JP2008232564A - 冷凍装置及び冷凍装置の制御方法 - Google Patents

冷凍装置及び冷凍装置の制御方法 Download PDF

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嘉夫 上野
Shuji Fujimoto
修二 藤本
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Abstract

【課題】圧縮機(30)の摺動部の潤滑に非相溶性又は弱相溶性の冷凍機油を用いる冷凍装置(10)において、摺動部の潤滑不良によって圧縮機(30)が損傷することを抑制して圧縮機(30)の信頼性を向上させる。
【解決手段】圧縮機(30)によって圧縮された冷媒を循環させて冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)を備え、圧縮機(30)が、内部の油溜まり(40)に溜まった冷凍機油が摺動部へ供給されるように構成され、圧縮機(30)の摺動部の潤滑に非相溶性又は弱相溶性の冷凍機油を用いる冷凍装置(10)に対して、油溜まり(40)の温度が液冷媒の密度と冷凍機油の密度とが等しくなる境界温度に対応して設定された設定温度以下であると判断した場合に、油溜まり(40)の温度が境界温度より高くなるように冷凍装置(10)の運転を制御する油温度調節動作を行う油温度調節手段(52,53)を設ける。
【選択図】図3

Description

本発明は、圧縮機の摺動部における潤滑不良を防止するために圧縮機を保護する動作を行う冷凍装置、及びその冷凍装置の制御方法に関するものである。
従来より、圧縮機の摺動部における潤滑不良を防止するために圧縮機を保護する動作を行う冷凍装置が知られている。この種の冷凍装置が特許文献1に記載されている。
具体的に、特許文献1には、液冷媒に溶け込みやすい性質の相溶性の冷凍機油を用いる冷凍装置が開示されている。相溶性の冷凍機油を用いる冷凍装置では、冷凍機油の温度が低下するほど冷凍機油に溶け込む液冷媒の量が多くなる。そのため、冷凍機油の粘度が低下して圧縮機の軸受に油膜が形成されにくくなるので、潤滑不良が生じるおそれが大きくなる。この空気調和機では、吐出ガスの過熱度に基づいて圧縮機内の冷凍機油の温度を推定することによって圧縮機の軸受に油膜が形成されているか否かを判断している。この空気調和機では、圧縮機の軸受に油膜が形成されていない状態と判断すると、圧縮機を保護する動作として圧縮機を停止させる。
特開昭63−140251号公報
ところで、液冷媒に溶けない性質の非相溶性の冷凍機油、又は液冷媒に溶けにくい性質の弱相溶性の冷凍機油を用いる冷凍装置では、冷凍機油が貯留される圧縮機の油溜まりにおいて液冷媒と冷凍機油とが分離された状態になる。このため、油溜まりが液冷媒の密度が冷凍機油の密度よりも大きくなる温度になる状態では、冷凍機油に溶けていない液冷媒が冷凍機油よりも下側に溜まり、その液冷媒が圧縮機の摺動部に供給されるので、圧縮機の摺動部において潤滑不良が生じる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、圧縮機の摺動部の潤滑に非相溶性又は弱相溶性の冷凍機油を用いる冷凍装置において、摺動部の潤滑不良によって圧縮機が損傷することを抑制して圧縮機の信頼性を向上させることにある。
第1の発明は、圧縮機(30)によって圧縮された冷媒を循環させて冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)を備え、上記圧縮機(30)は、内部の油溜まり(40)に溜まった冷凍機油が摺動部へ供給されるように構成され、上記圧縮機(30)の摺動部の潤滑に非相溶性又は弱相溶性の冷凍機油を用いる冷凍装置(10)を対象とする。そして、この冷凍装置(10)は、上記油溜まり(40)の温度が液冷媒の密度と冷凍機油の密度とが等しくなる境界温度に対応して設定された設定温度以下であると判断した場合に、該油溜まり(40)の温度が上記境界温度より高くなるように冷凍装置(10)の運転を制御する油温度調節動作を行う油温度調節手段(52,53)を備えている。
第1の発明では、圧縮機(30)の摺動部の潤滑に非相溶性又は弱相溶性の冷凍機油を用いるので、油溜まり(40)において液冷媒と冷凍機油とが分離された状態になっている。温度が比較的高くて液冷媒の密度が冷凍機油の密度よりも小さくなる状態では、冷凍機油に溶けていない液冷媒が冷凍機油の上側に溜まっている。この状態では、圧縮機(30)の摺動部には油溜まり(40)の下側から主に冷凍機油が供給されるので、その摺動部の潤滑が良好な状態で行われる。しかし、例えば圧縮機(30)の吸入冷媒の温度が低下した場合などに、油溜まり(40)の温度が低下して液冷媒の密度と冷凍機油の密度とが等しくなる境界温度に近づいてゆく。
この第1の発明では、油溜まり(40)の温度が設定温度以下であると判断した場合に、油温度調節動作が行われる。設定温度は、液冷媒の密度と冷凍機油の密度とが等しくなる温度、つまり液冷媒の密度と冷凍機油の密度との大小関係が逆転して冷凍機油に溶けていない液冷媒が冷凍機油の下側に溜まる状態に変わる温度に対応して設定されている。つまり、この第1の発明では、油温度調節動作の実行を判断した時点で、冷凍機油に溶けていない液冷媒が冷凍機油の下側に溜まる状態になっていない場合には、このような状態を回避するために油溜まり(40)の温度が境界温度より高い温度に維持されるように油温度調節動作が行われる。また、油温度調節動作の実行を判断した時点で、冷凍機油に溶けていない液冷媒が冷凍機油の下側に溜まる状態になっている場合には、液冷媒が冷凍機油の上側に溜まる状態に戻すために油溜まり(40)の温度が境界温度より高い温度に戻るように油温度調節動作が行われる。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記冷媒回路(20)に設けられた蒸発器(34,37)から流出する冷媒の温度を調節するための蒸発側温度調節手段(12,14,36)を備え、上記油温度調節手段(52,53)は、上記油温度調節動作として上記蒸発器(34,37)から流出する冷媒の温度が増大するように上記蒸発側温度調節手段(12,14,36)を調節する。
