JP2020165646A - 冷凍サイクル装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】第1圧縮機の吐出温度の上昇を抑制する。【解決手段】冷媒回路(20)は、第1圧縮機(21)と第2圧縮機(22)と熱源側熱交換器(24)と膨張機構(26)と利用側熱交換器(27)とを有する。インジェクション回路(30)は、熱源側熱交換器(24)および利用側熱交換器(27)のうち放熱器となる熱交換器から膨張機構(26)へ向かう冷媒の一部を第2圧縮機(22)の吸入側に供給する。利用側熱交換器(27)が放熱器となり、熱源側熱交換器(24)が蒸発器となる暖房の定常運転において、常に、第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)は、第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)よりも小さくなっている。【選択図】図1

Description

本開示は、冷凍サイクル装置に関する。
特許文献1には、空気調和機が開示されている。この空気調和機では、低段側圧縮機と高段側圧縮機と凝縮器と第1減圧装置と蒸発器とが順次接続されて冷凍サイクルが構成されている。また、この空気調和機では、暖房運転時において低段側圧縮機の圧縮比が高段側圧縮機の圧縮比より大きくなる。
特開2004−183913号公報
特許文献1の空気調和機では、低段側圧縮機の圧縮比が高段側圧縮機の圧縮比より大きくなっているので、低段側圧縮機から吐出される冷媒の温度が高くなり過ぎるおそれがある。そのため、低段側圧縮機を高温による破壊から保護することが困難である。
本開示の第1の態様は、冷凍サイクル装置に関し、この冷凍サイクル装置は、冷媒を圧縮して吐出する第1圧縮機(21)と、前記第1圧縮機(21)から吐出された冷媒を圧縮して吐出する第2圧縮機(22)と、熱源側熱交換器(24)と、膨張機構(26)と、利用側熱交換器(27)とを有する冷媒回路(20)と、前記熱源側熱交換器(24)および前記利用側熱交換器(27)のうち放熱器となる熱交換器から前記膨張機構(26)へ向かう冷媒の一部を前記第2圧縮機(22)の吸入側に供給するインジェクション回路(30)とを備える。前記利用側熱交換器(27)が放熱器となり、前記熱源側熱交換器(24)が蒸発器となる暖房の定常運転において、常に、前記第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)は、前記第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)よりも小さくなっている。
第1の態様では、暖房の定常運転において、第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)を第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)よりも小さくすることにより、第1圧縮機(21)から吐出される冷媒の温度(以下では「吐出温度」と記載)の上昇を抑制することができる。これにより、第1圧縮機(21)を高温による破壊から保護することができる。
本開示の第2の態様は、第1の態様において、中間熱交換器(40)をさらに備え、前記インジェクション回路(30)は、該インジェクション回路(30)を流れる冷媒を減圧するインジェクション膨張弁(31)を有し、前記中間熱交換器(40)は、前記熱源側熱交換器(24)および前記利用側熱交換器(27)のうち放熱器となる熱交換器から流出した冷媒と、前記インジェクション膨張弁(31)により減圧された冷媒とを熱交換させることを特徴とする冷凍サイクル装置である。
第2の態様では、中間熱交換器(40)において放熱器となる熱交換器(熱源側熱交換器(24)または利用側熱交換器(27))から流出した冷媒とインジェクション膨張弁(31)により減圧された冷媒とを熱交換させることにより、放熱器となる熱交換器から流出した冷媒を過冷却することができる。これにより、冷凍サイクル装置(10)の運転効率(例えばCOP)を向上させることができる。
本開示の第3の態様は、第1または第2の態様において、前記第2圧縮機(22)は、冷媒を圧縮するための圧縮室を有し、圧縮途中の圧縮室に冷媒を供給できるように構成されており、前記インジェクション回路(30)は、前記熱源側熱交換器(24)および前記利用側熱交換器(27)のうち放熱器となる熱交換器から前記膨張機構(26)へ向かう冷媒の一部を前記第2圧縮機(22)の吸入側に冷媒を供給する第1状態と、該冷媒の一部を前記第2圧縮機(22)の圧縮途中の圧縮室に供給する第2状態とに切り換え可能となっていることを特徴とする冷凍サイクル装置である。
第3の態様では、インジェクション回路(30)の状態を第1状態と第2状態とに切り換えることができるので、インジェクションを利用して第2圧縮機(22)の吐出温度の上昇を適切に抑制することができる。これにより、冷凍サイクル装置(10)の動作可能な範囲(冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差の範囲)を広くすることができる。
本開示の第4の態様は、第1または第2の態様において、前記第2圧縮機(22)は、冷媒を圧縮するための圧縮室を有し、圧縮途中の圧縮室に冷媒を供給できるように構成されており、前記インジェクション回路(30)は、前記熱源側熱交換器(24)および前記利用側熱交換器(27)のうち放熱器となる熱交換器から前記膨張機構(26)へ向かう冷媒の一部を前記第2圧縮機(22)の吸入側に供給する第1状態と、該冷媒の一部を前記第2圧縮機(22)の圧縮途中の圧縮室に供給する第2状態と、該冷媒の一部を前記第2圧縮機(22)の吸入側および圧縮途中の圧縮室の両方に供給する第3状態とに切り換え可能となっていることを特徴とする冷凍サイクル装置である。
第4の態様では、インジェクション回路(30)の状態を第1状態と第2状態と第3状態とに切り換えることができるので、インジェクションを利用して第2圧縮機(22)の吐出温度の上昇を適切に抑制することができる。これにより、冷凍サイクル装置(10)の動作可能な範囲(冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差の範囲)を広くすることができる。
本開示の第5の態様は、第3または第4の態様において、前記冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差と相関のある物理量(X)に応じて前記インジェクション回路(30)の状態が切り換えられることを特徴とする冷凍サイクル装置である。
第5の態様では、物理量(X)に応じてインジェクション回路(30)の状態を切り換えることにより、インジェクション回路(30)の切り換えを適切に行うことができる。
本開示の第6の態様は、第3の態様において、前記冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差と相関のある物理量(X)と前記第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)に対する前記第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)の割合(Prr)とに応じて前記インジェクション回路(30)の状態が切り換えられることを特徴とする冷凍サイクル装置である。
第6の態様では、物理量(X)と、第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)に対する第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)の割合(Prr)(以下では「圧縮比の割合(Prr)」と記載)とに応じてインジェクション回路(30)の状態を切り換えることにより、物理量(X)のみに基づいてインジェクション回路(30)の状態を切り換える場合よりも、インジェクション回路(30)の切り換えを適切に行うことができる。
本開示の第7の態様は、第6の態様において、前記インジェクション回路(30)は、前記物理量(X)が予め定められた物理量閾値(Xth)未満である場合と、前記物理量(X)が前記物理量閾値(Xth)以上であり且つ前記第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)に対する前記第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)の割合(Prr)が予め定められた割合閾値(Pth1)以上である場合に、前記第1状態となり、前記物理量(X)が前記物理量閾値(Xth)以上であり且つ前記第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)に対する前記第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)の割合(Prr)が前記割合閾値(Pth1)未満である場合に、前記第2状態となることを特徴とする冷凍サイクル装置である。
第7の態様では、冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差が比較的に低い場合(第2圧縮機(22)の吐出温度が比較的に上昇しにくい場合)に、インジェクション回路(30)を第1状態にすることができる。なお、インジェクション回路(30)の第1状態は、インジェクション回路(30)の第2状態よりも、第1圧縮機(21)の吐出温度の上昇を抑制することができる。したがって、冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差が比較的に低い場合に、インジェクション回路(30)を第1状態にすることにより、第1圧縮機(21)の吐出温度の上昇を抑制する効果を向上させることができる。
また、第7の態様では、冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差が比較的に高い場合(第2圧縮機(22)の吐出温度が比較的に上昇しやすい場合)に、圧縮比の割合(Prr)に応じてインジェクション回路(30)を第2状態にすることができる。なお、インジェクション回路(30)の第2状態は、インジェクション回路(30)の第1状態よりも、第2圧縮機(22)の吐出温度の上昇を抑制することができる。したがって、冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差が比較的に高い場合に、圧縮比の割合(Prr)に応じてインジェクション回路(30)を第2状態にすることにより、第2圧縮機(22)の吐出温度の上昇を適切に抑制することができる。
本開示の第8の態様は、第7の態様において、前記物理量(X)が大きくなるに連れて前記割合閾値(Pth1)が次第に高くなることを特徴とする冷凍サイクル装置である。
第8の態様では、冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差が大きくなるに連れて、第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)が大きくなり、第2圧縮機(22)の吐出温度が上昇しやすくなる。したがって、物理量(X)が大きくなるに連れて割合閾値(Pth1)を次第に高くすることにより、冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差の増加により第2圧縮機(22)の吐出温度が上昇しやすくなった場合に、第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)が比較的に低い段階で、インジェクション回路(30)を第2状態にすることができる。これにより、第2圧縮機(22)の吐出温度の上昇を適切に抑制することができる。
本開示の第9の態様は、第1〜第8の態様のいずれか1つにおいて、前記冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差と相関のある物理量(X)が大きくなるに連れて、前記第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)に対する前記第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)の割合(Prr)が次第に低くなることを特徴とする冷凍サイクル装置である。
第9の態様では、物理量(X)が大きくなるに連れて、圧縮比の割合(Prr)を次第に低くすることにより、冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差の増加により冷凍サイクル装置(10)に要求される圧縮比(第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)と第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)との積に相当する圧縮比)が増加したとしても、第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)の増加を抑制することができる。これにより、第1圧縮機(21)の負担が増加することを抑制することができる。
本開示の第10の態様は、第1〜第9の態様のいずれか1つにおいて、前記熱源側熱交換器(24)が放熱器となり、前記利用側熱交換器(27)が蒸発器となる冷房の定常運転においても、常に、前記第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)は、前記第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)よりも小さくなっていることを特徴とする冷凍サイクル装置である。
第10の態様では、冷房の定常運転において、第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)を第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)よりも小さくすることにより、暖房の定常運転時と同様、第1圧縮機(21)の吐出温度の上昇を抑制することができ、第1圧縮機(21)を高温による破壊から保護することができる。
本開示の第11の態様は、第1〜第10の態様のいずれか1つにおいて、前記第1圧縮機(21)は、ロータリ式または揺動ピストン式の圧縮機であることを特徴とする冷凍サイクル装置である。
第11の態様では、第1圧縮機(21)をロータリ式または揺動ピストン式の圧縮機で構成することにより、第1圧縮機(21)をスクロール式の圧縮機で構成する場合よりも、第1圧縮機(21)の小型化および高速化を実現することができる。これにより、冷媒密度が低い運転状況下においても冷媒流量の確保を容易にすることができる。また、冷凍サイクル装置(10)の小型化および低コスト化を実現することができる。
本開示の第12の態様は、第1〜第10の態様のいずれか1つにおいて、前記第1圧縮機(21)は、ターボ式の圧縮機であることを特徴とする冷凍サイクル装置である。
第12の態様では、第1圧縮機(21)をターボ式の圧縮機で構成することにより、第1圧縮機(21)をスクロール式,ロータリ式,または揺動ピストン式の圧縮機で構成する場合よりも、第1圧縮機(21)の小型化および高速化を実現することができる。これにより、冷媒密度が低い運転状況下においても冷媒流量の確保を容易にすることができる。また、冷凍サイクル装置(10)の小型化および低コスト化を実現することができる。
図1は、実施形態1の冷凍サイクル装置の構成を例示する配管図である。 図2は、インジェクション回路が第1状態である場合の暖房運転における冷媒の状態を例示するモリエル線図である。 図3は、インジェクション回路が第2状態である場合の暖房運転における冷媒の状態を例示するモリエル線図である。 図4は、圧縮比制御について説明するためのフローチャートである。 図5は、圧縮比と差圧との関係について説明するためのグラフである。 図6は、実施形態1におけるインジェクション回路の状態の切り換えについて説明するためのグラフである。 図7は、実施形態2の冷凍サイクル装置の構成を例示する配管図である。 図8は、インジェクション回路が第3状態である場合の暖房運転における冷媒の状態を例示するモリエル線図である。 図9は、実施形態2におけるインジェクション回路の状態の切り換えについて説明するためのグラフである。
以下、実施の形態を図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一の符号を付しその説明は繰り返さない。
(実施形態1)
図1は、実施形態1による冷凍サイクル装置(10)の構成を例示する。この例では、冷凍サイクル装置(10)は、空調対象空間(図示を省略)に供給される水(利用側流体の一例)を加熱することで空調対象空間を暖房する暖房運転と、空調対象空間に供給される水を冷却することで空調対象空間を冷房する冷房運転とを行う空気調和機を構成する。冷凍サイクル装置(10)は、冷媒回路(20)と、インジェクション回路(30)と、中間熱交換器(40)と、制御部(100)とを備える。
なお、暖房運転には、定常運転が含まれる。暖房運転における定常運転(以下では「暖房の定常運転」と記載)は、暖房能力が安定している運転のことである。例えば、暖房の定常運転は、暖房能力の単位時間当たりの変動量が予め定められた許容量に収まっている運転のことであり、起動時などを含む過渡状態の運転を含まない。以下では、暖房の定常運転を単に「暖房運転」と記載する。
また、冷房運転には、定常運転が含まれる。冷房運転における定常運転(以下では「冷房の定常運転」と記載)は、冷房能力が安定している運転のことである。例えば、冷房の定常運転は、冷房能力の単位時間当たりの変動量が予め定められた許容量に収まっている運転のことであり、起動時などを含む過渡状態の運転を含まない。以下では、冷房の定常運転を単に「冷房運転」と記載する。
〔冷媒回路〕
冷媒回路(20)は、第1圧縮機(21)と、第2圧縮機(22)と、四路切換弁(23)と、熱源側熱交換器(24)と、逆止弁ブリッジ(25)と、膨張機構(26)と、利用側熱交換器(27)と、アキュムレータ(28)と、バイパス逆止弁(29)とを有する。冷媒回路(20)には、冷媒が充填されており、冷媒回路(20)において冷媒が循環することで冷凍サイクルが行われる。冷媒は、例えば、R410A,R32,R407Cなどである。
〈第1圧縮機〉
第1圧縮機(21)は、吸入した冷媒を圧縮し、圧縮した冷媒を吐出する。この例では、第1圧縮機(21)は、ロータリ式の圧縮機である。なお、第1圧縮機(21)は、揺動ピストン式の圧縮機であってもよい。なお、ロータリ式の圧縮機は、ピストンとブレード(ベーン)とが別体である圧縮機のことである。揺動ピストン式の圧縮機は、ピストンとブレードとが一体化された圧縮機のことである。
