JP2013139890A - 冷凍装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧縮機に係る油貯留部の油面が低下した場合でも、その油面を上昇させて油貯留部から膨張機への給油量を安定させ、膨張機の潤滑不良による損傷を防止する。
【解決手段】空調機(1)のコントローラ(70)に、圧縮機(20)内に貯留した潤滑油の油面を検知する検知部(72)と、検知部(72)が油供給配管(48)の排油ポート(7)近傍の所定高さよりも下側で油面を検知しているとき、油供給配管(48)を流れる潤滑油の流量を減少させる制御部(71)とを設ける。
【選択図】図1
【解決手段】空調機(1)のコントローラ(70)に、圧縮機(20)内に貯留した潤滑油の油面を検知する検知部(72)と、検知部(72)が油供給配管(48)の排油ポート(7)近傍の所定高さよりも下側で油面を検知しているとき、油供給配管(48)を流れる潤滑油の流量を減少させる制御部(71)とを設ける。
【選択図】図1
Description
本発明は、冷凍装置に関し、特に冷凍装置に設けられた圧縮機及び膨張機に係る摺動部の潤滑技術に関するものである。
従来より、圧縮機及び膨張機が接続される冷媒回路を備えた冷凍装置が知られている。そして、これらの冷凍装置の中には、特許文献1に示すように、上記圧縮機の底部に貯留する潤滑油を上記圧縮機の摺動部だけでなく、上記膨張機の摺動部にも供給するものがある。
この圧縮機の内部空間には、互いに回転軸で連結された圧縮機構及び電動機が収容されている。上記圧縮機構の吐出口が上記圧縮機の内部空間に開口する、いわゆる高圧ドーム型のものである。上記回転軸の下端部には油ポンプが設けられ、この油ポンプが上記圧縮機の底部に貯留する潤滑油に浸漬している。そして、この油ポンプによって吸い上げられた潤滑油が、上記回転軸内の給油通路を通じて上記圧縮機構へ供給される。
又、上記圧縮機の底部付近には排油ポートが設けられている。この排油ポートに接続された給油配管の端部が、上記膨張機の給油ポートに接続されている。そして、この給油配管を通じて、上記圧縮機の排油ポートから上記膨張機の給油ポートへ潤滑油が供給される。
ところで、このような高圧ドーム型の圧縮機は、高負荷運転になればなるほど、上記圧縮機の底部に貯留する潤滑油が吐出冷媒とともにケーシングの外側へ吐出される量(以下、油上がり量という。)が増える。
例えば、この油上がり量が増えると、上記油貯留部の油面が下がりやすくなる。そして、この油面が上記給油ポート付近まで下がってしまうと、この油貯留部から上記膨張機へ潤滑油が供給されなくなって、上記膨張機が損傷してしまうという問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、圧縮機に係る油貯留部の油面が低下した場合でも、その油面を上昇させて油貯留部から膨張機への給油量を安定させ、潤滑不良による膨張機の損傷を防止することにある。
第1の発明は、圧縮機(20)と、放熱器(44,(2a,3a,4a))と、膨張機(30)と、蒸発器((2a,3a,4a),44)とが接続されて冷凍サイクルを行う冷媒回路(10)を備えた冷凍装置を前提としている。そして、上記圧縮機(20)内に貯留した潤滑油の油面を検知する検知部(72)と、上記圧縮機(20)内の潤滑油を上記膨張機(30)へ供給する給油路(48)と、上記検知部(72)が上記給油路(48)の流入口(7)近傍の所定高さよりも下側で油面を検知しているとき、上記給油路(48)を流れる潤滑油の流量を減少させる制御部(71)とを備えていることを特徴としている。
第1の発明では、所定高さよりも下側まで下がった油面を上昇させるため、上記給油路(48)を通じて上記圧縮機(20)から上記膨張機(30)へ流出する潤滑油の量を抑えるようにした。この油面を上昇させる理由は、該油面の低下が上記圧縮機(20)から膨張機(30)への給油量を不安定させる要因となるからである。例えば、油面が低下して、給油路(48)に係る潤滑油の液シールが切れてしまうと、給油路(48)内をガス冷媒が流れて上記膨張機(30)への給油量が極端に減少してしまう。
尚、上記給油路(48)に係る給油量は、当然に上記膨張機(30)が潤滑不良とならない範囲で減少させる。したがって、油面が所定高さよりも上側にあるとき、上記圧縮機(20)から上記膨張機(30)へ給油量は、上記膨張機(30)を十分に潤滑することが可能な量に設定されている。そして、油面が所定高さよりも下側にあるとき、上記膨張機(30)が潤滑不良とならない範囲、例えば上記膨張機(30)に係る必要最低限まで給油量を抑えるようにしている。このようにして、所定高さまで下がった油面を上昇させる。
第2の発明は、第1の発明において、上記制御部(71)は、上記検知部(72)が所定高さ以上で油面を検知しているとき、上記潤滑油の流量を減少させる動作を禁止することを特徴としている。
第2の発明では、油面が上昇して所定高さよりも上側になると、上記給油路(48)を通じて安定した状態で上記膨張機(30)へ給油できるため、上記制御部(71)の動作を停止する。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、上記制御部(71)は、上記膨張機(30)の吐出圧力を高くする調整部(73)を作動させて、上記圧縮機(20)の吐出圧力と上記膨張機(30)の吐出圧力との差を小さくして上記給油路(48)を流れる潤滑油の流量を減少させることを特徴としている。
第3の発明では、上記圧縮機(20)から上記膨張機(30)への給油量を減らすため、上記膨張機(30)の吐出圧力を高くしている。これにより、上記圧縮機(20)内の潤滑油の圧力と上記膨張機(30)の吐出圧力との差が小さくなって、上記圧縮機(20)から上記膨張機(30)への給油量が減少する。
第4の発明は、第3の発明において、上記膨張機(30)の流出口に連通して該膨張機(30)で膨張した冷媒を液冷媒とガス冷媒とに分離する気液分離器(51)と、該気液分離器(51)と上記圧縮機(20)の吸入側とを連通して上記気液分離器(51)で分離したガス冷媒を上記圧縮機(20)の吸入側へ導くガス通路(37)と、該ガス通路(37)の通路面積を拡縮するガス調整弁(52)とを備え、上記調整部(73)は、上記ガス調整弁(52)で上記ガス通路(37)の通路面積を絞って上記膨張機(30)の流出側の圧力を上げることによって、上記膨張機(30)の吐出圧力を高くすることを特徴としている。
第4の発明では、上記膨張機(30)の吐出圧力を高くするため、上記ガス調整弁(52)を絞っている。このガス調整弁(52)を通じて上記膨張機(30)の流出側と上記圧縮機(20)の吸入側とが連通しているため、このガス調整弁(52)を絞ると、該ガス調整弁(52)前後の圧力差が大きくなって、上記膨張機(30)の流出側の圧力が上昇する。これにより、上記圧縮機(20)の吐出圧力と上記膨張機(30)の吐出圧力との圧力差が小さくなる。この結果、上記圧縮機(20)から上記膨張機(30)への給油量が減少する。
第5の発明は、第1又は第2の発明において、上記膨張機(30)をバイパスするバイパス通路(38)と、該バイパス通路(38)の通路面積を拡縮するバイパス弁(29)とを備え、上記制御部(71)は、上記バイパス弁(29)で上記バイパス通路(38)の通路面積を拡大し、上記膨張機(30)の吐出圧力と上記圧縮機(20)の吐出圧力の差を小さくして上記給油路(48)を流れる潤滑油の流量を減少させることを特徴としている。
第5の発明では、上記膨張機(30)の吐出圧力を高くするため、上記バイパス弁(29)を開いている。このバイパス弁(29)を開くと、上記バイパス通路(38)の冷媒量が増えて、上記圧縮機(20)の吐出圧力と上記膨張機(30)の吐出圧力との圧力差が小さくなる。この結果、上記圧縮機(20)から上記膨張機(30)への給油量が減少する。
第6の発明は、第1又は第2の発明において、上記制御部(71)は、上記膨張機(30)の回転数を強制的に上げて、上記膨張機(30)の吐出圧力と圧縮機(20)の吐出圧力の差を小さくして上記給油路(48)を流れる潤滑油の流量を減少させることを特徴としている。
第6の発明では、上記膨張機(30)に係る吐出圧力と吸入圧力との差を小さくするため、上記膨張機(30)に係る冷媒の循環量を強制的に増加させている。これにより、上記膨張機(30)の吐出圧力と圧縮機(20)の吐出圧力の差が低下する。上記膨張機(30)に係る吐出圧力と吸入圧力との差が低下すると、上記圧縮機(20)から上記膨張機(30)への給油量が減少する。
第7の発明は、第1又は第2の発明において、上記放熱器(44,(2a,3a,4a))を流れる冷媒と熱交換する被熱交換流体を上記放熱器(44,(2a,3a,4a))へ供給する供給部(40)を備え、上記制御部(71)は、上記供給部(40)の運転容量を増加して上記冷媒回路(10)の高圧圧力を下げることによって、上記圧縮機(20)の吐出圧力と上記膨張機(30)の吐出圧力との圧力差を小さくして上記給油路(48)を流れる潤滑油の流量を減少させることを特徴としている。
第7の発明では、上記圧縮機(20)から上記膨張機(30)への給油量を減らすため、上記供給部(40)から上記放熱器(44)への被熱交換流体の供給量を増やしている。これにより、上記放熱器(44)の熱交換量が増えて、上記冷媒回路(10)の高圧圧力が下がる。この高圧圧力の低下に伴って、上記膨張機(30)の冷媒流入圧力と上記圧縮機(20)の冷媒吐出圧力とが共に下がる。すると、上記膨張機(30)の吐出圧力と圧縮機(20)の吐出圧力の差が低下し、上記圧縮機(20)から上記膨張機(30)への給油量が減少する。
第8の発明は、第3の発明において、上記膨張機(30)の流出口に連通して該膨張機(30)で膨張した冷媒を液冷媒とガス冷媒とに分離する気液分離器(51)と、該気液分離器(51)と上記圧縮機(20)の吸入側とを連通して上記気液分離器(51)で分離したガス冷媒を上記圧縮機(20)の吸入側へ導くガス通路(37)と、該ガス通路(37)の通路面積を拡縮するガス調整弁(52)と、上記蒸発器((2a,3a,4a),44)で蒸発した冷媒を吸入して圧縮した後で上記圧縮機(20)へ吸入されるように吐出する副圧縮機(60)と、上記放熱器(44,(2a,3a,4a))で放熱した冷媒から分流した一方の冷媒を減圧する減圧弁(85)と、上記減圧弁(85)で減圧した冷媒と上記放熱器(44,(2a,3a,4a))で放熱した冷媒から分流した他方の冷媒とを熱交換するエコノマイザ熱交換器(80)と、上記エコノマイザ熱交換器(80)で熱交換した他方の冷媒を上記圧縮機(20)の吸入側へインジェクションするインジェクション通路(53)とを備え、上記調整部(73)は、上記ガス調整弁(52)で上記ガス通路(37)を閉鎖するとともに、上記減圧弁(85)の開度を小さくして上記エコノマイザ熱交換器(80)の熱交換量を減少させることによって、上記膨張機(30)の吐出圧力を高くすることを特徴としている。
