JP3747560B2 - リヤサスペンション装置 - Google Patents

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    • B60G2200/3415Scott-Russel linkage

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、左右のトレーリングリンク間をトーションビームで連結した車両のリヤサスペンション装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
このような従来のリヤサスペンション装置としては例えば特開平5−246223号公報に記載されるものがある。
【0003】
この従来例に記載されるリヤサスペンション装置は、図12に示すように、左右のトレーリングリンク1間を連結するトーションビーム2を、弾性ブッシュ3,4を介してラテラルリンク5で車体に連結すると共に、このラテラルリンク5とトーションビーム2との間を、弾性ブッシュ6,7を介したコントロールロッド8で連結することにより、スコットラッセル機構の原理を応用してバウンス時の横変位(スカッフ)を小さくしたり、また旋回時の横力が車両をジャッキアップする力を相殺したりすることができるものである。勿論、ラテラルリンク5やコントロールロッド8によって十分な横剛性を確保することができるから、ショックアブソーバ等のストラット類に要求される剛性を小さくして、結果的に車体側に要求するサスペンション収納部の容積を小さくすることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来のリヤサスペンション装置にあっては、以下のような問題がある。
【0005】
即ち、前記従来例のリヤサスペンション装置を車両平面視で表すと図13のようになる。図示のものは、ラテラルリンク5の軸線LL やコントロールロッド8の軸線LC が、トーションビーム2の軸線LT より車両前方に配置されたものであるが、例えば図13に示すように右向きの横力Fが入力されると、例えばトレーリングリンク1を車体部材に連結している弾性ブッシュ13のコンプライアンス,つまり撓みによって、リヤサスペンション装置全体が図示反時計回りに回転し、旋回外輪である後左輪にトーアウトが生じる,所謂横力コンプライアンストーアウトが発生し、横力コンプライアンスステアがオーバステア側になる傾向にある。
【0006】
本発明はこれらの諸問題に鑑みて開発されたものであり、トーションビーム式リヤサスペンションで発生しがちな横力コンプライアンスオーバステアを抑制防止可能なリヤサスペンション装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に係るリヤサスペンション装置は、車幅方向両側で車体部材に揺動可能に連結されたトレーリングリンクの後端部を、略車幅方向に配設されたトーションビームで連結し、このトーションビームに、略車幅方向に配設されたラテラルリンクの一端部を、弾性ブッシュを介して揺動可能に連結すると共に、当該ラテラルリンクの他端部を、弾性ブッシュを介して車体部材に揺動可能に連結し、前記トーションビームに、略車幅方向に配設されたコントロールロッドの一端部を、弾性ブッシュを介して揺動可能に連結すると共に、当該コントロールロッドの他端部を、弾性ブッシュを介して前記ラテラルリンクに揺動可能に連結したリヤサスペンション装置において、前記ラテラルリンクとトーションビームとの間に介装した弾性ブッシュの軸線、及び前記コントロールロッドとトーションビームとの間に介装した弾性ブッシュの軸線を、車両平面視で車両前後方向から傾斜させることにより、前記弾性ブッシュによるラテラルリンクとトーションビームとの実質的な連結点を通り且つ車両平面視で当該弾性ブッシュの軸線に直交する直線と、前記弾性ブッシュによるコントロールロッドとトーションビームとの実質的な連結点を通り且つ車両平面視で当該弾性ブッシュの軸線に直交する直線との交点を、トーションビームの軸線より車両後方に設定したことを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明のうち請求項2に係るリヤサスペンション装置は、前記請求項1に係るリヤサスペンション装置において、前記ラテラルリンクとトーションビームとの間に介装した弾性ブッシュの軸線を、車両平面視で車両前方が車幅方向内側になるように所定角度だけ傾斜させ、且つ前記コントロールロッドとトーションビームとの間に介装した弾性ブッシュの軸線を、車両平面視で車両前方が車幅方向外側になるように所定角度だけ傾斜させたことを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明のうち請求項3に係るリヤサスペンション装置は、前記請求項1に係るリヤサスペンション装置において、前記ラテラルリンクとトーションビームとの間に介装した弾性ブッシュの軸線を、車両平面視で車両前方が車幅方向内側になるように所定角度だけ傾斜させ、且つ前記コントロールロッドとトーションビームとの間に介装した弾性ブッシュの軸線を、車両平面視で車両前方が車幅方向内側になるように所定角度だけ傾斜させ、且つ前記コントロールロッドとトーションビームとの間に介装した弾性ブッシュの傾斜角度を、前記ラテラルリンクとトーションビームとの間に介装した弾性ブッシュの傾斜角度より大きく設定したことを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明のうち請求項4に係るリヤサスペンション装置は、前記請求項3に係るリヤサスペンション装置において、前記弾性ブッシュによるラテラルリンクとトーションビームとの実質的な連結点を通り且つ車両平面視で当該弾性ブッシュの軸線に直交する直線と、前記弾性ブッシュによるコントロールロッドとトーションビームとの実質的な連結点を通り且つ車両平面視