JP3743861B2 - 冷凍空調装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は冷凍空調装置に関し、特に、冷凍機油を圧縮機に回収し、圧縮機の潤滑部に供給する冷凍空調装置に関するものであり、また、二酸化炭素冷媒を使用する冷凍空調装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
二酸化炭素を冷媒として用いる冷凍空調装置として、特開平11−94380号公報に記載の冷凍空調装置がある。図8は本公報に記載の冷凍サイクルを示す図である。
図8において、1は圧縮機、16は放熱器、3は膨張弁、17は蒸発器、18はアキュムレータである。冷凍サイクルの冷媒は二酸化炭素(CO2)であり、冷凍機油には冷媒と相溶性の低く、密度の重いPAG(ポリアルキレングリコール)系オイルが用いられている。
この冷凍サイクルの冷媒の流れは以下のようになる。まず、圧縮機1において高温高圧のガスに圧縮され吐出された冷媒は、超臨界状態で放熱器16にて冷却され温度が低下する。この冷媒を膨張弁3により減圧し、冷媒は低圧の二相状態となり、蒸発器17に流入し、ここで蒸発ガス化し、アキュムレータ18を経て圧縮機1に吸入される。このようにして、車室内の空気を冷却する。
【0003】
アキュムレータ18の構造は、図9に示されるような構造となり、冷凍サイクルの余剰の液冷媒、および冷凍機油が保持される。冷凍機油と冷媒は前述したように相溶性が低く、冷凍機油の密度が大きいため冷凍機油はアキュムレータ18の底部に滞留し、冷凍機油の上に液冷媒が浮く形となり、アキュムレータ18の底部の油戻し穴7を経てアキュムレータ18内の冷凍機油が圧縮機1内に供給され圧縮機1を潤滑する。
このようにして、アキュムレータ6内の余剰の液冷媒が圧縮機1へ吸入されることを防止しつつ、冷凍機油のみを圧縮機1に供給することで、冷凍サイクルの信頼性を確保していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記の冷凍サイクルには以下のような問題があった。図3は温度に対するCO2の飽和液密度の変化、およびPAG油の密度の変化を示している。図3にあるように温度が−15℃より高い場合は、冷媒の液密度が油の密度より小さく、アキュムレータ18の底部に油が滞留し、圧縮機1に油が返油されるが、温度が−15℃以下の場合は、冷媒の液密度が油の密度より大きくなり、アキュムレータ18の底部に液冷媒が滞留し、その上に油が浮く状態となる。このときアキュムレータ18の油戻し穴7からは液冷媒が圧縮機1に戻るようになる一方、圧縮機1に油が供給されない状態となるため、圧縮機1の潤滑に不具合をきたし、圧縮機1の破損に至る恐れがあった。従って運転状態に応じてアキュムレータ18での温度状況が変化した場合には、圧縮機1への油の供給が確実になされない状態となるため、冷凍空調装置運転の際の信頼性が確保されないとという問題があった。
【0005】
本発明は以上の課題に鑑みなされたもので、冷媒に対して相溶性の低い冷凍機油を用い、二酸化炭素(CO2)のように、温度状態によって液密度が変化し、冷媒の液密度と冷凍機油の密度の大小関係が逆転するような状態が発生する可能性のある冷媒を充填した冷凍空調装置において、圧縮機への冷凍機油の回収を確実に行うことを目的とする。
また、圧縮機への液バックを防止することを目的とする。
また、圧縮機内で潤滑部に冷凍機油を確実に供給することを目的とする。
また、冷媒として二酸化炭素を使用することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1の冷凍空調装置は、圧縮機、放熱器、減圧装置、蒸発器を順次接続した冷凍サイクルを有する冷凍空調装置において、冷凍機油として冷媒と相溶性の小さい冷凍機油を用い、また、冷凍機油の密度と冷媒の液密度とをセンサー情報に基づき演算及び両者の大小を判断し、冷媒の液密度が冷凍機油の密度より大きくなる運転状態となった場合、冷凍空調装置の運転を停止する制御装置を備えたものである。
【0008】
また、請求項の冷凍空調装置は、圧縮機、放熱器、減圧装置、蒸発器を順次接続した冷凍サイクルを有する冷凍空調装置において、冷凍機油として冷媒と相溶性の小さい冷凍機油を用い、また、冷凍機油の密度と冷媒の液密度とをセンサー情報に基づき演算及び両者の大小を判断し、冷媒の液密度が冷凍機油の密度より大きくなる運転状態となった場合、冷媒の液密度が冷凍機油の密度より小さくなるように、冷媒圧力上昇運転又は冷媒温度上昇運転を実施する制御装置を備えたものである。
