JP4167196B2 - 自然循環併用式空気調和機及び自然循環併用式空気調和機の制御方法 - Google Patents

自然循環併用式空気調和機及び自然循環併用式空気調和機の制御方法 Download PDF

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Description

この発明は、外気温度が低い時には、圧縮機の運転を停止して冷媒の自然循環による空気調和を行い、高い時には、圧縮機の運転による通常の空気調和を行う自然循環併用式空気調和機及び自然循環併用式空気調和機の制御方法に関するものである。
近年、携帯電話をはじめとする移動体通信の普及によって、電算機室や移動体通信の中継電子機器を納めた基地局(シェルタ)に代表されるような電子機器の発熱を除去する分野が急速に広がっており、これらの場所では年間を通しての冷房運転が必要となっている。
これらの用途では、冬季や夜間のように外気温度が低い場合には、換気によって冷房することも可能であるが、霧、雨、雪、塵埃などの侵入を防ぐ装置が必要となり、しかも外気温度の変動によって室内温度も変動するため、安定した冷房が行えない。この様な条件では、室内温度と外気温度との温度差を利用して、室内から室外へ冷媒により熱を運ぶ自然循環を利用した空気調和機を用いることができる。この自然循環を利用した空気調和機は、圧縮機を用いる強制循環による空気調和機よりも年間消費電力を大幅に低減することができる。
自然循環を利用した空気調和機の例としては、圧縮機を用いる強制循環による冷房運転(以下、強制循環運転と略す)に自然循環による冷房運転(以下、自然循環運転と略す)を併用したものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−264620号公報
上記自然循環を利用した空気調和機では、強制循環運転から自然循環運転へと切り替わる時の操作に、圧縮機運転を停止し、電子膨張弁を全開もしくは電子膨張弁パイパス配管の電磁弁を開き、併せて、圧縮機バイパス配管の電磁弁も開くことで自然循環運転が始まるはずであるが、強制循環運転から自然循環へ切り替わる過程において、切り替えの際に発生する圧力の急激な変動により凝縮器出口の過冷却度が低下し、凝縮器出口部から蒸発器入口部にいたるまでの液管内が二相となってしまう所謂フラッシングが発生する。これによって、液管に逆圧がかかり、凝縮器から蒸発器へ液冷媒が供給されず、凝縮器へ冷媒が溜まり込み、冷媒の流れが停止して、冷却能力が得られなくなるという不具合が発生することがある。
また、このような不具合を防止するため、ポンプダウン運転により液管内に液冷媒を蓄積した後、圧縮機運転を停止し、電磁弁を開いて自然循環運転を開始することにより、液管内が二相となることを防ぐ手段もあるが、冷却に使用されない圧縮機運転分の消費電力が無駄であり、自然循環運転による電力削減という効果が薄くなってしまう。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、強制循環運転から自然循環運転への切り替え操作において、切り替え時に発生する急激な圧力変動を防ぎ、かつ液管内の冷媒が常に過冷却状態となるような切り替えることができる自然循環併用式空気調和機及び自然循環併用式空気調和機の制御方法を得ることを目的とする。
この発明に係る自然循環併用式空気調和機は、圧縮機、凝縮器、開度の変更が可能な減圧装置、凝縮器よりも下方に配置した蒸発器を順次接続し、圧縮機をバイパスするように蒸発器と凝縮器とを第一の開閉弁を介して接続する圧縮機バイパス配管を有する冷凍サイクルと、凝縮器に気体を送風する室外ファンと、蒸発器に気体を送風する室内ファンと、圧縮機出口部から減圧装置入口部までの間に設けられた第一の圧力検知手段と、減圧装置出口部から圧縮機入口部までの間に設けられた第二の圧力検知手段と、凝縮器出口部から減圧装置入口部までの間に設けられた温度検知手段と、第一の圧力検知手段と第二の圧力検知手段から得た情報から高低圧力差を演算する高低圧差演算手段と、第一の圧力検知手段と温度検知手段から得た情報から凝縮器出口の過冷却度を演算する過冷却演算手段と、強制循環運転から自然循環運転へ切り替わった後も凝縮器出口から蒸発器入口に至るまでの配管内が常に液状態となるように、強制循環運転から自然循環運転へ切り替わるまでの間、高低圧差演算手段と過冷却度演算手段から得た情報を基に圧縮機の周波数、減圧装置の開度、室外及び室内ファンの風量のうち少なくともいずれか一つを制御する制御装置とを備え、圧縮機運転の発停および減圧装置の開度変更および第一の開閉弁の開閉操作により、強制循環運転あるいは自然循環運転へと切り替えることを特徴とする。
この発明に係る自然循環併用式空気調和機は、上記構成により、強制循環運転から自然循環運転への切り替え操作において、切り替え時に発生する急激な圧力変動を防ぎ、かつ液管内の冷媒が常に過冷却状態となるように切り替え操作を行なうことにより、切り替え後の自然循環運転を安定的に行なうことができる。また、液管内の冷媒が常に過冷却状態となっているため、ポンプダウン運転は不要となる。
実施の形態1.