第8の発明は、第3の発明において、上記膨張機(30)の流出口に連通して該膨張機(30)で膨張した冷媒を液冷媒とガス冷媒とに分離する気液分離器(51)と、該気液分離器(51)と上記圧縮機(20)の吸入側とを連通して上記気液分離器(51)で分離したガス冷媒を上記圧縮機(20)の吸入側へ導くガス通路(37)と、該ガス通路(37)の通路面積を拡縮するガス調整弁(52)と、上記蒸発器((2a,3a,4a),44)で蒸発した冷媒を吸入して圧縮した後で上記圧縮機(20)へ吸入されるように吐出する副圧縮機(60)と、上記放熱器(44,(2a,3a,4a))で放熱した冷媒から分流した一方の冷媒を減圧する減圧弁(85)と、上記減圧弁(85)で減圧した冷媒と上記放熱器(44,(2a,3a,4a))で放熱した冷媒から分流した他方の冷媒とを熱交換するエコノマイザ熱交換器(80)と、上記エコノマイザ熱交換器(80)で熱交換した他方の冷媒を上記圧縮機(20)の吸入側へインジェクションするインジェクション通路(53)とを備え、上記調整部(73)は、上記ガス調整弁(52)で上記ガス通路(37)を閉鎖するとともに、上記減圧弁(85)の開度を小さくして上記エコノマイザ熱交換器(80)の熱交換量を減少させることによって、上記膨張機(30)の吐出圧力を高くすることを特徴としている。
第8の発明では、上記放熱器(44,(2a,3a,4a))から流出した冷媒がエコノマイザ熱交換器(80)で分流冷媒と熱交換して冷却(過冷却)される。そして、ガス調整弁(52)が閉じられると共に、上記減圧弁(85)の開度が小さくなる。具体的には、ガス調整弁(52)が閉じられて気液分離器(51)内の冷媒の状態がモリエル線図において飽和液線上になった後に、減圧弁(85)の開度が小さくなる。減圧弁(85)の開度が小さくなると、エコノマイザ熱交換器(80)の熱交換量が減少する。そうすると、気液分離器(51)内の冷媒の状態は、モリエル線図において、エンタルピが大きくなる方向へ遷移し、その結果として飽和液線の圧力が高くなる方向へ遷移する。そして、ガス調整弁(52)が閉じられることで、気液分離器(51)内の冷媒圧力および膨張機(30)の流出側の冷媒圧力はより高い飽和液線の圧力まで上昇する。上記膨張機(30)の吐出圧力と圧縮機(20)の吐出圧力の差が小さくなる。この結果、上記圧縮機(20)から上記膨張機(30)への給油量が減少する。
第9の発明は、第1から第7の何れか1つの発明において、上記蒸発器((2a,3a,4a),44)で蒸発した冷媒を吸入して圧縮した後で上記圧縮機(20)へ吸入されるように吐出する副圧縮機(60)と、上記放熱器(44,(2a,3a,4a))で放熱した冷媒から分流した一方の冷媒を減圧する減圧弁(85)と、上記減圧弁(85)で減圧した冷媒と上記放熱器(44,(2a,3a,4a))で放熱した冷媒から分流した他方の冷媒とを熱交換するエコノマイザ熱交換器(80)と、上記エコノマイザ熱交換器(80)で熱交換した他方の冷媒を上記圧縮機(20)の吸入側へインジェクションするインジェクション通路(53)と、上記検知部(72)が上記所定高さよりも下側で油面を検知しているとき、上記減圧弁(85)の開度を大きくして上記圧縮機(20)へ吸入される冷媒の温度を下げることによって、上記圧縮機(20)内へ吐出される吐出冷媒の温度を下げて上記圧縮機(20)内の潤滑油の粘度を高くする粘度調整部(75)とを備えていることを特徴としている。
第9の発明では、上記冷媒回路(10)がエコノマイザ回路で構成される。この回路では、上記圧縮機(20)及び上記副圧縮機(60)で冷媒を二段階で圧縮する。上記エコノマイザ熱交換器(80)で熱交換して冷却された一方の冷媒が上記膨張機(30)へ流入し、上記エコノマイザ熱交換器(80)で熱交換した他方の冷媒が、圧縮機(20)の吸入側及び副圧縮機(60)の吐出側の間へインジェクションされる。
ここで、上記粘度調整部(75)では、上記圧縮機(20)に貯留する潤滑油の粘度を高くするため、上記減圧弁(85)の開度を大きくしている。この減圧弁(85)の開度を大きくすると、上記圧縮機(20)の吸入側へインジェクションされる冷媒の量が増えて、上記圧縮機(20)における吸入冷媒の温度が下がる。この吸入冷媒の温度低下に伴って、上記圧縮機(20)内へ吐出される吐出冷媒の温度が低下する。
例えば、この圧縮機(20)が上述した高圧ドーム型の場合、この吐出冷媒との接触によって上記圧縮機(20)の内部に貯留する潤滑油が低下する。これにより、潤滑油の粘度が増加し、上記給油路(48)に係る潤滑油の流動抵抗が大きくなって、上記圧縮機(20)から上記膨張機(30)への給油量が減少する。
第1の発明によれば、所定高さよりも下側まで下がった油面を上昇させるため、上記給油路(48)を通じて上記圧縮機(20)から上記膨張機(30)へ流出する潤滑油の量を抑えている。これにより、上記潤滑油の油面を所定高さ以上へ戻すことができ、上記油貯留部(27)から膨張機(30)への給油量が安定する。この結果、該膨張機(30)の潤滑不良による損傷を防止することができる。
また、第2の発明によれば、上記潤滑油の油面が回復すれば、上記制御部(71)の動作を禁止する。これにより、上記圧縮機(20)から上記膨張機(30)への給油量を無駄に減らさないようにすることができ、上記膨張機(30)の潤滑状態を良好に保つことができる。
また、上記第3の発明によれば、上記圧縮機(20)から上記膨張機(30)への給油量を減少させるため、上記膨張機(30)の吐出圧力を高くしている。これにより、上記圧縮機(20)の圧力を下げなくても、上記圧縮機(20)から上記膨張機(30)への給油量を減少させることができ、上記潤滑油の油面を上昇させることができる。
また、上記第4の発明によれば、上記ガス調整弁(52)を絞ることにより、上記膨張機(30)の流出側の圧力を上昇させることができる。これにより、上記圧縮機(20)の吐出圧力と上記膨張機(30)の吐出圧力との圧力差が小さくなって、上記圧縮機(20)から上記膨張機(30)への給油量を減らすことができ、上記潤滑油の油面を確実に上昇させることができる。
また、上記第5の発明によれば、上記バイパス弁(29)を開くことにより、上記圧縮機(20)の吐出圧力と上記膨張機(30)の吐出圧力との圧力差が小さくなって、上記圧縮機(20)から上記膨張機(30)への給油量を減らすことができる。以上より、上記潤滑油の油面を確実に上昇させることができる。
また、上記第6の発明によれば、上記膨張機(30)に係る冷媒の循環量を強制的に増加することにより、上記膨張機(30)に係る吐出圧力と吸入圧力との差を小さくなる。これにより、上記圧縮機(20)から上記膨張機(30)への給油量を減らすことができ、上記潤滑油の油面を確実に上昇させることができる。この場合には、上述したガス調整弁(52)やバイパス弁(29)を設けることなく、上記膨張機(30)の運転制御のみという比較的に簡便な方法で、上記膨張機(30)への給油量を減らすことができる。
また、上記第7の発明によれば、上記被熱交換流体の供給量を増加することにより、上記放熱器(44)の熱交換量が増えて、上記冷媒回路(10)の高圧圧力を下げることができる。これにより、上記膨張機(30)の吸入圧力と上記圧縮機(20)の吐出圧力とが共に下がり、上記膨張機(30)の吐出圧力が上昇し、上記膨張機(30)の吐出圧力と圧縮機(20)の吐出圧力の差が低下して、上記圧縮機(20)から上記膨張機(30)への給油量を減らすことができる。以上より、上記潤滑油の油面を確実に上昇させることができる。
また、上記第8の発明によれば、ガス調整弁(52)を閉じると共に、エコノマイザ熱交換器(80)に係る減圧弁(85)を絞ることで差圧低減動作を行うようにしたため、上記膨張機(30)の冷媒流入圧力より高い圧力まで上昇させることが可能である。これにより上記膨張機(30)の吐出圧力と圧縮機の吐出圧力の差が小さくなって、上記圧縮機(20)から上記膨張機(30)への給油量を減らすことができる。以上より、上記潤滑油の油面を確実に上昇させることができる。
また、上記第9の発明によれば、上記減圧弁(85)の開度を開くことにより、上記圧縮機(20)の吸入側へインジェクションされる冷媒の量を増やして、上記圧縮機(20)に係る冷媒の温度を低下させる。これにより、冷媒の温度とともに潤滑油の温度が下がり、該潤滑油の粘度を増加させることができ、上記給油路(48)に係る潤滑油の流動抵抗を大きくすることができる。この流動抵抗を大きくすることにより、上記圧縮機(20)から上記膨張機(30)への給油量を減らすことができ、上記圧縮機(20)の油面を所定高さよりも上昇させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《実施形態1》
図1に示すように、実施形態1の空調機(冷凍装置)(1)は、冷媒回路(10)と油回路(11)とコントローラ(70)とを備えている。この空調機(1)は、1つの室外ユニット(5)と複数(図1の例では3つ)の室内ユニット(2,3,4)とを備える、いわゆるマルチ型に構成されている。この空調機(1)は、冷暖運転が切換可能に構成されている。
図1に示すように、実施形態1の空調機(冷凍装置)(1)は、冷媒回路(10)と油回路(11)とコントローラ(70)とを備えている。この空調機(1)は、1つの室外ユニット(5)と複数(図1の例では3つ)の室内ユニット(2,3,4)とを備える、いわゆるマルチ型に構成されている。この空調機(1)は、冷暖運転が切換可能に構成されている。
〈冷媒回路〉
上記冷媒回路(10)は、3つの室内回路(11,12,13)と、1つの室外回路(14)とを備えている。3つの室内回路(11,12,13)は、第1連絡管(15)及び第2連絡管(16)を介して室外回路(14)に接続されている。そして、この冷媒回路(10)には、二酸化炭素が封入されている。第1連絡管(15)の一端が第1閉鎖弁(17)に接続されている。また、第1連絡管(15)の他端が3つに分岐して、各分岐端が各室内回路(11,12,13)が有する室内膨張弁(2b,3b,4b)側の端部に接続されている。第2連絡管(16)の一端が第2閉鎖弁(18)に接続されている。また、第2連絡管(16)の他端が3つに分岐して、各分岐端が各室内回路(11,12,13)が有する室内熱交換器(2a,3a,4a)側の端部に接続されている。
上記冷媒回路(10)は、3つの室内回路(11,12,13)と、1つの室外回路(14)とを備えている。3つの室内回路(11,12,13)は、第1連絡管(15)及び第2連絡管(16)を介して室外回路(14)に接続されている。そして、この冷媒回路(10)には、二酸化炭素が封入されている。第1連絡管(15)の一端が第1閉鎖弁(17)に接続されている。また、第1連絡管(15)の他端が3つに分岐して、各分岐端が各室内回路(11,12,13)が有する室内膨張弁(2b,3b,4b)側の端部に接続されている。第2連絡管(16)の一端が第2閉鎖弁(18)に接続されている。また、第2連絡管(16)の他端が3つに分岐して、各分岐端が各室内回路(11,12,13)が有する室内熱交換器(2a,3a,4a)側の端部に接続されている。
