JP2007155143A - 冷凍装置 - Google Patents

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修二 藤本
Atsushi Yoshimi
敦史 吉見
Takahiro Yamaguchi
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Abstract

【課題】高段側圧縮機構が低段側圧縮機構の吐出冷媒を直接吸入する2段圧縮2段膨張冷凍サイクルを行う冷媒回路を備えた冷凍装置において、高段側圧縮機構が高温となることを防止することである。
【解決手段】冷凍装置(10)は、容量可変の低段側圧縮機(21)及び高段側圧縮機(31)と気液分離器(33)を有した冷媒回路(15)と、異容量制御部(101)と等容量制御部(102)を備えている。等容量制御部(102)が、高段側圧力比と低段側圧力比とが等しくなるように制御して通常運転時を行う一方、通常運転時に高段側圧縮機(31)の吐出冷媒温度が所定温度以上になると、異容量制御部(101)が、等容量制御部(102)に代わり、低段側圧力比に対する高段側圧力比の比率が所定値N(1<N≦2)となるように制御して、高段側圧縮機(31)に吸入される液分離器(33)内の冷媒量を増加させる。
【選択図】図4

Description

本発明は、2段圧縮2段膨張冷凍サイクルを行う冷媒回路を備えた冷凍装置に関し、特に、高段側圧縮機構が高温となることを防止する対策に係るものである。
従来から、低段側圧縮機構構と高段側圧縮機構とを備えた2段圧縮機構と中間圧冷媒の気液分離器とを有して2段圧縮2段膨張冷凍サイクルを行う冷媒回路を備えた冷凍装置が知られている(例えば、特許文献1)。
特許文献1に記載の冷凍装置は、空気調和装置であって、室外ユニットと中間ユニットと室内ユニットとを備えている。この空気調和装置において、室外ユニットには、室外膨張弁と室外熱交換器と低段側圧縮機とが設けられ、中間ユニットには、高段側圧縮機と気液分離器と中間膨張弁とが設けられ、室内ユニットには、室内熱交換器が設けられている。
この空気調和装置では、暖房運転時において、中間ユニットの高段側圧縮機から吐出された冷媒が、室内熱交換器を流れて室内空気に放熱して凝縮液化し、室内空気を加熱する。凝縮した液冷媒は、中間膨張弁で中間圧に減圧され二相冷媒となって気液分離器に流入し、気液分離器で液冷媒とガス冷媒とが分離される。この液冷媒は、気液分離器から流出して室外膨張弁で低圧まで減圧された後、室外熱交換器で室外空気と熱交換器して加熱されて蒸発し、低段側圧縮機に吸入される。一方、気液分離器内のガス冷媒は、ガス出口から流出して、低段側圧縮機の吐出冷媒と合流して高段側圧縮機に吸入される。
このようにして、上記空気調和装置では、2段圧縮2段膨張冷凍サイクルを行って室内熱交換器を流れる冷媒の量を増加させ、暖房能力を高めることができる。また、低段側圧縮機の吐出冷媒が高段側圧縮機に直接吸入されるよう構成されているので、低段側圧縮機の吐出冷媒に含まれる冷凍機油を高段側圧縮機に送ることができる。
特開2001−235246号公報
しかしながら、上記特許文献1の冷凍装置においては、低段側圧縮機の吐出冷媒と気液分離機内の中間圧のガス冷媒とが合流して高段側圧縮機に供給されるので、低段側圧縮機の吐出冷媒の温度が高くなる場合に、2段圧縮機構のそれぞれを同じ運転容量のまま運転を継続すると、高段側圧縮機の吐出冷媒の温度も高くなり、高段側圧縮機自体が高温となり信頼性が低下するという問題点があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、低段側圧縮機構の吐出冷媒が高段側圧縮機構に直接吸入される2段圧縮2段膨張冷凍サイクルを行う冷媒回路を備えた冷凍装置において、2段圧縮機構の運転容量を制御することにより、高段側圧縮機構の吸入冷媒温度を低下させて、高段側圧縮機構の信頼性を向上させることを目的とする。
第1の発明は、低段側圧縮機構(21)と高段側圧縮機構(31)とを備えた2段圧縮機構と中間圧冷媒の気液分離器(33)とを有し、上記低段側圧縮機構(21)の吐出冷媒を上記高段側圧縮機構(31)が直接吸入すると共に、上記気液分離器内(33)の中間圧ガス冷媒を上記高段側圧縮機構(31)の吸入側に供給する2段圧縮2段膨張冷凍サイクルを行う冷媒回路(15)を備えた冷凍装置であって、上記高段側圧縮機構(31)の吸入圧力に対する吐出圧力の比率である高段側圧力比が上記低段側圧縮機構(21)の吸入圧力に対する吐出圧力の比率である低段側圧力比より大きくなるように、2段圧縮機構(21,31)の運転容量を制御する異容量手段(101)を備えている。
この第1の発明では、上記異容量手段(101)が、上記高段側圧力比を上記低段側圧力比より高くするので、上記高段側圧力比を上記低段側圧力比以下で運転するよりも、高段側圧縮機構(31)に吸入される気液分離機(33)内の中間圧ガス冷媒の量が多くなることから、高段側圧縮機構(31)の吸入冷媒温度が低下する。これにより、高段側圧縮機構(31)の吐出冷媒温度が低下する。
第2の発明は、第1の発明において、上記高段側圧力比と上記低段側圧力比とが等しくなるように2段圧縮機構(21,31)の運転容量を制御して通常運転を行う等容量手段(102)を備え、該通常運転時に所定の運転条件になると、上記等容量手段(102)に代わり、上記異容量手段(101)が2段圧縮機構(21,31)の運転容量を制御する。
この第2の発明では、等容量手段(102)が、上記高段側圧力比と上記低段側圧力比とが等しくなるように2段圧縮機構(21,31)の運転容量を制御する通常運転時を行うので、該通常運転時には、COPが最も高くなる運転を行う一方、該通常運転時に所定の運転条件になると、異容量手段(101)が、2段圧縮機構(21,31)を制御して、高段側圧縮機構(31)が高温となることを防止する。
第3の発明は、第1の発明において、上記異容量手段(101)は、上記高段側圧縮機構(31)の吐出冷媒の温度に基づいて、上記2段圧縮機構(21,31)の運転容量を制御する。
この第3の発明において、上記高段側圧縮機構(31)の吐出冷媒が所定温度以上になると、2段圧縮機構(21,31)の運転容量の制御を行うようにして、高段側圧縮機構(31)の吐出冷媒温度を確実に低下させる。
第4の発明は、第1の発明において、上記異容量手段(101)は、上記高段側圧縮機構(31)の吸入冷媒の過熱度に基づいて、上記2段圧縮機構(21,31)の運転容量を制御する。
この第4の発明では、上記異容量手段(101)が、上記高段側圧縮機構(31)の吸入冷媒の過熱度が所定温度以上になると、2段圧縮機構(21,31)の運転容量の制御を行うようにして、高段側圧縮機構(31)の吐出冷媒温度を確実に低下させると共に、高段側圧縮機構(31)に液冷媒が供給されないようにして、高段側圧縮機構(31)の機器としての信頼性をさらに向上させる。つまり、高段側圧縮機構(31)には、気液分離器(33)内の中間圧ガス冷媒と共に、気液分離器(33)内のガス冷媒に含まれるミスト状の中間圧液冷媒も供給される場合があるが、このように液冷媒が高段側圧縮機構(31)の吸入側に供給される場合であっても、高段側圧縮機構(31)の吸入冷媒が湿り状態となることを防止する。
第5の発明は、第1の発明において、上記異容量手段(101)は、上記低段側圧力比に対する上記高段側圧力比の比率が1より大きく2以下となる範囲内で2段圧縮機構(21,31)の運転容量を制御する。
この第5の発明では、上記低段側圧力比に対する上記高段側圧力比の比率が2以下であるので、低段側圧縮機構(21)から吐出される冷凍機油の量に比して高段側圧縮機構(31)から吐出される冷凍機油の量が著しく多くなることがないことから、高段側圧縮機構(31)の冷凍機油が不足することがない。