で当該弾性ブッシュの軸線に直交する直線との交点を、車幅方向中央に相当する車両中心線上に配置したことを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明のうち請求項に係るリヤサスペンション装置は、車幅方向両側で車体部材に揺動可能に連結されたトレーリングリンクの後端部を、略車幅方向に配設されたトーションビームで連結し、このトーションビームに、略車幅方向に配設されたラテラルリンクの一端部を、弾性ブッシュを介して揺動可能に連結すると共に、当該ラテラルリンクの他端部を、弾性ブッシュを介して車体部材に揺動可能に連結し、前記トーションビームに、略車幅方向に配設されたコントロールロッドの一端部を、弾性ブッシュを介して揺動可能に連結すると共に、当該コントロールロッドの他端部を、弾性ブッシュを介して前記ラテラルリンクに揺動可能に連結したリヤサスペンションにおいて、前記コントロールロッドの軸線及びラテラルリンクの軸線を、何れもトーションビームの軸線より車両後方に配置し、且つ前記ラテラルリンクとトーションビームとの間に介装した弾性ブッシュの軸線を、車両平面視で車両前方が車幅方向内側になるように所定角度だけ傾斜させ、且つ前記コントロールロッドとトーションビームとの間に介装した弾性ブッシュの軸線を、車両平面視で車両前方が車幅方向外側になるように所定角度だけ傾斜させたことを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明のうち請求項に係るリヤサスペンション装置は、車幅方向両側で車体部材に揺動可能に連結されたトレーリングリンクの後端部を、略車幅方向に配設されたトーションビームで連結し、このトーションビームに、略車幅方向に配設されたラテラルリンクの一端部を、弾性ブッシュを介して揺動可能に連結すると共に、当該ラテラルリンクの他端部を、弾性ブッシュを介して車体部材に揺動可能に連結し、前記トーションビームに、略車幅方向に配設されたコントロールロッドの一端部を、弾性ブッシュを介して揺動可能に連結すると共に、当該コントロールロッドの他端部を、弾性ブッシュを介して前記ラテラルリンクに揺動可能に連結したリヤサスペンションにおいて、前記コントロールロッドの軸線及びラテラルリンクの軸線を、何れもトーションビームの軸線より車両後方に配置し、且つ前記ラテラルリンクとトーションビームとの間に介装した弾性ブッシュの軸線を、車両平面視で車両前方が車幅方向内側になるように所定角度だけ傾斜させ、且つ前記コントロールロッドとトーションビームとの間に介装した弾性ブッシュの軸線を、車両平面視で車両前方が車幅方向内側になるように所定角度だけ傾斜させ、且つ前記コントロールロッドとトーションビームとの間に介装した弾性ブッシュの傾斜角度を、前記ラテラルリンクとトーションビームとの間に介装した弾性ブッシュの傾斜角度より大きく設定したことを特徴とするものである。
【0014】
また、本発明のうち請求項に係るリヤサスペンション装置は、前記請求項に係るサスペンション装置において、前記弾性ブッシュによるラテラルリンクとトーションビームとの実質的な連結点を通り且つ車両平面視で当該弾性ブッシュの軸線に直交する直線と、前記弾性ブッシュによるコントロールロッドとトーションビームとの実質的な連結点を通り且つ車両平面視で当該弾性ブッシュの軸線に直交する直線との交点を、車幅方向中央に相当する車両中心線上に配置したことを特徴とするものである。
【0015】
また、本発明のうち請求項に係るリヤサスペンション装置は、前記各請求項の発明において、前記弾性ブッシュの軸線を傾斜させるにあたり、各弾性ブッシュの外筒の内壁を、前記各所定方向に所定角度だけ傾斜させることにより、当該弾性ブッシュの弾性力の実質的な軸線を傾斜させることを特徴とするものである。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のうち請求項1に係るリヤサスペンション装置によれば、前記ラテラルリンクとトーションビームとの間に介装した弾性ブッシュの軸線、及び前記コントロールロッドとトーションビームとの間に介装した弾性ブッシュの軸線を、車両平面視で車両前後方向から傾斜させることにより、前記弾性ブッシュによるラテラルリンクとトーションビームとの実質的な連結点を通り且つ車両平面視で当該弾性ブッシュの軸線に直交する直線と、前記弾性ブッシュによるコントロールロッドとトーションビームとの実質的な連結点を通り且つ車両平面視で当該弾性ブッシュの軸線に直交する直線との交点からなるリヤサスペンションの弾性中心を、トーションビームの軸線より車両後方に設定したため、例えば右向きの横力が入力された結果、サスペンション全体が車両平面視で反時計回りに回転して旋回外輪にトーアウトが発生するような場合でも、当該サスペンションの弾性中心を中心として、トーションビームを含むサスペンションの各構成要素に時計回りに回転するモーメントを発生せしめ、この時計回りのモーメントにより旋回外輪のトーアウトを抑制防止し、もって横力コンプライアンスオーバステアを抑制防止することが可能となる。
【0017】
また、本発明のうち請求項2に係るリヤサスペンション装置によれば、ラテラルリンクとトーションビームとの間に介装した弾性ブッシュの軸線を、車両平面視で車両前方が車幅方向内側になるように所定角度だけ傾斜させ、且つコントロールロッドとトーションビームとの間に介装した弾性ブッシュの軸線を、車両平面視で車両前方が車幅方向外側になるように所定角度だけ傾斜させたため、ラテラルリンクとトーションビームとの実質的な連結点を通り且つ両者間の弾性ブッシュの軸線に直交する直線と、コントロールロッドとトーションビームとの実質的な連結点を通り且つ両者間の弾性ブッシュの軸線に直交する直線との交点からなる弾性中心を、トーションビームの軸線より車両後方に設定することができ、横力コンプライアンストーアウトに対して、サスペンションに逆向きのモーメントを発生させることで横力コンプライアンスオーバステアを確実に抑制防止することができる。
