JP3747319B2 - テラヘルツ波発生装置とその同調方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、テラヘルツ波発生装置とその同調方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
周波数範囲が1〜3THzである遠赤外線あるいはサブミリ波の領域は、光波と電波の境界に位置しており、光波と電波がそれぞれの領域で発展してきたのとは対象的に、技術面及び応用面の両面で未開拓の分野として取り残されていた。しかし、無線通信におけるこの周波数帯(1〜3THz)の有効利用や超高速通信への対応、およびこの周波数帯の電磁波の特徴を生かしたイメージングやトモグラフィーによる環境計測、そして生物や医学への応用など、この領域は近年ますます重要となってきている。以下、この周波数帯(1〜3THz)の遠赤外線及びサブミリ波を「テラヘルツ波」と呼ぶ。
【0003】
図1(A)は、このテラヘルツ波の発生原理図である。この図において、1は非線形光学結晶(例えばLiNbO)、2はポンプ光(例えばYAGレーザー光)、3はアイドラ光、4はテラヘルツ波である。
【0004】
ラマン活性かつ遠赤外活性を有する非線形光学結晶1にポンプ光2を一定方向に入射すると、誘導ラマン効果(又はパラメトリック相互作用)により物質の素励起波(ポラリトン)を介してアイドラ光3とテラヘルツ波4が発生する。この場合、ポンプ光2(ω)、テラヘルツ波4(ω)、アイドラ光3(ω)の間には、式(a)で示すエネルギー保存則と式(b)で示す運動量保存則(位相整合条件)が成り立つ。なお、式(b)はベクトルであり、ノンコリニアな位相整合条件は、図1(A)の右上に示すように表現できる。
ω=ω+ω・・・(a)
κ=κ+κ・・・(b)
このとき発生するアイドラ光3とテラヘルツ波4は空間的な広がりを持ち、その出射角度に応じてそれらの波長は連続的に変化する。このシングルパス配置におけるブロードなアイドラ光及びテラヘルツ波の発生をTPG(THz−wave Paramatric Generation)と呼ぶ。
【0005】
なお、基本的な光パラメトリック過程は、1個のポンプ光子の消滅と、1個のアイドラ光子および1個のシグナル光子の同時生成によって定義される。アイドラ光あるいはシグナル光が共振する場合、ポンプ光強度が一定のしきい値を超えるとパラメトリック発振が生じる。また、1個のポンプ光子の消滅と、1個のアイドラ光子および1個のポラリトンの同時生成が誘導ラマン散乱であり、広義のパラメトリック相互作用に含まれる。
【0006】
上述したように、図1(A)において非線形光学結晶1であるLiNbO結晶へ、Z軸偏光を持つ周波数ωρのポンプ光2を入射すると、パラメトリック波長変換により、ポンプ光2よりわずかに周波数の低いアイドラ光3(周波数ω)、ポンプ光とアイドラ光の差周波数に一致するテラヘルツ波4(周波数ω)が発生する。また、アイドラ光、テラヘルツ波ビームの出射方向は、ノンコリニア位相整合条件(角度θ、φ)によって与えられ、波長ごとにわずかに異なる角度を持つ。
【0007】
しかし、ポンプ光2のみが結晶1に注入される場合、アイドラ光3とテラヘルツ波4はパラメトリックノイズから発生する自然放出光であるためスペクトル線幅は数百GHzに達し、きわめて広く、かつ発生したテラヘルツ波は非常に微弱であり、しかもその大部分は、非線形光学結晶中を数百μm進む間に吸収されてしまうという問題点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
図1(B)はこの問題点を解決した光注入型テラヘルツ波パラメトリック発生器(is-TPG)の原理図である(特開2002−72269)。このis-TPGでは、ポンプ光2よりも1〜3THz周波数が低く、スペクトル線幅の狭いシード光5をアイドラ光発生の種としてLiNbO結晶1に注入し、ポンプ光2とアイドラ光3の差周波数であるテラヘルツ波のスペクトル線幅狭さく化を図っている。
【0009】
図2は、上述した原理に基づく従来のis-TPGの構成図である。この図においてポンプ光2の光源は波長固定の単一周波数Nd:YAGレーザー、シード光5の光源は波長可変半導体レーザーである。シード光5は、反射鏡M1、M2で反射されポンプ光2とわずかな角度(θIN)をつけてMgO:LiNbO結晶1に注入されている。
【0010】
図1(B)及び図2の方法及び装置によれば、第2レーザー装置を用いてポンプ光により発生するアイドラ光3の発生方向にシード光5を光注入するので、パラメトリック相互作用のみで非線形光学結晶内にアイドラ光3を発生させるよりも、強いアイドラ光を発生することができる。これにより、この方向のアイドラ光3の光強度が高まり、ノンコリニアな位相整合条件を満たすテラヘルツ波4の強度も大幅に高まることが確認されている。
【0011】
また、アイドラ光3の指向性が強く、かつポンプ光2とシード光5の両方にレーザー光を用いているので、発生するテラヘルツ波4の発生方向の指向性が高まるばかりでなく、スペクトル幅も大幅に狭線化できることが同様に確認されている。
【0012】
しかしテラヘルツ波周波数の同調は、シード光5の入射角θINが、ノンコリニア位相整合を満たすためシード光5の可変波長に応じて調整されなければならない。
【0013】
