JP3735891B2 - 1缶2水路式風呂釜装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は風呂追い焚き運転と一般給湯運転とを1つの熱交換缶体で兼用して行うことができる1缶2水路式風呂釜装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、風呂追い焚き運転と一般給湯運転とを1つの熱交換缶体で兼用して行うことができる1缶2水路式風呂釜装置において、一般給湯運転を行う場合、給湯温度が設定されると、入水温度と入水流量と設定給湯温度とから必要燃焼熱量が演算され、これをフィードフォワード熱量として、これが予め定めた一定の基準熱量以上であるか否かを判断し、以上の場合はフィードフォワード制御にフィードバック制御を加えた比例制御による連続燃焼制御運転を行い、未満の場合はフィードフォワード制御のみによるオンオフ燃焼制御運転を行うことで、所定の設定給湯温度の温水を供給するようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが上記従来の装置において、一般給湯運転中に風呂追い焚き運転が同時に行われると、1缶2水路式熱交換缶体に発生する熱量が風呂追い焚き側でも消費されることから、浴槽水の温度や循環量によっては、一般給湯側の熱交換に大きく影響することになり、特に一般給湯運転がフィードフォワード制御のみによるオンオフ燃焼制御運転を行っている場合には、フィードバック制御による熱量の補給がないので、所定の設定給湯温度での一般給湯ができなくなる等の問題があった。
【0004】
そこで本発明は、上記従来装置における欠点を解消し、風呂追い焚き加熱と一般の給湯加熱とを1缶2水路式熱交換缶体で兼用して行う1缶2水路式風呂釜装置において、風呂追い焚き運転が一般の給湯運転と同時に行われている場合においても、一般の給湯を所定の設定給湯温度で行える装置の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の1缶2水路式風呂釜装置は、風呂追い焚き用の追い焚き循環回路と上水道からの水を加熱して給湯する給湯回路との2つの回路を1つのバーナで兼用して熱交換加熱する1缶2水路式熱交換缶体を設備し、給湯単独運転、風呂追い焚き単独運転、及び給湯運転と風呂追い焚き運転の同時運転ができるようにした1缶2水路式風呂釜装置であって、給湯単独運転の場合には、演算されたフィードフォワード熱量が予め定めた一定の基準熱量以上であるとフィードフォワード制御にフィードバック制御を加えた比例制御による連続燃焼制御運転を行うと共に、前記演算されたフィードフォワード熱量が前記予め定めた一定の基準熱量未満の場合にはフィードフォワード制御のみによるオンオフ燃焼制御運転を行い、一方、給湯運転と風呂追い焚き運転との同時運転の場合には、給湯側フィードフォワード熱量に予め定めた一定の風呂側仮想フィードフォワード熱量を加えることで、フィードフォワード総熱量が必ず前記基準熱量以上となるようにして、フィードフォワード制御にフィードバック制御を加えた比例制御による連続燃焼制御運転のみによる運転を行い、且つフィードフォワード熱量とフィードバック熱量との総熱量が前記基準熱量未満になった場合には、その間を燃焼停止状態にするようにしたコントローラを設けたことを特徴としている。
【0006】
【作用】
上記本発明の特徴によれば、給湯運転と風呂追い焚き運転が同時運転状態になると、コントローラは、給湯用に演算した給湯側フィードフォワード熱量に予め定めた風呂側仮想フィードフォワード熱量を加える。これによってフィードフォワード総熱量が必ず基準熱量以上となり、よってフィードフォワード制御にフィードバック制御を加えた比例制御による連続燃焼制御運転が開始される。よって給湯運転と風呂追い焚き運転の同時運転により熱量が風呂追い焚き側に取られた場合でも、フィードバック制御によって熱量が補填され、所定の設定給湯温度での給湯を行うことができる。また運転中においてフィードフォワード熱量とフィードバック熱量との総熱量が基準熱量未満になる場合には、その間だけ燃焼を停止することで、連続燃焼制御運転では実現できない低い設定給湯温度での給湯も併せて確実に行うことができる。
以上により、給湯運転に風呂追い焚き運転が加わって同時運転となった場合においても、高温から低温までに至る設定給湯温度に対して確実に設定温度での給湯を行うことができる。
【0007】
【実施例】
以下に本発明を実施例に基づいて説明する。
図1は本発明の1缶2水路式風呂釜装置の全体構成図、図2はコントローラによる運転の制御機構を説明するフローチャートである。
【0008】
図1において、装置は1缶2水路式熱交換缶体10を設備し、該缶体10には浴槽20からの追い焚き循環回路30と、上水道からの水を加熱して供給する給湯回路40とが導入されている。
前記1缶2水路式熱交換缶体10には、バーナ11と、該バーナ11に空気を供給する送風器12、点火器13、石油等の燃料を供給するための2つのポンプPとその間に配置されるインジェクターIJとバイパス弁SV等からなる燃料供給手段14が設けられ、また缶体10内には追い焚き循環回路30を通って導かれた水の加熱と給湯回路40を通って導かれた水の加熱を兼用して行う1つの熱交換部15が設けられている。
