以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。
図1に示すように、本実施形態に係る冷凍装置(1)は、コンビニエンスストアやスーパーマーケットに設けられ、庫内であるショーケース(図示せず)の冷却と室内である店内の冷暖房とを行うためのものである。
上記冷凍装置(1)は、室外ユニット(1A)と室内ユニット(1B)と冷蔵ユニット(1C)と冷凍ユニット(1D)とを有し、蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷媒回路(1E)を備えている。また、この冷媒回路(1E)は、ブースタユニット(1F)を備えている。室内ユニット(1B)と冷蔵ユニット(1C)と冷凍ユニット(1D)とは、並列に接続されている。そして、上記冷媒回路(1E)は、冷房サイクルと暖房サイクルとに切り換わるように構成されている。
上記室内ユニット(1B)は、冷房運転と暖房運転とを切り換えて行うように構成され、例えば、売場などに設置される。また、上記冷蔵ユニット(1C)は、冷蔵用のショーケースに設置されて該ショーケースの庫内空気を冷却する。上記冷凍ユニット(1D)は、冷凍用のショーケースに設置されて該ショーケースの庫内空気を冷却する。
〈室外ユニット〉
上記室外ユニット(1A)は、インバータ圧縮機(2)と、四路切換弁(3A)と、吐出側三方切換弁(101)と、流量調整手段としての吸入側三方切換弁(102)と、熱源側熱交換器である室外熱交換器(4)と、エコノマイザー用熱交換器(103)とを備えている。
上記インバータ圧縮機(2)は、例えば、密閉型のスクリュー圧縮機で構成され、電動機がインバータ制御されて容量が段階的又は連続的に可変となるように構成されている。上記インバータ圧縮機(2)の吐出管(5)は、吐出側三方切換弁(101)の第1ポートに接続されている。インバータ圧縮機(2)の運転容量制御は、常時、室内ユニット(1B)側の冷媒圧力が一定になるように制御される。後述する室内熱交換器(41)及び室外熱交換器(4)が凝縮器となる熱回収運転時には、室内熱交換器(41)内の圧力を一定にするように、制御される。なお、インバータ圧縮機(2)はスクロール圧縮機で構成してもよい。
上記室外熱交換器(4)のガス側端部(インバータ圧縮機(2)側端部)は、室外ガス管(9)によって、上記吐出側三方切換弁(101)の第2ポートから延びる配管及び四路切換弁(3A)の第2ポートから延びる配管の接続部に接続されている。上記室外熱交換器(4)の液側端部には、暖房用電子膨張弁(104)が設けられ、更にこの暖房用電子膨張弁(104)に液ラインである第1液管(10a)の一端と第2液管(10b)の一端とが接続されている。暖房用電子膨張弁(104)は、室外熱交換器(4)が蒸発器となる暖房時に冷媒が減圧される。その制御は、後述する吸入温度センサ(67)によって得られたインバータ圧縮機(2)の吸入加熱度に基づいて行われる。第1液管(10a)は、レシーバ(14)入口に接続されている。第2液管(10b)には、上記エコノマイザー用熱交換器(103)の第1流路(105)が接続されている。
なお、上記室外熱交換器(4)は、例えば、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であって、室外ファン(4F)が近接して配置されている。
上記インバータ圧縮機(2)の吸入管(6)は、吸入側三方切換弁(102)の第1ポートに接続されている。吸入側三方切換弁(102)の第3ポートは、閉鎖弁(20)を介して低圧ガス管(15)に接続されている。
上記四路切換弁(3A)の第1ポートは、吐出側三方切換弁(101)の第3ポートから延びる配管及び後述する連通管(21)の接続部に接続されている。四路切換弁(3A)の第3ポートから延びる配管は、吸入側三方切換弁(102)の第2ポートに接続されている。四路切換弁(3A)の第4ポートから延びる配管には、閉鎖弁(20)を介して連絡ガス管(17)が接続されている。
上記四路切換弁(3A)は、吐出側三方切換弁(101)の第3ポートから延びる配管及び連通管(21)の接続部と連絡ガス管(17)とが連通し、且つ室外ガス管(9)及び吐出側三方切換弁(101)の第2ポートから延びる配管の接続部と吸入側三方切換弁(102)の第2ポートから延びる配管とが連通するON状態(図2実線参照)と、吐出側三方切換弁(101)の第3ポートから延びる配管及び連通管(21)の接続部と室外ガス管(9)とが連通し、且つ連絡ガス管(17)と吸入側三方切換弁(102)の第2ポートから延びる配管とが連通するOFF状態(図2破線参照)とに切り換わるように構成されている。
