JP2006071268A - 冷凍装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷却熱交換器(45,51)の熱量が室内熱交換器(41)の必要熱量を超える場合に、暖房能力の低下を防止することが出来る冷凍装置の提供。
【解決手段】冷凍装置(1)は、圧縮機(2)と、室外熱交換器(4)と、膨張機構と、室内を空調するための室内熱交換器(41)と、庫内を冷却するための冷却熱交換器(45,51)とが接続された冷媒回路(1E)を備えている。冷媒回路(1E)は、室内熱交換器(41)及び室外熱交換器(4)が凝縮器となる熱回収運転時に、圧縮機(2)から吐出された冷媒のうち、室内熱交換器(41)と室外熱交換器(4)とに分配する冷媒の流量を可変にする吐出側三方切換弁(101)を設けている。この結果、冷却熱交換器(45,51)で得られた熱量が室内熱交換器(41)で必要な熱量を超える場合に、圧縮機(2)の吐出圧を下げすぎずに、余った熱を排出する。
【選択図】図4

Description

本発明は、冷凍装置に関し、特に、空調熱交換器と冷却熱交換器とを備えた冷凍装置に係るものである。
従来より、冷凍サイクルを行う冷凍装置が知られており、室内を冷暖房する空調機や、食品等を貯蔵する冷蔵庫などの冷却機として広く利用されている。この冷凍装置には、空調と冷蔵との両方を行うものがあり、例えば、空調熱交換器及び冷却熱交換器などの複数の利用側熱交換器を備え、コンビニエンスストアなどに設置されている。この冷凍装置は、1つの冷凍装置を設置するだけで、店内の空調とショーケースなどの冷却との両方を行うことができる(例えば、特許文献1及び2参照)。
上記従来の冷凍装置では、空調の暖房時において、ショーケースなどの冷却熱交換器で吸収した熱量を空調熱交換器で有効利用することができる。
特許第3253283号公報 特開2003−75022号公報
しかしながら、上記従来の冷凍装置では、冷却熱交換器で吸収した熱量が空調熱交換器で必要な熱量を超える場合、冷凍装置の冷媒回路の圧縮機の吐出圧が高くなりすぎるので、余った熱を排出する必要がある。このような場合、従来、圧縮機の吐出管に設けた四路切換弁によって冷媒の流れる方向を切り換えて、圧縮機の吐出側の冷媒を熱源側熱交換器に流し、余った熱を排出する。このとき、単に四路切換弁によって冷媒の流れる方向を切り換えているだけのため、熱源側熱交換器に流す冷媒流量の微調整ができず、圧縮機の吐出圧が下がりすぎて暖房能力が低下し、快適な空調が行えないという問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、冷却熱交換器で得られた熱量が空調熱交換器で必要な熱量を超える場合に、圧縮機の吐出圧を下げすぎずに、余った熱を排出することにある。
上記の目的を達成するために、この発明は、圧縮機(2)から吐出された冷媒を熱源側熱交換器(4)と空調熱交換器(41)とに調整可能に分配する流量調整手段(101,104)を設けている。
具体的に、第1の発明は、圧縮機(2)と、熱源側熱交換器(4)と、膨張機構(46,52,104)と、室内を空調するための空調熱交換器(41)と、庫内を冷却するための冷却熱交換器(45,51)とが接続された冷媒回路(1E)を備える冷凍装置を対象とする。
そして、上記冷媒回路(1E)は、空調熱交換器(41)及び熱源側熱交換器(4)が凝縮器となる熱回収運転時に、上記圧縮機(2)から吐出して上記空調熱交換器(41)と熱源側熱交換器(4)とに分配される冷媒の流量を可変にする流量調整手段(101,104)を備えている。
すなわち、空調熱交換器(41)及び熱源側熱交換器(4)が凝縮器となる熱回収運転時に冷却熱交換器(45,51)で吸収した熱量が空調熱交換器(41)で必要な熱量を超える場合、冷媒回路(1E)の圧縮機(2)の吐出圧が高くなりすぎるので、余った熱を排出する必要がある。このとき、本願発明の構成によると、流量調整手段(101,104)が、冷却熱交換器(45,51)で吸収した熱量と空調熱交換器(41)で必要な熱量とのバランスに合わせて、圧縮機(2)から吐出された冷媒を空調熱交換器(41)と熱源側熱交換器(4)とに適量に分配する。
第2の発明は、上記流量調整手段が、圧縮機(2)の吐出管(5)に接続された流路切り換え可能で且つ流量調整可能な三方切換弁(101)で構成されている。
上記の構成によると、流量調整可能な三方切換弁(101)が、圧縮機(2)から吐出された冷媒を空調熱交換器(41)と熱源側熱交換器(4)とに適量に分配する。
第3の発明は、上記流量調整手段が、圧縮機(2)の吐出管(5)に接続された流路切り換え可能な切換弁(101)と、熱源側熱交換器(4)における上記熱回収運転時に下流側となる端部に接続された開度調整可能な膨張弁(104)とから構成されている。
上記の構成によると、切換弁(101)が流量調整機能を有していない場合であっても、熱源側熱交換器(4)に設けた電子制御可能な膨張弁(104)の開く度合いを調整することで、圧縮機(2)から吐出された冷媒は空調熱交換器(41)と熱源側熱交換器(4)とに適量に分配される。このとき、切換弁(101)は、三方切換弁でも四方切換弁でもよい。
第4の発明は、上記流量調整手段による冷媒の流量可変時に、上記空調熱交換器(41)の凝縮能力の低下を抑制する抑制手段(81)が設けらた構成としている。
上記の構成によると、空調熱交換器(41)における所定の暖房能力が確実に確保される。
第5の発明は、上記抑制手段(81)が、熱源側熱交換器(4)の熱源ファン(4F)の風量を低下させるように構成されている。
第6の発明は、上記抑制手段(81)が、冷却熱交換器(45,51)の冷却ファン(47,58)の風量を増大させるように構成されている。