第2の発明では、油温度調節手段(52,53)が油温度調節動作の実行を判断した場合に、蒸発器(34,37)から流出する冷媒の温度が増大するように蒸発側温度調節手段(12,14,36)を調節する動作が油温度調節動作として行われる。この油温度調節動作によれば、蒸発器(34,37)から流出する冷媒の温度の増大によって、圧縮機(30)の吸入冷媒の温度が上昇する。従って、低圧空間に油溜まり(40)が形成される圧縮機(30)の場合には、低圧空間の圧縮前の冷媒の温度が上昇することによって油溜まり(40)の温度が上昇する。また、高圧空間に油溜まり(40)が形成される圧縮機(30)の場合には、圧縮機(30)の吸入冷媒の温度の増大に伴って、高圧空間の圧縮後の冷媒の温度も上昇するので、油溜まり(40)の温度が上昇する。
第3の発明は、上記第2の発明において、上記蒸発器(34,37)の冷媒流量を調節するための蒸発側調節弁(36)が、上記蒸発側温度調節手段(12,14,36)を構成しており、上記油温度調節手段(52,53)は、上記油温度調節動作として上記蒸発側調節弁(36)の開度を縮小させる動作を行う。
第3の発明では、油温度調節手段(52,53)が油温度調節動作の実行を判断した場合に、蒸発側調節弁(36)の開度を縮小させる動作が油温度調節動作として行われる。この油温度調節動作によれば、蒸発器(34,37)の冷媒流量が減少して単位流量当たりの冷媒の吸熱量が増大するので、蒸発器(34,37)から流出した冷媒の温度が上昇する。そして、圧縮機(30)の吸入冷媒の温度が上昇して、油溜まり(40)の温度が上昇する。
第4の発明は、上記第2又は第3の発明において、上記蒸発器(34,37)に空気を送るための蒸発側ファン(12,14)が、上記蒸発側温度調節手段(12,14,36)を構成しており、上記油温度調節手段(52,53)は、上記油温度調節動作として上記蒸発側ファン(12,14)の風量を増加させる動作を行う。
第4の発明では、油温度調節手段(52,53)が油温度調節動作の実行を判断した場合に、蒸発側ファン(12,14)の風量を増大させる動作が油温度調節動作として行われる。この油温度調節動作によれば、蒸発器(34,37)全体の熱交換量が増大して単位流量当たりの冷媒の吸熱量が増大するので、蒸発器(34,37)から流出した冷媒の温度が上昇する。そして、圧縮機(30)の吸入冷媒の温度が上昇して、油溜まり(40)の温度が上昇する。
第5の発明は、上記第1乃至第4の何れか1つの発明において、上記冷媒回路(20)が、高圧のガス冷媒を上記圧縮機(30)の吸入側へ送るためのホットガスバイパス通路(31)と、該ホットガスバイパス通路(31)の冷媒流量を調節するホットガス量調節弁(32)とを備える一方、上記油温度調節手段(52,53)は、上記油温度調節動作として上記ホットガス量調節弁(32)の開度を拡大させる動作を行う。
第5の発明では、油温度調節手段(52,53)が油温度調節動作の実行を判断した場合に、ホットガス量調節弁(32)の開度を拡大させる動作が油温度調節動作として行われる。この油温度調節動作によれば、圧縮機(30)の吸入冷媒の温度が上昇して、油溜まり(40)の温度が上昇する。
第6の発明は、上記第1の発明において、上記油温度調節手段(52,53)が、上記油温度調節動作として上記圧縮機(30)の運転容量を低減させる動作、又は該圧縮機(30)を停止させる動作を行う。
第6の発明では、油温度調節手段(52,53)が油温度調節動作の実行を判断した場合に、圧縮機(30)の運転容量を低減させる動作、又は圧縮機(30)を停止させる動作が油温度調節動作として行われる。このため、圧縮機(30)の摺動部にかかる負担が軽減される。
また、圧縮機(30)を停止させる油温度調節動作では、低温の吸入冷媒が圧縮機(30)に流入しなくなるので、油溜まり(40)の温度が上昇する。また、圧縮機(30)の運転容量を低減させる油温度調節動作では、圧縮機(30)の吐出冷媒の流量が減少するので、蒸発器(34,37)の冷媒流量も減少する。そして、蒸発器(34,37)における単位流量当たりの冷媒の吸熱量が増大するので、蒸発器(34,37)から流出した冷媒の温度が上昇して、油溜まり(40)の温度が上昇する。
第7の発明は、上記第1乃至第6の何れか1つの発明において、上記圧縮機(30)が、冷媒を圧縮する圧縮機構(27)と、該圧縮機構(27)を収容する密閉容器状のケーシング(35)とを備え、該ケーシング(35)内では圧縮機構(27)で圧縮される前の冷媒で満たされる低圧空間に上記油溜まり(40)が形成されている。
第7の発明では、圧縮機(30)のケーシング(35)内の低圧空間に油溜まり(40)が形成されている。ここで、油溜まり(40)では、その温度が低いほど液冷媒が蒸発しにくいので冷凍機油に混じる液冷媒の量が多くなる。従って、油溜まり(40)が低圧空間に形成される場合は、油溜まり(40)が高圧空間に形成される場合に比べて、油溜まり(40)の温度が低くなるので油溜まり(40)の冷凍機油に混じる液冷媒の量が多くなる。この第7の発明では、冷凍機油に混じる液冷媒の量が比較的多くなる圧縮機(30)に対して、冷凍機油に溶けていない液冷媒が冷凍機油の下側に溜まる状態が回避されるように、又はこのような状態に対応して油温度調節動作が行われるようにしている。