【0018】
また、本発明のうち請求項3に係るリヤサスペンション装置によれば、ラテラルリンクとトーションビームとの間に介装した弾性ブッシュの軸線を、車両平面視で車両前方が車幅方向内側になるように所定角度だけ傾斜させ、且つコントロールロッドとトーションビームとの間に介装した弾性ブッシュの軸線を、車両平面視で車両前方が車幅方向内側になるように所定角度だけ傾斜させ、且つコントロールロッドとトーションビームとの間に介装した弾性ブッシュの傾斜角度を、ラテラルリンクとトーションビームとの間に介装した弾性ブッシュの傾斜角度より大きく設定したため、サスペンションの弾性中心をトーションビームの軸線より車両後方に設定することができ、横力コンプライアンストーアウトに対して、サスペンションに逆向きのモーメントを発生させることで横力コンプライアンスオーバステアを確実に抑制防止することができる。
【0019】
また、本発明のうち請求項4に係るリヤサスペンション装置によれば、ラテラルリンクとトーションビームとの実質的な連結点を通り且つ両者間の弾性ブッシュの軸線に車両平面視で直交する直線と、コントロールロッドとトーションビームとの実質的な連結点を通り且つ両者間の弾性ブッシュの軸線に車両平面視で直交する直線との交点を、車幅方向中央に相当する車両中心線上に配置したため、両直線の交点からなるサスペンションの弾性中心を車両中心線上に配置することになり、その結果、右向きの横力と左向きの横力とで発生する左右輪のサスペンションの動き或いは変位の大きさとを一致又は略一致させることができるから、ホイールハウス等のサスペンション両端部の設計が容易になる。
【0020】
また、本発明のうち請求項5に係るリヤサスペンション装置によれば、コントロールロッドの軸線及びラテラルリンクの軸線を、何れもトーションビームの軸線より車両後方に配置したため、ラテラルリンクとトーションビームとの実質的な連結点を通り且つ両者間の弾性ブッシュの軸線に直交する直線と、コントロールロッドとトーションビームとの実質的な連結点を通り且つ両者間の弾性ブッシュの軸線に直交する直線との交点からなるサスペンションの弾性中心は、例え各弾性ブッシュの軸線が車両前後方向に一致又は略一致している場合でも、トーションビームの軸線より車両後方に設定されることになるから、例えば右向きの横力が入力された結果、サスペンション全体が車両平面視で反時計回りに回転して旋回外輪にトーアウトが発生するような場合でも、当該サスペンションの弾性中心を中心として、トーションビームを含むサスペンションの各構成要素に時計回りに回転するモーメントを発生せしめ、この時計回りのモーメントにより旋回外輪のトーアウトを抑制防止し、もって横力コンプライアンスオーバステアを抑制防止することが可能となる。
【0021】
また、ラテラルリンクとトーションビームとの間に介装した弾性ブッシュの軸線を、車両平面視で車両前方が車幅方向内側になるように所定角度だけ傾斜させ、且つコントロールロッドとトーションビームとの間に介装した弾性ブッシュの軸線を、車両平面視で車両前方が車幅方向外側になるように所定角度だけ傾斜させたため、サスペンションの弾性中心をトーションビームより確実に車両後方に設定し、持って横力コンプライアンストーアウトに対して、サスペンションに逆向きのモーメントを発生させることで横力コンプライアンスオーバステアを確実に抑制することができる。
【0022】
また、ラテラルリンクとトーションビームとの間に介装した弾性ブッシュの軸線を、車両平面視で車両前方が車幅方向内側になるように所定角度だけ傾斜させ、且つコントロールロッドとトーションビームとの間に介装した弾性ブッシュの軸線を、車両平面視で車両前方が車幅方向内側になるように所定角度だけ傾斜させ、且つコントロールロッドとトーションビームとの間に介装した弾性ブッシュの傾斜角度を、ラテラルリンクとトーションビームとの間に介装した弾性ブッシュの傾斜角度より大きく設定したため、サスペンションの弾性中心をトーションビームより確実に車両後方に設定し、持って横力コンプライアンストーアウトに対して、サスペンションに逆向きのモーメントを発生させることで横力コンプライアンスオーバステアを確実に抑制することができる。
【0023】
また、本発明のうち請求項に係るリヤサスペンション装置によれば、ラテラルリンクとトーションビームとの実質的な連結点を通り且つ両者間の弾性ブッシュの軸線に車両平面視で直交する直線と、コントロールロッドとトーションビームとの実質的な連結点を通り且つ両者間の弾性ブッシュの軸線に車両平面視で直交する直線との交点を、車幅方向中央に相当する車両中心線上に配置したため、両直線の交点からなるサスペンションの弾性中心を車両中心線上に配置することになり、その結果、右向きの横力と左向きの横力とで発生する左右輪のサスペンションの動き或いは変位の大きさとを一致又は略一致させることができるから、ホイールハウス等のサスペンション両端部の設計が容易になる。
【0024】
また、本発明のうち請求項に係るリヤサスペンション装置によれば、例えば弾性ブッシュの内筒等の軸線そのものを直接傾斜させるのではなく、外筒の内壁が傾斜した弾性ブッシュを用い、その傾斜方向を前記各発明に記載された所定方向に一致させることで、実質的な弾性ブッシュの弾性力の作用軸線、つまり撓みの方向を傾斜させることができるから、前記弾性中心を所望の位置に設定することができ、また弾性ブッシュの外筒の外形の軸線や内筒の軸線は、例えば車両前後方向に一致又は略一致させることができるから、各リンクやアームの連結方法を従来と同様にしても、前述のような横力コンプライアンスオーバステアの抑制防止を可能とすることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ここでは、前置きエンジン前輪駆動車両の後輪に実施化された本発明のリヤサスペンション装置について説明する。
【0026】
