JP3747795B2 - トナー供給ロールの製法およびそれによって得られるトナー供給ロール - Google Patents

トナー供給ロールの製法およびそれによって得られるトナー供給ロール Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機,プリンター,ファクシミリ等の画像形成装置の現像装置に用いられるトナー供給ロールの製法およびそれによって得られるトナー供給ロールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、複写機,プリンター,ファクシミリ等の画像形成装置においては、電子写真感光体や静電記録誘電体等からなる像担持体上に静電潜像を形成し、この静電潜像を現像装置により現像して、トナー像として可視化することが行われている。このような現像装置には、ホッパー内に収容された所定のトナー(現像剤)を、上記像担持体側に供給するためのトナー供給ロールが内蔵されている。上記トナーとしては、近年、非磁性一成分カラー重合トナーが用いられるようになりつつある。この非磁性一成分カラー重合トナーは、従来のトナーに比べ、トナーの粒径をより小さく均一に制御できるため、帯電性や流動性の制御がしやすく、また低融点化もしやすいため、高速高画質に適している。しかし、トナーの帯電性や流動性は、使用中のトナーの劣化による影響が大きく、高速かつ高画質が要求される中で、微妙な濃度階調の再現性が必要なカラートナーにおいては、長期に安定した画質を得ることが非常に難しくなってきている。トナー劣化の主な原因は、トナー供給ロールと現像ロールとの摺擦力によるものであるが、これは、使用中に劣化トナーがロール内に集積されてロール硬度が上昇すると一段と悪化する。したがって、トナーがロール内に侵入しにくいロール、すなわち独泡性のスポンジロールが好ましい。しかし、独泡性のトナー供給ロールでは、表面セル(気泡)のみでトナーの供給をするため、劣化の進行によって供給性、カキトリ性の低下が生じやすく、特にカラー重合トナーにおいては大きな問題となる。これらの問題を解決するため、適度に連泡性を持たせ、なおかつロール硬度を低くしやすい軟質のウレタンフォームが好ましく用いられており、例えば、ウレタンスポンジ層を内層と外層の2層構造とし、内層を独泡セル、外層を連泡セルとしたトナー供給ロール(特開平10−20655号公報)、あるいは内層のセル数を少なく、外層のセル数を多くしたトナー供給ロール(特開平10−307466号公報)等が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平10−20655号公報や特開平10−307466号公報に記載のトナー供給ロールは、ウレタンスポンジ層が2層構造であるため、製造工程が複雑で生産性が悪い。また、連泡性や独泡性の制御が難しく、製造ばらつきが大きい。そのため、連泡性が高すぎると、トナー侵入による硬度上昇が早くなり、独泡性が高すぎると、トナーの供給性とカキトリ性が長期にわたって安定しない。また、独泡性が高くなると、硬度が高くなる傾向があり、好ましくない。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、トナー供給性能、トナーカキトリ性能に優れ、長期にわたって高画質を得ることができるトナー供給ロールの製法およびそれによって得られるトナー供給ロールの提供をその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は、軸体の外周面に単層のウレタンスポンジ層を形成してロール全体を低通気性に成型した後ロール表面にエアーを吹き付けてロールの表面部分のみ通気性を上げることにより、上記ウレタンスポンジ層が、表面から内部に向かって下記の式(1)〜(3)を満たすように通気性が小さくなるよう設定したトナー供給ロールの製法を第1の要旨とする。
F/F′>1.1 …(1)
F≧300cc/min・cm2 …(2)
F′≦1500cc/min・cm2 …(3)
〔式中、Fはトナー供給ロール全体の通気量を示し、F′はロール表面から肉厚の1/3を除去した部分の通気量を示す。〕
【0006】
