JP3551531B2 - 風呂装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は追い焚き循環回路の浴槽循環水の加熱の他に、一般給湯や風呂自動給湯を行うための給湯回路の水の加熱を兼用して行う1缶2回路式熱交換缶体を設備した風呂装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図2は従来における風呂装置を備えた給湯設備の全体構成図である。この図2に沿って従来装置を以下に説明する。
図2において、1缶2回路式熱交換缶体10に対して、浴槽20からの循環往路31と循環復路32とからなる追い焚き循環回路30と、上水道等からの水を加熱して給湯する給湯回路40が導かれ、1缶2回路式熱交換缶体10の1つの熱交換部15で2つの回路の水が加熱されるようになされている。風呂の追い焚きは、浴槽水が循環ポンプ33によって浴槽20から循環往路31を通って1缶2回路式熱交換缶体10に入り、加熱されて循環復路32を通って浴槽20に戻ることで行われる。また前記給湯回路40による給湯は、上水道等からの水が入水路41を通って1缶2回路式熱交換缶体10に入り、加熱されて出湯路42に出湯されることで行われる。
前記給湯回路40からは風呂自動給湯路50が分岐され、三方弁51を介して追い焚き循環回路30の循環往路31に接続されている。
風呂追い焚き運転時には、前記三方弁51が浴槽20側と1缶2回路式熱交換缶体10側とを接続するように切り換えられ、これによって浴槽水が1缶2回路式熱交換缶体10の熱交換部15に導かれて加熱される。
また風呂自動給湯運転時には、前記三方弁51が風呂自動給湯路50側と1缶2回路式熱交換缶体10側とを接続するように切り換えられ、これによって風呂自動給湯路50から追い焚き循環回路30の循環往路31に入った温水は循環ポンプ33によって1缶2回路式熱交換缶体10を通り、循環復路32を通って浴槽20に導入される。また風呂自動給湯路50から追い焚き循環回路30の循環往路31に入った温水の一部は、前記三方弁51に付属の逆止弁付きバイパス51a を通って循環往路31の浴槽20側にも流れ、浴槽20に導入される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが上記従来の装置においては、風呂自動給湯運転を行う場合、風呂自動給湯路50から追い焚き循環回路30の循環往路31に入った温水は循環ポンプ33によって1缶2回路式熱交換缶体10を通った後浴槽20に導入されることから、既に給湯回路40で一回加熱された風呂自動給湯温水が1缶2回路式熱交換缶体10を通る際に再度加熱されることになり、その結果、浴槽への給湯温度が設定温度よりも高くなるという問題があった。
また風呂水位を追い焚き循環回路に設けた水位センサで検出しているときに、一般給湯等が開始されることで1缶2回路式熱交換缶体10のバーナ11がオンすると、1缶2回路式熱交換缶体10での加熱による内圧変動や振動等が追い焚き循環回路内に伝わって、その影響を受けるため、正確な水位が検出不能となる問題があった。
また風呂の追い焚き単独運転を行う場合に、追い焚き循環回路30を循環する水量に対して1缶2回路式熱交換缶体10の温度上昇が十分でなく、このためドレンが発生する等の問題があった。
【0004】
そこで本発明は、上記従来装置における欠点を解消し、風呂自動給湯運転の際には給湯温度が設定給湯温度を越えてしまうことなく所定の給湯設定温度の温水を確実に浴槽へ導入することができ、また1缶2回路式熱交換缶体側からの内圧変動等の影響を受けることなく正確に浴槽の水位検出を行うことができ、また風呂追い焚き運転の際に1缶2回路式熱交換缶体にドレンが発生し難い風呂装置の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の風呂装置は、浴槽からの循環往路と浴槽への循環復路とからなる追い焚き循環回路と上水道からの水を加熱して給湯する給湯回路との2つの回路を1つのバーナで兼用して熱交換加熱する1缶2回路式熱交換缶体を設