JP6561551B2 - 冷凍装置 - Google Patents
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図3は、本発明の一実施形態に係る空調システム1の概略構成図である。
室外ユニット10は、屋上やベランダ等の室外に設置される。本実施形態では、室外ユニット10は、各室内ユニット30よりも高い位置に設置されている。
各室内ユニット30は、室内に設置される。室内ユニット30は、例えば壁掛け型や、天井埋込み型、天井吊下げ型である。各室内ユニット30は、主として、複数の冷媒配管(第18冷媒配管P18〜第20冷媒配管P20)と、室内熱交換器31(特許請求の範囲記載の「蒸発器」に相当)と、室内電動弁32(特許請求の範囲記載の「膨張弁」に相当)と、室内ファン33と、室内制御部53と、各種センサと、を有している。
ガス連絡配管GP及び液連絡配管LPは、室外ユニット10と各室内ユニット30を結ぶ配管であり、現地にて天井や壁面に沿って設置される。具体的に、ガス連絡配管GPは、一端が第1冷媒配管P1に接続され、他端が第2室内ユニット30bの第20冷媒配管P20に接続されている。ガス連絡配管GPは、両端間において、第1室内ユニット30aの第20冷媒配管P20に接続されている。
(1−4−1)
図4は、コントローラ50と、コントローラ50に接続される各部と、を示したブロック図である。
コントローラ50は、運転中、外気温To、室温Ti、設定温度、及び冷媒回路の各部における冷媒温度や冷媒圧力等に応じて、目標とする過熱度SH及び過冷却度SCを設定し、これに応じて各アクチュエータの動作を制御する。
室温Ti−10(℃)≧外気温To・・・(条件a)
より詳細には、コントローラ50は、通常冷房モードで冷房運転を行っている状態で上記条件aを満たした場合には、まず、省電力運転切換モードに遷移して各種処理の実行が完了した後、省電力冷房モードに遷移して省電力冷房運転を行う。コントローラ50は、省電力運転切換モードにおいては、図5に示すような流れで制御を行う。
以下、各運転モードにおける冷媒の流れについて説明する。なお、以下の説明においては、全ての室内ユニット30(すなわち第1室内ユニット30a及び第2室内ユニット30b)が運転状態にある場合を例に挙げて説明する。
図6は、通常冷房モード(通常冷房運転)及び省電力運転切換モード(冷媒圧力調整運転)時における冷媒の流れを示した模式図である(二点鎖線矢印は冷媒の流れを示す)。
図7は、暖房モード(暖房運転)時における冷媒の流れを示した模式図である(二点鎖線矢印は冷媒の流れを示す)。
省電力運転切換モード時には、バイパス弁が閉状態に制御されてバイパス流路RPが開通しておらず、冷媒は通常冷房モード時と略同一の流れで冷媒回路RCを循環する。但し、省電力運転切換モード時には、冷媒回路RC内の冷媒圧力を第1閾値ΔPt1以下に低下させる冷媒圧力調整運転が行われる。
図9は、省電力冷房モード(省電力冷房運転)時における冷媒の流れを示した模式図である(二点鎖線矢印は冷媒の流れを示す)。
ΔPH=(DL−DG)・g・H1・・・(計算式b)
DL・・・液冷媒密度(kg/m3)
DG・・・ガス冷媒密度(kg/m3)
g・・・重力加速度(m/s2)
H1・・・凝縮器(室外熱交換器13)と蒸発器(室内熱交換器31)の設置高低差
以下、図10及び図11を参照して、運転状態に応じた各アクチュエータの動作について説明する。図10及び図11は、冷房運転開始指示が入力された場合の各アクチュエータの制御例を示すタイミングチャートである。
(4−1)省電力性向上機能
空調システム1では、冷房運転開始指示を入力されている状態で条件aを満たすことに応じて、圧縮機11への駆動電圧の供給が停止された状態で冷媒が循環する省電力冷房運転状態に切り換えられる。これにより、対象空間の空気調和を実現するとともに省電力性が向上している。