また、第1圧縮機(21)の回転数は、可変である。例えば、第1圧縮機(21)は、第1圧縮機(21)に電気的に接続されたインバータ(図示を省略)の出力周波数を変化させることで、第1圧縮機(21)の内部に設けられたモータの回転数が変化し、その結果、第1圧縮機(21)の回転数(運転周波数)が変化するようになっている。
〈第2圧縮機〉
第2圧縮機(22)は、吸入した冷媒を圧縮し、圧縮した冷媒を吐出する。この例では、第2圧縮機(22)は、冷媒を圧縮するための圧縮室を有し、圧縮途中の圧縮室に冷媒を供給できるように構成されている。具体的には、第2圧縮機(22)には、吸入ポートと中間ポートと吐出ポートとが設けられている。吸入ポートは、第2圧縮機(22)の吸入行程において圧縮室(低圧の圧縮室)と連通する。中間ポートは、第2圧縮機(22)の圧縮行程の途中において圧縮室(中間圧の圧縮室)と連通する。吐出ポートは、第2圧縮機(22)の吐出行程において圧縮室(高圧の圧縮室)と連通する。例えば、第2圧縮機(22)は、スクロール式の圧縮機であってもよいし、ロータリ式の圧縮機であってもよいし、揺動ピストン式の圧縮機であってもよいし、ターボ式の圧縮機であってもよいし、その他の圧縮機であってもよい。
また、第1圧縮機(21)と同様、第2圧縮機(22)の回転数は、可変である。例えば、第2圧縮機(22)は、第2圧縮機(22)に電気的に接続されたインバータ(図示を省略)の出力周波数を変化させることで、第2圧縮機(22)の内部に設けられたモータの回転数が変化し、その結果、第2圧縮機(22)の回転数(運転周波数)が変化するようになっている。
この例では、第2圧縮機(22)は、第1圧縮機(21)から吐出された冷媒を圧縮するように構成される。具体的には、第2圧縮機(22)の吸入側(吸入ポート)は、第1冷媒配管(P1)を経由して、第1圧縮機(21)の吐出側に接続される。
〈四路切換弁〉
四路切換弁(23)の第1ポートは、第2冷媒配管(P2)を経由して、第2圧縮機(22)の吐出側に接続される。四路切換弁(23)の第2ポートは、第3冷媒配管(P3)を経由して、第1圧縮機(21)の吸入側に接続される。四路切換弁(23)の第3ポートは、第4冷媒配管(P4)を経由して、熱源側熱交換器(24)のガス側に接続される。四路切換弁(23)の第4ポートは、第5冷媒配管(P5)を経由して、利用側熱交換器(27)のガス側に接続される。
四路切換弁(23)は、第1ポートと第4ポートとが連通し且つ第2ポートと第3ポートとが連通する第1流路状態(図1の実線で示す状態)と、第1ポートと第3ポートとが連通し且つ第2ポートと第4ポートとが連通する第2流路状態(図1の破線で示す状態)とに切り換えられる。
〈熱源側熱交換器〉
熱源側熱交換器(24)は、冷媒と熱源側流体とを熱交換させる。この例では、熱源側熱交換器(24)は、冷媒と空気(熱源側流体の一例)とを熱交換させる。
〈逆止弁ブリッジ〉
逆止弁ブリッジ(25)は、熱源側熱交換器(24)および利用側熱交換器(27)のうち凝縮器(放熱器)となる熱交換器から流出された冷媒を膨張機構(26)に供給し、膨張機構(26)から流出された冷媒を熱源側熱交換器(24)および利用側熱交換器(27)のうち蒸発器となる熱交換器に供給する。
具体的には、逆止弁ブリッジ(25)は、第1逆止弁(C1)と第2逆止弁(C2)と第3逆止弁(C3)と第4逆止弁(C4)とを有する。第1〜第4逆止弁(C1〜C4)の各々は、図1の矢印で示した方向への冷媒の流れを許容し、その逆方向の冷媒の流れを阻害する。第1逆止弁(C1)と第2逆止弁(C2)とが直列に接続され、第3逆止弁(C3)と第4逆止弁(C4)とが直列に接続される。また、第1逆止弁(C1)と第3逆止弁(C3)とが互いに接続され、第2逆止弁(C2)と第4逆止弁(C4)とが互いに接続される。
第1逆止弁(C1)と第2逆止弁(C2)との接続点である第1接続点(Q1)は、第6冷媒配管(P6)を経由して熱源側熱交換器(24)の液側に接続される。第3逆止弁(C3)と第4逆止弁(C4)との接続点である第2接続点(Q2)は、第7冷媒配管(P7)を経由して、利用側熱交換器(27)の液側に接続される。第1逆止弁(C1)と第3逆止弁(C3)との接続点である第3接続点(Q3)は、第8冷媒配管(P8)を経由して、膨張機構(26)に接続される。第2逆止弁(C2)と第4逆止弁(C4)との接続点である第4接続点(Q4)は、第9冷媒配管(P9)を経由して、膨張機構(26)に接続される。
〈膨張機構〉
膨張機構(26)は、冷媒を膨張させて冷媒の圧力を低下させる。この例では、膨張機構(26)は、開度を調節可能な膨張弁(例えば電子膨張弁)により構成される。
〈利用側熱交換器〉
利用側熱交換器(27)は、冷媒と利用側流体とを熱交換させる。この例では、利用側熱交換器(27)は、冷媒と水(利用側流体の一例)とを熱交換させる。
〈アキュムレータ〉
アキュムレータ(28)は、第3冷媒配管(P3)に設けられる。具体的には、第3冷媒配管(P3)は、四路切換弁(23)の第2ポートとアキュムレータ(28)の入口側とを接続する第1配管部(P31)と、アキュムレータ(28)の出口側と第1圧縮機(21)の吸入側とを接続する第2配管部(P32)とを有する。
〈バイパス逆止弁〉
バイパス逆止弁(29)は、第1圧縮機(21)が停止している場合に第1圧縮機(21)を迂回して第2圧縮機(22)の吸入側に冷媒を供給するために設けられる。具体的には、第3冷媒配管(P3)の第2配管部(P32)の中途部は、バイアス配管(PB)を経由して、第1冷媒配管(P1)の中途部に接続される。バイパス逆止弁(29)は、バイアス配管(PB)に設けられる。バイパス逆止弁(29)は、第3冷媒配管(P3)から第1冷媒配管(P1)へ向かう方向の冷媒の流れを許容し、その逆方向の冷媒の流れを阻害する。
〔インジェクション回路〕
インジェクション回路(30)は、熱源側熱交換器(24)および利用側熱交換器(27)のうち凝縮器(放熱器)となる熱交換器から膨張機構(26)へ向かう冷媒の一部を第2圧縮機(22)の吸入側に供給する。この例では、インジェクション回路(30)は、第1状態と第2状態とに切り換え可能となっている。
第1状態では、インジェクション回路(30)は、熱源側熱交換器(24)および利用側熱交換器(27)のうち凝縮器(放熱器)となる熱交換器から膨張機構(26)へ向かう冷媒の一部を第2圧縮機(22)の吸入側に冷媒を供給する。
第2状態では、インジェクション回路(30)は、熱源側熱交換器(24)および利用側熱交換器(27)のうち凝縮器(放熱器)となる熱交換器から膨張機構(26)へ向かう冷媒の一部を第2圧縮機(22)の圧縮途中の圧縮室に供給する。
具体的には、インジェクション回路(30)は、インジェクション膨張弁(31)と、開閉弁(32)と、インジェクション逆止弁(33)とを有する。また、インジェクション回路(30)には、第1インジェクション配管(PJ1)と、第2インジェクション配管(PJ2)と、第3インジェクション配管(PJ3)とが設けられる。第1インジェクション配管(PJ1)の一端は、第8冷媒配管(P8)の中途部に接続される。第2インジェクション配管(PJ2)は、第1インジェクション配管(PJ1)の他端と第1冷媒配管(P1)の中途部とを接続する。第3インジェクション配管(PJ3)は、第1インジェクション配管(PJ1)の他端と第2圧縮機(22)の中間ポートとを接続する。第1インジェクション配管(PJ1)には、インジェクション膨張弁(31)が設けられる。第2インジェクション配管(PJ2)には、開閉弁(32)が設けられる。第3インジェクション配管(PJ3)には、インジェクション逆止弁(33)が設けられる。
インジェクション膨張弁(31)は、インジェクション回路(30)を流れる冷媒(この例では第1インジェクション配管(PJ1)を流れる冷媒)を減圧する。開閉弁(32)は、開状態と閉状態とに切り換え可能である。インジェクション逆止弁(33)は、第1インジェクション配管(PJ1)から第2圧縮機(22)の中間ポートへ向かう冷媒の流れを許容し、その逆方向の冷媒の流れを阻害する。なお、インジェクション逆止弁(33)は、第2圧縮機(22)内に設けられてもよい。
この例では、開閉弁(32)を開状態にすることにより、インジェクション回路(30)が第1状態(上記冷媒の一部を第2圧縮機(22)の吸入側に冷媒を供給する状態)になる。開閉弁(32)を閉状態にすることにより、インジェクション回路(30)が第2状態(上記冷媒の一部を第2圧縮機(22)の圧縮途中の圧縮室に供給する状態)になる。
〔中間熱交換器〕
中間熱交換器(40)は、熱源側熱交換器(24)および利用側熱交換器(27)のうち凝縮器(放熱器)となる熱交換器から流出した冷媒と、インジェクション膨張弁(31)により減圧された冷媒とを熱交換させる。この例では、中間熱交換器(40)は、第8冷媒配管(P8)のうち第8冷媒配管(P8)の一端(第3接続点Q3)と第8冷媒配管(P8)と第1インジェクション配管(PJ1)との接続点との間にある配管部に接続される。また、中間熱交換器(40)は、第1インジェクション配管(PJ1)のうちインジェクション膨張弁(31)と第1インジェクション配管(PJ1)の他端(第1インジェクション配管(PJ1)と第2および第3インジェクション配管(PJ2,PJ3)との接続点)との間にある配管部とに接続される。そして、中間熱交換器(40)は、これらの配管部を流れる冷媒を熱交換させる。
〔各種センサ〕
冷凍サイクル装置(10)には、冷媒などの温度を検出する温度センサや、冷媒などの圧力を検出する圧力センサなどの各種センサ(図示を省略)が設けられる。これらの各種センサの検出結果(信号)は、制御部(100)に送信される。
〔制御部〕
制御部(100)は、冷凍サイクル装置(10)に設けられた各種センサの信号や外部からの制御信号に基づいて、冷凍サイクル装置(10)の各部を制御して冷凍サイクル装置(10)の動作を制御する。具体的には、制御部(100)は、第1圧縮機(21)と、第2圧縮機(22)と、四路切換弁(23)と、膨張機構(26)と、インジェクション膨張弁(31)と、開閉弁(32)とを制御する。例えば、制御部(100)は、プロセッサと、プロセッサと電気的に接続されてプロセッサを動作させるためのプログラムや情報を記憶するメモリとにより構成される。
〔冷凍サイクル装置の運転動作〕
実施形態1の冷凍サイクル装置(10)では、単段圧縮運転と、二段圧縮運転とが行われる。単段圧縮運転では、第1圧縮機(21)および第2圧縮機(22)の一方が停止し、第1圧縮機(21)および第2圧縮機(22)の他方が駆動する。この例では、第1圧縮機(21)が停止し、第2圧縮機(22)が駆動する。二段圧縮運転では、第1圧縮機(21)および第2圧縮機(22)の両方が駆動する。この例では、単段圧縮運転として、単段圧縮暖房運転と、単段圧縮冷房運転とが行われ、二段圧縮運転として、二段圧縮暖房運転と、二段圧縮冷房運転とが行われる。
〈単段圧縮暖房運転〉
単段圧縮暖房運転では、利用側熱交換器(27)が凝縮器(放熱器)となり熱源側熱交換器(24)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。具体的には、四路切換弁(23)が第1流路状態(図1の実線で示す状態)に設定される。膨張機構(26)における減圧量(具体的には膨張機構(26)を構成する膨張弁の開度)が適宜調節される。インジェクション膨張弁(31)が全閉状態に設定される。そして、第1圧縮機(21)が停止し、第2圧縮機(22)が駆動する。
第2圧縮機(22)から吐出された冷媒は、四路切換弁(23)を通過し、利用側熱交換器(27)において利用側流体に放熱して凝縮する。利用側熱交換器(27)から流出した冷媒は、逆止弁ブリッジ(25)を通過し、膨張機構(26)において減圧される。膨張機構(26)において減圧された冷媒は、逆止弁ブリッジ(25)を通過し、熱源側熱交換器(24)において熱源側流体から吸熱して蒸発する。熱源側熱交換器(24)から流出した冷媒は、四路切換弁(23)とアキュムレータ(28)とバイパス逆止弁(29)とを順に通過し、第2圧縮機(22)に吸入されて圧縮される。
〈単段圧縮冷房運転〉
単段圧縮冷房運転では、熱源側熱交換器(24)が凝縮器(放熱器)となり利用側熱交換器(27)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。具体的には、四路切換弁(23)が第2流路状態(図1の破線で示す状態)に設定される。膨張機構(26)における減圧量(具体的には膨張機構(26)を構成する膨張弁の開度)が適宜調節される。インジェクション膨張弁(31)が全閉状態に設定される。そして、第1圧縮機(21)が停止し、第2圧縮機(22)が駆動する。
第2圧縮機(22)から吐出された冷媒は、四路切換弁(23)を通過し、熱源側熱交換器(24)において熱源側流体に放熱して凝縮する。熱源側熱交換器(24)から流出した冷媒は、逆止弁ブリッジ(25)を通過し、膨張機構(26)において減圧される。膨張機構(26)において減圧された冷媒は、逆止弁ブリッジ(25)を通過し、利用側熱交換器(27)において利用側流体から吸熱して蒸発する。利用側熱交換器(27)から流出した冷媒は、四路切換弁(23)とアキュムレータ(28)とバイパス逆止弁(29)とを順に通過し、第2圧縮機(22)に吸入されて圧縮される。
なお、COP改善などの目的を達成するために、単段圧縮運転(具体的には単段圧縮暖房運転と単段圧縮冷房運転)において、熱源側熱交換器(24)および利用側熱交換器(27)のうち凝縮器(放熱器)となる熱交換器から膨張機構(26)へ向かう冷媒の一部が第2圧縮機(22)の圧縮途中の圧縮室に供給されてもよい。
〈二段圧縮暖房運転〉
二段圧縮暖房運転では、利用側熱交換器(27)が凝縮器(放熱器)となり熱源側熱交換器(24)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。具体的には、四路切換弁(23)が第1流路状態(図1の実線で示す状態)に設定される。膨張機構(26)における減圧量(具体的には膨張機構(26)を構成する膨張弁の開度)と、インジェクション膨張弁(31)の開度とが適宜調節される。そして、第1圧縮機(21)および第2圧縮機(22)の両方が駆動する。
第2圧縮機(22)から吐出された冷媒は、四路切換弁(23)を通過し、利用側熱交換器(27)において利用側流体に放熱して凝縮する。利用側熱交換器(27)から流出した冷媒は、逆止弁ブリッジ(25)を通過して第8冷媒配管(P8)を流れ、中間熱交換器(40)においてインジェクション回路(30)の第1インジェクション配管(PJ1)を流れる冷媒に放熱して過冷却される。中間熱交換器(40)から流出して第8冷媒配管(P8)を流れる冷媒は、その一部がインジェクション回路(30)に供給され、その残部が膨張機構(26)に供給される。
膨張機構(26)に供給された冷媒は、膨張機構(26)において減圧され、逆止弁ブリッジ(25)を通過し、熱源側熱交換器(24)において熱源側流体から吸熱して蒸発する。熱源側熱交換器(24)から流出した冷媒は、四路切換弁(23)とアキュムレータ(28)とを順に通過し、第1圧縮機(21)に吸入されて圧縮される。第1圧縮機(21)から吐出された冷媒は、第2圧縮機(22)に吸入されて圧縮される。
一方、インジェクション回路(30)に供給された冷媒は、第1インジェクション配管(PJ1)を流れ、インジェクション膨張弁(31)において減圧され、中間熱交換器(40)において第8冷媒配管(P8)を流れる冷媒から吸熱する。中間熱交換器(40)から流出して第1インジェクション配管(PJ1)を流れる冷媒は、インジェクション回路(30)の状態(具体的には開閉弁(32)の開閉状態)に応じて、第2圧縮機(22)の吸入側および第2圧縮機(22)の圧縮途中の圧縮室の一方に供給される。
インジェクション回路(30)が第1状態である場合(具体的には開閉弁(32)が開状態である場合)、第1インジェクション配管(PJ1)を流れる冷媒は、開状態の開閉弁(32)を通過して第1冷媒配管(P1)の中途部に供給される。第1冷媒配管(P1)に供給された冷媒は、第1圧縮機(21)から吐出された冷媒と合流し、第2圧縮機(22)に吸入されて圧縮される。これにより、第2圧縮機(22)に吸入される冷媒が冷却される。なお、インジェクション回路(30)が第1状態である場合、冷凍サイクルにおける冷媒の状態は、図2の実線のようになる。
インジェクション回路(30)が第2状態である場合(具体的には開閉弁(32)が閉状態である場合)、第1インジェクション配管(PJ1)を流れる冷媒は、インジェクション逆止弁(33)を通過して第2圧縮機(22)の中間ポートに供給される。第2圧縮機(22)の中間ポートに供給された冷媒は、第2圧縮機(22)の圧縮途中の圧縮室に供給され、圧縮室内の冷媒と混合される。これにより、第2圧縮機(22)の圧縮室内の冷媒が冷却される。なお、インジェクション回路(30)が第2状態である場合、冷凍サイクルにおける冷媒の状態は、図3の実線のようになる。
〈二段圧縮冷房運転〉
二段圧縮冷房運転では、熱源側熱交換器(24)が凝縮器(放熱器)となり利用側熱交換器(27)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。具体的には、四路切換弁(23)が第2流路状態(図1の破線で示す状態)に設定される。膨張機構(26)における減圧量(具体的には膨張機構(26)を構成する膨張弁の開度)と、インジェクション膨張弁(31)の開度とが適宜調節される。そして、第1圧縮機(21)および第2圧縮機(22)の両方が駆動する。
第2圧縮機(22)から吐出された冷媒は、四路切換弁(23)を通過し、熱源側熱交換器(24)において熱源側流体に放熱して凝縮する。熱源側熱交換器(24)から流出した冷媒は、逆止弁ブリッジ(25)を通過して第8冷媒配管(P8)を流れ、中間熱交換器(40)においてインジェクション回路(30)の第1インジェクション配管(PJ1)を流れる冷媒に放熱して過冷却される。中間熱交換器(40)から流出して第8冷媒配管(P8)を流れる冷媒は、その一部がインジェクション回路(30)に供給され、その残部が膨張機構(26)に供給される。
膨張機構(26)に供給された冷媒は、膨張機構(26)において減圧され、逆止弁ブリッジ(25)を通過し、利用側熱交換器(27)において利用側流体から吸熱して蒸発する。利用側熱交換器(27)から流出した冷媒は、四路切換弁(23)とアキュムレータ(28)とを順に通過し、第1圧縮機(21)に吸入されて圧縮される。第1圧縮機(21)から吐出された冷媒は、第2圧縮機(22)に吸入されて圧縮される。
一方、インジェクション回路(30)に供給された冷媒は、第1インジェクション配管(PJ1)を流れ、インジェクション膨張弁(31)において減圧され、中間熱交換器(40)において第8冷媒配管(P8)を流れる冷媒から吸熱する。中間熱交換器(40)から流出して第1インジェクション配管(PJ1)を流れる冷媒は、インジェクション回路(30)の状態(具体的には開閉弁(32)の開閉状態)に応じて、第2圧縮機(22)の吸入側および第2圧縮機(22)の圧縮途中の圧縮室の一方に供給される。
〔インジェクション回路の第1状態と第2状態との対比〕
次に、図3を参照して、インジェクション回路(30)の第1状態と第2状態とを対比する。図3の破線は、インジェクション回路(30)が第1状態である場合の冷凍サイクルにおける冷媒の状態を示し、図3の実線は、インジェクション回路(30)が第2状態である場合の冷凍サイクルにおける冷媒の状態を示している。