例えば上述したテラヘルツ波発生装置において、ポンプ光3の結晶への入射角θINをある範囲(例えば1〜2.5°)で変えると、結晶中でのポンプ光とアイドラ光のなす角が変化し、テラヘルツ波とアイドラ光のなす角度も変化する。
【0014】
そのため、テラヘルツ波を例えば波長約140〜310μmの範囲で大きく変える場合にはLiNbO結晶入射面上の点Aでビームが最適な角度(例えば1〜2.5°)で交差するようにy軸ステージと鏡M1を手動で微調整する必要がある。したがって、従来のテラヘルツ波パラメトリック発生器はこの調整のため周波数の同調に時間と手間がかかり、自動化や分光システムへの組み込みが困難であるという問題点があった。
【0015】
なお、シード光入射角の許容範囲は約±0.1°あるため、200GHz以下程度の狭い幅を調整するのであれば入射角調整を必要とせず、シード光周波数調整のみでテラヘルツ波の同調が可能である。
【0016】
また、図3はビーム偏向素子と共焦点光学系を利用したテラヘルツ波発生装置の原理図である(特願2001−187735、未公開)。このビーム偏向素子6は、ポンプ光の入射角制御を高速に行うことができる。同じビーム偏向素子と共焦点光学系をシード光に応用すれば、シード光ビームの入射角調整を1枚の鏡で行うことができる。しかし、このビーム偏向素子を用いる場合でも、光注入を維持するためには常にシード光波長を監視して光ビームスキャナ出射角を制御する必要があり、システムが複雑となる欠点があった。
【0017】
本発明は、かかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち本発明の目的は、ノンコリニア位相整合を用いる光注入型テラヘルツ波パラメトリック発生器(is-TPG)の周波数同調を実質的に自動で行うことができ、これによりシード光波長を変える度に光軸調整する必要がなくなり、テラヘルツ波周波数同調が極めて簡単、高速に行えるテラヘルツ波発生装置とその同調方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、パラメトリック効果によってテラヘルツ波発生が可能な非線形光学結晶(1)と、該非線形光学結晶内にポンプ光(2)を入射するポンプ光入射装置(12)と、ポンプ光により発生するアイドラ光(3)の発生方向に波長が可変である可変周波数のシード光(5)を光注入するシード光注入装置(14)とを備え、該シード光注入装置(14)は、シード光の入射角θ(λ)の単位波長あたりの角度変化dθ(λ)/dλに一定の係数αを掛けたものが、シード光の非線形光学結晶(1)への入射角θIN がノンコリニア位相整合角の波長分散特性を満たす分散dθIN(λ)/dλに実質的に一致するように設定された角度分散補償手段(16)を有し、
前記角度分散補償手段(16)は、シード光の波長の相違によりその光路が分散する波長分散素子(17)と、分散した光路の拡大又は縮小を行う分散拡縮素子(18)とからなり、
前記分散拡縮素子(18)は、第1焦点f を通過した光ビームを前記非線形光学結晶の入射端面に位置する第2焦点f に集光する共焦点光学系(20)である、ことを特徴とするテラヘルツ波発生装置が提供される。
【0019】
また、本発明によれば、パラメトリック効果によってテラヘルツ波発生が可能な非線形光学結晶(1)内にポンプ光(2)を入射し、ノンコリニア位相整合条件を満たす方向にアイドラ光(3)とテラヘルツ波(4)を発生させるテラヘルツ波発生装置の同調方法であって、前記アイドラ光の発生方向に波長が可変である可変周波数のシード光(5)を光注入し、かつシード光の波長の相違によりその光路が分散する波長分散素子(17)と、分散した光路の拡大又は縮小を行う分散拡縮素子(18)とを組み合わせ、シード光の入射角θ(λ)の単位波長あたりの角度変化dθ(λ)/dλに一定の係数αを掛けたものが、シード光の非線形光学結晶(1)への入射角θIN がノンコリニア位相整合角の波長分散特性を満たす分散dθIN(λ)/dλに実質的に一致するように角度分散補償手段(16)を構成し、
前記分散拡縮素子(18)は、第1焦点f を通過した光ビームを前記非線形光学結晶の入射端面に位置する第2焦点f に集光する共焦点光学系(20)である、ことを特徴とするテラヘルツ波発生装置の同調方法が提供される。
【0020】
上記本発明の装置及び方法によれば、is-TPGのシード光(5)の入射経路に非線形光学結晶(1)の波長分散を補償する角度分散補償手段(16)により、注入するシード光θ(λ)の単位波長あたりの角度変化dθ(λ)/dλに一定の係数αを掛けたものが、シード光の非線形光学結晶(1)への入射角θIN がノンコリニア位相整合角の波長分散特性を満たす分散dθIN(λ)/dλに実質的に一致するので、シード光の波長を変える度に光軸調整する必要がなくなり、テラヘルツ波周波数同調が極めて簡単、高速に行える。
【0021】
また、前記角度分散補償手段(16)は、シード光の波長の相違によりその光路が分散する波長分散素子(17)と、分散した光路の拡大又は縮小を行う分散拡縮素子(18)とからなる。
【0022】
この構成により、波長分散素子(17)と分散拡縮素子(18)により、後述する式(1)を満たことができ、周波数同調を実質的に自動で行うことができ、これによりシード光波長を変える度に光軸調整する必要がなくなる。
【0023】