図1乃至4は自然循環による冷房運転を説明する図で、図1は自然循環を利用した冷房装置を示す構成図、図2は強制循環運転モードにおける圧力とエンタルピーの関係を示す図、図3は自然循環運転モードにおける圧力とエンタルピーの関係を示す図、図4は自然循環を利用した空気調和機の強制循環運転から自然循環運転へ切り替え時における冷媒分布図である。
実施の形態の説明に先立ち、自然循環を利用した冷房装置及び自然循環を利用した空気調和機による冷房運転について説明する。図1に示すように、冷房装置は、室外機42と室内機43とを備え、室外機42には凝縮器2とこの凝縮器2に送風を行う室外ファン21が設けられ空調対象空間に配置される室内機43には蒸発器4とこの蒸発器4に送風を行う室内ファン22が設けられる。凝縮器2と蒸発器4は、液配管17及びガス配管18により接続されて。図で、斜線部分は、液冷媒を示す。
凝縮器2を蒸発器4より相対的に高位置に配置すると、凝縮器2で凝縮した液冷媒は、液配管17内を重力により下降して蒸発器4に流入する。蒸発器4に流入した液冷媒は空調対象空間例えば室内の熱負荷を受けて蒸発した後、ガス配管18を上昇して凝縮器2へ戻ることでサイクルが形成される。
このように、自然循環による冷房運転とは冷媒を循環させる駆動力として室内機43と室外機42との位置的な高低差における液冷媒とガス冷媒の密度差を利用するものであり、凝縮器2、蒸発器4、液配管17、ガス配管18、および冷媒回路内の開閉弁部などの冷媒流路における圧力損失の和が液配管17内の液柱高さによる圧力上昇と等しい場合に成立する。
一般的な圧縮機を用いた強制循環運転による冷房運転のサイクルにおける圧力−エンタルピー線図を示す図2において、横軸はエンタルピー、縦軸は圧力である。図2に示すように、強制循環運転によるサイクルを圧力−エンタルピー線図で表すと、凝縮器内のエンタルピー減少と圧力降下61、膨張弁による圧力降下62、蒸発器内のエンタルピー増加と圧力降下63、圧縮機によるエンタルピー増加と圧力上昇64という順になる。65は室内温度相当の冷媒圧力、66は外気温度相当の冷媒圧力であり、図中の矢印は冷媒の流れ方向を示している。
これに対し圧縮機を用いない自然循環運転のサイクルにおける圧力−エンタルピー線図の図3においても、横軸はエンタルピー、縦軸は圧力である。図3に示すように、自然循環運転のサイクルを圧力−エンタルピー線図で表すと、蒸発器内のエンタルピー増加と圧力降下67、ガス配管内の圧力降下68、凝縮器内のエンタルピー減少と圧力降下69、液配管での高低差による圧力上昇から液配管内の圧力降下を差し引いた圧力上昇70の順となる。65は室内温度相当の冷媒圧力、66は外気温度相当の冷媒圧力であり、図中の矢印は冷媒の流れ方向を示している。
自然循環による冷房運転のサイクルでは、冷媒温度は室外温度以上、室内温度以下の範囲内となり、蒸発圧力は凝縮圧力よりも高くなるという特徴を有している。
次ぎに、一般的な自然循環を利用した空気調和機(例えば、特許文献1)について説明する。この空気調和機は、室外機、室内機及びそれらを接続するための液配管とガス配管を備える。室外機は、冷媒ガスを圧縮するための圧縮機、この冷媒ガスを冷却液化させるための凝縮器、外気を強制的に凝縮器の外表面に送風するための室外ファン、圧縮機へ吸入部手前に配置され運転の過渡現象や冷媒封入過多などの場合に緩衝の役割を果たすサクションアキュームレータ、自然循環運転時に圧縮機をバイパスするための電磁弁を介した圧縮機バイパス配管より構成されている。
また、室内機は、凝縮器を出た高温高圧の冷媒液を減圧して二相状態の湿り蒸気とする電子膨張弁、液配管から流入した湿り蒸気を空調対象空間である室内の空調負荷によって蒸発させて冷媒ガスとする蒸発器、室内空気を強制的に蒸発器の外表面に送風するための室内ファン、自然循環運転時に電子膨張弁をバイパスするための電磁弁を介した電子膨張弁バイパス回路より構成されている。なお、この室外機の凝縮器は室内機の蒸発器よりも高い位置に配置されている。
この空気調和機は例えば年間を通して冷房が必要な場所に利用され、室内温度が外気温度よりも低いときには、圧縮機を運転状態とした強制循環運転を行い、室内温度が外気温度よりも高い時には、圧縮機を停止状態として外気の冷熱を利用した自然循環運転を行う。ここではまず、強制循環運転について説明する。電子膨張弁の開度を、凝縮器から流出した冷媒液を減圧して二相状態の湿り蒸気とするための適切な開度に設定し、圧縮機を運転すると逆止弁は圧縮機の吐出圧力と吸入圧力との圧力差で閉止され、また電磁弁も閉止されて強制循環運転のサイクルが形成される。即ち、この配管内の冷媒ガスが圧縮機で断熱的に圧縮されて過熱状態となり、凝縮器で外気へ放熱して液化し冷媒液となる。この後、高圧の冷媒液は電子膨張弁を通り、この電子膨張弁で減圧されて気液混合状態の低温低圧の湿り蒸気となる。さらに冷媒は液配管を通って蒸発器7で気化熱を吸収して冷媒ガスとなり、ガス配管を通ってサクションアキュームレータを介して圧縮機へ戻る。