−室内回路−
上記室内回路(11,12,13)は、各室内ユニット(2,3,4)に収納されている。各室内回路(11,12,13)は、上述した室内熱交換器(2a,3a,4a)と上述した室内膨張弁(2b,3b,4b)とが直列に接続されてなる。各室内ユニット(2,3,4)には、図示しないが、室内ファンがそれぞれ設けられている。
上記室内回路(11,12,13)は、各室内ユニット(2,3,4)に収納されている。各室内回路(11,12,13)は、上述した室内熱交換器(2a,3a,4a)と上述した室内膨張弁(2b,3b,4b)とが直列に接続されてなる。各室内ユニット(2,3,4)には、図示しないが、室内ファンがそれぞれ設けられている。
上記室内熱交換器(2a,3a,4a)は、いわゆるクロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器により構成されている。各室内熱交換器(2a,3a,4a)へは、図外の室内ファンによって室内空気が供給される。各室内熱交換器(2a,3a,4a)では、供給された室内空気と該室内熱交換器(2a,3a,4a)を流通する冷媒との間で熱交換が行われる。
上記室内膨張弁(2b,3b,4b)は電子膨張弁で構成されている。この室内膨張弁(2b,3b,4b)の開度は、上記コントローラ(70)の指示で必要に応じて変更される。
−室外回路−
上記室外回路(14)は、室外ユニット(5)に収納されている。この室外回路(14)には、圧縮機(20)、膨張機(30)、気液分離器(51)、室外熱交換器(44)、内部熱交換器(45)、四路切換弁(42)、及びブリッジ回路(41)が設けられている。
上記室外回路(14)は、室外ユニット(5)に収納されている。この室外回路(14)には、圧縮機(20)、膨張機(30)、気液分離器(51)、室外熱交換器(44)、内部熱交換器(45)、四路切換弁(42)、及びブリッジ回路(41)が設けられている。
(圧縮機)
上記圧縮機(20)は圧縮機ケーシング(21)を有し、この圧縮機ケーシング(21)には、駆動軸(23)を介して互いに連結された電動機(22)及び圧縮機構(24)が収容されている。この圧縮機(20)は、上記圧縮機構(24)の吐出口が上記圧縮機ケーシング(21)内に開口する、いわゆる高圧ドーム型で構成されている。
上記圧縮機(20)は圧縮機ケーシング(21)を有し、この圧縮機ケーシング(21)には、駆動軸(23)を介して互いに連結された電動機(22)及び圧縮機構(24)が収容されている。この圧縮機(20)は、上記圧縮機構(24)の吐出口が上記圧縮機ケーシング(21)内に開口する、いわゆる高圧ドーム型で構成されている。
この圧縮機ケーシング(21)は、縦長で円筒状の密閉容器である。この圧縮機ケーシング(21)の上部には吐出管(26)が貫通し、圧縮機ケーシング(21)の下部には吸入管(25)が貫通している。この吸入管(25)は上記圧縮機構(24)の吸入口に接続されている。又、この圧縮機ケーシング(21)の底部には油貯留部(27)が形成されている。
上記圧縮機構(24)は、ロータリ式の容積型流体機械で構成されている。圧縮機構(24)は、圧縮機ケーシング(21)における下側の部分に配置されている。圧縮機構(24)は、図示しないシリンダ及びピストンを備えている。圧縮機構(24)は、ピストンの回転により吸入管(25)から吸入された冷媒を圧縮し、圧縮後の高圧冷媒を圧縮機ケーシング(21)内の上方へ吐出する。この高圧冷媒は、吐出管(26)を通じて冷媒回路(10)へ吐出される。
上記電動機(22)は、ステータ(22a)とロータ(22b)とを備えている。このステータ(22a)は略円筒状に形成され、圧縮機ケーシング(21)における上側の部分に内嵌している。ロータ(22b)は、円柱状に形成され、ステータ(22a)の内周に所定の隙間(エアギャップ)を介して挿通されている。ロータ(22b)の中央部には、駆動軸(23)が挿通固定されている。
上記駆動軸(23)は、ロータ(22b)から油貯留部(27)まで上下方向に延びるように形成されている。駆動軸(23)の内部には、油貯留部(27)の潤滑油を圧縮機構(24)の摺動部へ供給するための油通路(23a)が形成されている。また、駆動軸(23)の下端部には、潤滑油を上方へ汲み上げるための遠心ポンプ(23b)が形成されている。電動機(22)の駆動により駆動軸(23)が回転すると、遠心ポンプ(23b)によって潤滑油が上方へ汲み上げられ、油通路(23a)を通じて圧縮機構(24)の摺動部へ供給される。
(四路切換弁)
上記圧縮機(20)の吐出管(26)から延びる冷媒配管が上記四路切換弁(42)の第4ポートに接続されている。上記圧縮機(20)の吸入管(25)から延びる冷媒配管が上記四路切換弁(42)の第1ポートに接続されている。又、上記四路切換弁(42)の第2ポートから延びる冷媒配管が第2閉鎖弁(18)を通じて第2連絡管(16)に接続され、上記四路切換弁(42)の第3ポートから延びる冷媒配管が上記室外熱交換器(44)の一端に接続されている。
上記圧縮機(20)の吐出管(26)から延びる冷媒配管が上記四路切換弁(42)の第4ポートに接続されている。上記圧縮機(20)の吸入管(25)から延びる冷媒配管が上記四路切換弁(42)の第1ポートに接続されている。又、上記四路切換弁(42)の第2ポートから延びる冷媒配管が第2閉鎖弁(18)を通じて第2連絡管(16)に接続され、上記四路切換弁(42)の第3ポートから延びる冷媒配管が上記室外熱交換器(44)の一端に接続されている。
尚、この四路切換弁(42)は、第1ポートが第2ポートと連通し且つ第3ポートが第4ポートと連通する冷房状態(図1に実線で示す状態)と、第1ポートが第3ポートと連通し且つ第2ポートが第4ポートと連通する暖房状態(図1に破線で示す状態)とに切換可能に構成されている。
(室外熱交換器と室外ファン)
上記室外熱交換器(44)は、いわゆるクロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器により構成されている。この室外熱交換器(44)の近傍には、該室外熱交換器(44)へ室外空気を供給する室外ファン(供給部)(40)が設けられている。この室外熱交換器(44)では、室外ファン(40)の室外空気と該室外熱交換器(44)を流通する冷媒との間で熱交換が行われる。この室外熱交換器(44)の他端がブリッジ回路(41)に接続されている。
上記室外熱交換器(44)は、いわゆるクロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器により構成されている。この室外熱交換器(44)の近傍には、該室外熱交換器(44)へ室外空気を供給する室外ファン(供給部)(40)が設けられている。この室外熱交換器(44)では、室外ファン(40)の室外空気と該室外熱交換器(44)を流通する冷媒との間で熱交換が行われる。この室外熱交換器(44)の他端がブリッジ回路(41)に接続されている。
(ブリッジ回路)
上記ブリッジ回路(41)は、第1から第3の逆止弁(CV-1〜CV-3)と室外膨張弁(43)とをブリッジ状に接続したものである。各逆止弁(CV-1〜CV-3)は、図1における矢印方向への冷媒の流れを許容し、矢印と反対方向の流れを禁止している。上記第1逆止弁(CV-1)の流入端と室外膨張弁(43)の一端との接続配管に室外熱交換器(44)の他端が連通している。第2逆止弁(CV-2)の流入端と室外膨張弁(43)の他端との接続配管に上記内部熱交換器(45)が有する第1流路(46)の流出口が連通している。第2逆止弁(CV-2)の流出端と第3逆止弁(CV-3)の流入端との接続配管には、上記第1閉鎖弁(17)を通じて第1連絡管(15)が連通している。第3逆止弁(CV-3)の流出端と第1逆止弁(CV-1)の流出端との接続配管には、上記膨張機(30)の流入管(35)が接続されている。
上記ブリッジ回路(41)は、第1から第3の逆止弁(CV-1〜CV-3)と室外膨張弁(43)とをブリッジ状に接続したものである。各逆止弁(CV-1〜CV-3)は、図1における矢印方向への冷媒の流れを許容し、矢印と反対方向の流れを禁止している。上記第1逆止弁(CV-1)の流入端と室外膨張弁(43)の一端との接続配管に室外熱交換器(44)の他端が連通している。第2逆止弁(CV-2)の流入端と室外膨張弁(43)の他端との接続配管に上記内部熱交換器(45)が有する第1流路(46)の流出口が連通している。第2逆止弁(CV-2)の流出端と第3逆止弁(CV-3)の流入端との接続配管には、上記第1閉鎖弁(17)を通じて第1連絡管(15)が連通している。第3逆止弁(CV-3)の流出端と第1逆止弁(CV-1)の流出端との接続配管には、上記膨張機(30)の流入管(35)が接続されている。
(膨張機とバイパス弁)
上記膨張機(30)は膨張機ケーシング(31)を有し、この膨張機ケーシング(31)には、出力軸(33)で互いに連結された膨張機構(34)及び発電機(32)が収容されている。この膨張機ケーシング(31)の下部には流入管(35)と流出管(36)が貫通している。上記流入管(35)が上記膨張機構(34)の流入口に接続され、上記流出管(36)が上記膨張機構(34)の流出口に接続されている。
上記膨張機(30)は膨張機ケーシング(31)を有し、この膨張機ケーシング(31)には、出力軸(33)で互いに連結された膨張機構(34)及び発電機(32)が収容されている。この膨張機ケーシング(31)の下部には流入管(35)と流出管(36)が貫通している。上記流入管(35)が上記膨張機構(34)の流入口に接続され、上記流出管(36)が上記膨張機構(34)の流出口に接続されている。
又、この膨張機ケーシング(31)の底部空間には、油溜まり部(39)が形成されている。この油溜まり部(39)は、上記膨張機構(34)を潤滑した後に流れ落ちた潤滑油を一時的に溜めるものである。上記膨張機構(34)は、いわゆるロータリ式の容積型流体機械を構成している。膨張機ケーシング(31)内では、膨張機構(34)の上方に発電機(32)が配置されている。膨張機構(34)の内部では、流入管(35)を通って流入した冷媒がピストン(図示省略)を回転させながら膨張する。その結果、発電機(32)が回転駆動される。つまり、冷媒の膨張によって発生した動力が発電に利用される。
上記膨張機(30)の流出管(36)は上記気液分離器(51)の流入口に連通している。又、上記膨張機(30)に係る流入管(35)と流出管(36)との間には、該膨張機(30)をバイパスするバイパス管(38)が接続され、このバイパス管(38)にはバイパス弁(29)が設けられている。このバイパス弁(29)の開度は、上記コントローラ(70)の指示で必要に応じて変更される。
(気液分離器とガス調整弁)