備し、前記給湯回路から分岐される風呂自動給湯路を三方弁を介して前記追い焚き循環回路の循環往路に接続するようにした風呂装置であって、前記三方弁を2方向切り換え及び3方向全開ができる三方弁とすると共に風呂自動給湯路を前記三方弁の手前の位置で循環復路にも接続し、更に風呂追い焚き運転時には前記三方弁を3方向全開にすると共に風呂自動給湯運転時には前記三方弁を風呂自動給湯路側と前記循環往路の浴槽側とが接続するように切り換え且つ風呂水位検出運転時には前記三方弁を前記循環往路の1缶2回路式熱交換缶体側と風呂自動給湯路側とが接続するように切り換える制御部を設けたことを特徴としている。
【0006】
【作用】
上記本発明の特徴によれば、リモコン等により風呂追い焚き運転が指令されると、制御部によって三方弁が3方向全開になされる。よって浴槽水は追い焚き循環回路を通って1缶2回路式熱交換缶体で加熱され浴槽に戻るが、一部の浴槽水は追い焚き循環回路の循環往路から三方弁を介して風呂自動給湯路に入り、循環復路にバイパスし、そのまま浴槽に戻ることになる。よって浴槽から1缶2回路式熱交換缶体に循環する浴槽水の流量をそれだけ減少させることができるので、1缶2回路式熱交換缶体でのドレンの発生をし難くすることができる。
また風呂自動給湯運転が指令されると、制御部によって、風呂自動給湯路と追い焚き循環回路の循環往路との間に介装される三方弁が、風呂自動給湯路側と循環往路の浴槽側とが接続するように切り換えられる。これによって、給湯回路を通って風呂自動給湯用に加熱された温水が風呂自動給湯路から三方弁を通って循環往路の浴槽側に入り、そのまま循環往路を浴槽側に流れて、浴槽に導入される。また風呂自動給湯路の温水の一部は三方弁の手前の位置から循環復路に流れ込み、浴槽に導入される。即ち、風呂自動給湯路からの温水は両搬送でスムーズに、且つ1缶2回路式熱交換缶体で再加熱されることなく設定温度通りの温度で浴槽に導入される。また風呂自動給湯運転時に温水は風呂自動給湯路から三方弁を介して循環往路の浴槽側に入るので、上記従来装置で設けていた三方弁に付属の逆止弁付きバイパスが不要となり、コストダウンになると共に前記逆止弁付きバイパス路を通って浴槽側から1缶2回路式熱交換缶体側へ無理やりに回り込む温水も確実に防止することができる。
また風呂水位検出運転時には、制御部によって、前記三方弁が前記循環往路の1缶2回路式熱交換缶体側と風呂自動給湯路側とが接続するように切り換えられる。これによって1缶2回路式熱交換缶体で加熱が行われている場合でも、その加熱による内圧変動や振動が循環往路を三方弁を越えて浴槽側に影響してくるのが防止され、浴槽水位センサが循環往路の三方弁よりも浴槽側に配置されることで、正確な浴槽水位を検出することが可能となる。
【0007】
【実施例】
以下に本発明を実施例に基づいて説明する。
図1は本発明の風呂装置を備えた給湯設備の全体構成図である。
【0008】
図1において、給湯設備は1缶2回路式熱交換缶体10を設備し、該缶体10には浴槽20からの追い焚き循環回路30と、上水道からの水を加熱して供給する給湯回路40とが導入されている。
前記1缶2回路式熱交換缶体10には、バーナ11と、該バーナ11に空気を供給する送風器12、点火器13、石油等の燃料を供給するための2つのポンプPとその間に配置されるインジェクターIJとバイパス弁SV等からなる燃料供給手段14が設けられ、また缶体10内には追い焚き循環回路30を通って導かれた水の加熱と給湯回路40を通って導かれた水の加熱を兼用して行う1つの熱交換部15が設けられている。
前記浴槽20にはその下側部に循環金具21が設けられ、該循環金具21から追い焚き循環回路30が缶体10に延設されている。
【0009】
前記追い焚き循環回路30は、浴槽20から缶体10への循環往路31と缶体10から浴槽20への循環復路32とからなり、循環往路31には三方弁52よりも缶体10側に循環ポンプ33、水流スイッチ34、浴槽温度センサ35が設けられ、三方弁52よりも浴槽20側に浴槽水位センサ36が設けられている。浴槽水位センサ36は浴槽水位に応じて加わる水圧をとらえて水位を検出する。
