JP3745040B2 - 矢製造機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、矢の製造機に関し、詳しくは、矢竹を移送・供給し、この矢竹を一定位相角回転させる機構と、マガジンに収納された矢羽を取り出し、振り分け移送し、矢羽の軸面に接着剤を塗布し、前記移送・供給された矢竹に前記矢羽を自動的に接着する矢製造機に関する。
【0002】
【従来の技術】
神社などで、参拝者に授与される守護矢(登録商標)は、矢竹の先端には鏃を装着し、後端には定位相角毎に矢羽を接着したものであって、その製造は、すべて手作業に頼られていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のごとく守護矢(登録商標)の製作は、これまですべて手作業であるため、熟練者であっても一日当たり500本を製作するのが精一杯であり、作業者の熟練度や疲労度によって矢羽の接着具合等、品質にバラツキが生ずる問題があった。
【0004】
上記に鑑み、この発明は、矢竹の製作を自動化し、省力と生産性の向上および品質の安定と向上を可能にした矢製造機を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためにこの発明は、矢羽を収納するマガジン、このマガジンを載せるクロススライドテーブル、排出される矢羽を取り出す吸引パッドとからなる矢羽供給セクション(A)と、スライドベースに取付けられた移送チャック、上記移送チャックによ り移送された矢羽を順次受け取り掴持する振り分けテーブルとからなる矢羽振り分けセクション(B)と、前記振り分けテーブルによって搬送されてきた矢羽を掴持するL形クランパ、このL形クランパを180度回転させる回転ヘッド、この状態を固定する矢羽軸矯正手段、この矢羽軸矯正手段で固定された矢羽軸に接着剤を塗布する接着剤塗布ヘッドからなる接着剤塗布セクション(C)と、矢竹を等位相角毎に回転停止可能に支持する等位相角回転ヘッド、矢竹の長さに応じて押しコップの間隔を調製する支持間隔調整機構、矢竹を把持矯正する把持矯正手段、矢竹圧着手段とからなる矢羽圧着セクション(D)と、シューターから矢竹を排出するためのゲート、排出された矢竹を支持駒で支持しながら矢羽圧着セクション(D)に移送するコンベヤセクション(E)とからなる構成とし、より詳しくは、上記矢羽を収納するマガジンは、矢羽の後端を押える押え板と、羽毛の生えている角度の傾斜をもって取り付けられ、羽毛の中に分け入って矢羽軸の直近を押えるようにした矢羽軸押え板と基板とからなるようにしたものである。
【0006】
上記の如く構成するこの発明は、羽毛の生えている角度に合わせて取付けられた矢羽軸押え板が矢羽軸の直近を押えるので背後からの押圧力により矢羽軸が競り上がることなく順序よく排出され、排出された矢羽は吸引パットに吸着されながら移送チャックに移され複数本宛振り分けられる。また、振り分けられた矢羽はL形クランパに掴持され、このとき矢羽軸の歪みは矯正されて接着剤が塗布され、180度回転して矢竹に押し当てられて接着されるが、このとき矢竹は把持矯正手段に把持されて歪みが矯正され、かつ、矢羽が押し当てられたときの押圧力で曲がることがなく、矢羽が矢竹に確実に接着される。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に、この発明に係る矢製造機の概略を図1乃至図3を参照して説明する。この矢製造機は、矢羽の供給セクションA、矢羽の振り分けセクションB、接着剤塗布セクションC、矢羽圧着セクションD、コンベヤセクションEから構成する。
【0008】
矢羽供給セクションAは図4乃至図7に示すように、矢羽3を収納したマガジン1と、このマガジン1を載せるクロススライドテーブル2と、上記マガジン1から排出される矢羽3を所定の位置まで取り出す吸引パット4からなる。
【0009】