次に、室内温度より外気温度が低い場合の自然循環運転について説明する。圧縮機を停止し、電子膨張弁の開度を全開もしくは電子膨張弁バイパス回路に取り付けられた電磁弁を開く。併せて、圧縮機バイパス配管に取り付けられた電磁弁も開き、自然循環運転のサイクルが形成される。そして、凝縮器で凝縮した液冷媒は、液配管内を重力により下降して蒸発器に流入する。蒸発器に流入した液冷媒は室内の熱負荷を受けて蒸発した後、ガス配管を上昇し圧縮機バイパス配管の電磁弁を通って凝縮器へ戻る。ここで、冷媒は圧縮機を通る流路にも流れようとするが、圧縮機内部の流動抵抗が圧縮機バイパス配管の流動抵抗に比べて非常に大きいため、圧縮機を通る冷媒流量は圧縮機バイパス配管を通る冷媒流量に対して無視できるほど小さくなる。
このようにこの空気調和機では強制循環運転と自然循環運転とを備え、外気温度と室内温度に応じて切換える構成であり、自然循環運転の必要動力としては室外ファンと室内ファンの入力だけとなるため、年間消費電力の大幅削減が可能となる。
ここで、強制循環運転から自然循環運転へと切り替わる時の操作について説明する。一般的には、圧縮機運転を停止し、電子膨張弁を全開もしくは電子膨張弁パイパス配管の電磁弁を開き、併せて、圧縮機バイパス配管の電磁弁も開くことで自然循環運転が始まるはずであるが、図4に示すように、強制循環運転(1)から自然循環へ切り替わる過程において、切り替えの際に発生する圧力の急激な変動により凝縮器出口の過冷却度が低下し、凝縮器出口部から蒸発器入口部にいたるまでの液管内が二相となってしまう所謂フラッシングが発生する(2)。これによって、液管に逆圧がかかり(3)、凝縮器から蒸発器へ液冷媒が供給されず、凝縮器へ冷媒が溜まり込み(4)、冷媒の流れが停止して、冷却能力が得られなくなるという不具合が発生することがある。
以下、上記の不具合を解消した例を説明する。
図5乃至11は実施の形態1を示す図で、図5は空気調和機の構成を示す図、図6は空気調和機の別の構成を示す図、図7は空気調和機のさらに別の構成を示す図、図8は強制循環運転から自然循環運転へ切り替わるまでの簡単なフローチャート図、図9は実験結果および計算結果により求めた、切り替え後における自然循環運転が稼動もしくは停止する時の高低圧差と凝縮器出口過冷却度の関係を示す図、図10は操作例を示す図、図11は強制循環運転から自然循環運転へ切り替わるまでのフローチャート図である。
図5に示すように、本実施の形態における空気調和機は、冷媒ガスを圧縮するための圧縮機1、この冷媒ガスを冷却液化させるための凝縮器2、外気を強制的に凝縮器2の外表面に送風するための室外ファン21、凝縮器2を出た高温高圧の冷媒液を減圧して二相状態の湿り蒸気とする膨張弁として例えば電子膨張弁3(減圧装置)、電子膨張弁3を介して流入した湿り蒸気を空調対象空間である室内の空調負荷によって蒸発させて冷媒ガスとする蒸発器4、室内空気を強制的に蒸発器4の外表面に送風するための室内ファン22、自然循環運転時に圧縮機1をバイパスするための開閉弁として例えば逆止弁5(第一の開閉弁)を介した圧縮機バイパス配管11を備える。
さらに、圧力を測定する手段として、例えば圧力センサー31(第一の圧力検知手段)、圧力センサー32(第二の圧力検知手段)、凝縮器出口配管温度を測定する手段として、例えばサーミスタ33(温度検知手段)、圧力センサー31、32から受けた情報により高低圧差を演算する高低圧差演算手段51、圧力センサー31とサーミスタ33から受けた情報により凝縮器出口過冷却度を演算する過冷却度演算手段52、高低圧差演算手段51および過冷却度演算手段52からの情報を受けて運転切り替え制御を行なう制御装置53を備え、一つの箱体41に収まっている。
なお、図中の矢印は冷媒の流れを示しており、矢印の実線は強制循環運転時の冷媒の流れを示し、矢印の点線は自然循環運転時の冷媒の流れを示している。なお、図中の点線は信号線を示す。
また、図には示していないが、凝縮器2は蒸発器4よりも高い位置に配置されており、自然循環運転時において、冷媒が重力に対して上方から下方へスムーズに流れるように配管は配置されている。
また、電子膨張弁3は通電する電流によってその開度を設定できるというように外部から制御が可能な膨張弁であり、本実施の形態では強制循環運転と自然循環運転で異なる開度を設定して切り替える。
また、本実施の形態では、冷媒として例えばR22やR−410Aなどのフロン系の冷媒、圧縮機としては例えばロータリー圧縮機、冷凍機油としては例えばアルキルベンゼン油やエステル油などを用いているが、これに限るものではなく、二酸化炭素やプロパンなどの自然系の冷媒を含む他の冷媒、スクロール圧縮機を含む他の圧縮機、他の冷凍機油を用いてもよい。