前記給湯回路40は、入水路41と、出湯路42と、出湯路42から分岐される一般給湯路43と風呂自動給湯路50と、前記入水路41から出湯路42へバイパスするバイパス路45とからなる。バイパス路45にはバイパス流量を調節する流量調節弁45a が設けられている。
前記入水路41には前記バイパス路45の分岐点よりも下流位置に水量センサ41aと、入水温度センサ41b と、水流スイッチ41c とが設けられている。
前記出湯路42には出湯温度センサ42a と、前記バイパス路45の接続点より下流位置に給湯温度センサ42b 、過流出防止器42c とが設けられている。
前記風呂自動給湯路50は、その先端で三方弁52を介して前記追い焚き循環回路30の循環往路31に接続されている。また風呂自動給湯路50は前記三方弁52の手前の位置の接続点Xで前記追い焚き循環回路30の循環復路32にも接続されている。風呂自動給湯路50には水量センサ53と、落とし込み弁54と、落とし込みホッパ55とが設けられている。
制御部60は、マイコンを内蔵し、装置各部のセンサ類からの情報を受け、またリモコン70からの指令に基づいて、制御プログラムに従って所定の演算、判定を行い、装置各部に所定の動作指令を行う。
【0010】
前記三方弁52は2方向切り換え及び3方向全開ができる三方弁としている。そして上記制御部60による三方弁52の切り換え制御機構は、風呂追い焚き運転時には三方弁52を3方向全開にする制御機構とし、風呂自動給湯運転時には三方弁52を風呂自動給湯路50側と循環往路31の浴槽20側とが接続するように切り換える制御機構とし、且つ風呂水位検出運転時には三方弁52を循環往路31の1缶2回路式熱交換缶体10側と風呂自動給湯路50側とが接続するように切り換える制御機構としている。
【0011】
今、リモコン70等により、風呂追い焚き運転が指令されると、制御部60は、三方弁52を3方向全開にし、次いで循環ポンプ33をオンする。これによって浴槽水が追い焚き循環回路30を流れると水流スイッチ34がオンし、1缶2回路式熱交換缶体10のバーナ11が燃焼を開始する。浴槽水は循環往路31から1缶2回路式熱交換缶体10に循環して加熱され、循環復路32を通って浴槽20に戻るが、一部の浴槽水は循環往路31から三方弁52を介して風呂自動給湯路50に入り、追い焚き循環回路30との接続点Xから循環復路32にバイパスし、そのまま浴槽20に戻ることになる。よって浴槽から1缶2回路式熱交換缶体10に循環する浴槽水の流量がそれだけ減少し、1缶2回路式熱交換缶体10でのドレンの発生を抑制することができる。
【0012】
また風呂自動給湯運転が指令されると、制御部60は、三方弁52を風呂自動給湯路50側と循環往路31の浴槽20側とが接続するように切り換え、次いで風呂自動給湯路50の落とし込み弁54を開放する。これによって上水道から水が給湯回路40の入水路41に流れ、これによって水流スイッチ41c がオンすると、バーナ11の燃焼を開始する。給湯回路40を通って1缶2回路式熱交換缶体10の熱交換部15で加熱された温水は、出湯路42から風呂自動給湯路50を通って供給される。風呂自動給湯路50の温水は落とし込みホッパ55を経て、一部は追い焚き循環回路30の接続点Xから循環復路32に流れ込み、浴槽20へ導入される。また残りは三方弁52を経て追い焚き循環回路30の循環往路31の浴槽20側に流れ込み、浴槽20に導入される。これによって風呂自動給湯路50からの温水は両搬送でスムーズに、且つ1缶2回路式熱交換缶体10で再加熱されることなく設定給湯温度通りの温度で浴槽20に導入することができる。また風呂自動給湯運転時に温水は風呂自動給湯路50から三方弁52を介して循環往路31の浴槽20側に入るので、上記従来装置で設けていた三方弁51に付属の逆止弁付きバイパス51a が不要となり、コストダウンになる。
【0013】
また風呂水位検出運転時には、制御部60は、三方弁52を前記循環往路31の1缶2回路式熱交換缶体10側と風呂自動給湯路50側とが接続するように切り換える。