【0009】
また、請求項の冷凍空調装置は、圧縮機と蒸発器との間に液貯留部としてアキュムレータを設け、冷凍機油回収・供給装置として前記アキュムレータ下部に滞留する冷凍機油を圧縮機に回収する油回収回路を設けたものである。
【0010】
また、請求項の冷凍空調装置は、圧縮機、放熱器、減圧装置、蒸発器、アキュムレータを順次接続した冷凍サイクルを有する冷凍空調装置において、冷凍機油として冷媒と相溶性の小さい冷凍機油を用い、アキュムレータ下部の冷凍機油を回収する油回収回路と、前記油回収回路の流量を制御する流量制御装置と、センサ情報に基づき、冷凍機油の密度と冷媒の液密度とを演算及び両者の大小を判断するとともに、冷媒の液密度が冷凍機油の密度より大きい場合、前記流量制御装置を制御して流量を減少させる又は流れを止めさせる制御装置とを備えたものである。
【0012】
また、請求項の冷凍空調装置は、圧縮機、放熱器、減圧装置、蒸発器、アキュムレータを順次接続した冷凍サイクルを有する冷凍空調装置において、冷凍機油として冷媒と相溶性の小さい冷凍機油を用い、前記アキュムレータの上下方向にそれぞれ開口部を有し、前記アキュムレータに滞留する冷凍機油を回収するそれぞれ流量制御装置付きの複数の油回収回路を備え、運転状態を検知し、冷媒液密度が冷凍機油の密度より小さくなる場合には、下の開口部の油回収回路の流量制御装置を開とし、上の開口部の油回収回路の流量制御装置を閉とし、また、冷媒液密度が冷凍機油の密度より大きくなる場合には、上の開口部の油回収回路の流量制御装置を開とし、下の開口部の油回収回路の流量制御装置を閉とするものである。
【0013】
また、請求項の冷凍空調装置は、圧縮機が低圧シェルタイプであり、底部に油溜めを備えたものである。
【0014】
また、請求項の冷凍空調装置は、冷媒が二酸化炭素であり、冷凍機油がPAG油、鉱油、アルキルベンゼン油のいずれかである。
【0015】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1を図1、図2及び図3により説明する。
図1は、実施の形態1の冷凍サイクルを示す冷媒回路図であり、図2は、冷凍サイクルのアキュムレータを示す図であり、また図3は、二酸化炭素の飽和液密度及びPAG油の密度の温度特性図である。
図1において、1は圧縮機、2は四方弁、3は室外機側熱交換器、4は減圧装置である電子膨張弁、5は室内側熱交換器、6は液貯溜部であるアキュムレータである。
アキュムレータ6の構造は図2に図示されるように、底部に油取出口である油戻し穴7を設け、アキュムレータ6の底部に滞留する油を油戻し穴7を介して圧縮機1に戻す構造となっている。
この場合、冷媒を圧縮機に戻す配管である、アキュムレータ6内のU字状配管が油回収回路でもあり、油戻し穴7と油戻し穴7を有する油回収回路とが油回収・供給装置に該当する。
【0016】
冷媒はCO2を用いる。
また、圧縮機1は低圧シェルタイプの圧縮機であり、圧縮機1のシェル底部の油溜である液貯留部に冷凍機油が滞留するとともに、圧縮機1のシェル底部に設けられた給油ポンプで圧縮機1内のシリンダ、軸受け等の潤滑部に冷凍機油を供給する構造となっている。
この場合、給油ポンプで圧縮機1内のシリンダ、軸受け等の潤滑部に冷凍機油を供給する手段が、油供給・回収装置に該当する。
室外熱交換器3は外気と熱交換を行い、室内熱交換器5は室内空気と熱交換を行い、室内側の空調を実施する。各熱交換器の熱交換量はファン(表示せず)で制御される。
また、8、9は圧力センサであり、圧力センサ8は高圧(吐出圧力)を計測し、また圧力センサ9は低圧(吸入圧力)を計測する。10、11は温度センサであり、温度センサ10は圧縮機1の吐出温度を計測し、温度センサ11は圧縮機1の吸入温度を計測する。制御装置(図示せず)には圧力センサ8、9、温度センサ10、11での計測情報など冷凍空調装置の運転情報を収集、演算及び判断し、その結果より圧縮機1の運転・停止、運転周波数の制御、各熱交換器での熱交換量、電子膨張弁4の開度、四方弁2の切換え等冷凍空調装置の運転制御を実施する。
【0017】
次に、この冷凍空調装置での運転動作について説明する。