マガジン1は図4に示すように、矢羽後端の押さえ板5と、羽毛の生えている角度の傾斜角をもって取り付けられた矢羽軸押さえ板7と、基板8とからなっており、上記矢羽軸押さえ板7は、基板8の側縁から立ち上げた側板9から突き出たブラケット10a に支持されている。矢羽後端の押さえ板5は、基板8の他の側縁から立ち上げた板を内向き逆さL字状11に折り曲げて形成している。基板8は、その中央長さ方向に、後端から前端に至らない上下に貫通したスリット12が設けられ、その両側には長さ方向の凹溝12”が前記スリット12に平行して設けられている。上記矢羽軸6を押さえる矢羽軸押さえ板7の角度は、矢羽3の羽毛3’の角度に合わせて傾斜させてあり、該矢羽軸押さえ板7が、矢羽3の羽毛3’の中に分け入って矢羽軸6の直近を押さえることにより、重ねて収納された矢羽の矢羽軸6が、後方からの押圧力で競り上がらないようになっている。
【0010】
クロススライドテーブル2は、図5乃至図7に示すように、矢羽3がなくなった先行のマガジン1を取り除くと、交換マガジン1’が所定の位置にシフトするテーブル2”と、マガジン1内の矢羽3を押し出す方向にシフトさせるテーブル2’とで構成している。マガジン1を載せるテーブル2’には、マガジン1に収納された矢羽3を押し出すエアーシリンダCa2(図6参照)によって作動するプッシャー13が配置されている。マガジン1を載置するテーブル2’中央には、前記マガジン1の基板8中央に設けたスリット12に一致するようにスリット12’を設けて、上記プッシャー13が最後の矢羽3まで押出すための摺動を可能にしている。
【0011】
マガジン1の矢羽排出側前方には、エアーシリンダCa1(図6参照)によって矢羽に対し接離する吸引パット4が設けられている。この吸引パット4は、矢羽3を吸引したとき過剰な吸引で矢羽3を破壊しないように背圧をセンサPRS で制御し、かつ、吸引によって矢羽3が破壊されると吸引を停止する構造としている。なお、図において吸引パット4の背後に挿入したスプリング14a は、矢羽に吸引パット4が当接したときの衝撃を緩和するためのものである。また、図面において吸引パット4を三個設置しているのは、矢羽3の規格長が通常三種類あって、短いものの場合は4a と4b の吸引パットを、長いものの場合は4a と4c の吸引パット4を作動させる。また、Ca3(図5参照)は交換マガジン1’のシフト用エアーシリンダである。
【0012】
矢羽振り分けセクションBは、図5乃至図8に示すように、スライドベース15a に取り付けられた移送チャック16と、上記移送チャック16により移送された矢羽3を順次受け取り掴持する振り分けテーブル17とからなる。
【0013】
矢羽の移送チャック16は図5乃至7に示すように、吸引パット4が矢羽3を吸引して復帰する位置の上部には、矢羽3の取り出し方向に直交するスライドベース15a が矢羽の振り分けテーブル17に向けて設置されている。このスライドベース15a には、上下方向に作動するエアーシリンダCb2を介して移送チャック16が摺動可能に取り付けられ、スライドベース15a 内に設置されたエアシリンダCb3により、吸引パット4と矢羽の振り分けテーブル17間を往復動する構造となっている。
【0014】
矢羽の振り分けテーブル17は図8に示すように、同テーブル上に四個の矢羽チャック18が等間隔に設置されてあり、前記移送チャック16で矢羽3が移送される毎に、シンクロモータSMb1(図18参照)で一個づつ進む構造になっている。上記矢羽チャック18は、振り分けテーブル17上に二本の摺動軸19が軸受20a によって平行に支持され、この摺動軸19に固定カラー21を等間隔に嵌め、この固定カラー21の図面上の左側にスプリング14b を介して摺動カラー22と摺動筒23とを嵌め、この摺動カラー22と摺動筒23によって揺動掴持片24が支持されている。一方、上記揺動掴持片24に対応する固定掴持片25は、矢羽の振り分けテーブル17から立ち上げ支持されている。また、矢羽チャック18の開閉は、矢羽チャック18が前進する毎にスライドベース15b の側縁に設置されたエアーシリンダCb4の作動によってリンク27が実線の如く位置することによって開になり、一個前進するときはリンク27が鎖線の如く位置して矢羽3を掴持するとともに矢羽チャック18の前進を可能にしている。なお、矢羽チャック18の開のとき、移送チャック16が矢羽の振り分けテーブル17側に向けて移動するようにタイミングを合わせている。