また、前記波長分散素子(17)は、回折格子、プリズム、又はこれらの組み合わせであり、前記分散拡縮素子(18)は、レンズ、凹面鏡、放物面鏡又はこれらの組み合わせである。
【0024】
後述する実施例に示すように、回折格子、プリズム、又はこれらの組み合わせにより、シード光の波長の相違によりその光路を分散することができる。
【0025】
また、レンズ、凹面鏡、放物面鏡又はこれらの組み合わせにより、分散した光路を所望の倍率で拡大又は縮小を行うことができる。
【0026】
また、前記共焦点光学系(20)は、焦点距離fの第1凸レンズ系(21a)と焦点距離fの第2凸レンズ系(21b)とからなり、第1凸レンズ系と第2凸レンズ系は互いにその焦点距離の和f+fの間隔を隔てて同軸上に位置し、これにより第1凸レンズ系と第2凸レンズ系がその中間位置にそれぞれの焦点位置を共有する。
【0027】
この構成により、分散拡縮素子(18)の倍率を、f/f倍に設定して、分散した光路の拡大又は縮小を自由に行うことができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の好ましい実施形態を図面を参照して説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し重複した説明を省略する。
【0029】
図4は、本発明のテラヘルツ波発生装置の第1実施形態図である。この図に示すように、本発明のテラヘルツ波発生装置10は、パラメトリック効果によってテラヘルツ波発生が可能な非線形光学結晶1(好ましくは、LiNbO結晶)と、非線形光学結晶内にポンプ光2を入射するポンプ光入射装置12と、ポンプ光により発生するアイドラ光の発生方向に可変周波数のシード光5を光注入するシード光注入装置14とを備える。
【0030】
ポンプ光入射装置12は、波長固定の単一周波数レーザー、例えばNd:YAGレーザーである。ポンプ光2は、この例では反射鏡11で反射されて結晶1に対し一定の角度で入射するように設定されている。シード光注入装置14は、ポンプ光2より1〜3THz程度周波数が低く、単一周波数を発振し、周波数可変である光源ならば何でもよい。例えば、波長可変半導体レーザー、波長可変光ファイバーレーザー、光パラメトリック発振器等を用いることができる。
【0031】
シード光注入装置14は、角度分散補償手段16を有する。この角度分散補償手段16は、シード光5の非線形光学結晶1への入射角θINが波長によらず所望の位相整合条件に実質的に一致するように設定されている。
【0032】
角度分散補償手段16は、シード光5の波長の相違によりその光路が分散する波長分散素子17と、分散した光路の拡大又は縮小を行う分散拡縮素子18とからなる。波長分散素子17は、この例では回折格子であり、分散拡縮素子18は、この例では、第1焦点fを通過した光ビームを前記非線形光学結晶の入射端面に位置する第2焦点fに集光する共焦点光学系(20)である。
【0033】
また、本発明の方法では、上述した装置を用い、アイドラ光の発生方向に可変周波数のシード光5を光注入し、かつシード光の波長の相違によりその光路が分散する波長分散素子17と、分散した光路の拡大又は縮小を行う分散拡縮素子18とを組み合わせ、シード光の非線形光学結晶1への入射角θINが波長によらず所望の位相整合条件に実質的に一致するように角度分散補償手段16を構成する。
【0034】
上記本発明の装置及び方法によれば、is-TPGのシード光5の入射経路に非線形光学結晶1の波長分散を補償する角度分散補償手段16を用いて、注入するシード光の入射角が波長によらず位相整合条件に一致するよう構成するので、シード光の波長を変える度に光軸調整する必要がなくなり、テラヘルツ波周波数同調が極めて簡単、高速に行える。
【0035】
また、波長分散素子17と分散拡縮素子18により、後述する式(1)を満たことができ、周波数同調を実質的に自動で行うことができ、これによりシード光波長を変える度に光軸調整する必要がなくなる。
【0036】
なお、分散素子を用いて非線形光学結晶の角度分散を補償し波長によらず常に位相整合が満足される波長変換方法は、アクロマティック位相整合(Achromatic phase matchinng)と呼ばれ、広帯域波長の同時位相整合を必要とする、超短レーザーパルスの第2高調波発生や広帯域第2高調波発生に応用されている。かかるアクロマティック位相整合に関しては以下の文献に記載されている。
[1] “Automatic phase-matched frequency-doubling system for the 240-350-nm region”, Appl. Opt., 18, 2, pp. 193-196(1979).
[2] “Achromatic phase matching for second harmonic generation of femtosecond pulses”, IEEE J. Quantum Electron., 25, 12, pp. 2464-2468(1989).
[3] “Achromatic phase matching for tunable second-harmonic generation by use of at grism”, Opt. Lett., 22, 16, pp. 1223-1225 (1997).