また、本発明は、軸体の外周面に単層のウレタンスポンジ層を形成してロール全体を低通気性に成型した後、別に準備した回転体の表面に上記ロールを押し付け、ロールと回転体とを同方向もしくは逆方向に回転させロール表面に機械的ストレスを加えてロールの表面部分のみ通気性を上げることにより、上記ウレタンスポンジ層が、表面から内部に向かって下記の式(1)〜(3)を満たすように通気性が小さくなるよう設定したトナー供給ロールの製法を第2の要旨とする。
F/F′>1.1 …(1)
F≧300cc/min・cm 2 …(2)
F′≦1500cc/min・cm 2 …(3)
〔式中、Fはトナー供給ロール全体の通気量を示し、F′はロール表面から肉厚の1/3を除去した部分の通気量を示す。〕
【0007】
さらに、本発明は、軸体の外周面に単層のウレタンスポンジ層が形成されたロールであって、上記第1の要旨または第2の要旨に記載の製法によって得られるトナー供給ロールを第3の要旨とする。
【0008】
本発明者らは、トナー供給性能、トナーカキトリ性能に優れ、長期にわたって高画質を得ることができるトナー供給ロールを得るべく、鋭意研究を重ねた。その結果、ウレタンスポンジ層を単層構造とし、表面から内部に向かって特定の関係を満たすように通気性を小さくすると、所期の目的を達成できることを見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明のトナー供給ロールの製法によれば、ロール全体を低通気性に成型した後、ロール表面にエアーを吹き付けることによりロールの表面部分のみ通気性を上げるか、あるいは、同じくロール全体を低通気性に成型した後、別に準備した回転体の表面に上記ロールを押し付け、ロールと回転体とを同方向もしくは逆方向に回転させてロール表面に機械的ストレスを加えることによりロールの表面部分のみ通気性を上げることにより、上記本発明のトナー供給ロールを容易に製造することができる。したがって、従来のトナー供給ロールの製法のように、ウレタンスポンジ層を内層と外層の2層構造とするような複雑な工程が不要で、精度よいセルサイズ制御等が必要でないため、品質が安定して、生産性が高い。また、処理前のロールの独泡性と、後処理によるエアーの吹き付け、ロールの回転等を調整することにより、使用するトナーの流動特性に合わせて、任意の連泡独泡特性を容易に得ることができる。
【0009】
また、上記本発明の製法によって得られるトナー供給ロールは、ウレタンスポンジ層の表面から内部に向かって通気性が小さくなっているため、トナー侵入による硬度上昇が緩やかになり、表面硬度を従来の連泡ロールと同様に低く抑えることができる。その結果、トナー供給性能、トナーカキトリ性能に優れ、長期にわたって高画質を得ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
【0011】
本発明のトナー供給ロールは、例えば、図1に示すように、軸体1の外周面に沿って単層構造のウレタンスポンジ層2が形成されて構成されている。そして、本発明は、上記ウレタンスポンジ層2が、表面から内部に向かって特定の関係を満たすように通気性が小さくなっていることが最大の特徴である。
【0012】
上記軸体1は特に制限するものではなく、例えば、金属製の中実体からなる芯金や、内部を中空にくり抜いた金属製の円筒体等が用いられる。そして、その材料としては、ステンレス、アルミニウム、鉄にメッキを施したもの等があげられる。
【0013】
上記ウレタンスポンジ層2を形成するポリウレタン原料としては、通常のポリウレタンフォームの製造に用いられるポリオール成分およびイソシアネート成分が用いられる。上記ポリオール成分としては、例えば、ヒドロキシル基を有するポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリブタジエンポリオールやポリイソブチレンポリオール等のポリオレフィンポリオール等があげられ、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。上記イソシアネート成分としては、2官能以上のポリイソシアネートであれば特に限定はなく、例えば、2,4−(または2,6−)トリレンジイソシアネート(TDI)、オルトトルイジンジイソシアネート(TODI)、ナフチレンジイソシアネート(NDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、カーボジイミド変成MDI、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、ポリメリックポリイソシアネート等があげられ、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0014】