上記連絡ガス管(17)と低圧ガス管(15)と接続液管(19)とは、室外ユニット(1A)から外部に延長され、室外ユニット(1A)内に閉鎖弁(20)がそれぞれ設けられている。
上記エコノマイザー用熱交換器(103)は、第1流路(105)と第2流路(106)とを備えている。第1流路(105)の一端から延びる配管は上記レシーバ(14)の出口に接続され、他端は上記接続液管(19)及びレシーバ(14)の入口から延びる配管の接続部に接続されている。第2流路(106)の一端は逆止弁(7)を介してインバータ圧縮機(2)の中間圧力部(図示せず)に接続され、他端はエコノマイザー用電子膨張弁(107)を介してレシーバ(14)の入口から接続液管(19)に向かって延びる配管の接続部に接続されている。このように構成することで、レシーバ(14)の出口から出てきた液冷媒が、一度エコノマイザー用熱交換器(103)の第1流路(105)を通過した後、エコノマイザー用電子膨張弁(107)で減圧され、第2流路(106)を通過中に上記第1流路(105)内の冷媒によって、低圧状態で過冷却された後、この低圧冷媒がインバータ圧縮機(2)の中間圧力部に導かれるように構成されている。エコノマイザー用電子膨張弁(107)の制御は、過冷却度とインバータ圧縮機(2)の吐出管(5)の冷媒温度に合わせて行われる。なお、上記逆止弁(7)によってインバータ圧縮機(2)の中間圧力部からの冷媒の逆流が防がれる。この過冷却された低圧冷媒がインバータ圧縮機(2)の中間圧力部に導かれることで、インバータ圧縮機(2)の過熱が防止される。
レシーバ(14)の入口における第1液管(10a)側とエコノマイザー用熱交換器(103)の第1流路(105)側とには、それぞれ逆止弁(7)が設けられ、レシーバ(14)の入口に向かってのみ冷媒が流れるように構成されている。また、レシーバ(14)の入口から延びる配管とエコノマイザー用熱交換器(103)の第1流路(105)側との間には、凝縮圧力調整弁(108)が設けられている。この凝縮圧力調整弁(108)によって、暖房運転時で外気温度が低いときに、室内ユニット(1B)側の冷媒不足が防止される。
上記四路切換弁(3A)の第1ポートから延びる配管及び吐出側三方切換弁(101)の第3ポートから延びる配管の接続部と接続液管(19)からレシーバ(14)に向かって延びる配管との間には、補助ラインである連通管(21)が接続されている。この連通管(21)には、バネ付逆止弁(109)が設けられている。バネ付逆止弁(109)は、通常は作動せず、運転停止時にレシーバ(14)が液状の冷媒で満タンのとき、各バルブを閉じたときの液漏れを防止するように構成されている。
〈室内ユニット〉
上記室内ユニット(1B)は、第1熱交換器としての室内熱交換器(41)と膨張機構である室内膨張弁(42)とを備えている。上記室内熱交換器(41)のガス側は、連絡ガス管(17)が接続されている。一方、上記室内熱交換器(41)の液側は、室内膨張弁(42)を介して第2連絡液管(12)が接続され、この第2連絡液管(12)が室外ユニット(1A)に延びる接続液管(19)に接続されている。なお、上記室内熱交換器(41)は、例えば、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であって、室内ファン(43)が近接して配置されている。
〈冷蔵ユニット〉
上記冷蔵ユニット(1C)は、第2熱交換器としての冷蔵熱交換器(45)と膨張機構である冷蔵膨張弁(46)とを備えている。上記冷蔵熱交換器(45)の液側は、電磁弁(7a)及び冷蔵膨張弁(46)を介して第1連絡液管(11)が接続されている。一方、上記冷蔵熱交換器(45)のガス側は、低圧ガス管(15)が接続されている。
上記冷蔵熱交換器(45)は、低圧ガス管(15)を介して吸入側三方切換弁(102)の第3ポートに連通する一方、上記室内熱交換器(41)は、冷房運転時に連絡ガス管(17)を介して吸入側三方切換弁(102)の第2ポートに連通する。上記吸入側三方切換弁(102)の流量調整により、冷蔵熱交換器(45)の冷媒圧力(蒸発圧力)は室内熱交換器(41)の冷媒圧力(蒸発圧力)より低くなる。この結果、上記冷蔵熱交換器(45)の冷媒蒸発温度は、例えば、−10℃となり、室内熱交換器(41)の冷媒蒸発温度は、例えば、+5℃となって冷媒回路(1E)が異温度蒸発の回路を構成している。
なお、上記冷蔵膨張弁(46)は、感温式膨張弁であって、感温筒が冷蔵熱交換器(45)のガス側に取り付けられている。上記冷蔵熱交換器(45)は、例えば、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であって、冷蔵ファン(47)が近接して配置されている。
〈冷凍ユニット〉