上記気液分離器(51)は、縦長で円筒状の密閉容器である。この気液分離器(51)の上部側部に流入口が設けられている。又、この気液分離器(51)の頂部にはガス流出口が設けられている。このガス流出口にはガスインジェクション管(37)の一端が接続されている。このガスインジェクション管(37)の他端は、上記内部熱交換器(45)の第2流路(47)を通じて上記圧縮機(20)の吸入管(25)に連通している。尚、ガスインジェクション管(37)には、ガス調整弁(52)が設けられている。このガス調整弁(52)の開度は、上記コントローラ(70)の指示で必要に応じて変更される。又、この気液分離器(51)の底部には液流出口が設けられている。この液流出口と上記内部熱交換器(45)が有する第1流路(46)の流入口とが連通している。
上記気液分離器(51)は、縦長で円筒状の密閉容器である。この気液分離器(51)の上部側部に流入口が設けられている。又、この気液分離器(51)の頂部にはガス流出口が設けられている。このガス流出口にはガスインジェクション管(37)の一端が接続されている。このガスインジェクション管(37)の他端は、上記内部熱交換器(45)の第2流路(47)を通じて上記圧縮機(20)の吸入管(25)に連通している。尚、ガスインジェクション管(37)には、ガス調整弁(52)が設けられている。このガス調整弁(52)の開度は、上記コントローラ(70)の指示で必要に応じて変更される。又、この気液分離器(51)の底部には液流出口が設けられている。この液流出口と上記内部熱交換器(45)が有する第1流路(46)の流入口とが連通している。
(内部熱交換器)
上記内部熱交換器(45)は、上述したように第1流路(46)及び第2流路(47)を備え、第1流路(46)の冷媒と第2流路(47)の冷媒とを熱交換させるように構成されている。本実施形態1では、第1流路(46)を上記気液分離器(51)から流出した液冷媒が通過し、第2流路(47)を上記ガス調整弁(52)で減圧したガス冷媒が通過する際に、両方の冷媒が互いに熱交換する。
上記内部熱交換器(45)は、上述したように第1流路(46)及び第2流路(47)を備え、第1流路(46)の冷媒と第2流路(47)の冷媒とを熱交換させるように構成されている。本実施形態1では、第1流路(46)を上記気液分離器(51)から流出した液冷媒が通過し、第2流路(47)を上記ガス調整弁(52)で減圧したガス冷媒が通過する際に、両方の冷媒が互いに熱交換する。
−油回路−
上記油回路(11)は、油供給配管(給油路)(48)と油戻し配管(55)とを備えている。上記油供給配管(48)の流入端は、上記圧縮機ケーシング(21)の下部を貫通する排油ポート(流出口)(7)に接続されている。この排油ポート(7)は、上記圧縮機(20)の油貯留部(27)に開口している。一方、上記油供給配管(48)の流出端は、上記膨張機ケーシング(31)の下部を貫通して上記膨張機構(34)に形成された給油口に接続されている。この給油口は、上記膨張機(30)に係るピストンとシリンダとの間の摺動隙間に連通している。又、上記油戻し配管(55)の流入端は、上記膨張機ケーシング(31)の下部を貫通して、上記膨張機(30)の油溜まり部(39)に開口している。一方、上記油戻し配管(55)の流出端は、上記内部熱交換器(45)に係る第2流路(47)の流出口と上記圧縮機(20)の吸入管(25)から延びる冷媒配管と連通させる連通配管の途中に接続されている。
上記油回路(11)は、油供給配管(給油路)(48)と油戻し配管(55)とを備えている。上記油供給配管(48)の流入端は、上記圧縮機ケーシング(21)の下部を貫通する排油ポート(流出口)(7)に接続されている。この排油ポート(7)は、上記圧縮機(20)の油貯留部(27)に開口している。一方、上記油供給配管(48)の流出端は、上記膨張機ケーシング(31)の下部を貫通して上記膨張機構(34)に形成された給油口に接続されている。この給油口は、上記膨張機(30)に係るピストンとシリンダとの間の摺動隙間に連通している。又、上記油戻し配管(55)の流入端は、上記膨張機ケーシング(31)の下部を貫通して、上記膨張機(30)の油溜まり部(39)に開口している。一方、上記油戻し配管(55)の流出端は、上記内部熱交換器(45)に係る第2流路(47)の流出口と上記圧縮機(20)の吸入管(25)から延びる冷媒配管と連通させる連通配管の途中に接続されている。
−コントローラ−
上記コントローラ(70)は、上記空調機(1)の運転を制御するものである。このコントローラ(70)が行う制御動作の1つとして膨張機保護制御がある。上記コントローラ(70)が有する保護制御部(制御部)(71)で膨張機保護制御を行う。この保護制御部(71)は、検知部(72)と調整部(73)と判定部(74)を有している。
上記コントローラ(70)は、上記空調機(1)の運転を制御するものである。このコントローラ(70)が行う制御動作の1つとして膨張機保護制御がある。上記コントローラ(70)が有する保護制御部(制御部)(71)で膨張機保護制御を行う。この保護制御部(71)は、検知部(72)と調整部(73)と判定部(74)を有している。
(検知部)
上記検知部(72)は、上記油貯留部(27)に係る油面が排油ポート(7)の高さまで下がっているか否かを検知するものである。この検知部(72)では、油面の位置を直接的に検出せずに、2つの温度センサ(56,57)を利用して油面の位置を検知する。具体的に、上記検知部(72)には、油温度センサ(56)及び冷媒吐出温度センサ(57)の検出値が入力される。上記油温度センサ(56)は、上記排油ポート(7)の近傍の上記油供給配管(48)に取り付けられている。この上記油温度センサ(56)により上記圧縮機(20)の油貯留部(27)から流出する潤滑油の温度が検出される。一方、上記冷媒吐出温度センサ(57)は、上記圧縮機(20)の吐出管(26)に取り付けられている。この冷媒吐出温度センサ(57)により上記圧縮機構(24)から吐出される吐出冷媒の温度が検出される。
上記検知部(72)は、上記油貯留部(27)に係る油面が排油ポート(7)の高さまで下がっているか否かを検知するものである。この検知部(72)では、油面の位置を直接的に検出せずに、2つの温度センサ(56,57)を利用して油面の位置を検知する。具体的に、上記検知部(72)には、油温度センサ(56)及び冷媒吐出温度センサ(57)の検出値が入力される。上記油温度センサ(56)は、上記排油ポート(7)の近傍の上記油供給配管(48)に取り付けられている。この上記油温度センサ(56)により上記圧縮機(20)の油貯留部(27)から流出する潤滑油の温度が検出される。一方、上記冷媒吐出温度センサ(57)は、上記圧縮機(20)の吐出管(26)に取り付けられている。この冷媒吐出温度センサ(57)により上記圧縮機構(24)から吐出される吐出冷媒の温度が検出される。
ここで、上記油貯留部(27)の油面が上方から上記排油ポート(7)へ近づけば近づくほど、油温度センサ(56)及び冷媒吐出温度センサ(57)の検出値の差が小さくなる。そして、上記油貯留部(27)の油面が上記排油ポート(7)の高さまで下がると、上記油供給配管(48)に係る潤滑油の液シールが切れて、上記圧縮機ケーシング(21)内の吐出ガスが上記油供給配管(48)を通過するようになる。上記吐出管(26)及び上記油供給配管(48)の両方を同じ吐出ガスが流れることから、上記油温度センサ(56)と上記冷媒吐出温度センサ(57)との検出値がほぼ同じ値となる。
この検知部(72)には、実験等によって予め決定された設定温度差が記憶されている。この設定温度差は、必要に応じて設定される。上記油貯留部(27)の油面を上記排油ポート(7)の位置で検知したい場合には0度付近の値に設定され、上記油貯留部(27)の油面を上記排油ポート(7)よりも上側で検知したい場合には、上記油貯留部(27)の油面を上記排油ポート(7)の位置で検知する場合の設定温度差よりも高めに設定する。本実施形態1では、この検知部(72)が上記排油ポート(7)よりも上側の所定高さで油面を検知するように構成されている。
この検知部(72)では、両方のセンサ(56,57)に係る検出値の差と上記設定温度差とを比較し、両方のセンサ(56,57)に係る検出値の差が上記設定温度差以上の場合には、上記油貯留部(27)の油面が所定高さよりも上側に位置していると判定する。一方、両方のセンサ(56,57)に係る検出値の差が上記設定温度差よりも小さい場合には、上記油貯留部(27)の油面が所定高さよりも下側に下がっていると判定する。
この検知部(72)において、上記油貯留部(27)の油面が所定高さより低いことを検知すると、検知したことを知らせる検知信号を調整部(73)へ送信する。又、上記油貯留部(27)の油面が所定高さより高いことを検知すると、上述した検知信号の送信を停止する。
(調整部)
上記調整部(73)は、上記検知部(72)の検知信号が入力された後、上記ガス調整弁(52)の開度、上記インジェクション弁(減圧弁)(85)の開度、上記室外ファン(40)の回転数、上記圧縮機構(24)の回転数の順で調整操作を行う。尚、この検出信号が入力されない場合には、上述した調整操作を終了する。
上記調整部(73)は、上記検知部(72)の検知信号が入力された後、上記ガス調整弁(52)の開度、上記インジェクション弁(減圧弁)(85)の開度、上記室外ファン(40)の回転数、上記圧縮機構(24)の回転数の順で調整操作を行う。尚、この検出信号が入力されない場合には、上述した調整操作を終了する。
(判定部)
上記判定部(74)は、上記気液分離器(51)の冷媒の状態を判定するものである。この判定部(74)には、膨張機入口圧力センサ(75)、膨張機入口温度センサ(76)及び気液分離器温度センサ(77)の検出値が入力される。この膨張機入口圧力センサ(75)及び膨張機入口温度センサ(76)の検出値に基いて、上記膨張機(30)の冷媒入口エンタルピを算出する。そして、この冷媒入口エンタルピに対応する飽和液温度を算出する(モリエル線図では、冷媒入口エンタルピに係る等エンタルピ線と飽和液曲線との交点の温度)。
上記判定部(74)は、上記気液分離器(51)の冷媒の状態を判定するものである。この判定部(74)には、膨張機入口圧力センサ(75)、膨張機入口温度センサ(76)及び気液分離器温度センサ(77)の検出値が入力される。この膨張機入口圧力センサ(75)及び膨張機入口温度センサ(76)の検出値に基いて、上記膨張機(30)の冷媒入口エンタルピを算出する。そして、この冷媒入口エンタルピに対応する飽和液温度を算出する(モリエル線図では、冷媒入口エンタルピに係る等エンタルピ線と飽和液曲線との交点の温度)。
ここで、この飽和液温度と上記気液分離器温度センサ(77)の検出値とを比較する。上記気液分離器温度センサ(77)の検出値と上記飽和液温度とが同じ場合には上記気液分離器(51)の冷媒が飽和液であると判定する。上記気液分離器温度センサ(77)の検出値が上記飽和液温度より小さい場合には気液分離器(51)の冷媒が二相状態であると判定する。
−運転動作−
次に、空調機(1)の運転動作について説明する。まず、この空調機(1)の冷房運転及び暖房運転を説明した後で、上記コントローラ(70)の膨張機保護制御について説明する。