前記浴槽20にはその下側部に循環金具21が設けられ、該循環金具21から追い焚き循環回路30が缶体10に延設されている。
【0009】
前記追い焚き循環回路30は、浴槽20から缶体10への循環往路31と缶体10から浴槽20への循環復路32とからなり、循環往路31には三方弁52よりも缶体10側に循環ポンプ33、水流スイッチ34、浴槽温度センサ35が設けられ、三方弁52よりも浴槽20側に浴槽水位センサ36が設けられている。浴槽水位センサ36は浴槽水位に応じて加わる水圧をとらえて水位を検出する。
前記給湯回路40は、入水路41と、出湯路42と、出湯路42から分岐される一般給湯路43と風呂自動給湯路50と、前記入水路41から出湯路42へバイパスするバイパス路45とからなる。バイパス路45にはバイパス流量を調節する流量調節弁45a が設けられている。
前記入水路41には前記バイパス路45の分岐点よりも下流位置に水量センサ41aと、入水温度センサ41b とが設けられている。
前記出湯路42には出湯温度センサ42a と、前記バイパス路45の接続点より下流位置に給湯温度センサ42b 、過流出防止器42c とが設けられている。
前記風呂自動給湯路50は、その先端で三方弁52を介して前記追い焚き循環回路30の循環往路31に接続されている。風呂自動給湯路50には水量センサ53と、落とし込み弁54と、落とし込みホッパ55とが設けられている。
コントローラ60は、マイコンを内蔵し、装置各部のセンサ類からの情報を受け、またリモコン70からの指令に基づいて、制御プログラムに従って所定の演算、判定を行い、装置各部に所定の動作指令を行う。
【0010】
次に上記コントローラ60による運転の制御機構を図2のフローチャートに沿って説明する。
今、風呂釜装置の図示しない装置自体の運転スイッチがオンされている状態において、給湯運転がなされておらず(入水路41の水量センサ41a が最低作動水量(MOQ)未満である)(S1でノー)、その一方、図示しない風呂追い焚きスイッチのオンにより循環ポンプ33が駆動され、追い焚き循環回路30の水流スイッチ34がオン(S2でイエス)された場合には、風呂単独運転が行われる(S3)。
風呂単独運転においては、コントローラ60は一定の熱量でバーナ11を燃焼させ、浴槽水を循環ポンプ33で1缶2水路式熱交換缶体10の熱交換部15に循環させて加熱する。そして浴槽温度センサ35が設定浴槽温度になると、運転を停止する。一方、一般給湯路43等の図示しない給湯カランが開かれることで、入水路41の水量センサ41a が最低作動水量(MOQ)以上を検出し(S1でイエス)、その一方、風呂追い焚きスイッチがオフの場合(水量スイッチ34がオフ(S4でノー)となる)には、給湯単独運転が行われる。
給湯単独運転においては、コントローラ60は、入水温度センサ41b による入水温度と水量センサ41a による入水流量と設定給湯温度等から必要燃焼熱量を演算し、これをフィードフォワード熱量として、これが予め定めた一定の基準熱量以上であるか否かを判断し、以上の場合はフィードフォワード制御にフィードバック制御を加えた比例制御による連続燃焼制御運転を行い、未満の場合はフィードフォワード制御のみによるオンオフ燃焼制御運転を行う。熱交換部15から出湯路42に出湯された温水は出湯温度センサ42a によって温度が検出され、流量調節弁45a で所定の設定給湯温度へと調節される。
前記基準熱量は、バーナ11の能力との関係において予め定められる熱量であり、それ以上の熱量ではバーナ11を連続燃焼しながら熱量調節した方が給湯の温度調節が容易であり、またバーナ11の特性やメンテナンス上においてもその熱量で連続燃焼とオンオフ燃焼との分岐熱量とするのが都合がよいような熱量として予め実験により定められる熱量である。
【0011】
風呂追い焚き単独運転中に一般給湯路43等の図示しない給湯カランが開かれることで、入水路41の水量センサ41a が最低作動水量(MOQ)以上を検出し、或いは給湯運転中に風呂追い焚きスイッチがオンされることで、循環ポンプ33が駆動し、水流スイッチ34がオンされた場合(S1がイエスで且つS4がイエス)には、給湯運転と風呂追い焚き運転の同時運転となる。
同時運転になるとコントローラ60は、演算される給湯側フィードフォワード熱量に予め定めた一定の風呂側仮想フィードフォワード熱量を加えることで、フィードフォワード総熱量が必ず前記基準熱量以上となるようにして、必ずフィードフォワード制御にフィードバック制御を加えた比例制御による連続燃焼制御運転を開始する(S6)。
【0012】
そして実施例では、設定給湯温度と、入水温度と、熱交換部15に流れる水量及びバイパス路45の流量調節弁45a による分配比等から、給湯側フィードフォワード熱量を演算すると共に該給湯側フィードフォワード熱量に基づいて熱交換部15から出湯されるべき設定缶体出湯温度が演算される。一方、バーナ11は、給湯側フィードフォワード熱量と風呂側仮想フィードフォワード熱量とを加えたフィードフォワード総熱量に基づいて、フィードフォワード燃焼される。