第7の発明は、上記冷却熱交換器(45,51)の膨張機構(46,52)が開度調整可能な膨張弁で構成され、上記抑制手段(81)が、冷却熱交換器(45,51)の膨張機構(46,52)の開度を大きくさせるように構成されている。
第8の発明は、上記圧縮機(2)が容量可変に構成され、上記抑制手段(81)が、圧縮機(2)の容量を増大させるように構成されている。
第9の発明は、上記圧縮機(2)が複数台で構成され、上記抑制手段(81)が、圧縮機(2)の運転台数を増大させるように構成されている。
第10の発明は、上記圧縮機(2)の吐出側と吸入側とで冷媒をバイパスさせる補助通路(90)が設けられ、上記抑制手段(81)が、補助通路(90)を連通させるように構成されている。
第11の発明は、上記抑制手段(81)が、空調熱交換器(41)の空調ファン(43)の風量を増大させるように構成されている。
以上説明したように、上記第1の発明は、流量調整手段(101)が、圧縮機(2)から吐出された冷媒を空調熱交換器(41)と熱源側熱交換器(4)とに流量を調整して分配している。このため、熱回収運転時に冷却熱交換器(45,51)で吸収した熱量のうち、空調熱交換器(41)で必要な熱量のみを空調熱交換器(41)に供給し、余った熱量を熱源側熱交換器(4)で排出することができる。
したがって、圧縮機(2)の吐出圧を下げすぎることはないので、快適な空調を行うことができる。
また、冷却熱交換器(45,51)で吸収した熱を適切に回収できるため、熱効率を格段に向上させることができる。
上記第2の発明は、流路切り換え可能で且つ流量調整可能な三方切換弁(101)によって、圧縮機(2)から吐出された冷媒を空調熱交換器(41)と熱源側熱交換器(4)とに適量に分配している。このため、部品点数の少ない簡単な構成でもって効率の向上を図ることができる。
上記第3の発明によれば、流路切り換え可能な切換弁(101)と電子制御可能な膨張弁(104)とによって、圧縮機(2)から吐出された冷媒を空調熱交換器(41)と熱源側熱交換器(4)とに分配している。このため、流量調整機能のない簡単な構造の切換弁(101)によっても、効率の向上を図ることができる。
上記第4〜第11の発明によれば、流量調整手段(101)が冷媒を空調熱交換器(41)と熱源側熱交換器(4)とに分配している際、空調熱交換器(41)の凝縮能力の低下を抑制するようにしているため、空調熱交換器(41)における所定の暖房能力を確実に確保することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《実施形態1》
図1に示すように、本実施形態に係る冷凍装置(1)は、コンビニエンスストアやスーパーマーケットに設けられ、庫内であるショーケース(図示せず)の冷却と室内である店内の冷暖房とを行うためのものである。
上記冷凍装置(1)は、室外ユニット(1A)と室内ユニット(1B)と冷蔵ユニット(1C)と冷凍ユニット(1D)とを有し、蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷媒回路(1E)を備えている。また、この冷媒回路(1E)は、ブースタユニット(1F)を備えている。冷媒回路(1E)は、冷蔵及び冷凍用の第1系統側回路と、空調用の第2系統側回路とを備えている。そして、上記冷媒回路(1E)は、冷房サイクルと暖房サイクルとに切り換わるように構成されている。
上記室内ユニット(1B)は、冷房運転と暖房運転とを切り換えて行うように構成され、例えば、売場などに設置される。また、上記冷蔵ユニット(1C)は、冷蔵用のショーケースに設置されて該ショーケースの庫内空気を冷却する。上記冷凍ユニット(1D)は、冷凍用のショーケースに設置されて該ショーケースの庫内空気を冷却する。
〈室外ユニット〉
上記室外ユニット(1A)は、インバータ圧縮機(2)と、四路切換弁(3A)と、流量調整手段としての吐出側三方切換弁(101)と、吸入側三方切換弁(102)と、熱源側熱交換器である室外熱交換器(4)と、エコノマイザー用熱交換器(103)とを備えている。
上記インバータ圧縮機(2)は、例えば、密閉型のスクリュー圧縮機で構成され、電動機がインバータ制御されて容量が段階的又は連続的に可変となるように構成されている。上記インバータ圧縮機(2)の吐出管(5)は、吐出側三方切換弁(101)の第1ポートに接続されている。インバータ圧縮機(2)の運転容量制御は、常時、第1系統側回路側の冷媒圧力が一定になるように制御される。室内熱交換器(41)及び室外熱交換器(4)が凝縮器となる熱回収運転時には、室内熱交換器(41)内の圧力を一定にするように、制御される。なお、インバータ圧縮機(2)はスクロール圧縮機で構成してもよい。
上記室外熱交換器(4)のガス側端部(インバータ圧縮機(2)側端部)は、室外ガス管(9)によって、上記吐出側三方切換弁(101)の第2ポートから延びる配管及び四路切換弁(3A)の第2ポートから延びる配管の接続部に接続されている。上記室外熱交換器(4)の液側端部には、開度調整自在な電動膨張弁よりなる暖房用膨張弁(104)が設けられ、更にこの暖房用膨張弁(104)に液ラインである第1液管(10a)の一端と第2液管(10b)の一端とが接続されている。暖房用膨張弁(104)は、室外熱交換器(4)が蒸発器となる暖房時に冷媒が減圧される。その制御は、後述する吸入温度センサ(67)によって得られたインバータ圧縮機(2)の吸入加熱度に基づいて行われる。第1液管(10a)は、レシーバ(14)入口に接続されている。第2液管(10b)には、上記エコノマイザー用熱交換器(103)の第1流路(105)が接続されている。