次に、空調機(1)の運転動作について説明する。まず、この空調機(1)の冷房運転及び暖房運転を説明した後で、上記コントローラ(70)の膨張機保護制御について説明する。
(冷房運転)
上記冷房運転時において、四路切換弁(42)は、図1に実線で示す状態に切り換えられ、各室内膨張弁(2b,3b,4b)の開度が個別に調節される。また、室外膨張弁(43)は全閉状態に設定され、バイパス弁(29)及びガス調整弁(52)は、その開度が適宜調整される。圧縮機(20)を駆動すると、図1の実線で示す矢印の方向へ冷媒が循環して冷凍サイクルが行われる。その際、室外熱交換器(44)が放熱器として機能し、室内熱交換器(2a,3a,4a)が蒸発器として機能する。
上記冷房運転時において、四路切換弁(42)は、図1に実線で示す状態に切り換えられ、各室内膨張弁(2b,3b,4b)の開度が個別に調節される。また、室外膨張弁(43)は全閉状態に設定され、バイパス弁(29)及びガス調整弁(52)は、その開度が適宜調整される。圧縮機(20)を駆動すると、図1の実線で示す矢印の方向へ冷媒が循環して冷凍サイクルが行われる。その際、室外熱交換器(44)が放熱器として機能し、室内熱交換器(2a,3a,4a)が蒸発器として機能する。
具体的に、上記圧縮機(20)からは、冷媒の臨界圧力よりも高い圧力まで圧縮された高圧冷媒あるいは臨界圧力よりも低い圧力まで圧縮された高圧冷媒が吐出される。この高圧冷媒は、四路切換弁(42)を通過して室外熱交換器(44)へ送られる。この室外熱交換器(44)で高圧冷媒が室外空気へ放熱する。
室外熱交換器(44)で放熱した冷媒は、ブリッジ回路(41)を通過した後に膨張機(30)に流入する。尚、上記バイパス弁(29)が開いているときは、ブリッジ回路(41)を通過した冷媒は、上記バイパス弁(29)と膨張機(30)とに分流する。膨張機(30)のみ、又は膨張機(30)及びバイパス弁(29)の両方で冷媒が膨張して減圧される。減圧された冷媒は、気液分離器(51)に流入して液冷媒とガス冷媒とに分離される。気液分離器(51)内の飽和状態の液冷媒は、底部から流出して内部熱交換器(45)の第1流路(46)に流入する。一方、気液分離器(51)内の飽和状態のガス冷媒は、ガス調整弁(52)で減圧された後に内部熱交換器(45)の第2流路(47)に流入する。
内部熱交換器(45)では、第1流路(46)の液冷媒と第2流路(47)のガス冷媒との間で熱交換が行われる。第1流路(46)の液冷媒は、第2流路(47)のガス冷媒によって冷却される。
第1流路(46)を通過した液冷媒は、ブリッジ回路(41)及び第1連絡管(15)を通じて各室内回路(11,12,13)へ分配される。この液冷媒は、各室内調節弁(2b,3b,4b)で減圧された後に各室内熱交換器(2a,3a,4a)へ流入する。各室内熱交換器(2a,3a,4a)では、冷媒と室内空気との間で熱交換が行われる。この熱交換により、冷媒は室内空気から吸熱して蒸発する一方、室内空気は冷却されて室内へ供給される。各室内熱交換器(2a,3a,4a)で蒸発した冷媒は、第2連絡管(16)で合流して室外回路(14)へ流入する。
室外回路(14)へ流入した冷媒は、第2流路(47)を流出した冷媒と合流し、四路切換弁(42)を通過した後で圧縮機(20)へ吸入される。圧縮機(20)に吸入された冷媒は、再び圧縮されて吐出される。このように、上記冷媒回路(10)内を冷媒が循環することにより、空調機(1)の冷房運転が行われる。
(暖房運転)
上記暖房運転時において、四路切換弁(42)は、図1に破線で示す状態に切り換えられ、各室内膨張弁(2b,3b,4b)の開度が個別に調節される。また、バイパス弁(29)、室外膨張弁(43)、及びガス調整弁(52)は、開度が適宜調整される。
上記暖房運転時において、四路切換弁(42)は、図1に破線で示す状態に切り換えられ、各室内膨張弁(2b,3b,4b)の開度が個別に調節される。また、バイパス弁(29)、室外膨張弁(43)、及びガス調整弁(52)は、開度が適宜調整される。
圧縮機(20)を駆動すると、図1の破線で示す矢印の方向へ冷媒回路(10)で冷媒が循環して冷凍サイクルが行われる。その際、室内熱交換器(2a,3a,4a)が放熱器として機能し、室外熱交換器が蒸発器として機能する。
具体的に、圧縮機(20)からは、冷媒の臨界圧力よりも高い圧力まで圧縮された高圧冷媒あるいは臨界圧力よりも低い圧力まで圧縮された高圧冷媒が吐出される。この高圧冷媒は、四路切換弁(42)を通過して第2連絡管(16)へ流入し、各室内回路(11,12,13)へ分配される。その際、各室内回路(11,12,13)に対しては、室内膨張弁(2b,3b,4b)の開度に応じた量の冷媒が供給される。
各室内回路(11,12,13)へ分配された高圧冷媒は、それぞれ室内熱交換器(2a,3a,4a)へ導入されて室内空気と熱交換を行う。この熱交換により、高圧冷媒は室内空気に対して放熱し、室内空気が加熱される。各室内熱交換器(2a,3a,4a)で放熱した冷媒は、第1連絡管(15)へ流入して合流し、その後に室外回路(14)へ流入する。
第1連絡管(15)から室外回路(14)へ流入した冷媒は、ブリッジ回路(41)を通過した後でバイパス弁(29)が閉じている場合には膨張機(30)のみ、又はバイパス弁(29)が開いている場合には膨張機(30)及びバイパス弁(29)の両方へ流入する。膨張機(30)のみ、又はバイパス弁(29)が開いている場合には膨張機(30)及びバイパス弁(29)の両方では冷媒が膨張して減圧される。減圧された冷媒は、気液分離器(51)に流入して液冷媒とガス冷媒とに分離される。気液分離器(51)内の飽和状態の液冷媒は、底部から流出して内部熱交換器(45)の第1流路(46)に流入する。一方、気液分離器(51)内の飽和状態のガス冷媒は、ガス調整弁(52)で減圧された後に内部熱交換器(45)の第2流路(47)に流入する。内部熱交換器(45)では、第1流路(46)の液冷媒と第2流路(47)のガス冷媒との間で熱交換が行われる。第1流路(46)の液冷媒は、第2流路(47)のガス冷媒によって冷却される。
第1流路(46)を通過した液冷媒は、上記ブリッジ回路(41)の室外膨張弁(43)で減圧された後、室外熱交換器(44)へ流入する。この冷媒は、室外空気と熱交換を行うことにより、冷媒が室外空気から吸熱して蒸発する。室外熱交換器(44)で蒸発した冷媒は、四路切換弁(42)を通過した後で圧縮機(20)へ吸入され、再び圧縮されて吐出される。このように、上記冷媒回路(10)内を冷媒が循環することにより、空調機(1)の暖房運転が行われる。
(膨張機保護制御)
まず、圧縮機(20)および膨張機(30)の潤滑動作について説明した後で、膨張機保護制御について説明する。
まず、圧縮機(20)および膨張機(30)の潤滑動作について説明した後で、膨張機保護制御について説明する。
圧縮機(20)の電動機(22)が駆動すると、圧縮機(20)の油貯留部(27)に貯留された潤滑油は、遠心ポンプ(23b)によって上方へ汲み上げられ、油通路(23a)を通じて圧縮機構(24)の摺動部へ供給される。これにより、圧縮機構(24)の摺動部が潤滑される。摺動部を潤滑した潤滑油は、そのまま油貯留部(27)へ戻されるか、又は圧縮機構(24)によって圧縮された冷媒とともに冷媒回路(10)へ流出する。潤滑油は、冷媒回路(10)を循環した後、再び圧縮機(20)へ戻される。
一方、圧縮機(20)における油貯留部(27)の潤滑油は、圧縮機(20)の油貯留部圧力と膨張機(30)の吐出圧力の差圧を利用して、上記油供給配管(48)を通じて膨張機(30)へ供給される。したがって、圧縮機(20)から膨張機(30)へ潤滑油を供給するための油ポンプ等は設けられていない。膨張機構(34)へ供給された潤滑油は、該膨張機構(34)の膨張室摺動部を潤滑した後、膨張した冷媒とともに冷媒回路(10)へ流出する。この潤滑油は、冷媒回路(10)を循環した後、圧縮機(20)へ戻される。または、膨張機(30)の軸受け摺動隙間を通過して膨張機(30)の油溜まり部(39)へ溜まり込み、該油溜まり部(39)から油戻し配管(55)を通じて圧縮機(20)へ戻される。
次に、上記保護制御部(71)が行う膨張機保護制御について、図2及び図3の制御フロー図に基いて説明する。この膨張機保護制御は、上述した冷房運転中又は暖房運転中に行われるものである。
まず、ステップST1で、上記検知部(72)から上記調整部(73)へ検知信号が入力されると、上記油貯留部(27)の油面が所定高さ以下であると判断し、上記膨張機保護制御が開始される。そして、ステップST2において、上記ガス調整弁(52)の開度を所定量だけ絞る。
このステップST2で、上記調整部(73)からの指令でガス調整弁(52)の開度を絞ることにより、上記膨張機(30)の冷媒流出圧力が上昇し、該膨張機(30)の吐出圧力が高くなって、上記圧縮機の吐出圧力との差が小さくなる。この結果、上記油貯留部(27)から上記膨張機(30)への給油量が減少して、上記油貯留部(27)の油面が上昇する。その後、ステップST3へ移る。
このステップST3では、上記判定部(74)において上記気液分離器(51)の冷媒の状態を判定することにより、ガス調整弁(52)の開度をこれ以上に絞れるか否かを判定する。
上記気液分離器(51)の冷媒が二相状態であると判定した場合には、ガス調整弁(52)の開度をまだ絞ることができると判断してステップST4へ移り、上記気液分離器(51)の冷媒が飽和液状態であると判定した場合にはガス調整弁(52)の開度を限界まで絞ったと判断してステップST5へ移る。
ステップST4では、上記油貯留部(27)の油面が上昇して、この油面が所定高さより上側まで回復したか否かを判定する。具体的には、上記検知部(72)から上記調整部(73)への検知信号の有無を判定する。上記検知部(72)から検知信号が出力されていなければ、油面が回復したと判定して膨張機保護制御が終了する。一方、上記検知部(72)から検知信号が出力されていれば、油面が回復していないと判定してステップST2へ戻り、ガス調整弁(52)の開度が限界に達しない間は、油面が回復するまでステップST2からステップST4までの処理を繰り返す。
上記ガス調整弁(52)の開度を限界まで絞ったにもかかわらず、上記油貯留部(27)の油面が回復しない場合には、ステップST5の処理が行われる。このステップST5では、上記調整部(73)からの指令により、室外ファン(40)の回転数を上昇させる。この室外ファン(40)に係る回転数の上昇により、上記放熱器(44)への室外空気の供給量が増え、放熱器(44)の熱交換量が増えて上記冷媒回路(10)の冷凍サイクルに係る高圧圧力が下がる。この高圧圧力の低下に伴って、上記膨張機(30)の冷媒流入圧力と上記圧縮機ケーシング(21)内に係る油貯留部(27)の圧力とが共に下がる。すると、上記膨張機(30)の吐出圧力が上昇し、上記油貯留部(27)と上記膨張機構(34)との圧力差が小さくなって、上記油貯留部(27)から上記膨張機(30)への給油量が減少して、上記油貯留部(27)の油面が上昇する。その後、ステップST6へ移る。