熱交換部15から出湯路42に出湯された温水の温度が出湯温度センサ42a により熱検出され、そしてこの出湯温度が前記設定缶体出湯温度と比較され(S7)、出湯温度が前記設定缶体出湯温度と同じ(例えば1℃以内の一定の許容温度範囲内にある)でない場合には(S7でノー)、その差に対応するフィードバック熱量がコントローラ60によって演算され(S8)、このフィードバック熱量によりバーナ11の燃焼が加減される。このフィードバック制御によって風呂追い焚き同時運転中の給湯が所定の設定給湯温度で行うことができる。
そして同時運転中においては、コントローラ60によりフィードフォワード熱量とフィードバック熱量との総熱量が基準熱量未満か否かが監視され(S9)、基準熱量未満となった場合には(S9でイエス)、その間だけ燃焼を停止する(S10)。これによって、連続燃焼制御運転では実現できない低い設定給湯温度での給湯も併せて確実に行うことができる。
【0013】
【発明の効果】
本発明は以上の構成よりなり、請求項1に記載の1缶2水路式風呂釜装置によれば、給湯運転と風呂追い焚き運転との同時運転の場合には、給湯側フィードフォワード熱量に予め定めた一定の風呂側仮想フィードフォワード熱量を加えることで、フィードフォワード総熱量が必ず基準熱量以上となるようにして、フィードフォワード制御にフィードバック制御を加えた比例制御による連続燃焼制御運転のみによる運転を行い、且つフィードフォワード熱量とフィードバック熱量との総熱量が前記予め定めた一定の基準熱量未満になった場合には、その間を燃焼停止状態にするようにしたコントローラを設けたので、給湯運転と風呂追い焚き運転の同時運転により熱量が風呂追い焚き側に取られた場合でも、熱量を自動的に補填して、所定の設定給湯温度での給湯を行うことができる。しかも、同時運転中においてフィードフォワード熱量とフィードバック熱量との総熱量が基準熱量未満になった場合には、その間を燃焼停止状態にするようにしているので、連続燃焼制御運転では実現できない低い設定給湯温度での給湯も併せて確実に行うことができる。
以上により、給湯運転に風呂追い焚き運転が加わって同時運転となった場合においても、高温から低温までに至る広範囲の設定給湯温度に対して確実に設定温度での給湯を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1缶2水路式風呂釜装置の全体構成図である。
【図2】コントローラによる運転の制御機構を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
10 1缶2水路式熱交換缶体
11 バーナ
15 熱交換部
20 浴槽
30 追い焚き循環回路
40 給湯回路
41 入水路
42 出湯路
43 一般給湯路
60 コントローラ
Claims (1)
- 風呂追い焚き用の追い焚き循環回路と上水道からの水を加熱して給湯する給湯回路との2つの回路を1つのバーナで兼用して熱交換加熱する1缶2水路式熱交換缶体を設備し、給湯単独運転、風呂追い焚き単独運転、及び給湯運転と風呂追い焚き運転の同時運転ができるようにした1缶2水路式風呂釜装置であって、給湯単独運転の場合には、演算されたフィードフォワード熱量が予め定めた一定の基準熱量以上であるとフィードフォワード制御にフィードバック制御を加えた比例制御による連続燃焼制御運転を行うと共に、前記演算されたフィードフォワード熱量が前記予め定めた一定の基準熱量未満の場合にはフィードフォワード制御のみによるオンオフ燃焼制御運転を行い、一方、給湯運転と風呂追い焚き運転との同時運転の場合には、給湯側フィードフォワード熱量に予め定めた一定の風呂側仮想フィードフォワード熱量を加えることで、フィードフォワード総熱量が必ず前記基準熱量以上となるようにして、フィードフォワード制御にフィードバック制御を加えた比例制御による連続燃焼制御運転のみによる運転を行い、且つフィードフォワード熱量とフィードバック熱量との総熱量が前記基準熱量未満になった場合には、その間を燃焼停止状態にするようにしたコントローラを設けたことを特徴とする1缶2水路式風呂釜装置。
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JP15221495A JP3735891B2 (ja) | 1995-05-26 | 1995-05-26 | 1缶2水路式風呂釜装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP15221495A JP3735891B2 (ja) | 1995-05-26 | 1995-05-26 | 1缶2水路式風呂釜装置 |
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JPH08320149A JPH08320149A (ja) | 1996-12-03 |
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