これによって浴槽水位センサ36のある浴槽20側の循環往路31が三方弁52によって1缶2回路式熱交換缶体10側の循環往路31と縁切りされる。よって、水位検出中に一般給湯等のカランが開放され、給湯運転が開始されることによってバーナ11の燃焼が行われても、三方弁52よりも浴槽20側にある前記浴槽水位センサ36が1缶2回路式熱交換缶体10側に生じた水圧変動の影響を受けるのを防止することができ、正確な浴槽水位を検出することが可能となる。
【0014】
【発明の効果】
本発明は以上の構成よりなり、請求項1に記載の風呂装置によれば、風呂自動給湯路と風呂追い焚き循環回路の循環往路との間に介装される三方弁を2方向切り換え及び3方向全開ができる三方弁とすると共に風呂自動給湯路を前記三方弁の手前の位置で循環復路にも接続し、更に風呂追い焚き運転時には前記三方弁を3方向全開にすると共に風呂自動給湯運転時には前記三方弁を風呂自動給湯路側と前記循環往路の浴槽側とが接続するように切り換え且つ風呂水位検出運転時には前記三方弁を前記循環往路の1缶2回路式熱交換缶体側と風呂自動給湯路側とが接続するように切り換える制御部を設けたので、
風呂追い焚き運転時においては、浴槽水の一部を循環往路から三方弁、風呂自動給湯路を介して循環復路にバイパスし、そのまま浴槽に戻すことができ、よって浴槽から1缶2回路式熱交換缶体に循環する浴槽水の流量をそれだけ減少させることができ、1缶2回路式熱交換缶体でのドレンの発生を抑制することができる。
また風呂自動給湯運転時においては、風呂自動給湯路からの温水を、1缶2回路式熱交換缶体で再加熱がなされることなく、設定給湯温度通りの温度で浴槽に導入することができる。また両搬送により十分な流量でスムーズに浴槽に導入することができる。その他、温水を三方弁を介して循環往路の浴槽側に入れることができるので、従来装置で設けていた三方弁に付属の逆止弁付きバイパスが不要となり、コストダウンになる。
また風呂水位検出運転時においては、循環往路の1缶2回路式熱交換缶体側を風呂自動給湯路側と接続し、循環往路の浴槽側とは縁切りすることができるので、水位検出中に一般給湯等のカランが開放され、給湯運転が開始されることによってバーナの燃焼が行われても、前記浴槽水位センサが1缶2回路式熱交換缶体側に生じた水圧変動の影響を受けるのを防止することができ、正確な浴槽水位を検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の風呂装置を備えた給湯設備の全体構成図である。
【図2】従来の風呂装置を備えた給湯設置の全体構成図である。
【符号の説明】
10 1缶2回路式熱交換缶体
11 バーナ
15 熱交換部
20 浴槽
30 追い焚き循環回路
31 循環往路
32 循環復路
33 循環ポンプ
36 浴槽水位センサ
40 給湯回路
50 風呂自動給湯路
52 三方弁
60 制御部
【産業上の利用分野】
本発明は追い焚き循環回路の浴槽循環水の加熱の他に、一般給湯や風呂自動給湯を行うための給湯回路の水の加熱を兼用して行う1缶2回路式熱交換缶体を設備した風呂装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図2は従来における風呂装置を備えた給湯設備の全体構成図である。この図2に沿って従来装置を以下に説明する。
図2において、1缶2回路式熱交換缶体10に対して、浴槽20からの循環往路31と循環復路32とからなる追い焚き循環回路30と、上水道等からの水を加熱して給湯する給湯回路40が導かれ、1缶2回路式熱交換缶体10の1つの熱交換部15で2つの回路の水が加熱されるようになされている。風呂の追い焚きは、浴槽水が循環ポンプ33によって浴槽20から循環往路31を通って1缶2回路式熱交換缶体10に入り、加熱されて循環復路32を通って浴槽20に戻ることで行われる。また前記給湯回路40による給湯は、上水道等からの水が入水路41を通って1缶2回路式熱交換缶体10に入り、加熱されて出湯路42に出湯されることで行われる。
前記給湯回路40からは風呂自動給湯路50が分岐され、三方弁51を介して追い焚き循環回路30の循環往路31に接続されている。