尚、上記室外熱交換器(4)は、例えば、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であって、熱源ファンである室外ファン(4F)が近接して配置されている。
上記インバータ圧縮機(2)の吸入管(6)は、吸入側三方切換弁(102)の第1ポートに接続されている。吸入側三方切換弁(102)の第3ポートは、閉鎖弁(20)を介して低圧ガス管(15)に接続されている。
上記四路切換弁(3A)の第1ポートは、吐出側三方切換弁(101)の第3ポートから延びる配管及び後述する連通管(21)の接続部に接続されている。四路切換弁(3A)の第3ポートから延びる配管は、吸入側三方切換弁(102)の第2ポートに接続されている。四路切換弁(3A)の第4ポートから延びる配管には、閉鎖弁(20)を介して連絡ガス管(17)が接続されている。
上記四路切換弁(3A)は、吐出側三方切換弁(101)の第3ポートから延びる配管及び連通管(21)の接続部と連絡ガス管(17)とが連通し、且つ室外ガス管(9)及び吐出側三方切換弁(101)の第2ポートから延びる配管の接続部と吸入側三方切換弁(102)の第2ポートから延びる配管とが連通するON状態(図2実線参照)と、吐出側三方切換弁(101)の第3ポートから延びる配管及び連通管(21)の接続部と室外ガス管(9)とが連通し、且つ連絡ガス管(17)と吸入側三方切換弁(102)の第2ポートから延びる配管とが連通するOFF状態(図2破線参照)とに切り換わるように構成されている。
上記連絡ガス管(17)と低圧ガス管(15)と接続液管(19)とは、室外ユニット(1A)から外部に延長され、上記室外ユニット(1A)内に閉鎖弁(20)がそれぞれ設けられている。
上記エコノマイザー用熱交換器(103)は、第1流路(105)と第2流路(106)とを備えている。第1流路(105)の一端から延びる配管は上記レシーバ(14)の出口に接続され、他端は上記接続液管(19)及びレシーバ(14)の入口から延びる配管の接続部に接続されている。第2流路(106)の一端は逆止弁(7)を介してインバータ圧縮機(2)の中間圧力部(図示せず)に接続され、他端はエコノマイザー用電動膨張弁(107)を介してレシーバ(14)の入口から接続液管(19)に向かって延びる配管の接続部に接続されている。このように構成することで、レシーバ(14)の出口から出てきた液冷媒が、一度エコノマイザー用熱交換器(103)の第1流路(105)を通過した後、エコノマイザー用電動膨張弁(107)で減圧され、第2流路(106)を通過中に上記第1流路(105)内の冷媒によって、低圧状態で過冷却された後、この低圧冷媒がインバータ圧縮機(2)の中間圧力部に導かれるように構成されている。エコノマイザー用電動膨張弁(107)の制御は、過冷却度とインバータ圧縮機(2)の吐出管(5)の冷媒温度に合わせて行われる。なお、上記逆止弁(7)によってインバータ圧縮機(2)の中間圧力部からの冷媒の逆流が防がれる。この過冷却された低圧冷媒がインバータ圧縮機(2)の中間圧力部に導かれることで、インバータ圧縮機(2)の過熱が防止される。
上記レシーバ(14)の入口における第1液管(10a)側とエコノマイザー用熱交換器(103)の第1流路(105)側とには、それぞれ逆止弁(7)が設けられ、レシーバ(14)の入口に向かってのみ冷媒が流れるように構成されている。また、レシーバ(14)の入口から延びる配管とエコノマイザー用熱交換器(103)の第1流路(105)側との間には、凝縮圧力調整弁(108)が設けられている。この凝縮圧力調整弁(108)によって、暖房運転時で外気温度が低いときに、第1系統側回路の冷媒不足が防止される。
上記四路切換弁(3A)の第1ポートから延びる配管及び吐出側三方切換弁(101)の第3ポートから延びる配管の接続部と接続液管(19)からレシーバ(14)に向かって延びる配管との間には、補助ラインである連通管(21)が接続されている。この連通管(21)には、バネ付逆止弁(109)が設けられている。バネ付逆止弁(109)は、通常は作動せず、運転停止時にレシーバ(14)が液状の冷媒で満タンのとき、各バルブを閉じたときの液漏れを防止するように構成されている。
〈室内ユニット〉
上記室内ユニット(1B)は、室内熱交換器(41)と膨張機構である室内膨張弁(42)とを備えている。上記室内熱交換器(41)のガス側は、連絡ガス管(17)が接続されている。一方、上記室内熱交換器(41)の液側は、室内膨張弁(42)を介して第2連絡液管(12)が接続され、この第2連絡液管(12)が室外ユニット(1A)に延びる接続液管(19)に接続されている。なお、上記室内熱交換器(41)は、例えば、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であって、空調ファンである室内ファン(43)が近接して配置されている。また、上記室内ユニット(1B)は、図1で1台のみ示しているが、複数台の室内ユニット(1B)が互いに並列に接続されていてもよい。
〈冷蔵ユニット〉
上記冷蔵ユニット(1C)は、冷却熱交換器である冷蔵熱交換器(45)と膨張機構である冷蔵膨張弁(46)とを備えている。上記冷蔵熱交換器(45)の液側は、電磁弁(7a)及び冷蔵膨張弁(46)を介して第1連絡液管(11)が接続されている。一方、上記冷蔵熱交換器(45)のガス側は、低圧ガス管(15)が接続されている。