【0015】
上記矢羽の振り分けテーブル17は、接着剤塗布セクションC側に延びるスライドベース15b に乗っておりシンクロモータSMb1(図18参照)により接着剤塗布セクションC側に移動する。このとき前記リンク27は、鎖線の如く位置して移動を可能にしている。スライドベース15b の下にはエアーシリンダCb6(図1参照)が配置してあり、上記スライドベース15b に乗った矢羽の振り分けテーブル17を昇降可能にして、矢羽3を接着剤塗布セクションCに引き渡す状態にする。なお、エアーシリンダCb7は接着剤塗布セクションCのL形クランパ28a が矢羽3をクランプした時点で矢羽チャック18を一括解放するためのものである。
【0016】
接着剤塗布セクションCは図9乃至図11に示すように、前記矢羽の振り分けテーブル17によって搬送されてきた矢羽3を受け取り掴持するL形クランパ28a と、180度回転させる回転ヘッド29と、この状態を固定する矢羽軸矯正手段30と、上記矢羽軸矯正手段30で固定された矢羽軸6に接着剤を塗布する接着剤塗布ヘッド31からなる。
【0017】
L形クランパ28a は図9に示すように、縦フレーム32の軸受20bに支持されロータリーアクチュエータCc1〜4 の作動で開閉する構造としている。L形クランパ28a の軸35は、軸受20b 後部に突き出て、この軸に従動歯車36a が嵌められている。この従動歯車36a には、中間歯車37a を介して180度回転させるロータリーアクチュエータCc5の軸に嵌められた駆動歯車38a に噛合して180度回転ヘッド29を構成している。矢羽軸矯正手段30は、縦フレーム32の頂部基板39のブラケット10c に挿嵌された二本の摺動軸19c が取り付けられ、この摺動軸19c に嵌められた揺動側の掴持部材40と、この揺動側の掴持部材40の対向位置に配置された固定側の掴持部材41、エアシリンダCc6 とで構成している。
【0018】
接着剤塗布ヘッド31は図10に示すように、矢羽3の並列方向のスライドベース15c が設けられ、このスライドベース15c に矢羽軸6の方向のスライドベース15d が取り付けられ、このスライドベース15d にエアーシリンダCc8によって昇降する接着剤吐出ノズル42とエアーシリンダCc7によって昇降する押しロールが取り付けられている。スライドベース15c 、15dには、それぞれスクリュー43a ,43b が設置され、これらのスクリューに直結されたシンクロモータSMc1,SMc2(図19参照)によって接着剤塗布ヘッド31が作動する構造としている。
【0019】
矢羽圧着セクションDは、図11乃至図15に示すように、矢竹44を支持し、該矢竹44を等位相角毎に回転停止する等位相角回転ヘッド45と、矢竹44の規格長に対応して支持間隔を調整する機構(支持間隔調整機構46)を備えた押しコップ47と、矢竹44を把持矯正する把持矯正手段48と、矢羽圧着手段49からなる。
【0020】
等位相角回転ヘッド45は図12に示すように、ギヤードモータGMd2の駆動軸に取り付けられた駆動歯車38b に、二個の中間歯車37b が噛み合い、この中間歯車37b に四個の従動歯車36b が噛み合って、この従動歯車36b の回転軸34に取り付けられたコネクタ51a とで構成している。また、等位相角回転および停止は、ギヤードモータGMd2の駆動軸にスリットディスク50が固着されていて、このスリットをフォトセンサPOTd5 が検出することにより、所定の位相角毎に回転および停止するようになっている。なお、Cd9 は、等位相角回転ヘッド45を軸方向に摺動させるためのエアシリンダである。
【0021】
押しコップ47は図13に示すように、ベース52a 上に軸受20c により支持されたスクリュー43c をハンドル64a で正逆回転することにより、支持間隔調整機構46を構成し、上記スクリュー43c には、上部に押しコップ台53を備えたナット54a が螺合し、この押しコップ台53にはエアーシリンダCd6により前記等位相角回転ヘッド45に向かって進退する四個の押しコップ47が設けられている。なお、押しコップ47の軸端には弾性体からなるコネクタ51b が固着され、その背後にはスプリング14c が挿嵌されている。