なお、上記ポリウレタン原料には、ポリオール成分およびイソシアネート成分に加えて、架橋剤、発泡剤(水、低沸点発泡剤、ガス体等)、界面活性剤、触媒、難燃剤、充填剤、導電性付与剤、帯電防止剤等を適宜に配合しても差し支えない。
【0015】
本発明のトナー供給ロールは、例えば、つぎのようにして製造することができる。すなわち、まず、軸体の外周面にウレタンスポンジ層を形成してロール全体を低通気性に成型する。この方法としては、例えば、つぎの2通りの方法があげられる。
【0016】
▲1▼ スラブ発泡もしくは型発泡のフォーム材からロール素材を切り出し、それに軸体を通した後、表面を研磨して、ロール形状に仕上げる方法。
【0017】
▲2▼ パイプ状金型を用いて、2液反応硬化型ウレタンフォーム成形法により、軸体と2液反応硬化型ウレタンフォームとを一体的に成形する方法。なお、軸体と2液反応硬化型ウレタンフォームとを一体的に成形した後、必要に応じて、上記ウレタンフォームを研磨、切削、カット、熱線カット等の方法により円筒状に加工しても差し支えない。上記2液反応硬化型ウレタンフォーム成形法は、特に限定はなく、例えば、ガス体を用いて発泡させる方法、低沸点発泡剤をガス化させて発泡させる方法、水とイソシアネートとの反応で生じる炭酸ガスを用いる方法、さらにはこれらを組み合わせた方法等があげられる。
【0018】
つぎに、上記のようにしてロール全体を低通気性に成型した後、ロール表面に後処理を施し、ロールの表面部分のみ通気性を上げることにより、表面から内部に向かって特定の関係を満たすように通気性が小さくなっているトナー供給ロールを得ることができる。この後処理方法としては、例えば、つぎの3通りの方法があげられる。
【0019】
〔後処理方法A〕
図2に示すように、ロール(前述のようにして全体を低通気性に成型したもの)21を水平回転装置(図示せず)に取り付け、直径3mmのエアーノズル22をロール21中心に向けた状態から上方に5mm平行に移動し、かつロール21表面から5mm離した位置に配置する。この場合、ロール21の回転方向は、エアーに対して向かい合う方向とすることが好ましい。つぎに、ロール21を毎分300rpmで回転させながら、58.8N圧力のエアーを吹き付け、エアーノズル22を毎分1000mmでロール21の幅方向(面長方向)に端から端まで3往復させる。
【0020】
この場合、ロール21の回転数、エアーの吹き付け方向、エアー圧、エアーノズル22の接近度、エアーノズル22の往復移動速度等は、特に限定はなく、必要に応じて、適宜変更可能である。なお、上記エアー圧が29.4N未満であると、通気性の向上効果が不充分となるため、エアー圧は29.4N以上とすることが好ましい。また、エアーをロール21の回転方向と同じ方向に吹き付けると、ロール21にかかるストレスが小さくなるため、対向させて吹き付けるのが好ましい。さらに、エアーノズル22を軸体に近づける程、通気性の向上効果は大きくなるが、通気性の向上効果がウレタンスポンジ層の肉厚の内部にまで及んでしまうため、エアーノズル22中心の向かう方向は、ウレタンスポンジ層の肉厚の中心もしくはそれより外側であることが好ましい。
【0021】
〔後処理方法B〕
図3に示すように、ロール(前述のようにして全体を低通気性に成型したもの)31を水平回転装置(図示せず)に取り付け、直径50mmの金属ロール32をロール31に対して1mm締め込む位置で固定して、ロール31の回転方向と同方向に300rpmで15秒間回転させることにより、ロール31表面に機械的ストレスを加えてロール31の表面部分のみ通気性を上げる方法。
【0022】
この場合、金属ロール32の回転数や材質、金属ロール32の締め込み量等は、特に限定はなく、必要に応じて、適宜変更可能である。なお、上記金属ロール32は他の硬い材質でも良く、また表面の摩擦抵抗を変えたり、表面に凹凸を付けること等によっても、ロール31表面への機械的ストレスの調整が可能である。また、金属ロール32の締め込み量は、ロール31のウレタンスポンジ層の肉厚に合わせて調整する必要があり、例えば、肉厚の20%以上で50%以下(ただし、最低1mm)とすることが好ましい。すなわち、締め込み量が50%を超えると、機械的ストレスが大きすぎ、ロール31表面が摩擦、破断する恐れが大きく、逆に20%未満もしくは1mm未満であると、機械的ストレスが小さすぎて、表面の通気性の向上効果が不充分となりやすいからである。なお、ロール31と金属ロール32とを逆方向に回転させても差し支えない。