上記冷蔵熱交換器(45)は、低圧ガス管(15)を介して吸入側三方切換弁(102)の第3ポートに連通する一方、上記室内熱交換器(41)は、冷房運転時に連絡ガス管(17)を介して吸入側三方切換弁(102)の第2ポートに連通する。上記吸入側三方切換弁(102)の流量調整により、冷蔵熱交換器(45)の冷媒圧力(蒸発圧力)は室内熱交換器(41)の冷媒圧力(蒸発圧力)より低くなる。この結果、上記冷蔵熱交換器(45)の冷媒蒸発温度は、例えば、−10℃となり、室内熱交換器(41)の冷媒蒸発温度は、例えば、+5℃となって冷媒回路(1E)が異温度蒸発の回路を構成している。
なお、上記冷蔵膨張弁(46)は、感温式膨張弁であって、感温筒が冷蔵熱交換器(45)のガス側に取り付けられている。上記冷蔵熱交換器(45)は、例えば、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であって、冷却ファンである冷蔵ファン(47)が近接して配置されている。
〈冷凍ユニット〉
上記冷凍ユニット(1D)は、冷却熱交換器である冷凍熱交換器(51)と膨張機構である冷凍膨張弁(52)とを備えている。上記冷凍熱交換器(51)の液側は、第1連絡液管(11)より分岐した分岐液管(13)が電磁弁(7b)及び冷凍膨張弁(52)を介して接続されている。
なお、上記冷凍膨張弁(52)は、感温式膨張弁であって、感温筒が冷凍熱交換器(51)のガス側に取り付けられている。上記冷凍熱交換器(51)は、例えば、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であって、冷却ファンである冷凍ファン(58)が近接して配置されている。
〈ブースタユニット〉
上記ブースタユニット(1F)は、ブースタ圧縮機(53)と過冷却用熱交換器(210)とを備えている。
上記ブースタ圧縮機(53)は、冷凍熱交換器(51)の冷媒蒸発温度が冷蔵熱交換器(45)の冷媒蒸発温度より低くなるようにインバータ圧縮機(2)との間で冷媒を2段圧縮している。上記冷凍熱交換器(51)の冷媒蒸発温度は、例えば、−40℃に設定されている。
上記冷凍熱交換器(51)のガス側とブースタ圧縮機(53)の吸込側とは、接続ガス管(54)によって接続されている。該ブースタ圧縮機(53)の吐出側には、低圧ガス管(15)より分岐した分岐ガス管(16)が接続されている。該分岐ガス管(16)には、逆止弁(7)とオイルセパレータ(55)とが設けられている。該オイルセパレータ(55)と接続ガス管(54)との間には、キャピラリチューブを有する油戻し管(57)が接続されている。
また、上記ブースタ圧縮機(53)の吸込側である接続ガス管(54)とブースタ圧縮機(53)の吐出側である分岐ガス管(16)の逆止弁(7)の下流側との間には、逆止弁(7)を有するバイパス管(59)が接続されている。該バイパス管(59)は、ブースタ圧縮機(53)の故障などの停止時に該ブースタ圧縮機(53)をバイパスして冷媒が流れるように構成されている。
上記過冷却用熱交換器(210)は、いわゆるプレート式熱交換器によって構成されている。過冷却用熱交換器(210)には、第1流路(211)と第2流路(212)とが複数ずつ形成されている。上記第1連絡液管(11)から第3連絡液管(18)が分岐している。上記過冷却用熱交換器(210)の第1流路(211)は、上記第1連絡液管(11)の一部を構成している。第2流路(212)は、上記第3連絡液管(18)の一部を構成している。
上記第3連絡液管(18)における第1連絡液管(11)との分岐点から第2流路(212)までの間には、過冷却用膨張弁(223)が設けられている。この過冷却用膨張弁(223)は、感温式膨張弁によって構成されており、感温筒が第2流路(212)の反対側に取り付けられている。
そして、上記過冷却用熱交換器(210)は、過冷却用膨張弁(223)が開いたときに、第1流路(211)を流れる冷媒と、第2流路(212)を流れる冷凍装置(10)の冷媒とを熱交換させる。この第1流路(211)を流れて過冷却された冷媒が第1連絡液管(11)を通って冷蔵熱交換器(45)と冷凍熱交換器(51)とに流れるように構成されている。
〈制御系統〉
上記冷媒回路(1E)には、各種センサ及び各種スイッチが設けられている。上記室外ユニット(1A)の吐出側三方切換弁(101)の第3ポートの近傍には、高圧冷媒圧力を検出する高圧圧力センサ(61)が設けられている。インバータ圧縮機(2)には、高圧冷媒温度を検出する吐出温度センサ(62)が設けられている。
上記インバータ圧縮機(2)の吸入管(6)の近傍には、低圧冷媒圧力を検出する低圧圧力センサ(65,66)と、低圧冷媒温度を検出する吸入温度センサ(67)とが設けられている。
また、上記室外ユニット(1A)には、室外空気温度を検出する外気温センサ(70)が設けられている。
上記室内熱交換器(41)には、室内熱交換器(41)における冷媒温度である凝縮温度又は蒸発温度を検出する室内熱交換センサ(71)が設けられると共に、ガス側にガス冷媒温度を検出するガス温センサ(72)が設けられている。また、上記室内ユニット(1B)には、室内空気温度を検出する室温センサ(73)が設けられている。
上記冷蔵ユニット(1C)には、冷蔵用のショーケース内の庫内温度を検出する冷蔵温度センサ(74)が設けられている。上記冷凍ユニット(1D)には、冷凍用のショーケース内の庫内温度を検出する冷凍温度センサ(75)が設けられている。
上記各種センサ及び各種スイッチの出力信号は、コントローラ(80)(図1にのみ示す)に入力されている。該コントローラ(80)は、インバータ圧縮機(2)の容量などを制御するように構成されている。
また、上記コントローラ(80)は、冷媒回路(1E)の運転を制御し、冷房運転と冷凍運転と冷房冷凍運転と暖房運転と第1乃至第3暖房冷凍運転とを切り換えて制御するように構成されている。
