JP3745093B2 - 自動原稿搬送装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、ファクシミリ装置等の画像形成装置に備えられた自動原稿搬送装置に関し、詳しくは、原稿を搬送しながらスリットガラス下方で停止した光学系で原稿を読取る第1読取モードと、原稿を第2読取位置上に載置して該コンタクトガラス下方で光学系を移動させることにより原稿を読取る第2読取モードと、を有する画像形成装置に備えられた自動原稿搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の画像形成装置に備えられた自動原稿搬送装置としては、例えば、実開平3ー23137号公報に記載されたようなものがある。このものは、画像形成装置の上面に自動原稿搬送装置(以下、単にADFという)が設けられており、このADFによって原稿束から原稿を1枚だけ分離してコンタクトガラス上の第1読取位置に搬送し、このコンタクトガラスの下方で停止した光学系で搬送される原稿を読取る第1読取モードと、ADFを開放してコンタクトガラス上の第2読取位置に原稿を載置した後、ADFをコンタクトガラス側に倒し、光学系を移動させることにより停止する原稿を読取る第2読取モードとを有している。
【0003】
また、コンタクトガラスに対して原稿搬送方向下流側にはガイド部材が設けられており、このガイド部材は第1読取位置を通過した原稿を上方に案内して排紙位置に排紙するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような自動原稿搬送装置にあっては、第1読取位置を通過した原稿をガイド部材によりコンタクトガラスから上方に案内するようになっているが、第1読取位置を通過した直後の原稿の先端部を搬送する手段がないため、この原稿の先端部がガイド部材に衝突した際に原稿の搬送速度が一瞬遅くなってしまった。
【0005】
このため、図5に示すように記録紙P1に形成された画像にピッチむらが発生してしまった。具体的には、第1読取位置を通過した原稿の先端部がガイド部材に衝突する位置からコンタクトガラス上の第1読取位置までの距離はLだけあるため、第1読取位置を通過した原稿の先端部がガイド部材に衝突する瞬間に原稿の搬送速度が一瞬遅くなると、この先端からLだけ離隔した第1読取位置上にある原稿の画情報を正常に読取ることができず、したがって、記録紙P1に形成された画像にピッチむらAが発生してしまうという問題があった。
【0006】
また、ADFを小型化するためには、第1読取位置を通過した原稿を排紙するための排紙経路を短くする必要があり、この場合には、原稿を水平に近い角度で排紙する経路よりも原稿を高くすくい上げて排紙する経路であることが望ましい。
ところが、このようにすると、原稿の先端がガイド部材に衝突したときに原稿の搬送速度がより一層遅くなってしまい、上記問題を助長させてしまうため、排紙経路を短くすることができない。
【0007】
また、第1読取位置を通過した直後の原稿の先端部を搬送する手段がないため、原稿面がコンタクトガラスの第1読取位置に接触してコンタクトガラスの第1読取位置が汚れてしまった。したがって、第1読取モードでの原稿の読取時にこの汚れも同時に読取られてしまい、図6に示すように記録紙P1に黒すじ画像Bが転写されてしまうという問題もあった。
【0008】
そこで本発明は、小型化を図りつつ、記録紙にピッチむらが発生するのを防止することができるとともにスリットガラスの読取位置が汚れるのを防止して、記録紙に黒すじ画像が形成されるのを防止することができる画像形成装置に備えられた自動原稿搬送装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、上記課題を解決するために、原稿を搬送しながらスリットガラスの読取位置下方で停止した光学系で原稿を読取る第1読取モードと、原稿をコンタクトガラス上に載置して該コンタクトガラス下方で前記光学系を移動させることにより原稿を読取る第2読取モードと、前記スリットガラスとコンタクトガラスの間に設けられ、搬送される原稿を上方に案内するガイド部材とを有する画像形成装置に備えられた自動原稿搬送装置において、原稿載置台に載置された原稿を反転して前記スリットガラスの読取位置を通過させた後、前記ガイド部材で上方に案内しながら前記コンタクトガラス上に設けられた排紙台上に排紙する搬送手段を有し、該搬送手段が、前記ガイド部材の上面においてオーバーラップして外周部が変形して接触する弾性コロを有し、原稿が前記ガイド部材に当接する直前に前記弾性コロによって搬送されることを特徴としている。
