JP2006292909A - トナー供給ローラ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ポリウレタンフォーム層を弾性層とするトナー供給ローラであって、トナーの劣化、現像ローラ表面へ残存するトナーの掻き取り不足を発生させないトナー供給ローラを提供する。
【解決手段】 ポリウレタンフォーム層の表面に開口したセルの壁幅の平均を100〜300μmとし、その平均セル径を100〜500μmとし、かつ該ポリウレタンフォーム層の密度を0.05〜0.15g/cm3とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、トナー供給ローラに関し、特には複写装置、画像記録装置、プリンター、ファクシミリ等の画像形成装置において、電子写真感光体や静電記録誘電体等からなる潜像担持体上に形成した静電潜像を現像して、可視化するのに使用される現像装置に内蔵され、所定のトナー(現像剤)を供給して、静電潜像が形成されている感光体のような潜像担持体の表面において、目的とするトナー像を形成する現像ローラに新鮮なトナーを供給するために用いられるトナー供給ローラに関するものである。
従来、複写機、プリンター、ファクシミリ等の画像形成装置においては、電子写真感光体や静電記録誘電体等からなる像担持体上に静電潜像を形成し、この静電潜像を現像装置により現像している。このような現像装置には、ホッパー内に収容された所定のトナー(現像剤)を、現像ローラ表面上にムラ無く均一に供給し、かつ静電潜像を現像した後に現像ローラ表面上に残存するトナーを掻き取るためにトナー供給ローラが内蔵されている。このような目的で使用されるトナー供給ローラは耐熱性、機械的物性が良好なことからポリウレタンフォームを弾性層として使用したものが一般となっている。しかし、この現像機構において、トナー供給ローラと現像ローラとの摩擦が大きいとトナー劣化を起こし、画像不良をもたらす問題がある。
トナー劣化を防ぐ方法としては、ローラ(弾性層)硬度を下げる方法が一般的に知られている。ローラ硬度を下げることにより、トナー劣化は防ぐことができるが、現像ローラ表面上の残存トナーの掻き取り性が低下し、この状態で印画を繰り返すと、印画されない部分(静電潜像が形成されていない像担持体部分)にもトナーが付着してしまうことがある。
また、近年高画質化に伴いトナーは、極微細な粒子化や低融点化され、トナーの掻き取り作用の低下やトナー劣化が発生しやすくなっている。そこで、ポリウレタンフォームを弾性層とするトナー供給ローラの弾性層の硬度及び平均発泡セル径、セル数を調整し、セル開口率を上げ、トナー供給ローラ表面上にトナーを滞留させない方法も提案されている(例えば特許文献1)。しかしながら、トナー劣化やトナー掻き取り性は硬度及び平均発泡セル径、セル数のみで規定することは難しく、詳細な検討が不十分な現状にある。
特開2002−6618号公報
すなわち、本発明の課題は、ポリウレタンフォーム層を弾性層とするトナー供給ローラであって、トナーの劣化、現像ローラ表面へ残存するトナーの掻き取り不足を発生させないトナー供給ローラを提供することである。
本発明者は、ポリウレタンフォーム層をトナーの劣化、現像ローラからの残存トナーの掻き取り不足の発生原因を種々検討した結果、これらはトナー供給ローラのポリウレタンフォーム層の硬度、平均ポチウレタンフォーム層表面の開口セル径及びそのセル数のコントロールのみで、所望する性能を得ることが困難であり、さらに、ポリウレタンフォーム層の表面に形成されている開口セル間の壁の厚み(セル壁幅)及び該開口セルの径の平均、及びポリウレタンフォーム層の比重が特に重要な因子であるとの知見を得、さらに検討して、本発明に至った。
すなわち、本発明は、ポリウレタンフォーム層を有するトナー供給ローラにおいて、該ポリウレタンフォーム層の表面に開口したセルの壁の厚み(セル壁幅)の平均が100〜300μmであり、開口したセルの平均セル径が100〜500μmであり、かつポリウレタンフォーム層の密度が0.05〜0.15g/cm3であることを特徴とするトナー供給ローラである。
なお、ポリウレタンフォーム層の密度が0.07〜0.15g/cm3であること、また、ポリウレタンフォーム層の硬度が50~250g/mmであること、さらには、ポリウレタンフォーム層の通気量が0.3〜2.0(l/min)であるが好ましい。