図3に示すように、インジェクション回路(30)の第2状態は、インジェクション回路(30)の第1状態よりも、第2圧縮機(22)から吐出される冷媒の温度(以下では「吐出温度」と記載)の上昇を抑制することができる状態であるといえる。また、インジェクション回路(30)の第1状態は、インジェクション回路(30)の第2状態よりも、第1圧縮機(21)の吐出温度の上昇を抑制することができる状態であるといえる。
〔二段圧縮運転における圧縮比制御〕
なお、二段圧縮暖房運転において、第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)は、第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)よりも小さくなっている。また、この例では、二段圧縮冷房運転においても、第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)は、第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)よりも小さくなっている。詳しくは、二段圧縮運転が行われる暖房の定常運転において、常に、第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)は、第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)よりも小さくなっている。二段圧縮運転が行われる冷房の定常運転においても、常に、第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)は、第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)よりも小さくなっている。
次に、図4を参照して、二段圧縮運転における圧縮比制御について説明する。制御部(100)は、二段圧縮運転の開始時に以下の処理(ステップ(S11〜S14))を行う。なお、以下の説明では、冷凍サイクル装置(10)における圧縮比(Pr)を「全体圧縮比(Pr)」と記載し、第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)を「第1圧縮比(Pr1)」と記載し、第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)を「第2圧縮比(Pr2)」と記載する。
〈ステップ(S11)〉
まず、制御部(100)は、冷媒回路(20)の高圧(Pc)の目標値である目標高圧と、冷媒回路(20)の低圧(Pe)の目標値である目標低圧とを算出する。具体的には、制御部(100)は、熱負荷から目標高圧と目標低圧を算出する。熱負荷は、例えば、空調対象空間の空気の温度と空調対象空間において定められた目標温度との差に基づいて導出される。
〈ステップ(S12)〉
次に、制御部(100)は、ステップ(S11)において算出された目標高圧と目標低圧に基づいて全体圧縮比(Pr)を算出する。例えば、制御部(100)は、目標高圧を目標低圧で除算して得られる値を全体圧縮比(Pr)として算出する。
〈ステップ(S13)〉
次に、制御部(100)は、ステップ(S12)において算出された全体圧縮比(Pr)と、予め定められた全体圧縮比(Pr)と第1圧縮比(Pr1)と第2圧縮比(Pr2)との関係とに基づいて、第1圧縮比(Pr1)の目標値と第2圧縮比(Pr2)の目標値を算出する。例えば、制御部(100)は、全体圧縮比(Pr)と第1圧縮比(Pr1)と第2圧縮比(Pr2)との関係を示す関係式を記憶しており、その関係式にステップ(S12)において算出された全体圧縮比(Pr)を代入することで、第1圧縮比(Pr1)の目標値と第2圧縮比(Pr2)の目標値を算出する。具体的には、以下の式(1)と式(2)に基づいて第1圧縮比(Pr1)の目標値と第2圧縮比(Pr2)の目標値が導出される。
Pr1=A×In(Pr2)+B …(1)
Pr=Pr1×Pr2 …(2)
なお、上の式において、“In”は、自然対数であり、“A”と”B”は、予め定められた係数である。
また、全体圧縮比(Pr)と第1圧縮比(Pr1)と第2圧縮比(Pr2)との関係をグラフで示すと、図5のようになる。なお、図5の縦軸は、圧縮比を示し、図5の横軸は、冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差(差圧)を示す。
〈ステップ(S14)〉
次に、制御部(100)は、冷凍サイクル装置(10)における第1圧縮比(Pr1)がステップ(S14)において算出された第1圧縮比(Pr1)の目標値となり、且つ、冷凍サイクル装置(10)における第2圧縮比(Pr2)がステップ(S14)において算出された第2圧縮比(Pr2)の目標値となるように、二段圧縮運転において第1圧縮機(21)の回転数および第2圧縮機(22)の回転数を制御する。
〔インジェクション回路の状態の切り換え〕
実施形態1の二段圧縮運転において、インジェクション回路(30)の状態は、冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差と相関のある物理量(X)に応じて切り換えられる。この例では、インジェクション回路(30)の状態は、物理量(X)と、第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)に対する第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)の割合(Prr)(以下では「圧縮比の割合(Prr)」と記載)とに応じて切り換えられる。具体的には、制御部(100)は、物理量(X)と圧縮比の割合(Prr)とに応じて、インジェクション回路(30)の状態を切り換える。なお、物理量(X)については後で詳しく説明する。
次に、図6を参照して、実施形態1の二段圧縮運転におけるインジェクション回路(30)の状態の切り換えについて具体的に説明する。なお、図6において、左下がりのハッチングが付された領域は、インジェクション回路(30)が第1状態に切り換えられる領域を示し、右下がりのハッチングが付された領域は、インジェクション回路(30)が第2状態に切り換えられる領域を示している。
図6に示すように、物理量(X)が予め定められた物理量閾値(Xth)未満である場合、インジェクション回路(30)は、第1状態となる。また、物理量(X)が物理量閾値(Xth)以上であり、且つ、圧縮比の割合(Prr)が予め定められた割合閾値(Pth1)以上である場合、インジェクション回路(30)は、第1状態となる。
また、物理量(X)が物理量閾値(Xth)以上であり、且つ、圧縮比の割合(Prr)が割合閾値(Pth1)未満である場合、インジェクション回路(30)は、第2状態となる。
なお、図6の例では、物理量(X)が大きくなるに連れて、割合閾値(Pth1)が次第に高くなる。具体的には、物理量(X)が大きくなるに連れて、割合閾値(Pth1)が第1割合(Prr1)から次第に高くなる。また、物理量(X)が大きくなるに連れて、圧縮比の割合(Prr)が次第に低くなる。具体的には、物理量(X)が物理量閾値(Xth)以上となると、物理量(X)が大きくなるに連れて、圧縮比の割合(Prr)が1から次第に低くなる。
〔物理量の具体例〕
次に、物理量(X)について説明する。上述のとおり、物理量(X)は、冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差と相関のある量である。
冷媒回路(20)における高圧(Pc)と相関のある量としては、例えば、以下の9つのパラメータを列挙することができる。
(1)吐出圧力:第1圧縮機(21)および第2圧縮機(22)により構成される圧縮機構から吐出される冷媒の圧力
(2)吐出温度:圧縮機構から吐出される冷媒の温度
(3)凝縮圧力:熱源側熱交換器(24)および利用側熱交換器(27)のうち凝縮器となる熱交換器における冷媒の凝縮圧力
(4)凝縮温度:凝縮器となる熱交換器における冷媒の凝縮温度
(5)高圧:冷媒圧力センサ(図示を省略)により検出される高圧(Pc)
(6)出湯温度:利用側熱交換器(27)が冷媒と水とを熱交換させる場合に暖房運転において利用側熱交換器(27)から流出する水の温度
(7)暖房吹出温度:利用側熱交換器(27)が冷媒と空気(利用側流体の一例)とを熱交換させる場合に暖房運転において利用側熱交換器(27)から流出する空気の温度
(8)暖房吸込温度:利用側熱交換器(27)が冷媒と空気(利用側流体の一例)とを熱交換させる場合に暖房運転において利用側熱交換器(27)に流入する空気の温度
(9)冷房外気温度:熱源側熱交換器(24)が冷媒と空気とを熱交換させる場合に冷房運転において熱源側熱交換器(24)に流入する空気の温度
以上の冷媒回路(20)における高圧(Pc)と相関のあるパラメータは、冷凍サイクル装置(10)に設けられた各種センサにより得ることが可能である。
また、冷媒回路(20)における低圧(Pe)と相関のある量としては、例えば、以下の9つのパラメータを列挙することができる。
(1)吸入圧力:第1圧縮機(21)および第2圧縮機(22)により構成される圧縮機構に吸入される冷媒の圧力
(2)吸入温度:圧縮機構に吸入される冷媒の温度
(3)蒸発圧力:熱源側熱交換器(24)および利用側熱交換器(27)のうち蒸発器となる熱交換器における冷媒の蒸発圧力
(4)蒸発温度:蒸発器となる熱交換器における冷媒の蒸発温度
(5)低圧:冷媒圧力センサ(図示を省略)により検出される低圧(Pe)
(6)冷却水温度:利用側熱交換器(27)が冷媒と水とを熱交換させる場合に冷房運転において利用側熱交換器(27)から流出する水の温度
(7)冷房吹出温度:利用側熱交換器(27)が冷媒と空気とを熱交換させる場合に冷房運転において利用側熱交換器(27)から流出する空気の温度
(8)冷房吸込温度:利用側熱交換器(27)が冷媒と空気とを熱交換させる場合に冷房運転において利用側熱交換器(27)に流入する空気の温度
(9)暖房外気温度:熱源側熱交換器(24)が冷媒と空気とを熱交換させる場合に暖房運転において熱源側熱交換器(24)に流入する空気の温度
以上の冷媒回路(20)における低圧(Pe)と相関のあるパラメータは、冷凍サイクル装置(10)に設けられた各種センサにより得ることが可能である。
以上より、物理量(X)として、例えば、(1)吐出圧力と吸入圧力との差、(2)吐出温度と吸入温度との差、(3)凝縮圧力と蒸発圧力との差、(4)凝縮温度と蒸発温度との差、(5)高圧(Pc)と低圧(Pe)との差、(6)出湯温度と暖房外気温度との差、(7)冷房外気温度と冷却水温度との差、(8)暖房吹出温度と暖房外気温度との差、(9)暖房吸込温度と暖房外気温度との差、(10)冷房外気温度と冷房吹出温度との差、(11)冷房外気温度と冷房吸込温度との差、などを利用することが可能である。
〔本実施形態と比較例との対比〕
次に、図2を参照して、本実施形態と比較例とを対比する。ここでは、第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)が第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)よりも大きくなっている場合を比較例とする。図2の破線は、この比較例における冷媒の状態を示している。以下では、説明の便宜上、比較例についても本実施形態と同様の符号を付して説明する。
図2の破線で示すように、第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)が第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)よりも大きくなっている場合(比較例)、第1圧縮機(21)の吐出温度が高くなりやすい。この傾向は、冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差が大きくなるほど顕著となる。その理由は、圧縮開始の圧力が低くなるほど、等エントロピー線の傾きが緩やかになるからである。このように、比較例の場合、第1圧縮機(21)の吐出温度が高くなり過ぎるおそれがある。例えば、インジェクション回路(30)により凝縮器(放熱器)から流出した冷媒の一部を第2圧縮機(22)の吸入側に供給することで第2圧縮機(22)の吐出温度を規定値以下に抑えることができたとしても、第1圧縮機(21)の吐出温度を規定値以下に抑えることができないおそれがある。そのため、低段側圧縮機を高温による破壊から保護することが困難である。
一方、図2の実線で示すように、本実施形態の冷凍サイクル装置(10)では、第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)が第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)よりも小さくなっているので、第1圧縮機(21)の吐出温度の上昇を抑制することができる。
〔実施形態1の特徴(1)〕
以上のように、本実施形態の冷凍サイクル装置(10)は、冷媒を圧縮して吐出する第1圧縮機(21)と、第1圧縮機(21)から吐出された冷媒を圧縮して吐出する第2圧縮機(22)と、熱源側熱交換器(24)と、膨張機構(26)と、利用側熱交換器(27)とを有する冷媒回路(20)と、熱源側熱交換器(24)および利用側熱交換器(27)のうち放熱器となる熱交換器から膨張機構(26)へ向かう冷媒の一部を第2圧縮機(22)の吸入側に供給するインジェクション回路(30)とを備える。利用側熱交換器(27)が放熱器となり、熱源側熱交換器(24)が蒸発器となる暖房の定常運転において、常に、第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)は、第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)よりも小さくなっている。
本実施形態では、暖房の定常運転において、第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)を第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)よりも小さくすることにより、第1圧縮機(21)から吐出される冷媒の温度(以下では「吐出温度」と記載)の上昇を抑制することができる。これにより、第1圧縮機(21)を高温による破壊から保護することができる。
〔実施形態1の特徴(2)〕
また、本実施形態の冷凍サイクル装置(10)は、中間熱交換器(40)をさらに備え、インジェクション回路(30)は、インジェクション回路(30)を流れる冷媒を減圧するインジェクション膨張弁(31)を有し、中間熱交換器(40)は、熱源側熱交換器(24)および利用側熱交換器(27)のうち放熱器となる熱交換器から流出した冷媒と、インジェクション膨張弁(31)により減圧された冷媒とを熱交換させる。
本実施形態では、中間熱交換器(40)において放熱器となる熱交換器(熱源側熱交換器(24)または利用側熱交換器(27))から流出した冷媒とインジェクション膨張弁(31)により減圧された冷媒とを熱交換させることにより、放熱器となる熱交換器から流出した冷媒を過冷却することができる。これにより、冷凍サイクル装置(10)の運転効率(例えばCOP)を向上させることができる。
〔実施形態1の特徴(3)〕
本実施形態の冷凍サイクル装置(10)では、第2圧縮機(22)は、冷媒を圧縮するための圧縮室を有し、圧縮途中の圧縮室に冷媒を供給できるように構成されており、インジェクション回路(30)は、熱源側熱交換器(24)および利用側熱交換器(27)のうち放熱器となる熱交換器から膨張機構(26)へ向かう冷媒の一部を第2圧縮機(22)の吸入側に冷媒を供給する第1状態と、上記冷媒の一部を第2圧縮機(22)の圧縮途中の圧縮室に供給する第2状態とに切り換え可能となっている。
本実施形態では、インジェクション回路(30)の状態を第1状態と第2状態とに切り換えることができるので、インジェクションを利用して第2圧縮機(22)の吐出温度の上昇を適切に抑制することができる。これにより、冷凍サイクル装置(10)の動作可能な範囲(冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差の範囲)を広くすることができる。
〔実施形態1の特徴(4)〕
本実施形態の冷凍サイクル装置(10)では、冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差と相関のある物理量(X)に応じてインジェクション回路(30)の状態が切り換えられる。
本実施形態では、物理量(X)に応じてインジェクション回路(30)の状態を切り換えることにより、インジェクション回路(30)の切り換えを適切に行うことができる。
〔実施形態1の特徴(5)〕
本実施形態の冷凍サイクル装置(10)では、冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差と相関のある物理量(X)と第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)に対する第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)の割合(Prr)とに応じてインジェクション回路(30)の状態が切り換えられる。
本実施形態では、物理量(X)と、圧縮比の割合(Prr)(第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)に対する第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)の割合(Prr))とに応じてインジェクション回路(30)の状態を切り換えることにより、物理量(X)のみに基づいてインジェクション回路(30)の状態を切り換える場合よりも、インジェクション回路(30)の切り換えを適切に行うことができる。
〔実施形態1の特徴(6)〕
本実施形態の冷凍サイクル装置(10)では、インジェクション回路(30)は、物理量(X)が予め定められた物理量閾値(Xth)未満である場合と、物理量(X)が物理量閾値(Xth)以上であり且つ第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)に対する第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)の割合(Prr)が予め定められた割合閾値(Pth1)以上である場合に、第1状態となり、物理量(X)が物理量閾値(Xth)以上であり且つ第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)に対する第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)の割合(Prr)が割合閾値(Pth1)未満である場合に、第2状態となる。