第8の発明は、上記第7の発明において、上記油温度調節手段(52,53)が、上記圧縮機(30)の吸入冷媒の温度に基づいて上記油溜まり(40)の温度が上記設定温度以下であるか否かを判断している。
第8の発明では、油溜まり(40)が形成される圧縮機(30)のケーシング(35)内の低圧空間が、圧縮前の冷媒で満たされている。つまり、油溜まり(40)が形成される空間には吸入冷媒が導入される。従って、油溜まり(40)の温度は吸入冷媒の温度によって変化するので、吸入冷媒の温度は油溜まり(40)の温度を反映している。このため、圧縮機(30)の吸入冷媒の温度からは、油溜まり(40)の温度が設定温度以下であるか否かが判断可能である。
第9の発明は、上記第7又は第8の発明において、上記冷媒回路(20)では、冷媒として二酸化炭素が用いられ、上記圧縮機(30)には冷凍機油としてポリアルキレングリコールが用いられている。
第9の発明では、冷媒として二酸化炭素が用いられる一方、圧縮機(30)の摺動部の潤滑用の冷凍機油としてポリアルキレングリコール(PAG)が用いられる。ポリアルキレングリコールは、二酸化炭素に対して相溶性が低い冷凍機油である。
第10の発明は、圧縮機(30)によって圧縮された冷媒を循環させて冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)を備え、上記圧縮機(30)は、内部の油溜まり(40)に溜まった冷凍機油が摺動部へ供給されるように構成され、上記圧縮機(30)の摺動部の潤滑に非相溶性又は弱相溶性の冷凍機油を用いる冷凍装置の制御方法を対象とする。そして、この冷凍装置(10)の制御方法は、上記油溜まり(40)の温度が液冷媒の密度と冷凍機油の密度とが等しくなる境界温度に対応して設定された設定温度以下であるか否かを判断する油温度判断行程と、上記油温度判断行程において上記油溜まり(40)の温度が上記設定温度以下であると判断した場合に、該油溜まり(40)の温度が上記境界温度より高くなるように冷凍装置(10)の運転を制御する油温度調節動作を行う油温度調節行程とを備えている。
第10の発明では、油温度判断行程において、油溜まり(40)の温度が、設定温度以下であるか否かを判断される。そして、油温度判断行程において油溜まり(40)の温度が設定温度以下であると判断した場合には、油温度調節行程において、油溜まり(40)の温度が境界温度より高くなるように冷凍装置(10)の運転を制御する油温度調節動作が行われる。油温度調節動作を実行するための設定温度は、液冷媒の密度と冷凍機油の密度とが等しくなる温度、つまり液冷媒の密度と冷凍機油の密度との大小関係が逆転して冷凍機油に溶けていない液冷媒が冷凍機油の下側に溜まる状態に変わる温度に対応して設定されている。つまり、この第10の発明では、油温度調節動作の実行を判断したときに、冷凍機油に溶けていない液冷媒が冷凍機油の下側に溜まる状態になっていない場合には、このような状態を回避するために油溜まり(40)の温度が境界温度より高い温度に維持されるように油温度調節動作が行われる。また、油温度調節動作の実行を判断したときに、冷凍機油に溶けていない液冷媒が冷凍機油の下側に溜まる状態になっている場合には、液冷媒が冷凍機油の上側に溜まる状態に戻すために油溜まり(40)の温度が境界温度より高い温度に戻るように油温度調節動作が行われる。
本発明では、冷凍機油に溶けていない液冷媒が冷凍機油の下側に溜まる状態を回避するために、又はこのような状態になっている場合には液冷媒が冷凍機油の上側に溜まる状態に戻すために、油溜まり(40)の温度が境界温度より高くなるように冷凍装置(10)の運転を制御する油温度調節動作が行われる。従って、油温度調節動作の実行を判断した時点で、冷凍機油に溶けていない液冷媒が冷凍機油の下側に溜まる状態になっていない場合には、このような状態になることが回避される。従って、冷凍機油をほとんど含まない液冷媒が圧縮機(30)の摺動部に供給される状態にならないので、潤滑不良によって圧縮機(30)が損傷することを抑制することができ、圧縮機(30)の信頼性を向上させることができる。
また、油温度調節動作の実行を判断した時点で、冷凍機油に溶けていない液冷媒が冷凍機油の下側に溜まる状態になっている場合には、液冷媒が冷凍機油の上側に溜まる状態に戻される。従って、冷凍機油をほとんど含まない液冷媒が圧縮機(30)の摺動部に供給される状態が続かないので、潤滑不良によって圧縮機(30)が損傷することを抑制することができ、圧縮機(30)の信頼性を向上させることができる。
また、上記第6の発明では、油温度調節動作によって圧縮機(30)の摺動部にかかる負担が軽減されるようにしている。従って、冷凍機油に溶けていない液冷媒が冷凍機油の下側に溜まる状態になって、圧縮機(30)の摺動部に冷凍機油がほとんど供給されない状態になっても、圧縮機(30)が損傷しにくくなる。
また、上記第7の発明では、冷凍機油に混じる液冷媒の量が比較的多くなる圧縮機(30)に対して、冷凍機油に溶けていない液冷媒が冷凍機油の下側に溜まる状態が回避されるように、又はこのような状態に対応して油温度調節動作が行われるようにしている。つまり、液冷媒による潤滑不良が生じやすい圧縮機(30)に対して、油温度調節動作が実行可能になっている。このため、圧縮機(30)の信頼性が大幅に改善される。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態は、本発明に係る冷凍装置(10)によって構成された空調機(10)である。本実施形態の空調機(10)は、図1に示すように、室外ユニット(11)と室内ユニット(13)とを備えている。なお、室内ユニット(13)は複数台であってもよい。