冷凍空調装置は冷房、暖房の各空調運転を実施できるヒートポンプ機である。冷房運転の場合は、以下のような運転となる。まず、四方弁2は図1の実線方向の流路に設定される。圧縮機1で圧縮され、吐出された高温・高圧のガス冷媒は、四方弁2を経て、放熱器である室外熱交換器3に流入し、室外熱交換器3で放熱しながら温度低下する。このとき高圧が臨界圧以上であれば、冷媒は超臨界状態のまま温度低下し放熱する。また高圧が臨界圧以下であれば、室外熱交換器3は凝縮器として作用し冷媒は凝縮液化しながら放熱する。室外熱交換器3を出た冷媒は電子膨張弁4で減圧され低圧の二相状態となり、室内熱交換器5に流入する。室内熱交換器5では、冷媒は蒸発ガス化され、その際、室内空気より熱を奪い冷房を行う。室内熱交換器5を出たガス冷媒はアキュムレータ5を経て圧縮機1に吸入される。
【0018】
一方、暖房運転は以下のような運転となる。まず、四方弁2は図1の点線方向の流路に設定される。圧縮機1で圧縮され、吐出された高温・高圧のガス冷媒は、四方弁2を経て、放熱器である室内熱交換器5に流入し、室内熱交換器5で放熱しながら温度低下する。このとき高圧が臨界圧以上であれば、冷媒は超臨界状態のまま温度低下し放熱する。また高圧が臨界圧以下であれば、室内熱交換器5は凝縮器として作用し冷媒は凝縮液化しながら放熱する。冷媒から放熱された熱を室内空気に与えることで暖房を行う。室内熱交換器5を出た冷媒は、電子膨張弁4で減圧され低圧の二相状態となり、室外熱交換器3に流入する。室外熱交換器3では、冷媒は蒸発ガス化され、室外熱交換器3を出たガス冷媒はアキュムレータ5を経て圧縮機1に吸入される。
【0019】
また暖房運転を行うときに、外気温度が低い場合は、室外熱交換器3に着霜するため、暖房運転開始後、一定時間経過した場合や、低圧が予め定められた設定値よりも低下した場合には、デフロスト運転が実施される。本冷凍空調装置でのデフロスト運転はリバースデフロストで実施され、このとき四方弁は冷房運転を同じく図1の実線方向の流路に設定される。冷媒の流れは冷房運転と同様となり、室外熱交換器3での冷媒からの放熱により、着霜した霜を溶解する。デフロスト運転中に高圧が予め定められた圧力より上昇する、又は一定時間デフロスト運転を実施すると、デフロスト運転は終了し、暖房運転に復帰する。
【0020】
このような運転を行う冷凍空調装置において、冷凍機油は冷媒との相溶性が低く、前記の各運転が実施される範囲内において、冷媒の液密度より密度が大きくなる冷凍機油が選択され用いられる。特に、本冷凍空調装置では、アキュムレータ6での油戻り、及び圧縮機1のシェル内の油の潤滑部への供給はシェル底部に油が滞留していることが前提となっているため、前記各運転範囲において、圧縮機1、アキュムレータ6にて冷凍機油の密度が冷媒の液密度より大きくなるような油が選択される。圧縮機1、アキュムレータ6はともに低圧の圧力であり、液冷媒が存在するときは気液が共存する二相状態となるため、低圧から換算される飽和温度(蒸発温度)によって、即ち、図3の密度の温度特性図から冷凍機油、液冷媒の密度が決定される。
【0021】
前記各運転における低圧(蒸発温度)は以下のように求められる。まず冷房運転の場合、低圧は蒸発器である室内熱交換器5での熱交換によって決まるので、室内空気温度によって変動するとともに、室内熱交換器5での伝熱効率(熱通過率)によっても変動する。冷房運転を実施する場合、室内の空気温度は概ね20℃以上となる。また、室内熱交換器5での熱交換量は、
熱交換量=伝熱面積×熱通過率×(室内空気温度−蒸発温度)
となるので、空調運転で要求される熱交換量に対し、熱通過率が大きいと、室内空気温度と蒸発温度の温度差は小さくてすみ、逆に、熱通過率が小さいと、室内空気温度と蒸発温度の温度差は大きくしなければならない。室内空気温度と蒸発温度の温度差は大きくなると、それに伴い低圧が低下し、圧縮機1の運転効率が低下するため、室内空気温度と蒸発温度の温度差はできるだけ小さくなるように室内熱交換器5の熱通過率は設計される。その結果、室内空気温度と蒸発温度の温度差は熱交換量が最大の場合でも15℃程度になり、前記空気温度が20℃以上ということから、蒸発温度は最も低くても5℃程度になる。
【0022】
暖房運転の場合の蒸発温度は、冷房運転と同様に蒸発器である室外熱交換器3での熱交換によって決定され、外気温度と室外熱交換器3での熱通過率によって決定される。外気温度の範囲は冷凍空調装置が設置される気候で決定され例えば、設置場所が東京の場合は、概ね外気温度が−5℃より大となる。また低圧の低下にともなう圧縮機1の運転効率低下を抑制するため、室外熱交換器3においても外気温度と蒸発温度の温度差はできるだけ小さくなるように設計され、この温度差は最大でも概ね5℃程度となる。従って、暖房運転の場合には、蒸発温度は最も低くても−10℃程度となる。
【0023】