【0010】
その場合、スリットガラスを通過した直後の原稿の先端部がガイド部材に搬送されたときに弾性コロによって搬送力が付与される。このため、ガイド部材に搬送された原稿の搬送速度が低下するのを防止することができ、記録紙に形成された画像にピッチむらが発生してしまうのを防止することができる。
また、ガイド部材に搬送された原稿に弾性コロで搬送力を付与することができるため、ガイド部材の上方への傾斜角度を大きくすることができるとともにスリットガラス自体の長さを短くすることができ、排紙経路を短くして、自動原稿搬送装置を小型化することができる。
【0011】
請求項2記載の発明は、上記課題を解決するために、原稿を搬送しながらスリットガラスの読取位置下方で停止した光学系で原稿を読取る第1読取モードと、原稿をコンタクトガラス上に載置して該コンタクトガラス下方で前記光学系を移動させることにより原稿を読取る第2読取モードと、前記スリットガラスとコンタクトガラスの間に設けられ、搬送される原稿を上方に案内するガイド部材とを有する画像形成装置に備えられた自動原稿搬送装置において、原稿載置台に載置された原稿を反転して前記スリットガラスの読取位置を通過させた後、前記ガイド部材で上方に案内しながら前記コンタクトガラス上に設けられた排紙台上に排紙する搬送手段を有し、該搬送手段が、前記スリットガラスの読取位置下流側の部分にオーバーラップして外周部が変形して接触する弾性コロを有し、原稿が前記ガイド部材に当接する直前に前記弾性コロによって搬送されることを特徴としている。
【0012】
その場合、スリットガラスの読取位置を通過した原稿をガイド部材に当接する直前に弾性コロで搬送することができ、原稿を直線的にガイド部材に向かって搬送することができる。このため、ガイド部材に搬送された原稿の搬送速度が低下するのを防止することができ、記録紙に形成された画像にピッチむらが発生してしまうのをより一層防止することができる。
【0013】
また、スリットガラスの読取位置を通過した原稿に弾性コロで搬送力を付与することができるため、ガイド部材の上方への傾斜角度を大きくすることができ、排紙経路を短くして、自動原稿搬送装置を小型化することができる。
請求項3記載の発明は、上記課題を解決するために、請求項1または2記載の発明において、前記搬送手段が、前記スリットガラスの原稿の搬送方向上流側に原稿を前記スリットガラスの読取位置に向かって搬送する搬送コロを有し、該搬送コロの回転速度を前記弾性コロの回転速度に対して遅く設定したことを特徴としている。
【0014】
その場合、ガイド部材に搬送された原稿に弾性コロで搬送力を付与した際に、この原稿を搬送コロよりの搬送速度よりも早い搬送速度で引張ることができるため、原稿をスリットガラスの読取位置から上方に浮かせて原稿面をスリットガラスの読取位置に接触させないようにすることができる。このため、スリットガラスの読取位置が汚れてしまうのを防止することができ、第1読取モードでの原稿の読取時にスリットガラスの汚れが同時に読取られてしまうのを防止することができる。したがって、記録紙に黒すじ画像が転写されてしまうのをより一層防止することができる。
【0015】
請求項4記載の発明は、上記課題を解決するために、請求項1または3記載の発明において、前記弾性コロが前記スリットガラスの原稿の搬送方向下流側の部分にオーバーラップして接触していることを特徴としている。
その場合、スリットガラスの原稿の搬送方向下流側の部分でスリットガラスの読取位置を通過する原稿の先端を、ガイド部材に当接する直前に弾性コロで搬送することができ、原稿を直線的にガイド部材に向かって搬送することができる。したがって、原稿の搬送速度が低下するのをより一層防止することができ、記録紙に形成された画像にピッチむらが発生してしまうのをより一層防止することができる。
【0016】