【0022】
矢竹44を把持矯正するための把持矯正手段48は図14、図15に示すように、前記等位相角回転ヘッド45と押しコップ47との間の等位相角回転ヘッド45寄りに設置されている。矢竹の把持矯正手段48は、押しコップ47と等位相角回転ヘッド45とによって回転可能に支持された矢竹44の曲がり癖を矯正するとともに、矢竹44の後端に矢羽3を接着されるとき、その位置を固定するとともに接着時の押圧力によって矢竹44が歪まないようにするものである。
【0023】
把持矯正手段48は、エアシリンダCd8によりベース52b が上下動し、上昇停止したとき、ロータリーアクチュエータCd7によってピニオン55が正逆回転し、これに噛み合ったラック56が左右に摺動し、このラック56に固定された矢竹チャック57が矢竹44を掴持するようになっている。
【0024】
矢羽圧着手段49は図11乃至図16に示すように、接着剤塗布済の矢羽3を受け取り矢竹44の後端に移送するためのシンクロモータSMd1とロータリーアクチュエータCd1〜Cd4によって作動するクランパ28b と、矢竹44の後端に移送された矢羽3を掴持するクランパ28b を昇降させるエアーシリンダCd5とからなっており、矢羽3の接着が終わると掴持を解放するようになっている。
【0025】
コンベヤセクションEは図1および図16に示すように、矢竹44のシューター58と、このシューター58から矢竹44を間歇的排出するためのゲート59と、排出された矢竹44を支持駒で支持させるチェンコンベヤ60とからなる。
【0026】
シューター58は、L形鋼61を対向して配置し、一定の傾斜をもってフレーム62に支持されている。上記シューター58は、矢竹44の規格長に応じてシューター58の幅を調整する幅寄せ機構63が設けられている。この幅寄せ機構63は、片方のL形鋼61’の底部に固着されたナット54b にスクリュー43c が螺合しており、スクリュー43c に取り付けられたハンドル64b を回転させることにより、上記L形鋼61’の下に取り付けられたスライドシュー65がスライドレール66に乗って摺動し、シューター58の幅寄せが行われる。
【0027】
シューター58のL形鋼61の終端部上面には図16に示す如く、矢竹44が通過できる程度の間隔をあけて、アプローチ面67を有する短冊状の平板68を被せて、断面コ字型の矢竹排出軌道69を形成している。上記矢竹排出軌道69の端には、矢竹44が伸びる側を開放した矢竹通過溝70を形成し、該矢竹通過溝70の下面を、矢竹44が排出される方向に従って下向き傾斜面71を設けたゲート59が設けられている。このゲート59は、チェンコンベヤ60に固着されている矢竹支持駒72の接近にタイミングを合わせて作動するエアシリンダCe1の作動によって開き、上記矢竹通過溝70の下向き傾斜面71を転がりながらチェンコンベヤ60の矢竹支持駒72に落し込む機構を採用している。
【0028】
矢竹44を受けたチェンコンベヤ60は、ギヤードモータGMe1(図21参照)によって駆動されるスプロケット73により周回するが、矢竹支持駒72が4個進むごとに一時停止し、前述の矢羽圧着セクションDが作動するようになっている。
【0029】
次に、この実施形態に係る矢製造機の機能について動作模式図とフローチャートを参照して説明する。
【0030】
矢羽供給セクションについて図17を参照して説明する。クロススライドテーブルのマガジン1は、収納されている矢羽3が消費されるとエアーシリンダ(Ca3,右へ)によってシフトされて新しいマガジン1に入れ替わる。マガジン1内の矢羽3はエアーシリンダ(Ca2,前進)によって消費される分だけ押し出される。吸引パット4は、3個用意されているが、矢羽3の規格長が大きいときは4a ,4c を使用し、小さいときは4a ,4b を選択使用する。エアーシリンダ(Ca1,前進)によって吸引パット4が前進して矢羽3を吸引(VCM ,on、PRS ,on)する。吸引パット4が所定の位置に後退する(Ca1,後退、PRS ,onならば正常、off ならばミスキャッチ)と矢羽振り分けセクションBのエアーシリンダ(Cb2,下降)の作動で移送チャックが下降してロータリーアクチュエータ(Cb1,on)が作動して矢羽3を掴持すると、吸引パット4の吸引が停止(CVM ,off )する。