また、図6に示すように、圧縮機1の吸入部手前にサクションアキュームレータ13を設け、強制循環運転時における余剰冷媒を蓄積したり、圧縮機1への液バックを防ぐようにしてもよい。
次に動作について説明する。この空気調和機は、例えば年間を通して冷房が必要な場所に利用され、室内温度が外気温度よりも低いときには、圧縮機1を運転状態とした強制循環運転を行い、室内温度が外気温度よりも高い時には、圧縮機1を停止状態として外気の冷熱を利用した自然循環運転を行う。
ここではまず、強制循環運転について説明する。電子膨張弁3の開度を、凝縮器2から流出した冷媒液を減圧して二相状態の湿り蒸気とするための適切な開度、例えば全開が480pulseの電子膨張弁3を用いた場合には、54%程度の開度、260pulseに設定し、圧縮機1を運転すると逆止弁5は圧縮機1の吐出圧力と吸入圧力との圧力差で閉止されて強制循環運転のサイクルが形成される。
即ち、この配管内の冷媒ガスが圧縮機1で断熱的に圧縮されて過熱状態となり、凝縮器2で外気へ放熱して液化し冷媒液となる。高圧の冷媒液は電子膨張弁3を通り、この電子膨張弁3で減圧されて気液混合状態の低温低圧の湿り蒸気となる。さらに冷媒は蒸発器4で気化熱を吸収して飽和冷媒ガスもしくは過熱ガスとなり、圧縮機1へ戻る。
次に、室内温度より外気温度が低い場合の自然循環運転について説明する。圧縮機1を停止つまり周波数を0Hzとし、電子膨張弁3の開度を大きくすると、冷媒回路内の圧力差は均一となり、その後蒸発器4の圧力は凝縮器2の圧力よりも高くなり、逆止弁5は開放され、自然循環運転のサイクルが形成される。そして、凝縮器2で凝縮した液冷媒は、配管内を重力により下降して蒸発器4に流入する。蒸発器4に流入した液冷媒は室内の熱負荷を受けて蒸発した後、圧縮機バイパス配管11を上昇して逆止弁5を通って凝縮器2へ戻る。ここで、冷媒は圧縮機1を通る流路にも流れようとするが、圧縮機1内部の流動抵抗が圧縮機バイパス配管11の流動抵抗に比べて非常に大きいため、圧縮機1を通る冷媒流量は圧縮機バイパス配管11を通る冷媒流量に対して無視できるほど小さくなる。
なお、図7に示すように、圧縮機バイパス配管11に設けた逆止弁5は、電磁式の電磁開閉弁14などを用い、自然循環運転の時に開、強制循環運転の時に閉として動作させても上記と同様の効果を奏する。ただし、上記実施の形態のように、蒸発器4の出口部から凝縮器2の入口部への冷媒の流れを開とし逆方向の流れを閉とする逆止弁5を用いると、自然循環運転と強制循環運転に応じて開閉を行う必要がなく、容易に冷媒回路の変更を行うことができる。即ち、強制循環運転では、圧縮機1の吐出圧力と吸入圧力との圧力差によって逆止弁5は自動的に閉止され、また、自然循環運転に切換える際には電子膨張弁3の開度を全開、および圧縮機1を停止することによって冷媒は冷媒回路内を自然循環し、逆止弁5の両側にかかっていた圧力が逆になり、逆止弁5は自動的に開となる。
次に、強制循環運転から自然循環運転への切り替え操作について説明する。図8の強制循環運転から自然循環運転へ切り替わるまでのフローチャート図において、ステップS1で、圧縮機1を用いた強制循環運転を行う。室外温度が室内温度よりも低くなると、ステップS2で、運転切り替え指令が出される。ステップS3では、以下に詳しく述べる切り替え操作を行う。そして、自然循環運転を開始してもよい状態になったところで、自然循環運転を開始する(ステップS4)。
図9は実験結果および計算結果により求めた、切り替え後における自然循環運転が稼動もしくは停止する時の高低圧差と凝縮器出口過冷却度の関係を示す図であるが、切り替え後の自然循環運転が稼動するためには、高低圧差演算手段51において求められた高低圧差L1、及び過冷却度演算手段52において求められた凝縮器出口過冷却度L2が、図9の斜線領域のようなあらかじめ設定された範囲内となればよい。
図10はある時間における圧縮機周波数S1、電子膨張弁開度S2をそれぞれ操作したときの、高低圧差L1、凝縮器出口過冷却度L2の変化を示す図で、図11のフローチャート図も用いて切り替え操作の例を説明する。
強制循循環運転時において、圧縮機周波数S1が例えば50Hz、凝縮器出口過冷却度S2が例えば10℃で運転が行なわれている(ステップS10)。室外温度が室内温度よりも低くなると、強制循循環運転から自然循環運転への切り替え指令が出される(ステップS11)。高低圧差演算手段51によって求めた高低圧差L1があらかじめ設定される範囲内ΔP、例えば1〜8kg/cmとなるように、制御装置53より指令が送られ圧縮機周波数S1を低下させる。例えばそのときの圧縮機周波数S1は20Hzとなる(ステップS12)。