空調システム1では、通常冷房モード(通常冷房運転)から省電力冷房モード(省電力冷房運転)に切り換えられる場合、まず省電力運転切換モードに遷移し、圧縮機11を駆動させさせながら冷媒圧力を第1閾値ΔPt1以下に低下させる冷媒圧力調整運転が行われ、冷媒圧力調整運転の完了後、省電力冷房運転が開始される。
(5−1)
上記実施形態では、コントローラ50が、通常冷房モード(通常冷房運転)から省電力冷房モード(省電力冷房運転)に切り換える場合、まず省電力運転切換モードに遷移し、圧縮機11を駆動させて冷媒を強制循環させながら冷媒圧力を第1閾値ΔPt1以下に低下させる冷媒圧力調整運転を行い、冷媒圧力調整運転の完了後に省電力冷房運転を開始している。これにより、通常冷房運転から省電力冷房運転に切り換えられる際に、冷媒が強制循環しながら、冷媒圧力が、省電力冷房運転時における低圧側の圧力の推定値である第1閾値ΔPt1以下に低下した後に、省電力冷房運転が開始されるようになっている。すなわち、通常冷房運転時における高圧側(すなわち図1のB−C間)の冷媒圧力を、省電力冷房運転時における低圧側(すなわち図2のB’−Ca間)の冷媒圧力に近づけてから、省電力冷房運転を開始している。その結果、省電力冷房運転開始時に、室外熱交換器13(凝縮器)から各室内熱交換器31(蒸発器)に通じる液冷媒流路(特に液連絡配管LP)において冷媒圧力の急激な変動が抑制され、気泡の発生が抑制されるようになっている。このため、冷媒の駆動力が適正に確保されやすくなっており、省電力冷房運転時における冷凍サイクルの安定性が担保され、省電力冷房運転の性能が担保されている。
上記実施形態では、コントローラ50は、冷媒圧力調整運転において、高圧側の冷媒圧力、すなわち室外熱交換器13(凝縮器)内の冷媒圧力を第1閾値ΔPt1以下に低下させている。これにより、通常冷房運転時における高圧側(すなわち図1のB−C間)の冷媒圧力が、省電力冷房運転時における低圧側(すなわち図2のB’−Ca間)の冷媒圧力に近づいてから、省電力冷房運転が開始されるようになっている。
上記実施形態では、コントローラ50は、冷媒圧力調整運転において、室外ファン18を通常冷房運転時よりも大きい回転数で駆動させている。これにより、冷媒圧力調整運転において、凝縮圧力を低下させ、通常冷房運転時における高圧側(図1のB−C参照)の冷媒圧力を第1閾値ΔPt1以下に低下させることが、高精度に可能となっている。
上記実施形態では、コントローラ50は、冷媒圧力調整運転において、圧縮機11を通常冷房運転時よりも小さい回転数で駆動させている。これにより、通常冷房運転時における高圧側(すなわち図1のB−C間)の冷媒圧力を第1閾値ΔPt1以下に低下させることが、高精度に可能となっている。
上記実施形態では、コントローラ50は、冷媒圧力調整運転において、室内ファン33を通常冷房運転時よりも小さい回転数で駆動させている。これにより、冷媒圧力調整運転において、蒸発圧力が低下し、通常冷房運転時における低圧側(すなわち図1のD−A間)の冷媒圧力が低下するようになっており、これに伴い、通常冷房運転時における高圧側(図1のB−C参照)の冷媒圧力が低下するようになっている。すなわち、通常冷房運転時における高圧側(すなわち図1のB−C間)の冷媒圧力を第1閾値ΔPt1以下に低下させることが、さらに高精度に可能となっている。
上記実施形態では、コントローラ50は、冷媒圧力調整運転において、室内熱交換器31(蒸発器)から流出するガス冷媒の過熱度SHの目標値を通常冷房運転時よりも大きく設定することで、室内電動弁32の開度を通常冷房運転時よりも絞る方向に制御している。これにより、冷媒圧力調整運転において、通常冷房運転時における低圧側の冷媒圧力が低下し、これに伴い高圧側の冷媒圧力が低下している。すなわち、通常冷房運転時における高圧側(すなわち図1のB−C間)の冷媒圧力を第1閾値ΔPt1以下に低下させることが、高精度に可能となっている。