図1は、本発明の第1実施形態のリヤサスペンションを示す斜視図であり、図中の符号1は、開放された前端部が、弾性ブッシュ13を介して、車幅方向両端部で図示されない車体部材に揺動可能に連結されたトレーリングリンクであり、その後端部は、略車幅方向に配設されたトーションビーム2によって固定的に連結されている。そして、このトーションビーム2の両端部に、夫々後左右輪を回転自在に支持する車輪支持部材9が取付けられている。また、この車輪支持部材9には、ショックアブソーバ10とコイルスプリング11とを略同軸に配したストラット12の下端入力点が連結されており、その上端部が図示されない車体部材に連結されている。
【0027】
また、前記トーションビーム2の図示左方端部,つまり後右輪側端部の上部には、後述するように軸線LB が傾斜された弾性ブッシュ4を介して、当該トーションビーム2の軸線LT よりやや車両前方で、同じく略車幅方向に配設されたラテラルリンク5の右方端部が揺動可能に連結されている。また、このラテラルリンク5の左方端部は、丁度、前記トーションビーム2の中央部近傍で、弾性ブッシュ3を介して、図示されない車体部材に揺動可能に連結されている。なお、このラテラルリンク5の中央部は、車両前後に並設したリング状部材5aによって上下に大きく張り出していて、そのリング状部材5aは前後に貫通する穴部5bがある。
【0028】
そして、このラテラルリンク5の中央部リング状部材5aの穴部5b内に、同じくトーションビーム2の軸線LT より車両前方で略車幅方向に配設されたコントロールロッド8が内装されている。このコントロールロッド8の図示左方端部,つまり後右輪側端部が、弾性ブッシュ6を介して前記ラテラルロッド5のリング状部材5a部分に揺動可能に連結されている。また、このコントロールロッド8の右方端部が、後述するように軸線LD が傾斜された弾性ブッシュ7を介して、前記トーションビーム2に揺動可能に連結されている。
【0029】
つまり、後左右輪を連結するトーションビーム2は、その一方の端部が、ラテラルリンク5によって、車体部材の略中央部に揺動可能に連結されるが、このラテラルリンク5とトーションビーム2との間に、揺動可能なコントロールロッド8が架け渡されている。これによって、左右輪が同時にバウンシングする際には、スコットラッセル機構の原理が作用して、横変位(スカッフ)が防止される。また、ラテラルリンク5だけでは旋回時の横力が車両をジャッキアップしてしまう力を、コントロールロッド8を介したスコットラッセル機構の原理によって相殺することもできるものである。勿論、車体ロール時の対地キャンバ角を最適化することもできるし、或いはラテラルリンク5やコントロールロッド8によって十分な横剛性を確保することができるから、ショックアブソーバ10等のストラット12類に要求される剛性を小さくして、例えばトランクルームへの張出等、結果的に車体側に要求するサスペンション収納部の容積を小さくすることができる。
【0030】
このトーションビーム式リヤサスペンションを車両平面視で表したのが図2である。前述した各リンク間に介装される弾性ブッシュ3,4,6,7は、所謂外筒と内筒とが同軸に配置され、両者間にゴム等の弾性部材が介装されたごく一般的なものであり、すぐり等を設けて弾性力に強弱の方向性を持たせるような操作を加えていないので、前記外筒や内筒の軸線を当該弾性ブッシュの実質的な弾性力の軸線(以下、単に弾性ブッシュの軸線と記す)と定義する。そして、例えばトーションビーム2とラテラルリンク5との連結点に用いられる弾性ブッシュ3や、ラテラルリンク5とコントロールロッド8との連結点に用いられる弾性ブッシュ6は、従来と同様に、その軸線を車両前後方向に一致又は略一致させているのであるが、この実施形態では、前記ラテラルリンク5とトーションビーム2との間に介装した弾性ブッシュ4の軸線LB を、車両平面視で車両前方が車幅方向内側になるように所定角度αB だけ傾斜させると共に、前記コントロールロッド8とトーションビーム2との間に介装した弾性ブッシュ7の軸線LD を、車両平面視で車両前方が車幅方向内側になるように所定角度αD だけ傾斜させ、更に前記コントロールロッド8とトーションビーム2との間に介装した弾性ブッシュ7の傾斜角度αD を、前記ラテラルリンク5とトーションビーム2との間に介装した弾性ブッシュ4の傾斜角度αB よりも大きく設定している。
【0031】
次に、本実施形態のリヤサスペンション装置の作用について説明する。上記の構成を有する本実施形態のリヤサスペンション装置は、本願発明のうち請求項1及び3に係る発明の実施形態である。そして、前記ラテラルリンク5は前記弾性ブッシュ3を介して車体部材に実質的な連結点A点で連結され、当該ラテラルリンク5とトーションビーム2とは、弾性ブッシュ4を介して実質的な連結点B点で連結されている。また、コントロールロッド8は弾性ブッシュ6を介して実質的な連結点C点でラテラルリンク5に連結され、同時に弾性ブッシュ7を介してトーションビーム2に実質的な連結点D点で連結されている。また、この実施形態では、ラテラルリンク5の軸線LL やコントロールロッド8の軸線LC は、トーションビーム2の軸線より距離D0 だけ車両前方にある。例えばトーションビーム2に横力Fが作用したときに当該トーションビーム2が各弾性ブッシュの撓み変形によって変位する中心点は、前記ラテラルリンク5とトーションビーム2との実質的な連結点B点を通り且つ両者間の弾性ブッシュ4の軸線LB に直交する直線と、ラテラルリンク5とコントロールロッド8との実質的な連結点D点を通り且つ両者間の弾性ブッシュ7の軸線LD に直交する直線との交点にある。これをサスペンションの弾性中心Oと定義する。
【0032】