上記コントローラ(80)の制御により、上記吐出側三方切換弁(101)は、室外熱交換器(4)が蒸発器となるときには、第2ポートが完全に閉じられ、第3ポート側に冷媒が全て流れる。一方、暖房運転中の室内熱交換器(41)が凝縮器となるときで且つサーモオフのときには、第3ポート側が完全に閉じられ、第2ポート側に冷媒が全て流れる。また、上記室内熱交換器(41)及び室外熱交換器(4)が凝縮器となる熱回収運転時には、インバータ圧縮機(2)の吐出圧力が一定以上になったことを高圧圧力センサ(61)によって検出したときに、吐出圧を一定以下とするように、第2ポートが開くように制御される。
上記コントローラ(80)の制御により、吸入側三方切換弁(102)は、第1系統側回路が使用されないとき、すなわち、室内ユニット(1B)のみの運転時には、その第3ポートは常に閉じられる。
尚、本実施形態においては、図1に示す上記コントローラ(80)の抑制部(81)は設けられていない。
−運転動作−
次に、上記冷凍装置(1)が行う上記運転動作のうち、本発明の特徴の現れる暖房モードについてのみ説明する。
暖房モードは、上記コントローラ(80)の制御により、暖房運転と第1暖房冷凍運転と第2暖房冷凍運転と第3暖房冷凍運転のいずれに切り換わる。
〈暖房運転〉
この暖房運転は、室内ユニット(1B)の暖房のみを行う運転である。また、四路切換弁(3A)は、図2の実線で示すように、ON状態に切り換わる。吐出側三方切換弁(101)の第2ポートは閉じている。吸入側三方切換弁(102)の第3ポートは閉じている。更に、冷蔵ユニット(1C)の電磁弁(7a)及び冷凍ユニット(1D)の電磁弁(7b)が閉鎖している。
この状態において、インバータ圧縮機(2)から吐出した冷媒は、吐出側三方切換弁(101)の第3ポートを通って、四路切換弁(3A)から連絡ガス管(17)を経て室内熱交換器(41)に流れて凝縮する。凝縮した液冷媒は、第2連絡液管(12)を流れ、レシーバ(14)に流れる。その後、上記液冷媒は、暖房用膨張弁(104)を経て室外熱交換器(4)に流れて蒸発する。蒸発したガス冷媒は、室外ガス管(9)から四路切換弁(3A)及び吸入側三方切換弁(102)を経て、インバータ圧縮機(2)に戻る。この循環を繰り返し、室内である店内を暖房する。
また、上記暖房用膨張弁(104)の開度は、低圧圧力センサ(65,66)に基づく圧力相当飽和温度と吸入温度センサ(67)の検出温度によって過熱度制御される。上記室内膨張弁(42)の開度は、室内熱交換センサ(71)の検出温度に基づいて過冷却制御される。この暖房用膨張弁(104)及び室内膨張弁(42)の開度制御は、以下、暖房モードで同じである。
〈第1暖房冷凍運転〉
この第1暖房冷凍運転は、室外熱交換器(4)を用いず、室内ユニット(1B)の暖房と冷蔵ユニット(1C)及び冷凍ユニット(1D)の冷却を行う運転である。
図3の実線で示すように、四路切換弁(3A)は、ON状態に切り換わる。吐出側三方切換弁(101)の第2ポートは閉じている。吸入側三方切換弁(102)の第2ポートは開いている。更に、冷蔵ユニット(1C)の電磁弁(7a)及び冷凍ユニット(1D)の電磁弁(7b)が開口する一方、暖房用膨張弁(104)が閉鎖している。
この状態において、インバータ圧縮機(2)から吐出した冷媒は、吐出側三方切換弁(101)において、全て第3ポート側に送られる。この冷媒が四路切換弁(3A)から連絡ガス管(17)を経て室内熱交換器(41)に流れて凝縮する。凝縮した液冷媒は、第2連絡液管(12)から第1連絡液管(11)を流れる。
上記第1連絡液管(11)を流れる液冷媒は、その一部が冷蔵膨張弁(46)を経て冷蔵熱交換器(45)に流れて蒸発する。また、上記第1連絡液管(11)を流れる他の液冷媒は、分岐液管(13)を流れ、冷凍膨張弁(52)を経て冷凍熱交換器(51)に流れて蒸発する。この冷凍熱交換器(51)で蒸発したガス冷媒は、ブースタ圧縮機(53)に吸引されて圧縮され、分岐ガス管(16)に吐出される。
上記冷蔵熱交換器(45)で蒸発したガス冷媒とブースタ圧縮機(53)から吐出したガス冷媒とは、低圧ガス管(15)で合流し、インバータ圧縮機(2)に戻る。この循環を繰り返し、室内である店内を暖房すると同時に、冷蔵用のショーケースと冷凍用のショーケースである庫内を冷却する。つまり、冷蔵ユニット(1C)と冷凍ユニット(1D)との冷却能力(蒸発熱量)と、室内ユニット(1B)の暖房能力(凝縮熱量)とがバランスし、100%の熱回収が行われる。
また、上記冷蔵膨張弁(46)及び冷凍膨張弁(52)の開度は、感温筒による過熱度制御が行われ、以下、各運転で同じである。
〈第2暖房冷凍運転〉
この第2暖房冷凍運転は、上記第1暖房冷凍運転時に室内ユニット(1B)の暖房能力が余る暖房の能力過剰運転である。
図4に示すように、この第2暖房冷凍運転は、上記第1暖房冷凍運転時において、暖房能力が余る場合の熱回収運転である。
本発明の特徴として、インバータ圧縮機(2)の吐出圧力が一定以上になったことを高圧圧力センサ(61)によって検出したときに、上記コントローラ(80)の制御により、第2ポートが開くように制御され、インバータ圧縮機(2)から吐出した冷媒は、吐出側三方切換弁(101)によって分配される。すなわち、室内熱交換器(41)で必要な凝縮熱を与えることのできる流量の冷媒のみを、その第3ポートを通して室内熱交換器(41)に流し、凝縮する。凝縮した液冷媒は、第2連絡液管(12)を通って第1連絡液管(11)に流れる。
一方、インバータ圧縮機(2)から吐出した残りの冷媒は、吐出側三方切換弁(101)で第2ポートを通って室外ガス管(9)側に分配される。そして、その冷媒は、室外熱交換器(4)で凝縮する。この凝縮した液冷媒は、第1液管(10a)を流れた後、レシーバ(14)に流れ、接続液管(19)を通って第1連絡液管(11)において上記室内熱交換器(41)を通過した冷媒と合流する。