【0031】
次に矢羽振り分けセクションについて図18を参照して説明する。シンクロモータ(SMb1,作動)によって振り分けテーブル17が次のチャックへ送られると同時にエアーシリンダ(Cb4,on)が作動して矢羽チャック18a 〜18d が開となる。一方エアシリンダ(Cb2,下降)、(Cb1,on)、(Cb2,上昇)の作動で矢羽を掴持した移送チャック16は、エアーシリンダ(Cb3,前進)によって振り分けテーブル17に向けて移動し、矢羽は上記開になった矢羽チャック18a 〜18d 内に移送され、エアーシリンダ(Cb4,off )が作動して矢羽軸19を掴持し、ロータリーアクチュエータ(Cb1,off )が作動して矢羽の掴持を開放、エアーシリンダ(Cb3,後退)が後退し、元の位置に戻り同様のサイクルを繰り返す。なお、エアーシリンダ(Cb5)は振り分けテーブル17に矢羽を受け取ったとき、矢羽の軸端が揃うようにするためのものである。
【0032】
振り分けテーブル17に四本の矢羽が掴持されると、シンクロモータ(SMb1,作動)によって接着剤塗布セクションC側に移動し、エアーシリンダ(Cb6,上昇)により振り分けテーブル17全体が上昇して接着剤塗布セクションCへ引渡すために待機状態となる。接着剤塗布セクションCのロータリーアクチュエータ(Cc1〜4 ,on)の作動で四本の矢羽が掴持されて引渡完了し、エアーシリンダ(Cb7,on)が作動して、振り分けテーブル17の矢羽チャック18a 〜18d が一括開となり、エアーシリンダ(Cb6,下降)が作動して振り分けテーブル17が下降、エアーシリンダ(Cb7,off )の作動で矢羽チャック18a から18d が一括閉、シンクロモータ(SMb1,作動)が作動して振り分けテーブル17が原点に復帰する。
【0033】
次に接着剤塗布セクションについて図19を参照して説明する。ロータリーアクチュエータ(Cc1〜4 ,on)で矢羽が掴持されると、ロータリーアクチュエータ(Cc5,on)が作動し、L形クランパ28a が1/2回転する。次いでエアーシリンダ(Cc6,on)の作動によって矢羽軸が掴持されて歪みが矯正され、ロータリーアクチュエータ(Cc1〜4 ,off )が作動してL形クランパ28a が開となる。一方、シンクロモータ(SMc1,SMc2)が作動して、接着剤吐出ノズル42および押さえローラ33が接着剤塗布開始位置で待機する。
【0034】
接着剤塗布態勢が整うと、エアーシリンダ(Cc8,Cc7,下降)が作動して、接着剤吐出ノズルと押さえローラが下降、シンクロモータ(SMc2)、ポンプ(PUM ,on)が作動して接着剤を矢羽軸に塗布する。ポンプ(PUM ,off )が停止し、エアーシリンダ(Cc7,Cc8,上昇)が作動して、押さえローラと接着剤吐出ノズルが上昇し、上記操作を反復して四本の矢羽軸に接着剤の塗布を完了する。
【0035】
四本の矢羽軸に接着剤を塗布すると、再度ロータリーアクチュエータ(Cc1〜4 ,on)が作動して矢羽をクランプし、エアーシリンダ(Cc6,off )が作動して矢羽の軸の掴持を解く、ロータリーアクチュエータ(Cc5,on)が作動して1/2逆転し、圧着セクションDへ引き渡すため待機する。
【0036】
次に矢羽圧着セクションについて図20を参照して説明する。上記待機する矢羽に対し、シンクロモータ(SMd1,前進)が作動し、クランパ28b が引き取りに向かい、ロータリーアクチュエータ(Cd1〜4 ,on)が作動して待機する矢羽を受け取りクランプし、シンクロモータ(SMd1,後退)が作動して矢竹44に圧着する位置で停止する。一方、コンベヤセクションEで搬送された矢竹44が、フォトセンサ(POTe1 〜4 ,on?)で四本揃ったことを確認(図21参照)すると、押しコップ側のエアーシリンダ(Cd6,on)および回転ヘッド側エアーシリンダ(Cd9,on)が作動して矢竹44を軸方向から押して回転自在に支持し、次いで、エアーシリンダ(Cd8,上昇)が作動して矢竹把持矯正手段48が上昇し、エアーシリンダ(Cd7,on)が作動して矢竹44を把持する。