本発明のトナー供給ローラは、弾性層であるポリウレタンフォーム層の開口セルの壁幅、開口セル径及びポリウレタン層の密度を所定の範囲にしたので、トナーの粒子径が微細化された昨今の状況下にあっても、トナーを劣化させることなく、また、現像ローラからその表面に現像に使用されずに戻ってくる残存トナーを一旦ほぼ完全に掻き取ることが可能になり、現像ローラへは新鮮なトナーを均一に供給することが可能となる。
本発明は、芯金とその外周にウレタンフォーム層を有するトナー供給ローラに関するものであって、該トナー供給ローラはポリウレタンフォーム層の表面に開口したセル間の壁の厚さ(セル壁幅)の平均が100〜300μmであり、かつ開口セルの径の平均が100〜500μmであること、及びポリウレタンフォーム層が密度0.05〜0.15g/cm3であることが必須である。
平均セル壁幅が100μm未満である場合、トナー供給ローラの表面と現像ローラとの接触面積が狭くて、現像ローラ表面上に残存するトナーを十分に掻き取ることができず、好ましくない。また、平均セル壁幅が300μmを超える場合、トナー供給ローラの表面と現像ローラとの接触面積が広くなり、トナー供給ローラと現像ローラとの摩擦が大きくなり、トナー劣化をより促進させるので好ましくない。本発明における、平均セル壁幅の調整は、成形型内面処理をフッ素樹脂や離型剤を適切な条件で行なったり、原料のポリオールの重合度、単量体組成や粘度、触媒の種類や使用量等を適切に選択したりすることで可能である。
表面に開口したセルの平均径(以下、「平均セル径」ということがある)が100μm未満である場合、トナーによる目詰まりが生じ、好適なトナー供給ができなくなったり、ローラの表面近傍の硬度が高くなったりするおそれがあり、トナー劣化を促進させるので好ましくない。また、平均セル径が500μmを超えると、ポリウレタンフォーム層内部に侵入するトナーの量が増加するため、好適な範囲でトナーを供給することができなくなるおそれがある。本発明における平均セル径の調整は、平均セル壁幅の調整と同様方法で可能であり、例えば、成形型内面処理をフッ素樹脂や離型剤を適切な条件で行う、ポリオールの粘度や触媒の使用量を適切に選択する等があげられる。なお、同様に調整可能な方法であれば、特に限定されない。
本発明では、上記したように弾性層を形成するポリウレタンフォーム層は、その密度が0.05〜0.15g/cm3が必須である。ポリウレタンフォーム層の密度が0.05g/cm3未満である場合、ポリウレタンフォーム層がトナー供給ローラとしての機械的強度が不足し、使用に耐えられなくなりやすく、また、ローラ表面のセル開口性が劣り好ましくない。また、該密度が0.15g/cm3を超える場合、ポリウレタンフォーム層内の個々のセルが単独で存在し、セル同士繋がっておらず、トナーの流動性が悪く、トナーが表面から内部に移動できず滞留し、連続使用しているとトナーにストレスがかかり、トナー劣化が促進されやすいので好ましくない。従って、ポリウレタンフォーム層の密度は0.05〜0.15g/cm3、より好ましくは、ローラ表面のセル開口性が良好である0.07〜0.15g/cm3とする。トナー供給ローラのポリウレタンフォーム層の密度は、発泡剤の使用量、型内での充填率等で調整可能である。なお、同様の調整が可能であれば、これにとどまらず、何れの方法によっても構わない。
図1に、本発明のトナー供給ローラの一例の斜視図を示す。また、図2に該トナー供給ローラの弾性層(ポリウレタンフォーム層)の表面を拡大した図を示す。
本発明のトナー供給ローラ1は、芯金2の上に表面が開口したポリウレタンフォーム層3が積層されてなり、そのポリウレタンフォーム層の密度は0.05〜0.15g/cm3であり、ポリウレタンフォーム層3の表面に開口しているセル4はその平均径が100〜500μmであり、該セル間の壁5の厚さ(セル壁幅)は平均100〜300μmである。なお、ここでセル壁幅としてはセル4の中心同士を結んだときの壁5を横断する長さのこととする(図2において、「a」として示す)。
本発明のトナー供給ローラは、ポリウレタンフォーム原料から予め弾性層となるポリウレタンフォームのブロック状に形成し、必要な形状に切り出して表面を研磨して、表面が開口したセルを有するローラ状物を得、次いで芯金を挿入する方法、ポリウレタン原料をポリウレタンフォームとし、所定の長さに切断した後その表面を研磨して表面が開口したセルを有するローラ状チューブを得、次いで芯金を挿入する方法、芯金を収納したトナー供給ローラ成形型にポリウレタンフォーム原料を注入し、発泡硬化させる方法、芯金とポリウレタンフォーム原料を同時に押出して、芯金上にポリウレタンフォーム原料の層を設け、素に物を加熱して発泡硬化してポリウレタンフォーム層を形成し、研磨する方法等種々の方法で製造することができる。中では、ポリウレタンフォーム層形成とその表面を開口させることが同時にでき、加工精度も良好であることから、芯金を収納したトナー供給ローラ成形型を用いる方法が好ましい。