このようにサスペンションの弾性中心を定義したとき、本実施形態では、ラテラルリンク5とトーションビーム2との間に介装した弾性ブッシュ4の軸線LB を、車両平面視で車両前方が車幅方向内側になるように所定角度αB だけ傾斜させ、且つ前記コントロールロッド8とトーションビーム2との間に介装した弾性ブッシュ7の軸線LD を、車両平面視で車両前方が車幅方向内側になるように所定角度αD だけ傾斜させ、且つ前記コントロールロッド8とトーションビーム2との間に介装した弾性ブッシュ7の傾斜角度αD を、前記ラテラルリンク5とトーションビーム2との間に介装した弾性ブッシュ4の傾斜角度αB より大きく設定しているために、それらから設定されるこのリヤサスペンションの弾性中心Oは、少なくともトーションビーム2の軸線LT より距離D1 だけ車両後方に設定される。
【0033】
前述のように、トーションビーム式リヤサスペンションに例えば右向きの横力Fが作用すると、トレーリングリンク1を車体部材に連結するための弾性ブッシュ13のコンプライアンス,つまり撓み変形によって、サスペンション全体が反時計回りに回転し、旋回外輪,つまり後左輪がトーアウト方向に変化して横力コンプライアンスオーバステアが発生しがちである。ところが、サスペンションの弾性中心Oがトーションビーム2の軸線LT より車両後方にあると、例えば図示のように右向きの横力Fが作用しても、後述する図14の矢印方向とは逆向きに、トーションビーム2には当該弾性中心Oを中心として時計回りに矢印a方向のモーメントが作用し、旋回外輪,つまり後左輪をトーインさせようとする(これも横力コンプライアンスステアである)。
【0034】
従って、同じ横力Fが作用したとき、トレーリングリンク1を車体部材に連結する弾性ブッシュ13の撓み変位による旋回外輪,つまり後左輪のトーアウト方向へのトー角変化量をδ0 、弾性中心Oを中心としてトーションビーム2に作用するモーメントがもたらす旋回外輪,つまり後左輪のトーイン方向へのトー角変化量をδ1 として、両者を図3に重ね合わせて表示すると、このトーイン方向へのトー角変化量δ1 分だけ、横力コンプライアンスオーバステアが抑制されることになる。また、トレーリングリンクを車体部材に連結する弾性ブッシュの剛性が十分に高ければ、横力コンプライアンスオーバステアを完全に打ち消すことも可能であるし、更にはこれをアンダステア方向に設定することも可能となる。何れの場合も、車両の旋回時における安定性を向上することに繋がる。
【0035】
ちなみに、このようにトーションビーム2の軸線LT が、ラテラルリンク5の軸線LL 及びコントロールロッド8の軸線LC より車両後方にあり、各弾性ブッシュの軸線は、全て車両前後方向又は略前後方向に一致している場合を図14に示す。この場合のリヤサスペンションの弾性中心Oは、前記ラテラルリンク5とトーションビーム2との実質的な連結点B点と、ラテラルリンク5とコントロールロッド8との実質的な連結点D点とを結ぶ直線上,つまりラテラルリンク5やコントロールロッド8の軸線LL ,LC 上に存在する(弾性中心の位置は、二つの弾性ブッシュの剛性バランスに応じて決まる)。ところが、ラテラルリンク5やコントロールロッド8の軸線LL ,LC ,つまりサスペンションの弾性中心Oが、トーションビーム2の軸線LT より、例えば距離D0 だけ車両前方にあるから、例えば図14のように右向きの横力Fが入力されると、前記弾性中心Oを中心として、サスペンション全体を図示反時計回りの矢印b方向に回転しようとするモーメントが作用する。このモーメントは、前記トレーリングリンク1を車体部材に連結する弾性ブッシュ13のコンプライアンス,つまり撓みによる横力コンプライアンストーアウトを更に助長し、横力コンプライアンスオーバステアに対して、更に旋回外輪である後左輪をトーアウト側に変位させようとするから、オーバステアが相乗されてしまう。
【0036】
次に、本発明の第2実施形態のリヤサスペンションを、図4を用いて説明する。この第2実施形態以後において、前述した第1実施形態と同等の構成部材や、各部材間の実質的な連結点、或いは弾性中心等には、同等の符号を付して、それらの詳細な説明を割愛する。
【0037】
この実施形態では、前記ラテラルリンク5とトーションビーム2との間に介装した弾性ブッシュ4の軸線LB を、車両平面視で車両前方が車幅方向内側になるように所定角度αB だけ傾斜させ、且つ前記コントロールロッド8とトーションビーム2との間に介装した弾性ブッシュ7の軸線LD を、車両平面視で車両前方が車幅方向外側になるように所定角度αD だけ傾斜させている。つまり、本実施形態のリヤサスペンション装置は、本願発明のうち請求項1及び2に係る発明の実施形態として構成されている。これにより、前記ラテラルリンク5とトーションビーム2との実質的な連結点B点を通り且つ両者間の弾性ブッシュ4の軸線LB に直交する直線と、ラテラルリンク5とコントロールロッド8との実質的な連結点D点を通り且つ両者間の弾性ブッシュ7の軸線LD に直交する直線との交点からなる弾性中心Oは、トーションビーム2の軸線LT 上か、それよりやや車両後方に設定される。従って、第1実施形態に比してモーメントアームが短い分だけ、横力Fが作用したときに旋回外輪(後左輪)をトーイン方向に変化させる矢印a方向へのモーメントは小さいが、少なくとも前述した図14のように横力コンプライアンスオーバステアを助長するようなことはない。勿論、各弾性ブッシュ4,7の傾斜所定角度αB ,αD を図示のものより更に大きく設定すれば、前述の弾性中心Oを更に車両後方に設定してモーメントアームを長くし、もって旋回外輪をトーイン方向に変化させる矢印a方向へのモーメントを大きくすることは可能である。
【0038】