その後、上記第1連絡液管(11)を流れる液冷媒の一部が冷蔵熱交換器(45)に流れて蒸発する。また、上記第1連絡液管(11)を流れる他の液冷媒は、冷凍熱交換器(51)に流れて蒸発する。上記冷蔵熱交換器(45)で蒸発したガス冷媒と、冷凍熱交換器(51)で蒸発した後ブースタ圧縮機(53)から吐出されたガス冷媒とは、低圧ガス管(15)で合流し、吸入側三方切換弁(102)の第3ポートを通ってインバータ圧縮機(2)に戻る。この循環を繰り返し、室内である店内を暖房すると同時に、冷蔵用のショーケースと冷凍用のショーケースである庫内を冷却する。つまり、冷蔵ユニット(1C)と冷凍ユニット(1D)との冷却能力(蒸発熱量)と、室内ユニット(1B)の暖房能力(凝縮熱量)とがバランスせず、余る凝縮熱のみを室外熱交換器(4)で室外に放出する。
〈第3暖房冷凍運転〉
この第3暖房冷凍運転は、上記第1暖房冷凍運転時に室内ユニット(1B)の暖房能力が不足する暖房の能力不足運転である。つまり、蒸発熱量が不足している場合である。
図5の実線で示すように、四路切換弁(3A)は、ON状態に切り換わる。吐出側三方切換弁(101)の第2ポートは閉じている。吸入側三方切換弁(102)は第2ポート及び第3ポートが開いている。更に、冷蔵ユニット(1C)の電磁弁(7a)及び冷凍ユニット(1D)の電磁弁(7b)が開口している。
したがって、インバータ圧縮機(2)から吐出した冷媒は、上記第1暖房冷凍運転と同様に全て室内熱交換器(41)に流れて凝縮する。凝縮した液冷媒は、第2連絡液管(12)を通って第1連絡液管(11)とレシーバ(14)とに流れる。
その後、上記第1連絡液管(11)を流れる液冷媒の一部が冷蔵熱交換器(45)に流れて蒸発する。また、上記第1連絡液管(11)を流れる他の液冷媒は、冷凍熱交換器(51)に流れて蒸発する。上記冷蔵熱交換器(45)で蒸発したガス冷媒と冷凍熱交換器(51)で蒸発した後ブースタ圧縮機(53)から吐出したガス冷媒とは、低圧ガス管(15)で合流し、吸入側三方切換弁(102)の第3ポートを通ってインバータ圧縮機(2)に戻る。
一方、上記レシーバ(14)側に流れ込んだ他の液冷媒は、第2液管(10b)を経て暖房用膨張弁(104)を通って室外熱交換器(4)に流れ、蒸発する。蒸発したガス冷媒は、室外ガス管(9)を流れ、四路切換弁(3A)及び吸入側三方切換弁(102)を経てインバータ圧縮機(2)に戻る。
この循環を繰り返し、室内である店内を暖房すると同時に、冷蔵用のショーケースと冷凍用のショーケースである庫内を冷却する。つまり、冷蔵ユニット(1C)と冷凍ユニット(1D)との冷却能力(蒸発熱量)と、室内ユニット(1B)の暖房能力(凝縮熱量)とがバランスせず、不足する蒸発熱を室外熱交換器(4)から得る。
−実施形態1の効果−
以上説明したように、上記実施形態の冷凍装置(1)によれば、三方切換弁(101)が、圧縮機(2)から吐出された冷媒を室内熱交換器(41)と室外熱交換器(4)とに流量を調整して分配している。このため、熱回収運転(第2暖房冷凍運転)時に冷蔵熱交換器(45)及び冷凍熱交換器(51)で吸収した熱量のうち、室内熱交換器(41)で必要な熱量のみを室内熱交換器(41)に供給し、余った熱量を室外熱交換器(4)で室外に排出することができる。したがって、圧縮機(2)の吐出圧を下げすぎることないので、快適な空調が行え、また、冷蔵熱交換器(45)及び冷凍熱交換器(51)で吸収した熱を適切に回収できるため、熱効率を格段に向上させることができる。
《実施形態2》
本実施形態は、図1に示すように、実施形態1のコントローラ(80)に抑制手段である抑制部(81)を設けるようにしたものである。
該抑制部(81)は、上記流量調整手段である吐出側三方切換弁(101)による冷媒の流量可変時に、上記室内熱交換器(41)の凝縮能力の低下を抑制するように構成されている。具体的に、上記抑制部(81)は、熱源側熱交換器(4)の室外ファン(4F)の風量を低下させるように構成されている。上記抑制部(81)は、第2暖房冷凍運転を行う熱回収運転時において、室内熱交換器(41)の暖房能力が極端に低下する場合、この暖房能力の低下を抑制するようにしたものであり、つまり、インバータ圧縮機(2)をそのまま運転継続すると、暖房能力が極端に低下する場合、この暖房能力の低下を抑制するようにしたものである。
そして、上記抑制部(81)が室外ファン(4F)の風量を低下させる条件は、下記の通りである。
(a1)外気温センサ(70)が検出する室外空気温度が所定温度より低い。
(b1)高圧圧力センサ(61)が検出するインバータ圧縮機(2)の高圧冷媒圧力が所定圧力値より低い。
(c1)室内熱交換センサ(71)が検出する室内熱交換器(41)の凝縮温度が所定温度より低いか、又は図示しない温度センサが検出する室外熱交換器(4)の凝縮温度が所定温度より低い。
(d1)室温センサ(73)が検出する室内ユニット(1B)の吸込温度(室内空気温度)と室内の設定温度との温度差が所定値より大きい。
(e1)室温センサ(73)が検出する室内ユニット(1B)の室内空気温度(吸込温度)が所定温度より低い。
(f1)室内ユニット(1B)が複数台設置されている場合、暖房運転を休止したサーモオフ状態の室内ユニット(1B)が所定台数より少ない。
(g1)冷蔵温度センサ(74)が検出する冷蔵ユニット(1C)の吸込温度(冷蔵用のショーケース内の庫内温度)と庫内の設定温度との温度差が所定値より小さいか、又は冷凍温度センサ(75)が検出する冷凍ユニット(1D)の吸込温度(冷凍用のショーケース内の庫内温度)と庫内の設定温度との温度差が所定値より小さい。