ポリウレタンフォーム原料としては、ポリオール、ポリイソシアネート、触媒及び発泡剤、導電剤、整泡剤等の助剤を加えたものが用いられる。通常、ポリイソシアネート以外の成分は予め混合し、成形の直前にポリイソシアネート成分と混合して用いられる。
本発明においては、ポリオール成分としては特に制限は無いが、加工性、ポリウレタンフォーム層の硬度等の調整が容易なことから、ポリエーテルポリオールといわれるポリオールが好ましい。
ポリエーテルポリオールとしても特に制限は無く、従来公知の各種ポリエーテルポリオールの中から適宜選択して使用することができる。一般に軟質ポリウレタンフォームの製造に用いられているポリエーテルポリオールとして知られるポリエーテルポリエーテルポリオール、ポリエステルポリエーテルポリオール、ポリマーポリエーテルポリオール等から適宜選択すればよく、一種又は二種以上を組み合せて用いても良い。
なお、エチレンオキシドを5モル%以上端末に結合したポリエーテルポリエーテルポリオールを使用すると、成形性が良く好ましい。また、予めポリイソシアネートと反応させたプレポリマーとして用いても差し支えない。
また、ポリイソシアネートとしては、従来公知の各種ポリイソシアネートの中から適宜選択して使用することができ、例えば、2、4−及び2、6−トリレンジイソシアネート(TDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、ナフチレンジイソシアネート(NDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、4、4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)及びカーボジイミド変成MDI、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、ポリメリックポリイソシアネート等があげられ、これらは単独で、又は二種以上を組み合せて用いても良い。なお、前記ポリイソシアネートを公知の活性水素化合物の1種または2種以上と反応させることにより得られるイソシアネート基末端プレポリマーも、ポリイソシアネートとして使用することもできる。
ポリウレタンフォーム原料中のポリイソシアネートの使用量は、イソシアネート基の活性水素に対する当量比を示すNCOインデックス(NCOと活性水素が等モルのとき100として表される)で60〜120であることが好ましく、70〜100であることがより好ましい。
本発明のポリウレタンフォーム層製造に際し用いる触媒としては、従来公知のウレタン化反応に使用される触媒の中から適宜選択して使用することができ、例えば、トリエチレンジアミン、ジメチルエタノールアミン、ビス(ジメチルアミノ)エチルエーテル等のアミン系触媒、例えば、ジオクチルスズ、ジステアリルスズジブチレート等の有機金属系触媒、これらの変性触媒等があげられる。なお、自身に活性水素を有するジメチルアミノエタノール等の反応性触媒であってもよい。触媒を適宜選択し、その使用量をコントロールすることで、ポリウレタンフォーム層のセル壁幅、開口セル径、硬度や通気量等を調整することができる。
整泡剤としては、ポリウレタンフォーム製造に使用されるものであればいずれでも使用できるが、シリコーン系界面活性剤が簡便であり、整泡効果も適当であるので好ましい。そのようなシリコーン計界面活性剤として、例えば、東レ・ダウコーニング社製のSRX−274C、日本ユニカ社製のL−5309、L−520(いずれも商品名)等があげられる。
発泡剤としては、特に制限は無く、水、低沸点物、ガス体等の従来公知の各種発泡剤の中から、単独で、又は複数種を組み合せて使用することができる。なお、環境安全の観点から水を発泡剤として用いることが好ましく、必要により、他の発泡剤を併用することもできる。発泡剤の使用量を適宜変えることにより、ポリウレタンフォーム層のセル壁幅、開口セル径、硬度や通気量等を調整することができる。