この空調機(10)は、冷媒が充填された冷媒回路(20)を備えている。冷媒には二酸化炭素冷媒が用いられている。冷媒回路(20)は、室外ユニット(11)に収容される室外回路(21)と、室内ユニット(13)に収容される室内回路(22)とを備えている。室外回路(21)と室内回路(22)とは、液側連絡配管(23)及びガス側連絡配管(24)によって接続されている。
《室外回路の構成》
室外回路(21)には、圧縮機(30)、四路切換弁(33)、熱源側熱交換器である室外熱交換器(34)、及び膨張弁(36)が設けられている。室外回路(21)の一端には、液側連絡配管(23)が接続される液側閉鎖弁(25)が設けられている。室外回路(21)の他端には、ガス側連絡配管(24)が接続されるガス側閉鎖弁(26)が設けられている。
圧縮機(30)は、いわゆる低圧ドーム型のスクロール圧縮機(30)として構成されている。圧縮機(30)は、図2に示すように、密閉容器状のケーシング(35)と、冷媒を圧縮する圧縮機構(27)と、圧縮機構(27)を駆動させる電動機(28)とを備えている。ケーシング(35)内では、圧縮機構(27)が電動機(28)の上側に配置されている。また、ケーシング(35)内では、圧縮機構(27)の上側の空間が、圧縮機構(27)で圧縮された冷媒で満たされる高圧空間になっており、圧縮機構(27)の下側の空間が圧縮機構(27)で圧縮される前の冷媒で満たされる低圧空間になっている。高圧空間には吐出管(42)が開口し、低圧空間には吸入管(41)が開口している。
ケーシング(35)の底部には、圧縮機構(27)やシャフトの摺動部の潤滑に用いる冷凍機油が溜まっている。この冷凍機油が溜まる部分は、油溜まり(40)になっている。油溜まり(40)は、低圧空間に位置している。冷凍機油には、ポリアルキレングリコールが用いられている。ポリアルキレングリコールは、二酸化炭素冷媒に対して溶けにくい性質の弱相溶性の冷凍機油であり、摂氏約−13℃の状態の密度が同じ温度の二酸化炭素の液冷媒の密度と等しくなる。油溜まり(40)には、電動機(28)のシャフトの下端に設けられた油ポンプ(29)が浸漬している。この圧縮機(30)では、シャフトの回転に伴って油溜まり(40)の冷凍機油が、シャフト内の油通路を通って、圧縮機構(27)の摺動部、及びシャフトと軸受との摺動部に供給される。
圧縮機(30)の吐出側は、吐出管(42)を介して四路切換弁(33)の第1ポート(P1)に接続されている。圧縮機(30)の吸入側は、吸入管(41)を介して四路切換弁(33)の第3ポート(P3)に接続されている。
室外熱交換器(34)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器として構成されている。この室外熱交換器(34)の近傍には、室外ファン(12)が設けられている。この室外熱交換器(34)では、室外ファン(12)によって送られる室外空気と流通する冷媒との間で熱交換が行われる。室外熱交換器(34)の一端は、四路切換弁(33)の第4ポート(P4)に接続されている。室外熱交換器(34)の他端は、液配管(43)を介して液側閉鎖弁(25)に接続されている。液配管(43)には、電子膨張弁で構成された膨張弁(36)が設けられている。また、四路切換弁(33)の第2ポート(P2)はガス側閉鎖弁(26)に接続されている。
四路切換弁(33)は、第1ポート(P1)と第2ポート(P2)が互いに連通して第3ポート(P3)と第4ポート(P4)が互いに連通する第1状態(図1に実線で示す状態)と、第1ポート(P1)と第4ポート(P4)が互いに連通して第2ポート(P2)と第3ポート(P3)が互いに連通する第2状態(図1に破線で示す状態)とが切り換え可能となっている。
室外回路(21)には、圧縮機(30)及び室外熱交換器(34)の一端側と他端側にそれぞれ温度センサ(45)及び圧力センサ(46)が1組ずつ設けられている。具体的に、吸入管(41)には、一対の吸入温度センサ(45a)及び吸入圧力センサ(46a)が設けられている。吐出管(42)には、一対の吐出温度センサ(45b)及び吐出圧力センサ(46b)が設けられている。また、室外熱交換器(34)の液側には室外液温度センサ(45e)が設けられ、室外熱交換器(34)のガス側には室外ガス温度センサ(45f)が設けられている。また、室外ファン(12)の近傍には、外気温度センサ(18)が設けられている。
《室内回路の構成》
室内回路(22)には、利用側熱交換器である室内熱交換器(37)が設けられている。室内熱交換器(37)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器として構成されている。この室内熱交換器(37)の近傍には、室内ファン(14)が設けられている。この室内熱交換器(37)では、室内ファン(14)によって送られる室内空気と流通する冷媒との間で熱交換が行われる。
室内回路(22)には、室内熱交換器(37)の一端側と他端側に温度センサ(45)がそれぞれ設けられている。具体的に、室内回路(22)の液側端と室内熱交換器(37)との間には、室内液温度センサ(45c)が設けられている。室内熱交換器(37)と室内回路(22)のガス側端との間には、室内ガス温度センサ(45d)が設けられている。また、室内ファン(14)の近傍には、室内温度センサ(19)が設けられている。
《制御部》
この冷凍装置(10)は、空調能力を調節するために圧縮機(30)の運転容量や膨張弁(36)の開度を制御すると共に、圧縮機(30)の摺動部における潤滑不良を防止するために圧縮機(30)を保護するための油温度調節動作を行う制御部(50)を備えている。制御部(50)は、運転容量制御部(47)と膨張弁制御部(48)と油温度検出部(51)と調節動作判断部(52)と調節動作実行部(53)とを備えている。調節動作判断部(52)及び調節動作実行部(53)は、油温度調節手段を構成している。