また、請求項3記載の発明と同様に、スリットガラスの読取位置が汚れてしまうのを防止して、第1読取モードでの原稿の読取時にスリットガラスの汚れが同時に読取られてしまうのを防止することができ、記録紙に黒すじ画像が転写されてしまうのを防止することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1、2は本発明に係る画像形成装置に備えられた自動原稿搬送装置の第1実施形態を示す図であり、請求項1または3記載の発明に対応している。なお、画像形成装置としては、複写機、ファクシミリ装置等に適用できるが、本実施形態では、複写機を例にして説明する。
【0018】
まず、構成を説明する。図1において、1は複写機であり、この複写機1の本体1aの上部にはスリットガラス2とコンタクトガラス3が設けられている。スリットガラス2は原稿の数行分の画像に相当する面積を有し、コンタクトガラス3は最大サイズの原稿よりも若干大きな面積を有している。
このスリットガラス2とコンタクトガラス3の下方には露光ランプ4と第1ミラー5等が設けられており、この露光ランプ4と第1ミラー5は、コンタクトガラス3に載置された原稿を読取る際には、コンタクトガラス3の下方で図1中、左右方向に移動し、また、スリットガラス2の読取位置(図1の露光ランプ4からの光が照射される部分)上で原稿を読取る際には、スリットガラス2の下方で停止し、露光ランプ4によって原稿面に光を照射した後、この反射光を公知のように第1ミラー5および図示しないレンズ等の光学系を介して感光体ドラムに直接原稿の画像を結像してこの感光体ドラムに形成された静電潜像にトナー等を付着してこれを記録紙に転写したり、露光ランプ4によって原稿面を読取った後、この反射光を第1ミラー5および図示しないレンズ等の光学系を介してCCD等のイメージセンサに結像し、イメージセンサによって光信号を電気信号に変化してこの信号を用いて種々の画像形成手段によって記録紙に画像を転写する。
【0019】
なお、露光ランプ4と第1ミラー5をコンタクトガラス3下方で図1中、左右方向に移動させて原稿の画像を読取るモードが第2読取モードに相当し、露光ランプ4と第1ミラー5をスリットガラス2の下方で停止して読取るモードが第1読取モードに相当する。
また、画像形成装置1の上部には自動原稿搬送装置(以下単にADFという)6が装着されており、このADF6は図示しないヒンジを介して複写機1に連結され、複写機1に対して開閉自在となっている。
【0020】
また、ADF6の下面にはコンタクトガラス3に載置された原稿P1をコンタクトガラス3に押圧するとともに、下面に原稿の読取時の白基準となる白色シート7aおよび白色シート7aの上面に設けられたクッション材7bを有する圧板8が設けられている。
また、ADF6の上部には原稿載置台9が設けられており、この原稿載置台9には複数の原稿からなる原稿束Pが原稿面を上向きにして載置されるようになっている。
【0021】
この原稿載置台9に載置された原稿束Pは、実線と破線で示す位置に移動可能に設けられ、原稿束Pに当接・離隔可能な呼出しコロ10によって給紙された後、共に時計方向に回転する分離コロ11およびリバースコロ12からなる分離コロ対によって最上位に位置する原稿が分離されるようになっている。
この分離コロ対によって分離された原稿は、搬送速度(回転速度)V1で回転する搬送コロ対13によって給紙経路14を通ってスリットガラス2上に搬送されるようになっている。
【0022】
また、スリットガラス2とコンタクトガラス3の間にはガイド部材15が配設されており、このガイド部材15はその上面が30゜程度の角度で傾斜している。
そして、スリットガラス2下方で停止する露光ランプ4等によって原稿面が読取られた後、ガイド部材15によって上方にすくいあげられた後、排紙経路16に排紙される。この排紙経路16の端部には排紙コロ対17によって圧板8の上面に形成された排紙台18上に原稿面が下面になった状態で排紙される。
【0023】
また、スリットガラス2上には白色ガイド部材19が設けられており、この白色ガイド部材19は原稿の読取時の白基準を構成するとともに、スリットガラス2との間でΔh(0.5mm程度)の隙間を有し、原稿の搬送路の一部を構成している。一方、ガイド部材15の上面にはゴムや高硬度なスポンジ等からなる弾性コロ20が設けられており、この弾性コロ20はガイド部材15の上面に0.5〜1.0mm程度の量Sでオーバーラップして接触している。すなわち、外周部が正規の状態から0.5〜1.0mm程度変形してガイド部材15に接触している。
【0024】