第6の発明は、第1の発明において、上記2段圧縮機構(21,31)は、インバータ制御される。
この第6の発明では、上記2段圧縮機構(21,31)の容量制御を容易に行う。
上記第1の発明によれば、上記異容量手段(101)が、上記高段側圧力比を上記低段側圧力比より高くするようにしたために、上記高段側圧力比を上記低段側圧力比以下で運転するよりも、高段側圧縮機構(31)に吸入される気液分離機(33)内の中間圧ガス冷媒の量を多くすることができるので、高段側圧縮機構(31)の吸入冷媒温度を低下させることができる。これにより、高段側圧縮機構(31)の吐出冷媒温度を低下させることができるので、高段側圧縮機構(31)の高温となることを防止することができることから、高段側圧縮機構(31)の機器としての信頼性を向上させることができる。
また、上記第2の発明によれば、等容量手段(102)が、上記高段側圧力比と上記低段側圧力比とが等しくなるように2段圧縮機構(21,31)の運転容量を制御する通常運転を行うようにしたために、該通常運転時には、COPが最も高くなる運転を行うことができる一方、該通常運転時に所定の運転条件になると、異容量手段(101)が、2段圧縮機構(21,31)を制御するようにしたために、所定の運転条件においては、高段側圧縮機構(31)が高温となることを防止することができる。
また、上記第3の発明によれば、上記異容量手段(101)は、上記高段側圧縮機構(31)の吐出冷媒の温度に基づいて、上記2段圧縮機構(21,31)の運転容量を制御するようにしたために、上記異容量手段(101)が、上記高段側圧縮機構(31)の吐出冷媒温度が所定温度以上になると、2段圧縮機構(21,31)の運転容量の制御を行うようすることができるので、高段側圧縮機構(31)の吐出冷媒温度を確実に低下させることができる。これにより、上記高段側圧縮機構(31)が高温となることを確実に防止することができる。
また、上記第4の発明によれば、上記異容量手段(101)が、上記高段側圧縮機構(31)の吸入冷媒の過熱度に基づいて、上記2段圧縮機構(21,31)の運転容量を制御するようにしたために、上記異容量手段(101)が、上記高段側圧縮機構(31)の吸入冷媒の過熱度が所定温度以上になると、2段圧縮機構(21,31)の運転容量の制御を行うようにすることができるので、高段側圧縮機構(31)の吐出冷媒温度を確実に低下させると共に、上記高段側圧縮機構(31)に液冷媒が供給されるのを防止して、高段側圧縮機構(31)の機器としての信頼性をより向上させることができる。つまり、上記高段側圧縮機構(31)の吸入側に、気液分離器(33)内の中間圧ガス冷媒に含まれるミスト状の中間圧液冷媒が供給される場合であっても、高段側圧縮機構(31)の吸入冷媒が湿り状態となることを防止することができる。
また、上記第5の発明によれば、上記異容量手段(101)が、上記低段側圧力比に対する上記高段側圧力比の比率が1より大きく2以下となる範囲内で2段圧縮機構(21,31)の運転容量を制御するようにしたために、低段側圧縮機構(21)から吐出される冷凍機油の量に比して高段側圧縮機構(31)から吐出される冷凍機油の量が著しく多くなることがないので、高段側圧縮機構(31)の冷凍機油が不足することを防止することができる。これにより、上記高段側圧縮機構(31)の機器としての信頼性が向上する。
また、上記第6の発明によれば、上記2段圧縮機構(21,31)の容量制御を容易に行うことができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の実施形態1》
本発明の実施形態1は、図1に示すように、冷房運転と暖房運転とが可能なヒートポンプ式の空気調和装置(10)である。該空気調和装置(10)は、室外に設置される室外ユニット(20)と、増設用のユニットを構成するオプションユニット(30)と、室内に設置される室内ユニット(40)と、空気調和装置(10)の運転制御を行うコントローラ(100)とを備えている。上記室外ユニット(20)は、第1連絡配管(11)及び第2連絡配管(12)を介してオプションユニット(30)と接続されている。また、室内ユニット(40)は、第3連絡配管(13)及び第4連絡配管(14)を介してオプションユニット(30)と接続されている。これにより、上記空気調和装置(10)では、冷媒が循環して蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われる冷媒回路(15)が構成されている。
なお、オプションユニット(30)は、既設のセパレート型の空気調和装置のパワーアップユニットを構成している。具体的に、既設の空気調和装置では、室外ユニット(20)と室内ユニット(40)とから成る冷媒回路で、単段圧縮単段膨張冷凍サイクル動作による冷房運転及び暖房運転時が行われるものであったのに対し、これら室外ユニット(20)及び室内ユニット(40)の間にオプションユニット(30)を接続することで、2段圧縮2段膨張冷凍サイクル動作による暖房運転が可能となる。
〈室外ユニット〉
上記室外ユニット(20)には、低段側圧縮機(21)、室外熱交換器(22)、室外側膨張弁(25)、及び四路切換弁(23)が設けられている。
上記低段側圧縮機(21)は、スクロール圧縮機であって、インバータを介して電力が供給され、該インバータの出力周波数を変化させて圧縮機モータの回転速度を変化させることにより、運転周波数が可変に構成されている。つまり、上記低段側圧縮機(21)は、インバータ制御により容量が可変であり、低段側圧縮機構に構成されている。
上記室外熱交換器(22)は、クロスフィンアンドチューブ式の熱交換器で構成されている。室外熱交換器(22)の近傍には、室外ファン(24)が設置されている。室外ファン(24)は、室外熱交換器(22)へ室外空気を送風する。上記室外側膨張弁(25)は、開度調節可能な電子膨張弁で構成されている。
上記四路切換弁(23)は、第1から第4までの4つのポートを備えている。四路切換弁(23)では、第1ポートが低段側圧縮機(21)の吐出管(21a)と接続され、第2ポートが低段側圧縮機(21)の吸入管(21b)と接続されている。また、四路切換弁(23)では、第3ポートが室外熱交換器(22)及び室外側膨張弁(25)を介して第2連絡配管(12)の一端と接続され、第4ポートが第1連絡配管(11)の一端と接続されている。この四路切換弁(23)は、第1ポートと第4ポートとが連通すると同時に、第2ポートと第3ポートとが連通する第1状態(図1に実線で示す状態)と、第1ポートと第3ポートとが連通すると同時に、第2ポートと第4ポートとが連通する第2状態(図1に点線で示す状態)とに切り換え可能に構成されている。
上記低段側圧縮機(21)の吐出管(21a)には、低段側油分離器(26)が設けられている。該低段側油分離器(26)には、第1油戻し管(27)の一端が接続され、該第1油戻し管(27)の他端は、低段側圧縮機(21)の吸入管(21b)と接続されている。また、第1油戻し管(27)には、第1キャピラリーチューブ(28)が設けられている。このようにして、低段側油分離器(26)で分離された冷凍機油が、第1油戻し管(27)を流れる際に減圧されて低段側圧縮機(21)に戻されるように構成されている。
また、室外ユニット(20)には、各種センサが設けられている。具体的に、低段側圧縮機構(21)の吐出管(21a)には、吐出圧力センサ(82)及び吐出温度センサ(86)が、吸入管(21b)には、吸入圧力センサ(83)及び吸入温度センサ(87)が設けられている。また、外気温センサ(18)と室外熱交換器(22)の冷媒温度センサ(29)とが設けられている。
〈オプションユニット〉
上記オプションユニット(30)には、高段側圧縮機(31)、三路切換弁(32)、気液分離器(33)、及びオプション側膨張弁(34)とが設けられている。