上記冷凍ユニット(1D)は、第2熱交換器としての冷凍熱交換器(51)と膨張機構である冷凍膨張弁(52)とを備えている。上記冷凍熱交換器(51)の液側は、第1連絡液管(11)より分岐した分岐液管(13)が電磁弁(7b)及び冷凍膨張弁(52)を介して接続されている。
なお、上記冷凍膨張弁(52)は、感温式膨張弁であって、感温筒が冷凍熱交換器(51)のガス側に取り付けられている。上記冷凍熱交換器(51)は、例えば、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であって、冷凍ファン(58)が近接して配置されている。
〈ブースタユニット〉
ブースタユニット(1F)は、ブースタ圧縮機(53)と過冷却用熱交換器(210)とを備えている。
上記ブースタ圧縮機(53)は、冷凍熱交換器(51)の冷媒蒸発温度が冷蔵熱交換器(45)の冷媒蒸発温度より低くなるようにインバータ圧縮機(2)との間で冷媒を2段圧縮している。上記冷凍熱交換器(51)の冷媒蒸発温度は、例えば、−40℃に設定されている。
上記冷凍熱交換器(51)のガス側とブースタ圧縮機(53)の吸込側とは、接続ガス管(54)によって接続されている。該ブースタ圧縮機(53)の吐出側には、低圧ガス管(15)より分岐した分岐ガス管(16)が接続されている。該分岐ガス管(16)には、逆止弁(7)とオイルセパレータ(55)とが設けられている。該オイルセパレータ(55)と接続ガス管(54)との間には、キャピラリチューブを有する油戻し管(57)が接続されている。
また、上記ブースタ圧縮機(53)の吸込側である接続ガス管(54)とブースタ圧縮機(53)の吐出側である分岐ガス管(16)の逆止弁(7)の下流側との間には、逆止弁(7)を有するバイパス管(59)が接続されている。該バイパス管(59)は、ブースタ圧縮機(53)の故障などの停止時に該ブースタ圧縮機(53)をバイパスして冷媒が流れるように構成されている。
上記過冷却用熱交換器(210)は、いわゆるプレート式熱交換器によって構成されている。過冷却用熱交換器(210)には、第1流路(211)と第2流路(212)とが複数ずつ形成されている。上記第1連絡液管(11)から第3連絡液管(18)が分岐している。上記過冷却用熱交換器(210)の第1流路(211)は、上記第1連絡液管(11)の一部を構成している。第2流路(212)は、上記第3連絡液管(18)の一部を構成している。
上記第3連絡液管(18)における第1連絡液管(11)との分岐点から第2流路(212)までの間には、過冷却用膨張弁(223)が設けられている。この過冷却用膨張弁(223)は、感温式膨張弁によって構成されており、感温筒が第2流路(212)の反対側に取り付けられている。
そして、上記過冷却用熱交換器(210)は、過冷却用膨張弁(223)が開いたときに、第1流路(211)を流れる冷媒と、第2流路(212)を流れる冷凍装置(10)の冷媒とを熱交換させる。この第1流路(211)を流れて過冷却された冷媒が第1連絡液管(11)を通って冷蔵熱交換器(45)と冷凍熱交換器(51)とに流れるように構成されている。
〈制御系統〉
上記冷媒回路(1E)には、各種センサ及び各種スイッチが設けられている。上記室外ユニット(1A)の吐出側三方切換弁(101)の第3ポートの近傍には、高圧冷媒圧力を検出する高圧圧力センサ(61)が設けられている。インバータ圧縮機(2)には、高圧冷媒温度を検出する吐出温度センサ(62)が設けられている。
上記インバータ圧縮機(2)の吸入管(6)の近傍には、低圧冷媒圧力を検出する低圧圧力センサ(65,66)と、低圧冷媒温度を検出する吸入温度センサ(67)とが設けられている。
また、上記室外ユニット(1A)には、室外空気温度を検出する外気温センサ(70)が設けられている。
上記室内熱交換器(41)には、室内熱交換器(41)における冷媒温度である凝縮温度又は蒸発温度を検出する室内熱交換センサ(71)が設けられると共に、ガス側にガス冷媒温度を検出するガス温センサ(72)が設けられている。また、上記室内ユニット(1B)には、室内空気温度を検出する室温センサ(73)が設けられている。
上記冷蔵ユニット(1C)には、冷蔵用のショーケース内の庫内温度を検出する冷蔵温度センサ(74)が設けられている。上記冷凍ユニット(1D)には、冷凍用のショーケース内の庫内温度を検出する冷凍温度センサ(75)が設けられている。
上記各種センサ及び各種スイッチの出力信号は、コントローラ(80)(図1にのみ示す)に入力されている。該コントローラ(80)は、インバータ圧縮機(2)の容量などを制御するように構成されている。