【0023】
〔後処理方法C〕
図4に示すように、ロール(前述のようにして全体を低通気性に成型したもの)41の外径より1mm小さい内径のリング状治具(長さは10mm)42を準備し、このリング状治具42内にロール41を圧入する。ついで、上記リング状治具42をロール41の幅方向(面長方向)に端から端まで20回繰り返し往復させる。なお、リング状治具42を固定して、ロール41の方を動かしても差し支えない。
【0024】
この場合、リング状治具42の内径や往復移動速度等は、特に限定はなく、必要に応じて、適宜変更可能である。なお、上記リング状治具42の内径は、ロール41の外径より0.5mm以上小さく、またウレタンスポンジ層の肉厚の50%押し込み相当の内径よりは大きくするのが好ましい。すなわち、リング状治具42の内径が大きすぎると、通気性の向上効果が不充分となり、逆に内径が小さすぎると、ロール41の摩耗、破断等が生じるおそれがあるからである。
【0025】
本発明において、トナー供給ロール全体の通気量Fは、例えば、図5に示すような測定装置を用いて測定することができる。すなわち、まず、トナー供給ロール51の外径より0.5mm小さい内径をもつリング(長さ25mm)52を準備し、これを円筒体53の上部に固定する。つぎに、上記リング52内に上記トナー供給ロール51を圧入した後、真空ポンプ54を作動させながら、減圧調整バルブ55を調整して、微差圧計56が1kPaを示すように吸引側の真空度を調整する。その状態で、エアー用フローメーター57の値(cc/min)から流量を読み取る。流量の測定は、トナー供給ロール51の両端部から25mm内側の2ケ所と、トナー供給ロール51の中央部の1ケ所の合計3ケ所測定して平均値をとる。そして、下記の式(4)により、通気量Fを計算する。なお、配管58は、エアーの流れを妨げないよう太め(内径4mm以上)とし、できるだけ短くすることが好ましい。
【0026】
F=流量/(リング内断面積−軸体断面積) …(4)
【0027】
この場合、リング52の内径をトナー供給ロール51の外径と同じにすると、リング52とトナー供給ロール51のすきま精度の問題から通気量が安定しない。したがって、安定した通気量の測定を可能とするため、便宜上、リング52の内径をトナー供給ロール51の外径より0.5mm小さく設定して、通気量を測定する。
【0028】
また、上記ロール表面から肉厚の1/3を除去した部分の通気量F′は、上記トナー供給ロール全体の通気量Fの測定に準じて行うことができる。
【0029】
そして、本発明のトナー供給ロールにおいては、ウレタンスポンジ層の表面から内部に向かって下記の式(1)〜(3)を満たすように通気性が小さくなっていなければならない。すなわち、F/F′≦1.1ではスポンジ内部へのトナー侵入を緩やかにする効果が充分でなく、F<300では表面の通気量が充分でなく、トナーの供給、カキトリが安定せず、F′>1500ではスポンジ内部にトナーが容易に侵入し、耐久後トナー詰まりが生じてかぶりが悪化するからである。
【0030】
F/F′>1.1…(1)、好ましくはF/F′>1.3
F≧300cc/min・cm2 …(2)
F′≦1500cc/min・cm2 …(3)
〔式中、Fはトナー供給ロール全体の通気量を示し、F′はロール表面から肉厚の1/3を除去した部分の通気量を示す。〕
【0031】
上記ウレタンスポンジ層2内のセルの平均径は、100〜500μmの範囲に設定されていることが好ましく、特に好ましくは200〜400μmである。すなわち、セルの平均径が100μm未満であると、トナーの流動性が悪くなり、逆に500μmを超えると、トナーの供給むらが生じるからである。なお、セルの平均径は、例えば、光学顕微鏡、CCDカメラ等を用いてウレタンスポンジ層2の断面写真を撮り、直線上に並んでいるセルの数を数え、直線の長さ(μm)をセル数で除することにより求めることができる。なお、上記ウレタンスポンジ層2内のセルの形状としては、特に限定はなく、楕円状、真円状等のいずれの形状であってもよい。
【0032】