また、この弾性コロ20はスリットガラス2を通過した原稿の先端が接触する位置に、すなわち、スリットガラス2の読取位置からLだけ離隔した位置に配設されており、先端部がガイド部材15に接触した原稿をガイド部材15と共に挟持した状態で排紙経路16に案内するようになっている。
また、搬送コロ対13の搬送速度(回転速度)V1と弾性コロ20および排紙コロ対17の搬送速度(回転速度)V2の関係は、V1<V2=V1×1.01となっており、弾性コロ20の搬送速度V2は搬送コロ対13の搬送速度V1に対して1%程度速く設定されている。なお、
本実施形態では、分離コロ11およびリバースコロ12からなる分離コロ対、搬送コロ対13、給紙経路14、排紙経路16、排紙コロ対17および弾性コロ20が搬送手段を構成している。
【0025】
次に、作用を説明する。
まず、第2読取モードで原稿を読取る場合には、圧板8を開放した後、コンタクトガラス3に原稿を載置し、次いで、ADF6を閉じて圧板8によって原稿を第2コンタクトガラス3上に押圧する。この状態で、複写機1に設けられたスタートスイッチを押下すると、露光ランプ4および第1ミラー5が第2コンタクトガラス3の下方で図1中、左右方向に移動して原稿を読取る。この読取られた原稿の画像は画像形成手段によって記録紙に転写される。
【0026】
一方、第1読取モードで原稿を読取る際には、原稿載置台9に原稿面を上向きにして原稿束Pを載置し、スタートスイッチを押下すると、呼出しコロ10が破線で示す位置に移動して原稿束Pに当接して回転することにより原稿束Pを給紙する。
この原稿束Pは分離コロ11およびリバースコロ12からなる分離コロ対によって最上位に位置する原稿が分離された後、分離された原稿が搬送コロ対13によってスリットガラスガラス2に向かって搬送される。
【0027】
この原稿が第2コンタクトガラス2上に搬送されると、露光ランプ4および第1ミラー5がスリットガラス2の下方で停止した状態で原稿の読取りが開始される。このとき、スリットガラス2の読取位置に搬送された原稿Pnは図2中、一点鎖線で示すようにスリットガラス2側に位置した状態となる。
次いで、このスリットガラス2上の読取位置を通過した原稿がガイド部材15に接触するとこの原稿の先端が弾性コロ20とガイド部材15に挟持されることより、弾性コロ20によって搬送力が付与され、ガイド部材15によってすくいあげられて排紙経路16に案内される。
【0028】
このとき、搬送コロ対13の搬送速度V2が弾性コロ20の搬送速度V1に対して1%程度速く設定されていることから、図2中、破線で示すように、原稿Pnがスリットガラス2から浮き上がった状態で非接触になり、かつ白色ガイド部材19の片面側と接触する面が非常に小さい状態を維持してガイド部材15によってすくい上げられる。
【0029】
次いで、弾性コロ20によって排紙経路16に案内される原稿は排紙コロ対17によって圧板8上に排紙されるようになっている。
このように本実施形態では、ガイド部材15の上面にオーバーラップして接触する弾性コロ20を設けたため、スリットガラス2を通過した直後の原稿の先端部がガイド部材15に搬送されたときに弾性コロ20によって搬送力を付与することができる。このため、ガイド部材15に搬送された原稿の搬送速度が低下するのを防止することができ、記録紙に形成された画像にピッチむらが発生してしまうのを防止することができる。
【0030】
また、ガイド部材15に搬送された原稿に弾性コロ20で搬送力を付与することができるため、ガイド部材15の上方への傾斜角度(本実施形態では30゜であるが、それ以上でも可能である)を大きくすることができ、スリットガラス2の長さを短くすることができるとともに排紙経路16を短くしてADF6を小型化することができる。
【0031】
また、搬送コロ対13の搬送速度(回転速度)V1と弾性コロ20の搬送速度(回転速度)V2をV1<V2=V1×1.01として、弾性コロ20の搬送速度V2を搬送コロ対13の搬送速度V1に対して1%程度速く設定したため、ガイド部材15に搬送された原稿に弾性コロ20で搬送力を付与した際に、この原稿を搬送コロ対13よりの搬送速度よりも早い搬送速度で引張ることができるため、原稿をスリットガラス2の読取位置から上方に浮かせて原稿面をスリットガラス2に接触させないようにすることができる。このため、スリットガラス2の読取位置が汚れてしまうのを防止することができ、第1読取モードでの原稿の読取時にスリットガラス2の汚れが同時に読取られてしまうのを防止することができ、記録紙に黒すじ画像が転写されてしまうのを防止することができる。