本発明は、上述したアクロマティック位相整合で用いられている光学系と同様な光学系をテラヘルツ波パラメトリック発生器の角度分散補償に応用し、一切の光軸調整なしにテラヘルツ波の広帯域周波数同調を可能にしたものである。
【0037】
上述した本発明におけるis-TPGの分散補償が可能な光学系(角度分散補償手段16)は、
(1)波長ごとに光路の分散・収束を行う複数の波長分散素子17(回折格子、プリズムなど)の組み合わせ、と
(2)光路の分散を行う波長分散素子と分散の拡大・縮小を行う分散拡縮素子18(レンズ・反射鏡の組み合わせ)によって構成できる。
【0038】
図4は波長分散素子17として回折格子、分散の拡大・縮小を行う素子(分散拡縮素子18)として凸レンズ系21a,21bを用いた構成例である。回折格子17で回折された光は、波長λ〜λごとの異なる経路をとおり、波長ごとに異なる角度で結晶1に入射される。回折格子17の出射角の波長依存性は、用いる分散素子の分散特性θ(λ)に依存する。分散の大きさは、単位波長あたりの角度変化dθ(λ)/dλで表され、回折格子であれば溝の密度や回折角によって決まる。したがって、設計、入手可能な回折格子の波長分散特性は、必ずしもLiNbO結晶のノンコリニア位相整合角の波長分散特性θIN(λ)に一致するとは限らない。しかし、回折角波長依存性の傾きdθ(λ)/dλにある係数αを掛けてやれば、式(1)となり、回折格子の分散を近似的にLiNbO結晶の分散dθIN(λ)/dλに一致させることが可能である。
【0039】
【数1】
Figure 0003747319
【0040】
図4の例では、2枚の凸レンズの焦点距離f、fの組み合わせによって倍率を与えている。2枚の凸レンズ通過後の角度分散の大きさは(f/f )×dθ(λ)/dλであり、どのような分散素子を用いても適当なf、f選べば両者の分散特性をほぼ一致させることが可能である。あとは、適当は波長(例えばλ)でシード光入射角をあわせてしまえば、すべての波長の入射角が自動的に満たされるため、シード光波長を変えても一切光軸調整は不要である。
【0041】
波長分散素子17は波長ごとに異なる経路で出射する光学素子ならば何でも良い。回折格子だけでなくプリズムや回折格子とプリズムの組み合わせでも良い。後段の分散を拡大・縮小する光学系(分散拡縮素子18)は、たとえば、2枚以上の凸レンズ系や2枚以上の凹面鏡または放物面鏡、凸レンズと凹面鏡・放物面鏡の組み合わせなどを互いの焦点が共有されるように配置された光学系を用いることができる。図5はプリズムと凸レンズ系を用いた場合の構成例、図6(A)は、回折格子と2枚の凹面鏡(第1凹面鏡22a、第2凹面鏡22b)を用いた場合の構成例である。
【0042】
また、本発明で用いる波長分散素子として、図6(B)に例示するように、波長可変レーザー内部の波長分散素子を用いることもできる。例えば、典型的なリットロウ型の半導体レーザー23は半導体レーザー素子の他に回折格子17を有しており、回折格子17の角度によって波長を選択できる。1次回折光を半導体レーザーへの反射光、0次回折光(反射光)を外部出力として利用する場合、波長を変えるために回折格子の角度を変えると、同時に出射角が変化する。ここで得られる出射角の波長分散特性を後段の分散拡縮素子で調整してLiNbO結晶に注入する。
(発明の具体例)
図4のように回折格子と凸レンズ系の共焦点光学系を用いて注入する場合について、計算と実験結果を示す。励起光源は、波長1.064μmのNd:YAGレーザー、シード光源は、波長1.067〜1.075μmを発生する連続波の波長可変半導体レーザー、非線形光学結晶はLiNbO結晶を用いる。
(is-TPG位相整合角の波長依存性)
まず、角度分散補償手段の設計のためis-TPG位相整合角の波長依存性を計算する。図1(A)(B)のように、ポンプ光、アイドラ光、テラヘルツ波の周波数をそれぞれ、ω、ω、ω、波数ベクトルをそれぞれ、k、k、kとすると、is-TPGが発生する周波数は、エネルギー保存則
ω=ω+ω・・・(2)
から、またLiNbO結晶中でポンプ光とアイドラ光の波数ベクトルがなす角θは、ノンコリニア位相整合条件
=k+k・・・(3)
から求められる。ωは励起光周波数であり、一定である。ωはシード光の周波数によって変化する。テラヘルツ波周波数はω=ωの関係から決まる。
【0043】
図7(a)は、ポンプ光の波長を1.064μmとした場合の、アイドラ波長とテラヘルツ波長の関係を示している。アイドラ光とテラヘルツ波の周波数の和が一定となるようω=ω+ωに従って、テラヘルツ波とアイドラ波長が同時に変化する。
【0044】
位相整合角θは、波数ベクトルの大きさをそれぞれ、k、k、kとすれば、余弦定理により式(4)と表される。
【0045】
【数2】
Figure 0003747319
【0046】
また、図1のような直方体の結晶を用いると、LiNbO結晶外部の角度θINは、スネルの法則により
θIN=sin- (nsinθ)・・・(5)
で得られる。ここで、nはポンプ光、アイドラ光に対するLiNbO結晶の屈折率を表す。波数ベクトルの大きさと周波数の関係は、テラヘルツ波、ポンプ光、アイドラ光に対する屈折率をn、n、nを用いて
=nω/c・・・(6)
=nω/c・・・(7)
=nω/c・・・(8)
で表される。ω、ω、ωは、シード光周波数が決まればすべて与えられるので、それぞれの周波数に対するLiNbO結晶の屈折率n、n、nを与えれば式(4)によって位相整合角θを求めることができる。