また、本発明のトナー供給ロールのウレタンスポンジ層2の硬度は、350g以下が好ましく、特に好ましくは100〜350gである。すなわち、350gを超えると、トナーの劣化が促進されるおそれがあるからである。なお、ウレタンスポンジ層の硬度は、例えば、図6(a)に示すように、トナー供給ロールを、その両端の軸体61部分において支持し、ウレタンスポンジ層62を、板状押圧面(50mm×50mm、厚み7mm)を有する治具63にて、10mm/分の速度で押圧した時の、1mm変位時の荷重(g)にて表した値である。なお、硬度の測定は、図6(b)に示すように、軸方向(幅方向)の2ケ所×周方向の90°ごとに4ケ所の計8ケ所の測定ポイントについて行い、その平均値で示している。この数値が大きくなる程、ウレタンスポンジ層62の硬度が高い、すなわち硬いことを意味する。
【0033】
上記ウレタンスポンジ層2の密度はできるだけ小さい方が好ましいが、通常、0.05〜0.3g/cm3 の範囲に設定される。
【0034】
また、上記ウレタンスポンジ層2の厚みは、通常、2〜8mmであり、好ましくは3〜5mmである。
【0035】
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
【0036】
【実施例1】
まず、ポリエーテルポリオール(三井化学社製、EP−828、OH価=28)90重量部(以下「部」と略す)と、ポリマーポリオール(三井化学社製、POP−31−28、OH価=28)10部と、シリコーン整泡剤(日本ユニカー社製、L−5309)3部と、水2部と、第三級アミン触媒(花王社製、カオライザーNo.31)0.5部と、第三級アミン触媒(東ソー社製、トヨキャットHX−35)0.1部と、DBTDL0.1部と、イソシアネート(住友バイエルウレタン社製、スミジュールVT−80、NCO%=45)26.9部とからなるポリウレタン原料を調製した。つぎに、成形型を準備し、円筒型内に軸体となる芯金(直径5mm、SUS304製)をセットした後、成形キャビティ内に上記ポリウレタン原料を注入し、これを発泡硬化させた。その後、脱型して、軸体の外周面にウレタンスポンジ層を形成した。ついで、前述の後処理方法Aに準じて、ウレタンスポンジ層の表面にエアーを吹き付けることにより、ロールの表面部分のみ通気性を上げ、目的とするトナー供給ロールを作製した。
【0037】
【実施例2〜4、比較例1〜3】
後処理方法を後記の表1および表2に示すように変更した。それ以外は、実施例1と同様にして、トナー供給ロールを作製した。なお、比較例1,2については後処理を行わなかった。
【0038】
このようにして得られた実施例品および比較例品のトナー供給ロールを用いて、下記の基準に従い、各特性について比較評価を行った。これらの結果を、後記の表1および表2に併せて示した。なお、ウレタンスポンジ層の硬度、セルの平均径、通気量(F,F′)は、前述の方法に準じて測定した。
【0039】
〔濃度むら〕
得られたトナー供給ロールをレーザービームプリンターに組み込み、非磁性一成分カラートナーを使用して、低温低湿(15℃×10%)条件下において3日間放置した後、5%印字で5000枚プリントした後の画像を、各種濃度およびパターンの画像において比較評価した。なお、評価基準は、以下のように設定した。
○:濃度むらがなく、均一な画像が得られた。
△:濃度むらが多少みられるものの、画質低下のない画像が得られた。
×:濃度むらが発生した。
【0040】
〔ゴースト〕
得られたトナー供給ロールをレーザービームプリンターに組み込み、5000枚プリント後の画像において比較評価した。そして、ゴーストのない画像が得られた場合を○、画像にゴーストが現れた場合を×として評価した。
【0041】
〔耐久後かぶり〕
上記のようにして濃度むら、ゴースト発生を評価した後、同環境で5000枚の画出し(5%印字)を連続して行った。そして、初期と同様に画出しを行い、かぶり(白地部分のトナー付着汚れ)の程度を評価した。評価は、かぶりがないものを○、かぶりがあるものを×とした。
【0042】
【表1】
Figure 0003747795
【0043】
【表2】
Figure 0003747795
【0044】
上記結果から、実施例品のトナー供給ロールは、濃度むらやゴーストの発生がなく、耐久後のかぶりがないことから、長期にわたって高画質を得ることができることがわかる。
【0045】