上記ポリウレタンフォーム層原料には、ポリウレタンフォーム層のセルの独立気泡性、連続気泡性をコントロールするように架橋剤、破泡剤等が配合されていてよく、また、所望の導電性を付与するための導電剤、帯電防止剤等が添加されていてもよい。
架橋剤としてはトリエタノールアミン、ジエタノールアミン等の従来公知のものが挙げられる。
導電剤は公知の物を使用することができ、例えば、カーボンブラック、グラフアイトなどの導電性カーボン、酸化チタン、酸化錫などの導電性の金属酸化物、Cu、Agなどの金属粉、これら導電性材料を粒子表面に被覆して導電化した粒子などが挙げられる。これらの導電剤は単独、あるいは複数種を組み合わせて用いることができる。特に、カーボンブラックは、比較的少量(重量比)の添加によって、所望の導電性を付与できる点で好ましい。
その他添加剤として、難燃剤、減粘剤、顔料、安定剤、着色剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、酸化防止剤等を必要に応じて配合することができる。
混合操作の容易性や得られるポリウレタンフォーム層の特性の見地から、ポリイソシアネート、ポリポリオール及び整泡剤の好適な組み合わせは、ポリイソシアネートとしてMDIとTDIを混合したものを用い、ポリオールとしてポリエーテルポリエーテルポリオールを用い、整泡剤として水溶性ポリエーテルシロキサンを用いる組み合わせである。
本発明のトナー供給ローラとして、後記する硬度測定法によりポリウレタン層の硬度(以下、「ローラ硬度」という)を測定したとき、ローラ硬度が50〜250g/mmであることが好ましい。ローラ硬度が50g/mm未満である場合、トナー劣化は防ぐことができるが、該現像担持体表面上の残存トナーの掻き取り性が低下する問題があり、ローラ硬度が250g/mmを超える場合、現像ローラ表面でトナーにストレスを与え、トナーの劣化が促進されやすくなり好ましくない。ローラ硬度はポリイソシアネートの配合比、発泡剤の使用量、成形型を使用する際には型内での充填率、成形後のポリウレタンフォーム層のクラッシングの程度等で調整できる。
トナー供給ローラのポリウレタンフォーム層の通気量は0.3〜2.0(l/min)であることが好ましい。
該通気量が0.3(l/min)未満である場合、ポリウレタンフォーム層内の個々のセルが単独で存在し、セル同士繋がっておらず、トナーの流動性が悪く、トナーが表面から内部に移動できずに表面に滞留し、連続使用しているとトナーにストレスがかかり、トナーの劣化を促進するので好ましくない。該通気量が2.0(l/min)を超える場合、ポリウレタンフォーム層の表層から内部にかけてセルが過剰に連通化されているので、連続使用しているとトナーが一度内部に入り込み、ポリウレタンフォーム層内部で移動できずに蓄積されていき、ポリウレタンフォーム層が自体硬くなり、ローラ硬度が上昇し、ひいては、現像ローラ表面でトナーにストレスを与え、トナーの劣化を促進するので好ましくない。この通気量は、発泡剤の使用量、成形型を使用する際には型内での充填率、成形後のポリウレタンフォーム層のクラッシングの程度等で調整可能である。
なお、ポリウレタンフォーム層の厚みは、セルの開口の様子、密度、通気性等から適宜決定され、本発明では、通常1〜15mm、好ましくは2〜10mmとするのが適当である。
トナー供給ローラの製造方法は上記したように種々可能であり、特に限定されない。成形型を使用した例を示せば、次の通りである。
成形型に必要により接着剤を塗布した芯金を組み込み、その中に上記のポリウレタンフォーム原料を調整したものを注入し、加熱して反応硬化させる。この際のポリウレタンフォーム原料の混合温度や時間については特に制限は無いが、混合温度は通常10〜90℃、好ましくは20〜60℃であり、混合時間は、通常1秒〜10分間、好ましくは3秒〜5分間程度である。また、発泡方法についても特に制限は無く、発泡剤を用いる方法、機械的な撹拌により気泡を混入する方法など、いずれの方法でもよい。この発泡時の成形型の温度は35〜100℃、好ましくは40〜80℃とする。なお、発泡倍率は、ポリウレタンフォーム層の密度が0.05〜0.15g/cm3となるようにする。
成形型は、従来公知の材質、形状の中から適宜選択して使用する。例えば、SUS304製で、ベントホール(型内にガスがたまり発泡体に欠肉を生じるのを未然に防止するため設けられた孔径約1mm程度の成形型内外に連通する小孔)を有し、内面に凹凸形状を有するパイプ状成形型等がある。