LiNbO結晶の屈折率は、波長依存性を持っており、特にテラヘルツ波帯と光波帯で大きく異なる。テラヘルツ波帯の屈折率nの波長依存性は式(9)の近似式で与えられる[D.R.Bosomworth: Appl. Phys. Lett.,9, p. 330 (1966).]。
【0047】
【数3】
Figure 0003747319
【0048】
ωは、単位cm- で表した周波数である。また温度300Kにおいて、各定数の値はωTO=220cm- 、ε=25.5、ε=4.64である。
【0049】
一方、ポンプ光、アイドラ光に対する屈折率n、nの波長依存性はLiNbO異常光に対する光波帯屈折率nの近似式(10)で与えられる[H. V. Hobden and J. Warner: Phys. Lett. (1966).]。
【0050】
λは、単位μmで表した波長、Tは温度[K]である。
図7(b)は、ポンプ光の波長1.064μm、温度T=300Kとし、アイドラ波長に対する位相整合角の変化を屈折率の近似式(9)(10)をもとに計算した結果である。アイドラ波長が1.068μmから1.074μmまで変化すると位相整合θINは0.9°〜2.6°まで、幅にして約1.7°変化する。シード光入射の光軸は、この図の波長と角度の関係を満足するように角度分散補償手段16を構成する必要がある。
(回折格子による角度分散)
図8のような反射型回折格子の格子間隔をd、入射波長λ、入射角α、回折β、回折次数mとすると、それらは
d(sin(β)+sin(α))=mλ・・・(11)
の関係で結ばれる。入射角αを一定とすれば、1次回折角(m=1)の波長依存性は、
β(λ)=sin- (λ/d−sin(α))・・・(12)
で求められる。また、1次回折角の分散の大きさは式(11)より、
dβ/dλ=1/(dcosβ)・・・(13)
によって与えられ、格子間隔dが小さく出射角βが90度の近いほど分散が大きくなる。ただし、高い回折効率を得ようとすると、使用できる回折格子の格子間隔や回折角βは限定される。
図9は、格子本数1200/mmの回折格子の1次回折角を計算した結果である。入射角α=41とした。入射波長が1.068μm〜1.074μmまで変化するとき、1次回折光の出射角は38.72°〜39.25°まで幅にして0.53°変化する。この変化量は、LiNbO結晶の位相整合角の変化量(約1.7°)よりも小さい。
(共焦点光学系による角度分散の拡大・縮小)
図10のように、1枚目レンズの焦点距離をf、2枚目レンズの焦点距離をfとして焦点を共有するようにf+fの間隔で配置する。rinを入射点、routを出射点とする光線行列を光エレクトロニクスの基礎(A.Yariv著)に従って計算すると、その光線行列は式(14)で表される。
【0051】
in、rin'をそれぞれ入射面での光線の位置、傾き、rout、rout'をそれぞれ出射点での光線の位置、傾きとすると、それぞれ、式(15)と求められる。
【0052】
シード光の反射点をrin=0としてビームに角度変化を与えると、rout=rin=0、rout'=−(f/f)rin'が得られる。これはrout面の入射角rout'が、rout=0の1点を中心に、rin面の出射角のf/f倍で変化することを表している。また、rout=−(f/f)rinは、rout面の像が−f/f倍に拡大・縮小されることを意味しており、ビームのサイズの拡大縮小を伴う。
【0053】
【数4】
Figure 0003747319
【0054】
(シード光入射光学系の設計)
図11は、LiNbO結晶の位相整合角θINと格子数1200本/mmの回折格子の1次回折光の角度分散を計算した結果である。横軸はアイドラ光波長縦軸は波長1.07μmを中心とした角度変化を表している。回折角の計算は、図8の入射角α=41°と仮定して計算した。
【0055】
(1)と(2)の曲線を比較すると、1200本/mmの回折格子の1次回折光の角度分散の大きさはLiNbO結晶の角度分散の約1/3であることがわかる。(3)の曲線は1200本/mmの回折格子の角度分散の大きさを3倍に拡大した結果である。2つの曲線は、アイドラ波長1.068μm〜1.074μmの範囲でのずれは0.1°以下である。
【0056】
これまでに報告されているis-TPGの実験から、角度許容幅は0.1°以上あることがわかっているため、アイドラ光波長1.068μm〜1.074μmの全域が光注入の許容範囲に入る。
図12は、1200本/mmの回折格子を用いた場合の、LiNbO結晶の位相整合角とシード光入射角のずれを計算した結果である。入射角αは41deg.と仮定した。各曲線は、シード光入射角の調整を行う波長を表している。角度許容幅は±0.1deg.あるため1070〜1074nmのどの波長で光軸調整を行っても、全域で光注入が可能であることを示している。
図13は、位相整合角θIN(λ)の波長依存性dθIN(λ)/dλと回折角θ(λ)の波長依存性(倍率3)3×dθ(λ)/dλを計算した結果である。入射角αを40〜43度まで1度ごとに計算した。回折格子への入射角を調整すると、LiNbO結晶の位相整合角の分散と回折格子の分散が一致する波長(図12の曲線が極小となる波長)を変えることができる。
【0057】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。
(実験装置)
図14は、実験に使用した本発明のテラヘルツ波発生装置の構成図である。テラヘルツ波発生に使用した非線形光学結晶は、MgO:LiNbO結晶1とLiNbO結晶またはMgO:LiNbO結晶1’である。テラヘルツ発生の閾値を下げるため、2本のLiNbO結晶を直列に接続して用いた。前段の結晶として、長さ50mmのLiNbO結晶(ノンドープ)または、長さ73mmの5mol%MgO:LiNbO結晶を用いた。後段の結晶としては長さ73mm、幅8mmの5mol%MgO:LiNbO結晶を用いた。