これに対して、比較例2品のトナー供給ロールは、通気量の比(F/F′)が所定値以下であるため、耐久後かぶりがあることがわかる。また、比較例1品,比較例3品のトナー供給ロールは、F′,Fがそれぞれ所定値から外れているため、濃度むら、ゴースト発生、耐久後かぶりのいずれかが見られることがわかる。
【0046】
【発明の効果】
以上のように、本発明のトナー供給ロールの製法は、ロール全体を低通気性に成型した後、ロール表面にエアーを吹き付けることによりロールの表面部分のみ通気性を上げるか、あるいは、同じくロール全体を低通気性に成型した後、別に準備した回転体の表面に上記ロールを押し付け、ロールと回転体とを同方向もしくは逆方向に回転させてロール表面に機械的ストレスを加えることによりロールの表面部分のみ通気性を上げるようにしたものである。したがって、従来のトナー供給ロールの製法のように、ウレタンスポンジ層を内層と外層の2層構造とするような複雑な工程が不要で、精度よいセルサイズ制御等が必要でないため、品質が安定して、生産性が高い。また、処理前のロールの独泡性と、後処理によるエアーの吹き付け、ロールの回転等を調整することにより、使用するトナーの流動特性に合わせて、任意の連泡独泡特性を容易に得ることができる。
【0047】
また、本発明のトナー供給ロールは、ウレタンスポンジ層が単層構造であり、表面から内部に向かって特定の関係を満たすように通気性が小さくなっているため、トナー侵入による硬度上昇が緩やかになり、表面硬度を従来の連泡ロールと同様に低く抑えることができる。その結果、トナー供給性能、トナーカキトリ性能に優れ、長期にわたって高画質を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトナー供給ロールの一例を示す斜視図である。
【図2】本発明のトナー供給ロールの製法の一例を示す模式図である。
【図3】本発明のトナー供給ロールの製法の他の例を示す模式図である。
【図4】本発明のトナー供給ロールの製法のさらに他の例を示す模式図である。
【図5】トナー供給ロールの通気量の測定方法を示す説明図である。
【図6】トナー供給ロールのウレタンスポンジ層の硬度の測定を方法を示す説明図であって、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【符号の説明】
1 軸体
2 ウレタンスポンジ層

Claims (5)

  1. 体の外周面に単層のウレタンスポンジ層を形成してロール全体を低通気性に成型した後ロール表面にエアーを吹き付けてロールの表面部分のみ通気性を上げることにより、上記ウレタンスポンジ層が、表面から内部に向かって下記の式(1)〜(3)を満たすように通気性が小さくなるよう設定したことを特徴とするトナー供給ロールの製法
    F/F′>1.1 …(1)
    F≧300cc/min・cm2 …(2)
    F′≦1500cc/min・cm2 …(3)
    〔式中、Fはトナー供給ロール全体の通気量を示し、F′はロール表面から肉厚の1/3を除去した部分の通気量を示す。〕
  2. 軸体の外周面に単層のウレタンスポンジ層を形成してロール全体を低通気性に成型した後、別に準備した回転体の表面に上記ロールを押し付け、ロールと回転体とを同方向もしくは逆方向に回転させロール表面に機械的ストレスを加えてロールの表面部分のみ通気性を上げることにより、上記ウレタンスポンジ層が、表面から内部に向かって下記の式(1)〜(3)を満たすように通気性が小さくなるよう設定したことを特徴とするトナー供給ロールの製法。
    F/F′>1.1 …(1)
    F≧300cc/min・cm 2 …(2)
    F′≦1500cc/min・cm 2 …(3)
    〔式中、Fはトナー供給ロール全体の通気量を示し、F′はロール表面から肉厚の1/3を除去した部分の通気量を示す。〕
  3. 軸体の外周面に単層のウレタンスポンジ層が形成されたロールであって、上記請求項1または2に記載の製法によって得られることを特徴とするトナー供給ロール。
  4. 上記ウレタンスポンジ層の硬度が350g以下である請求項記載のトナー供給ロール。
  5. 上記ウレタンスポンジ層内のセルの平均径が、100〜500μmである請求項または記載のトナー供給ロール。
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