(h1)冷蔵ユニット(1C)に設けられた冷蔵熱交換センサ(図示省略)が検出する冷蔵熱交換器(45)の蒸発温度と庫内の設定温度との温度差が所定値より小さいか、又は冷凍ユニット(1D)に設けられた冷凍熱交換センサ(図示省略)が検出する冷凍熱交換器(51)の蒸発温度と庫内の設定温度との温度差が所定値より小さい。
上記(a1)〜(h1)の条件の何れかを充足する場合、暖房能力が極端に低下することから、室外ファン(4F)の風量を低下させて暖房能力の低下を抑制する。この結果、上記室内熱交換器(41)における所定の暖房能力を確実に確保することができる。尚、上記(a1)〜(h1)の条件の何れかを充足しなくなった場合、室外ファン(4F)の風量を元に戻して増大させる。その他の構成、作用及び効果は実施形態1と同様である。
《実施形態3》
本実施形態は、実施形態2の抑制部(81)が室外ファン(4F)の風量を低下させたのに代わり、抑制部(81)が冷蔵熱交換器(45)の冷蔵ファン(47)又は冷凍熱交換器(51)の冷凍ファン(58)の風量を増大させるように構成したものである。つまり、上記抑制部(81)は、冷蔵熱交換器(45)又は冷凍熱交換器(51)の蒸発能力を強制的に増大させ、暖房能力の低下を抑制するようにしたものである。そして、上記冷蔵ファン(47)又は冷凍ファン(58)の風量を増大させる条件は、実施形態2における(a1)〜(h1)の条件と同じである。その他の構成、作用及び効果は実施形態2と同様である。
《実施形態4》
本実施形態は、実施形態2の抑制部(81)が室外ファン(4F)の風量を低下させたのに代わり、抑制部(81)が冷蔵膨張弁(46)又は冷凍膨張弁(52)の開度を大きくさせるように構成したものである。つまり、上記抑制部(81)は、冷蔵熱交換器(45)又は冷凍熱交換器(51)の蒸発能力を強制的に増大させ、暖房能力の低下を抑制するようにしたものである。そして、上記冷蔵膨張弁(46)又は冷凍膨張弁(52)の開度を大きくさせる条件は、実施形態2における(a1)〜(h1)の条件と同じである。その他の構成、作用及び効果は実施形態2と同様である。尚、本実施形態における冷蔵膨張弁(46)又は冷凍膨張弁(52)は、感温式膨張弁ではなく、冷蔵熱交換器(45)又は冷凍熱交換器(51)の冷媒蒸発温度と出口側のガス冷媒温度とを温度センサで検出し、この温度差である過熱度が所定温度になるように開度を調整する電動膨張弁で構成されている。
《実施形態5》
本実施形態は、実施形態2の抑制部(81)が室外ファン(4F)の風量を低下させたのに代わり、抑制部(81)がインバータ圧縮機(2)の容量を増大させるように構成したものである。つまり、上記抑制部(81)は、インバータ圧縮機(2)の運転能力を強制的に増大させ、暖房能力の低下を抑制するようにしたものである。そして、上記インバータ圧縮機(2)の容量を増大させる条件は、実施形態2における(a1)〜(h1)の条件と同じである。その他の構成、作用及び効果は実施形態2と同様である。
《実施形態6》
本実施形態は、実施形態2の抑制部(81)が室外ファン(4F)の風量を低下させたのに代わり、抑制部(81)がインバータ圧縮機(2)の運転台数を増大させるように構成したものである。つまり、上記抑制部(81)は、駆動するインバータ圧縮機(2)の台数を強制的に増大させ、暖房能力の低下を抑制するようにしたものである。そして、上記インバータ圧縮機(2)の容量を増大させる条件は、実施形態2における(a1)〜(h1)の条件と同じである。その他の構成、作用及び効果は実施形態2と同様である。尚、本実施形態では、複数台のインバータ圧縮機(2)が互いに並列に接続されて構成されている。
《実施形態7》
本実施形態は、実施形態2の抑制部(81)が室外ファン(4F)の風量を低下させたのに代わり、抑制部(81)がインバータ圧縮機(2)の吐出側と吸入側とをバイパスさせるように構成したものである。
本実施形態は、図6に示すように、インバータ圧縮機(2)の吐出管(5)と吸入管(6)との間に補助通路(90)が接続されている。該補助通路(90)には、開閉機構である補助弁(91)が設けられている。そして、上記抑制部(81)が補助弁(91)を開いて補助通路(90)を連通させる条件は、下記の通りである。
(a2)外気温センサ(70)が検出する室外空気温度が所定温度より高い。
(b2)高圧圧力センサ(61)が検出するインバータ圧縮機(2)の高圧冷媒圧力が所定圧力値より高い。
(c2)室内熱交換センサ(71)が検出する室内熱交換器(41)の凝縮温度が所定温度より低いか、又は図示しない温度センサが検出する室外熱交換器(4)の凝縮温度が所定温度より高い。
(d2)室温センサ(73)が検出する室内ユニット(1B)の吸込温度(室内空気温度)と室内の設定温度との温度差が所定値より小さい。
(e2)室温センサ(73)が検出する室内ユニット(1B)の室内空気温度(吸込温度)が所定温度より高い。
(f2)室内ユニット(1B)が複数台設置されている場合、暖房運転を休止したサーモオフ状態の室内ユニット(1B)が所定台数より多い。
つまり、上記(a2)〜(f2)の条件の何れかを充足する場合、室内熱交換器(41)に液冷媒が溜まって凝縮能力が極端に低下していることから、供給する冷媒量を低減して暖房能力の低下を抑制するようにしたものである。この結果、上記室内熱交換器(41)における所定の暖房能力を確実に確保することができる。尚、上記(a2)〜(f2)の条件の何れかを充足しなくなった場合、補助弁(91)を閉じる。その他の構成、作用及び効果は実施形態2と同様である。
《実施形態8》