励起光源12aはQスイッチNd:YAGレーザーである。シード光源14aは、外部共振器型半導体レーザーである。シード光5は、ビームエクスパンダーでビーム径を半値全幅で約3mmに拡大された後1200本/mmの回折格子で反射・回折され、1次回折光がLiNbO結晶1に注入される。回折格子17の1次回折光への回折効率は約60%で、シード光源14aの出力50mWのうち23〜30mWを注入に用いた。回折格子の反射点から600mmの位置に焦点距離600mmのレンズ(L1)、さらにL1から800mmの位置に焦点距離200mmのレンズ(L2)を配置した。L1とL2は、焦点を共有しており、3:1のテレスコープとなっている。回折格子の1次回折光の角度分散は3倍に拡大される。ビーム径は1/3に縮小される。
(シード光入射角変化)
図15は、シード光波長を変えた際の入射角変化を観測した結果である。波長1.07μmで最大の光注入効果が得られるように光軸を調整した後、シード光波長を変え、シード光の入射角が計算どおりに変化しているかを確認した。1.068μmから1.073μmまで約1nmおきにシード光の位置を観測し、シード光波長1.073μmでも入射角のずれは0.1°以下であることを確認した。
(アイドラ光ビームプロフィール)
図16は、結晶1への入射面から約80cmの位置で観測した、シード光とアイドラ光の波長依存性を示す図である。この図において、右側がテラヘルツ波野発生方向である。一番上の写真は、シード光5を注入しないアイドラ光3のビームプロファイルである。広い角度分布を持っており、アイドラ光のスペクトル線幅が広いことを意味している。シード光の波長と角度を位相整合条件に合わせてLiNbO結晶1に注入すると、シード光波長1070.500nm〜1072.100nmの写真のようにアイドラ光波長がシード光波長に引き込まれ、空間プロファイルが1点に収束する。ただし、テラヘルツ波、アイドラ光の出力が最大となるようにシード光ビームの光軸調整を行うと、アイドラ光ビームはシード光と平行で空間的に数mmずれた位置に発生する。シード光5とアイドラ光3は平行であるため、位相整合角が一致していることがわかる。なおシード光波長を変える間、反射鏡の調整は一切行っていない。従って回折格子17の効果で自動的にシード光入射角が変化し、広い波長範囲でスペクトル線幅狭さく化が行われていることが確認された。
(テラヘルツ波出力)
図17は、テラヘルツ波出力の周波数依存性を回折格子を用いて注入した場合と入射角固定の反射鏡で注入した場合に分けて測定し比較した結果である。横軸はテラヘルツ波周波数、縦軸はテラヘルツ波出力エネルギーを表す。白四角、黒丸はそれぞれ、反射率約60%の反射鏡を用いて入射角固定のまま注入した場合と1200本/mmの回折格子で注入した場合の出力波長依存性を示す。
反射率約60%の鏡を用いたため注入光パワーは、30mWであった。回折格子を通常の反射鏡に置き換えた場合、波長が変わってもシード光入射角が変化しないため、光注入の効率が急激に低下する。周波数1.7THzでテラヘルツ波出力が最大となるように調整した。1.7THzでの出力エネルギーは0.7nJ/pulseであったが、シード光周波数を100GHz変えただけで出力は10分の1以下に低下した。出力がピーク値の10分の1に低下する周波数帯域で同調可能範囲を定義すると、その値は半値全幅にして150GHzであった。すでに報告されている実験結果では、シード光波長を一定として入射角を変えた場合、入射角の許容幅は±0.1°であることが観測されている。その許容幅から、見積もられる周波数帯域は〜200GHzであり、今回得られた周波数帯域に近い。このことからも、入射角を固定した場合の周波数帯域はシード光入射角のずれによって制限されていることがわかる。
一方、回折格子でシード光を注入する際にはシード光波長1071nmでテラヘルツ波出力が最大になるように入射角を最適に合わせた状態で固定した。波長依存性を測定するときには全く光軸調整を行わなかった。図17より、周波数0.6〜2.6THzの範囲で連続的に光注入が行われていることが確認された。最大出力は、周波数1.45THz付近で得られ、約0.8nJ/pulseであった。出力がピーク値の10分の1に低下する周波数帯域を固定入射角の場合と比較すると約950GHzであり、同調可能な帯域幅は6倍以上に拡大した。
【0058】
ただし、回折格子による光注入の場合、周波数帯域を制限しているのは、LiNbO結晶の利得、励起強度、吸収損失に依存した増幅利得の周波数特性であり、シード光入射角のずれによる帯域幅の制限ではない。注入効果が維持される周波数帯域で比較すると、回折格子による注入法は固定入射角よりも20倍以上広帯域である。
【0059】
入射角のずれによる帯域幅の制限がないことを確認するため、光軸調整を行った波長から離れた波長1072nmでシード光入射角を再調整してみたが、テラヘルツ波の出力増加は観測できなかった。したがって、回折格子とレンズ光学系を用いた場合わずかに残る位相整合角と入射角のずれは、is-TPGの光注入効率には問題にならないことが確認された。
図18は、テラヘルツ波出力の波長依存性を回折格子を用いて注入した場合と入射角固定の反射鏡で注入した場合に分けて測定し、比較した別の結果である。横軸はシード光波長、縦軸はテラヘルツ波を検出するSiボロメータのピーク電圧で、それぞれ黒丸が回折格子で注入した場合、白丸は入射角固定でシード光波長を変化した場合の出力波長依存性を示す。