【0032】
図3は本発明に係る画像形成装置に備えられた自動原稿搬送装置の第2実施形態を示す図であり、請求項4記載の発明に対応している。なお、本実施形態では、弾性コロをガイド部材とスリットガラスの原稿の搬送方向下流側にオーバーラップして接触させた点が第1実施形態と異なり、その他の構成は第1実施形態と同様であるため、異なる部分のみを図示して説明する。
【0033】
本実施形態では、弾性コロ31をガイド部材15とスリットガラス2の原稿の搬送方向下流側であるスリットガラス2の端部にΔy(0.5〜1.0mm程度)だけオーバーラップして接触させた点を特徴とするものである。このようにすると、スリットガラス2の読取位置を通過した原稿をガイド部材15に当接する直前に弾性コロ31で搬送することができ、原稿を直線的にガイド部材15に向かって搬送することができる。このため、ガイド部材15に搬送された原稿の搬送速度が低下するのをより一層防止することができ、記録紙に形成された画像にピッチむらが発生してしまうのをより一層防止することができる。
【0034】
図4は本発明に係る画像形成装置に備えられた自動原稿搬送装置の第3実施形態を示す図であり、請求項2記載の発明に対応している。なお、本実施形態では、弾性コロをスリットガラスの読取位置下流側の部分に設けた点が第1実施形態と異なり、その他の構成は第1実施形態と同様であるため、異なる部分のみを図示して説明する。
【0035】
本実施形態では、スリットガラス2の読取位置の下流側の部分に弾性コロ41をΔy(0.5〜1.0mm程度)オーバーラップして接触させた点を特徴とするものである。このようにすると、スリットガラス2の読取位置を通過した原稿をガイド部材15に当接する直前に弾性コロ41で搬送することができ、原稿を直線的にガイド部材15に向かって搬送することができる。このため、ガイド部材15に搬送された原稿の搬送速度が低下するのをより一層防止することができ、記録紙に形成された画像にピッチむらが発生してしまうのをより一層防止することができる。
【0036】
また、弾性コロ41をスリットガラス2の端部に接触させないようにしたため、弾性コロ41の耐久性を向上させることができる。
【0037】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、スリットガラスを通過した直後の原稿の先端部がガイド部材に搬送されたときに弾性コロによって搬送力が付与される。このため、ガイド部材に搬送された原稿の搬送速度が低下するのを防止することができ、記録紙に形成された画像にピッチむらが発生してしまうのを防止することができる。
【0038】
また、ガイド部材に搬送された原稿に弾性コロで搬送力を付与することができるため、ガイド部材の上方への傾斜角度を大きくすることができるとともにスリットガラス自体の長さを短くすることができ、排紙経路を短くして、自動原稿搬送装置を小型化することができる。
請求項2記載の発明によれば、スリットガラスの読取位置を通過した原稿をガイド部材に当接する直前に弾性コロで搬送することができ、原稿を直線的にガイド部材に向かって搬送することができる。このため、ガイド部材に搬送された原稿の搬送速度が低下するのを防止することができ、記録紙に形成された画像にピッチむらが発生してしまうのをより一層防止することができる。
【0039】
また、スリットガラスの読取位置を通過した原稿に弾性コロで搬送力を付与することができるため、ガイド部材の上方への傾斜角度を大きくすることができ、排紙経路を短くして、自動原稿搬送装置を小型化することができる。
請求項3記載の発明によれば、ガイド部材に搬送された原稿に弾性コロで搬送力を付与した際に、この原稿を搬送コロよりの搬送速度よりも早い搬送速度で引張ることができるため、原稿をスリットガラスの読取位置から上方に浮かせて原稿面をスリットガラスの読取位置に接触させないようにすることができる。このため、スリットガラスの読取位置が汚れてしまうのを防止することができ、第1読取モードでの原稿の読取時にスリットガラスの汚れが同時に読取られてしまうのを防止することができる。したがって、記録紙に黒すじ画像が転写されてしまうのを防止することができる。
【0040】