次に、本発明の第3実施形態のリヤサスペンションを、図5を用いて説明する。この実施形態における前記ラテラルリンク5とトーションビーム2との間に介装した弾性ブッシュ4の軸線LB 、及び前記コントロールロッド8とトーションビーム2との間に介装した弾性ブッシュ7の軸線LD の傾斜方向は、前記第1実施形態と同じで、何れも車両平面視で車両前方が車幅方向内側になるようにしてある(但し、αD >αB )が、この実施形態では、それらの傾斜所定角度αB ,αD を工夫することにより、ラテラルリンク5とトーションビーム2との実質的な連結点B点を通り且つ両者間の弾性ブッシュ4の軸線LB に直交する直線と、ラテラルリンク5とコントロールロッド8との実質的な連結点D点を通り且つ両者間の弾性ブッシュ7の軸線LD に直交する直線との交点からなるサスペンションの弾性中心Oを、トーションビーム2の軸線LT より距離D1 だけやや車両後方で、車幅方向中央の車両中心線L0 上に設定している。つまり、本実施形態のリヤサスペンション装置は、本願発明のうち請求項1及び3及び4に係る発明の実施形態として構成されている。従って、トーションビーム2に横力が作用すると、前記第1実施形態と同様に、この弾性中心Oを中心として矢印a方向へのモーメントが作用し、トーションビーム2が回転変位しようとするのであるが、このように弾性中心Oを車両中心線L0 上に設定すると、左右からの横力の大きさが等しければトーションビーム2の回転変位量が左右同等になり、従って例えばホイールハウスに要求される車輪のトー角変化量を左右で同じに考えればよいなど、ホイールハウスの設計が容易になる。
【0039】
次に、本発明の第4実施形態のリヤサスペンションを、図6を用いて説明する。この実施形態は、前述の各実施形態と異なり、前記ラテラルリンク5とトーションビーム2との間に介装した弾性ブッシュ4の軸線LB 、及び前記コントロールロッド8とトーションビーム2との間に介装した弾性ブッシュ7の軸線LD を、何れも車両前後方向に一致させている。但し、前述の各実施形態とは、ラテラルリンク5の軸線LL 及びコントロールロッド8の軸線LC を、何れもトーションビーム2の軸線LT より後方に設定している点も異なる。つまり、本実施形態のリヤサスペンション装置は、本願発明のうち請求項5に係る発明の実施形態として構成されている。前述のようにラテラルリンク5とトーションビーム2との間に介装した弾性ブッシュ4の軸線LB 、及び前記コントロールロッド8とトーションビーム2との間に介装した弾性ブッシュ7の軸線LD を、何れも車両前後方向に一致させると、前記サスペンションの弾性中心Oは、前者の実質的な連結点B点と後者の実質的な連結点D点とを結ぶ直線上,つまりコントロールロッド8やラテラルリンク5の軸線LL ,LC 上に存在する。ところが、コントロールロッド8の軸線LC 及びラテラルリンク5の軸線LL が、トーションビーム2の軸線LT より距離D1 (=D0 )だけ車両後方にレイアウトされていることは、サスペンションの弾性中心Oもトーションビーム2の軸線LT より距離L1 だけ車両後方にあることになるから、前述のその他の実施形態と同様に、トーションビーム2に横力Fが作用すると、この弾性中心Oを中心として矢印a方向へのモーメントが作用し、前記トレーリングリンク1を車体部材に連結するための弾性ブッシュ13のコンプライアンス,つまり撓み変形による横力コンプライアンスオーバステアが抑制防止される。
【0040】
次に、本発明の第5実施形態のリヤサスペンションを、図7を用いて説明する。この実施形態は、前記第4実施形態のようにラテラルリンク5の軸線LL 及びコントロールロッド8の軸線LC が、何れもトーションビーム2の軸線LT より車両後方にレイアウトされたサスペンションにおいて、更に第1実施形態のように前記ラテラルリンク5とトーションビーム2との間に介装した弾性ブッシュ4の軸線LB 、及び前記コントロールロッド8とトーションビーム2との間に介装した弾性ブッシュ7の軸線LD を、夫々所定角度αB ,αD で、何れも車両平面視で車両前方が車幅方向内側になるように傾斜させたものである(但し、αD >αB )。つまり、本実施形態のリヤサスペンション装置は、本願発明のうち請求項5及び7に係る発明の実施形態として構成されている。従って、例えばこの傾斜所定角度αB ,αD が、第1実施形態のそれと同等であっても、予めラテラルリンク5の軸線LL 及びコントロールロッド8の軸線LC がトーションビーム2の軸線LT より車両後方にある分だけ、モーメントアームに相当するトーションビーム2から弾性中心Oまでの距離D1 が長くなる。従って、トーションビーム2に作用する同等の横力Fに対して、この弾性中心Oを中心とするより大きな矢印a方向へのモーメントが作用し、前記トレーリングリンク1を車体部材に連結するための弾性ブッシュ13のコンプライアンス,つまり撓み変形による横力コンプライアンスオーバステアが抑制防止される。
【0041】
次に、本発明の第6実施形態のリヤサスペンションを、図8を用いて説明する。この実施形態は、前記第4実施形態のようにラテラルリンク5の軸線LL 及びコントロールロッド8の軸線LC が、何れもトーションビーム2の軸線LT より車両後方にレイアウトされたサスペンションにおいて、更に第2実施形態のように前記ラテラルリンク5とトーションビーム2との間に介装した弾性ブッシュ4の軸線LB を、車両平面視で車両前方が車幅方向内側になるように所定角度αB だけ傾斜させ、且つ前記コントロールロッド8とトーションビーム2との間に介装した弾性ブッシュ7の軸線LD を、車両平面視で車両前方が車幅方向外側になるように所定角度αD だけ傾斜させている。つまり、本実施形態のリヤサスペンション装置は、本願発明のうち請求項5及び6に係る発明の実施形態として構成されている。従って、例えばこの傾斜所定角度αB ,αD が、第2実施形態のそれと同等であっても、予めラテラルリンク5の軸線LL 及びコントロールロッド8の軸線LC がトーションビーム2の軸線LT より車両後方にある分だけ、モーメントアームに相当するトーションビーム2から弾性中心Oまでの距離D1 が長くなる。従って、トーションビーム2に作用する同等の横力Fに対して、この弾性中心Oを中心とするより大きな矢印a方向へのモーメントが作用し、前記トレーリングリンク1を車体部材に連結するための弾性ブッシュ13のコンプライアンス,つまり撓み変形による横力コンプライアンスオーバステアが抑制防止される。