回折格子でシード光を注入する際、波長1071nmでテラヘルツ波出力が最大になるように入射角を最適に合わせた状態で固定してから波長依存性を測定した。この図より、300μm〜137μm(周波数1〜2.2THz)の範囲で連続的に光注入が行われていることを確認した。得られたテラヘルツ波出力は、結晶の利得、励起強度、吸収損失に依存した典型的な特性であり、シード光入射角のずれの影響は見られない。光軸調整を行った1071nmから離れた波長で、シード光入射角を再調整してもテラヘルツ波の出力増加は得られなかったことから、理想的な入射角からのわずかなずれによる光注入効率の低下は問題にならないレベルであることを確認した。
一方、白丸は入射角固定でシード光波長を変化した場合の、テラヘルツ出力変化を測定した結果である。回折格子を反射率約60%の反射鏡に置き換えて、波長が変わっても入射角が変化しないようにシード光の入射光軸を設定した。シード光波長1070.3nmでテラヘルツ波出力が最大となるように調整してから、シード光波長を変えて波長依存性を測定した。テラヘルツ波出力の変化が少ない波長帶にもかかわらず、シード光波長を変えると急激にテラヘルツ波出力が低下することがわかる。出力が半分に低下する周波数帯域は130GHzであり、シード光入射角の許容幅±0.1°から見積もられる周波数帯域(〜200GHz)に近いことから、明らかにシード光入射角のずれが出力低下の原因である。
【0060】
従って出力特性の比較から明らかに、回折格子と凸レンズ系を使用した角度分散補償手段によって連続的な同調範囲が拡大できることが確認された。
(波長測定)
図19は、スキャニングファブリ・ペロー干渉計を用いて測定したテラヘルツ波長である。シード光波長はそれぞれ(a)1071.680nm、(b)1070.060nm、(c)1068.960nmの場合である。(a)〜(c)測定の際に入射角の調整は一切行っていない。スキャニング・ファブリペロー干渉計のミラー間隔は100μm以下にまで近接された状態から1μmステップで拡大された。テラヘルツ波パラメトリック発生器は、光注入を行わない場合、周波数帯域約500GHzを持つ白色光を発生する。スキャニング・ファブリペロー干渉計のFSRはすぐに500GHz以下となるためスペクトル線幅を上回り、干渉パターンがすぐに見えなくなる。
シード光を角度を合わせて注入すると、発生スペクトルが注入波長に引き込まれるため、単色的なテラヘルツ波が発生する。シード光注入により、アイドラ光のスペクトル線幅はフーリエ変換限界に達していると考えられる。テラヘルツ波のスペクトル線幅は、エネルギー保存則によりポンプ光のスペクトル線幅に一致する。本実験で用いたNd:YAGレーザーは光注入が行われていないものであり、その典型的なスペクトル線幅は50GHzである。スキャニング・ファブリペロー干渉計で測定されたテラヘルツ波のスペクトル線幅が約50GHzであることから、どの波長でも光注入がかかっていることがわかる。また、図19(a)
の周波数は約1.85THz、(c)の周波数は1.2THzである。周波数の開きは600GHz以上あり、従来の光注入法ではシード光の光軸調整なしに連続的な周波数同調は不可能である。
(吸収スペクトル計測への応用例)
図20は、回折格子注入型のテラヘルツ波パラメトリック発生器を用いて行った、水蒸気の吸収スペクトル測定結果である。図20(a)〜(c)は、それぞれテラヘルツ波周波数(a)1.41THz、(b)1.60THz、(c)1.92THz付近に存在する水蒸気の吸収スペクトルを観測した結果である。測定サンプルである水蒸気は、気温22℃、湿度43%の大気を10Pa以下の圧力で、長さ50cmのパイプに封入したものである。
図20(a)、(b)は、常温動作のDTGS検出器を2台用いて、参照光、信号光の2チャンネル測定を行って得られた結果である。縦軸は、信号光出力を参照光出力で規格化し、透過率で表されている。(c)はSiボロメータを用いた信号光のみの1チャンネル測定の結果である。縦軸は検出器の出力電圧で表されている。1.92THz付近には、2本の吸収線が隣接して存在し、周波数の校正に利用できる。水蒸気の圧力は十分に減圧されているため、観測されたスペクトル幅は、光源のスペクトル幅を表しているものと考えられる。吸収スペクトルの幅は約100MHzであり、is-TPGのスペクトル幅は約100MHzであることがわかる。
また、図20(a)〜(c)の測定に際して、シード光軸の再調整は不要であった。たとえば(a)と(c)では500GHz以上離れており、従来の注入法では光軸調整が不可欠であった。回折格子を用いた光注入法では、シード光の周波数調整のみ行えば十分であり、連続的に広い周波数範囲の吸収スペクトルを観測できる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
【0061】
【発明の効果】
上述したように、本発明では、波長分散素子と共焦点光学系による入射角の拡大・圧縮作用を合わせ、ノンコリニア型光パラメトリック発生器へ注入するシード光波長と入射角の関係を常に最適に保つ光注入手段を提案した。
【0062】
計算により、1200本/mmの回折格子と3:1テレスコープにより、近似的にLiNbO結晶のノンコリニア位相整合条件を満足できることを示し、実験的に連続的な周波数同調を確認した。本発明を用いることにより機械的制御を全く必要としないきわめて簡便な光注入型テラヘルツ波パラメトリック発生器を構成できる。