このとき、過冷却度演算手段52によって求めた凝縮器出口過冷却度L2があらかじめ設定された範囲内SC(サブクール)、例えば1〜8℃となっているか判定し(ステップS13)、範囲外SCであれば、制御装置53より指令が電子膨張弁3へ送られ、一定の過冷却度となるように電子膨張弁開度S2を変化させる(ステップS14)。範囲内SCであれば、電子膨張弁開度S2はそのままでもよく、そして、時間Δt1経過したかを判定し(ステップS15)、時間Δt1経過していれば、圧縮機1を停止つまり圧縮機周波数S1を0Hzにするとともに電磁弁6を開くことで、自然循環運転に切り替わるステップS16)。
また、強制循環運転から自然循環運転へ切り替わるまでの間に、室外ファン21および室内ファン22の少なくともいずれか一つの風量を増加させることで、高低圧差が小さくなり、図9に示す範囲内とすることもできる。
また、強制循環運転から自然循環運転へ切り替わるまでの間に、室外ファン21の風量を増加させることで、凝縮器出口過冷却度が大きくなり、図9示す範囲内とすることもできる。
従って、強制循環運転から自然循環運転へ切り替わった後も凝縮器2出口から蒸発器4入口に至るまでの配管内が常に液状態となるように、強制循環運転から自然循環運転へ切り替わるまでの間、高低圧差演算手段51と過冷却度演算手段52から得た情報を元に、圧縮機1の周波数、電子膨張弁3の開度、各ファン(室外ファン21および室内ファン22)の風量のうち少なくともいずれか一つを制御することにより、図9に示す自然循環運転稼働範囲内とすることができる。
上記のように本実施の形態1に示す空気調和機では、強制循環運転と自然循環運転とを備え、外気温度と室内温度に応じて運転が切り替わる構成であり、従来においては、強制循環運転から自然循環運転への切り替えの際に発生する圧力の急激な変動により凝縮器2出口の過冷却度が低下し、凝縮器2出口部から蒸発器4入口部にいたるまでの液管内が二相とり、液管に逆圧がかかり、凝縮器2から蒸発器4へ液冷媒が供給されず、凝縮器2へ冷媒が溜まり込み、冷媒の流れが停止してしまう不具合が発生していたが、切り替え操作を高低圧差演算手段51および過冷却度演算手段52を介して行なうことで、強制循環運転から自然循環運転への切り替え操作において、高低圧差及び凝縮器出口過冷却度が図9に示す自然循環運転稼働範囲内となるように、圧縮機周波数を低下させる、又は電子膨張弁3の開度アップ、又は各ファン(室外ファン21および室内ファン22)の風量を増加させることで、切り替え時に発生する急激な圧力変動を防ぎ、かつ切り替え前に十分な凝縮器出口過冷却度を確保しているため液管内の冷媒が常に過冷却状態となり、ポンプダウン運転の必要もなく、自然循環運転を安定的に行なうことができる。
実施の形態2.
図12乃至16は実施の形態2を示す図で、図12は空気調和機の構成を示す図、図13は空気調和機の別の構成を示す図、図14は空気調和機のさらに別の構成を示す図、図15は操作例を示す図、図16は強制循環運転から自然循環運転へ切り替わるまでのフローチャート図である。
本実施の形態は、実施の形態1の構成に加え、新たに自然循環運転時に電子膨張弁3をバイパスするための開閉弁として例えば電磁弁6(第二の開閉弁)を介した膨張弁バイパス回路12(減圧装置バイパス回路)が加わっており、電磁弁6は高低圧差演算手段51および過冷却度演算手段52からの情報を受けて運転切り替え制御を行なう制御装置53によって制御される。
また、実施の形態1と同様に、図13に示すように、圧縮機1の吸入部手前にサクションアキュームレータ13を設け、強制循環運転時における余剰冷媒を蓄積したり、圧縮機1への液バックを防ぐようにしてもよい。
なお、図14に示すように、圧縮機バイパス配管11に設けた逆止弁5は、電磁式の電磁開閉弁14などを用い、自然循環運転の時に開、強制循環運転の時に閉として動作させても上記と同様の効果を奏する。
強制循環運転の動作は実施の形態1と同じ動作であるため省略し、ここでは、室内温度より外気温度が低い場合の自然循環運転について説明する。圧縮機1を停止つまり周波数を0Hzとし、電子膨張弁3の開度を大きくすると、冷媒回路内の圧力差は均一となり、その後蒸発器4の圧力は凝縮器2の圧力よりも高くなり、逆止弁5は開放され、自然循環運転のサイクルが形成される。
そして、凝縮器2で凝縮した液冷媒は、配管内を重力により下降して蒸発器4に流入する。蒸発器4に流入した液冷媒は室内の熱負荷を受けて蒸発した後、圧縮機バイパス配管11を上昇して逆止弁5を通って凝縮器2へ戻る。ここで、冷媒は圧縮機1を通る流路にも流れようとするが、圧縮機1内部の流動抵抗が圧縮機バイパス配管11の流動抵抗に比べて非常に大きいため、圧縮機1を通る冷媒流量は圧縮機バイパス配管11を通る冷媒流量に対して無視できるほど小さくなる。