上記高段側圧縮機(31)は、スクロール圧縮機であって、インバータを介して電力が供給され、該インバータの出力周波数を変化させて圧縮機モータの回転速度を変化させることにより、運転周波数が可変に構成されている。つまり、上記高段側圧縮機(31)は、インバータ制御により容量が可変であり、高段側圧縮機構に構成されている。また、上記高段側圧縮機(31)と上記室外ユニット(20)の低段側圧縮機(21)とが、2段圧縮機構(21,31)を構成している。
上記三路切換弁(32)は、第1から第3までの3つのポートを備えている。三路切換弁(32)では、第1のポートが高段側圧縮機(31)の吐出管(31a)と接続され、該吐出管(31a)の途中には、第3連絡配管(13)の一端が接続されている。また、三路切換弁(32)の第2のポートが高段側圧縮機(31)の吸入管(31b)と接続され、第3のポートが第1連絡配管(11)の他端と接続されている。この三路切換弁(32)は、第2ポートと第3ポートとが連通する第1状態(図1に実線で示す状態)と、第1ポートと第3ポートとを連通する第2状態(図1に点線で示す状態)とに切り換え可能に構成されている。
上記気液分離器(33)は、気液二相状態の冷媒を液冷媒とガス冷媒とに分離するものである。具体的に、気液分離器(33)は、円筒状の密閉容器で構成されており、下部に液冷媒貯留部が形成される一方、その上側にガス冷媒貯留部が形成されている。上記気液分離器(33)には、その胴部を貫通してガス冷媒貯留部に臨む液流入管(33a)と液冷媒貯留部に臨む液流出管(33b)とがそれぞれ接続されている。また、気液分離器(33)には、その頂部を貫通してガス冷媒貯留部に臨むガス流出管(33c)も接続されている。
液流入管(33a)の流入端と、液流出管(33b)の流出端は、第4連絡配管(14)の一端から第2連絡配管(12)の他端まで延びる主配管(35)の途中に、第4連絡配管(14)側から順にそれぞれ接続されている。また、液流入管(33a)には、上記オプション側膨張弁(34)が設けられている。このオプション側膨張弁(34)は、開度調節可能な電子膨張弁で構成されている。一方、ガス流出管(33c)の流出端は、高段側圧縮機(31)の吸入管(31b)の途中に接続されている。
また、オプションユニット(30)には、高段側圧縮機(31)の吐出管(31a)に高段側油分離器(36)が設けられている。この高段側油分離器(36)には、第2油戻し管(37)の一端が接続され、該第2油戻し管(37)の他端は、高段側圧縮機(31)の吸入管(31b)のガス流出管(33c)の接続部と高段側圧縮機(31)との間に接続されている。また、第2油戻し管(37)には、第2キャピラリーチューブ(38)が接続されている。このようにして、高段側油分離器(36)で分離された冷凍機油が、第2油戻し管(37)を通って減圧されて高段側圧縮機(31)に戻されるように構成されている。
オプションユニット(30)には、開閉の切り換えが行われる電磁弁や、冷媒の流れを規制する逆止弁も設けられている。具体的に、上記主配管(35)には、液流入管(33a)の接続部と液流出管(33b)の接続部との間に電磁弁(SV)が設けられている。また、上記液流出管(33b)には第1逆止弁(CV-1)が、高段側圧縮機(31)の吐出管(31a)には第2逆止弁(CV-2)がそれぞれ設けられている。なお、第1,第2逆止弁(CV-1,CV-2)は、それぞれ図1の矢印で示す方向のみの冷媒の流れを許容している。
また、オプションユニット(30)には、各種センサが設けられている。具体的に、高段側圧縮機構(31)の吐出管(31a)には、吐出圧力センサ(80)及び吐出温度センサ(84)が、吸入管(31b)には、吸入圧力センサ(81)及び吸入温度センサ(85)が設けられている。
〈室内ユニット〉
上記室内ユニット(40)には、室内熱交換器(41)及び室内側膨張弁(42)が設けられている。室内熱交換器(41)は、クロスフィンアンドチューブ式の熱交換器で構成されている。室内熱交換器(41)の近傍には、室内ファン(43)が設置されている。室内ファン(43)は、室内熱交換器(41)へ室内空気を送風する。上記室内側膨張弁(42)は、開度調節可能な電子膨張弁で構成されている。
室内ユニット(40)においては、第3連絡配管(13)の他端が、室内熱交換器(41)及び室内側膨張弁(42)を介して第4連絡配管(14)の他端に接続されている。
また、室内ユニット(40)には、室内温度センサ(44)と、室内熱交換器(41)の冷媒温度センサ(45)が設けられている。
〈コントローラ〉
上記コントローラ(100)は、上記冷媒回路(15)に設けられた各種の弁の切換や開度調整等を行って、上記空気調和装置(10)の運転動作の制御を行うものである。また、上記コントローラ(100)は、異容量制御部(101)と等容量制御部(102)と能力制御部(103)とを備えている。該能力制御部(103)は、空気調和装置(10)の能力制御を行うものである。
上記等容量制御部(102)は、上記高段側圧縮機(31)の吸入圧力(PM)に対する吐出圧力(PH)の比率である高段側圧力比(PH/PM)と低段側圧縮機(21)の吸入圧力(PL)に対する吐出圧力(PM)の比率である上記低段側圧力比(PM/PL)とが等しくなるように2段圧縮機構(21,31)の運転周波数を制御して通常運転を行うものであって、等容量手段に構成されている。
上記異容量制御部(101)は、上記通常運転時に、所定の運転条件になると、上記等容量制御部(101)の制御に代わり、上記高段側圧力比(PH/PM)が低段側圧力比(PM/PL)より大きくなるように、2段圧縮機構(21,31)の運転周波数を制御するものであって、異容量手段に構成されている。具体的に、所定の運転条件とは、高段側圧縮機(31)の吐出冷媒が所定温度(例えば、90℃)以上となる運転条件であって、上記異容量制御部(101)は、該運転条件になると、上記低段側圧力比に対する上記高段側圧力比の比率が所定値N(1<N≦2)となるように、2段圧縮機構(21,31)の運転周波数を制御するように構成されている。
−運転動作−
次に、本実施形態の空気調和装置(10)の運転動作について説明する。
上記空気調和装置(10)は、単段圧縮単段膨張冷凍サイクルによる冷房運転及び暖房運転と、2段圧縮2段膨張冷凍サイクルによる暖房運転とを行う。
〈冷房運転〉
冷房運転では、図2に示すように、コントローラ(100)の制御により、四路切換弁(23)及び三路切換弁(32)が第2状態に設定され、電磁弁(SV)が開の状態に設定される。また、室外側膨張弁(25)が全開の状態に、オプション側膨張弁(34)が全閉の状態に、それぞれ設定される一方、室内側膨張弁(42)の開度が運転条件に応じて適宜調節される。更に、この冷房運転では、低段側圧縮機(21)が運転される一方、高段側圧縮機(31)は停止状態となる。つまり、冷房運転時の冷媒回路(15)では、低段側圧縮機(21)のみで冷媒が圧縮される単段圧縮単段膨張冷凍サイクルが行われる。
室外ユニット(20)において、低段側圧縮機(21)から吐出された高圧冷媒は、室外熱交換器(22)を流れて、室外空気へ放熱して凝縮液化する。室外熱交換器(22)で凝縮した液冷媒は、全開状態の室外側膨張弁(25)を通って第2連絡配管(12)を流れ、オプションユニット(30)に導入される。
オプションユニット(30)においては、高圧液冷媒が、主配管(35)を流れ、第4連絡配管(14)を流れて室内ユニット(40)に導入される。