また、上記コントローラ(80)は、冷媒回路(1E)の運転を制御し、冷房運転と冷凍運転と冷房冷凍運転と暖房運転と第1乃至第3暖房冷凍運転とを切り換えて制御するように構成されている。
上記コントローラ(80)の制御により、上記吐出側三方切換弁(101)は、室外熱交換器(4)が蒸発器となるときには、第2ポートが完全に閉じられ、第3ポート側に冷媒が全て流れる。一方、暖房運転中の室内熱交換器(41)が凝縮器となるときで且つサーモオフのときには、第3ポート側が完全に閉じられ、第2ポート側に冷媒が全て流れる。また、室内熱交換器(41)及び室外熱交換器(4)が凝縮器となる熱回収運転時には、インバータ圧縮機(2)の吐出圧力が一定以上になったことを高圧圧力センサ(61)によって検出したときに、吐出圧を一定以下とするように、第2ポートが開くように制御される。
上記コントローラ(80)の制御により、吸入側三方切換弁(102)は、室内ユニット(1B)のみの運転時には、その第3ポートは常に閉じられる。
−運転動作−
次に、上記冷凍装置(1)が行う主な運転動作について説明する。
〈冷房モード〉
冷房モードは、冷房運転と冷凍運転と冷房冷凍運転とのいずれかに切り換わる。
〈冷房運転〉
図2に示すように、この冷房運転は、室内ユニット(1B)の冷房のみを行う運転である。
また、四路切換弁(3A)は、図2の実線で示すように、それぞれOFF状態に切り換わる。更に、冷蔵ユニット(1C)の電磁弁(7a)及び冷凍ユニット(1D)の電磁弁(7b)が閉鎖している。
この状態において、インバータ圧縮機(2)から吐出した冷媒は、吐出側三方切換弁(101)で第2ポートを通って室外ガス管(9)側に分配される。そして、その冷媒は、室外熱交換器(4)で凝縮する。この凝縮した液冷媒は、第1液管(10a)を流れた後、レシーバ(14)に流れ、接続液管(19)を通って第2連絡液管(12)を流れ、室内膨張弁(42)を経て室内熱交換器(41)に流れて蒸発する。蒸発したガス冷媒は、連絡ガス管(17)から四路切換弁(3A)を経て吸入側三方切換弁(102)の第2ポートを通ってインバータ圧縮機(2)に戻る。この循環を繰り返し、室内である店内を冷房する。
また、上記室内膨張弁(42)の開度は、室内熱交換センサ(71)とガス温センサ(72)の検出温度に基づいて過熱度制御され、以下、冷房モードでは同じである。
〈冷凍運転〉
この冷凍運転は、冷蔵ユニット(1C)と冷凍ユニット(1D)の冷却のみを行う運転である。
また、四路切換弁(3A)は、図3の実線で示すように、OFF状態に切り換わる。更に、冷蔵ユニット(1C)の電磁弁(7a)及び冷凍ユニット(1D)の電磁弁(7b)が開口される一方、室内膨張弁(42)が閉鎖している。
この状態において、インバータ圧縮機(2)から吐出した冷媒は、吐出側三方切換弁(101)で第2ポートを通って室外ガス管(9)側に分配される。そして、その冷媒は、室外熱交換器(4)で凝縮する。この凝縮した液冷媒は、第1液管(10a)を流れた後、レシーバ(14)に流れ、接続液管(19)を通って第1連絡液管(11)を流れ、一部が冷蔵膨張弁(46)を経て冷蔵熱交換器(45)に流れて蒸発する。
一方、第1連絡液管(11)を流れる他の液冷媒は、分岐液管(13)を流れ、冷凍膨張弁(52)を経て冷凍熱交換器(51)に流れて蒸発する。この冷凍熱交換器(51)で蒸発したガス冷媒は、ブースタ圧縮機(53)に吸引されて圧縮され、分岐ガス管(16)に吐出される。
上記冷蔵熱交換器(45)で蒸発したガス冷媒とブースタ圧縮機(53)から吐出したガス冷媒とは、低圧ガス管(15)で合流し、吸入側三方切換弁(102)の第3ポートを通ってインバータ圧縮機(2)に戻る。この循環を繰り返し、冷蔵用のショーケースと冷凍用のショーケースである庫内を冷却する。
したがって、上記冷凍熱交換器(51)における冷媒圧力は、ブースタ圧縮機(53)で吸引されるので、冷蔵熱交換器(45)における冷媒圧力より低圧となる。この結果、例えば、上記冷凍熱交換器(51)における冷媒温度(蒸発温度)が−40℃となり、上記冷蔵熱交換器(45)における冷媒温度(蒸発温度)が−10℃となる。
また、上記冷蔵膨張弁(46)及び冷凍膨張弁(52)の開度は、感温筒による過熱度制御が行われ、以下、各運転で同じである。
〈冷房冷凍運転〉
図4に示すように、この冷房冷凍運転は、室内ユニット(1B)の冷房と冷蔵ユニット(1C)及び冷凍ユニット(1D)の冷却とを同時に行う運転である。
また、四路切換弁(3A)は、図4の実線で示すように、それぞれOFF状態に切り換わる。更に、室内膨張弁(42)、冷蔵ユニット(1C)の電磁弁(7a)及び冷凍ユニット(1D)の電磁弁(7b)が開口されている。