【0042】
次に、本発明の第7実施形態のリヤサスペンションを、図9を用いて説明する。この実施形態は、前記第5実施形態におけるラテラルリンク5とトーションビーム2との間に介装した弾性ブッシュ4の軸線LB の傾斜所定角度αB 、及び前記コントロールロッド8とトーションビーム2との間に介装した弾性ブッシュ7の軸線LD の傾斜所定角度αD を工夫することで、前記第3実施形態のようにサスペンションの弾性中心Oを車幅方向中央の車両中心線L0 上に設定している。つまり、本実施形態のリヤサスペンション装置は、本願発明のうち請求項5及び7及び8に係る発明の実施形態として構成されている。従って、トーションビーム2に作用する同等の横力Fに対する横力コンプライアンスオーバステアを抑制防止するだけでなく、左右からの横力の大きさが等しければトーションビーム2の回転変位量が左右同等になり、従って例えばホイールハウスに要求される車輪のトー角変化量を左右で同じに考えればよいなど、ホイールハウスの設計が容易になる。
【0043】
次に、本願発明のうち請求項9に係る発明を実施化した、その他の実施形態について図10,図11を用いて説明する。前記第4実施形態を除く前述の各実施形態では、例えば図10aに示すように本来外筒14と内筒15とが同軸な弾性ブッシュ4,7を、前述のような所定方向に所定角度αB ,αD だけ傾斜させてトーションビーム2とラテラルリンク5との間に介装する形で両者を連結したり、図11aに示すようにトーションビーム2とコントロールロッド8との間に介装する形で両者を連結したりしている。しかしながら、このような連結構造では、各部材の全ての弾性ブッシュの取付構造を変更しなければならない。そこで、例えば図10bに示すように弾性ブッシュ4の外筒14の内壁を、前述の所定方向に所定角度αB で傾斜させ、外筒14の外壁や内筒15自体は車両前後方向に一致させて、トーションビーム2とラテラルリンク5とを連結しても、同図10aのように軸線LB を直接傾斜させた場合と同様の効果がある。
【0044】
つまり、この図10bの弾性ブッシュ4で弾性力が有効に作用する方向は、図10aの場合と同じであり、従ってサスペンションの弾性中心Oは、この弾性ブッシュ4によるトーションビーム2とラテラルリンク5との実質的な連結点B点を通り且つ外筒14の内壁の傾斜方向に直交する直線上に存在する。また、例えば図11bに示すように弾性ブッシュ7の外筒14の内壁を、前述の所定方向に所定角度αD で傾斜させ、外筒14の外壁や内筒15自体は車両前後方向に一致させて、トーションビーム2とコントロールロッド8とを連結しても、同図11aのように軸線LD を直接傾斜させた場合と同様に効果がある。つまり、この図11bの弾性ブッシュ7で弾性力が有効に作用する方向は、図11aの場合と同じであり、従ってサスペンションの弾性中心Oは、この弾性ブッシュ7によるトーションビーム2とコントロールロッド8との実質的な連結点D点を通り且つ外筒14の内壁の傾斜方向に直交する直線上に存在する。従って、このようにすれば前述と同様に横力コンプライアンスオーバステアを抑制防止できると共に、弾性ブッシュ4,7の形状を変更するだけで、トーションビーム2とラテラルリンク5との取付構造やトーションビーム2とコントロールロッド8との取付構造そのものは変更せずともよく、その分だけ実施化し易いという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリヤサスペンション装置の第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1のリヤサスペンション装置の平面図である。
【図3】図1のリヤサスペンション装置の作用説明図である。
【図4】本発明のリヤサスペンション装置の第2実施形態を示す平面図である。
【図5】本発明のリヤサスペンション装置の第3実施形態を示す平面図である。
【図6】本発明のリヤサスペンション装置の第4実施形態を示す平面図である。
【図7】本発明のリヤサスペンション装置の第5実施形態を示す平面図である。
【図8】本発明のリヤサスペンション装置の第6実施形態を示す平面図である。
【図9】本発明のリヤサスペンション装置の第7実施形態を示す平面図である。
【図10】本発明のリヤサスペンション装置の他の実施形態を示すトーションビームとラテラルリンクとの連結部分の説明図である。
【図11】本発明のリヤサスペンション装置の他の実施形態を示すトーションビームとコントロールロッドとの連結部分の説明図である。
【図12】従来のリヤサスペンション装置の一例を示す斜視図である。
【図13】図12のリヤサスペンション装置の作用説明図である。
【図14】図12のリヤサスペンション装置の平面図である。
【符号の説明】
1はトレーリングリンク
2はトーションビーム
3は弾性ブッシュ
4は弾性ブッシュ
5はラテラルリンク
6は弾性ブッシュ
7は弾性ブッシュ
8はコントロールロッド
9は車輪支持部材
10はショックアブソーバ
11はコイルスプリング
12はストラット部材
13は弾性ブッシュ
14は外筒
B は弾性ブッシュの軸線
D は弾性ブッシュの軸線
T はトーションビームの軸線
L はラテラルリンクの軸線
C はコントロールロッドの軸線
αB は傾斜所定角度
αD は傾斜所定角度
Aはラテラルリンクと車体部材との実質的な連結点
Bはラテラルリンクとトーションビームとの実質的な連結点
Cはコントロールロッドとラテラルリンクとの実質的な連結点
Dはコントロールロッドとトーションビームとの実質的な連結点
Oはサスペンションの弾性中心

Claims (8)