図15はある時間における圧縮機周波数S1、電子膨張弁開度S2、電磁弁開閉S3をそれぞれ操作したときの、高低圧差L1、凝縮器出口過冷却度L2の変化を示す図で、図16のフローチャート図も用いて切り替え操作の例を説明する。
強制循循環運転時において、圧縮機周波数S1が例えば50Hz、凝縮器出口過冷却度S2が例えば10℃で運転が行なわれている(ステップS20)。室外温度が室内温度よりも低くなると、強制循循環運転から自然循環運転への切り替え指令が出される(ステップS21)。高低圧差演算手段51によって求めた高低圧差L1があらかじめ設定される範囲内ΔP、例えば1〜8kg/cmとなるように、制御装置53より指令が送られ圧縮機周波数S1を低下させる。例えばそのときの圧縮機周波数S1は30Hzとなる(ステップS22)。時間Δt1経過後に、再び圧縮機周波数S1を低下させ、例えばこのときの圧縮機周波数S1は20Hzとなる(ステップS23)。
このとき、過冷却度演算手段52によって求めた凝縮器出口過冷却度L2があらかじめ設定された範囲内SC(サブクール)、例えば1〜8℃となっているか判定し(ステップS24)、範囲外SCであれば、制御装置53より指令が電子膨張弁3へ送られ、凝縮器過冷却度L2が設定された範囲SC内となるように電子膨張弁開度S2を変化させる(ステップS24)。範囲内SCであれば、電子膨張弁開度S2はそのままでもよく、時間Δt2経過後、圧縮機1を停止つまり圧縮機周波数S1を0Hzにするとともに電磁弁6を開くことで、自然循環運転に切り替わる。
また、強制循環運転から自然循環運転へ切り替わるまでの間に、電磁弁6を開くことで高低圧差が小さくなり、図9に示す範囲内とすることもできる。
また、強制循環運転から自然循環運転へ切り替わるまでの間に、室外ファン21および室内ファン22のいずれか一つの風量を増加させることで、高低圧差が小さくなり、図9に示す範囲内とすることもできる。
また、強制循環運転から自然循環運転へ切り替わるまでの間に、室外ファン21の風量を増加させることで、凝縮器出口過冷却度L2が大きくなり、図9に示す範囲内とすることもできる。
従って、強制循環運転から自然循環運転へ切り替わった後も凝縮器2出口から蒸発器4入口に至るまでの配管内が常に液状態となるように、強制循環運転から自然循環運転へ切り替わるまでの間、高低圧差演算手段51と過冷却度演算手段52から得た情報を元に、圧縮機1の周波数、電子膨張弁3の開度、電磁弁6の開閉、各ファン(室外ファン21および室内ファン22)の風量のうち少なくともいずれか一つを制御することで、図9に示す自然循環運転稼働範囲内とすることができる。
上記のように本実施の形態2に示す空気調和機では、強制循環運転と自然循環運転とを備え、外気温度と室内温度に応じて運転が切り替わる構成であり、従来においては、強制循環運転から自然循環運転への切り替えの際に発生する圧力の急激な変動により凝縮器2出口の過冷却度が低下し、凝縮器2出口部から蒸発器4入口部にいたるまでの液管内が二相とり、液管に逆圧がかかり、凝縮器2から蒸発器4へ液冷媒が供給されず、凝縮器2へ冷媒が溜まり込み、冷媒の流れが停止してしまう不具合が発生していたが、切り替え操作を高低圧差演算手段51および過冷却度演算手段52を介して行なうことで、強制循環運転から自然循環運転への切り替え操作において、高低圧差が図9に示す自然循環運転稼働範囲内となるように、圧縮機周波数を段階的に低下させる、又は電子膨張弁3の開度アップ、又は電磁弁6を開く、各ファン(室外ファン21および室内ファン22)の風量を増加させることで、切り替え時に発生する急激な圧力変動を防ぎ、かつ切り替え前に十分な凝縮器出口過冷却度を確保しているため液管内の冷媒が常に過冷却状態となり、ポンプダウン運転の必要もなく、自然循環運転を安定的に行なうことができる。
自然循環による冷房運転を説明する図で、自然循環を利用した冷房装置を示す構成図である。 強制循環運転モードにおける圧力とエンタルピーの関係を示す図である。 自然循環運転モードにおける圧力とエンタルピーの関係を示す図である。 自然循環を利用した空気調和機の強制循環運転から自然循環運転へ切り替え時における冷媒分布図である。 実施の形態1を示す図で、空気調和機の構成を示す図である。 実施の形態1を示す図で、空気調和機の別の構成を示す図である。 実施の形態1を示す図で、空気調和機のさらに別の構成を示す図である。 実施の形態1を示す図で、強制循環運転から自然循環運転へ切り替わるまでの簡単なフローチャート図である。 実施の形態1を示す図で、実験結果および計算結果により求めた、切り替え後における自然循環運転が稼動もしくは停止する時の高低圧差と凝縮器出口過冷却度の関係を示す図である。 実施の形態1を示す図で、操作例を示す図である。 実施の形態1を示す図で、強制循環運転から自然循環運転へ切り替わるまでのフローチャート図である。 実施の形態2を示す図で、空気調和機の構成を示す図である。 実施の形態2を示す図で、空気調和機の別の構成を示す図である。 実施の形態2を示す図で、空気調和機のさらに別の構成を示す図である。 実施の形態2を示す図で、操作例を示す図である。 実施の形態2を示す図で、強制循環運転から自然循環運転へ切り替わるまでのフローチャート図である。