室内ユニット(40)に導入された冷媒は、室内側膨張弁(42)を通過する際に減圧されて膨張し、低圧冷媒となる。該低圧冷媒は、室内熱交換器(41)を流れて、室内空気から吸熱して蒸発する。この結果、室内空気が冷却され、冷房が行われる。室内熱交換器(41)で蒸発した冷媒は、第3連絡配管(13)からオプションユニット(30)に導入され、三路切換弁(32)を介して第1連絡配管(11)を流れ、室外ユニット(20)へ導入される。室外ユニット(20)に導入された低圧冷媒は、低段側圧縮機(21)に吸入され、圧縮されて高圧冷媒となる。
〈単段圧縮単段膨張冷凍サイクルの暖房運転〉
単段圧縮単段膨張冷凍サイクルの暖房運転では、図3に示すように、コントローラ(100)の制御により、四路切換弁(23)が第1状態に設定され、三路切換弁(32)が第2状態に設定され、電磁弁(SV)が開の状態に設定される。また、オプション側膨張弁(34)が全閉の状態に、室内側膨張弁(42)を全開の状態に、それぞれ設定され、室外膨張弁(25)が運転条件に応じて適宜制御される。更に、この暖房運転では、低段側圧縮機(21)が運転される一方、高段側圧縮機(31)は停止状態となる。つまり、この暖房運転における冷媒回路(15)では、低段側圧縮機(21)のみで冷媒が圧縮される単段圧縮単段膨張冷凍サイクルが行われる。
室外ユニット(20)において、低段側圧縮機(21)から吐出された高圧冷媒は、四路切換弁(23)を介して第1連絡配管(11)を流れ、オプションユニット(30)に導入される。
オプションユニット(30)に導入された高圧冷媒は、三路切換弁(32)を介して第3連絡配管(13)を流れて室内ユニット(40)に導入される。
室内ユニット(40)において、高圧冷媒は、室内熱交換器(41)を流れて、室内空気へ放熱して凝縮液化する。この結果、室内空気が加熱され、暖房が行われる。室内熱交換器(41)で凝縮した液冷媒は、全開状態の室内側膨張弁(42)を通って第4連絡配管(14)を流れ、オプションユニット(30)に導入される。
オプションユニット(30)に導入された高圧の液冷媒は、主配管(35)を流れ、第2連絡配管(12)を流れて室外ユニット(20)に導入される。
室外ユニット(20)に導入された冷媒は、室外側膨張弁(25)を通過する際に減圧されて膨張し、低圧冷媒となる。該低圧冷媒は、室外熱交換器(22)を流れて、室外空気から吸熱して蒸発する。室外熱交換器(22)で蒸発した低圧冷媒は、四路切換弁(23)を介して低段側圧縮機(21)に吸入され、圧縮されて高圧冷媒となる。
〈2段圧縮2段膨張冷凍サイクルの暖房運転〉
2段圧縮2段膨張冷凍サイクルの暖房運転では、図4に示すように、コントローラ(100)の制御により、四路切換弁(23)及び三路切換弁(32)が第1状態に設定され、電磁弁(SV)が閉の状態に設定される。また、室内側膨張弁(42)、オプション側膨張弁(34)、及び室外膨張弁(25)の開度が運転条件に応じて適宜調節される。また、この暖房運転では、低段側圧縮機(21)及び高段側圧縮機(31)がそれぞれ運転される。つまり、この暖房運転時の冷媒回路(15)では、低段側圧縮機(21)で圧縮された冷媒が高段側圧縮機(31)で更に圧縮される2段圧縮2段膨張冷凍サイクルが行われる。
オプションユニット(30)において、高段側圧縮機(31)から吐出された高圧冷媒は、第3連絡配管(13)を流れて室内ユニット(40)に導入される。
室内ユニット(40)において、高圧冷媒は、室内熱交換器(41)を通過する際に、室内空気へ放熱して凝縮液化する。この結果、室内空気が加熱され、暖房が行われる。
室内熱交換器(41)で凝縮した液冷媒は、室内側膨張弁(42)を通過した後、第4連絡配管(14)を流れてオプションユニット(30)に導入され、主配管(35)からオプション側膨張弁(34)を通過し、液流入管(33a)に流れる。液冷媒は、室内側膨張弁(42)とオプション側膨張弁(34)とにより、段階的に減圧されて膨張し、気液二相状態の中間圧冷媒となり、気液分離器(33)へ流入する。
気液分離器(33)では、気液二相状態の中間圧冷媒が、ガス冷媒と液冷媒とに分離される。分離された飽和状態のガス冷媒は、ガス流出管(33c)を流れて高段側圧縮機(31)の吸入管(31b)へ送られる。一方、分離された液冷媒は、液流出管(33b)から流出し、第2連絡配管(12)を流れて室外ユニット(20)に導入される。
室外ユニット(20)に導入された中間圧液冷媒は、室外側膨張弁(25)を通過する際、減圧されて膨張し低圧冷媒となり、室外熱交換器(22)を通過する際に、室外空気から吸熱して蒸発する。室外熱交換器(22)で蒸発した低圧冷媒は、四路切換弁(23)を介して低段側圧縮機(21)に吸入される。低段側圧縮機(21)では、低圧冷媒が圧縮されて中間圧冷媒となり、該中間圧冷媒は、四路切換弁(23)を介して第1連絡配管(11)を流れ、オプションユニット(30)に導入される。
オプションユニット(30)においては、低段側圧縮機(21)から吐出した中間圧冷媒が、三路切換弁(32)を通って高段側圧縮機(31)の吸入管(31b)を流れる。中間圧冷媒は、吸入管(31b)を流れる際に、ガス流出管(33c)から供給されて高段側圧縮機(31)に吸入される。高段側圧縮機(31)では、中間圧冷媒が圧縮されて高圧冷媒となる。
以上のようにして、2段圧縮2段膨張冷凍サイクルの暖房運転では、中間圧の気液二相状態の冷媒を気液分離器(33)でガス冷媒と液冷媒とに分離し、分離後のガス冷媒を高段側圧縮機(31)へ戻すことにより、室外熱交換器(22)へは液冷媒だけが送られるので、気液分離器(33)から室外熱交換器(22)までの液配管の圧力損失が低減するとともに、液冷媒の一部が蒸発して配管内に残存する、いわゆるフラッシュ現象の発生も抑制される。
〈2段圧縮2段膨張冷凍サイクルの暖房運転時の制御〉
2段圧縮2段膨張冷凍サイクルの暖房運転時においては、上記コントローラ(100)の能力制御部(103)が、暖房負荷に対応した能力制御を継続して行う一方、異容量制御部(101)と等容量制御部(102)とが、2段圧縮機構(21,31)の運転周波数を運転条件に適したバランスとなるように制御する。
まず、能力制御部(103)が、暖房負荷に対応するように、上記低段側圧縮機(21)の運転周波数を制御する。つまり、能力制御部(103)は、室内熱交換器(41)における凝縮温度が室内の設定温度Tc℃となるように低段側圧縮機(21)の運転周波数を制御する。具体的に、能力制御部(103)は、高段側圧縮機(31)の吐出圧力が、設定温度Tc℃に相当する凝縮圧力に対応した圧力値となるように、低段側圧縮機(21)の運転周波数を制御する。
そこで、上記能力制御部(103)は、図5(a)に示すように、まず、比較回路(140)において、設定温度Tc℃と室内温度センサ(44)で測定される実際の室内温度との差温を算出する。その後、ゲイン回路(141)において、上記比較回路(140)の差温に定数Kを乗算して低段側圧縮機(21)の運転周波数を算出し、該低段側圧縮機(21)を制御する。
そして、等容量制御部(102)が、低段側圧力比(PM/PL)と高段側圧力比(PH/PM)とが等しくなるように2段圧縮機構(21,31)の運転容量を制御して通常運転を行う。
具体的に、等容量制御部(102)は、図5(b)に示すように、第1除算回路(142)において、低段側圧力比(PM/PL)を算出し、第2除算回路(143)において、上記高段側圧力比(PH/PM)を算出する。そして、比較回路(144)において、低段側圧力比(PM/PL)と低段側圧力比(PH/PM)との差{(PM/PL)−(PH/PM)}を算出し、ゲイン回路(145)で、該圧力比の差からゲインKを導出する。そして、導出回路(146)において、現在の高段側圧縮機(31)の運転周波数にゲインKを乗じて高段側圧縮機(31)の運転周波数を導出し、上記高段側圧縮機(31)を制御する。これにより、通常運転時においては、COPを最も高くすることができる。