運転容量制御部(47)は、圧縮機(30)の運転容量を制御するように構成されている。具体的に、運転容量制御部(47)には、暖房運転中における圧縮機(30)の吐出冷媒の圧力の目標値である高圧目標値の初期値と、冷房運転中における圧縮機(30)の吸入冷媒の圧力の目標値である低圧目標値の初期値とが設定されている。運転容量制御部(47)は、暖房運転中には吐出圧力センサ(46b)の検出値が高圧目標値となるように、冷房運転中には吸入圧力センサ(46a)の検出値が低圧目標値となるように圧縮機(30)の運転容量を制御する。
膨張弁制御部(48)は、膨張弁(36)の開度を制御するように構成されている。具体的に、膨張弁制御部(48)には、暖房運転中の目標過熱度の初期値(例えば5℃)と、冷房運転中の目標過熱度の初期値(例えば5℃)とがそれぞれ設定されている。膨張弁制御部(48)は、暖房運転中には室外熱交換器(34)から流出した冷媒の過熱度が目標過熱度になるように、冷房運転中には室内熱交換器(37)から流出した冷媒の過熱度が目標過熱度になるように、膨張弁(36)の開度を調節する。なお、膨張弁制御部(48)は、暖房運転時には、室外液温度センサ(45e)の検出値と室外ガス温度センサ(45f)の検出値との差の絶対値を、室外熱交換器(37)から流出した冷媒の過熱度として検出する。冷房運転時には、室内液温度センサ(45c)の検出値と室内ガス温度センサ(45d)の検出値との差の絶対値を、室内熱交換器(37)から流出した冷媒の過熱度として検出する。
油温度検出部(51)は、吸入温度センサ(45a)の計測値に基づいて圧縮機(30)内の油溜まり(40)の温度を検出するように構成されている。油温度検出部(51)は、吸入温度センサ(45a)の計測値と同じ値を油溜まり(40)の温度とするように構成されている。低圧ドーム型の圧縮機(30)の場合には、吸入冷媒がケーシング(35)内の油溜まり(40)がある空間に直接流入する。このため、油溜まり(40)の温度は吸入冷媒の温度と概ね等しくなる。油温度検出部(51)の検出値は、調節動作判断部(52)に入力される。なお、厳密には、ケーシング(35)の低圧空間には高温になる電動機(28)があるので。油溜まり(40)の温度は吸入冷媒の温度よりも僅かに高くなる。
調節動作判断部(52)は、暖房運転中に上記油温度調節動作の開始及び終了を判断するように構成されている。具体的に、調節動作判断部(52)には、油温度調節動作の開始を判断するための開始判断温度(設定温度)と、油温度調節動作の終了を判断するための終了判断温度とがそれぞれ設定されている。開始判断温度及び終了判断温度は、共に冷媒の密度と冷凍機油の密度が等しくなる境界温度(約−13℃)に対応して設定されている。開始判断温度は、例えば境界温度(約−13℃)よりも所定の温度(例えば1℃)だけ高い温度に設定されている。終了判断温度は、開始判断温度よりも所定の温度(例えば2℃)だけ高い温度に設定されている。調節動作判断部(52)は、油温度検出部(51)の検出値が開始判断温度以下になる条件が成立する場合に油温度調節動作の開始を判断するように構成されている。また、調節動作判断部(52)は、油温度調節動作中に油温度検出部(51)の検出値が終了判断温度以上になる条件が成立する場合に油温度調節動作の終了を判断するように構成されている。なお、開始判断温度は、上記境界温度と等しい温度であってもよい。
調節動作実行部(53)は、調節動作判断部(52)が油温度調節動作の開始を判断すると油温度調節動作を開始すると共に、調節動作判断部(52)が油温度調節動作の終了を判断すると油温度調節動作を終了するように構成されている。調節動作実行部(53)は、油温度調節動作として、暖房運転中に蒸発側膨張弁を構成する膨張弁(36)の開度を縮小させる動作を行うように構成されている。具体的に、調節動作実行部(53)は、調節動作判断部(52)が油温度調節動作の開始を判断すると、油温度調節動作として膨張弁制御部(48)に目標過熱度を初期値よりも大きな値に変更するように指令を出す動作を行う。一方、調節動作実行部(53)は、調節動作判断部(52)が油温度調節動作の終了を判断すると、目標過熱度を初期値に戻すように指令を出す動作を行う。
−空調機の動作−
本実施形態の空調機(10)の運転動作について説明する。この空調機(10)では、四路切換弁(33)によって冷房運転と暖房運転とが切り換えが行われる。
<暖房運転>
暖房運転では、四路切換弁(33)が第1状態に設定される。そして、この状態で圧縮機(30)を運転すると、冷媒回路(20)では室外熱交換器(34)が蒸発器となって室内熱交換器(37)が放熱器となる蒸気圧縮冷凍サイクルが行われる。
具体的に、圧縮機(30)から吐出された二酸化炭素の臨界圧力よりも高圧の冷媒は、室内熱交換器(37)で室内空気と熱交換する。この熱交換では、冷媒が室内空気に放熱して冷却される。室内熱交換器(37)で冷却された冷媒は、膨張弁(36)を通過する際に減圧され、その後に室外熱交換器(34)で室外空気と熱交換して蒸発する。室外熱交換器(34)で蒸発した冷媒は、圧縮機(30)へ吸入されて圧縮される。
<冷房運転>
冷房運転では、四路切換弁(33)が第2状態に設定される。そして、この状態で圧縮機(30)を運転すると、冷媒回路(20)では室外熱交換器(34)が放熱器となって室内熱交換器(37)が蒸発器(34,37)となる蒸気圧縮冷凍サイクルが行われる。