本実施形態では、冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差が比較的に低い場合(第2圧縮機(22)の吐出温度が比較的に上昇しにくい場合)に、インジェクション回路(30)を第1状態にすることができる。なお、インジェクション回路(30)の第1状態は、インジェクション回路(30)の第2状態よりも、第1圧縮機(21)の吐出温度の上昇を抑制することができる。したがって、冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差が比較的に低い場合に、インジェクション回路(30)を第1状態にすることにより、第1圧縮機(21)の吐出温度の上昇を抑制する効果を向上させることができる。
また、本実施形態では、冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差が比較的に高い場合(第2圧縮機(22)の吐出温度が比較的に上昇しやすい場合)に、圧縮比の割合(Prr)に応じてインジェクション回路(30)を第2状態にすることができる。なお、インジェクション回路(30)の第2状態は、インジェクション回路(30)の第1状態よりも、第2圧縮機(22)の吐出温度の上昇を抑制することができる。したがって、冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差が比較的に高い場合に、圧縮比の割合(Prr)に応じてインジェクション回路(30)を第2状態にすることにより、第2圧縮機(22)の吐出温度の上昇を適切に抑制することができる。
〔実施形態1の特徴(7)〕
本実施形態の冷凍サイクル装置(10)では、物理量(X)が大きくなるに連れて割合閾値(Pth1)が次第に高くなる。
本実施形態では、冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差が大きくなるに連れて、第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)が大きくなり、第2圧縮機(22)の吐出温度が上昇しやすくなる。したがって、物理量(X)が大きくなるに連れて割合閾値(Pth1)を次第に高くすることにより、冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差の増加により第2圧縮機(22)の吐出温度が上昇しやすくなった場合に、第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)が比較的に低い段階で、インジェクション回路(30)を第2状態にすることができる。これにより、第2圧縮機(22)の吐出温度の上昇を適切に抑制することができる。
〔実施形態1の特徴(8)〕
本実施形態の冷凍サイクル装置(10)では、冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差と相関のある物理量(X)が大きくなるに連れて、第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)に対する第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)の割合(Prr)が次第に低くなる。
本実施形態では、物理量(X)が大きくなるに連れて、圧縮比の割合(Prr)を次第に低くすることにより、冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差の増加により冷凍サイクル装置(10)に要求される圧縮比(第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)と第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)との積に相当する圧縮比)が増加したとしても、第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)の増加を抑制することができる。これにより、第1圧縮機(21)の負担が増加することを抑制することができる。
〔実施形態1の特徴(9)〕
本実施形態の冷凍サイクル装置(10)では、熱源側熱交換器(24)が放熱器となり、利用側熱交換器(27)が蒸発器となる冷房の定常運転においても、常に、第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)は、第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)よりも小さくなっている。
本実施形態では、冷房の定常運転において、第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)を第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)よりも小さくすることにより、暖房の定常運転時と同様に、第1圧縮機(21)の吐出温度の上昇を抑制することができ、第1圧縮機(21)を高温による破壊から保護することができる。
また、第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)を比較的に大きくすることができるので、冷媒回路(20)の冷凍サイクルにおける過冷却度を大きくすることできる。これにより、蒸発器となる利用側熱交換器(27)におけるエンタルピー差を大きくすることができるので、冷凍サイクル装置(10)の運転効率を向上させることができる。
さらに、暖房運転および冷房運転の両方において第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)を第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)よりも小さくすることにより、第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)を第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)よりも常に小さくすることができる。これにより、第1圧縮機(21)の小型化および低コスト化を実現することができ、冷凍サイクル装置(10)の小型化および低コスト化を実現することができる。
〔実施形態1の特徴(10)〕
本実施形態の冷凍サイクル装置(10)では、第1圧縮機(21)は、ロータリ式または揺動ピストン式の圧縮機である。
本実施形態では、第1圧縮機(21)をロータリ式または揺動ピストン式の圧縮機で構成することにより、第1圧縮機(21)をスクロール式の圧縮機で構成する場合よりも、第1圧縮機(21)の小型化および高速化を実現することができる。これにより、冷媒密度が低い運転状況下においても冷媒流量の確保を容易にすることができる。また、冷凍サイクル装置(10)の小型化および低コスト化を実現することができる。
(実施形態2)
図7は、実施形態2の冷凍サイクル装置(10)の構成を例示する。実施形態2の冷凍サイクル装置(10)は、インジェクション回路(30)の構成が実施形態1の冷凍サイクル装置(10)と異なっている。実施形態2の冷凍サイクル装置(10)のその他の構成は、実施形態1の冷凍サイクル装置(10)の構成と同様である。
インジェクション回路(30)は、第1状態と第2状態と第3状態とに切り換え可能となっている。第1状態では、インジェクション回路(30)は、熱源側熱交換器(24)および利用側熱交換器(27)のうち凝縮器(放熱器)となる熱交換器から膨張機構(26)へ向かう冷媒の一部を第2圧縮機(22)の吸入側に冷媒を供給する。第2状態では、インジェクション回路(30)は、熱源側熱交換器(24)および利用側熱交換器(27)のうち凝縮器(放熱器)となる熱交換器から膨張機構(26)へ向かう冷媒の一部を第2圧縮機(22)の圧縮途中の圧縮室に供給する。第3状態では、インジェクション回路(30)は、熱源側熱交換器(24)および利用側熱交換器(27)のうち凝縮器(放熱器)となる熱交換器から膨張機構(26)へ向かう冷媒の一部を第2圧縮機(22)の吸入側および圧縮途中の圧縮室の両方に供給する。
具体的には、インジェクション回路(30)は、図1に示した開閉弁(32)に代えて、減圧弁(34)を有する。実施形態2のインジェクション回路(30)のその他の構成は、実施形態1のインジェクション回路(30)の構成と同様である。
減圧弁(34)は、第2インジェクション配管(PJ2)に設けられる。減圧弁(34)は、開度を調節可能である。例えば、減圧弁(34)は、電動弁により構成される。この例では、減圧弁(34)を全開状態にすることにより、インジェクション回路(30)が第1状態(上記冷媒の一部を第2圧縮機(22)の吸入側に冷媒を供給する状態)になる。減圧弁(34)を全閉状態にすることにより、インジェクション回路(30)が第2状態(上記冷媒の一部を第2圧縮機(22)の圧縮途中の圧縮室に供給する状態)になる。減圧弁(34)を全閉状態と全開状態との間の状態にすることにより、インジェクション回路(30)が第3状態(上記冷媒の一部を第2圧縮機(22)の吸入側および圧縮途中の圧縮室の両方に供給する状態)になる。
〔冷凍サイクル装置の運転動作〕
実施形態1の冷凍サイクル装置(10)と同様に、実施形態2の冷凍サイクル装置(10)においても、単段圧縮運転(詳しくは単段圧縮暖房運転と単段圧縮冷房運転)と、二段圧縮運転(詳しくは二段圧縮暖房運転と二段圧縮冷房運転)とが行われる。
二段圧縮暖房運転(または二段圧縮冷房運転)において、インジェクション回路(30)が第3状態である場合、第1インジェクション配管(PJ1)を流れる冷媒は、その一部が減圧弁(34)を通過して第1冷媒配管(P1)の中途部に供給され、その残部がインジェクション逆止弁(33)を通過して第2圧縮機(22)の中間ポートに供給される。第1冷媒配管(P1)に供給された冷媒は、第1圧縮機(21)から吐出された冷媒と合流し、第2圧縮機(22)に吸入されて圧縮される。これにより、第2圧縮機(22)に吸入される冷媒が冷却される。また、インジェクション逆止弁(33)を通過した冷媒は、第2圧縮機(22)の圧縮途中の圧縮室に供給され、圧縮室内の冷媒と混合される。これにより、第2圧縮機(22)の圧縮室内の冷媒が冷却される。なお、インジェクション回路(30)が第3状態である場合、冷凍サイクルにおける冷媒の状態は、図8の実線のようになる。
〔インジェクション回路の第2状態と第3状態との対比〕
次に、図8を参照して、インジェクション回路(30)の第2状態と第3状態とを対比する。図8の破線は、インジェクション回路(30)が第2状態である場合の冷凍サイクルにおける冷媒の状態を示し、図8の実線は、インジェクション回路(30)が第3状態である場合の冷凍サイクルにおける冷媒の状態を示している。
図8に示すように、インジェクション回路(30)の第3状態は、インジェクション回路(30)の第2状態に対し、第2圧縮機(22)の吐出温度の上昇を抑制しながら効率を向上させることができる状態であるといえる。
〔インジェクション回路の状態の切り換え〕
実施形態2の二段圧縮運転において、インジェクション回路(30)の状態は、物理量(X)(冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差と相関のある量)に応じて切り換えられる。この例では、インジェクション回路(30)の状態は、物理量(X)と、圧縮比(Pr1,Pr2)の割合(Prr)(第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)に対する第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)の割合(Prr))とに応じて切り換えられる。具体的には、制御部(100)は、物理量(X)と圧縮比の割合(Prr)とに応じて、インジェクション回路(30)の状態を切り換える。
次に、図9を参照して、実施形態2の二段圧縮運転におけるインジェクション回路(30)の状態の切り換えについて具体的に説明する。なお、図9において、左下がりのハッチングが付された領域は、インジェクション回路(30)が第1状態に切り換えられる領域を示し、右下がりの粗いハッチングが付された領域は、インジェクション回路(30)が第2状態に切り換えられる領域を示し、右下がりの細かいハッチングが付された領域は、インジェクション回路(30)が第3状態に切り換えられる領域を示している。
図9に示すように、物理量(X)が物理量閾値(Xth)未満である場合、インジェクション回路(30)は、第1状態となる。また、物理量(X)が物理量閾値(Xth)以上であり、且つ、圧縮比の割合(Prr)が割合閾値(Pth1)以上である場合、インジェクション回路(30)は、第1状態となる。
また、物理量(X)が物理量閾値(Xth)以上であり、且つ、圧縮比の割合(Prr)が割合閾値(Pth1)から割合閾値(Pth1)よりも低い低側割合閾値(Pth2)までの範囲内である場合、インジェクション回路(30)は、第2状態となる。
また、物理量(X)が物理量閾値(Xth)以上であり、且つ、圧縮比の割合(Prr)が低側割合閾値(Pth2)よりも低い場合、インジェクション回路(30)は、第3状態となる。
なお、図9の例では、物理量(X)が大きくなるに連れて割合閾値(Pth1)および低側割合閾値(Pth2)が次第に高くなる。具体的には、物理量(X)が大きくなるに連れて、割合閾値(Pth1)が第1割合(Prr1)から次第に高くなり、低側割合閾値(Pth2)が第1割合(Prr1)よりも低い第2割合(Prr2)から次第に高くなる。また、物理量(X)が大きくなるに連れて、圧縮比の割合(Prr)が次第に低くなる。具体的には、物理量(X)が物理量閾値(Xth)以上となると、物理量(X)が大きくなるに連れて、圧縮比の割合(Prr)が1から次第に低くなる。
〔実施形態2の特徴〕
以上のように、本実施形態の冷凍サイクル装置(10)では、第2圧縮機(22)は、冷媒を圧縮するための圧縮室を有し、圧縮途中の圧縮室に冷媒を供給できるように構成されており、インジェクション回路(30)は、熱源側熱交換器(24)および利用側熱交換器(27)のうち放熱器となる熱交換器から膨張機構(26)へ向かう冷媒の一部を第2圧縮機(22)の吸入側に供給する第1状態と、上記冷媒の一部を第2圧縮機(22)の圧縮途中の圧縮室に供給する第2状態と、上記冷媒の一部を第2圧縮機(22)の吸入側および圧縮途中の圧縮室の両方に供給する第3状態とに切り換え可能となっている。
本実施形態では、インジェクション回路(30)の状態を第1状態と第2状態と第3状態とに切り換えることができるので、インジェクションを利用して第2圧縮機(22)の吐出温度の上昇を適切に抑制することができる。これにより、冷凍サイクル装置(10)の動作可能な範囲(冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差の範囲)を広くすることができる。また、実施形態1よりも効率を向上させることができる。
(その他の実施形態)
以上の説明において、第1圧縮機(21)は、ターボ式の圧縮機であってもよい。このように、第1圧縮機(21)をターボ式の圧縮機で構成することにより、第1圧縮機(21)をスクロール式,ロータリ式,または揺動ピストン式の圧縮機で構成する場合よりも、第1圧縮機(21)の小型化および高速化を実現することができる。これにより、冷媒密度が低い運転状況下においても冷媒流量の確保を容易にすることができる。また、冷凍サイクル装置(10)の小型化および低コスト化を実現することができる。
また、以上の説明では、冷媒の具体例としてR410A,R32,R407Cなどを列挙したが、冷媒は、その他の種類の冷媒であってもよい。例えば、冷媒は、二酸化炭素であってもよい。
また、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態および変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり置換したりしてもよい。
以上説明したように、本開示は、冷凍サイクル装置として有用である。
10 冷凍サイクル装置
20 冷媒回路
21 第1圧縮機
22 第2圧縮機
23 四路切換弁
24 熱源側熱交換器
25 逆止弁ブリッジ
26 膨張機構
27 利用側熱交換器
28 アキュムレータ
29 バイパス逆止弁
30 インジェクション回路
31 インジェクション膨張弁
32 開閉弁
33 インジェクション逆止弁
34 減圧弁
40 中間熱交換器
本開示は、冷凍サイクル装置に関する。
特許文献1には、空気調和機が開示されている。この空気調和機では、低段側圧縮機と高段側圧縮機と凝縮器と第1減圧装置と蒸発器とが順次接続されて冷凍サイクルが構成されている。また、この空気調和機では、暖房運転時において低段側圧縮機の圧縮比が高段側圧縮機の圧縮比より大きくなる。
特開2004−183913号公報
特許文献1の空気調和機では、低段側圧縮機の圧縮比が高段側圧縮機の圧縮比より大きくなっているので、低段側圧縮機から吐出される冷媒の温度が高くなり過ぎるおそれがある。そのため、低段側圧縮機を高温による破壊から保護することが困難である。
本開示の第1の態様は、冷凍サイクル装置に関し、この冷凍サイクル装置は、冷媒を圧縮して吐出する第1圧縮機(21)と、前記第1圧縮機(21)から吐出された冷媒を圧縮して吐出する第2圧縮機(22)と、熱源側熱交換器(24)と、膨張機構(26)と、利用側熱交換器(27)とを有する冷媒回路(20)と、前記熱源側熱交換器(24)および前記利用側熱交換器(27)のうち放熱器となる熱交換器から前記膨張機構(26)へ向かう冷媒の一部を前記第2圧縮機(22)の吸入側に供給するインジェクション回路(30)とを備える。前記第1圧縮機(21)および前記第2圧縮機(22)の両方が駆動し、前記利用側熱交換器(27)が放熱器となり、前記熱源側熱交換器(24)が蒸発器となる二段圧縮暖房運転の定常運転において、常に、前記第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)は、前記第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)よりも小さくなっている。前記第2圧縮機(22)は、冷媒を圧縮するための圧縮室を有し、圧縮途中の圧縮室に冷媒を供給できるように構成されている。前記インジェクション回路(30)は、前記二段圧縮暖房運転において、前記熱源側熱交換器(24)および前記利用側熱交換器(27)のうち放熱器となる熱交換器から前記膨張機構(26)へ向かう冷媒の一部を前記第2圧縮機(22)の吸入側に冷媒を供給する第1状態と、該冷媒の一部を前記第2圧縮機(22)の圧縮途中の圧縮室に供給する第2状態とに切り換え可能となっている。
第1の態様では、暖房の定常運転において、第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)を第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)よりも小さくすることにより、第1圧縮機(21)から吐出される冷媒の温度(以下では「吐出温度」と記載)の上昇を抑制することができる。これにより、第1圧縮機(21)を高温による破壊から保護することができる。