【0037】
矢竹44が把持矯正されると、エアーシリンダ(Cd5,下降)が作動してクランパ28b が下降し、矢羽軸を矢竹44に一定時間(タイマーセット)押しつけて矢竹44に矢羽が圧着される。
【0038】
矢羽の接着が完了するとロータリーアクチュエータ(Cd1〜4 ,off )が作動して矢羽3を開放し、続いてエアーシリンダ(Cd5,上昇)が作動してクランパ28b が上昇し、エアーシリンダ(Cd7,off )が作動して矢竹44の把持が解かれ、ギヤードモータ(GMd2,on)が作動し、1/3回転して停止し、前述のサイクルで接着剤が塗布された矢羽が矢竹44の後方に1/3位相回転角をもって接着されて終了する。
【0039】
矢羽の接着が終了すると、エアーシリンダ(Cd8,下降)でクランパ28b が下降、エアーシリンダ(Cd6,およびCd9,off )が作動して押しコップ47および等位相角回転ヘッド45が後退し、完成した矢がコンベヤセクションEに乗って排出される。続いてシンクロモータ(SMd1,作動)が作動して、つぎの接着剤塗布済み矢羽の受け取りまで待機する。
【0040】
次にコンベヤセクションについて図21を参照して説明する。シュータ58に設置したフォトセンサ(POTe5 ,on)により、シュータ58に矢竹44がストックされていることを確認する。続いて、矢竹通過溝のフォトセンサ(POTe6 ,on)により矢竹44が詰まっていないことを確認する。両方の確認がOKならば、ギヤードモータ(GMe1,on)駆動し、チェンコンベヤの矢竹支持駒72の移動にタイミングを合わせて(POTe7 ,on?)キヤードモータ(GMe1,off )が停止する。ここでエアーシリンダ(Ce1,on・off )が作動してゲート59が開閉し、フォトセンサ(POTe1 〜4 ,on?)が動作するまで上記操作を繰り返して、矢竹44チェンコンベヤの矢竹支持駒72に排出する。
【0041】
フォトセンサ(PPTe1 〜4 ,on)の作動により、矢竹が四本排出されたことを確認し、圧着セクションDに矢竹を支持させるため待機する。
【0042】
一方、圧着セクションDで、矢羽が接着された矢は、ギヤードモータ(GMe1,on )が駆動して排出される。
【0043】
【発明の効果】
以上説明した如くこの発明によれば、守護矢(登録商標)の製作が自動化され、これによって省力と生産性の向上、及び品質の安定と向上が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る斜視図
【図2】同平面図
【図3】同側面図
【図4】(a) マガジンの斜視図
(b) 同断面図
【図5】マガジンから振り分けテーブルに至る部分の正面図
【図6】同側面図
【図7】同平面図
【図8】(a) 振り分けテーブルの平面図
(b) 同正面図
(c) 同側面図
【図9】(a) 180度回転ヘッドのL形クランパ、矢羽軸矯正手段部分の平面図
(b) 同正面図
(c) 同側面図
(d) (b)図の矢羽軸矯正手段の拡大図
【図10】(a) 接着剤塗布ヘッド部分の平面図
(b) 同正面図
(c) 同側面図
【図11】接着剤塗布セクションの正面図
【図12】(a) 等位相角回転ヘッド部の正面図
(b) 同平面図
(c) 同側面図
【図13】(a) 押しコップ部分の平面図
(b) 同正面図
(c) 同側面図
【図14】(a) 把持矯正手段の正面図
(b) 同平面図
(c) 同側面図
【図15】矢羽圧着セクションの正面図
【図16】(a) ゲート部分の拡大斜視図
(b) 同側面図
【図17】矢羽供給セクションのフロー図および模試図
【図18】矢羽振り分けセクションのフロー図および模試図
【図19】接着剤塗布セクションのフロー図および模試図
【図20】矢羽圧着セクションのフロー図および模試図
【図21】コンベヤセクシンのフロー図および模試図
【符号の説明】
1 マガジン