上記通常運転時において、高段側圧縮機(31)の吐出温度センサ(84)によって測定される吐出冷媒の温度が所定温度(例えば、90℃)以上になると、異容量制御部(101)は、等容量制御部(102)に代わり、低段側圧力比(PM/PL)に対する高段側圧力比(PH/PM)の比率が所定値N(1<N≦2)となるように2段圧縮機構(21,31)の運転容量を制御する。
そこで、異容量制御部(101)は、図5(c)に示すように、第1除算回路(147)において、低段側圧力比(PM/PL)を算出し、第2除算回路(148)において、上記高段側圧力比(PH/PM)を算出する。そして、乗算回路(149)において、低段側圧力比(PM/PL)に上記所定値Nを乗算して乗算値{N(PM/PL)}を算出し、比較回路(150)において、該乗算値{N(PM/PL)}と高段側圧力比(PH/PM)との差〔{N(PM/PL)}−(PH/PM)〕を算出する。その後、ゲイン回路(151)で、該乗算値と圧力比との差からゲインKを導出する。そして、導出回路(152)において、現在の高段側圧縮機(31)の運転周波数に該ゲイン回路(151)のゲインKを乗じて高段側圧縮機(31)の運転周波数を導出し、高段側圧縮機(31)を制御する。
本実施形態では、2段圧縮2段膨張冷凍サイクルにおいて、低圧力が外気温に対応する蒸発圧力として決定される一方、高圧力が能力制御部(103)により制御されているために、異容量制御部(101)の制御が開始すると、上記高段側圧縮機(31)の運転周波数が上昇する一方、低段側圧縮機(21)の運転周波数が低下して、各圧縮機(21,31)の運転周波数が、低段側圧力比に対する高段側圧力比が所定値Nとなる運転周波数で安定する。これにより、高段側圧縮機(31)の吸入冷媒量が増量する一方、低段側圧縮機(21)の吐出冷媒量が減少するので、高段側圧縮機(31)の吸入冷媒において、低段側圧縮機(21)から吐出された過熱状態の吐出冷媒の量が減少する一方、気液分離器(33)内の飽和状態のガス冷媒の量が増量するので、高段側圧縮機構(31)の吸入冷媒の温度が低下する。これにより、高段側圧縮機構(31)の吐出冷媒温度が低下する。
また、この際、高段側圧縮機(31)には、気液分離器(33)内の中間圧ガス冷媒と共に、気液分離器(33)内のガス冷媒に含まれるミスト状の中間圧液冷媒も供給される場合もあり、このように、高段側圧縮機構(31)に少量の液冷媒が供給されることより、高段側圧縮機(31)の吸入冷媒温度がさらに低下する。また、ミスト状の液冷媒と共に、該液冷媒に含まれる冷凍機油も高段側圧縮機(31)に供給されて、高段側圧縮機(31)の冷凍機油の不足防止を図ることができる。なお、本実施形態では、異容量制御部(101)は、基本的には、高段側圧縮機(31)の吐出冷媒温度に基づく制御を行うが、液冷媒が高段側圧縮機(31)に吸入されないように、高段側圧縮機(31)の吸入冷媒の過熱度を確認的に検知して制御を行う。該高段側圧縮機(31)の吸入冷媒の過熱度は、高段側圧縮機(31)の吸入温度センサ(85)と吸入圧力センサ(81)とから導出される。
また、低段側圧力比(PM/PL)に対する高段側圧力比(PH/PM)の比率が所定値N(1<N≦2)となるように制御するようにしたために、低段側圧縮機構(21)から吐出される冷凍機油の量に比して高段側圧縮機構(31)から吐出される油の量が著しく多くなることはなく、高段側圧縮機構(31)の冷凍機油が不足することを防止することができる。
−実施形態1の効果−
本実施形態では、暖房運転時の2段圧縮2暖膨張冷凍サイクルにおいて、等容量制御部(102)が、低段側圧力比(PM/PL)と高段側圧力比(PH/PM)とが等しくなるように制御する通常運転を行う一方、該通常運転時に、高段側圧縮機(31)の吐出冷媒温度が所定温度(例えば、90℃)以上となると、異容量制御部(101)による制御を開始するようにしたために、高段側圧縮機(31)の吐出冷媒温度が所定温度未満では、COPが最も高くなる状態で運転を行うことができる一方、高段側圧縮機(31)が高温となることを防止する運転を行って、高段側圧縮機(31)の機器としての信頼性を向上させることができる。
さらに、異容量制御部(101)が、低段側圧力比(PM/PL)に対する高段側圧力比(PH/PM)との比率が所定値N(1<N≦2)となるように2段圧縮機構(21,31)の運転周波数を制御するようにしたために、高段側圧縮機(31)内の冷凍機油が不足するのを防止することができるので、高段側圧縮機(31)の機器としての信頼性を向上させることができる。
−実施形態1の変形例−
上記実施形態1では、高段側圧縮機(31)の吐出温度が所定温度以上となると、異容量制御部(101)が制御を開始するようにしたが、該異容量制御部(101)は、吐出温度が所定温度よりさらに上昇するに伴って、低段側圧力比(PM/PL)に対する高段側圧力比(PH/PM)との比率である所定値Nを1より大きく2以下の範囲で、さらに大きくしていくように制御して、より確実に高段側圧縮機(31)が高温となることを防止するようにしてもよい。
また、上記異容量制御部(101)は、上記高段側圧縮機構(31)の吐出冷媒温度に代わり、上記高段側圧縮機(31)の吸入冷媒の過熱度に基づいて、上記2段圧縮機構(21,31)の運転容量を制御するようにしてもよい。具体的に、上記高段側圧縮機(31)の吸入過熱度は、高段側圧縮機(31)の吸入温度センサ(85)と吸入圧力センサ(81)とから導出され、該過熱度が所定温度以上になると、2段圧縮機構(21,31)の運転容量の制御を行うようにすることにより、高段側圧縮機(31)の吸入冷媒温度を確実に低下させて、高段側圧縮機(31)が高温となることを防止することができると共に、上記高段側圧縮機(31)に液冷媒が吸入されることを防止して、高段側圧縮機(31)の機器としての信頼性をさらに向上させることができる。つまり、上記高段側圧縮機(31)の吸入側に、気液分離器(33)内の中間圧ガス冷媒に含まれるミスト状の中間圧液冷媒が供給される場合であっても、高段側圧縮機(31)の吸入冷媒が湿り状態となることを防止することができるので、高段側圧縮機(31)に液冷媒が吸入されることを防止することができる。
《発明の実施形態2》
本発明の実施形態2は、図6に示すように、冷却室内の冷却運転を行う冷凍装置(120)である。該冷凍装置(120)は、室外に設置される室外ユニット(20)と、増設用のユニットを構成するオプションユニット(30)と、冷却室内に設置される室内ユニット(40)と、冷凍装置(120)の運転制御を行うコントローラ(100)とを備えている。上記室外ユニット(20)は、第1連絡配管(11)及び第2連絡配管(12)を介してオプションユニット(30)と接続されている。また、室内ユニット(40)は、第3連絡配管(13)及び第4連絡配管(14)を介してオプションユニット(30)と接続されている。これにより、上記冷凍装置(120)では、冷媒が循環して蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われる冷媒回路(15)が構成されている。
なお、オプションユニット(30)は、既設のセパレート型の冷凍装置のパワーアップユニットを構成している。具体的に、既設の冷凍装置では、室外ユニット(20)と室内ユニット(40)とから成る冷媒回路で、冷却室内の貯蔵物を冷蔵する単段圧縮単段膨張冷凍サイクル動作による冷却運転が行われ、これら室外ユニット(20)及び室内ユニット(40)の間にオプションユニット(30)を接続することで、冷却室内の貯蔵物を冷凍する2段圧縮2段膨張冷凍サイクル動作による冷却運転が可能となる。
〈室外ユニット〉
上記室外ユニット(20)には、高段側圧縮機(31)と室外熱交換器(22)とが設けられている。
上記高段側圧縮機(31)は、インバータ制御により容量が可変に構成されたスクロール圧縮機であって、高段側圧縮機構に構成されている。