ステップST6では、上記室外ファン(40)の回転数が最高回転数に達しているか否かを判定する。上記室外ファン(40)の回転数が最高回転数に達していなければステップST7へ移り、上記室外ファン(40)の回転数が最高回転数に達していれば、これ以上、回転数を上げることができないため、図3のステップST8へ移る。
ステップST7は、上述したステップST4と同じ処理であるため説明は省略する。尚、上記油貯留部(27)の油面が回復していないと判定した場合には、ステップST5へ戻り、上記室外ファン(40)の回転数が最高回転数に達しない間は、油面が回復するまでステップST5からステップST7までの処理を繰り返す。
上記室外ファン(40)の回転数が最高回転数に達したにもかかわらず、上記油貯留部(27)の油面が回復しない場合には、ステップST8の処理が行われる。尚、室外ファン(40)の回転数を調整する処理は、空調機(1)が冷房運転を行っている場合に限定される。暖房運転の場合には、ステップST5からステップST7までの処理はスキップされる。
ステップST8では、上記調整部(73)からの指令により、上記圧縮機構(24)の回転数を所定量だけ下げる。この圧縮機構(24)に係る回転数の低下により、上記圧縮機構(24)の吐出冷媒とともに吐出される圧縮機ケーシング(21)内の潤滑油が減少する。つまり、上記圧縮機(20)の油上がり量が低下する。この油上がり量の低下によって、上記油貯留部(27)から排出される潤滑油の量が減り、上記油貯留部(27)の油面が上昇する。その後、ステップST9へ移る。
ステップST9では、上記圧縮機構(24)の回転数が最低回転数に達しているか否かを判定する。上記圧縮機構(24)の回転数が最低回転数に達していなければステップST10へ移り、上記圧縮機構(24)の回転数が最低回転数に達していれば、空調機(1)のシステム油戻し運転を実施する。上記油貯留部(27)の油面が回復せずに、上記圧縮機(20)から上記膨張機(30)への給油量が低下して該膨張機(30)が損傷するおそれがあるからである。
ステップST10は、上述したステップST4と同じ処理であるため説明は省略する。尚、上記油貯留部(27)の油面が回復していないと判定した場合には、ステップST8へ戻り、上記圧縮機構(24)の回転数が最低回転数に達しない間は、油面が回復するまでステップST8からステップST10までの処理を繰り返す。そして、上記油貯留部(27)の油面が回復すれば、上記膨張機保護制御が終了する。
このように、上記油貯留部(27)の油面が所定高さまで下がったことを上記検知部(72)で検知すると、上記ガス調整弁(52)の開度、上記室外ファン(40)の回転数及び上記圧縮機構(24)の回転数の順で、これらを上記調整部(73)が動作させる。これにより、上記油貯留部(27)の油面を上昇させて上記膨張機(30)への給油量を安定させる。
尚、上記圧縮機構(24)が最低回転数に達したときには、上記油貯留部(27)から上記膨張機構(34)への給油量は最低量となるが、この最低量が、上記膨張機構(34)に係る摺動部を潤滑不良にしない最低限の量に一致している。
−実施形態1の効果−
本実施形態1によれば、上記油貯留部(27)の油面が所定高さまで下がると、上記膨張機(30)が潤滑不良とならない範囲で上記油貯留部(27)から上記膨張機(30)への給油量を減らす。これにより、上記油貯留部(27)の油面を上昇させることができ、上記油貯留部(27)から膨張機(30)への給油量が安定する。この結果、該膨張機(30)の潤滑不良による損傷を防止することができる。
本実施形態1によれば、上記油貯留部(27)の油面が所定高さまで下がると、上記膨張機(30)が潤滑不良とならない範囲で上記油貯留部(27)から上記膨張機(30)への給油量を減らす。これにより、上記油貯留部(27)の油面を上昇させることができ、上記油貯留部(27)から膨張機(30)への給油量が安定する。この結果、該膨張機(30)の潤滑不良による損傷を防止することができる。
また、本実施形態1によれば、上記油貯留部(27)から上記膨張機(30)への給油量を減少させるため、上記膨張機(30)の吐出圧力を上記油貯留部(27)に係る潤滑油の圧力に近づけている。これにより、上記油貯留部(27)に係る潤滑油の圧力、つまり上記圧縮機(20)に係るケーシング(21)内の圧力を下げなくても、上記油貯留部(27)から上記膨張機(30)への給油量を減少させることができる。
尚、本実施形態1では、上記ガス調整弁(52)を所定の範囲内で絞ることにより、上記膨張機(30)が潤滑不良とならない範囲で上記油貯留部(27)から上記膨張機(30)への給油量を減らすことができ、上記油貯留部(27)の油面を所定高さよりも上昇させることができる。
また、本実施形態1によれば、冷房運転時に上記室外ファン(40)の回転数を所定範囲内で上げることにより、上記室外熱交換器(放熱器)(44)への室外空気の供給量を増やすことができる。これにより、上記膨張機(30)が潤滑不良とならない範囲で上記油貯留部(27)から上記膨張機(30)への給油量を減らすことができ、上記油貯留部(27)の油面を所定高さよりも上昇させることができる。
また、本実施形態1によれば、上記圧縮機構(24)の回転数を下げることにより、上記圧縮機(20)の油上がり量が低下する。この油上がり量の低下によって、上記油貯留部(27)から排出される潤滑油の量が減り、上記油貯留部(27)の油面を上昇させることができる。
−実施形態1の変形例−
図4に示す実施形態1の変形例では、上記膨張機保護制御に係るステップST2、ステップST3、ステップST5及びステップST6の処理が上述した実施形態1と異なる。以下、上述した実施形態1と同じ部分については説明を省略し、相違点のみについて説明する。
図4に示す実施形態1の変形例では、上記膨張機保護制御に係るステップST2、ステップST3、ステップST5及びステップST6の処理が上述した実施形態1と異なる。以下、上述した実施形態1と同じ部分については説明を省略し、相違点のみについて説明する。
変形例のステップST2では、上記調整部(73)からの指令で上記バイパス弁(29)の開度を大きくしている。このバイパス弁(29)を大きくすると、上記膨張機(30)をバイパスする冷媒の量が増えることで上記膨張機(30)の冷媒量が減少する。これにより、上記膨張機(30)に係る冷媒の膨張量が減って上記膨張機(30)の冷媒流出側の圧力が上昇する。この冷媒流出側の圧力上昇によって、上記膨張機(30)の吐出圧力が上昇して、上記油貯留部(27)と上記膨張機(30)との圧力差が小さくなる。この結果、上記油貯留部(27)から上記膨張機(30)への給油量が減少して、上記油貯留部(27)の油面が上昇する。その後、変形例のステップST3へ移る。
変形例のステップST3では、上記バイパス弁(29)の開度が最大開度に達しているか否かを判定する。上記バイパス弁(29)の開度が最大開度に達していなければステップST4へ移り、上記バイパス弁(29)の開度が最大開度に達していれば、これ以上、上記バイパス弁(29)の開度を大きくできないため、ステップST5へ移る。
又、変形例のステップST5では、上記膨張機(30)の回転数を強制的に大きくしている。これにより、上記膨張機(30)の吐出圧力と圧縮機(20)の吐出圧力の差がが小さくなって、上記圧縮機(20)から上記膨張機(30)への給油量が減少して、上記油貯留部(27)の油面が上昇する。その後、変形例のステップST6へ移る。
変形例のステップST6では、上記膨張機(30)の回転数が最高回転数に達しているか否かを判定する。この膨張機(30)の回転数が最高回転数に達していなければステップST7へ移り、膨張機(30)の回転数が最高回転数に達していれば、これ以上、膨張機(30)の回転数を高くできないため、ステップST8へ移る。上述したように、ステップST8からステップST10までの処理は上記実施形態と同じであるため、説明を省略する。
このように、変形例の膨張機保護制御では、上記検知部(72)で上記油貯留部(27)の油面が所定の高さまで下がったことを上記検知部(72)で検知すると、上記バイパス弁(29)の開度、上記膨張機(30)の回転数及び上記圧縮機構(24)の回転数の順で、これらを上記調整部(73)が動作させて、これ以上油面が低下するのを抑制することができる。
《実施形態2》
図5に示す実施形態2の空調機(1)は、その冷媒回路(10)が二段圧縮によるエコノマイザサイクルを行うように構成されている点が上述した実施形態1と異なる。以下、上述した実施形態1と同じ部分については説明を省略し、相違点のみについて説明する。
図5に示す実施形態2の空調機(1)は、その冷媒回路(10)が二段圧縮によるエコノマイザサイクルを行うように構成されている点が上述した実施形態1と異なる。以下、上述した実施形態1と同じ部分については説明を省略し、相違点のみについて説明する。
このエコノマイザサイクルを行うため、上記冷媒回路(10)には、圧縮機(20)、副圧縮機(60)、エコノマイザ熱交換器(80)、インジェクション弁(減圧弁)(85)及びインジェクション配管(インジェクション通路)(86)が設けられている。尚、副圧縮機(60)及び圧縮機(20)の内部構成は、上述した実施形態1の圧縮機(20)と同様であるため説明は省略する。
図5に示すように、上記四路切換弁(42)の第1ポートに上記副圧縮機(60)の吸入管(65)が連通している。又、上記副圧縮機(60)の吐出管(66)と上記圧縮機(20)の吸入管(25)とが中間配管(53)で接続されている。上記四路切換弁(42)の第4ポートに上記圧縮機(20)の吐出管(26)が連通している。
上記エコノマイザ熱交換器(80)は、高温流路(81)及び低温流路(82)を有して各流路(81,82)内を流れる冷媒同士が熱交換するように構成されている。上記ブリッジ回路(41)と上記膨張機(30)の流入管(35)との間に上記エコノマイザ熱交換器(80)の高温流路(81)が連通している。又、上記エコノマイザ熱交換器(80)に係る高温流路(81)の流出口と上記膨張機(30)に係る流入管(35)とを接続する冷媒配管から分岐したエコノマイザ配管(86)は上述した中間配管(53)の途中に接続され、このエコノマイザ配管(86)の途中に上記インジェクション弁(85)と上記エコノマイザ熱交換器(80)の低温流路(82)とが連通している。このインジェクション弁(85)の開度は、上記コントローラ(70)の指示で必要に応じて変更される。
この実施形態2の冷媒回路(10)では、上記エコノマイザ熱交換器(80)において、上記ブリッジ回路(41)を経て上記高温流路(81)へ流入した高圧冷媒と、該高温流路(81)を流出した後で分岐して上記インジェクション弁(85)で減圧されて上記低温流路(82)へ流入した中間圧冷媒とが熱交換する。この熱交換により、上記高温流路(81)を通過する高圧冷媒が過冷却されるとともに上記低温流路(82)を通過する中間圧冷媒が蒸発する。高圧冷媒を過冷却することにより、上記膨張機(30)へ流入する冷媒のエンタルピを低下させる。