この状態において、インバータ圧縮機(2)から吐出した冷媒は、吐出側三方切換弁(101)で第2ポートを通って室外ガス管(9)側に分配される。そして、その冷媒は、室外熱交換器(4)で凝縮する。この凝縮した液冷媒は、第1液管(10a)を流れた後、レシーバ(14)に流れ、接続液管(19)を通って第1連絡液管(11)と第2連絡液管(12)とに分かれて流れる。
上記第2連絡液管(12)を流れる液冷媒は、室内膨張弁(42)を経て室内熱交換器(41)に流れて蒸発する。蒸発したガス冷媒は、連絡ガス管(17)から四路切換弁(3A)を経て吸入側三方切換弁(102)の第2ポートを通るときに減圧されてインバータ圧縮機(2)に戻る。
一方、上記第1連絡液管(11)を流れる液冷媒の一部が冷蔵膨張弁(46)を経て冷蔵熱交換器(45)に流れて蒸発する。また、上記第1連絡液管(11)を流れる他の液冷媒は、分岐液管(13)を流れ、冷凍膨張弁(52)を経て冷凍熱交換器(51)に流れて蒸発する。この冷凍熱交換器(51)で蒸発したガス冷媒は、ブースタ圧縮機(53)に吸引されて圧縮され、分岐ガス管(16)に吐出される。
上記冷蔵熱交換器(45)で蒸発したガス冷媒とブースタ圧縮機(53)から吐出したガス冷媒とは、低圧ガス管(15)で合流し、吸入側三方切換弁(102)の第3ポートを通ってインバータ圧縮機(2)に戻る。
この循環を繰り返し、室内である店内を冷房すると同時に、冷蔵用のショーケースと冷凍用のショーケースである庫内を冷却する。
そこで、上記冷房冷凍運転時における冷媒挙動を図5を用いて説明する。なお、この場合、簡略化のために、エコノマイザー用熱交換器(103)や過冷却用熱交換器(210)での過冷却の作用については省略する。
まず、上記インバータ圧縮機(2)によって冷媒がA点まで圧縮される。A点の冷媒は、凝縮してB点の冷媒となる。このB点の冷媒の一部は、室内膨張弁(42)でC点まで減圧し、例えば、+5℃で蒸発し、D点で吸入側三方切換弁(102)の第2ポートを通るときにE点まで減圧され、インバータ圧縮機(2)に吸引される。
また、上記B点の冷媒の一部は、冷蔵膨張弁(46)でF点まで減圧し、例えば、−10℃で蒸発し、E点でインバータ圧縮機(2)に吸引される。
また、上記B点の冷媒の一部は、ブースタ圧縮機(53)で吸引されるので、冷凍膨張弁(52)でG点まで減圧し、例えば、−40℃で蒸発し、H点でブースタ圧縮機(53)に吸引される。このブースタ圧縮機(53)でI点まで圧縮された冷媒は、E点でインバータ圧縮機(2)に吸引される。
このように、冷媒回路(1E)の冷媒は、吸入側三方切換弁(102)によって異温度蒸発し、更に、ブースタ圧縮機(53)による2段圧縮によって3種類の蒸発温度となる。
〈暖房モード〉
暖房モードは、上記コントローラ(80)の制御により、暖房運転と第1暖房冷凍運転と第2暖房冷凍運転と第3暖房冷凍運転のいずれに切り換わる。
〈暖房運転〉
この暖房運転は、室内ユニット(1B)の暖房のみを行う運転である。また、四路切換弁(3A)は、図6の実線で示すように、ON状態に切り換わる。吐出側三方切換弁(101)の第2ポートは閉じている。吸入側三方切換弁(102)の第3ポートは閉じている。更に、冷蔵ユニット(1C)の電磁弁(7a)及び冷凍ユニット(1D)の電磁弁(7b)が閉鎖している。
この状態において、インバータ圧縮機(2)から吐出した冷媒は、吐出側三方切換弁(101)の第3ポートを通って、四路切換弁(3A)から連絡ガス管(17)を経て室内熱交換器(41)に流れて凝縮する。凝縮した液冷媒は、第2連絡液管(12)を流れ、レシーバ(14)に流れる。その後、上記液冷媒は、暖房用電子膨張弁(104)を経て室外熱交換器(4)に流れて蒸発する。蒸発したガス冷媒は、室外ガス管(9)から四路切換弁(3A)及び吸入側三方切換弁(102)を経て、インバータ圧縮機(2)に戻る。この循環を繰り返し、室内である店内を暖房する。
また、上記暖房用電子膨張弁(104)の開度は、低圧圧力センサ(65,66)に基づく圧力相当飽和温度と吸入温度センサ(67)の検出温度によって過熱度制御される。上記室内膨張弁(42)の開度は、室内熱交換センサ(71)の検出温度に基づいて過冷却制御される。この暖房用電子膨張弁(104)及び室内膨張弁(42)の開度制御は、以下、暖房モードで同じである。
〈第1暖房冷凍運転〉
この第1暖房冷凍運転は、室外熱交換器(4)を用いず、室内ユニット(1B)の暖房と冷蔵ユニット(1C)及び冷凍ユニット(1D)の冷却を行う運転である。
図7の実線で示すように、四路切換弁(3A)は、ON状態に切り換わる。吐出側三方切換弁(101)の第2ポートは閉じている。吸入側三方切換弁(102)の第3ポートは開いている。更に、冷蔵ユニット(1C)の電磁弁(7a)及び冷凍ユニット(1D)の電磁弁(7b)が開口する一方、暖房用電子膨張弁(104)が閉鎖している。