風呂追い焚き運転時には、前記三方弁51が浴槽20側と1缶2回路式熱交換缶体10側とを接続するように切り換えられ、これによって浴槽水が1缶2回路式熱交換缶体10の熱交換部15に導かれて加熱される。
また風呂自動給湯運転時には、前記三方弁51が風呂自動給湯路50側と1缶2回路式熱交換缶体10側とを接続するように切り換えられ、これによって風呂自動給湯路50から追い焚き循環回路30の循環往路31に入った温水は循環ポンプ33によって1缶2回路式熱交換缶体10を通り、循環復路32を通って浴槽20に導入される。また風呂自動給湯路50から追い焚き循環回路30の循環往路31に入った温水の一部は、前記三方弁51に付属の逆止弁付きバイパス51a を通って循環往路31の浴槽20側にも流れ、浴槽20に導入される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが上記従来の装置においては、風呂自動給湯運転を行う場合、風呂自動給湯路50から追い焚き循環回路30の循環往路31に入った温水は循環ポンプ33によって1缶2回路式熱交換缶体10を通った後浴槽20に導入されることから、既に給湯回路40で一回加熱された風呂自動給湯温水が1缶2回路式熱交換缶体10を通る際に再度加熱されることになり、その結果、浴槽への給湯温度が設定温度よりも高くなるという問題があった。
また風呂水位を追い焚き循環回路に設けた水位センサで検出しているときに、一般給湯等が開始されることで1缶2回路式熱交換缶体10のバーナ11がオンすると、1缶2回路式熱交換缶体10での加熱による内圧変動や振動等が追い焚き循環回路内に伝わって、その影響を受けるため、正確な水位が検出不能となる問題があった。
また風呂の追い焚き単独運転を行う場合に、追い焚き循環回路30を循環する水量に対して1缶2回路式熱交換缶体10の温度上昇が十分でなく、このためドレンが発生する等の問題があった。
【0004】
そこで本発明は、上記従来装置における欠点を解消し、風呂自動給湯運転の際には給湯温度が設定給湯温度を越えてしまうことなく所定の給湯設定温度の温水を確実に浴槽へ導入することができ、また1缶2回路式熱交換缶体側からの内圧変動等の影響を受けることなく正確に浴槽の水位検出を行うことができ、また風呂追い焚き運転の際に1缶2回路式熱交換缶体にドレンが発生し難い風呂装置の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の風呂装置は、浴槽からの循環往路と浴槽への循環復路とからなる追い焚き循環回路と上水道からの水を加熱して給湯する給湯回路との2つの回路を1つのバーナで兼用して熱交換加熱する1缶2回路式熱交換缶体を設備し、前記給湯回路から分岐される風呂自動給湯路を三方弁を介して前記追い焚き循環回路の循環往路に接続するようにした風呂装置であって、前記三方弁を2方向切り換え及び3方向全開ができる三方弁とすると共に風呂自動給湯路を前記三方弁の手前の位置で循環復路にも接続し、更に風呂追い焚き運転時には前記三方弁を3方向全開にすると共に風呂自動給湯運転時には前記三方弁を風呂自動給湯路側と前記循環往路の浴槽側とが接続するように切り換え且つ風呂水位検出運転時には前記三方弁を前記循環往路の1缶2回路式熱交換缶体側と風呂自動給湯路側とが接続するように切り換える制御部を設けたことを特徴としている。
【0006】
【作用】
上記本発明の特徴によれば、リモコン等により風呂追い焚き運転が指令されると、制御部によって三方弁が3方向全開になされる。よって浴槽水は追い焚き循環回路を通って1缶2回路式熱交換缶体で加熱され浴槽に戻るが、一部の浴槽水は追い焚き循環回路の循環往路から三方弁を介して風呂自動給湯路に入り、循環復路にバイパスし、そのまま浴槽に戻ることになる。よって浴槽から1缶2回路式熱交換缶体に循環する浴槽水の流量をそれだけ減少させることができるので、1缶2回路式熱交換缶体でのドレンの発生をし難くすることができる。
