用したものである。
【0062】
ここで、図11は、複写機40の概略構成を示すブロック図である。この複写機40は、第一の実施の形態ないし第三の実施の形態で説明したイメージスキャナ1と、このイメージスキャナ1で原稿の画像を読み取った画像データに基づいて、例えば電子写真方式で用紙上に画像の形成を行う画像形成装置であるプリンタ41からなる。プリンタ41は、電子写真方式のほか、インクジェット方式、昇華型熱転写方式、銀塩写真方式、直接感熱記録方式、溶融型熱転写方式など、種々の印刷方式を適用することができる。その具体的な構成については周知であるため、詳細な説明は省略する。
【0063】
この複写機40によれば、第一の実施の形態ないし第三の実施の形態と同様の作用、効果を奏することができる。
【0068】
【発明の効果】
請求項5記載の発明によれば、電源線を含む複数の信号線を略ライン状に配列して各信号線を相互に接続する第一の接続手段を有する第一基板と、一端が前記第一基板の前記第一の接続手段に挿し込まれる接続ケーブルと、前記第一の接続手段と同様の構成の第二の接続手段を有して前記接続ケーブルの他端が挿し込まれることにより前記第一基板の各信号線との接続が可能な第二基板と、を備える電子機器において、前記各接続手段における各信号線の配列を前記電源線に近接した外側に接続検知用の信号線を位置させた配列とし、前記接続検知用の信号線からの出力レベルに基づいて前記各接続手段に対する前記接続ケーブルの接続状態が正常であるか否かを判断する接続状態認識手段と、この接続状態認識手段によって前記各接続手段に対する前記接続ケーブルの接続状態が正常でないと判断された場合、前記各接続手段に対する前記接続ケーブルの接続状態が異常である可能性がある旨を報知する報知手段と、を備え、接続手段の電源線の外側に接続検知用の信号線を位置させ、接続検知用の信号線からの出力レベルに基づいて接続手段に対する接続ケーブルの接続状態が正常であるか否かを判断することにより、接続手段に対する接続ケーブルの接続状態に異常がある可能性を検知することができるので、接続手段に対して接続ケーブルが斜め挿しされた場合に電源線と隣の接続検知用の信号線とがショートすることによるダメージを最小にとどめることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態のイメージスキャナの概略構成を示す概念図である。
【図2】イメージスキャナに内蔵された各部の電気的な接続を示すブロック図である。
【図3】電圧検出手段の構成を示す回路図である。
【図4】FFCを示す平面図である。
【図5】基板の信号線とコネクタのピン番号との対応を示す説明図である。
【図6】シリアル通信関連の信号の出力であって、(a)は基板Bから基板Aに書き込みを行う場合を示すタイミングチャート、(b)は基板Aから基板Bが読み取りを行う場合を示すタイミングチャートである。
【図7】接続異常検知処理の流れを概略的に示すフローチャートである。
【図8】本発明の第二の実施の形態の接続異常検知処理の流れを概略的に示すフローチャートである。
【図9】本発明の第三の実施の形態の基板の信号線とコネクタのピン番号との対応を示す説明図である。
【図10】各基板の電気的接続を示すブロック図である。
【図11】本発明の第四の実施の形態の複写機の概略構成を示すブロック図である。
【図12】コネクタに対してFFCが斜め挿しされた状態の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 電子機器
13 接続ケーブル
A 第一基板
B 第二基板
Claims (3)
- 電源線を含む複数の信号線を略ライン状に配列して各信号線を相互に接続する第一の接続手段を有する第一基板と、一端が前記第一基板の前記第一の接続手段に挿し込まれる接続ケーブルと、前記第一の接続手段と同様の構成の第二の接続手段を有して前記接続ケーブルの他端が挿し込まれることにより前記第一基板の各信号線との接続が可能な第二基板と、を備える電子機器において、
前記各接続手段における各信号線の配列を前記電源線に近接した外側に接続検知用の信号線を位置させた配列とし、
前記接続検知用の信号線からの出力レベルに基づいて前記各接続手段に対する前記接続ケーブルの接続状態が正常であるか否かを判断する接続状態認識手段と、
この接続状態認識手段によって前記各接続手段に対する前記接続ケーブルの接続状態が正常でないと判断された場合、前記各接続手段に対する前記接続ケーブルの接続状態が異常である可能性がある旨を報知する報知手段と、を備えることを特徴とする電子機器。 - 請求項1記載の電子機器において、
前記接続状態認識手段は、前記接続検知用の信号線の出力レベルを分圧する分圧抵抗と、
前記分圧抵抗で分圧されたレベルをスレッシュレベルと比較する比較手段を有することを特徴とする電子機器。 - 請求項2記載の電子機器において、
前記接続状態認識手段は、前記接続検知用の信号線の出力レベルがローレベルであるとき、前記電源線と前記接続検知用の信号線とのショートがなく前記接続ケーブルの接続状態が正常であると判断することを特徴とする電子機器。
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