この状態において、インバータ圧縮機(2)から吐出した冷媒は、吐出側三方切換弁(101)において、全て第3ポート側に送られる。この冷媒が四路切換弁(3A)から連絡ガス管(17)を経て室内熱交換器(41)に流れて凝縮する。凝縮した液冷媒は、第2連絡液管(12)から第1連絡液管(11)を流れる。
上記第1連絡液管(11)を流れる液冷媒は、その一部が冷蔵膨張弁(46)を経て冷蔵熱交換器(45)に流れて蒸発する。また、上記第1連絡液管(11)を流れる他の液冷媒は、分岐液管(13)を流れ、冷凍膨張弁(52)を経て冷凍熱交換器(51)に流れて蒸発する。この冷凍熱交換器(51)で蒸発したガス冷媒は、ブースタ圧縮機(53)に吸引されて圧縮され、分岐ガス管(16)に吐出される。
上記冷蔵熱交換器(45)で蒸発したガス冷媒とブースタ圧縮機(53)から吐出したガス冷媒とは、低圧ガス管(15)で合流し、インバータ圧縮機(2)に戻る。この循環を繰り返し、室内である店内を暖房すると同時に、冷蔵用のショーケースと冷凍用のショーケースである庫内を冷却する。つまり、冷蔵ユニット(1C)と冷凍ユニット(1D)との冷却能力(蒸発熱量)と、室内ユニット(1B)の暖房能力(凝縮熱量)とがバランスし、100%の熱回収が行われる。
〈第2暖房冷凍運転〉
図8に示すように、この第2暖房冷凍運転は、上記第1暖房冷凍運転時に室内ユニット(1B)の暖房能力が余る暖房の能力過剰運転である。
この第2暖房冷凍運転は、上記第1暖房冷凍運転時において、暖房能力が余る場合の熱回収運転である。
インバータ圧縮機(2)の吐出圧力が一定以上になったことを高圧圧力センサ(61)によって検出したときに、上記コントローラ(80)の制御により、第2ポートが開くように制御され、インバータ圧縮機(2)から吐出した冷媒は、吐出側三方切換弁(101)によって分配される。すなわち、室内熱交換器(41)で必要な凝縮熱を与えることのできる流量の冷媒のみを、その第3ポートを通して室内熱交換器(41)に流し、凝縮する。凝縮した液冷媒は、第2連絡液管(12)を通って第1連絡液管(11)に流れる。
一方、インバータ圧縮機(2)から吐出した残りの冷媒は、吐出側三方切換弁(101)で第2ポートを通って室外ガス管(9)側に分配される。そして、その冷媒は、室外熱交換器(4)で凝縮する。この凝縮した液冷媒は、第1液管(10a)を流れた後、レシーバ(14)に流れ、接続液管(19)を通って第1連絡液管(11)において上記室内熱交換器(41)を通過した冷媒と合流する。
その後、上記第1連絡液管(11)を流れる液冷媒の一部が冷蔵熱交換器(45)に流れて蒸発する。また、上記第1連絡液管(11)を流れる他の液冷媒は、冷凍熱交換器(51)に流れて蒸発する。上記冷蔵熱交換器(45)で蒸発したガス冷媒と、冷凍熱交換器(51)で蒸発した後ブースタ圧縮機(53)から吐出されたガス冷媒とは、低圧ガス管(15)で合流し、吸入側三方切換弁(102)の第3ポートを通ってインバータ圧縮機(2)に戻る。この循環を繰り返し、室内である店内を暖房すると同時に、冷蔵用のショーケースと冷凍用のショーケースである庫内を冷却する。つまり、冷蔵ユニット(1C)と冷凍ユニット(1D)との冷却能力(蒸発熱量)と、室内ユニット(1B)の暖房能力(凝縮熱量)とがバランスせず、余る凝縮熱のみを室外熱交換器(4)で室外に放出する。
〈第3暖房冷凍運転〉
この第3暖房冷凍運転は、上記第1暖房冷凍運転時に室内ユニット(1B)の暖房能力が不足する暖房の能力不足運転である。つまり、蒸発熱量が不足している場合である。
図9の実線で示すように、四路切換弁(3A)は、ON状態に切り換わる。吐出側三方切換弁(101)の第2ポートは閉じている。吸入側三方切換弁(102)は第2ポート及び第3ポートが開いている。更に、室内膨張弁(42)、冷蔵ユニット(1C)の電磁弁(7a)及び冷凍ユニット(1D)の電磁弁(7b)が開口している。
したがって、インバータ圧縮機(2)から吐出した冷媒は、上記第1暖房冷凍運転と同様に全て室内熱交換器(41)に流れて凝縮する。凝縮した液冷媒は、第2連絡液管(12)を通って第1連絡液管(11)とレシーバ(14)とに流れる。
その後、上記第1連絡液管(11)を流れる液冷媒の一部が冷蔵熱交換器(45)に流れて蒸発する。また、上記第1連絡液管(11)を流れる他の液冷媒は、冷凍熱交換器(51)に流れて蒸発する。上記冷蔵熱交換器(45)で蒸発したガス冷媒と冷凍熱交換器(51)で蒸発した後ブースタ圧縮機(53)から吐出したガス冷媒とは、低圧ガス管(15)で合流し、吸入側三方切換弁(102)の第3ポートを通るときに減圧されてインバータ圧縮機(2)に戻る。