また風呂自動給湯運転が指令されると、制御部によって、風呂自動給湯路と追い焚き循環回路の循環往路との間に介装される三方弁が、風呂自動給湯路側と循環往路の浴槽側とが接続するように切り換えられる。これによって、給湯回路を通って風呂自動給湯用に加熱された温水が風呂自動給湯路から三方弁を通って循環往路の浴槽側に入り、そのまま循環往路を浴槽側に流れて、浴槽に導入される。また風呂自動給湯路の温水の一部は三方弁の手前の位置から循環復路に流れ込み、浴槽に導入される。即ち、風呂自動給湯路からの温水は両搬送でスムーズに、且つ1缶2回路式熱交換缶体で再加熱されることなく設定温度通りの温度で浴槽に導入される。また風呂自動給湯運転時に温水は風呂自動給湯路から三方弁を介して循環往路の浴槽側に入るので、上記従来装置で設けていた三方弁に付属の逆止弁付きバイパスが不要となり、コストダウンになると共に前記逆止弁付きバイパス路を通って浴槽側から1缶2回路式熱交換缶体側へ無理やりに回り込む温水も確実に防止することができる。
また風呂水位検出運転時には、制御部によって、前記三方弁が前記循環往路の1缶2回路式熱交換缶体側と風呂自動給湯路側とが接続するように切り換えられる。これによって1缶2回路式熱交換缶体で加熱が行われている場合でも、その加熱による内圧変動や振動が循環往路を三方弁を越えて浴槽側に影響してくるのが防止され、浴槽水位センサが循環往路の三方弁よりも浴槽側に配置されることで、正確な浴槽水位を検出することが可能となる。
【0007】
【実施例】
以下に本発明を実施例に基づいて説明する。
図1は本発明の風呂装置を備えた給湯設備の全体構成図である。
【0008】
図1において、給湯設備は1缶2回路式熱交換缶体10を設備し、該缶体10には浴槽20からの追い焚き循環回路30と、上水道からの水を加熱して供給する給湯回路40とが導入されている。
前記1缶2回路式熱交換缶体10には、バーナ11と、該バーナ11に空気を供給する送風器12、点火器13、石油等の燃料を供給するための2つのポンプPとその間に配置されるインジェクターIJとバイパス弁SV等からなる燃料供給手段14が設けられ、また缶体10内には追い焚き循環回路30を通って導かれた水の加熱と給湯回路40を通って導かれた水の加熱を兼用して行う1つの熱交換部15が設けられている。
前記浴槽20にはその下側部に循環金具21が設けられ、該循環金具21から追い焚き循環回路30が缶体10に延設されている。
【0009】
前記追い焚き循環回路30は、浴槽20から缶体10への循環往路31と缶体10から浴槽20への循環復路32とからなり、循環往路31には三方弁52よりも缶体10側に循環ポンプ33、水流スイッチ34、浴槽温度センサ35が設けられ、三方弁52よりも浴槽20側に浴槽水位センサ36が設けられている。浴槽水位センサ36は浴槽水位に応じて加わる水圧をとらえて水位を検出する。
前記給湯回路40は、入水路41と、出湯路42と、出湯路42から分岐される一般給湯路43と風呂自動給湯路50と、前記入水路41から出湯路42へバイパスするバイパス路45とからなる。バイパス路45にはバイパス流量を調節する流量調節弁45a が設けられている。
前記入水路41には前記バイパス路45の分岐点よりも下流位置に水量センサ41aと、入水温度センサ41b と、水流スイッチ41c とが設けられている。
前記出湯路42には出湯温度センサ42a と、前記バイパス路45の接続点より下流位置に給湯温度センサ42b 、過流出防止器42c とが設けられている。
前記風呂自動給湯路50は、その先端で三方弁52を介して前記追い焚き循環回路30の循環往路31に接続されている。また風呂自動給湯路50は前記三方弁52の手前の位置の接続点Xで前記追い焚き循環回路30の循環復路32にも接続されている。風呂自動給湯路50には水量センサ53と、落とし込み弁54と、落とし込みホッパ55とが設けられている。
制御部60は、マイコンを内蔵し、装置各部のセンサ類からの情報を受け、またリモコン70からの指令に基づいて、制御プログラムに従って所定の演算、判定を行い、装置各部に所定の動作指令を行う。
【0010】