本実施形態は、実施形態2の抑制部(81)が室外ファン(4F)の風量を低下させたのに代わり、抑制部(81)が室内熱交換器(41)の室内ファン(43)の風量を増大させるように構成したものである。つまり、上記抑制部(81)は、室内熱交換器(41)の凝縮能力を強制的に増大させ、暖房能力の低下を抑制するようにしたものである。そして、上記室内ファン(43)の風量を増大させる条件は、実施形態7における(a2)〜(f2)の条件と同じである。その他の構成、作用及び効果は実施形態2と同様である。
《その他の実施形態》
本発明は、上記実施形態1〜8について、以下のような構成としてもよい。
すなわち、上記実施形態では、吐出側三方切換弁(101)を流量調整可能なものとして流量調整手段を構成したが、流量調整機能のない簡単な構造の三方切換弁(101)としてもよい。この場合には、流量調整手段が三方切換弁(101)と暖房用膨張弁(104)とで構成され、熱回収運転時に下流側となる端部に接続された暖房用膨張弁(104)の開き具合の調整によって、圧縮機(2)から吐出された冷媒を室内熱交換器(41)と室外熱交換器(4)とに適量に分配してもよい。この場合、流量調整機能のない簡単な構造の四方切換弁を流量調整手段としてもよく、いずれの場合にも、上記実施形態と同様に効率のよい冷凍装置(1)が得られる。
以上説明したように、本発明は、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどに用いられる空調熱交換器と冷却熱交換器とを備えた冷凍装置について有用である。
実施形態1に係る冷凍装置の冷媒回路を示す回路図である。 実施形態1の暖房運転時の冷媒流れを示す冷媒回路図である。 実施形態1の第1暖房冷凍運転時の冷媒流れを示す冷媒回路図である。 実施形態1の第2暖房冷凍運転時の冷媒流れを示す冷媒回路図である。 実施形態1の第3暖房冷凍運転時の冷媒流れを示す冷媒回路図である。 実施形態7の暖房運転時の冷媒流れを示す冷媒回路図である。
符号の説明
1 冷凍装置
1E 冷媒回路
2 圧縮機
4 室外熱交換器(熱源側熱交換器)
4F 室外ファン(熱源ファン)
5 吐出管
41 室内熱交換器(空調熱交換器)
43 室内ファン(空調ファン)
45 冷蔵熱交換器(冷却熱交換器)
47 冷蔵ファン(冷却ファン)
51 冷凍熱交換器(冷却熱交換器)
58 冷凍ファン(冷却ファン)
101 三方切換弁
104 膨張弁
81 抑制部(抑制手段)
90 補助通路
91 補助弁

Claims (11)

  1. 圧縮機(2)と、熱源側熱交換器(4)と、膨張機構(46,52,104)と、室内を空調するための空調熱交換器(41)と、庫内を冷却するための冷却熱交換器(45,51)とが接続された冷媒回路(1E)を備える冷凍装置であって、
    上記冷媒回路(1E)は、空調熱交換器(41)及び熱源側熱交換器(4)が凝縮器となる熱回収運転時に、上記圧縮機(2)から吐出して上記空調熱交換器(41)と熱源側熱交換器(4)とに分配される冷媒の流量を可変にする流量調整手段(101,104)を備えている
    ことを特徴とする冷凍装置。
  2. 請求項1において、
    上記流量調整手段は、圧縮機(2)の吐出管(5)に接続された流路切り換え可能で且つ流量調整可能な三方切換弁(101)で構成されている
    ことを特徴とする冷凍装置。
  3. 請求項1において、
    上記流量調整手段は、圧縮機(2)の吐出管(5)に接続された流路切り換え可能な切換弁(101)と、熱源側熱交換器(4)における上記熱回収運転時に下流側となる端部に接続された開度調整可能な膨張弁(104)とから構成されている
    ことを特徴とする冷凍装置。
  4. 請求項1において、
    上記流量調整手段(101,104)による冷媒の流量可変時に、上記空調熱交換器(41)の凝縮能力の低下を抑制する抑制手段(81)が設けられている
    ことを特徴とする冷凍装置。
  5. 請求項4において、
    上記抑制手段(81)は、熱源側熱交換器(4)の熱源ファン(4F)の風量を低下させるように構成されている
    ことを特徴とする冷凍装置。
  6. 請求項4において、
    上記抑制手段(81)は、冷却熱交換器(45,51)の冷却ファン(47,58)の風量を増大させるように構成されている
    ことを特徴とする冷凍装置。
  7. 請求項4において、
    上記冷却熱交換器(45,51)の膨張機構(46,52)が開度調整可能な膨張弁で構成され、
    上記抑制手段(81)は、冷却熱交換器(45,51)の膨張機構(46,52)の開度を大きくさせるように構成されている
    ことを特徴とする冷凍装置。
  8. 請求項4において、
    上記圧縮機(2)が容量可変に構成され、
    上記抑制手段(81)は、圧縮機(2)の容量を増大させるように構成されている
    ことを特徴とする冷凍装置。
  9. 請求項4において、
    上記圧縮機(2)が複数台で構成され、
    上記抑制手段(81)は、圧縮機(2)の運転台数を増大させるように構成されている
    ことを特徴とする冷凍装置。
  10. 請求項4において、
    上記圧縮機(2)の吐出側と吸入側とで冷媒をバイパスさせる補助通路(90)が設けられ、
    上記抑制手段(81)は、補助通路(90)を連通させるように構成されている
    ことを特徴とする冷凍装置。
  11. 請求項4において、
    上記抑制手段(81)は、空調熱交換器(41)の空調ファン(43)の風量を増大させるように構成されている
    ことを特徴とする冷凍装置。
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