符号の説明
1 圧縮機、2 凝縮器、3 電子膨張弁、4 蒸発器、5 逆止弁、6 電磁弁、11 圧縮機バイパス配管、12 膨張弁バイパス回路、13 サクションアキュームレータ、14 電磁開閉弁、17 液配管、18 ガス配管、21 室外ファン、22 室内ファン、31,32 圧力センサー、33 サーミスタ、41 箱体、42 室外機、43 室内機、51 高低圧差演算手段、52 過冷却度演算手段、53 制御装置、61 凝縮器内のエンタルピー減少と圧力降下、62 膨張弁による圧力降下、63 蒸発器内のエンタルピー増加と圧力降下、64 圧縮機によるエンタルピー増加と圧力上昇、65 室内温度相当の冷媒圧力、66 室外温度相当の冷媒圧力、S1 圧縮機周波数、S2 電子膨張弁開度、S3 電磁弁開閉、L1 高低圧差、L2 凝縮器出口過冷却度。

Claims (9)

  1. 圧縮機、凝縮器、開度の変更が可能な減圧装置、前記凝縮器よりも下方に配置した蒸発器を順次接続し、前記圧縮機をバイパスするように前記蒸発器と前記凝縮器とを第一の開閉弁を介して接続する圧縮機バイパス配管を有する冷凍サイクルと、
    前記凝縮器に気体を送風する室外ファンと、
    前記蒸発器に気体を送風する室内ファンと、
    前記圧縮機出口部から前記減圧装置入口部までの間に設けられた第一の圧力検知手段と、
    前記減圧装置出口部から前記圧縮機入口部までの間に設けられた第二の圧力検知手段と、
    前記凝縮器出口部から前記減圧装置入口部までの間に設けられた温度検知手段と、
    前記第一の圧力検知手段と前記第二の圧力検知手段から得た情報から高低圧力差を演算する高低圧差演算手段と、
    前記第一の圧力検知手段と前記温度検知手段から得た情報から前記凝縮器出口の過冷却度を演算する過冷却演算手段と、
    強制循環運転から自然循環運転へ切り替わった後も前記凝縮器出口から前記蒸発器入口に至るまでの配管内が常に液状態となるように、強制循環運転から自然循環運転へ切り替わるまでの間、前記高低圧差演算手段と前記過冷却度演算手段から得た情報を基に前記圧縮機の周波数、前記減圧装置の開度、前記室外及び室内ファンの風量のうち少なくともいずれか一つを制御する制御装置と、
    を備え、前記圧縮機運転の発停および前記減圧装置の開度変更および前記第一の開閉弁の開閉操作により、強制循環運転あるいは自然循環運転へと切り替えることを特徴とする自然循環併用式空気調和機。
  2. 圧縮機、凝縮器、開度の変更が可能な減圧装置、前記凝縮器よりも下方に配置した蒸発器を順次接続し、前記圧縮機をバイパスするように前記蒸発器と前記凝縮器とを第一の開閉弁を介して接続する圧縮機バイパス配管と、前記減圧装置をパイパスするように前記凝縮器と前記蒸発器とを第二の開閉弁を介して接続する減圧装置パイパス回路とを有する冷凍サイクルと、
    前記凝縮器に気体を送風する室外ファンと、
    前記蒸発器に気体を送風する室内ファンと、
    前記圧縮機出口部から前記減圧装置入口部までの間に設けられた第一の圧力検知手段と、
    前記減圧装置出口部から前記圧縮機入口部までの間に設けられた第二の圧力検知手段と、
    前記凝縮器出口部から前記減圧装置入口部までの間に設けられた温度検知手段と、
    前記第一の圧力検知手段と前記第二の圧力検知手段から得た情報から高低圧力差を演算する高低圧差演算手段と、
    前記第一の圧力検知手段と前記温度検知手段から得た情報から前記凝縮器出口の過冷却度を演算する過冷却演算手段と、
    強制循環運転から自然循環運転へ切り替わった後も前記凝縮器出口から前記蒸発器入口に至るまでの配管内が常に液状態となるように、強制循環運転から自然循環運転へ切り替わるまでの間、前記高低圧差演算手段と前記過冷却度演算手段から得た情報を基に前記圧縮機の周波数、前記減圧装置の開度、前記第二の開閉弁、前記室外及び室内ファンの風量のうち少なくともいずれか一つを制御する制御装置と、
    を備え、前記圧縮機運転の発停および前記減圧装置の開度変更および前記第一の開閉弁の開閉操作により、強制循環運転あるいは自然循環運転へと切り替えることを特徴とする自然循環併用式空気調和機。
  3. 前記第一の開閉弁に逆止弁を用いたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の自然循環併用式空気調和機。