また、デフロスト運転の場合は、室外熱交換器3での温度は着霜しているため0℃となり、冷凍サイクルの凝縮温度はそれより若干高い5℃程度となる。それに伴い蒸発器となる室内熱交換器5での蒸発温度は5℃よりも低い温度となり、おおよそ−20℃程度となる。
【0024】
以上のように、冷房運転、暖房運転ともに行うヒートポンプ機で、リバースデフロスト運転を実施する冷凍サイクルの場合、蒸発温度は最も低い場合は、リバースデフロストを実施する場合となり、−20℃程度となる。従って、冷媒の液密度が冷凍機油の密度より小さくなるためには、図3より、−20℃での冷媒の飽和液密度1030kg/m3より密度の大きい油を選択し充填する。このような冷凍機油の例としては、リン酸エステル(密度1150kg/m3)、ポリフェニルエーテル(密度1200kg/m3)がある。このようにすることで、アキュムレータ6、及び圧縮機1の底部に冷凍機油が滞留するようになり、圧縮機1への油戻り及び圧縮機1への潤滑部の給油が的確に行われるため、信頼性の高い冷凍空調装置の運転を実施することができる。
【0025】
なお、冷房運転及び暖房運転を行うヒートポンプ機の場合は上述したように油が選択されるが、冷房運転しか行わない冷房専用機の場合には、蒸発温度は最も低い場合で5℃程度となる。5℃での冷媒の飽和液密度は900kg/m3であるので、これより密度の大きい油を選択し充填する。また、ヒートポンプでもデフロスト運転として、リバースデフロストではなく、圧縮機1から吐出されたホットガスを減圧し、室外熱交換器3に供給するホットガスデフロストが実施される場合もある。このとき、室外熱交換器3での圧力が低圧となり、その蒸発温度は着想した霜を溶解するため0℃以上となる。
【0026】
従って、ホットガスデフロストを行う場合、蒸発温度は最も低くなる場合は暖房運転であり、上記東京の外気温度の場合だと−10℃が最も低い値となる。従って−10℃での冷媒の飽和液密度980kg/m3よりも密度の大きい油を選択し充填する。このように、冷凍空調装置において想定される運転範囲において、常に冷媒の飽和液密度を冷凍機油の密度より小さくすることで、アキュムレータ6及び圧縮機1の底部に冷凍機油が滞留するようになり、圧縮機1への油戻り及び圧縮機1への潤滑部の給油が的確に行われるため、信頼性の高い冷凍空調装置の運転を実施することができる。
【0027】
冷媒と相溶性が低く、このような密度関係を満たす冷凍機油であれば、特に冷凍機油の種類は限定されるものではなく、冷媒がCO2の場合には、CO2と相溶性の低いPAG油、鉱油、アルキルベンゼン油のいずれを用いてもよい。また、冷媒もCO2に限定されるものではなくHFC系冷媒、HC系冷媒、水、空気、NH3などの自然冷媒いずれを用いた場合にも同様に冷凍機油を選択し充填することで、信頼性の高い冷凍空調装置の運転を実施することができる。
【0028】
なお、この実施の形態では、冷凍機油が貯留される場所が低圧になる場合について説明したが、冷凍空調装置の高圧になる場所に冷媒が貯留する場合に同様なことを実施してもよい。
例えば、冷凍サイクルの放熱器の出口に液貯留部として容器を設け、そこに冷媒を貯留する冷凍サイクルの場合で、冷媒と冷凍機油の相溶性が低く、冷媒の密度が冷凍機油の密度より小さくなる場合には、前述したアキュムレータ6と同様に容器下部に滞留する油を回収し、容器への油の貯まり込みを防止する必要がある。この場合、前述したアキュムレータ6と同様に容器下部に滞留する油を回収する油回収・供給装置である、配管や油戻し穴を設けるとともに、冷凍空調装置の想定される運転範囲での放熱器の出口の容器での温度をもとに、冷媒と油の密度関係を把握し、冷媒の液密度が冷凍機油の密度より小さくなる冷凍機油を選択し充填する。
【0029】
また、圧縮機1が高圧シェルの圧縮機であり、前記と同様にシェル下部の液貯溜部に冷凍機油を貯留し圧縮機1の潤滑部に冷凍機油を供給する場合にも、シェル底部に冷凍機油が滞留する必要がある(液貯溜部から圧縮機1の潤滑部に冷凍機油を供給する手段が油回収・供給装置に該当する)。この場合も同様に冷凍空調装置の想定される運転範囲での高圧となる圧縮機シェルでの温度をもとに、冷媒と冷凍機油の密度関係を把握し、冷媒の液密度が冷凍機油の密度より小さくなる冷凍機油を選択し充填する。
以上のように油が貯留される場所に応じて、それぞれ運転範囲に応じて得られる温度より、冷媒の液密度を冷凍機油の密度より小さくすることで、放熱器の出口の容器底部、または圧縮機1の底部に冷凍機油が滞留するようになり、容器内に滞留する冷凍機油の回収及び圧縮機1への潤滑部の給油が的確に行われるため、信頼性の高い冷凍空調装置の運転を実施することができる。
【0030】
実施の形態2.