なお、成形型内表面には、フッ素樹脂コーティング剤、離型剤等の離型層を設けておくことが好ましく、ポリウレタンフォーム層形成に際し、その表面でセルが開口するものを塗布しておくことが望ましい。すなわち、このような性能を有する離型剤塗布をしておくと、複雑な加工を必要とせず、好適な開口性を有するポリウレタンフォーム層を容易に形成することができる。
本発明のトナー供給ローラは、通常、鉄にメッキを施したものやステンレス鋼などからなる例えば直径が4〜8mm、長さが200〜400mmの芯金を、ポリウレタンフォーム層で被覆して弾性体層を形成したものであり、その外径は、その目的によりさまざまなであるが、一般的には10〜20mmとする。芯金とポリウレタンフォーム層との接合方法については特に限定されないが、必要に応じて芯金上に接着層を設けておくこともできる。なお、接着層としては、接着剤やホットメルトシートなどの公知の材料を用いることでよい。
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明について具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
成形型
成形型として、SUS製の内径14mmのパイプを長さ280mmで切り取り、その内面を表面粗さRzjis1994=15μmなるようにサンドブラスト加工を施し、表1に示す離型層を厚み20μmで設けたものを用いた。
なお、表1において、それぞれ、樹脂1:テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、樹脂2:ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、離型剤1:ワックス系離型剤“フリリース600”(商品名:ネオス(株))、離型剤2:ワックス系離型剤“URH−511”(商品名、コニシ(株))及び離型剤3:ワックス系離型剤“F−476”(商品名:中京油脂(株))である。
ポリウレタンフォーム層原料
ポリウレタンフォーム層原料として、ポリオールとしてポリエーテルポリエーテルポリオール“FA−718”(商品名、三洋化成工業(株)製、OH価=28)10質量部、ポリイソシアネートとして“コロネート1021”(商品名、日本ポリウレタン(株)製イソシアネート、NCO%=44.5)23.7質量部(NCOインデックス=100)、触媒として3級アミン系触媒ToyoCat−ET(商品名、東ソー(株)製)0.3質量部と3級アミン系触媒TEDA−L33(商品名、東ソー(株)製)0.2質量部、整泡剤としてシリコーン系整泡剤L5366(商品名、日本ユニカー(株)製)1質量部及び発泡剤として水(表1に示す量)を使用した。
芯金
径5mm長さ220mmの鉄製の棒の表面に厚み10μmの化学ニッケルメッキを施し、その表面にホットメルト系接着剤を厚み2μmに塗布したものを芯金として用いた。
実施例1〜4、比較例1〜4
表1に示した発泡剤(水)量をポリウレタンフォーム層原料に配合し、表1に示した離型層を有する成形型を用いて、芯金の周囲にポリウレタンフォーム層を一体的に形成せしめてなる外径14mmのトナー供給ローラを作成した。なお、ポリウレタンフォーム層原料は25℃で10秒間混合したものを成形型に注入した。また、成形型は予め70℃に加熱したものを用い、加熱発泡硬化はその温度で15分間行った。
得られたトナー供給ローラのポリウレタンフォーム層表面の開口セルの平均セル壁幅及び平均開口セル径、密度、ローラ硬度及び通気量をそれぞれ下記により測定した。また、得られたトナー供給ローラを各色カートリッジのトナー供給ローラとして組み込みこんだカラーレーザービームプリンタ(キヤノン(株)製のLBP−2510)で連続画像出力をして画像評価をした。結果を表1に示す。
平均セル壁幅(μm)及び平均セル径(μm)の測定
得られたローラをリアルタイム走査型レーザー顕微鏡で表面の画像を倍率50倍で取り込み、図2に示すように、隣接するセル4、4の中心を結んだ線上でのセル壁幅aを無作為に50点測定し、その平均値を平均セル壁幅とする。また、無作為に50個のセル4を選択し、各セルで長径、短径を測定しその平均値(当該セルのセル径とする)を求め、次いで、すべてセル径の平均値を求め、これを平均セル径とする。
密度(g/cm3
JIS K6401に準じて、ポリウレタンフォーム層の密度を測定した。
ローラ硬度(g/mm)