具体的に、圧縮機(30)から吐出された二酸化炭素の臨界圧力よりも高圧の冷媒は、室外熱交換器(34)で室外空気と熱交換する。この熱交換では、冷媒が室外空気に放熱して冷却される。室外熱交換器(34)で冷却された冷媒は、膨張弁(36)を通過する際に減圧され、その後に室内熱交換器(37)で室内空気と熱交換して蒸発する。室内熱交換器(37)で蒸発した冷媒は、圧縮機(30)へ吸入されて圧縮される。
−制御部の動作−
制御部(50)の動作のうち油温度調節動作について説明する。
ここで、空調機(10)では、図3に示すように、油溜まり(40)に冷凍機油が溜まる油貯留部(40a)と、冷凍機油に溶けていない液冷媒が溜まる冷媒貯留部(40b)とが形成されている。温度が比較的高くて液冷媒の密度が冷凍機油の密度よりも小さくなる状態では、図3(A)に示すように、冷媒貯留部(40b)が油貯留部(40a)の上側に形成されている。この状態では、圧縮機(30)の摺動部には油溜まり(40)の下側から主に冷凍機油が供給されるので、その摺動部の潤滑が良好な状態で行われる。
一方、例えば低外気の暖房運転時に、室外熱交換器(34)における冷媒の蒸発温度が低くなる場合がある。このような場合には、室外熱交換器(34)から流出して圧縮機(30)に吸入される冷媒の温度が低下し、圧縮機(30)内の油溜まり(40)の温度が徐々に低下してゆく。油溜まり(40)の温度が低下して、仮にその温度が冷媒の密度と冷凍機油の密度が等しくなる境界温度を下回ると、図3(B)に示すように、冷媒貯留部(40b)が油貯留部(40a)の下側に形成される。この状態では、油ポンプ(29)により吸い上げられて圧縮機(30)の摺動部に供給されるのは、ほとんどが液冷媒になってしまうため、圧縮機(30)の摺動部において潤滑不良が生じるおそれがある。この実施形態の空調機(10)では、このような状態を回避するために油温度調節動作が行われる。
この空調機(10)では、まず油温度検出行程が行われる。油温度検出行程では、油温度検出部(51)が、吸入温度センサ(45a)の計測値に基づいて圧縮機(30)内の油溜まり(40)の温度を検出する。油溜まり(40)の温度は、吸入温度センサ(45a)の計測値と同じ値として検出される。
油温度検出行程が終了すると、開始判断行程が行われる。開始判断行程では、調節動作判断部(52)が、油温度調節動作を開始するか否かの判断を行う開始判断動作を行う。開始判断動作では、調節動作判断部(52)が、油温度検出部(51)の検出値と開始判断温度とを比較する。調節動作判断部(52)は、油温度検出部(51)の検出値が開始判断温度以下になる場合に、油温度調節動作の開始を判断する。油温度検出部(51)の検出値が開始判断温度以下にならない場合には、所定時間経過後に再び油温度検出行程、開始判断行程が順次行われる。油温度検出行程及び開始判断行程は、油温度判断行程を構成している。
開始判断行程において調節動作判断部(52)が油温度調節動作の開始を判断すると、油温度調節行程が行われる。油温度調節行程では、調節動作実行部(53)が、油温度調節動作として膨張弁制御部(48)に目標過熱度を初期値よりも大きな値(例えば7℃)に変更するように指令を出す。膨張弁制御部(48)は、調節動作実行部(53)から指令を受けると、目標過熱度を初期値よりも大きな値に変更する。目標過熱度が、大きな値に変更されると、それに伴って膨張弁(36)の開度が縮小される。
また、油温度調節動作中には終了判断行程が行われる。終了判断行程では、調節動作判断部(52)が、油温度調節動作を終了するか否かの判断を行う終了判断動作を行う。終了判断動作では、調節動作判断部(52)が、油温度検出部(51)の検出値と終了判断温度とを比較する。調節動作判断部(52)は、油温度検出部(51)の検出値が終了判断温度以上になる場合に、油温度調節動作の終了を判断する。油温度検出部(51)の検出値が終了判断温度以上にならない場合には、所定時間経過後に再び油温度検出行程、終了判断行程が順次行われる。
終了判断行程において調節動作判断部(52)が油温度調節動作の終了を判断すると、調節動作終了行程が行われる。調節動作終了行程では、調節動作実行部(53)が、膨張弁制御部(48)に目標過熱度を初期値に戻すように指令を出す。膨張弁制御部(48)は、調節動作実行部(53)から指令を受けると、目標過熱度を初期値(例えば5℃)に戻す。目標過熱度が、初期値に戻されると、それに伴って膨張弁(36)の開度が拡大される。
−実施形態の効果−
本実施形態では、冷凍機油に溶けていない液冷媒が冷凍機油の下側に溜まる状態を回避するために、油溜まり(40)の温度が境界温度より高くなるように冷凍装置(10)の運転を制御する油温度調節動作が行われるようにしている。このため、冷凍機油をほとんど含まない液冷媒が圧縮機(30)の摺動部に供給される状態にならない。従って、冷凍機油をほとんど含まない液冷媒が圧縮機(30)の摺動部に供給されることによって生じる潤滑不良によって圧縮機(30)が損傷することを抑制することができるので、圧縮機(30)の信頼性を向上させることができる。
また、本実施形態では、冷凍機油に混じる液冷媒の量が比較的多くなる圧縮機(30)に対して、冷凍機油に溶けていない液冷媒が冷凍機油の下側に溜まる状態が回避されるように油温度調節動作が行われるようにしている。つまり、液冷媒による潤滑不良が生じやすい圧縮機(30)に対して、油温度調節動作が実行可能になっている。このため、圧縮機(30)の信頼性が大幅に改善される。
−実施形態の変形例1−
実施形態の変形例1について説明する。この変形例1では、図4に示すように、冷媒回路(20)にホットガスバイパス通路(31)が設けられている。ホットガスバイパス通路(31)には、ホットガスバイパス通路(31)の冷媒流量を調節するホットガス量調節弁(32)が設けられている。