前記三方弁52は2方向切り換え及び3方向全開ができる三方弁としている。そして上記制御部60による三方弁52の切り換え制御機構は、風呂追い焚き運転時には三方弁52を3方向全開にする制御機構とし、風呂自動給湯運転時には三方弁52を風呂自動給湯路50側と循環往路31の浴槽20側とが接続するように切り換える制御機構とし、且つ風呂水位検出運転時には三方弁52を循環往路31の1缶2回路式熱交換缶体10側と風呂自動給湯路50側とが接続するように切り換える制御機構としている。
【0011】
今、リモコン70等により、風呂追い焚き運転が指令されると、制御部60は、三方弁52を3方向全開にし、次いで循環ポンプ33をオンする。これによって浴槽水が追い焚き循環回路30を流れると水流スイッチ34がオンし、1缶2回路式熱交換缶体10のバーナ11が燃焼を開始する。浴槽水は循環往路31から1缶2回路式熱交換缶体10に循環して加熱され、循環復路32を通って浴槽20に戻るが、一部の浴槽水は循環往路31から三方弁52を介して風呂自動給湯路50に入り、追い焚き循環回路30との接続点Xから循環復路32にバイパスし、そのまま浴槽20に戻ることになる。よって浴槽から1缶2回路式熱交換缶体10に循環する浴槽水の流量がそれだけ減少し、1缶2回路式熱交換缶体10でのドレンの発生を抑制することができる。
【0012】
また風呂自動給湯運転が指令されると、制御部60は、三方弁52を風呂自動給湯路50側と循環往路31の浴槽20側とが接続するように切り換え、次いで風呂自動給湯路50の落とし込み弁54を開放する。これによって上水道から水が給湯回路40の入水路41に流れ、これによって水流スイッチ41c がオンすると、バーナ11の燃焼を開始する。給湯回路40を通って1缶2回路式熱交換缶体10の熱交換部15で加熱された温水は、出湯路42から風呂自動給湯路50を通って供給される。風呂自動給湯路50の温水は落とし込みホッパ55を経て、一部は追い焚き循環回路30の接続点Xから循環復路32に流れ込み、浴槽20へ導入される。また残りは三方弁52を経て追い焚き循環回路30の循環往路31の浴槽20側に流れ込み、浴槽20に導入される。これによって風呂自動給湯路50からの温水は両搬送でスムーズに、且つ1缶2回路式熱交換缶体10で再加熱されることなく設定給湯温度通りの温度で浴槽20に導入することができる。また風呂自動給湯運転時に温水は風呂自動給湯路50から三方弁52を介して循環往路31の浴槽20側に入るので、上記従来装置で設けていた三方弁51に付属の逆止弁付きバイパス51a が不要となり、コストダウンになる。
【0013】
また風呂水位検出運転時には、制御部60は、三方弁52を前記循環往路31の1缶2回路式熱交換缶体10側と風呂自動給湯路50側とが接続するように切り換える。
これによって浴槽水位センサ36のある浴槽20側の循環往路31が三方弁52によって1缶2回路式熱交換缶体10側の循環往路31と縁切りされる。よって、水位検出中に一般給湯等のカランが開放され、給湯運転が開始されることによってバーナ11の燃焼が行われても、三方弁52よりも浴槽20側にある前記浴槽水位センサ36が1缶2回路式熱交換缶体10側に生じた水圧変動の影響を受けるのを防止することができ、正確な浴槽水位を検出することが可能となる。
【0014】
【発明の効果】
本発明は以上の構成よりなり、請求項1に記載の風呂装置によれば、風呂自動給湯路と風呂追い焚き循環回路の循環往路との間に介装される三方弁を2方向切り換え及び3方向全開ができる三方弁とすると共に風呂自動給湯路を前記三方弁の手前の位置で循環復路にも接続し、更に風呂追い焚き運転時には前記三方弁を3方向全開にすると共に風呂自動給湯運転時には前記三方弁を風呂自動給湯路側と前記循環往路の浴槽側とが接続するように切り換え且つ風呂水位検出運転時には前記三方弁を前記循環往路の1缶2回路式熱交換缶体側と風呂自動給湯路側とが接続するように切り換える制御部を設けたので、
風呂追い焚き運転時においては、浴槽水の一部を循環往路から三方弁、風呂自動給湯路を介して循環復路にバイパスし、そのまま浴槽に戻すことができ、よって浴槽から1缶2回路式熱交換缶体に循環する浴槽水の流量をそれだけ減少させることができ、1缶2回路式熱交換缶体でのドレンの発生を抑制することができる。
