JP3743015B2 - 浴槽水位検出装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は1缶2回路式の熱交換缶体を設備した給湯設備における浴槽水位検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、風呂の追い焚き循環回路と通常の給湯回路との2つの回路を1つの熱交換缶体に導き、1つのバーナで兼用して前記2つの回路を流れる水の熱交換加熱を行うようにした1缶2回路式の給湯設備が提供されている。そしてこのような給湯設備を有するものにおいて、浴槽の水位を検出する浴槽水位センサ等は前記追い焚き循環回路に設けることで、邪魔となる部材を浴槽には設けないようにしたものが提供されている。そして前記追い焚き循環回路に設けられる浴槽水位センサは一般には浴槽側から加わる水圧によって浴槽水位を検出するようにしたものが提供されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが上記従来の装置においては、前記追い焚き循環回路の浴槽水位センサによる浴槽水位の検出は、風呂運転の制御ステップとして浴槽水位検出ステップになると、給湯回路側の使用等によるバーナ燃焼の有無と無関係に、そのまま浴槽水位検出を実行するようになっていたため、前記バーナが燃焼している場合と燃焼していない場合とで、水位検出値に変動が生じ、安定した正確な水位が検出できない問題があった。
特に、風呂自動湯張り運転を行う場合においては、浴槽水位が浴槽の循環金具位置より上になった時点で、前記浴槽水位センサによって実際の浴槽水位を検出し、この検出された水位から更に設定水位になるまでの必要落とし込み残量を演算するように構成したものが多く提供されているが、このような構成において、前記浴槽水位センサによって実際の浴槽水位を検出するときに、給湯回路側の給湯運転が行われている場合には、前記浴槽水位センサの検出する水位が不正確となりやすいため、その後の必要落とし込み残量を正確に演算できない問題があった。
前記給湯回路側での給湯運転がなされている場合は、熱交換缶体が1缶2回路の熱交換缶体であるため、バーナの燃焼によって缶体内で浴槽循環回路の水もそれなりに加熱上昇せられる。これが浴槽循環回路内の水圧に影響を与え、浴槽水位センサの検出する値が前記バーナが燃焼していない場合と異なる値となる。
【0004】
そこで本発明は、上記従来の装置における欠点を解消し、追い焚き循環回路と給湯回路との2つの回路を1つのバーナを兼用して熱交換加熱する1缶2回路式熱交換缶体を備えた給湯設備において、風呂運転の制御ステップとして浴槽水位検出ステップになった場合に、正確で安定した浴槽水位を確実に検出することができる浴槽水位検出装置の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の浴槽水位検出装置は、浴槽水を追い焚きするための追い焚き循環回路と上水道からの水を加熱して給湯する給湯回路との2つの回路を1つのバーナで兼用して熱交換加熱する1缶2回路式熱交換缶体を設備し、前記追い焚き循環回路には循環ポンプの他に浴槽水位を水圧で検出する浴槽水位センサ、水流スイッチを少なくとも設け、前記給湯回路からは一般給湯の他に温水を前記追い焚き循環回路に導くための風呂自動給湯路を設け、風呂自動湯張り運転においては、前記風呂自動給湯路からの温水若しくは水を前記追い焚き循環回路を介して浴槽へ落とし込むようにすると共に、先ず一定量の落とし込みと前記循環ポンプ及び水流スイッチを用いた循環判定との繰り返しによって浴槽水位が追い焚き循環回路の循環金具より上になるのを検出し、次に前記追い焚き循環回路に設けた浴槽水位センサで前記循環判定でイエスとなった際の実際の浴槽水位を検出し、これによって設定水位までの必要落とし込み残量を演算して該残量を更に落とし込むようにした給湯設備における浴槽水位検出装置であって、少なくとも前記循環判定でイエスになった際に行う実際の浴槽水位の検出ステップにおいては、前記熱交換缶体のバーナがオンの状態にある場合には該バーナがオフになるまで待機させた後、前記浴槽水位センサによる浴槽水位の検出を行う制御部を設けたことを特徴としている。
【0006】
【作用】
上記本発明の特徴によれば、風呂自動湯張り運転においては、風呂自動給湯路から追い焚き循環回路を介して浴槽へ温水または水が落とし込まれるが、先ず一定量の落とし込みと循環ポンプ及び水流スイッチを用いた循環判定とが繰り返され、浴槽水位が追い焚き循環回路の循環金具より上になるのが検出される。次に前記追い焚き循環回路に設けた浴槽水位センサによる実際の浴槽水位の検出ステップになるが、この場合において1缶2回路式熱交換缶体のバーナがオンの状態にある場合には、すぐには浴槽水位センサによる検出は行われず、該バーナがオフになるまで検出が待機される。そしてバーナがオフとなった後に前記浴槽水位センサによる浴槽水位の検出がなされる。これによって浴槽水位センサの検出値は、バーナ燃焼による熱交換缶体側からの影響を受けることなく、浴槽水位を正確に反映した値となり、浴槽水位を安定して正確に検出することができる。よって検出された正確な水位に基づいて、更に設定水位までの必要落とし込み残量が正確に演算される。