また、制御部(50)には、ホットガス量調節弁(32)を開閉するホットガス量調節部(49)が設けられている。ホットガス量調節部(49)は、例えば吐出温度センサ(45b)の検出値が所定値以下になるようにホットガス量調節弁(32)を調節する。
この変形例1では、調節動作実行部(53)が、油温度調節動作としてホットガス量調節弁(32)の開度を拡大させる動作を行うように構成されている。調節動作実行部(53)は、調節動作判断部(52)が油温度調節動作の開始を判断すると、ホットガス量調節部(49)に吐出温度センサ(45b)の検出値に拘わらずホットガス量調節弁(32)を開状態に設定するように指令を出す。調節動作実行部(53)は、調節動作判断部(52)が油温度調節動作の終了を判断すると、ホットガス量調節部(49)にホットガス量調節弁(32)を閉状態に設定するように指令を出す。
−実施形態の変形例2−
実施形態の変形例2について説明する。この変形例2では、調節動作判断部(52)が、油温度調節動作として圧縮機(30)の運転容量を低減させる動作を行うように構成されている。調節動作実行部(53)は、調節動作判断部(52)が油温度調節動作の開始を判断すると、運転容量制御部(47)に高圧目標値を初期値よりも小さな値に変更するように指令を出す動作を行う。調節動作実行部(53)は、調節動作判断部(52)が油温度調節動作の終了を判断すると、運転容量制御部(47)に高圧目標値を初期値に戻すように指令を出す動作を行う。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態について、冷凍装置が空調機以外の冷凍装置(例えば冷凍用の冷凍装置)であってもよい。
また、上記実施形態について、圧縮機(30)の摺動部の潤滑に冷媒に対して溶けない性質の非相溶性の冷凍機油を用いてもよい。
また、上記実施形態について、調節動作判断部(52)は、油温度検出部(51)の検出値が開始判断温度以下になる状態が所定時間に亘って継続する場合に油温度調節動作の開始を判断するように構成されていてもよい。調節動作判断部(52)は、油温度検出部(51)の検出値が開始判断温度以下になるだけでは油溜まり(40)の温度が開始判断温度以下になっていると判断せずに、油温度検出部(51)の検出値が開始判断温度以下になる状態が所定時間に亘って継続してはじめて、油溜まり(40)の温度が開始判断温度以下になっていると判断する。また、調節動作判断部(52)は、油温度検出部(51)の検出値が終了判断温度以上になる状態が所定時間に亘って継続する場合に油温度調節動作の終了を判断するように構成されていてもよい。
また、上記実施形態について、調節動作判断部(52)が、油温度調節動作として、暖房運転中に蒸発側ファンを構成する室外ファン(12)の風量を増加させる動作を行うように構成されていてもよい。
また、上記実施形態について、圧縮機(30)にその底部を加熱するためのヒータが設けられている冷凍装置において、調節動作判断部(52)が、油温度調節動作として、上記ヒータを運転させる動作を行うように構成されていてもよい。
また、上記実施形態について、調節動作判断部(52)が、油温度調節動作として圧縮機(30)を停止させる動作を行うように構成されていてもよい。この場合、設定温度は、例えば境界温度と等しくなっている。
また、上記実施形態について、調節動作判断部(52)が、膨張弁(36)の開度を縮小させる動作、室外ファン(12)の風量を増加させる動作、ホットガス量調節弁(32)の開度を拡大させる動作、圧縮機(30)の運転容量を低減させる動作、及び圧縮機(30)のヒータを運転させる動作の5種類の油温度調節動作のうち、2種類以上の油温度調節動作を実行可能に構成されていてもよい。この場合、調節動作判断部(52)は、例えば運転条件によって油温度調節動作の種類を選択するように構成されていてもよいし、油溜まり(40)の温度が速やかに上昇するように複数種類の油温度調節動作を同時に実行するように構成されていてもよい。
また、上記実施形態について、圧縮機(30)に油溜まり(40)の温度を検出するための温度センサを取り付けて、油温度検出部(51)がその温度センサの計測値を用いて油溜まり(40)の温度を検出してもよい。
また、上記実施形態について、油温度検出部(51)は、吸入温度センサ(45a)の計測値をそのまま油溜まり(40)の温度とせずに、一定時間の吸入温度センサ(45a)の計測値の平均値を油溜まり(40)の温度とするように構成されていてもよい。また、吸入温度センサ(45a)の計測値を補正した補正値を油溜まり(40)の温度とするように構成されていてもよい。
また、上記実施形態について、油温度調節動作中に油温度検出部(51)の検出値を見ながら油温度調節動作の制御を行うようにしてもよい。例えば、油温度調節動作が膨張弁(36)の開度が縮小される動作である場合に、油温度調節動作の開始後に油温度検出部(51)の検出値が上昇しにくい状態であれば、調節動作実行部(53)は、膨張弁(36)の開度をさらに縮小させる。
また、上記実施形態について、液冷媒の密度と冷凍機油の密度とが等しくなる温度が比較的高くなる冷媒と冷凍機油との組合せの場合には、油温度調節動作が冷房運転中に実行可能に制御部(50)が構成されてもよい。
また、上記実施形態について、液冷媒の密度と冷凍機油の密度とが等しくなる温度が比較的高くなる冷媒と冷凍機油との組合せの場合には、圧縮機(30)がいわゆる高圧ドーム型の圧縮機であってもよい。圧縮機(30)のケーシング(35)内では、圧縮機構(27)で圧縮される後の冷媒で満たされる高圧空間に油溜まり(40)が形成されている。この場合は、油温度検出部(51)は、吐出温度センサ(45b)の計測値に基づいて油溜まり(40)の温度を推定する。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、圧縮機の摺動部における潤滑不良を防止するために圧縮機を保護する動作を行う冷凍装置、及びその冷凍装置の制御方法について有用である。