  1. 車幅方向両側で車体部材に揺動可能に連結されたトレーリングリンクの後端部を、略車幅方向に配設されたトーションビームで連結し、このトーションビームに、略車幅方向に配設されたラテラルリンクの一端部を、弾性ブッシュを介して揺動可能に連結すると共に、当該ラテラルリンクの他端部を、弾性ブッシュを介して車体部材に揺動可能に連結し、前記トーションビームに、略車幅方向に配設されたコントロールロッドの一端部を、弾性ブッシュを介して揺動可能に連結すると共に、当該コントロールロッドの他端部を、弾性ブッシュを介して前記ラテラルリンクに揺動可能に連結したリヤサスペンションにおいて、前記ラテラルリンクとトーションビームとの間に介装した弾性ブッシュの軸線、及び前記コントロールロッドとトーションビームとの間に介装した弾性ブッシュの軸線を、車両平面視で車両前後方向から傾斜させることにより、前記弾性ブッシュによるラテラルリンクとトーションビームとの実質的な連結点を通り且つ車両平面視で当該弾性ブッシュの軸線に直交する直線と、前記弾性ブッシュによるコントロールロッドとトーションビームとの実質的な連結点を通り且つ車両平面視で当該弾性ブッシュの軸線に直交する直線との交点を、トーションビームの軸線より車両後方に設定したことを特徴とするリヤサスペンション装置。
  2. 前記ラテラルリンクとトーションビームとの間に介装した弾性ブッシュの軸線を、車両平面視で車両前方が車幅方向内側になるように所定角度だけ傾斜させ、且つ前記コントロールロッドとトーションビームとの間に介装した弾性ブッシュの軸線を、車両平面視で車両前方が車幅方向外側になるように所定角度だけ傾斜させたことを特徴とする請求項1に記載のリヤサスペンション装置。
  3. 前記ラテラルリンクとトーションビームとの間に介装した弾性ブッシュの軸線を、車両平面視で車両前方が車幅方向内側になるように所定角度だけ傾斜させ、且つ前記コントロールロッドとトーションビームとの間に介装した弾性ブッシュの軸線を、車両平面視で車両前方が車幅方向内側になるように所定角度だけ傾斜させ、且つ前記コントロールロッドとトーションビームとの間に介装した弾性ブッシュの傾斜角度を、前記ラテラルリンクとトーションビームとの間に介装した弾性ブッシュの傾斜角度より大きく設定したことを特徴とする請求項1に記載のリヤサスペンション装置。
  4. 前記弾性ブッシュによるラテラルリンクとトーションビームとの実質的に連結点を通り且つ車両平面視で当該弾性ブッシュの軸線に直交する直線と、前記弾性ブッシュによるコントロールロッドとトーションビームとの実質的な連結点を通り且つ車両平面視で当該弾性ブッシュの軸線に直交する直線との交点を、車幅方向中央に相当する車両中心線上に配置したことを特徴とする請求項3に記載のリヤサスペンション装置。
  5. 車幅方向両側で車体部材に揺動可能に連結されたトレーリングリンクの後端部を、略車幅方向に配設されたトーションビームで連結し、このトーションビームに、略車幅方向に配設されたラテラルリンクの一端部を、弾性ブッシュを介して揺動可能に連結すると共に、当該ラテラルリンクの他端部を、弾性ブッシュを介して車体部材に揺動可能に連結し、前記トーションビームに、略車幅方向に配設されたコントロールロッドの一端部を、弾性ブッシュを介して揺動可能に連結すると共に、当該コントロールロッドの他端部を、弾性ブッシュを介して前記ラテラルリンクに揺動可能に連結したリヤサスペンションにおいて、前記コントロールロッドの軸線及びラテラルリンクの軸線を、何れもトーションビームの軸線より車両後方に配置し、且つ前記ラテラルリンクとトーションビームとの間に介装した弾性ブッシュの軸線を、車両平面視で車両前方が車幅方向内側になるように所定角度だけ傾斜させ、且つ前記コントロールロッドとトーションビームとの間に介装した弾性ブッシュの軸線を、車両平面視で車両前方が車幅方向外側になるように所定角度だけ傾斜させたことを特徴とするリヤサスペンション装置。
  6. 車幅方向両側で車体部材に揺動可能に連結されたトレーリングリンクの後端部を、略車幅方向に配設されたトーションビームで連結し、このトーションビームに、略車幅方向に配設されたラテラルリンクの一端部を、弾性ブッシュを介して揺動可能に連結すると共に、当該ラテラルリンクの他端部を、弾性ブッシュを介して車体部材に揺動 可能に連結し、前記トーションビームに、略車幅方向に配設されたコントロールロッドの一端部を、弾性ブッシュを介して揺動可能に連結すると共に、当該コントロールロッドの他端部を、弾性ブッシュを介して前記ラテラルリンクに揺動可能に連結したリヤサスペンションにおいて、前記コントロールロッドの軸線及びラテラルリンクの軸線を、何れもトーションビームの軸線より車両後方に配置し、且つ前記ラテラルリンクとトーションビームとの間に介装した弾性ブッシュの軸線を、車両平面視で車両前方が車幅方向内側になるように所定角度だけ傾斜させ、且つ前記コントロールロッドとトーションビームとの間に介装した弾性ブッシュの軸線を、車両平面視で車両前方が車幅方向内側になるように所定角度だけ傾斜させ、且つ前記コントロールロッドとトーションビームとの間に介装した弾性ブッシュの傾斜角度を、前記ラテラルリンクとトーションビームとの間に介装した弾性ブッシュの傾斜角度より大きく設定したことを特徴とするリヤサスペンション装置。
  7. 前記弾性ブッシュによるラテラルリンクとトーションビームとの実質的な連結点を通り且つ車両平面視で当該弾性ブッシュの軸線に直交する直線と、前記弾性ブッシュによるコントロールロッドとトーションビームとの実質的な連結点を通り且つ車両平面視で当該弾性ブッシュの軸線に直交する直線との交点を、車幅方向中央に相当する車両中心線上に配置したことを特徴とする請求項に記載のリヤサスペンション装置。
  8. 前記弾性ブッシュの軸線を傾斜させるにあたり、各弾性ブッシュの外筒の内壁を、前記各所定方向に所定角度だけ傾斜させることにより、当該弾性ブッシュの弾性力の実質的な軸線を傾斜させることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載のリヤサスペンション装置。
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