一方、上記レシーバ(14)側に流れ込んだ他の液冷媒は、第2液管(10b)を経て暖房用電子膨張弁(104)を通って室外熱交換器(4)に流れ、蒸発する。蒸発したガス冷媒は、室外ガス管(9)を流れ、四路切換弁(3A)及び吸入側三方切換弁(102)を経てインバータ圧縮機(2)に戻る。
この循環を繰り返し、室内である店内を暖房すると同時に、冷蔵用のショーケースと冷凍用のショーケースである庫内を冷却する。つまり、冷蔵ユニット(1C)と冷凍ユニット(1D)との冷却能力(蒸発熱量)と、室内ユニット(1B)の暖房能力(凝縮熱量)とがバランスせず、不足する蒸発熱を室外熱交換器(4)から得る。
そこで、上記第3暖房冷凍運転時における冷媒挙動を図10を用いて説明する。なお、この場合、簡略化のために、エコノマイザー用熱交換器(103)や過冷却用熱交換器(210)での過冷却の作用については省略する。
まず、上記インバータ圧縮機(2)によって冷媒がA点まで圧縮される。A点の冷媒は、凝縮してB点の冷媒となる。このB点の冷媒は、暖房用電子膨張弁(104)でC点まで減圧し、例えば、−15℃で蒸発し、D点でインバータ圧縮機(2)に吸引される。
また、上記B点の冷媒の一部は、冷蔵膨張弁(46)でE点まで減圧し、例えば、−10℃で蒸発し、F点で吸入側三方切換弁(102)の第3ポートを通るときにD点まで減圧されてインバータ圧縮機(2)に吸引される。
また、上記B点の冷媒の一部は、ブースタ圧縮機(53)で吸引されるので、冷凍膨張弁(52)でG点まで減圧し、例えば、−40℃で蒸発し、H点でブースタ圧縮機(53)に吸引される。このブースタ圧縮機(53)でI点まで圧縮された冷媒は、F点で吸入側三方切換弁(102)の第3ポートを通るときにD点まで減圧されてインバータ圧縮機(2)に吸引される。
このように、冷媒回路(1E)の冷媒は、吸入側三方切換弁(102)によって異温度蒸発し、更に、ブースタ圧縮機(53)による2段圧縮によって3種類の蒸発温度となる。
〈能力調整方法〉
次に、上記各運転における空調能力(冷房能力又は暖房能力)及び冷蔵冷凍能力の調整方法について説明する。
コントローラ(80)は、インバータ圧縮機(2)又は吸入側三方切換弁(102)を制御することによって各熱交換器(41,45,51)の冷媒流量を調整し、空調能力や冷却能力を調整する。具体的に、コントローラ(80)は、冷媒の低圧圧力(蒸発圧力)とその目標圧力との圧力差(以下、単に冷媒の圧力差という。)に基づいてインバータ圧縮機(2)又は吸入側三方切換弁(102)を制御する。なお、空調側の冷媒の圧力差は低圧圧力センサ(65)の検出圧力とその目標圧力との差であり、冷却側の冷媒の圧力差は低圧圧力センサ(66)の検出圧力とその目標圧力との差である。
例えば、上記冷房冷凍運転において、負荷が増大して空調側及び冷却側の両方の冷媒の圧力差が大きくなると、コントローラ(80)は、インバータ圧縮機(2)の運転容量を増大させる。つまり、吸入側三方切換弁(102)において、第2ポート及び第3ポートの流量分配比は変化しないが、各ポートを流れる冷媒流量が多くなる。これにより、室内熱交換器(41)、冷蔵熱交換器(45)及び冷凍熱交換器(51)の冷媒流量が増大し、冷房能力及び冷蔵冷凍能力が増大する。なお、負荷が増大すると、冷媒の低圧圧力は目標圧力より高くなる。また、空調側及び冷却側の一方の負荷が増大した場合、コントローラ(80)はインバータ圧縮機(2)の運転容量を増大させ、吸入側三方切換弁(102)の流量分配比を変える。つまり、吸入側三方切換弁(102)の全体流量を増大させ、且つ、その増大分が負荷増大側のポートを流れるように吸入側三方切換弁(102)の流量分配比が変えられる。
ところが、インバータ圧縮機(2)を最大容量で運転していた場合、コントローラ(80)は、吸入側三方切換弁(102)を制御して冷媒の圧力差が大きい方を優先して冷媒流量を増大させる。例えば、空調側が冷却側より冷媒の圧力差が大きい場合、吸入側三方切換弁(102)において第2ポートの冷媒流量が増大し、その分第3ポートの冷媒流量が減少するように各ポート間の流量分配比を変える。つまり、吸入側三方切換弁(102)を流れる冷媒の総流量は変化しない。これにより、室内熱交換器(41)の冷媒流量が増大して冷房能力が増大する一方、冷蔵熱交換器(45)及び冷凍熱交換器(51)の冷媒流量が減少して冷蔵冷凍能力が低下するので、双方の能力をほぼ均衡させることができ、大幅な能力不足を抑制することができる。
なお、コントローラ(80)は、第3暖房冷凍運転においても同様の制御を行う。また、冷房運転、冷凍運転、暖房運転、第1暖房冷凍運転及び第2暖房冷凍運転において、負荷が増大すると、コントローラ(80)がインバータ圧縮機(2)の運転容量を増大させる。
−実施形態の効果−