以下、実施の形態2を図1、図2及び図3により説明する。
本実施の形態での冷凍空調装置の構成は、図1、図2に示すように実施の形態1と同じであるので説明を省略し、主として相違点を説明する。
冷凍空調装置の冷媒にはCO2が用いられ、冷凍機油としては図3点線で密度の相関が示されるPAG油が用いられる。図3に示されているようにPAG油と冷媒の飽和液密度は、−15℃で大小が入れ代わり、アキュムレータ6や圧縮機1での温度が−15℃以下となると、圧縮機1への油戻り、及び圧縮機1の潤滑部への油の供給がうまくいかなくなり、信頼性に影響を及ぼすのは前記のとおりである。
【0031】
そこで、圧力センサ9で検知される低圧が蒸発温度−15℃以下相当の23.3kgf/cm2abs以下となり、温度センサ11で検知される吸入温度が−15℃以下となり、かつ圧縮機1の吸入過熱度(SH)がつかない状態となった場合、冷凍空調装置の制御装置にて運転を停止する。前記の運転状態の場合、吸入過熱度(SH)がつかない状態であるので、アキュムレータ6や圧縮機1のシェル内では冷媒の気液が存在する二相状態となっており、この温度は低圧の飽和温度(蒸発温度)となる。従ってこの状態では、冷媒や冷凍機油の温度が低く、冷媒の液密度が冷凍機油の密度より大きくなるので、そのまま継続して運転すると、アキュムレータ6内の液冷媒が油戻し穴7を介して圧縮機1へ戻る液バック、及び圧縮機1シェル内において潤滑部へ冷凍機油の代わりに液冷媒が供給され不具合を生じるので、冷凍空調装置の運転を停止する。そして時間が経過し、冷媒や油の温度が上昇するなどして冷媒の液密度が冷凍機油の密度より小さくなった時点で冷凍空調装置の運転を再開する。
【0032】
このように、冷媒の状態が冷媒の液密度が冷凍機油の密度より小さくなる時間だけ冷凍空調装置の運転を実施するよう制御装置で制御を実施するため、アキュムレータ6や圧縮機1の底部に冷凍機油が滞留し圧縮機1への油戻りおよび圧縮機1への潤滑部の給油が確実に実施でき、信頼性の高い冷凍空調装置の運転を実施することができる。
【0033】
なお、この実施の形態では冷凍サイクルの圧縮機1の吸入状態での圧力・温度を検知して、冷凍空調装置の運転停止を制御したが、冷凍機油が貯留される場所に応じて、検知される圧力・温度が違ってくる。
例えば、放熱器の出口の液貯留部に冷凍機油が貯留される場合は、高圧を検知する圧力センサ及び放熱器の出口の冷媒温度が検知される温度センサが用いられる。
また、圧縮機1が高圧シェルタイプである場合には、高圧を検知する圧力センサ及び圧縮機シェル内の冷媒温度が検知される温度センサが用いられる。そしてこれらの圧力センサ、温度センサから求められる液貯留部である冷凍機油貯留部の冷媒液密度が冷凍機油の密度より大きくなった場合は冷凍空調装置の運転を停止し、冷媒液密度が冷凍機油の密度より小さくなった段階で運転を再開する。これらの制御は制御装置により行われる。
【0034】
このようにして、液貯留部である容器内に滞留する冷凍機油の回収及び圧縮機1の潤滑部への給油が的確に行われるため、信頼性の高い冷凍空調装置の運転を実施することができる。
【0035】
また、この実施の形態では圧力の検知に圧力センサを用いたが代わりに、冷凍サイクル二相部の冷媒温度を検知し、その温度の飽和圧力から圧力を検知してもよい。例えば冷凍サイクルの蒸発器入口や中間部は二相部となるのでここの温度を検知し、この温度の飽和圧力として低圧を求めることもできる。
【0036】
実施の形態3.
以下、実施の形態3を図1、図2、図3及び図4により説明する。本実施の形態での冷凍空調装置の構成は、図1、図2に示すように実施の形態1と同じであるので説明を省略し、主として相違点を説明する。
冷凍空調装置の冷媒にはCO2が用いられ、冷凍機油としては図3点線で密度の相関が示されるPAG油が用いられる。
図3に示されているようにPAG油と冷媒の飽和液密度は、−15℃で大小が入れ代わり、アキュムレータ6や圧縮機1での温度が−15℃以下となると、冷媒の液密度が冷凍機油の密度より大きくなると圧縮機1への油戻り、及び圧縮機1の潤滑部への油の供給がうまくいかなくなり、信頼性に影響を及ぼすのは前記のとおりである。
【0037】
そこで、圧力センサ9で検知される低圧が飽和温度−15℃以下相当の23.3kgf/cm2abs以下となり、温度センサ11で検知される吸入温度が−15℃以下となり、かつ吸入過熱度(SH)がつかない状態となった場合には、冷凍空調装置の制御装置にて制御を実施し、吸入圧力を上昇させる、あるいは冷媒の温度を上昇させることで、アキュムレータ6や圧縮機1での温度を−15℃以上とし、冷媒の液密度を冷凍機油の密度より小さくすることで、圧縮機1への油戻り、及び圧縮機1への潤滑部への冷凍機油の供給を確保する。
【0038】
具体的には、圧縮機1の運転周波数を低減させる。これにより低圧を上昇させることができ、それに伴い気液が共存する二相部の温度も上昇させることができるので、冷媒の液密度を冷凍機油の密度より小さくすることができる。