上記室外熱交換器(22)の近傍には、室外ファン(24)が設置されている。
上記高段側圧縮機(31)の吸入管(31b)は、第2連絡配管(12)の一端に接続され、吐出管(31a)は、室外熱交換器(22)を介して第1連絡配管(11)の一端に接続されている。
また、高段側圧縮機(31)の吐出管(31a)には、高段側油分離器(36)が設けられている。該油分離器(36)と高段側圧縮機(31)の吸入管(31b)とに第2油戻し管(37)が接続され、該第2油戻し管(37)には、第2キャピラリーチューブ(38)が設けられている。
また、室外ユニット(20)には、各種センサが設けられている。具体的に、高段側圧縮機構(31)の吐出管(31a)には、吐出圧力センサ(80)及び吐出温度センサ(84)が、吸入管(31b)には、吸入圧力センサ(81)及び吸入温度センサ(85)が設けられている。また、外気温センサ(18)と室外熱交換器(22)の冷媒温度センサ(29)とが設けられている。
〈オプションユニット〉
上記オプションユニット(30)には、低段側圧縮機(21)と気液分離器(33)とオプション側膨張弁(34)と第1三路切換弁(70)と第2三路切換弁(71)とが設けられている。
上記低段側圧縮機(21)は、インバータ制御により容量が可変なスクロール圧縮機であって、低段側圧縮機構に構成されている。また、上記低段側圧縮機(21)と上記室外ユニット(20)の高段側圧縮機(31)とが、2段圧縮機構(21,31)を構成している。
上記気液分離器(33)には、その胴部を貫通してガス冷媒貯留部に臨む液流入管(33a)と、その底部を貫通して液冷媒貯留部に臨む液流出管(33b)とがそれぞれ接続されている。また、気液分離器(33)には、その頂部を貫通してガス冷媒貯留部に臨むガス流出管(33c)も接続されている。
上記第1三路切換弁(70)は、第1から第3までの3つのポートを備えている。第1三路切換弁(70)では、第1のポートが気液分離器(33)の液流出管(33b)の流出端と接続され、第2のポートが気液分離器(33)の液流入管(33a)の流入端と接続され、第3のポートが第1液側連絡配管(11)の他端と接続されている。上記第1三路切換弁(70)は、第2ポートと第3ポートとが連通する第1状態(図6に実線で示す状態)と、第1ポートと第3ポートとを連通する第2状態(図6に点線で示す状態)とに切り換え可能に構成されている。
上記第2三路切換弁(71)は、第1から第3までの3つのポートを備ええている。第2三路切換弁(71)では、第1ポートが接続管(47)を介して第3連絡配管(13)の一端と接続され、第2ポートが低段側圧縮機(21)の吐出管(21a)と接続され、第3ポートが第2連絡配管(12)の他端と接続されている。第2三路切換弁(71)は、第2ポートと第3ポートとが互いに連通する第1状態(図6に実線で示す状態)と、第1のポートと第3のポートとが互いに連通する第2状態(図6に破線で示す状態)とに切り換え可能に構成されている。
液流出管(33b)の途中には、第4連絡配管(14)の一端が接続されている。液流入管(33a)の途中には、上記オプション側膨張弁(34)が設けられている。一方、ガス流出管(33c)の流出端は、低段側圧縮機(21)の吐出管(21a)の途中に接続されている。
また、低段側圧縮機(21)の吐出管(21a)には、低段側油分離器(26)が設けられている。該油分離器(26)と低段側圧縮機(21)の吸入管(21b)とに第1油戻し管(27)が接続され、該第1油戻し管(27)には、第1キャピラリーチューブ(28)が設けられている。
また、オプションユニット(30)には、各種センサが設けられている。具体的に、低段側圧縮機構(21)の吐出管(21a)には、吐出圧力センサ(82)及び吐出温度センサ(86)が、吸入管(21b)には、吸入圧力センサ(83)及び吸入温度センサ(87)が設けられている。
〈室内ユニット〉
上記室内ユニット(40)には、室内熱交換器(41)及び室内側膨張弁(42)が設けられている。室内熱交換器(41)の近傍には、室内ファン(43)が設置されている。室内ファン(43)は、室内熱交換器(41)へ室内空気を送風する。
室内ユニット(40)においては、第3連絡配管(13)の他端が、室内熱交換器(41)及び室内側膨張弁(42)を介して第4連絡配管(14)の他端に接続されている。
また、室内ユニット(40)には、冷却室内温度センサ(44)と、室内熱交換器(41)の冷媒温度センサ(45)が設けられている。
〈コントローラ〉
上記コントローラ(100)は、上記冷媒回路(15)に設けられた各種の弁の切換や開度調整等を行って、上記空気調和装置(10)の運転動作の制御を行うものである。また、上記コントローラ(100)は、異容量制御部(101)と等容量制御部(102)と能力制御部(103)とを備えている。
−運転動作−
次に、本実施形態の冷凍装置(120)の運転動作について説明する。
上記冷凍装置(120)は、冷却室内の貯蔵物を冷蔵する単段圧縮単段膨張冷凍サイクル動作による冷却運転と、冷却室内の貯蔵物を冷凍する2段圧縮2段膨張冷凍サイクル動作による冷却運転とを行う。
〈単段圧縮単段膨張冷凍サイクルの冷却運転〉
単段圧縮単段膨張冷凍サイクルの冷却運転においては、図7に示すように、コントローラ(100)の制御により、オプションユニット(30)の第1三路切換弁(70)及び第2三路切換弁(71)が第2状態に設定される。また、室内側膨張弁(42)の開度が、運転条件に応じて適宜調節される。更に、この冷却運転では、高段側圧縮機(31)が運転される一方、低段側圧縮機(21)は停止状態となる。つまり、冷却運転時の冷媒回路(15)では、高段側圧縮機(31)のみで冷媒が圧縮される単段圧縮単段膨張冷凍サイクルが行われる。
室外ユニット(20)において、高段側圧縮機(31)から吐出された高圧冷媒は、室外熱交換器(22)に送られ、室外空気へ放熱して凝縮液化する。室外熱交換器(22)で凝縮した高圧液冷媒は、第1連絡配管(11)を流れてオプションユニット(30)に導入される。
オプションユニット(30)において、高圧冷媒は、第1三路切換弁(70)を通って液流出管(33b)を流れた後、第4連絡配管(14)を流れて、室内ユニット(40)に導入される。
室内ユニット(40)に導入された高圧冷媒は、室内側膨張弁(42)を通過する際に減圧されて膨張し、低圧冷媒となる。該低圧冷媒は、室内熱交換器(41)を流れて、室内空気から吸熱して蒸発する。この結果、冷却室内の空気が冷却される。室内熱交換器(41)で蒸発した冷媒は、第3連絡配管(13)からオプションユニット(30)に導入される。
オプションユニット(30)に導入された低圧冷媒は、接続管(47)を流れ、第2三路切換弁(71)を介して第2連絡配管(12)を流れ、室外ユニット(20)へ導入される。室外ユニット(20)に導入された低圧冷媒は、高段側圧縮機(31)に吸入されて圧縮され、高圧冷媒となる。
〈2段圧縮2段膨張冷凍サイクルの冷却運転〉
2段圧縮2段膨張冷凍サイクルの冷却運転では、図8に示すように、コントローラ(100)の制御により、オプションユニット(30)の第1三路切換弁(70)及び第2三路切換弁(71)が第1状態に設定される。また、室内側膨張弁(42)の開度が、運転条件に応じて適宜調節される。また、この冷却運転では、低段側圧縮機(21)及び高段側圧縮機(31)がそれぞれ運転される。つまり、この冷却運転における冷媒回路(15)では、低段側圧縮機(21)で圧縮された冷媒が高段側圧縮機(31)で更に圧縮される2段圧縮2段膨張冷凍サイクルが行われる。
室外ユニット(20)において、高段側圧縮機(31)から吐出された高圧冷媒は、室外熱交換器(22)に送られ、冷媒が室外空気へ放熱して凝縮液化する。室外熱交換器(22)で凝縮した高圧液冷媒は、第1連絡配管(11)を流れてオプションユニット(30)に導入される。