以上説明したように、上記実施形態の冷凍装置(1)によれば、吸入側三方切換弁(102)によって、第1熱交換器(41)の蒸発温度を冷蔵熱交換器(45)及び冷凍熱交換器(51)の蒸発温度よりも高く保ちながら流路を切り換えるようにしている。このため、複数の圧縮機によって蒸発圧力の差を与えたり、別途圧力調整弁を設けなくても、冷凍装置は効率よく各運転切換を行うことができる。
−実施形態の各変形例−
この各変形例は、コントローラ(80)が冷媒の低圧圧力以外のパラメータに基づいてインバータ圧縮機(2)及び吸入側三方切換弁(102)を制御するようにしたものである。
先ず、変形例1は、コントローラ(80)が各熱交換器(41,45,51)における吸い込み空気温度とその目標温度との温度差(以下、単に空気の温度差という。)に基づいてインバータ圧縮機(2)等を制御する。つまり、空調側の空気の温度差は、室内ファン(43)によって取り込まれた空気温度とその目標温度との差である。冷却側の空気の温度差は、冷蔵ファン(47)によって取り込まれた空気温度とその目標温度との差および冷凍ファン(58)によって取り込まれた空気温度とその目標温度との差の大きい方である。
この場合、例えば、冷房冷凍運転において、負荷が増大して空調側および冷却側の空気の温度差が増大すると、すなわち空気温度が目標温度より高くなると、インバータ圧縮機(2)の運転容量を増大させる。ここで、インバータ圧縮機(2)を最大容量で運転していた場合、吸入側三方切換弁(102)を制御して空気の温度差が大きい方を優先して冷媒流量を増大させる。
変形例2は、コントローラ(80)が冷媒の蒸発温度とその目標温度との温度差(以下、単に冷媒の温度差という。)に基づいてインバータ圧縮機(2)等を制御する。つまり、空調側の冷媒の温度差は、冷房時では室内熱交換器(41)における冷媒温度又は暖房時では室外熱交換器(4)における冷媒温度とその目標温度との差である。冷却側の冷媒の温度差は、冷蔵熱交換器(45)における冷媒温度とその目標温度との差および冷凍熱交換器(51)における冷媒温度とその目標温度との差の大きい方である。
この場合、例えば、冷房冷凍運転において、負荷が増大して空調側および冷却側の冷媒の温度差が増大すると、すなわち冷媒の蒸発温度が目標温度より高くなると、インバータ圧縮機(2)の運転容量を増大させる。ここで、インバータ圧縮機(2)を最大容量で運転していた場合、吸入側三方切換弁(102)を制御して冷媒の温度差が大きい方を優先して冷媒流量を増大させる。
変形例3は、室内熱交換器(41)、冷蔵熱交換器(45)および冷凍熱交換器(51)がそれぞれ複数並列に設けられている場合である。そして、コントローラ(80)は、各熱交換器(41,45,51)の運転台数又は運転台数の割合に基づいてインバータ圧縮機(2)等を制御する。基本的に、コントローラ(80)は、各熱交換器(41,45,51)が同数台ずつ設けられている場合、運転台数に基づき、各熱交換器(41,45,51)の台数が異なる場合、運転台数の割合に基づく。
この場合、例えば、冷房冷凍運転において、負荷が増大して各熱交換器(41,45,51)の運転台数又は運転台数の割合が増大すると、インバータ圧縮機(2)の運転容量を増大させる。ここで、インバータ圧縮機(2)を最大容量で運転していた場合、吸入側三方切換弁(102)を制御して運転台数の多い方、又は運転台数の割合の多い方を優先して冷媒流量を増大させる。
変形例4は、冷媒の高圧圧力、冷媒の凝縮温度又は外気温度が上昇した場合、コントローラ(80)が上述した冷媒の低圧圧力に基づいて吸入側三方切換弁(102)を制御する。ここで、冷媒の高圧圧力は高圧圧力センサ(61)の検出圧力である。冷媒の凝縮温度は、冷房時では室外熱交換器(4)における冷媒温度又は暖房時では室内熱交換器(41)における冷媒温度である。外気温度は外気温センサ(70)の検出温度である。
具体的に、冷媒の高圧圧力、冷媒の凝縮温度又は外気温度が上昇して負荷が増大したと判断した場合、コントローラ(80)はインバータ圧縮機(2)の運転容量を増大させる。このとき、インバータ圧縮機(2)を最大容量で運転していた場合、吸入側三方切換弁(102)を制御して空調側および冷却側のうち冷媒の低圧圧力が低い方を優先して冷媒流量を増大させる。なお、コントローラ(80)は、上記冷媒の低圧圧力に代えて、その目標圧力か、冷媒の蒸発温度か、取り込まれる空気温度の目標温度が低い方の冷媒流量を増大するように吸入側三方切換弁(102)を制御するようにしてもよい。
(その他の実施形態)
上記実施形態では、流量調整手段として吐出側三方切換弁(101)を設けているが、流量調整可能な四方切換弁であってももよく、いずれの場合にも、上記実施形態と同様の作用効果が得られる。