また風呂自動給湯運転時においては、風呂自動給湯路からの温水を、1缶2回路式熱交換缶体で再加熱がなされることなく、設定給湯温度通りの温度で浴槽に導入することができる。また両搬送により十分な流量でスムーズに浴槽に導入することができる。その他、温水を三方弁を介して循環往路の浴槽側に入れることができるので、従来装置で設けていた三方弁に付属の逆止弁付きバイパスが不要となり、コストダウンになる。
また風呂水位検出運転時においては、循環往路の1缶2回路式熱交換缶体側を風呂自動給湯路側と接続し、循環往路の浴槽側とは縁切りすることができるので、水位検出中に一般給湯等のカランが開放され、給湯運転が開始されることによってバーナの燃焼が行われても、前記浴槽水位センサが1缶2回路式熱交換缶体側に生じた水圧変動の影響を受けるのを防止することができ、正確な浴槽水位を検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の風呂装置を備えた給湯設備の全体構成図である。
【図2】従来の風呂装置を備えた給湯設置の全体構成図である。
【符号の説明】
10 1缶2回路式熱交換缶体
11 バーナ
15 熱交換部
20 浴槽
30 追い焚き循環回路
31 循環往路
32 循環復路
33 循環ポンプ
36 浴槽水位センサ
40 給湯回路
50 風呂自動給湯路
52 三方弁
60 制御部
Claims (1)
- 浴槽からの循環往路と浴槽への循環復路とからなる追い焚き循環回路と上水道からの水を加熱して給湯する給湯回路との2つの回路を1つのバーナで兼用して熱交換加熱する1缶2回路式熱交換缶体を設備し、前記給湯回路から分岐される風呂自動給湯路を三方弁を介して前記追い焚き循環回路の循環往路に接続するようにした風呂装置であって、前記三方弁を2方向切り換え及び3方向全開ができる三方弁とすると共に風呂自動給湯路を前記三方弁の手前の位置で循環復路にも接続し、更に風呂追い焚き運転時には前記三方弁を3方向全開にすると共に風呂自動給湯運転時には前記三方弁を風呂自動給湯路側と前記循環往路の浴槽側とが接続するように切り換え且つ風呂水位検出運転時には前記三方弁を前記循環往路の1缶2回路式熱交換缶体側と風呂自動給湯路側とが接続するように切り換える制御部を設けたことを特徴とする風呂装置。
Priority Applications (1)
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JP06679895A JP3551531B2 (ja) | 1995-02-28 | 1995-02-28 | 風呂装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (2)
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JPH08233361A JPH08233361A (ja) | 1996-09-13 |
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Family
ID=13326259
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06679895A Expired - Fee Related JP3551531B2 (ja) | 1995-02-28 | 1995-02-28 | 風呂装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3551531B2 (ja) |
-
1995
- 1995-02-28 JP JP06679895A patent/JP3551531B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH08233361A (ja) | 1996-09-13 |
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