又、この蒸発した中間圧冷媒は上記エコノマイザ配管(86)から上記中間配管(53)へ流出した後で上記副圧縮機(60)から吐出された冷媒と合流し、その合流した冷媒が上記圧縮機(20)へ吸入される。この吸入された冷媒は、上記圧縮機(20)で圧縮された後に上記四路切換弁(42)の第4ポートへ向けて吐出される。ここで、上記圧縮機(20)及び上記副圧縮機(60)の両方で段階的に圧縮することにより、各圧縮機(20,60)に係る吸入圧力及び吐出圧力の圧力差が小さくなって該各圧縮機(20,60)の運転効率が向上する。このように、上記膨張機(30)へ流入する冷媒のエンタルピを低下させて膨張損失を低減するとともに、この膨張損失を膨張機(30)で回収する。また、各圧縮機(20,60)の運転効率を向上させることにより、上記空調機(1)の運転効率を向上させる。
−油回路−
実施形態2に係る油戻し配管(55)の流出端は、上記内部熱交換器(45)に係る第2流路(47)の流出口と上記副圧縮機(60)の吸入管(65)と連通させる連通配管(37)の途中に接続されている。又、上記副圧縮機(60)側の排油ポート(8)から延びる油連通管(49)が上記中間配管(53)の途中に接続されている。又、上記圧縮機(20)側の排油ポート(8)から延びる油供給配管(48)が、上記膨張機(30)の給油口に接続されている。
実施形態2に係る油戻し配管(55)の流出端は、上記内部熱交換器(45)に係る第2流路(47)の流出口と上記副圧縮機(60)の吸入管(65)と連通させる連通配管(37)の途中に接続されている。又、上記副圧縮機(60)側の排油ポート(8)から延びる油連通管(49)が上記中間配管(53)の途中に接続されている。又、上記圧縮機(20)側の排油ポート(8)から延びる油供給配管(48)が、上記膨張機(30)の給油口に接続されている。
上記膨張機(30)の油溜まり部(39)から流出した潤滑油は、上記油戻し配管(55)を通過した後で上記副圧縮機(60)の吸入口へ冷媒とともに吸入される。この潤滑油は、上記副圧縮機(60)の摺動部を潤滑した後で、上記副圧縮機(60)の油貯留部(67)へ流れ落ちて貯留される。
この油貯留部(67)の潤滑油は、上記油連通管(49)と上記中間配管(53)とを通じて上記圧縮機(20)の吸入口へ冷媒とともに吸入される。又、上記副圧縮機(60)から冷媒とともに吐出される潤滑油も上記圧縮機(20)の吸入口へ吸入される。この潤滑油は、上記圧縮機(20)の摺動部を潤滑した後で、上記圧縮機(20)の油貯留部(27)へ流れ落ちて貯留される。この油貯留部(27)の潤滑油は、上記油供給配管(48)を通じて上記膨張機(30)の摺動隙間へ供給されて摺動部を潤滑した後で上記膨張機(30)で膨張した冷媒とともに吐出され、一部は上記膨張機(30)の油溜まり部(39)へ流れ落ちる。
この油溜まり部(39)の潤滑油は、再び上記油戻し配管(55)を通過した後で、再び上記副圧縮機(60)の吸入口へ冷媒とともに吸入される。
−コントローラ−
上記コントローラ(70)の調整部(73)では、上記ガス調整弁(52)で上記ガス通路(37)を閉鎖するとともに、上記インジェクション弁(85)の開度を小さくして上記エコノマイザ熱交換器(80)の熱交換量を減少させることによって、上記膨張機(30)の吐出圧力を高くすることも可能である。
上記コントローラ(70)の調整部(73)では、上記ガス調整弁(52)で上記ガス通路(37)を閉鎖するとともに、上記インジェクション弁(85)の開度を小さくして上記エコノマイザ熱交換器(80)の熱交換量を減少させることによって、上記膨張機(30)の吐出圧力を高くすることも可能である。
(膨張機保護制御)
次に、この実施形態2の膨張機保護制御について、図6及び図7の制御フロー図に基いて説明する。実施形態2のステップST1からステップST4までの処理は上記ガス調整弁(52)の開度調整に関するものであり、上述した実施形態1に係るステップST1からステップST4までの処理と同じであるため、説明は省略する。
次に、この実施形態2の膨張機保護制御について、図6及び図7の制御フロー図に基いて説明する。実施形態2のステップST1からステップST4までの処理は上記ガス調整弁(52)の開度調整に関するものであり、上述した実施形態1に係るステップST1からステップST4までの処理と同じであるため、説明は省略する。
ここで、上記ガス調整弁(52)で上記ガス通路(37)を閉鎖するとともに、上記インジェクション弁(85)の開度を小さくして上記エコノマイザ熱交換器(80)の熱交換量を減少させることによって、上記膨張機(30)の吐出圧力を高くすることが可能である。
つまり、室外熱交換器(44)から流出した冷媒がエコノマイザ熱交換器(80)で分流冷媒と熱交換して冷却(過冷却)される。そして、ガス調整弁(52)が閉じられると共に、上記インジェクション弁(85)の開度が小さくなる。具体的には、ガス調整弁(52)が閉じられて気液分離器(51)内の冷媒の状態がモリエル線図において飽和液線上になった後に、インジェクション弁(85)の開度が小さくなる。インジェクション弁(85)の開度が小さくなると、エコノマイザ熱交換器(80)の熱交換量が減少する。そうすると、気液分離器(51)内の冷媒の状態は、モリエル線図において、エンタルピが大きくなる方向へ遷移し、その結果として飽和液線の圧力が高くなる方向(即ち、液冷媒の比率が高くなる方向)へ遷移する。そして、ガス調整弁(52)が閉じられることで、気液分離器(51)内の冷媒圧力および膨張機(30)の流出側の冷媒圧力はより高い飽和液線の圧力まで上昇する。上記膨張機(30)の吐出圧力が上昇して、上記圧縮機(20)の吐出圧力と上記膨張機(30)の吐出圧力との圧力差が小さくなる。この結果、上記圧縮機(20)から上記膨張機(30)への給油量が減少する。この結果、上記圧縮機(20)に係る油貯留部(27)の油面が上昇する。その後、ステップST6へ移る。
ステップST6では、インジェクション弁(85)の開度が最小開度に達しているか否かを判定する。このインジェクション弁(85)の開度が最小開度に達していなければステップST7へ移り、インジェクション弁(85)の開度が最小開度に達していれば、これ以上、開度を小さくできないため、図7のステップST8へ移る。このステップST7の動作は、上記実施形態1のステップST7と同じため、説明は省略する。尚、上記油貯留部(27)の油面が回復していない場合には、ステップST5へ戻り、上記インジェクション弁(85)の開度が最小開度に達しない間は、油面が回復するまでステップST5からステップST7までの処理を繰り返す。
ここで、ステップST8からステップST10までの処理は、実施形態1のステップST5からステップST7までの処理と同じであるため、説明は省略する。
実施形態2に係るステップST11では、上記調整部(73)からの指令により、上記副圧縮機(60)に係る圧縮機構(64)の回転数を上げて、上記圧縮機(20)に係る圧縮機構(24)の回転数を下げるようにする。こうすると、上記副圧縮機(60)の油上がり量が増えて、上記圧縮機(20)の油上がり量が減る。これにより、上記圧縮機(20)の油貯留部(27)に溜まる潤滑油が増え、該油貯留部(27)の液面が上昇する。その後、ステップST12へ移る。
ステップST12では、上記副圧縮機(60)に係る圧縮機構(64)の回転数が最高回転数に達しておらず且つ上記圧縮機(20)に係る圧縮機構(24)の回転数が最低回転に達していなければステップST13へ移り、そうでなければステップST14において上記空調機(1)を強制停止する。
ステップST13は、上述した実施形態1に係るステップST4と同じ処理であるため説明は省略する。尚、上記油貯留部(27)の油面が回復していない場合には、上記副圧縮機(60)に係る圧縮機構(64)の回転数が最高回転数に達しておらず且つ上記圧縮機(20)に係る圧縮機構(24)の回転数が最低回転に達していない間は、油面が回復するまでステップST11からステップST13までの処理を繰り返す。
このように、上記油貯留部(27)の油面が所定の高さまで下がったことを上記検知部(72)で検知すると、上記ガス調整弁(52)の開度、上記インジェクション弁(85)の開度、上記室外ファン(40)の回転数及び両方の圧縮機構(24,64)の回転数の順で、これらを上記調整部(73)が動作させる。これにより、上記油貯留部(27)の油面を上昇させて上記膨張機(30)への給油量を安定させる。
尚、上記副圧縮機(60)に係る圧縮機構(64)の回転数が最高回転数に達し、且つ上記圧縮機(20)に係る圧縮機構(24)の回転数が最低回転に達したときには、上記油貯留部(27)から上記膨張機構(34)への給油量は最低量となるが、この最低量が、上記膨張機構(34)に係る摺動部を潤滑不良にしない最低限の量に一致している。
−実施形態2の効果−
本実施形態2によれば、上記インジェクション弁(85)の開度を所定の範囲内で開くことにより、上記圧縮機(20)の吸入側へインジェクションされる冷媒の量を増やして、上記圧縮機(20)に係る冷媒の温度を低下させる。これにより、冷媒の温度とともに潤滑油の温度が下がり、該潤滑油の粘度を増加させることができ、上記油供給配管(48)に係る潤滑油の流動抵抗を大きくすることができる。
本実施形態2によれば、上記インジェクション弁(85)の開度を所定の範囲内で開くことにより、上記圧縮機(20)の吸入側へインジェクションされる冷媒の量を増やして、上記圧縮機(20)に係る冷媒の温度を低下させる。これにより、冷媒の温度とともに潤滑油の温度が下がり、該潤滑油の粘度を増加させることができ、上記油供給配管(48)に係る潤滑油の流動抵抗を大きくすることができる。
この流動抵抗を大きくすることにより、上記圧縮機(20)の油貯留部(27)から上記膨張機(30)への給油量を減らすことができ、上記圧縮機(20)の油貯留部(27)の油面を所定高さよりも上昇させることができる。この結果、上記油貯留部(27)から膨張機(30)への給油量を安定させることができる。
本実施形態2によれば、上記圧縮機(20)の運転回転数を下げ、且つ上記副圧縮機(60)の運転回転数を上げることにより、上記副圧縮機(60)の油上がり量を増やして、上記圧縮機(20)の油上がり量を減らす。これにより、上記副圧縮機(60)に係る油貯留部(67)から上記圧縮機(20)に係る油貯留部(27)へ潤滑油が移動して、上記圧縮機(20)に係る油貯留部(27)油面を所定高さよりも上昇させることができる。
−実施形態2の変形例−
この実施形態2の変形例では、上記コントローラ(70)の保護制御部(71)には、粘度調整部(75)が設けられている。この粘度調整部(75)では、上記インジェクション弁(85)の開度が調整される。
この実施形態2の変形例では、上記コントローラ(70)の保護制御部(71)には、粘度調整部(75)が設けられている。この粘度調整部(75)では、上記インジェクション弁(85)の開度が調整される。