図1は、本発明の実施形態に係る冷凍装置の概略構成図である。 図2は、本発明の実施形態に係る冷凍装置の圧縮機の縦断面図である。 (A)は、油溜まりにおいて冷媒貯留部が油貯留部の上側に形成されている状態の圧縮機の要部の縦断面図であり、(B)は、油溜まりにおいて冷媒貯留部が油貯留部の下側に形成されている状態の圧縮機の要部の縦断面図である。 図1は、本発明の実施形態の変形例1に係る冷凍装置の概略構成図である。
符号の説明
10 空調機(冷凍装置)
12 室外ファン(蒸発側ファン)
14 室内ファン(蒸発側ファン)
20 冷媒回路
27 圧縮機構
30 圧縮機
31 ホットガスバイパス通路
32 ホットガス量調節弁
35 ケーシング
36 膨張弁(蒸発側調節弁)
52 調節動作判断部(油温度調節手段)
53 調節動作実行部(油温度調節手段)

Claims (10)

  1. 圧縮機(30)によって圧縮された冷媒を循環させて冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)を備え、
    上記圧縮機(30)は、内部の油溜まり(40)に溜まった冷凍機油が摺動部へ供給されるように構成され、
    上記圧縮機(30)の摺動部の潤滑に非相溶性又は弱相溶性の冷凍機油を用いる冷凍装置であって、
    上記油溜まり(40)の温度が液冷媒の密度と冷凍機油の密度とが等しくなる境界温度に対応して設定された設定温度以下であると判断した場合に、該油溜まり(40)の温度が上記境界温度より高くなるように冷凍装置(10)の運転を制御する油温度調節動作を行う油温度調節手段(52,53)を備えていることを特徴とする冷凍装置。
  2. 請求項1において、
    上記冷媒回路(20)に設けられた蒸発器(34,37)から流出する冷媒の温度を調節するための蒸発側温度調節手段(12,14,36)を備え、
    上記油温度調節手段(52,53)は、上記油温度調節動作として上記蒸発器(34,37)から流出する冷媒の温度が増大するように上記蒸発側温度調節手段(12,14,36)を調節することを特徴とする冷凍装置。
  3. 請求項2において、
    上記蒸発器(34,37)の冷媒流量を調節するための蒸発側調節弁(36)が、上記蒸発側温度調節手段(12,14,36)を構成しており、
    上記油温度調節手段(52,53)は、上記油温度調節動作として上記蒸発側調節弁(36)の開度を縮小させる動作を行うことを特徴とする冷凍装置。
  4. 請求項2又は3において、
    上記蒸発器(34,37)に空気を送るための蒸発側ファン(12,14)が、上記蒸発側温度調節手段(12,14,36)を構成しており、
    上記油温度調節手段(52,53)は、上記油温度調節動作として上記蒸発側ファン(12,14)の風量を増加させる動作を行うことを特徴とする冷凍装置。
  5. 請求項1乃至4の何れか1つにおいて、
    上記冷媒回路(20)は、高圧のガス冷媒を上記圧縮機(30)の吸入側へ送るためのホットガスバイパス通路(31)と、該ホットガスバイパス通路(31)の冷媒流量を調節するホットガス量調節弁(32)とを備える一方、
    上記油温度調節手段(52,53)は、上記油温度調節動作として上記ホットガス量調節弁(32)の開度を拡大させる動作を行うことを特徴とする冷凍装置。
  6. 請求項1において、
    上記油温度調節手段(52,53)は、上記油温度調節動作として上記圧縮機(30)の運転容量を低減させる動作、又は該圧縮機(30)を停止させる動作を行うことを特徴とする冷凍装置。
  7. 請求項1乃至6の何れか1つにおいて、
    上記圧縮機(30)は、冷媒を圧縮する圧縮機構(27)と、該圧縮機構(27)を収容する密閉容器状のケーシング(35)とを備え、該ケーシング(35)内では圧縮機構(27)で圧縮される前の冷媒で満たされる低圧空間に上記油溜まり(40)が形成されていることを特徴とする冷凍装置。
  8. 請求項7において、
    上記油温度調節手段(52,53)は、上記圧縮機(30)の吸入冷媒の温度に基づいて上記油溜まり(40)の温度が上記設定温度以下であるか否かを判断していることを特徴とする冷凍装置。
  9. 請求項7又は8において、
    上記冷媒回路(20)では、冷媒として二酸化炭素が用いられ、上記圧縮機(30)には冷凍機油としてポリアルキレングリコールが用いられていることを特徴とする冷凍装置。
  10. 圧縮機(30)によって圧縮された冷媒を循環させて冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)を備え、上記圧縮機(30)は、内部の油溜まり(40)に溜まった冷凍機油が摺動部へ供給されるように構成され、上記圧縮機(30)の摺動部の潤滑に非相溶性又は弱相溶性の冷凍機油を用いる冷凍装置の制御方法であって、
    上記油溜まり(40)の温度が液冷媒の密度と冷凍機油の密度とが等しくなる境界温度に対応して設定された設定温度以下であるか否かを判断する油温度判断行程と、
    上記油温度判断行程において上記油溜まり(40)の温度が上記設定温度以下であると判断した場合に、該油溜まり(40)の温度が上記境界温度より高くなるように冷凍装置(10)の運転を制御する油温度調節動作を行う油温度調節行程とを備えていることを特徴とする冷凍装置の制御方法。
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