  4. 前記制御装置は、強制循環運転から自然循環運転へ切り替わるまでの間、前記高低圧差演算手段で求められた高低圧差が、あらかじめ設定されている値となるように、前記圧縮機の周波数を徐々に低下させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自然循環併用式空気調和機。
  5. 前記制御装置は、強制循環運転から自然循環運転へ切り替わるまでの間、前記過冷却度演算手段で求められた前記凝縮器出口過冷却度が、あらかじめ設定されている値となるように、前記減圧装置の開度を制御することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自然循環併用式空気調和機。
  6. 前記制御装置は、強制循環運転から自然循環運転へ切り替わるまでの間、前記高低圧差演算手段で求められた高低圧差が、あらかじめ設定されている値となるように、前記第二の開閉弁を開くことを特徴とする請求項2記載の自然循環併用式空気調和機。
  7. 前記制御装置は、強制循環運転から自然循環運転へ切り替わるまでの間、冷凍サイクル内の高低圧差が小さくなるように、前記室外ファン及び室内ファンの少なくとも一つの風量を増加させることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の自然循環併用式空気調和機。
  8. 圧縮機、凝縮器、開度の変更が可能な減圧装置、前記凝縮器よりも下方に配置した蒸発器を順次接続し、前記圧縮機をバイパスするように前記蒸発器と前記凝縮器とを第一の開閉弁を介して接続する圧縮機バイパス配管を有する冷凍サイクルと、前記凝縮器に気体を送風する室外ファンと、前記蒸発器に気体を送風する室内ファンと、前記圧縮機出口部から前記減圧装置入口部までの間に設けられた第一の圧力検知手段と、前記減圧装置出口部から前記圧縮機入口部までの間に設けられた第二の圧力検知手段と、前記凝縮器出口部から前記減圧装置入口部までの間に設けられた温度検知手段とを有し、前記圧縮機運転の発停および前記減圧装置の開度変更および前記第一の開閉弁の開閉操作により、強制循環運転あるいは自然循環運転へと切り替える自然循環併用式空気調和機の制御方法において、
    前記第一の圧力検知手段と前記第二の圧力検知手段から得た情報から高低圧力差を演算し、
    前記第一の圧力検知手段と前記温度検知手段から得た情報から前記凝縮器出口の過冷却度を演算し、
    強制循環運転から自然循環運転へ切り替わった後も前記凝縮器出口から前記蒸発器入口に至るまでの配管内が常に液状態となるように、強制循環運転から自然循環運転へ切り替わるまでの間、前記高低圧差演算と前記過冷却度演算から得た情報を基に前記圧縮機の周波数、前記減圧装置の開度、前記室外及び室内ファンの風量のうち少なくともいずれか一つを制御することを特徴とする自然循環併用式空気調和機の制御方法。
  9. 圧縮機、凝縮器、開度の変更が可能な減圧装置、前記凝縮器よりも下方に配置した蒸発器を順次接続し、前記圧縮機をバイパスするように前記蒸発器と前記凝縮器とを第一の開閉弁を介して接続する圧縮機バイパス配管と、前記減圧装置をパイパスするように前記凝縮器と前記蒸発器とを第二の開閉弁を介して接続する減圧装置パイパス回路とを有する冷凍サイクルと、前記凝縮器に気体を送風する室外ファンと、前記蒸発器に気体を送風する室内ファンと、前記圧縮機出口部から前記減圧装置入口部までの間に設けられた第一の圧力検知手段と、前記減圧装置出口部から前記圧縮機入口部までの間に設けられた第二の圧力検知手段と、前記凝縮器出口部から前記減圧装置入口部までの間に設けられた温度検知手段とを有し、前記圧縮機運転の発停および前記減圧装置の開度変更および前記第一の開閉弁の開閉操作により、強制循環運転あるいは自然循環運転へと切り替える自然循環併用式空気調和機の制御方法において、
    前記第一の圧力検知手段と前記第二の圧力検知手段から得た情報から高低圧力差を演算し、
    前記第一の圧力検知手段と前記温度検知手段から得た情報から前記凝縮器出口の過冷却度を演算し、
    強制循環運転から自然循環運転へ切り替わった後も前記凝縮器出口から前記蒸発器入口に至るまでの配管内が常に液状態となるように、強制循環運転から自然循環運転へ切り替わるまでの間、前記高低圧差演算と前記過冷却度演算から得た情報を基に前記圧縮機の周波数、前記減圧装置の開度、前記第二の開閉弁、前記室外及び室内ファンの風量のうち少なくともいずれか一つを制御することを特徴とする自然循環併用式空気調和機の制御方法。
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