オプションユニット(30)において、高圧液冷媒は、第1三路切換弁(70)を介してオプション側膨張弁(34)を通過し、液流入管(33a)を流れる。高圧液冷媒は、該オプション側膨張弁(34)を通過する際に減圧されて膨張し、気液二相状態の中間圧冷媒となり、気液分離器(33)へ流入する。気液分離器(33)では、気液二相状態の中間圧冷媒が、ガス冷媒と液冷媒とに分離される。分離された飽和状態のガス冷媒は、ガス流出管(33c)を流れて低段側圧縮機(21)の吐出管(21a)へ送られる。一方、分離された液冷媒は、液流出管(33b)から流出し、第4連絡配管(14)を流れて室内ユニット(40)に導入される。
室内ユニット(40)において、中間圧液冷媒は、室内側膨張弁(42)を通過する際に減圧されて膨張し、低圧冷媒となる。低圧冷媒は、室内熱交換器(41)を通過する際に、室内空気から吸熱して蒸発する。この結果、冷却室内の空気が冷却される。蒸発した低圧冷媒は、第3連絡配管(13)を流れてオプションユニット(30)に導入される。
オプションユニット(30)において、低圧冷媒は、第3連絡配管(13)から低段側圧縮機(21)の吸入管(21b)を流れ、低段側圧縮機(21)に吸入されて圧縮され、中間圧冷媒となる。該中間圧冷媒は、低段側圧縮機(21)の吐出管(21a)を流れ、ガス流出管(33c)を介して飽和状態のガス冷媒が供給された後、第2三路切換弁(71)から第2連絡配管(12)へ流れて室外ユニット(20)に導入される。
室外ユニット(20)に導入された中間圧冷媒は、高段側圧縮機(31)の吸入管(31b)を介して高段側圧縮機(31)に吸入され、圧縮されて高圧冷媒となる。
〈2段圧縮2段膨張冷凍サイクルの冷却運転時の制御〉
2段圧縮2段膨張冷凍サイクルの冷却運転時には、上記コントローラ(100)の能力制御部(103)が、冷凍負荷に対応した能力制御を継続して行う一方、異容量制御部(101)と等容量制御部(102)とが、2段圧縮機構(21,31)の運転周波数を運転条件に適したバランスとなるように制御する。
まず、能力制御部(103)が、冷凍負荷に対応するように、上記高段側圧縮機(31)の運転周波数を制御する。つまり、能力制御部(103)は、室内熱交換器(41)における蒸発温度が冷却室内の設定温度Te℃となるように高段側圧縮機(31)の運転周波数を制御する。具体的に、能力制御部(103)は、低段側圧縮機(21)の吸入圧力が、設定温度Te℃に相当する蒸発圧力に対応した圧力値となるように、高段側圧縮機(31)の運転周波数を制御する。
そこで、上記能力制御部(103)は、図9(a)に示すように、まず、比較回路(160)において、設定温度Te℃と室内温度センサ(44)で測定される実際の冷却室内の温度との差温を算出する。その後、ゲイン回路(161)において、上記比較回路(160)の差温に定数Kを乗算して高段側圧縮機(31)の運転周波数を算出し、該高段側圧縮機(31)を制御する。
また、等容量制御部(102)が、低段側圧力比(PM/PL)と高段側圧力比(PH/PM)とが等しくなるように2段圧縮機構(21,31)の運転容量を制御して通常運転を行う。
具体的に、等容量制御部(102)は、図9(b)に示すように、第1除算回路(162)において、高段側圧力比(PH/PM)を算出し、第2除算回路(163)において、上記低段側圧力比(PM/PL)を算出する。そして、比較回路(164)において、高段側圧力比(PH/PM)と低段側圧力比(PM/PL)との差{(PH/PM)−(PM/PL)}を算出し、ゲイン回路(165)で、該圧力比の差からゲインKを導出する。そして、導出回路(166)において、現在の低段側圧縮機(21)の運転周波数にゲインKを乗じて低段側圧縮機(21)の運転周波数を導出し、上記低段側圧縮機(21)を制御する。これにより、通常運転時においては、COPを最も高くすることができる。
上記通常運転時において、高段側圧縮機(31)の吐出温度センサ(84)によって測定される吐出冷媒の温度が所定温度(例えば、90℃)以上になると、異容量制御部(101)は、等容量制御部(102)に代わり、低段側圧力比(PM/PL)に対する高段側圧力比(PH/PM)の比率が所定値N(1<N≦2)となるように2段圧縮機構(21,31)の運転容量を制御する。
そこで、異容量制御部(101)は、図9(c)に示すように、第1除算回路(167)において、高段側圧力比(PH/PM)を算出し、第2除算回路(168)において、低段側圧力比(PM/PL)を算出する。そして、乗算回路(169)において、高段側圧力比(PH/PM)に上記所定値Nの逆数1/Nを乗算して乗算値{(PH/PM)/N}を算出し、比較回路(170)において、該乗算値{(PH/PM)/N}と高段側圧力比(PH/PM)との差〔{(PH/PM)/N}−(PH/PM)〕を算出する。その後、ゲイン回路(171)で、該乗算値と圧力比との差からゲインKを導出する。そして、導出回路(172)において、現在の高段側圧縮機(31)の運転周波数に該ゲイン回路(171)のゲインKを乗じて低段側圧縮機(21)の運転周波数を導出し、低段側圧縮機(21)を制御する。
本実施形態では、2段圧縮2段膨張冷凍サイクルにおいて、高圧力が外気温に対応する凝縮圧力として決定される一方、低圧力が能力制御部(103)により制御されているために、異容量制御部(101)の制御が開始すると、上記高段側圧縮機(31)の運転周波数が上昇する一方、低段側圧縮機(21)の運転周波数が低下して、各圧縮機(21,31)の運転周波数が、低段側圧力比に対する高段側圧力比が所定値Nとなる運転周波数で安定する。これにより、上記高段側圧縮機(31)の吸入冷媒量が増量する一方、低段側圧縮機(21)の吐出冷媒量が減少するので、高段側圧縮機(31)の吸入冷媒において、低段側圧縮機(21)から吐出された過熱状態の吐出冷媒の量が減少する一方、気液分離器(33)内の飽和状態のガス冷媒の量が増えるので、高段側圧縮機構(31)の吸入冷媒の温度が低下する。これにより、高段側圧縮機構(31)の吐出冷媒温度が低下する。
また、この際、高段側圧縮機(31)には、気液分離器(33)内の中間圧ガス冷媒と共に、気液分離器(33)内のガス冷媒に含まれるミスト状の中間圧液冷媒も供給される場合もあり、このように、高段側圧縮機構(31)に少量の液冷媒が供給されることより、高段側圧縮機(31)の吸入冷媒温度がさらに低下する。また、ミスト状の液冷媒と共に、液冷媒に含まれる冷凍機油も高段側圧縮機(31)に供給されて、高段側圧縮機(31)の冷凍機油の不足防止を図ることができる。なお、本実施形態では、異容量制御部(101)は、基本的には、高段側圧縮機(31)の吐出冷媒温度に基づく制御を行うが、液冷媒が高段側圧縮機(31)に吸入されないように、高段側圧縮機(31)の吸入冷媒の過熱度を確認的に検知して制御を行う。
また、低段側圧力比(PM/PL)に対する高段側圧力比(PH/PM)の比率が所定値N(1<N≦2)となるように、制御するようにしたために、低段側圧縮機構(21)から吐出される冷凍機油の量に比して高段側圧縮機構(31)から吐出される油の量が著しく多くなることはなく、高段側圧縮機構(31)の冷凍機油が不足することを防止する。
−実施形態2の効果−
本実施形態では、2段圧縮2暖膨張冷凍サイクルの冷却運転時おいて、高段側圧縮機(31)の吐出冷媒温度が所定温度未満では、等容量制御部(102)が、低段側圧力比(PM/PL)と高段側圧力比(PH/PM)とが等しくなるように制御する通常運転を行う一方、該通常運転時に、高段側圧縮機(31)の吐出冷媒温度が所定温度(例えば、90℃)以上となると、異容量制御部(101)による制御を開始するようにしたために、高段側圧縮機(31)の吐出冷媒温度が所定温度未満では、COPが最も高くなる状態で運転を行うことができる一方、高段側圧縮機(31)が高温となることを防止して、高段側圧縮機(31)の機器としての信頼性を向上させることができる。