請求項4記載の発明によれば、スリットガラスの原稿の搬送方向下流側の部分でスリットガラスの読取位置を通過する原稿の先端を、ガイド部材に当接する直前に弾性コロで搬送することができ、原稿を直線的にガイド部材に向かって搬送することができる。したがって、原稿の搬送速度が低下するのをより一層防止することができ、記録紙に形成された画像にピッチむらが発生してしまうのをより一層防止することができる。
【0041】
また、請求項3記載の発明と同様に、スリットガラスの読取位置が汚れてしまうのを防止して、第1読取モードでの原稿の読取時にスリットガラスの汚れが同時に読取られてしまうのを防止することができ、記録紙に黒すじ画像が転写されてしまうのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置に備えられた自動原稿搬送装置の第1実施形態を示す図であり、その画像形成装置としての複写機と自動原稿搬送装置の概略構成図である。
【図2】第1実施形態のスリットガラスの周囲の構成図である。
【図3】本発明に係る画像形成装置に備えられた自動原稿搬送装置の第2実施形態を示す図であり、スリットガラスの周囲の構成図である。
【図4】本発明に係る画像形成装置に備えられた自動原稿搬送装置の第3実施形態を示す図であり、スリットガラスの周囲の構成図である。
【図5】ピッチむらが発生した状態の従来の記録紙を示す図である。
【図6】黒すじが発生した状態の従来の記録紙を示す図である。
【符号の説明】
1 複写機
2 コンタクトガラス
3 スリットガラス
6 ADF(自動原稿搬送装置)
9 原稿載置台
10 呼出コロ(搬送手段)
11 分離コロ(搬送手段)
12 リバースコロ(搬送手段)
13 搬送コロ対(搬送手段)
14 給紙経路(搬送手段)
15 ガイド部材
16 排紙経路(搬送手段)
17 排紙コロ対(搬送手段)
18 排紙台
30、31、41 弾性コロ

Claims (4)

  1. 原稿を搬送しながらスリットガラスの読取位置下方で停止した光学系で原稿を読取る第1読取モードと、原稿をコンタクトガラス上に載置して該コンタクトガラス下方で前記光学系を移動させることにより原稿を読取る第2読取モードと、前記スリットガラスとコンタクトガラスの間に設けられ、搬送される原稿を上方に案内するガイド部材とを有する画像形成装置に備えられた自動原稿搬送装置において、
    原稿載置台に載置された原稿を反転して前記スリットガラスの読取位置を通過させた後、前記ガイド部材で上方に案内しながら前記コンタクトガラス上に設けられた排紙台上に排紙する搬送手段を有し、
    該搬送手段が、前記ガイド部材の上面においてオーバーラップして外周部が変形して接触する弾性コロを有し、
    原稿が前記ガイド部材に当接する直前に前記弾性コロによって搬送されることを特徴とする自動原稿搬送装置。
  2. 原稿を搬送しながらスリットガラスの読取位置下方で停止した光学系で原稿を読取る第1読取モードと、原稿をコンタクトガラス上に載置して該コンタクトガラス下方で前記光学系を移動させることにより原稿を読取る第2読取モードと、前記スリットガラスとコンタクトガラスの間に設けられ、搬送される原稿を上方に案内するガイド部材とを有する画像形成装置に備えられた自動原稿搬送装置において、
    原稿載置台に載置された原稿を反転して前記スリットガラスの読取位置を通過させた後、前記ガイド部材で上方に案内しながら前記コンタクトガラス上に設けられた排紙台上に排紙する搬送手段を有し、
    該搬送手段が、前記スリットガラスの読取位置下流側の部分にオーバーラップして外周部が変形して接触する弾性コロを有し、
    原稿が前記ガイド部材に当接する直前に前記弾性コロによって搬送されることを特徴とする自動原稿搬送装置。
  3. 前記搬送手段が、前記スリットガラスの原稿の搬送方向上流側に原稿を前記スリットガラスの読取位置に向かって搬送する搬送コロを有し、該搬送コロの回転速度を前記弾性コロの回転速度に対して遅く設定したことを特徴とする請求項1または2記載の自動原稿搬送装置。
  4. 前記弾性コロが前記スリットガラスの原稿の搬送方向下流側の部分にオーバーラップして接触していることを特徴とする請求項1または3記載の自動原稿搬送装置。
JP23792397A 1997-09-03 1997-09-03 自動原稿搬送装置 Expired - Fee Related JP3745093B2 (ja)

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