この粘度調整部(75)からの指令により、上記インジェクション弁(85)の開度を所定量だけ大きくする。この開度を大きくすることにより、上記インジェクション配管(86)を通じて上記圧縮機(20)の吸入側へインジェクションされる冷媒の量が増えて、上記圧縮機(20)における吸入冷媒の温度が下がる。この吸入冷媒の温度低下によって、上記圧縮機(20)における吐出冷媒の温度も下がる。上記圧縮機(20)に係る冷媒の吐出冷媒を低下させることで、上記圧縮機ケーシング(21)内を冷却して上記油貯留部(27)の潤滑油の温度を下げて、該潤滑油の粘度を増加させている。
この潤滑油の粘度の増加により、上記給油路(48)に係る潤滑油の流動抵抗が大きくなって、上記油貯留部(27)から上記膨張機(30)への給油量が減少する。この結果、上記圧縮機(20)に係る油貯留部(27)の油面が上昇する。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態によれば、上記検知部(72)において、上記排油ポート(7)よりも上側の位置で上記油貯留部(27)の油面を検知するものであったが、上記排油ポート(7)の位置で上記油貯留部(27)の油面を検知させてもよい。この場合には、上記検知部(72)の設定温度差を0度近くまで小さくする。この場合であっても、本発明と同様の効果を得ることができる。
又、上記実施形態によれば、上記油貯留部(27)の油面を検知するために、2つの温度センサを用いていたが、これに限定されず、例えば、光学式や浮力式などの液面センサで直接的に油面を検知してもよい。この場合であっても、本発明と同様の効果を得ることができる。
又、上記実施形態2によれば、2つの圧縮機(20,60)を直列に連結して冷媒回路(10)に接続していたが、これに限定されず、圧縮機(20)に係る圧縮機構(24)と副圧縮機(60)に係る圧縮機構(64)とを同一の駆動軸に接続して回転させ、同一の圧力容器に収めた一軸二段圧縮機とする。この一軸二段圧縮機を、上述した2つの圧縮機(20,60)の代わりに上記冷媒回路(10)に接続してもよい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、冷凍装置に関し、特に冷凍装置に圧縮機及び膨張機が設けられているものについて有用である。
1 空調機(冷凍装置)
2a,3a,4a 室内熱交換器(蒸発器、放熱器)
10 冷媒回路
11 油回路
20 圧縮機
27 油貯留部
29 バイパス弁
30 膨張機
38 バイパス配管(バイパス通路)
44 室外熱交換器(放熱器、蒸発器)
48 油供給配管(給油路)
51 気液分離器
52 ガス調整弁
70 コントローラ
71 保護制御部(制御部)
72 検知部
73 調整部
74 判定部
2a,3a,4a 室内熱交換器(蒸発器、放熱器)
10 冷媒回路
11 油回路
20 圧縮機
27 油貯留部
29 バイパス弁
30 膨張機
38 バイパス配管(バイパス通路)
44 室外熱交換器(放熱器、蒸発器)
48 油供給配管(給油路)
51 気液分離器
52 ガス調整弁
70 コントローラ
71 保護制御部(制御部)
72 検知部
73 調整部
74 判定部
Claims (9)
- 圧縮機(20)と、放熱器(44,(2a,3a,4a))と、膨張機(30)と、蒸発器((2a,3a,4a),44)とが接続されて冷凍サイクルを行う冷媒回路(10)を備えた冷凍装置であって、
上記圧縮機(20)内に貯留した潤滑油の油面を検知する検知部(72)と、
上記圧縮機(20)内の潤滑油を上記膨張機(30)へ供給する給油路(48)と、
上記検知部(72)が上記給油路(48)の流入口(7)近傍の所定高さよりも下側で油面を検知しているとき、上記給油路(48)を流れる潤滑油の流量を減少させる制御部(71)と、
を備えていることを特徴とする冷凍装置。 - 請求項1において、
上記制御部(71)は、上記検知部(72)が所定高さ以上で油面を検知しているとき、上記潤滑油の流量を減少させる動作を禁止することを特徴とする冷凍装置。 - 請求項1又は2において、
上記制御部(71)は、上記膨張機(30)の吐出圧力を高くする調整部(73)を作動させて、上記圧縮機(20)の吐出圧力と上記膨張機(30)の吐出圧力との差を小さくして上記給油路(48)を流れる潤滑油の流量を減少させることを特徴とする冷凍装置。 - 請求項3において、
上記膨張機(30)の流出口に連通して該膨張機(30)で膨張した冷媒を液冷媒とガス冷媒とに分離する気液分離器(51)と、該気液分離器(51)と上記圧縮機(20)の吸入側とを連通して上記気液分離器(51)で分離したガス冷媒を上記圧縮機(20)の吸入側へ導くガス通路(37)と、該ガス通路(37)の通路面積を拡縮するガス調整弁(52)とを備え、
上記調整部(73)は、上記ガス調整弁(52)で上記ガス通路(37)の通路面積を絞って上記膨張機(30)の吐出圧力を高くすることを特徴とする冷凍装置。 - 請求項1又は2において、
上記膨張機(30)をバイパスするバイパス通路(38)と、該バイパス通路(38)の通路面積を拡縮するバイパス弁(29)とを備え、
上記制御部(71)は、上記バイパス弁(29)で上記バイパス通路(38)の通路面積を拡大し、上記膨張機(30)の吐出圧力と上記圧縮機(20)の吐出圧力の差を小さくして上記給油路(48)を流れる潤滑油の流量を減少させることを特徴とする冷凍装置。 - 請求項1又は2において、
上記制御部(71)は、上記膨張機(30)の回転数を強制的に上げて、上記膨張機(30)の吐出圧力と圧縮機(20)の吐出圧力の差を小さくして上記給油路(48)を流れる潤滑油の流量を減少させることを特徴とする冷凍装置。 - 請求項1又は2において、
上記放熱器(44,(2a,3a,4a))を流れる冷媒と熱交換する被熱交換流体を上記放熱器(44,(2a,3a,4a))へ供給する供給部(40)を備え、
上記制御部(71)は、上記供給部(40)の運転容量を増加して上記冷媒回路(10)の高圧圧力を下げることによって、上記圧縮機(20)の吐出圧力と上記膨張機(30)の吐出圧力との圧力差を小さくして上記給油路(48)を流れる潤滑油の流量を減少させることを特徴とする冷凍装置。 - 請求項3において、
上記膨張機(30)の流出口に連通して該膨張機(30)で膨張した冷媒を液冷媒とガス冷媒とに分離する気液分離器(51)と、
該気液分離器(51)と上記圧縮機(20)の吸入側とを連通して上記気液分離器(51)で分離したガス冷媒を上記圧縮機(20)の吸入側へ導くガス通路(37)と、
該ガス通路(37)の通路面積を拡縮するガス調整弁(52)と、上記蒸発器((2a,3a,4a),44)で蒸発した冷媒を吸入して圧縮した後で上記圧縮機(20)へ吸入されるように吐出する副圧縮機(60)と、
上記放熱器(44,(2a,3a,4a))で放熱した冷媒から分流した一方の冷媒を減圧する減圧弁(85)と、
上記減圧弁(85)で減圧した冷媒と上記放熱器(44,(2a,3a,4a))で放熱した冷媒から分流した他方の冷媒とを熱交換するエコノマイザ熱交換器(80)と、
上記エコノマイザ熱交換器(80)で熱交換した他方の冷媒を上記圧縮機(20)の吸入側へインジェクションするインジェクション通路(53)とを備え、
上記調整部(73)は、上記ガス調整弁(52)で上記ガス通路(37)を閉鎖するとともに、上記減圧弁(85)の開度を小さくして上記エコノマイザ熱交換器(80)の熱交換量を減少させることによって、上記膨張機(30)の吐出圧力を高くすることを特徴とする冷凍装置。 - 請求項1から7の何れか1つにおいて、
上記蒸発器((2a,3a,4a),44)で蒸発した冷媒を吸入して圧縮した後で上記圧縮機(20)へ吸入されるように吐出する副圧縮機(60)と、
上記放熱器(44,(2a,3a,4a))で放熱した冷媒から分流した一方の冷媒を減圧する減圧弁(85)と、
上記減圧弁(85)で減圧した冷媒と上記放熱器(44,(2a,3a,4a))で放熱した冷媒から分流した他方の冷媒とを熱交換するエコノマイザ熱交換器(80)と、
上記エコノマイザ熱交換器(80)で熱交換した他方の冷媒を上記圧縮機(20)の吸入側へインジェクションするインジェクション通路(53)と、
上記検知部(72)が上記所定高さよりも下側で油面を検知しているとき、上記減圧弁(85)の開度を大きくして上記圧縮機(20)へ吸入される冷媒の温度を下げることによって、上記圧縮機(20)内へ吐出される吐出冷媒の温度を下げて上記圧縮機(20)内の潤滑油の粘度を高くする粘度調整部(75)とを備えていることを特徴とする冷凍装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2011289587A JP2013139890A (ja) | 2011-12-28 | 2011-12-28 | 冷凍装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2011289587A JP2013139890A (ja) | 2011-12-28 | 2011-12-28 | 冷凍装置 |
Publications (1)
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Family Applications (1)
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JP2011289587A Pending JP2013139890A (ja) | 2011-12-28 | 2011-12-28 | 冷凍装置 |
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Country | Link |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015104823A1 (ja) * | 2014-01-09 | 2015-07-16 | 三菱電機株式会社 | 冷凍サイクル装置 |
WO2016027407A1 (ja) * | 2014-08-21 | 2016-02-25 | 株式会社デンソー | エジェクタ、およびエジェクタ式冷凍サイクル |
JPWO2015104822A1 (ja) * | 2014-01-09 | 2017-03-23 | 三菱電機株式会社 | 冷凍サイクル装置 |
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-
2011
- 2011-12-28 JP JP2011289587A patent/JP2013139890A/ja active Pending
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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