さらに、異容量制御部(101)が、低段側圧力比(PM/PL)に対する高段側圧力比(PH/PM)との比率が所定値N(1<N≦2)となるように2段圧縮機構(21,31)の運転周波数を制御するようにしたために、高段側圧縮機(31)内の冷凍機油が不足するのを防止することができるので、高段側圧縮機(31)の機器としての信頼性を向上させることができる。
その他の構成、作用及び効果は実施形態1と同じである。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記各実施形態では、室外ユニット(20)及び室内ユニット(40)の間にオプションユニット(30)を接続することで冷媒回路(15)を構成するようにしたが、上記オプションユニット(30)と室外ユニット(20)とは必ずしも別ユニットでなくてもよく、これらを一体型の室外ユニットで構成するようにしてもよい。
上記各実施形態の冷媒回路(15)の構成は、特に限定されない。例えば、各圧縮機構が一台の圧縮機により構成されるのではなく、複数台並列に接続された圧縮機から構成されていてもよい。また、上記実施形態1においては、オプション側膨張弁(34)の代わりに電磁弁を設けて、2段圧縮2段膨張冷凍サイクルの暖房運転時に、当該電磁弁を全開状態とし、室外側膨張弁(42)のみで中間圧に減圧するようにしてもよい。
また、本発明の冷凍装置をチリングユニットなどに適用してもよい。その場合は、例えば、上記各実施形態の室内熱交換器に代わり、水の冷却加温を行うプレート熱交換器を設けてもよい。
また、上記各実施形態において、コントローラ(100)は、異容量制御部(101)と等容量制御部(102)の他に、能力制御部(103)を別途設けて、徐々に、運転条件に適した圧力比となり、且つ、目標の能力となるように制御したが、異容量制御部(101)と等容量制御部(102)とが、能力制御を行えるようにしてもよい。つまり、異容量制御部(101)と等容量制御部(102)とが、予め目標の運転能力、適切な圧力比となる各圧縮機(21,31)の運転周波数を演算等により決定して、運転条件に応じて、各圧縮機(21,31)の運転周波数を切り換えるように制御してもよい。
また、上記各実施形態において、高段側圧縮機(31)及び低段側圧縮機(21)の何れもが容量可変に構成されていたが、少なくとも何れか一方が、容量可変に構成されていればよい。つまり、低段側圧縮機(21)が容量固定の場合は、高段側圧縮機(31)の容量制御により、能力制御を行う運転及びCOPの向上を図る運転の何れかを行う通常運転を行う一方、所定の運転条件になると、該通常運転の制御に代わり、高段側圧縮機(31)の運転容量を増大させる制御を行って、低段側圧力比に対する高段側圧力比を高くして、高段側圧縮機(31)が高温となることを防止するようにしてもよい。また、高段側圧縮機(31)が容量固定の場合も同様に、所定の運転条件になると、低段側圧縮機(21)の運転容量を減少させる制御を行って、低段側圧力比に対する高段側圧力比を高くして、高段側圧縮機(31)が高温となることを防止するようにしてもよい。
また、上記各実施形態においては、等容量制御部(102)を設けたが、第1の発明においては、上記等容量制御部(101)は、必須の構成要件ではなく、少なくとも異容量制御部(101)のみを備えていればよい。つまり、冷凍装置(10,120)において、上記異容量制御部(101)が、常時、高段側圧力比が低段側圧力比より大きくなるように制御してもよい。また、その場合において、高段側圧縮機(31)の吐出冷媒温度又は吸入冷媒の過熱度の上昇に伴って低段側圧力比に対する高段側圧力比を高くするようにしてもよい。また、通常は、高段側圧力比より低段側圧力比が大きい運転を行って、所定の運転条件になると、異容量制御部(101)が、高段側圧力比を低段側圧力比より大きくする制御を行うようにしてもよい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、2つの圧縮機構を備えて2段圧縮2段膨張冷凍サイクルを行う冷媒回路を備えた冷凍装置において、高段側圧縮機構が高温となることを防止する対策として有用である。
実施形態1に係る空気調和装置の冷媒回路を示す配管系統図である。 実施形態1の係る空気調和装置の冷房運転時における冷媒の流れを示す配管系統図である。 実施形態1の係る空気調和装置の単段圧縮単段膨張冷凍サイクルの暖房運転時における冷媒の流れを示す配管系統図である。 実施形態1に係る空気調和装置の2段圧縮2段膨張冷凍サイクルの暖房運転時における冷媒の流れを示す配管系統図である。 実施形態1に係る空気調和装置の低段側圧縮機及び高段側圧縮機の運転周波数制御を示すフローチャートである。 実施形態2の係る冷凍装置の冷媒回路を示す配管系統図である。 実施形態2に係る冷凍装置の単段圧縮単段膨張冷凍サイクルの冷却運転時における冷媒の流れを示す配管系統図である。 実施形態2に係る冷凍装置の2段圧縮2段膨張冷凍サイクルの冷却運転時における冷媒の流れを示す配管系統図である。 実施形態2に係る冷凍装置の低段側圧縮機及び高段側圧縮機の運転周波数制御を示すフローチャートである。
符号の説明
10 空気調和装置(冷凍装置)
15 冷媒回路
21 低段側圧縮機(低段側圧縮機構)
31 高段側圧縮機(高段側圧縮機構)
21,31 2段圧縮機構
33 気液分離器
101 異容量制御部(異容量手段)
102 等容量制御部(等容量手段)
120 冷凍装置

Claims (6)

  1. 低段側圧縮機構(21)と高段側圧縮機構(31)とを備えた2段圧縮機構(21,31)と中間圧冷媒の気液分離器(33)とを有し、上記低段側圧縮機構(21)の吐出冷媒を上記高段側圧縮機構(31)が直接吸入すると共に、上記気液分離器内(33)の中間圧ガス冷媒を上記高段側圧縮機構(31)の吸入側に供給する2段圧縮2段膨張冷凍サイクルを行う冷媒回路(15)を備えた冷凍装置であって、
    上記高段側圧縮機構(31)の吸入圧力に対する吐出圧力の比率である高段側圧力比が上記低段側圧縮機構(21)の吸入圧力に対する吐出圧力の比率である低段側圧力比より大きくなるように、2段圧縮機構(21,31)の運転容量を制御する異容量手段(101)を備えている
    ことを特徴とする冷凍装置。
  2. 請求項1において、
    上記高段側圧力比と上記低段側圧力比とが等しくなるように2段圧縮機構(21,31)の運転容量を制御して通常運転を行う等容量手段(102)を備え、
    該通常運転時に所定の運転条件になると、上記等容量手段(102)に代わり、上記異容量手段(101)が2段圧縮機構(21,31)の運転容量を制御する
    ことを特徴とする冷凍装置。
  3. 請求項1において、
    上記異容量手段(101)は、上記高段側圧縮機構(31)の吐出冷媒の温度に基づいて、上記2段圧縮機構(21,31)の運転容量を制御する
    ことを特徴とする冷凍装置。
  4. 請求項1において、
    上記異容量手段(101)は、上記高段側圧縮機構(31)の吸入冷媒の過熱度に基づいて、上記2段圧縮機構(21,31)の運転容量を制御する
    ことを特徴とする冷凍装置。
  5. 請求項1において、
    上記異容量手段(101)は、上記低段側圧力比に対する上記高段側圧力比の比率が1より大きく2以下となる範囲内で2段圧縮機構(21,31)の運転容量を制御する
    ことを特徴とする冷凍装置。
  6. 請求項1において、
    上記2段圧縮機構(21,31)は、インバータ制御される
    ことを特徴とする冷凍装置。
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