【0007】
【実施例】
以下に本発明を実施例に基づいて説明する。
図1は本発明の浴槽水位検出装置を備えた給湯設備の全体構成図で、図2は制御部による制御例を示すフローチャートである。
【0008】
図1において、給湯設備は1缶2回路式熱交換缶体10を設備し、該缶体10には浴槽20からの追い焚き循環回路30と、上水道からの水を加熱して供給する給湯回路40とが導入されている。
前記1缶2回路式熱交換缶体10には、1個のバーナ11と、該バーナ11に空気を供給する送風器12、点火器13、石油等の燃料を供給する燃料供給手段14が設けられ、また缶体10内のバーナ11の上方には1つの熱交換部15が設けられている。該熱交換部15には前記追い焚き循環回路30及び給湯回路40が導かれている。
前記浴槽20にはその下側部に循環金具21が設けられ、該循環金具21から追い焚き循環回路30が缶体10に延設されている。
【0009】
前記追い焚き循環回路30は、浴槽20から缶体10への往路31と缶体10から浴槽20への復路32とからなり、往路31には循環ポンプ33、水流スイッチ34、浴槽温度センサ35、浴槽水位センサ36が設けられている。浴槽水位センサ36は浴槽水位に応じて加わる水圧をとらえて水位を検出する。
前記給湯回路40は、入水路41と、出湯路42と、出湯路42から分岐される一般給湯路43と風呂自動給湯路44と、前記入水路41から出湯路42へバイパスするバイパス路45とからなる。バイパス路45にはバイパス流量を調節する流量調節弁45a が設けられている。
前記入水路41には前記バイパス路45の分岐点よりも下流位置に水量センサ41aと、入水温度センサ41b と、水流スイッチ41c とが設けられている。
前記出湯路42には出湯温度センサ42a と、前記バイパス路45の接続点より下流位置に給湯温度センサ42b 、過流出防止器42c とが設けられている。
前記風呂自動給湯路44には落とし込み弁44a と、落とし込み量検出センサ44bと、落とし込みホッパ44c とが設けられている。
制御部50はマイコンを内蔵し、装置各部のセンサ類からの情報を受け、またリモコン60からの指令に基づいて、制御プログラムに従って所定の演算、判定を行い、装置各部に所定の動作指令を行う。
【0010】
次に上記浴槽水位検出装置を備えた給湯設備において、制御部50による浴槽20への自動湯張り運転の制御機構を図2のフローチャートに沿って説明する。
今、リモコン60等により、自動湯張り運転スイッチがオンされると(S1でイエス)、制御部50によって、風呂自動給湯路44の落とし込み弁44a が開放される。これによって入水路41の水流スイッチ41c がオンし、必要に応じてバーナ11の燃焼が開始される。温水は風呂自動給湯路44から追い焚き循環回路30を経て浴槽20に導入される。
【0011】
制御部50は先ず、一定量の落とし込みと循環判定を繰り返し、浴槽水位が循環金具21より上になるのを検出する。即ち、実施例では、落とし込み量検出センサ44b を用いて、先ず10リットルの落とし込みを行い(S2)、10リットルになると給湯を止めて、循環判定を行う(S3)。循環判定は、循環ポンプ33を一定期間駆動して水流スイッチ34がオンするか否かを判定する。水流スイッチ34がオンすれば、浴槽20水位が循環金具21よりも上にあることが判る。一回目の落とし込みで循環判定がイエスとならない場合には(S3でノー)、更に90リットル落とし込み(S4)、循環判定を行う(S5)。この2回目の落とし込みでもイエスとならない場合には(S5でノー)、更に40リットルを落とし込み(S6)、循環判定する(S7)。これでイエスにならない場合には(S7でノー)、更に40リットルの落とし込みと循環判定を繰り返す。
【0012】
以上の一定量の落とし込みと循環判定の繰り返しにより、浴槽水位が循環金具21より上になるのを検出すると(S3かS5かS7でイエス)、追い焚き循環回路30にある浴槽水位センサ36による水位検出が可能となるので、次に制御部50は前記循環判定がイエスとなったときの実際の浴槽水位の検出ステップへ移行する。が、その際には、先ず制御部50は缶体10のバーナ11がオンしているか否かを判断し(S8)、オフ(S8でノー)であれば浴槽水位センサ36による水位検出を行う(S9)。一方、バーナ11がオンしている場合(S8でイエス)にはバーナ11がオフとなるまで待機し、バーナ11がオフ(S8でノー)した時点で、浴槽水位センサ36による水位検出を行う(S9)。