従って、本発明のテラヘルツ波発生装置とその同調方法は、ノンコリニア位相整合を用いる光注入型テラヘルツ波パラメトリック発生器(is-TPG)の周波数同調を実質的に自動で行うことができ、これによりシード光波長を変える度に光軸調整する必要がなくなり、テラヘルツ波周波数同調が極めて簡単、高速に行える等の優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 テラヘルツ波の発生原理図である。
【図2】 先行出願のテラヘルツ波発生装置の構成図である
【図3】 先行出願の別のテラヘルツ波発生装置の構成図である。
【図4】 本発明のテラヘルツ波発生装置の第1実施形態図である。
【図5】 本発明のテラヘルツ波発生装置の第2実施形態図である。
【図6】 本発明のテラヘルツ波発生装置の第3実施形態図である。
【図7】 アイドラ波長とテラヘルツ波長の関係(A)とアイドラ波長に対する位相整合角の関係(B)を示す図である。
【図8】 反射型回折格子の説明図である。
【図9】 回折格子の1次回折角の計算例である。
【図10】 共焦点光学系の模式図である。
【図11】 LiNbO結晶の位相整合角θINと回折格子の1次回折光の角度分散の計算例である。
【図12】 LiNbO結晶の位相整合角とシード光入射角のずれの計算例である。
【図13】 位相整合角θIN(λ)の波長依存性dθIN(λ)/dλと回折角θ(λ)の波長依存性(倍率3)3×dθ(λ)/dλの計算例である。
【図14】 実験に使用した本発明のテラヘルツ波発生装置の構成図である。
【図15】 シード光波長を変えた際の入射角変化の観測結果である。
【図16】 シード光とアイドラ光の波長依存性を示す図である。
【図17】 テラヘルツ波出力の周波数依存性の比較結果である。
【図18】 テラヘルツ波出力の波長依存性の比較結果である。
【図19】 スキャニングファブリ・ペロー干渉計を用いて測定したテラヘルツ波長である。
【図20】 回折格子注入型のテラヘルツ波パラメトリック発生器を用いて行った、水蒸気の吸収スペクトル測定結果である。
【符号の説明】
1 非線形光学結晶、2 ポンプ光、3 アイドラ光、
4 テラヘルツ波、5 シード光、6 ビーム偏向器、
10 テラヘルツ波発生装置、12 ポンプ光入射装置、
14 シード光注入装置、16 角度分散補償手段、
17 波長分散素子(回折格子、プリズム)、
18 分散拡縮素子、20 共焦点光学系、
21a 第1凸レンズ系、21b 第2凸レンズ系、
22a 第1凹面鏡、22b 第1凹面鏡、
23 半導体レーザー

Claims (4)

  1. パラメトリック効果によってテラヘルツ波発生が可能な非線形光学結晶(1)と、該非線形光学結晶内にポンプ光(2)を入射するポンプ光入射装置(12)と、ポンプ光により発生するアイドラ光(3)の発生方向に波長が可変である可変周波数のシード光(5)を光注入するシード光注入装置(14)とを備え、
    該シード光注入装置(14)は、シード光の入射角θ(λ)の単位波長あたりの角度変化dθ(λ)/dλに一定の係数αを掛けたものが、シード光の非線形光学結晶(1)への入射角θIN がノンコリニア位相整合角の波長分散特性を満たす分散dθIN(λ)/dλに実質的に一致するように設定された角度分散補償手段(16)を有し、
    前記角度分散補償手段(16)は、シード光の波長の相違によりその光路が分散する波長分散素子(17)と、分散した光路の拡大又は縮小を行う分散拡縮素子(18)とからなり、
    前記分散拡縮素子(18)は、第1焦点f を通過した光ビームを前記非線形光学結晶の入射端面に位置する第2焦点f に集光する共焦点光学系(20)である、ことを特徴とするテラヘルツ波発生装置。
  2. 前記波長分散素子(17)は、回折格子、プリズム、又はこれらの組み合わせであり、前記分散拡縮素子(18)は、レンズ、凹面鏡、放物面鏡又はこれらの組み合わせである、ことを特徴とする請求項1に記載のテラヘルツ波発生装置。
  3. 前記共焦点光学系(20)は、焦点距離fの第1凸レンズ系(21a)と焦点距離fの第2凸レンズ系(21b)とからなり、第1凸レンズ系と第2凸レンズ系は互いにその焦点距離の和f+fの間隔を隔てて同軸上に位置し、これにより第1凸レンズ系と第2凸レンズ系がその中間位置にそれぞれの焦点位置を共有する、ことを特徴とする請求項に記載のテラヘルツ波発生装置。
  4. パラメトリック効果によってテラヘルツ波発生が可能な非線形光学結晶(1)内にポンプ光(2)を入射し、ノンコリニア位相整合条件を満たす方向にアイドラ光(3)とテラヘルツ波(4)を発生させるテラヘルツ波発生装置の同調方法であって、
    前記アイドラ光の発生方向に波長が可変である可変周波数のシード光(5)を光注入し、
    かつシード光の波長の相違によりその光路が分散する波長分散素子(17)と、分散した光路の拡大又は縮小を行う分散拡縮素子(18)とを組み合わせ、シード光の入射角θ(λ)の単位波長あたりの角度変化dθ(λ)/dλに一定の係数αを掛けたものが、シード光の非線形光学結晶(1)への入射角θIN がノンコリニア位相整合角の波長分散特性を満たす分散dθIN(λ)/dλに実質的に一致するように角度分散補償手段(16)を構成し、
    前記分散拡縮素子(18)は、第1焦点f を通過した光ビームを前記非線形光学結晶の入射端面に位置する第2焦点f に集光する共焦点光学系(20)である、ことを特徴とするテラヘルツ波発生装置の同調方法。
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