また、冷凍サイクルで蒸発器となる熱交換器、冷房運転時は室内熱交換器5、暖房運転時は室外熱交換器3の熱交換能力を増強させても良い。この実施の形態の場合、熱交換能力はファン風量で制御できるので、ファン風量を増加させることにより、熱交換能力を増加させることができる。これにより低圧を上昇させることができ、それに伴い気液が共存する二相部の温度も上昇させることができるので、冷媒の液密度を冷凍機油の密度より小さくすることができる。
【0039】
また、図4に示すように、圧縮機1の吐出ガスをアキュムレータ6へ供給するホットガスバイパス配管12を設け、このバイパス配管12の途中に設けられる電磁弁13を閉から開へ制御してもよい。但し、ホットガスバイパスは冷凍能力の低下につながるので、冷凍機油の密度が冷媒の液密度より大きくなり、圧縮機1への油戻り、及び圧縮機1の潤滑部への冷凍機油の供給に不具合が発生しない場合は、電磁弁13は閉に制御される。冷凍機油の密度が冷媒の液密度より小さくなり、圧縮機1への油戻り、及び圧縮機1への潤滑部への冷凍機油の供給に不具合が発生する場合に電磁弁13を開に制御する。
【0040】
このように冷凍サイクルの高低圧を接続するバイパス配管12を設けることで低圧を上昇させるとともに、ホットガスの導入によりアキュムレータ6に存在する液冷媒、冷凍機油の温度を上昇させることができる。こうすることで、冷凍機油の密度を冷媒の液密度より大きくすることができる。
以上のような制御を実施することで、冷凍機油の密度を冷媒の液密度より大きくすることができ、圧縮機1への油戻り、及び圧縮機1の潤滑部への冷凍機油の供給が的確に実施され、信頼性の高い冷凍空調装置の運転を実施することができる。
【0041】
なお、この実施の形態では冷凍サイクルの圧縮機吸入状態での圧力・温度を検知して、冷凍空調装置の運転を制御したが、冷凍機油が貯留される液貯留部の場所に応じて、実施される制御が違ってくる。
例えば、放熱器の出口に冷凍機油が貯留される場合は、高圧を検知する圧力センサ及び放熱器の出口の冷媒温度が検知される温度センサが用いられ、検知結果に伴い、冷凍機油の密度が冷媒の液密度より小さくなる場合には、冷凍機油の密度が冷媒の液密度より大きくなるような制御が実施される。例えば、冷凍サイクルの放熱器となる熱交換量をファン風量低下などにより低下させる。このようにすることで、放熱器の出口の冷媒温度を上昇させることができ、冷凍機油の密度を冷媒の液密度より大きくすることができる。
【0042】
実施の形態4.
以下、実施の形態4を図1、図3及び図5により説明する。図1に示す本実施の形態での冷凍空調装置の構成は実施の形態1と同じであるので説明を省略し、主として相違点を説明する。
この冷凍空調装置の冷媒にはCO2が用いられ、冷凍機油としては図3点線で密度の相関が示されるPAG油が用いられる。
図5は、液貯溜部であるアキュムレータ6の構成を示す図であり、14は油回収回路である返油管、15は流量制御装置である電磁弁である。
この場合、油回収・供給装置は、返油管14と電磁弁15とが該当する。
【0043】
アキュムレータ6では、通常運転時は電磁弁15は開に制御され、下部に滞留した油を返油管14を介して返す構造となっている。図3に示されているようにPAG油と冷媒の飽和液密度は、−15℃で大小が入れ代わり、アキュムレータ6や圧縮機1での温度が−15℃以下となると、冷媒の液密度が冷凍機油の密度より大きくなりアキュムレータ6底部に液冷媒が滞留し、返油管14を介して圧縮機1への液戻りが発生し、圧縮機1の運転の信頼性を低下させる。そこで、圧力センサ9で検知される低圧が飽和温度−15℃以下相当の23.3kgf/cm2abs以下となり、温度センサ11で検知される吸入温度が−15℃以下となり、吸入過熱度(SH)がつかない状態となった場合には、冷凍空調装置の制御装置にて制御を実施し、電磁弁15を閉に制御する。
【0044】
こうすることで、返油管14を介して圧縮機1への液戻りを抑止し、圧縮機1の運転の信頼性を確保することができる。
なお、電磁弁15の代わりに電子膨張弁を用いてもよい。この場合も冷媒の液密度が冷凍機油の密度より大きくなりアキュムレータ6底部に液冷媒が滞留する運転状態となった場合には、電子膨張弁の開度を小さくする又は閉とし、返油管14を介して圧縮機1への液戻りを抑制することができ、同様の効果を得ることができる。
【0045】
実施の形態5.
以下、実施の形態5を図1、図3、図6及び図7により説明する。図1に示す本実施の形態での冷凍空調装置の構成は実施の形態1と同じであるので説明を省略し、主として相違点を説明する。
この冷凍空調装置の冷媒にはCO2が用いられ、冷凍機油としては図3点線で密度の相関が示されるPAG油が用いられる。
図6は、液貯溜部であるアキュムレータ6の構成を示す図であり、アキュムレータ6内部に上下方向に複数の油取出口である油戻し穴7が設けられおり、油回収回路である返油配管14がこれらの油戻し穴7に接続している。
この場合は、油戻し穴7及び返油配管14が油回収・供給装置である。
【0046】
図3に示されているようにPAG油と冷媒の飽和液密度は、−15℃で大小が入れ代わる。アキュムレータ6の構成をこのようにすることで、冷媒液密度が冷凍機油の密度より小さくなっている場合には、アキュムレータ6底部に滞留する冷凍機油を下部の油戻し穴7から返油することができ、逆に冷媒液密度が冷凍機油の密度より大きくなっている場合には、液冷媒に浮いていている冷凍機油を上部の油戻し穴7から回収することができる。