また、第1の態様では、インジェクション回路(30)の状態を第1状態と第2状態とに切り換えることができるので、インジェクションを利用して第2圧縮機(22)の吐出温度の上昇を適切に抑制することができる。これにより、冷凍サイクル装置(10)の動作可能な範囲(冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差の範囲)を広くすることができる。
本開示の第2の態様は、第1の態様において、中間熱交換器(40)をさらに備え、前記インジェクション回路(30)は、該インジェクション回路(30)を流れる冷媒を減圧するインジェクション膨張弁(31)を有し、前記中間熱交換器(40)は、前記熱源側熱交換器(24)および前記利用側熱交換器(27)のうち放熱器となる熱交換器から流出した冷媒と、前記インジェクション膨張弁(31)により減圧された冷媒とを熱交換させることを特徴とする冷凍サイクル装置である。
第2の態様では、中間熱交換器(40)において放熱器となる熱交換器(熱源側熱交換器(24)または利用側熱交換器(27))から流出した冷媒とインジェクション膨張弁(31)により減圧された冷媒とを熱交換させることにより、放熱器となる熱交換器から流出した冷媒を過冷却することができる。これにより、冷凍サイクル装置(10)の運転効率(例えばCOP)を向上させることができる
本開示の第の態様は、第1または第2の態様において、前記インジェクション回路(30)は、前記二段圧縮暖房運転において、前記第1状態と、前記第2状態と、前記冷媒の一部を前記第2圧縮機(22)の吸入側および圧縮途中の圧縮室の両方に供給する第3状態とに切り換え可能となっていることを特徴とする冷凍サイクル装置である。
の態様では、インジェクション回路(30)の状態を第1状態と第2状態と第3状態とに切り換えることができるので、インジェクションを利用して第2圧縮機(22)の吐出温度の上昇を適切に抑制することができる。これにより、冷凍サイクル装置(10)の動作可能な範囲(冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差の範囲)を広くすることができる。
本開示の第の態様は、第1〜第3の態様のいずれか1つにおいて、前記冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差と相関のある物理量(X)に応じて前記インジェクション回路(30)の状態が切り換えられることを特徴とする冷凍サイクル装置である。
の態様では、物理量(X)に応じてインジェクション回路(30)の状態を切り換えることにより、インジェクション回路(30)の切り換えを適切に行うことができる。
本開示の第の態様は、第1または第2の態様において、前記冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差と相関のある物理量(X)と前記第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)に対する前記第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)の割合(Prr)とに応じて前記インジェクション回路(30)の状態が切り換えられることを特徴とする冷凍サイクル装置である。
の態様では、物理量(X)と、第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)に対する第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)の割合(Prr)(以下では「圧縮比の割合(Prr)」と記載)とに応じてインジェクション回路(30)の状態を切り換えることにより、物理量(X)のみに基づいてインジェクション回路(30)の状態を切り換える場合よりも、インジェクション回路(30)の切り換えを適切に行うことができる。
本開示の第の態様は、第の態様において、前記インジェクション回路(30)は、前記物理量(X)が予め定められた物理量閾値(Xth)未満である場合と、前記物理量(X)が前記物理量閾値(Xth)以上であり且つ前記第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)に対する前記第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)の割合(Prr)が予め定められた割合閾値(Pth1)以上である場合に、前記第1状態となり、前記物理量(X)が前記物理量閾値(Xth)以上であり且つ前記第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)に対する前記第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)の割合(Prr)が前記割合閾値(Pth1)未満である場合に、前記第2状態となることを特徴とする冷凍サイクル装置である。
の態様では、冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差が比較的に低い場合(第2圧縮機(22)の吐出温度が比較的に上昇しにくい場合)に、インジェクション回路(30)を第1状態にすることができる。なお、インジェクション回路(30)の第1状態は、インジェクション回路(30)の第2状態よりも、第1圧縮機(21)の吐出温度の上昇を抑制することができる。したがって、冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差が比較的に低い場合に、インジェクション回路(30)を第1状態にすることにより、第1圧縮機(21)の吐出温度の上昇を抑制する効果を向上させることができる。
また、第の態様では、冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差が比較的に高い場合(第2圧縮機(22)の吐出温度が比較的に上昇しやすい場合)に、圧縮比の割合(Prr)に応じてインジェクション回路(30)を第2状態にすることができる。なお、インジェクション回路(30)の第2状態は、インジェクション回路(30)の第1状態よりも、第2圧縮機(22)の吐出温度の上昇を抑制することができる。したがって、冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差が比較的に高い場合に、圧縮比の割合(Prr)に応じてインジェクション回路(30)を第2状態にすることにより、第2圧縮機(22)の吐出温度の上昇を適切に抑制することができる。
本開示の第の態様は、第の態様において、前記物理量(X)が大きくなるに連れて前記割合閾値(Pth1)が次第に高くなることを特徴とする冷凍サイクル装置である。
の態様では、冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差が大きくなるに連れて、第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)が大きくなり、第2圧縮機(22)の吐出温度が上昇しやすくなる。したがって、物理量(X)が大きくなるに連れて割合閾値(Pth1)を次第に高くすることにより、冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差の増加により第2圧縮機(22)の吐出温度が上昇しやすくなった場合に、第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)が比較的に低い段階で、インジェクション回路(30)を第2状態にすることができる。これにより、第2圧縮機(22)の吐出温度の上昇を適切に抑制することができる。
本開示の第の態様は、第1〜第の態様のいずれか1つにおいて、前記冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差と相関のある物理量(X)が大きくなるに連れて、前記第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)に対する前記第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)の割合(Prr)が次第に低くなることを特徴とする冷凍サイクル装置である。
の態様では、物理量(X)が大きくなるに連れて、圧縮比の割合(Prr)を次第に低くすることにより、冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差の増加により冷凍サイクル装置(10)に要求される圧縮比(第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)と第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)との積に相当する圧縮比)が増加したとしても、第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)の増加を抑制することができる。これにより、第1圧縮機(21)の負担が増加することを抑制することができる。
本開示の第の態様は、第1〜第の態様のいずれか1つにおいて、前記熱源側熱交換器(24)が放熱器となり、前記利用側熱交換器(27)が蒸発器となる冷房の定常運転においても、常に、前記第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)は、前記第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)よりも小さくなっていることを特徴とする冷凍サイクル装置である。
の態様では、冷房の定常運転において、第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)を第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)よりも小さくすることにより、暖房の定常運転時と同様、第1圧縮機(21)の吐出温度の上昇を抑制することができ、第1圧縮機(21)を高温による破壊から保護することができる。
本開示の第10の態様は、第1〜第の態様のいずれか1つにおいて、前記第1圧縮機(21)は、ロータリ式または揺動ピストン式の圧縮機であることを特徴とする冷凍サイクル装置である。
10の態様では、第1圧縮機(21)をロータリ式または揺動ピストン式の圧縮機で構成することにより、第1圧縮機(21)をスクロール式の圧縮機で構成する場合よりも、第1圧縮機(21)の小型化および高速化を実現することができる。これにより、冷媒密度が低い運転状況下においても冷媒流量の確保を容易にすることができる。また、冷凍サイクル装置(10)の小型化および低コスト化を実現することができる。
本開示の第11の態様は、第1〜第の態様のいずれか1つにおいて、前記第1圧縮機(21)は、ターボ式の圧縮機であることを特徴とする冷凍サイクル装置である。
11の態様では、第1圧縮機(21)をターボ式の圧縮機で構成することにより、第1圧縮機(21)をスクロール式,ロータリ式,または揺動ピストン式の圧縮機で構成する場合よりも、第1圧縮機(21)の小型化および高速化を実現することができる。これにより、冷媒密度が低い運転状況下においても冷媒流量の確保を容易にすることができる。また、冷凍サイクル装置(10)の小型化および低コスト化を実現することができる。
図1は、実施形態1の冷凍サイクル装置の構成を例示する配管図である。 図2は、インジェクション回路が第1状態である場合の暖房運転における冷媒の状態を例示するモリエル線図である。 図3は、インジェクション回路が第2状態である場合の暖房運転における冷媒の状態を例示するモリエル線図である。 図4は、圧縮比制御について説明するためのフローチャートである。 図5は、圧縮比と差圧との関係について説明するためのグラフである。 図6は、実施形態1におけるインジェクション回路の状態の切り換えについて説明するためのグラフである。 図7は、実施形態2の冷凍サイクル装置の構成を例示する配管図である。 図8は、インジェクション回路が第3状態である場合の暖房運転における冷媒の状態を例示するモリエル線図である。 図9は、実施形態2におけるインジェクション回路の状態の切り換えについて説明するためのグラフである。
以下、実施の形態を図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一の符号を付しその説明は繰り返さない。
(実施形態1)
図1は、実施形態1による冷凍サイクル装置(10)の構成を例示する。この例では、冷凍サイクル装置(10)は、空調対象空間(図示を省略)に供給される水(利用側流体の一例)を加熱することで空調対象空間を暖房する暖房運転と、空調対象空間に供給される水を冷却することで空調対象空間を冷房する冷房運転とを行う空気調和機を構成する。冷凍サイクル装置(10)は、冷媒回路(20)と、インジェクション回路(30)と、中間熱交換器(40)と、制御部(100)とを備える。
なお、暖房運転には、定常運転が含まれる。暖房運転における定常運転(以下では「暖房の定常運転」と記載)は、暖房能力が安定している運転のことである。例えば、暖房の定常運転は、暖房能力の単位時間当たりの変動量が予め定められた許容量に収まっている運転のことであり、起動時などを含む過渡状態の運転を含まない。以下では、暖房の定常運転を単に「暖房運転」と記載する。
また、冷房運転には、定常運転が含まれる。冷房運転における定常運転(以下では「冷房の定常運転」と記載)は、冷房能力が安定している運転のことである。例えば、冷房の定常運転は、冷房能力の単位時間当たりの変動量が予め定められた許容量に収まっている運転のことであり、起動時などを含む過渡状態の運転を含まない。以下では、冷房の定常運転を単に「冷房運転」と記載する。
〔冷媒回路〕
冷媒回路(20)は、第1圧縮機(21)と、第2圧縮機(22)と、四路切換弁(23)と、熱源側熱交換器(24)と、逆止弁ブリッジ(25)と、膨張機構(26)と、利用側熱交換器(27)と、アキュムレータ(28)と、バイパス逆止弁(29)とを有する。冷媒回路(20)には、冷媒が充填されており、冷媒回路(20)において冷媒が循環することで冷凍サイクルが行われる。冷媒は、例えば、R410A,R32,R407Cなどである。
〈第1圧縮機〉
第1圧縮機(21)は、吸入した冷媒を圧縮し、圧縮した冷媒を吐出する。この例では、第1圧縮機(21)は、ロータリ式の圧縮機である。なお、第1圧縮機(21)は、揺動ピストン式の圧縮機であってもよい。なお、ロータリ式の圧縮機は、ピストンとブレード(ベーン)とが別体である圧縮機のことである。揺動ピストン式の圧縮機は、ピストンとブレードとが一体化された圧縮機のことである。
また、第1圧縮機(21)の回転数は、可変である。例えば、第1圧縮機(21)は、第1圧縮機(21)に電気的に接続されたインバータ(図示を省略)の出力周波数を変化させることで、第1圧縮機(21)の内部に設けられたモータの回転数が変化し、その結果、第1圧縮機(21)の回転数(運転周波数)が変化するようになっている。
〈第2圧縮機〉
第2圧縮機(22)は、吸入した冷媒を圧縮し、圧縮した冷媒を吐出する。この例では、第2圧縮機(22)は、冷媒を圧縮するための圧縮室を有し、圧縮途中の圧縮室に冷媒を供給できるように構成されている。具体的には、第2圧縮機(22)には、吸入ポートと中間ポートと吐出ポートとが設けられている。吸入ポートは、第2圧縮機(22)の吸入行程において圧縮室(低圧の圧縮室)と連通する。中間ポートは、第2圧縮機(22)の圧縮行程の途中において圧縮室(中間圧の圧縮室)と連通する。吐出ポートは、第2圧縮機(22)の吐出行程において圧縮室(高圧の圧縮室)と連通する。例えば、第2圧縮機(22)は、スクロール式の圧縮機であってもよいし、ロータリ式の圧縮機であってもよいし、揺動ピストン式の圧縮機であってもよいし、ターボ式の圧縮機であってもよいし、その他の圧縮機であってもよい。
また、第1圧縮機(21)と同様、第2圧縮機(22)の回転数は、可変である。例えば、第2圧縮機(22)は、第2圧縮機(22)に電気的に接続されたインバータ(図示を省略)の出力周波数を変化させることで、第2圧縮機(22)の内部に設けられたモータの回転数が変化し、その結果、第2圧縮機(22)の回転数(運転周波数)が変化するようになっている。
この例では、第2圧縮機(22)は、第1圧縮機(21)から吐出された冷媒を圧縮するように構成される。具体的には、第2圧縮機(22)の吸入側(吸入ポート)は、第1冷媒配管(P1)を経由して、第1圧縮機(21)の吐出側に接続される。
〈四路切換弁〉
四路切換弁(23)の第1ポートは、第2冷媒配管(P2)を経由して、第2圧縮機(22)の吐出側に接続される。四路切換弁(23)の第2ポートは、第3冷媒配管(P3)を経由して、第1圧縮機(21)の吸入側に接続される。四路切換弁(23)の第3ポートは、第4冷媒配管(P4)を経由して、熱源側熱交換器(24)のガス側に接続される。四路切換弁(23)の第4ポートは、第5冷媒配管(P5)を経由して、利用側熱交換器(27)のガス側に接続される。
四路切換弁(23)は、第1ポートと第4ポートとが連通し且つ第2ポートと第3ポートとが連通する第1流路状態(図1の実線で示す状態)と、第1ポートと第3ポートとが連通し且つ第2ポートと第4ポートとが連通する第2流路状態(図1の破線で示す状態)とに切り換えられる。
〈熱源側熱交換器〉
熱源側熱交換器(24)は、冷媒と熱源側流体とを熱交換させる。この例では、熱源側熱交換器(24)は、冷媒と空気(熱源側流体の一例)とを熱交換させる。
〈逆止弁ブリッジ〉
逆止弁ブリッジ(25)は、熱源側熱交換器(24)および利用側熱交換器(27)のうち凝縮器(放熱器)となる熱交換器から流出された冷媒を膨張機構(26)に供給し、膨張機構(26)から流出された冷媒を熱源側熱交換器(24)および利用側熱交換器(27)のうち蒸発器となる熱交換器に供給する。
具体的には、逆止弁ブリッジ(25)は、第1逆止弁(C1)と第2逆止弁(C2)と第3逆止弁(C3)と第4逆止弁(C4)とを有する。第1〜第4逆止弁(C1〜C4)の各々は、図1の矢印で示した方向への冷媒の流れを許容し、その逆方向の冷媒の流れを阻害する。第1逆止弁(C1)と第2逆止弁(C2)とが直列に接続され、第3逆止弁(C3)と第4逆止弁(C4)とが直列に接続される。また、第1逆止弁(C1)と第3逆止弁(C3)とが互いに接続され、第2逆止弁(C2)と第4逆止弁(C4)とが互いに接続される。
第1逆止弁(C1)と第2逆止弁(C2)との接続点である第1接続点(Q1)は、第6冷媒配管(P6)を経由して熱源側熱交換器(24)の液側に接続される。第3逆止弁(C3)と第4逆止弁(C4)との接続点である第2接続点(Q2)は、第7冷媒配管(P7)を経由して、利用側熱交換器(27)の液側に接続される。第1逆止弁(C1)と第3逆止弁(C3)との接続点である第3接続点(Q3)は、第8冷媒配管(P8)を経由して、膨張機構(26)に接続される。第2逆止弁(C2)と第4逆止弁(C4)との接続点である第4接続点(Q4)は、第9冷媒配管(P9)を経由して、膨張機構(26)に接続される。