測定の様子を図3に、また、測定中のローラ表面にかかる荷重の様子を図4に示す。すなわち、長さ50mm幅10mmの板状押し圧面を有する冶具6にて架台(不図示)上のトナー供給ローラ1の長手方向に沿って接したのちそのまま10mm/minの速度でポリウレタンフォーム層3を押圧し、3g荷重を感知してから、2mm変形させた後、冶具6を10mm/minの速度で開放する。そのときの、押圧時と開放時の1mm変形でのローラ表面にかかる荷重をそれぞれ測定し、その荷重差を求める。荷重差の測定はローラ長手方向3点×周方向4点、合計12点行い、その平均をローラ硬度とする。なお、図3(a)は側面図であり、図3(b)は正面図である。
通気量(l/min)
長さ25mmで切り取ったトナー供給ローラを外径13mmの円筒にはめ込み、一方を大気に曝した状態で他方に流量計を取り付け、さらに流量計の先に真空ポンプを取り付ける。真空ポンプ側の圧力が125Paになるように真空ポンプを作動させ、その時の空気流量を流量計により測定し、通気量とする。
画像評価
得られたトナー供給ローラをフルカラーレーザービームプリンタ(キヤノン(株)製;LBP−2510)のシアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの各トナーカートリッジにトナー供給ローラとして組み込み、このカートリッジをフルカラーレーザービームプリンタ取り付けて、連続耐久試験用のテキストページを連続4000枚出力する。出力終了後1晩以上放置し、翌朝各色のベタ画像を各1枚作像し、その画像を目視にて下記評価をする。○:色抜け、濃度ムラもなく良好。×:色抜け、濃度ムラ等の欠点が発生。なお、「色抜けと」はイメージのあるところにトナーが供給されていないもの、「濃度ムラ」とはベタ画像が不均一になっていることを意味する。
Figure 2006292909
表1の結果から、本発明に従う実施例1〜4では、トナー供給ローラは、ポリウレタン層の平均セル壁幅が100〜300μmで、平均セル径が100〜500μmであり、その密度が0.07〜0.15g/cm3であり、画像評価でも良好である。
これに対して、比較例1では、平均セル壁幅が狭いので現像ローラとの接触が不十分となり、現像ローラから残存トナーを十分に掻き取ることができず、実用可能な画像が得られていない。比較例2では逆に平均セル壁幅が大きすぎ、現像ローラとの接触面積が広くなりすぎ、摩擦の増大と共にトナー劣化も発生し、実用可能な画像が得られない。また、比較例3では、平均セル径が大きすぎて、ポリウレタンフォーム層内部に侵入するトナーの量が増加するため、好適なトナー供給ができず、好ましくない。さらに、比較例4ではセルの開口は良好であるがポリウレタンフォーム層の密度が大きすぎて、個々のセルが単独で存在し、セル同士繋がっていず、トナーの流動性が悪く、トナーが表面からポリウレタンフォーム層の内部に移動できずに滞留し、連続使用しているとトナーにストレスがかかり、トナーの劣化が促進されやすく、好ましくない。
本発明のトナー供給ローラの一例の斜視図である。 トナー供給ローラの弾性層(ポリウレタンフォーム層)の表面を拡大した図である。 トナー供給ローラのローラ硬度の測定方法を示す説明図であって、(a)は側面図、(b)は正面図である。 図3に示すローラ硬度の測定方法でトナー供給ローラへの荷重変化を表した図である。
符号の説明
1 トナー供給ローラ
2 芯金
3 ポリウレタンフォーム層
4 表面に開口しているセル
5 セル間の壁
6 ローラ硬度測定用冶具
a セル壁幅

Claims (4)

  1. ポリウレタンフォーム層を有するトナー供給ローラにおいて、該ポリウレタンフォーム層の表面に開口したセルの壁の厚み(セル壁幅)の平均が100〜300μmであり、開口したセルの平均セル径が100〜500μmであり、かつポリウレタンフォーム層の密度が0.05〜0.15g/cm3であることを特徴とするトナー供給ローラ。
  2. ポリウレタンフォーム層の密度が0.07〜0.15g/cm3であることを特徴とする請求項1に記載のトナー供給ローラ。
  3. ポリウレタンフォーム層の硬度が50~250g/mmであることを特徴とする請求項1又は2記載のトナー供給ローラ。
  4. ポリウレタンフォーム層の通気量が0.3〜2.0(l/min)であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナー供給ローラ。
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