このように冷凍機油を返油させる油戻し穴7を上下方向に複数設けることで、運転条件によって、冷媒の液密度と冷凍機油の密度の大小関係が変化してもアキュムレータ6に滞留する油を油戻し穴7から確実に返油することができ、冷凍空調装置運転の信頼性を高めることができる。
なお、油戻し穴7は2個以上複数であればよく、また、それぞれが返油管14を有してもよい。
【0047】
また、液貯溜部であるアキュムレータ6の構造を図7に示す形としてもよい。図7に示されるようにアキュムレータ8に上下方向に開口部を有する油回収回路である複数本の返油配管14a、14bが設けられ、それぞれに返油量を制御するための流量制御装置である電磁弁15a、15bが設けられている。
冷凍空調装置の運転状態を検知し、冷媒液密度が冷凍機油の密度より小さくなる場合には、アキュムレータ6底部に滞留する油を下部の返油配管14aから戻すことになるので、電磁弁15aは開に制御される。一方、上部の返油配管14bは液冷媒が戻ってくることになるので、圧縮機1への液戻りを抑制し、運転信頼性を向上させるために、電磁弁15bは閉に制御される。
また、冷媒液密度が冷凍機油の密度より大きくなる場合には、液冷媒に浮いている油をアキュムレータ6上部の返油配管14bから戻すことになるので、電磁弁15bは開、下部の返油配管14aからの液戻りを抑制するため電磁弁15aは閉に制御される。
これらの制御は制御装置により行われる。
【0048】
このように、アキュムレータ6内の冷凍機油を返油する返油配管14のアキュムレータ6内の開口部を上下方向に2個以上設けるととともに、冷媒液密度と冷凍機油の密度の相関から、返油配管14を流れる流量の制御を行い、アキュムレータ6から選択的に冷凍機油だけ返油させるようにすることで、圧縮機1への油戻しを的確に行うとともに、圧縮機1への液バックを防止できるので冷凍空調装置運転の信頼性を高めることができる。
電磁弁15a、15bを、それぞれ有する返油配管14a、14bは、3個以上でもよい。
【0050】
【発明の効果】
本発明の請求項の冷凍空調装置は、圧縮機、放熱器、減圧装置、蒸留器を順次接続した冷凍サイクルを有する冷凍空調装置において、冷凍機油として冷媒と相溶性の小さい冷凍機油を用い、また、センサー情報に基づき、冷凍機油の密度と冷媒の液密度とを演算及び両者の大小を判断し、冷媒の液密度が冷凍機油の密度より大きくなる運転状態となった場合、冷凍空調装置の運転を停止する制御装置を備えたので、冷媒の液密度が冷凍機油の密度より大きくなる場合、制御装置により運転停止し、例えば圧縮機への液バックにより圧縮機を不具合になるのを防止でき、また圧縮機の潤滑部に液冷媒を供給する不具合の発生を防止する。
【0051】
また、請求項の冷凍空調装置は、圧縮機、放熱器、減圧装置、蒸発器を順次接続した冷凍サイクルを有する冷凍空調装置において、冷凍機油として冷媒と相溶性の小さい冷凍機油を用い、また、冷凍機油の密度と冷媒の液密度とをセンサー情報に基づき演算及び両者の大小を判断し、冷媒の液密度が冷凍機油の密度より大きくなる運転状態となった場合、冷媒の液密度が冷凍機油の密度より小さくなるように、冷媒圧力上昇運転又は冷媒温度上昇運転を実施する制御装置を備えたので、冷媒の液密度が冷凍機油の密度より小さくなり、例えば、圧縮機への液バックを防止し油の供給を的確に行うことができ、また、圧縮機の潤滑部に給油が可能となり、信頼性の高い冷凍空調装置を得ることができる。
【0052】
また、請求項の冷凍空調装置は圧縮機と蒸発器との間に液貯留部としてアキュムレータを設け、冷凍機油回収・供給装置としてアキュムレータ下部に滞留する冷凍機油を圧縮機に回収する油回収回路を設けたので、圧縮機への液バックを防止し油の供給を的確に行うことができ、信頼性の高い冷凍空調装置を得ることができる。
【0053】
また、請求項の冷凍空調装置は、圧縮機、放熱器、減圧装置、蒸発器、アキュムレータを順次接続した冷凍サイクルを有する冷凍空調装置において、冷凍機油として冷媒と相溶性の小さい冷凍機油を用い、アキュムレータ下部の冷凍機油を回収する油回収回路と、油回収回路の流量を制御する流量制御装置と、センサー情報に基づき、冷凍機油の密度と冷媒の液密度とを演算及び両者の大小を判断するとともに、冷媒の液密度が冷凍機油の密度より大きい場合、前記流量制御装置を制御して流量を減少させる又は流れを止めさせる制御装置とを備えたので、冷凍機油の密度と冷媒の液密度との大小により流量制御装置を制御し、冷媒の液密度が大きくなった場合、流量制御装置を止めるまたは流量を少なくすることにより、アキュムレータから圧縮機への液バックを防止できる。
【0055】
また、請求項の冷凍空調装置は、圧縮機、放熱器、減圧装置、蒸発器、アキュムレータを順次接続した冷凍サイクルを有する冷凍空調装置において、冷凍機油として冷媒と相溶性の小さい冷凍機油を用い、アキュムレータの上下方向にそれぞれ開口部を有し、アキュムレータに滞留する冷凍機油を回収するそれぞれ流量制御装置付きの複数の油回収回路を備え、運転状態を検知し、冷媒液密度が冷凍機油の密度より小さくなる場合には、下の開口部の油回収回路の流量制御装置を開とし、上の開口部の油回収回路の流量制御装置を閉とし、また、冷媒液密度が冷凍機油の密度より大きくなる場合には、上の開口部の油回収回路の流量制御装置を開とし、下の開口部の油回収回路の流量制御装置を閉とするので、アキュムレータから圧縮機への油の回収が可能である。