〈膨張機構〉
膨張機構(26)は、冷媒を膨張させて冷媒の圧力を低下させる。この例では、膨張機構(26)は、開度を調節可能な膨張弁(例えば電子膨張弁)により構成される。
〈利用側熱交換器〉
利用側熱交換器(27)は、冷媒と利用側流体とを熱交換させる。この例では、利用側熱交換器(27)は、冷媒と水(利用側流体の一例)とを熱交換させる。
〈アキュムレータ〉
アキュムレータ(28)は、第3冷媒配管(P3)に設けられる。具体的には、第3冷媒配管(P3)は、四路切換弁(23)の第2ポートとアキュムレータ(28)の入口側とを接続する第1配管部(P31)と、アキュムレータ(28)の出口側と第1圧縮機(21)の吸入側とを接続する第2配管部(P32)とを有する。
〈バイパス逆止弁〉
バイパス逆止弁(29)は、第1圧縮機(21)が停止している場合に第1圧縮機(21)を迂回して第2圧縮機(22)の吸入側に冷媒を供給するために設けられる。具体的には、第3冷媒配管(P3)の第2配管部(P32)の中途部は、バイアス配管(PB)を経由して、第1冷媒配管(P1)の中途部に接続される。バイパス逆止弁(29)は、バイアス配管(PB)に設けられる。バイパス逆止弁(29)は、第3冷媒配管(P3)から第1冷媒配管(P1)へ向かう方向の冷媒の流れを許容し、その逆方向の冷媒の流れを阻害する。
〔インジェクション回路〕
インジェクション回路(30)は、熱源側熱交換器(24)および利用側熱交換器(27)のうち凝縮器(放熱器)となる熱交換器から膨張機構(26)へ向かう冷媒の一部を第2圧縮機(22)の吸入側に供給する。この例では、インジェクション回路(30)は、第1状態と第2状態とに切り換え可能となっている。
第1状態では、インジェクション回路(30)は、熱源側熱交換器(24)および利用側熱交換器(27)のうち凝縮器(放熱器)となる熱交換器から膨張機構(26)へ向かう冷媒の一部を第2圧縮機(22)の吸入側に冷媒を供給する。
第2状態では、インジェクション回路(30)は、熱源側熱交換器(24)および利用側熱交換器(27)のうち凝縮器(放熱器)となる熱交換器から膨張機構(26)へ向かう冷媒の一部を第2圧縮機(22)の圧縮途中の圧縮室に供給する。
具体的には、インジェクション回路(30)は、インジェクション膨張弁(31)と、開閉弁(32)と、インジェクション逆止弁(33)とを有する。また、インジェクション回路(30)には、第1インジェクション配管(PJ1)と、第2インジェクション配管(PJ2)と、第3インジェクション配管(PJ3)とが設けられる。第1インジェクション配管(PJ1)の一端は、第8冷媒配管(P8)の中途部に接続される。第2インジェクション配管(PJ2)は、第1インジェクション配管(PJ1)の他端と第1冷媒配管(P1)の中途部とを接続する。第3インジェクション配管(PJ3)は、第1インジェクション配管(PJ1)の他端と第2圧縮機(22)の中間ポートとを接続する。第1インジェクション配管(PJ1)には、インジェクション膨張弁(31)が設けられる。第2インジェクション配管(PJ2)には、開閉弁(32)が設けられる。第3インジェクション配管(PJ3)には、インジェクション逆止弁(33)が設けられる。
インジェクション膨張弁(31)は、インジェクション回路(30)を流れる冷媒(この例では第1インジェクション配管(PJ1)を流れる冷媒)を減圧する。開閉弁(32)は、開状態と閉状態とに切り換え可能である。インジェクション逆止弁(33)は、第1インジェクション配管(PJ1)から第2圧縮機(22)の中間ポートへ向かう冷媒の流れを許容し、その逆方向の冷媒の流れを阻害する。なお、インジェクション逆止弁(33)は、第2圧縮機(22)内に設けられてもよい。
この例では、開閉弁(32)を開状態にすることにより、インジェクション回路(30)が第1状態(上記冷媒の一部を第2圧縮機(22)の吸入側に冷媒を供給する状態)になる。開閉弁(32)を閉状態にすることにより、インジェクション回路(30)が第2状態(上記冷媒の一部を第2圧縮機(22)の圧縮途中の圧縮室に供給する状態)になる。
〔中間熱交換器〕
中間熱交換器(40)は、熱源側熱交換器(24)および利用側熱交換器(27)のうち凝縮器(放熱器)となる熱交換器から流出した冷媒と、インジェクション膨張弁(31)により減圧された冷媒とを熱交換させる。この例では、中間熱交換器(40)は、第8冷媒配管(P8)のうち第8冷媒配管(P8)の一端(第3接続点Q3)と第8冷媒配管(P8)と第1インジェクション配管(PJ1)との接続点との間にある配管部に接続される。また、中間熱交換器(40)は、第1インジェクション配管(PJ1)のうちインジェクション膨張弁(31)と第1インジェクション配管(PJ1)の他端(第1インジェクション配管(PJ1)と第2および第3インジェクション配管(PJ2,PJ3)との接続点)との間にある配管部とに接続される。そして、中間熱交換器(40)は、これらの配管部を流れる冷媒を熱交換させる。
〔各種センサ〕
冷凍サイクル装置(10)には、冷媒などの温度を検出する温度センサや、冷媒などの圧力を検出する圧力センサなどの各種センサ(図示を省略)が設けられる。これらの各種センサの検出結果(信号)は、制御部(100)に送信される。
〔制御部〕
制御部(100)は、冷凍サイクル装置(10)に設けられた各種センサの信号や外部からの制御信号に基づいて、冷凍サイクル装置(10)の各部を制御して冷凍サイクル装置(10)の動作を制御する。具体的には、制御部(100)は、第1圧縮機(21)と、第2圧縮機(22)と、四路切換弁(23)と、膨張機構(26)と、インジェクション膨張弁(31)と、開閉弁(32)とを制御する。例えば、制御部(100)は、プロセッサと、プロセッサと電気的に接続されてプロセッサを動作させるためのプログラムや情報を記憶するメモリとにより構成される。
〔冷凍サイクル装置の運転動作〕
実施形態1の冷凍サイクル装置(10)では、単段圧縮運転と、二段圧縮運転とが行われる。単段圧縮運転では、第1圧縮機(21)および第2圧縮機(22)の一方が停止し、第1圧縮機(21)および第2圧縮機(22)の他方が駆動する。この例では、第1圧縮機(21)が停止し、第2圧縮機(22)が駆動する。二段圧縮運転では、第1圧縮機(21)および第2圧縮機(22)の両方が駆動する。この例では、単段圧縮運転として、単段圧縮暖房運転と、単段圧縮冷房運転とが行われ、二段圧縮運転として、二段圧縮暖房運転と、二段圧縮冷房運転とが行われる。
〈単段圧縮暖房運転〉
単段圧縮暖房運転では、利用側熱交換器(27)が凝縮器(放熱器)となり熱源側熱交換器(24)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。具体的には、四路切換弁(23)が第1流路状態(図1の実線で示す状態)に設定される。膨張機構(26)における減圧量(具体的には膨張機構(26)を構成する膨張弁の開度)が適宜調節される。インジェクション膨張弁(31)が全閉状態に設定される。そして、第1圧縮機(21)が停止し、第2圧縮機(22)が駆動する。
第2圧縮機(22)から吐出された冷媒は、四路切換弁(23)を通過し、利用側熱交換器(27)において利用側流体に放熱して凝縮する。利用側熱交換器(27)から流出した冷媒は、逆止弁ブリッジ(25)を通過し、膨張機構(26)において減圧される。膨張機構(26)において減圧された冷媒は、逆止弁ブリッジ(25)を通過し、熱源側熱交換器(24)において熱源側流体から吸熱して蒸発する。熱源側熱交換器(24)から流出した冷媒は、四路切換弁(23)とアキュムレータ(28)とバイパス逆止弁(29)とを順に通過し、第2圧縮機(22)に吸入されて圧縮される。
〈単段圧縮冷房運転〉
単段圧縮冷房運転では、熱源側熱交換器(24)が凝縮器(放熱器)となり利用側熱交換器(27)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。具体的には、四路切換弁(23)が第2流路状態(図1の破線で示す状態)に設定される。膨張機構(26)における減圧量(具体的には膨張機構(26)を構成する膨張弁の開度)が適宜調節される。インジェクション膨張弁(31)が全閉状態に設定される。そして、第1圧縮機(21)が停止し、第2圧縮機(22)が駆動する。
第2圧縮機(22)から吐出された冷媒は、四路切換弁(23)を通過し、熱源側熱交換器(24)において熱源側流体に放熱して凝縮する。熱源側熱交換器(24)から流出した冷媒は、逆止弁ブリッジ(25)を通過し、膨張機構(26)において減圧される。膨張機構(26)において減圧された冷媒は、逆止弁ブリッジ(25)を通過し、利用側熱交換器(27)において利用側流体から吸熱して蒸発する。利用側熱交換器(27)から流出した冷媒は、四路切換弁(23)とアキュムレータ(28)とバイパス逆止弁(29)とを順に通過し、第2圧縮機(22)に吸入されて圧縮される。
なお、COP改善などの目的を達成するために、単段圧縮運転(具体的には単段圧縮暖房運転と単段圧縮冷房運転)において、熱源側熱交換器(24)および利用側熱交換器(27)のうち凝縮器(放熱器)となる熱交換器から膨張機構(26)へ向かう冷媒の一部が第2圧縮機(22)の圧縮途中の圧縮室に供給されてもよい。
〈二段圧縮暖房運転〉
二段圧縮暖房運転では、利用側熱交換器(27)が凝縮器(放熱器)となり熱源側熱交換器(24)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。具体的には、四路切換弁(23)が第1流路状態(図1の実線で示す状態)に設定される。膨張機構(26)における減圧量(具体的には膨張機構(26)を構成する膨張弁の開度)と、インジェクション膨張弁(31)の開度とが適宜調節される。そして、第1圧縮機(21)および第2圧縮機(22)の両方が駆動する。
第2圧縮機(22)から吐出された冷媒は、四路切換弁(23)を通過し、利用側熱交換器(27)において利用側流体に放熱して凝縮する。利用側熱交換器(27)から流出した冷媒は、逆止弁ブリッジ(25)を通過して第8冷媒配管(P8)を流れ、中間熱交換器(40)においてインジェクション回路(30)の第1インジェクション配管(PJ1)を流れる冷媒に放熱して過冷却される。中間熱交換器(40)から流出して第8冷媒配管(P8)を流れる冷媒は、その一部がインジェクション回路(30)に供給され、その残部が膨張機構(26)に供給される。
膨張機構(26)に供給された冷媒は、膨張機構(26)において減圧され、逆止弁ブリッジ(25)を通過し、熱源側熱交換器(24)において熱源側流体から吸熱して蒸発する。熱源側熱交換器(24)から流出した冷媒は、四路切換弁(23)とアキュムレータ(28)とを順に通過し、第1圧縮機(21)に吸入されて圧縮される。第1圧縮機(21)から吐出された冷媒は、第2圧縮機(22)に吸入されて圧縮される。
一方、インジェクション回路(30)に供給された冷媒は、第1インジェクション配管(PJ1)を流れ、インジェクション膨張弁(31)において減圧され、中間熱交換器(40)において第8冷媒配管(P8)を流れる冷媒から吸熱する。中間熱交換器(40)から流出して第1インジェクション配管(PJ1)を流れる冷媒は、インジェクション回路(30)の状態(具体的には開閉弁(32)の開閉状態)に応じて、第2圧縮機(22)の吸入側および第2圧縮機(22)の圧縮途中の圧縮室の一方に供給される。
インジェクション回路(30)が第1状態である場合(具体的には開閉弁(32)が開状態である場合)、第1インジェクション配管(PJ1)を流れる冷媒は、開状態の開閉弁(32)を通過して第1冷媒配管(P1)の中途部に供給される。第1冷媒配管(P1)に供給された冷媒は、第1圧縮機(21)から吐出された冷媒と合流し、第2圧縮機(22)に吸入されて圧縮される。これにより、第2圧縮機(22)に吸入される冷媒が冷却される。なお、インジェクション回路(30)が第1状態である場合、冷凍サイクルにおける冷媒の状態は、図2の実線のようになる。
インジェクション回路(30)が第2状態である場合(具体的には開閉弁(32)が閉状態である場合)、第1インジェクション配管(PJ1)を流れる冷媒は、インジェクション逆止弁(33)を通過して第2圧縮機(22)の中間ポートに供給される。第2圧縮機(22)の中間ポートに供給された冷媒は、第2圧縮機(22)の圧縮途中の圧縮室に供給され、圧縮室内の冷媒と混合される。これにより、第2圧縮機(22)の圧縮室内の冷媒が冷却される。なお、インジェクション回路(30)が第2状態である場合、冷凍サイクルにおける冷媒の状態は、図3の実線のようになる。
〈二段圧縮冷房運転〉
二段圧縮冷房運転では、熱源側熱交換器(24)が凝縮器(放熱器)となり利用側熱交換器(27)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。具体的には、四路切換弁(23)が第2流路状態(図1の破線で示す状態)に設定される。膨張機構(26)における減圧量(具体的には膨張機構(26)を構成する膨張弁の開度)と、インジェクション膨張弁(31)の開度とが適宜調節される。そして、第1圧縮機(21)および第2圧縮機(22)の両方が駆動する。
第2圧縮機(22)から吐出された冷媒は、四路切換弁(23)を通過し、熱源側熱交換器(24)において熱源側流体に放熱して凝縮する。熱源側熱交換器(24)から流出した冷媒は、逆止弁ブリッジ(25)を通過して第8冷媒配管(P8)を流れ、中間熱交換器(40)においてインジェクション回路(30)の第1インジェクション配管(PJ1)を流れる冷媒に放熱して過冷却される。中間熱交換器(40)から流出して第8冷媒配管(P8)を流れる冷媒は、その一部がインジェクション回路(30)に供給され、その残部が膨張機構(26)に供給される。
膨張機構(26)に供給された冷媒は、膨張機構(26)において減圧され、逆止弁ブリッジ(25)を通過し、利用側熱交換器(27)において利用側流体から吸熱して蒸発する。利用側熱交換器(27)から流出した冷媒は、四路切換弁(23)とアキュムレータ(28)とを順に通過し、第1圧縮機(21)に吸入されて圧縮される。第1圧縮機(21)から吐出された冷媒は、第2圧縮機(22)に吸入されて圧縮される。
一方、インジェクション回路(30)に供給された冷媒は、第1インジェクション配管(PJ1)を流れ、インジェクション膨張弁(31)において減圧され、中間熱交換器(40)において第8冷媒配管(P8)を流れる冷媒から吸熱する。中間熱交換器(40)から流出して第1インジェクション配管(PJ1)を流れる冷媒は、インジェクション回路(30)の状態(具体的には開閉弁(32)の開閉状態)に応じて、第2圧縮機(22)の吸入側および第2圧縮機(22)の圧縮途中の圧縮室の一方に供給される。
〔インジェクション回路の第1状態と第2状態との対比〕
次に、図3を参照して、インジェクション回路(30)の第1状態と第2状態とを対比する。図3の破線は、インジェクション回路(30)が第1状態である場合の冷凍サイクルにおける冷媒の状態を示し、図3の実線は、インジェクション回路(30)が第2状態である場合の冷凍サイクルにおける冷媒の状態を示している。
図3に示すように、インジェクション回路(30)の第2状態は、インジェクション回路(30)の第1状態よりも、第2圧縮機(22)から吐出される冷媒の温度(以下では「吐出温度」と記載)の上昇を抑制することができる状態であるといえる。また、インジェクション回路(30)の第1状態は、インジェクション回路(30)の第2状態よりも、第1圧縮機(21)の吐出温度の上昇を抑制することができる状態であるといえる。
〔二段圧縮運転における圧縮比制御〕
なお、二段圧縮暖房運転において、第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)は、第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)よりも小さくなっている。また、この例では、二段圧縮冷房運転においても、第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)は、第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)よりも小さくなっている。詳しくは、二段圧縮運転が行われる暖房の定常運転において、常に、第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)は、第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)よりも小さくなっている。二段圧縮運転が行われる冷房の定常運転においても、常に、第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)は、第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)よりも小さくなっている。
次に、図4を参照して、二段圧縮運転における圧縮比制御について説明する。制御部(100)は、二段圧縮運転の開始時に以下の処理(ステップ(S11〜S14))を行う。なお、以下の説明では、冷凍サイクル装置(10)における圧縮比(Pr)を「全体圧縮比(Pr)」と記載し、第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)を「第1圧縮比(Pr1)」と記載し、第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)を「第2圧縮比(Pr2)」と記載する。
〈ステップ(S11)〉
まず、制御部(100)は、冷媒回路(20)の高圧(Pc)の目標値である目標高圧と、冷媒回路(20)の低圧(Pe)の目標値である目標低圧とを算出する。具体的には、制御部(100)は、熱負荷から目標高圧と目標低圧を算出する。熱負荷は、例えば、空調対象空間の空気の温度と空調対象空間において定められた目標温度との差に基づいて導出される。
〈ステップ(S12)〉
次に、制御部(100)は、ステップ(S11)において算出された目標高圧と目標低圧に基づいて全体圧縮比(Pr)を算出する。例えば、制御部(100)は、目標高圧を目標低圧で除算して得られる値を全体圧縮比(Pr)として算出する。
〈ステップ(S13)〉
次に、制御部(100)は、ステップ(S12)において算出された全体圧縮比(Pr)と、予め定められた全体圧縮比(Pr)と第1圧縮比(Pr1)と第2圧縮比(Pr2)との関係とに基づいて、第1圧縮比(Pr1)の目標値と第2圧縮比(Pr2)の目標値を算出する。例えば、制御部(100)は、全体圧縮比(Pr)と第1圧縮比(Pr1)と第2圧縮比(Pr2)との関係を示す関係式を記憶しており、その関係式にステップ(S12)において算出された全体圧縮比(Pr)を代入することで、第1圧縮比(Pr1)の目標値と第2圧縮比(Pr2)の目標値を算出する。具体的には、以下の式(1)と式(2)に基づいて第1圧縮比(Pr1)の目標値と第2圧縮比(Pr2)の目標値が導出される。