上記実施形態では、コントローラ50は、冷媒圧力調整運転において、外気温To及び室温Tiに基づき、室外熱交換器13内における冷媒圧力を、省電力冷房運転時の冷媒圧力の推定値である第1閾値ΔPt1以下に低下させている。これにより、移行運転において、通常冷房運転時における高圧側(すなわち図1のB−C間)の冷媒圧力を、省電力冷房運転時における低圧側(すなわち図2のB’−Ca間)の冷媒圧力に高精度に近づけることが可能となっている。
(6−1)変形例A
上記実施形態では、本発明が空調システム1に適用されていた。しかし、これに限定されず、本発明は、冷媒回路を有する他の冷凍装置に適用されてもよい。例えば、本発明は、給湯システムや除湿装置等の冷凍装置に適用されてもよい。
上記実施形態では、利用側ユニットとして2台の室内ユニット30を有していた。しかし、室内ユニット30の数は、必ずしも2台に限定されず、3台以上であってもよいし、1台のみであってもよい。
上記実施形態では、空調システム1は、運転モードとして暖房モードを有しており、暖房運転を可能に構成されていた。しかし、空調システム1は、必ずしも運転モードとして暖房モードを有している必要はなく、暖房運転不可の構成としてもよい。
上記実施形態では、バイパス弁17は、電磁弁が採用されたが、必ずしも電磁弁である必要はない。例えば、バイパス弁17は、開度調整が可能な電動弁であってもよい。
上記実施形態では、コントローラ50が通常冷房モード及び省電力冷房モードのいずれで制御を行うかを決定する条件aは、以下のように定義されていた。
室温Ti−10(℃)≧外気温To・・・(条件a)
室温Ti−12(℃)≧外気温To
に変更してもよいし、
室温Ti−8(℃)≧外気温To
に変更してもよい。
上記実施形態では、所定時間t1は、1minに設定されていた。しかし、所定時間t1は、必ずしも1minには限定されず、設置環境や設計仕様に応じて適宜変更が可能である。例えば、所定時間t1は、2minに設定されてもよいし、30secに設定されてもよい。
上記実施形態では、冷媒圧力調整運転に係る制御として、以下の(I)から(V)に係る制御が実行された。
(I)圧縮機11が通常冷房モード時よりも小さい回転数で駆動するように制御する。
(II)室外ファン18が通常冷房モード時よりも大きい回転数で駆動するように制御する。
(III)過冷却度SCを大きく設定し、これに伴い第2室外電動弁16が通常冷房モード時よりも大きい開度となるように制御する。
(IV)各室内ファン33が通常冷房モード時よりも小さい回転数で駆動するように制御する。
(V)過熱度SHの目標値を通常冷房モード時よりも大きく設定し、これに伴い室内電動弁32の開度が通常冷房モード時よりも絞られるように制御する。
上記実施形態では、冷媒回路RC内において、通常冷房運転時と省電力冷房運転時の冷媒循環量の差分に相当する量の冷媒が収容するための冷媒貯留タンクは配置されていなかった。しかし、これに限定されず、冷媒回路RC内に冷媒貯留タンクを配置してもよい。
上記実施形態では、省電力運転切換モードの冷媒圧力判定処理において、液冷媒圧力センサ55の検出値PL1(高圧側の冷媒圧力)が、省電力モード(省電力冷房運転)時における低圧側(図2に示す冷凍サイクルのB´−Ca´間)の冷媒圧力として推定される値である第1閾値ΔPt1以下であるか否かが判定されていた。しかし、冷媒圧力判定処理は、必ずしも液冷媒圧力センサ55の検出値PL1が第1閾値ΔPt1以下であるか否かを判定する必要はなく、適宜変更が可能である。
10 :室外ユニット
10a :外気温センサ
10b :第1冷媒温度センサ
10c :第2冷媒温度センサ
11 :圧縮機
12 :四路切換弁
13 :室外熱交換器(凝縮器)
14 :過冷却熱交換器
14a :第1流路
14b :第2流路
15 :第1室外電動弁
16 :第2室外電動弁
17 :バイパス弁
18 :室外ファン
30 :室内ユニット
30a :第1室内ユニット
30b :第2室内ユニット
31 :室内熱交換器(蒸発器)
32 :室内電動弁(膨張弁)
33 :室内ファン
35 :室温センサ
36 :ガス温度センサ
50 :コントローラ(制御部)