【0056】
また、請求項の冷凍空調装置は、圧縮機が低圧シェルタイプであり、底部に油溜を備えたので、圧縮機内潤滑部への油の供給を的確に行うことができ、信頼性の高い冷凍空調装置を得ることができる。
【0057】
また、請求項の冷凍空調装置は冷媒が二酸化炭素であり、冷凍機油がPAG油、鉱油、アルキルベンゼン油のいずれかであるので、冷媒として二酸化炭素を用いて、圧縮機への液バックを防止し油の供給を行うことができ、また圧縮機内潤滑部への油の供給を的確に行うことができ、信頼性の高い冷凍空調装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1〜5の冷凍空調装置の冷媒回路を示す図である。
【図2】 本発明の実施の形態1〜3の冷凍空調装置のアキュムレータの構造を示す図である。
【図3】 CO2とPAG油の密度の温度特性を示す図である。
【図4】 本発明の実施の形態3の冷凍空調装置の冷媒回路を示す図である。
【図5】 本発明の実施の形態4の冷凍空調装置のアキュムレータの構造を示す図である。
【図6】 本発明の実施の形態5の冷凍空調装置のアキュムレータの構造を示す図である。
【図7】 本発明の実施の形態5の冷凍空調装置の別のアキュムレータの構造を示す図である。
【図8】 従来の冷凍空調装置の冷媒回路を示す図である。
【図9】 従来の冷凍空調装置のアキュムレータの構造を示す図である。
【符号の説明】
1 圧縮機、 2 四方弁、3 放熱器(蒸発器)、4 減圧装置、 5 蒸発器(放熱器)、6 液貯留部(アキュムレータ)、7 油取出口、14、14a、14b 油回収回路、15、15a、15b 流量制御装置。

Claims (7)

  1. 圧縮機、放熱器、減圧装置、蒸発器を順次接続した冷凍サイクルを有する冷凍空調装置において、
    冷凍機油として冷媒と相溶性の小さい冷凍機油を用い、また、冷凍機油の密度と冷媒の液密度とをセンサー情報に基づき演算及び両者の大小を判断し、冷媒の液密度が冷凍機油の密度より大きくなる運転状態となった場合、冷凍空調装置の運転を停止する制御装置を備えたことを特徴とする冷凍空調装置。
  2. 圧縮機、放熱器、減圧装置、蒸発器を順次接続した冷凍サイクルを有する冷凍空調装置において、
    冷凍機油として冷媒と相溶性の小さい冷凍機油を用い、また、冷凍機油の密度と冷媒の液密度とをセンサー情報に基づき演算及び両者の大小を判断し、冷媒の液密度が冷凍機油の密度より大きくなる運転状態となった場合、冷媒の液密度が冷凍機油の密度より小さくなるように、冷媒圧力上昇運転又は冷媒温度上昇運転を実施する制御装置を備えたことを特徴とする冷凍空調装置。
  3. 圧縮機と蒸発器との間に液貯留部としてアキュムレータを設け、冷凍機油回収・供給装置として前記アキュムレータ下部に滞留する冷凍機油を圧縮機に回収する油回収回路を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の冷凍空調装置。
  4. 圧縮機、放熱器、減圧装置、蒸発器、アキュムレータを順次接続した冷凍サイクルを有する冷凍空調装置において、
    冷凍機油として冷媒と相溶性の小さい冷凍機油を用い、
    アキュムレータ下部の冷凍機油を回収する油回収回路と、
    前記油回収回路の流量を制御する流量制御装置と、
    センサ情報に基づき、冷凍機油の密度と冷媒の液密度とを演算及び両者の大小を判断するとともに、冷媒の液密度が冷凍機油の密度より大きい場合、前記流量制御装置を制御して流量を減少させる又は流れを止めさせる制御装置と、
    を備えたことを特徴とする冷凍空調装置。
  5. 圧縮機、放熱器、減圧装置、蒸発器、アキュムレータを順次接続した冷凍サイクルを有する冷凍空調装置において、
    冷凍機油として冷媒と相溶性の小さい冷凍機油を用い、
    前記アキュムレータの上下方向にそれぞれ開口部を有し、前記アキュムレータに滞留する冷凍機油を回収するそれぞれ流量制御装置付きの複数の油回収回路を備え、
    運転状態を検知し、冷媒液密度が冷凍機油の密度より小さくなる場合には、下の開口部の油回収回路の流量制御装置を開とし、上の開口部の油回収回路の流量制御装置を閉とし、また、冷媒液密度が冷凍機油の密度より大きくなる場合には、上の開口部の油回収回路の流量制御装置を開とし、下の開口部の油回収回路の流量制御装置を閉とすることを特徴とする冷凍空調装置。
  6. 圧縮機が低圧シェルタイプであり、底部に油溜めを備えたことを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の冷凍空調装置。
  7. 冷媒が二酸化炭素であり、冷凍機油がPAG油、鉱油、アルキルベンゼン油のいずれかであることを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の冷凍空調装置。
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