Pr1=A×In(Pr2)+B …(1)
Pr=Pr1×Pr2 …(2)
なお、上の式において、“In”は、自然対数であり、“A”と”B”は、予め定められた係数である。
また、全体圧縮比(Pr)と第1圧縮比(Pr1)と第2圧縮比(Pr2)との関係をグラフで示すと、図5のようになる。なお、図5の縦軸は、圧縮比を示し、図5の横軸は、冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差(差圧)を示す。
〈ステップ(S14)〉
次に、制御部(100)は、冷凍サイクル装置(10)における第1圧縮比(Pr1)がステップ(S14)において算出された第1圧縮比(Pr1)の目標値となり、且つ、冷凍サイクル装置(10)における第2圧縮比(Pr2)がステップ(S14)において算出された第2圧縮比(Pr2)の目標値となるように、二段圧縮運転において第1圧縮機(21)の回転数および第2圧縮機(22)の回転数を制御する。
〔インジェクション回路の状態の切り換え〕
実施形態1の二段圧縮運転において、インジェクション回路(30)の状態は、冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差と相関のある物理量(X)に応じて切り換えられる。この例では、インジェクション回路(30)の状態は、物理量(X)と、第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)に対する第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)の割合(Prr)(以下では「圧縮比の割合(Prr)」と記載)とに応じて切り換えられる。具体的には、制御部(100)は、物理量(X)と圧縮比の割合(Prr)とに応じて、インジェクション回路(30)の状態を切り換える。なお、物理量(X)については後で詳しく説明する。
次に、図6を参照して、実施形態1の二段圧縮運転におけるインジェクション回路(30)の状態の切り換えについて具体的に説明する。なお、図6において、左下がりのハッチングが付された領域は、インジェクション回路(30)が第1状態に切り換えられる領域を示し、右下がりのハッチングが付された領域は、インジェクション回路(30)が第2状態に切り換えられる領域を示している。
図6に示すように、物理量(X)が予め定められた物理量閾値(Xth)未満である場合、インジェクション回路(30)は、第1状態となる。また、物理量(X)が物理量閾値(Xth)以上であり、且つ、圧縮比の割合(Prr)が予め定められた割合閾値(Pth1)以上である場合、インジェクション回路(30)は、第1状態となる。
また、物理量(X)が物理量閾値(Xth)以上であり、且つ、圧縮比の割合(Prr)が割合閾値(Pth1)未満である場合、インジェクション回路(30)は、第2状態となる。
なお、図6の例では、物理量(X)が大きくなるに連れて、割合閾値(Pth1)が次第に高くなる。具体的には、物理量(X)が大きくなるに連れて、割合閾値(Pth1)が第1割合(Prr1)から次第に高くなる。また、物理量(X)が大きくなるに連れて、圧縮比の割合(Prr)が次第に低くなる。具体的には、物理量(X)が物理量閾値(Xth)以上となると、物理量(X)が大きくなるに連れて、圧縮比の割合(Prr)が1から次第に低くなる。
〔物理量の具体例〕
次に、物理量(X)について説明する。上述のとおり、物理量(X)は、冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差と相関のある量である。
冷媒回路(20)における高圧(Pc)と相関のある量としては、例えば、以下の9つのパラメータを列挙することができる。
(1)吐出圧力:第1圧縮機(21)および第2圧縮機(22)により構成される圧縮機構から吐出される冷媒の圧力
(2)吐出温度:圧縮機構から吐出される冷媒の温度
(3)凝縮圧力:熱源側熱交換器(24)および利用側熱交換器(27)のうち凝縮器となる熱交換器における冷媒の凝縮圧力
(4)凝縮温度:凝縮器となる熱交換器における冷媒の凝縮温度
(5)高圧:冷媒圧力センサ(図示を省略)により検出される高圧(Pc)
(6)出湯温度:利用側熱交換器(27)が冷媒と水とを熱交換させる場合に暖房運転において利用側熱交換器(27)から流出する水の温度
(7)暖房吹出温度:利用側熱交換器(27)が冷媒と空気(利用側流体の一例)とを熱交換させる場合に暖房運転において利用側熱交換器(27)から流出する空気の温度
(8)暖房吸込温度:利用側熱交換器(27)が冷媒と空気(利用側流体の一例)とを熱交換させる場合に暖房運転において利用側熱交換器(27)に流入する空気の温度
(9)冷房外気温度:熱源側熱交換器(24)が冷媒と空気とを熱交換させる場合に冷房運転において熱源側熱交換器(24)に流入する空気の温度
以上の冷媒回路(20)における高圧(Pc)と相関のあるパラメータは、冷凍サイクル装置(10)に設けられた各種センサにより得ることが可能である。
また、冷媒回路(20)における低圧(Pe)と相関のある量としては、例えば、以下の9つのパラメータを列挙することができる。
(1)吸入圧力:第1圧縮機(21)および第2圧縮機(22)により構成される圧縮機構に吸入される冷媒の圧力
(2)吸入温度:圧縮機構に吸入される冷媒の温度
(3)蒸発圧力:熱源側熱交換器(24)および利用側熱交換器(27)のうち蒸発器となる熱交換器における冷媒の蒸発圧力
(4)蒸発温度:蒸発器となる熱交換器における冷媒の蒸発温度
(5)低圧:冷媒圧力センサ(図示を省略)により検出される低圧(Pe)
(6)冷却水温度:利用側熱交換器(27)が冷媒と水とを熱交換させる場合に冷房運転において利用側熱交換器(27)から流出する水の温度
(7)冷房吹出温度:利用側熱交換器(27)が冷媒と空気とを熱交換させる場合に冷房運転において利用側熱交換器(27)から流出する空気の温度
(8)冷房吸込温度:利用側熱交換器(27)が冷媒と空気とを熱交換させる場合に冷房運転において利用側熱交換器(27)に流入する空気の温度
(9)暖房外気温度:熱源側熱交換器(24)が冷媒と空気とを熱交換させる場合に暖房運転において熱源側熱交換器(24)に流入する空気の温度
以上の冷媒回路(20)における低圧(Pe)と相関のあるパラメータは、冷凍サイクル装置(10)に設けられた各種センサにより得ることが可能である。
以上より、物理量(X)として、例えば、(1)吐出圧力と吸入圧力との差、(2)吐出温度と吸入温度との差、(3)凝縮圧力と蒸発圧力との差、(4)凝縮温度と蒸発温度との差、(5)高圧(Pc)と低圧(Pe)との差、(6)出湯温度と暖房外気温度との差、(7)冷房外気温度と冷却水温度との差、(8)暖房吹出温度と暖房外気温度との差、(9)暖房吸込温度と暖房外気温度との差、(10)冷房外気温度と冷房吹出温度との差、(11)冷房外気温度と冷房吸込温度との差、などを利用することが可能である。
〔本実施形態と比較例との対比〕
次に、図2を参照して、本実施形態と比較例とを対比する。ここでは、第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)が第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)よりも大きくなっている場合を比較例とする。図2の破線は、この比較例における冷媒の状態を示している。以下では、説明の便宜上、比較例についても本実施形態と同様の符号を付して説明する。
図2の破線で示すように、第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)が第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)よりも大きくなっている場合(比較例)、第1圧縮機(21)の吐出温度が高くなりやすい。この傾向は、冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差が大きくなるほど顕著となる。その理由は、圧縮開始の圧力が低くなるほど、等エントロピー線の傾きが緩やかになるからである。このように、比較例の場合、第1圧縮機(21)の吐出温度が高くなり過ぎるおそれがある。例えば、インジェクション回路(30)により凝縮器(放熱器)から流出した冷媒の一部を第2圧縮機(22)の吸入側に供給することで第2圧縮機(22)の吐出温度を規定値以下に抑えることができたとしても、第1圧縮機(21)の吐出温度を規定値以下に抑えることができないおそれがある。そのため、低段側圧縮機を高温による破壊から保護することが困難である。
一方、図2の実線で示すように、本実施形態の冷凍サイクル装置(10)では、第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)が第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)よりも小さくなっているので、第1圧縮機(21)の吐出温度の上昇を抑制することができる。
〔実施形態1の特徴(1)〕
以上のように、本実施形態の冷凍サイクル装置(10)は、冷媒を圧縮して吐出する第1圧縮機(21)と、第1圧縮機(21)から吐出された冷媒を圧縮して吐出する第2圧縮機(22)と、熱源側熱交換器(24)と、膨張機構(26)と、利用側熱交換器(27)とを有する冷媒回路(20)と、熱源側熱交換器(24)および利用側熱交換器(27)のうち放熱器となる熱交換器から膨張機構(26)へ向かう冷媒の一部を第2圧縮機(22)の吸入側に供給するインジェクション回路(30)とを備える。利用側熱交換器(27)が放熱器となり、熱源側熱交換器(24)が蒸発器となる暖房の定常運転において、常に、第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)は、第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)よりも小さくなっている。
本実施形態では、暖房の定常運転において、第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)を第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)よりも小さくすることにより、第1圧縮機(21)から吐出される冷媒の温度(以下では「吐出温度」と記載)の上昇を抑制することができる。これにより、第1圧縮機(21)を高温による破壊から保護することができる。
〔実施形態1の特徴(2)〕
また、本実施形態の冷凍サイクル装置(10)は、中間熱交換器(40)をさらに備え、インジェクション回路(30)は、インジェクション回路(30)を流れる冷媒を減圧するインジェクション膨張弁(31)を有し、中間熱交換器(40)は、熱源側熱交換器(24)および利用側熱交換器(27)のうち放熱器となる熱交換器から流出した冷媒と、インジェクション膨張弁(31)により減圧された冷媒とを熱交換させる。
本実施形態では、中間熱交換器(40)において放熱器となる熱交換器(熱源側熱交換器(24)または利用側熱交換器(27))から流出した冷媒とインジェクション膨張弁(31)により減圧された冷媒とを熱交換させることにより、放熱器となる熱交換器から流出した冷媒を過冷却することができる。これにより、冷凍サイクル装置(10)の運転効率(例えばCOP)を向上させることができる。
〔実施形態1の特徴(3)〕
本実施形態の冷凍サイクル装置(10)では、第2圧縮機(22)は、冷媒を圧縮するための圧縮室を有し、圧縮途中の圧縮室に冷媒を供給できるように構成されており、インジェクション回路(30)は、熱源側熱交換器(24)および利用側熱交換器(27)のうち放熱器となる熱交換器から膨張機構(26)へ向かう冷媒の一部を第2圧縮機(22)の吸入側に冷媒を供給する第1状態と、上記冷媒の一部を第2圧縮機(22)の圧縮途中の圧縮室に供給する第2状態とに切り換え可能となっている。
本実施形態では、インジェクション回路(30)の状態を第1状態と第2状態とに切り換えることができるので、インジェクションを利用して第2圧縮機(22)の吐出温度の上昇を適切に抑制することができる。これにより、冷凍サイクル装置(10)の動作可能な範囲(冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差の範囲)を広くすることができる。
〔実施形態1の特徴(4)〕
本実施形態の冷凍サイクル装置(10)では、冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差と相関のある物理量(X)に応じてインジェクション回路(30)の状態が切り換えられる。
本実施形態では、物理量(X)に応じてインジェクション回路(30)の状態を切り換えることにより、インジェクション回路(30)の切り換えを適切に行うことができる。
〔実施形態1の特徴(5)〕
本実施形態の冷凍サイクル装置(10)では、冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差と相関のある物理量(X)と第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)に対する第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)の割合(Prr)とに応じてインジェクション回路(30)の状態が切り換えられる。
本実施形態では、物理量(X)と、圧縮比の割合(Prr)(第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)に対する第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)の割合(Prr))とに応じてインジェクション回路(30)の状態を切り換えることにより、物理量(X)のみに基づいてインジェクション回路(30)の状態を切り換える場合よりも、インジェクション回路(30)の切り換えを適切に行うことができる。
〔実施形態1の特徴(6)〕
本実施形態の冷凍サイクル装置(10)では、インジェクション回路(30)は、物理量(X)が予め定められた物理量閾値(Xth)未満である場合と、物理量(X)が物理量閾値(Xth)以上であり且つ第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)に対する第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)の割合(Prr)が予め定められた割合閾値(Pth1)以上である場合に、第1状態となり、物理量(X)が物理量閾値(Xth)以上であり且つ第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)に対する第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)の割合(Prr)が割合閾値(Pth1)未満である場合に、第2状態となる。
本実施形態では、冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差が比較的に低い場合(第2圧縮機(22)の吐出温度が比較的に上昇しにくい場合)に、インジェクション回路(30)を第1状態にすることができる。なお、インジェクション回路(30)の第1状態は、インジェクション回路(30)の第2状態よりも、第1圧縮機(21)の吐出温度の上昇を抑制することができる。したがって、冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差が比較的に低い場合に、インジェクション回路(30)を第1状態にすることにより、第1圧縮機(21)の吐出温度の上昇を抑制する効果を向上させることができる。
また、本実施形態では、冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差が比較的に高い場合(第2圧縮機(22)の吐出温度が比較的に上昇しやすい場合)に、圧縮比の割合(Prr)に応じてインジェクション回路(30)を第2状態にすることができる。なお、インジェクション回路(30)の第2状態は、インジェクション回路(30)の第1状態よりも、第2圧縮機(22)の吐出温度の上昇を抑制することができる。したがって、冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差が比較的に高い場合に、圧縮比の割合(Prr)に応じてインジェクション回路(30)を第2状態にすることにより、第2圧縮機(22)の吐出温度の上昇を適切に抑制することができる。
〔実施形態1の特徴(7)〕
本実施形態の冷凍サイクル装置(10)では、物理量(X)が大きくなるに連れて割合閾値(Pth1)が次第に高くなる。
本実施形態では、冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差が大きくなるに連れて、第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)が大きくなり、第2圧縮機(22)の吐出温度が上昇しやすくなる。したがって、物理量(X)が大きくなるに連れて割合閾値(Pth1)を次第に高くすることにより、冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差の増加により第2圧縮機(22)の吐出温度が上昇しやすくなった場合に、第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)が比較的に低い段階で、インジェクション回路(30)を第2状態にすることができる。これにより、第2圧縮機(22)の吐出温度の上昇を適切に抑制することができる。
〔実施形態1の特徴(8)〕
本実施形態の冷凍サイクル装置(10)では、冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差と相関のある物理量(X)が大きくなるに連れて、第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)に対する第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)の割合(Prr)が次第に低くなる。
本実施形態では、物理量(X)が大きくなるに連れて、圧縮比の割合(Prr)を次第に低くすることにより、冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差の増加により冷凍サイクル装置(10)に要求される圧縮比(第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)と第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)との積に相当する圧縮比)が増加したとしても、第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)の増加を抑制することができる。これにより、第1圧縮機(21)の負担が増加することを抑制することができる。