1’交換マガジン
2 クロススライドテーブル
2’マガジンの乗るテーブル
3 矢羽
3’羽毛
4,4a ,4b ,4c 吸引パット
5 押さえ板
6 矢羽軸
7 矢羽軸押さえ板
8 基板
9 側板
10a ,10c ブラケット
11 逆さL字状
12,12’ スリット
12” 凹溝
13 プッシャー
14a ,14b ,14c スプリング
15a ,15b ,15c ,15d ,15e スライドベース
16 移送チャック
17 振り分けテーブル
18 矢羽チャック
19,19c 摺動軸
20a,20b,20c 軸受
21a ,21b 固定カラー
22 摺動カラー
23 摺動筒
24 揺動掴持片
25 固定掴持片
27 リンク
28a L形クランパ
28b クランパ
29 180度回転ヘッド
30 矢羽軸矯正手段
31 接着剤塗布ヘッド
32 縦フレーム
33 押さえローラ
34 回転軸
35 軸
36a ,36b 従動歯車
37a ,37b 中間歯車
38a ,38b 駆動歯車
39 頂部基板
40 揺動側掴持部材(揺動側)
41 固定側掴持部材(固定側)
42 接着剤吐出ノズル
43a ,43b ,43c ,43d ,43e スクリュー
44 矢竹
45 等位相角回転ヘッド
46 支持間隔調整機構
47 押しコップ
48 把持矯正手段
49 矢羽圧着手段
50 スリットディスク
51a ,51b コネクタ
52a ,52b ベース
53 押しコップ台
54a ,54b ナット
55 ピニオン
56 ラック
57 矢竹チャック
58 シューター
59 ゲート
60 チェンコンベヤ
61 L形鋼
62 フレーム
63 幅寄せ機構
64a ,64b ハンドル
65 スライドシュー
66 スライドレール
67 アプローチ面
68 平板
69 矢竹排出軌道
70 矢竹通過溝
71 斜面
72 矢竹支持駒
73 スプロケット
A 矢羽供給セクション
B 矢羽振り分けセクション
C 接着剤塗布セクション
D 矢羽圧着セクション
E コンベヤセクション
Claims (2)
- 矢羽(3)を収納するマガジン(1)、このマガジン(1)を載せるクロススライドテーブル(2)、排出される矢羽(3)を取り出す吸引パッド(4)とからなる矢羽供給セクション(A)と、
スライドベース(15a)に取付けられた移送チャック(16)、上記移送チャック(16)により移送された矢羽(3)を順次受け取り掴持する振り分けテーブル(17)とからなる矢羽振り分けセクション(B)と、
前記振り分けテーブル(17)によって搬送されてきた矢羽(3)を掴持するL形クランパ(28a)、このL形クランパを180度回転させる回転ヘッド(29)、この状態を固定する矢羽軸矯正手段(30)、この矢羽軸矯正手段(30)で固定された矢羽軸(6)に接着剤を塗布する接着剤塗布ヘッド(31)からなる接着剤塗布セクション(C)と、
矢竹(44)を等位相角毎に回転停止可能に支持する等位相角回転ヘッド(45)、矢竹(44)の長さに応じて押しコップ(47)の間隔を調製する支持間隔調整機構(46)、矢竹(44)を把持矯正する把持矯正手段(48)、矢竹圧着手段(49)とからなる矢羽圧着セクション(D)と、
シューター(58)から矢竹(44)を排出するためのゲート(59)、排出された矢竹(44)を支持駒(72)で支持しながら矢羽圧着セクション(D)に移送するコンベヤセクション(E)とからなる矢製造機。 - 上記矢羽(3)を収納するマガジン(1)は、矢羽の後端を押える押え板(5)と、羽毛の生えている角度の傾斜をもって取り付けられ、羽毛の中に分け入って矢羽軸(6)の直近を押えるようにした矢羽軸押え板(7)と基板(8)とからなる請求項1に記載の矢製造機。
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- 1996-08-08 JP JP20968496A patent/JP3745040B2/ja not_active Expired - Fee Related
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