51 :室外制御部
53 :室内制御部
55 :液冷媒圧力センサ
81 :鉛直ガス管
82 :水平ガス管
91 :鉛直液管
92 :水平液管
C1 :通信ケーブル
GP :ガス連絡配管
LP :液連絡配管
PL1 :液冷媒圧力センサ55の検出値
RC :冷媒回路
RP :バイパス流路
ΔPt1 :第1閾値
Claims (6)
- 室外に配置される圧縮機(11)及び凝縮器(13)と、
室内に配置され、前記圧縮機及び前記凝縮器とともに冷媒回路(RC)を構成する蒸発器(31)と、
状況に応じて、前記圧縮機を駆動させて冷媒を強制循環させる通常冷房運転と、前記圧縮機を停止し前記凝縮器と前記蒸発器との設置高低差(H1)を利用して冷媒を循環させる省電力冷房運転と、を切り換える制御部(50)と、
を備え、
前記制御部は、前記通常冷房運転から前記省電力冷房運転に切り換える場合、前記圧縮機を駆動させ前記冷媒回路において冷媒を強制循環させながら前記凝縮器内の冷媒圧力を第1閾値(ΔPt1)以下に低下させる移行運転を行い、前記移行運転の完了後に前記省電力冷房運転を開始し、
前記第1閾値(ΔPt1)は、外気温度と室内温度と前記設置高低差(H1)に基づいて定められる値であり、前記省電力冷房運転時の前記凝縮器内における冷媒圧力の推定値(ΔPt1)である、
冷凍装置(1)。 - 室外に配置される圧縮機(11)及び凝縮器(13)と、
室内に配置され、前記圧縮機及び前記凝縮器とともに冷媒回路(RC)を構成する蒸発器(31)と、
前記凝縮器の液冷媒側から分岐し、前記圧縮機の下流側に合流する冷媒配管(P8、P9、P10)と、
前記冷媒配管(P8、P9、P10)の途中に設けられた室外電動弁(16)と、
前記凝縮器の液冷媒側に設けられ、前記蒸発器に向けて流れる冷媒と前記冷媒配管(P8、P9、P10)のうち前記室外電動弁(16)の下流側を流れる冷媒との間で熱交換を行わせる過冷却熱交換器(14)と、
状況に応じて、前記圧縮機を駆動させて冷媒を強制循環させる通常冷房運転と、前記圧縮機を停止し前記凝縮器と前記蒸発器との設置高低差(H1)を利用して冷媒を循環させる省電力冷房運転と、を切り換える制御部(50)と、
を備え、
前記制御部は、前記通常冷房運転から前記省電力冷房運転に切り換える場合、前記圧縮機を駆動させ前記冷媒回路において冷媒を強制循環させながら冷媒圧力を所定値(ΔPt1)以下に低下させる移行運転を行い、前記移行運転の完了後に前記省電力冷房運転を開始し、
前記制御部は、前記移行運転時に、前記通常冷房運転時よりも前記室外電動弁(16)の弁開度が大きくなるように制御し、
前記制御部は、前記省電力冷房運転時に、前記室外電動弁(16)を全閉状態に制御する、
冷凍装置(1)。 - 前記凝縮器内の冷媒と熱交換する空気流を生成する室外ファン(18)をさらに備え、
前記制御部は、前記移行運転において、前記室外ファンを前記通常冷房運転時よりも大きい回転数で駆動させる、
請求項1又は2に記載の冷凍装置(1)。 - 前記制御部は、前記移行運転において、前記圧縮機を前記通常冷房運転時よりも小さい回転数で駆動させる、
請求項1から3のいずれか1項に記載の冷凍装置(1)。 - 前記蒸発器内の冷媒と熱交換する空気流を生成する室内ファン(33)をさらに備え、
前記制御部は、前記移行運転において、前記室内ファンを前記通常冷房運転時よりも小さい回転数で駆動させる、
請求項1から4のいずれか1項に記載の冷凍装置(1)。 - 前記蒸発器と前記凝縮器との間に配置される膨張弁(32)をさらに備え、
前記制御部は、前記移行運転において、前記蒸発器から流出するガス冷媒の過熱度(SH)の目標値を前記通常冷房運転時よりも大きく設定することで、前記膨張弁の開度を前記通常冷房運転時よりも絞る方向に制御する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の冷凍装置(1)。
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