前記においてバーナ11がオンしている場合としては、給湯回路40側による一般給湯の給湯運転が行われている場合がある。一般給湯路43の図示しない給湯カランが開放されることで、入水路41の水流スイッチ41c がオンし、これによりバーーナ11の燃焼が開始され、一般給湯が開始されることから、水流スイッチ41c のオン、オフでバーナ11のオン、オフの状態を検出することができる。
【0013】
ステップS9で浴槽水位が検出されると、制御部50は次に該検出水位と設定水位とから必要落とし込み残量を演算し(S10)、この必要落とし込み残量を落とし込む(S11)。
【0014】
上記においては、制御部50による浴槽20への自動湯張り運転での浴槽水位の検出機構について述べたが、本発明はこれに限定されるものではない。たとえば、前記湯張り運転に限らず、制御ステップとして浴槽水位センサ36による浴槽水位検出ステップとなった場合にはおいては、いつも前記熱交換缶体のバーナ11がオンの状態にあるか否かを先ず判断して、バーナ11がオンの場合には該バーナ11がオフになるまで待機させた後浴槽水位センサ36による浴槽水位の検出を行う制御機構とした制御部50を設けるようにしてもよい。
【0015】
【発明の効果】
本発明は以上の構成よりなり、請求項1に記載の浴槽水位検出装置によれば、少なくとも前記循環判定でイエスになった際に行う実際の浴槽水位の検出ステップにおいては、熱交換缶体のバーナがオンの状態にある場合には該バーナがオフになるまで待機させた後、前記浴槽水位センサによる浴槽水位の検出を行う制御部を設けたので、1缶2回路式熱交換缶体を用いて浴槽への自動湯張り運転を行う場合において、循環判定でイエスとなった際の浴槽水位を、給湯回路側の運転に伴うバーナ燃焼による影響を受けることなく、安定して正確に検出することができる。よってまた、検出された正確な水位に基づいて設定水位までの必要落とし込み残量を正確に演算することができ、自動湯張りを安定して正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の浴槽水位検出装置を備えた給湯設備の全体構成図である。
【図2】制御部による制御例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 1缶2回路式熱交換缶体
11 バーナ
20 浴槽
21 循環金具
30 追い焚き循環回路
33 循環ポンプ
34 水流スイッチ
36 浴槽水位センサ
40 給湯回路
44 風呂自動給湯路
50 制御部
Claims (1)
- 浴槽水を追い焚きするための追い焚き循環回路と上水道からの水を加熱して給湯する給湯回路との2つの回路を1つのバーナで兼用して熱交換加熱する1缶2回路式熱交換缶体を設備し、前記追い焚き循環回路には循環ポンプの他に浴槽水位を水圧で検出する浴槽水位センサ、水流スイッチを少なくとも設け、前記給湯回路からは一般給湯の他に温水を前記追い焚き循環回路に導くための風呂自動給湯路を設け、風呂自動湯張り運転においては、前記風呂自動給湯路からの温水若しくは水を前記追い焚き循環回路を介して浴槽へ落とし込むようにすると共に、先ず一定量の落とし込みと前記循環ポンプ及び水流スイッチを用いた循環判定との繰り返しによって浴槽水位が追い焚き循環回路の循環金具より上になるのを検出し、次に前記追い焚き循環回路に設けた浴槽水位センサで前記循環判定でイエスとなった際の実際の浴槽水位を検出し、これによって設定水位までの必要落とし込み残量を演算して該残量を更に落とし込むようにした給湯設備における浴槽水位検出装置であって、少なくとも前記循環判定でイエスになった際に行う実際の浴槽水位の検出ステップにおいては、前記熱交換缶体のバーナがオンの状態にある場合には該バーナがオフになるまで待機させた後、前記浴槽水位センサによる浴槽水位の検出を行う制御部を設けたことを特徴とする浴槽水位検出装置。
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---|---|---|---|
JP06679495A JP3743015B2 (ja) | 1995-02-28 | 1995-02-28 | 浴槽水位検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JPH08233362A JPH08233362A (ja) | 1996-09-13 |
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- 1995-02-28 JP JP06679495A patent/JP3743015B2/ja not_active Expired - Fee Related
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