〔実施形態1の特徴(9)〕
本実施形態の冷凍サイクル装置(10)では、熱源側熱交換器(24)が放熱器となり、利用側熱交換器(27)が蒸発器となる冷房の定常運転においても、常に、第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)は、第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)よりも小さくなっている。
本実施形態では、冷房の定常運転において、第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)を第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)よりも小さくすることにより、暖房の定常運転時と同様に、第1圧縮機(21)の吐出温度の上昇を抑制することができ、第1圧縮機(21)を高温による破壊から保護することができる。
また、第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)を比較的に大きくすることができるので、冷媒回路(20)の冷凍サイクルにおける過冷却度を大きくすることできる。これにより、蒸発器となる利用側熱交換器(27)におけるエンタルピー差を大きくすることができるので、冷凍サイクル装置(10)の運転効率を向上させることができる。
さらに、暖房運転および冷房運転の両方において第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)を第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)よりも小さくすることにより、第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)を第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)よりも常に小さくすることができる。これにより、第1圧縮機(21)の小型化および低コスト化を実現することができ、冷凍サイクル装置(10)の小型化および低コスト化を実現することができる。
〔実施形態1の特徴(10)〕
本実施形態の冷凍サイクル装置(10)では、第1圧縮機(21)は、ロータリ式または揺動ピストン式の圧縮機である。
本実施形態では、第1圧縮機(21)をロータリ式または揺動ピストン式の圧縮機で構成することにより、第1圧縮機(21)をスクロール式の圧縮機で構成する場合よりも、第1圧縮機(21)の小型化および高速化を実現することができる。これにより、冷媒密度が低い運転状況下においても冷媒流量の確保を容易にすることができる。また、冷凍サイクル装置(10)の小型化および低コスト化を実現することができる。
(実施形態2)
図7は、実施形態2の冷凍サイクル装置(10)の構成を例示する。実施形態2の冷凍サイクル装置(10)は、インジェクション回路(30)の構成が実施形態1の冷凍サイクル装置(10)と異なっている。実施形態2の冷凍サイクル装置(10)のその他の構成は、実施形態1の冷凍サイクル装置(10)の構成と同様である。
インジェクション回路(30)は、第1状態と第2状態と第3状態とに切り換え可能となっている。第1状態では、インジェクション回路(30)は、熱源側熱交換器(24)および利用側熱交換器(27)のうち凝縮器(放熱器)となる熱交換器から膨張機構(26)へ向かう冷媒の一部を第2圧縮機(22)の吸入側に冷媒を供給する。第2状態では、インジェクション回路(30)は、熱源側熱交換器(24)および利用側熱交換器(27)のうち凝縮器(放熱器)となる熱交換器から膨張機構(26)へ向かう冷媒の一部を第2圧縮機(22)の圧縮途中の圧縮室に供給する。第3状態では、インジェクション回路(30)は、熱源側熱交換器(24)および利用側熱交換器(27)のうち凝縮器(放熱器)となる熱交換器から膨張機構(26)へ向かう冷媒の一部を第2圧縮機(22)の吸入側および圧縮途中の圧縮室の両方に供給する。
具体的には、インジェクション回路(30)は、図1に示した開閉弁(32)に代えて、減圧弁(34)を有する。実施形態2のインジェクション回路(30)のその他の構成は、実施形態1のインジェクション回路(30)の構成と同様である。
減圧弁(34)は、第2インジェクション配管(PJ2)に設けられる。減圧弁(34)は、開度を調節可能である。例えば、減圧弁(34)は、電動弁により構成される。この例では、減圧弁(34)を全開状態にすることにより、インジェクション回路(30)が第1状態(上記冷媒の一部を第2圧縮機(22)の吸入側に冷媒を供給する状態)になる。減圧弁(34)を全閉状態にすることにより、インジェクション回路(30)が第2状態(上記冷媒の一部を第2圧縮機(22)の圧縮途中の圧縮室に供給する状態)になる。減圧弁(34)を全閉状態と全開状態との間の状態にすることにより、インジェクション回路(30)が第3状態(上記冷媒の一部を第2圧縮機(22)の吸入側および圧縮途中の圧縮室の両方に供給する状態)になる。
〔冷凍サイクル装置の運転動作〕
実施形態1の冷凍サイクル装置(10)と同様に、実施形態2の冷凍サイクル装置(10)においても、単段圧縮運転(詳しくは単段圧縮暖房運転と単段圧縮冷房運転)と、二段圧縮運転(詳しくは二段圧縮暖房運転と二段圧縮冷房運転)とが行われる。
二段圧縮暖房運転(または二段圧縮冷房運転)において、インジェクション回路(30)が第3状態である場合、第1インジェクション配管(PJ1)を流れる冷媒は、その一部が減圧弁(34)を通過して第1冷媒配管(P1)の中途部に供給され、その残部がインジェクション逆止弁(33)を通過して第2圧縮機(22)の中間ポートに供給される。第1冷媒配管(P1)に供給された冷媒は、第1圧縮機(21)から吐出された冷媒と合流し、第2圧縮機(22)に吸入されて圧縮される。これにより、第2圧縮機(22)に吸入される冷媒が冷却される。また、インジェクション逆止弁(33)を通過した冷媒は、第2圧縮機(22)の圧縮途中の圧縮室に供給され、圧縮室内の冷媒と混合される。これにより、第2圧縮機(22)の圧縮室内の冷媒が冷却される。なお、インジェクション回路(30)が第3状態である場合、冷凍サイクルにおける冷媒の状態は、図8の実線のようになる。
〔インジェクション回路の第2状態と第3状態との対比〕
次に、図8を参照して、インジェクション回路(30)の第2状態と第3状態とを対比する。図8の破線は、インジェクション回路(30)が第2状態である場合の冷凍サイクルにおける冷媒の状態を示し、図8の実線は、インジェクション回路(30)が第3状態である場合の冷凍サイクルにおける冷媒の状態を示している。
図8に示すように、インジェクション回路(30)の第3状態は、インジェクション回路(30)の第2状態に対し、第2圧縮機(22)の吐出温度の上昇を抑制しながら効率を向上させることができる状態であるといえる。
〔インジェクション回路の状態の切り換え〕
実施形態2の二段圧縮運転において、インジェクション回路(30)の状態は、物理量(X)(冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差と相関のある量)に応じて切り換えられる。この例では、インジェクション回路(30)の状態は、物理量(X)と、圧縮比(Pr1,Pr2)の割合(Prr)(第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)に対する第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)の割合(Prr))とに応じて切り換えられる。具体的には、制御部(100)は、物理量(X)と圧縮比の割合(Prr)とに応じて、インジェクション回路(30)の状態を切り換える。
次に、図9を参照して、実施形態2の二段圧縮運転におけるインジェクション回路(30)の状態の切り換えについて具体的に説明する。なお、図9において、左下がりのハッチングが付された領域は、インジェクション回路(30)が第1状態に切り換えられる領域を示し、右下がりの粗いハッチングが付された領域は、インジェクション回路(30)が第2状態に切り換えられる領域を示し、右下がりの細かいハッチングが付された領域は、インジェクション回路(30)が第3状態に切り換えられる領域を示している。
図9に示すように、物理量(X)が物理量閾値(Xth)未満である場合、インジェクション回路(30)は、第1状態となる。また、物理量(X)が物理量閾値(Xth)以上であり、且つ、圧縮比の割合(Prr)が割合閾値(Pth1)以上である場合、インジェクション回路(30)は、第1状態となる。
また、物理量(X)が物理量閾値(Xth)以上であり、且つ、圧縮比の割合(Prr)が割合閾値(Pth1)から割合閾値(Pth1)よりも低い低側割合閾値(Pth2)までの範囲内である場合、インジェクション回路(30)は、第2状態となる。
また、物理量(X)が物理量閾値(Xth)以上であり、且つ、圧縮比の割合(Prr)が低側割合閾値(Pth2)よりも低い場合、インジェクション回路(30)は、第3状態となる。
なお、図9の例では、物理量(X)が大きくなるに連れて割合閾値(Pth1)および低側割合閾値(Pth2)が次第に高くなる。具体的には、物理量(X)が大きくなるに連れて、割合閾値(Pth1)が第1割合(Prr1)から次第に高くなり、低側割合閾値(Pth2)が第1割合(Prr1)よりも低い第2割合(Prr2)から次第に高くなる。また、物理量(X)が大きくなるに連れて、圧縮比の割合(Prr)が次第に低くなる。具体的には、物理量(X)が物理量閾値(Xth)以上となると、物理量(X)が大きくなるに連れて、圧縮比の割合(Prr)が1から次第に低くなる。
〔実施形態2の特徴〕
以上のように、本実施形態の冷凍サイクル装置(10)では、第2圧縮機(22)は、冷媒を圧縮するための圧縮室を有し、圧縮途中の圧縮室に冷媒を供給できるように構成されており、インジェクション回路(30)は、熱源側熱交換器(24)および利用側熱交換器(27)のうち放熱器となる熱交換器から膨張機構(26)へ向かう冷媒の一部を第2圧縮機(22)の吸入側に供給する第1状態と、上記冷媒の一部を第2圧縮機(22)の圧縮途中の圧縮室に供給する第2状態と、上記冷媒の一部を第2圧縮機(22)の吸入側および圧縮途中の圧縮室の両方に供給する第3状態とに切り換え可能となっている。
本実施形態では、インジェクション回路(30)の状態を第1状態と第2状態と第3状態とに切り換えることができるので、インジェクションを利用して第2圧縮機(22)の吐出温度の上昇を適切に抑制することができる。これにより、冷凍サイクル装置(10)の動作可能な範囲(冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差の範囲)を広くすることができる。また、実施形態1よりも効率を向上させることができる。
(その他の実施形態)
以上の説明において、第1圧縮機(21)は、ターボ式の圧縮機であってもよい。このように、第1圧縮機(21)をターボ式の圧縮機で構成することにより、第1圧縮機(21)をスクロール式,ロータリ式,または揺動ピストン式の圧縮機で構成する場合よりも、第1圧縮機(21)の小型化および高速化を実現することができる。これにより、冷媒密度が低い運転状況下においても冷媒流量の確保を容易にすることができる。また、冷凍サイクル装置(10)の小型化および低コスト化を実現することができる。
また、以上の説明では、冷媒の具体例としてR410A,R32,R407Cなどを列挙したが、冷媒は、その他の種類の冷媒であってもよい。例えば、冷媒は、二酸化炭素であってもよい。
また、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態および変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり置換したりしてもよい。
以上説明したように、本開示は、冷凍サイクル装置として有用である。
10 冷凍サイクル装置
20 冷媒回路
21 第1圧縮機
22 第2圧縮機
23 四路切換弁
24 熱源側熱交換器
25 逆止弁ブリッジ
26 膨張機構
27 利用側熱交換器
28 アキュムレータ
29 バイパス逆止弁
30 インジェクション回路
31 インジェクション膨張弁
32 開閉弁
33 インジェクション逆止弁
34 減圧弁
40 中間熱交換器

Claims (12)

  1. 冷媒を圧縮して吐出する第1圧縮機(21)と、前記第1圧縮機(21)から吐出された冷媒を圧縮して吐出する第2圧縮機(22)と、熱源側熱交換器(24)と、膨張機構(26)と、利用側熱交換器(27)とを有する冷媒回路(20)と、
    前記熱源側熱交換器(24)および前記利用側熱交換器(27)のうち放熱器となる熱交換器から前記膨張機構(26)へ向かう冷媒の一部を前記第2圧縮機(22)の吸入側に供給するインジェクション回路(30)とを備え、
    前記利用側熱交換器(27)が放熱器となり、前記熱源側熱交換器(24)が蒸発器となる暖房の定常運転において、常に、前記第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)は、前記第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)よりも小さくなっている
    ことを特徴とする冷凍サイクル装置。
  2. 請求項1において、
    中間熱交換器(40)をさらに備え、
    前記インジェクション回路(30)は、該インジェクション回路(30)を流れる冷媒を減圧するインジェクション膨張弁(31)を有し、
    前記中間熱交換器(40)は、前記熱源側熱交換器(24)および前記利用側熱交換器(27)のうち放熱器となる熱交換器から流出した冷媒と、前記インジェクション膨張弁(31)により減圧された冷媒とを熱交換させる
    ことを特徴とする冷凍サイクル装置。
  3. 請求項1または2において、
    前記第2圧縮機(22)は、冷媒を圧縮するための圧縮室を有し、圧縮途中の圧縮室に冷媒を供給できるように構成されており、
    前記インジェクション回路(30)は、前記熱源側熱交換器(24)および前記利用側熱交換器(27)のうち放熱器となる熱交換器から前記膨張機構(26)へ向かう冷媒の一部を前記第2圧縮機(22)の吸入側に冷媒を供給する第1状態と、該冷媒の一部を前記第2圧縮機(22)の圧縮途中の圧縮室に供給する第2状態とに切り換え可能となっている
    ことを特徴とする冷凍サイクル装置。
  4. 請求項1または2において、
    前記第2圧縮機(22)は、冷媒を圧縮するための圧縮室を有し、圧縮途中の圧縮室に冷媒を供給できるように構成されており、
    前記インジェクション回路(30)は、前記熱源側熱交換器(24)および前記利用側熱交換器(27)のうち放熱器となる熱交換器から前記膨張機構(26)へ向かう冷媒の一部を前記第2圧縮機(22)の吸入側に供給する第1状態と、該冷媒の一部を前記第2圧縮機(22)の圧縮途中の圧縮室に供給する第2状態と、該冷媒の一部を前記第2圧縮機(22)の吸入側および圧縮途中の圧縮室の両方に供給する第3状態とに切り換え可能となっている
    ことを特徴とする冷凍サイクル装置。
  5. 請求項3または4において、
    前記冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差と相関のある物理量(X)に応じて前記インジェクション回路(30)の状態が切り換えられる
    ことを特徴とする冷凍サイクル装置。
  6. 請求項3において、
    前記冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差と相関のある物理量(X)と前記第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)に対する前記第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)の割合(Prr)とに応じて前記インジェクション回路(30)の状態が切り換えられる
    ことを特徴とする冷凍サイクル装置。
  7. 請求項6において、
    前記インジェクション回路(30)は、
    前記物理量(X)が予め定められた物理量閾値(Xth)未満である場合と、前記物理量(X)が前記物理量閾値(Xth)以上であり且つ前記第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)に対する前記第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)の割合(Prr)が予め定められた割合閾値(Pth1)以上である場合に、前記第1状態となり、
    前記物理量(X)が前記物理量閾値(Xth)以上であり且つ前記第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)に対する前記第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)の割合(Prr)が前記割合閾値(Pth1)未満である場合に、前記第2状態となる
    ことを特徴とする冷凍サイクル装置。
  8. 請求項7において、
    前記物理量(X)が大きくなるに連れて前記割合閾値(Pth1)が次第に高くなる
    ことを特徴とする冷凍サイクル装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか1つにおいて、
    前記冷媒回路(20)における高圧(Pc)と低圧(Pe)との差と相関のある物理量(X)が大きくなるに連れて、前記第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)に対する前記第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)の割合(Prr)が次第に低くなる
    ことを特徴とする冷凍サイクル装置。
  10. 請求項1〜9のいずれか1つにおいて、
    前記熱源側熱交換器(24)が放熱器となり、前記利用側熱交換器(27)が蒸発器となる冷房の定常運転においても、常に、前記第1圧縮機(21)における圧縮比(Pr1)は、前記第2圧縮機(22)における圧縮比(Pr2)よりも小さくなっている
    ことを特徴とする冷凍サイクル装置。
  11. 請求項1〜10のいずれか1つにおいて、
    前記第1圧縮機(21)は、ロータリ式または揺動ピストン式の圧縮機である
    ことを特徴とする冷凍サイクル装置。
  12. 請求項1〜10のいずれか1つにおいて、
    前記第1圧縮機(21)は、ターボ式の圧縮機である
    ことを特徴とする冷凍サイクル装置。
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