JP3084251B2 - 給湯装置 - Google Patents

給湯装置

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JP3084251B2
JP3084251B2 JP09091880A JP9188097A JP3084251B2 JP 3084251 B2 JP3084251 B2 JP 3084251B2 JP 09091880 A JP09091880 A JP 09091880A JP 9188097 A JP9188097 A JP 9188097A JP 3084251 B2 JP3084251 B2 JP 3084251B2
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直己 田中
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、給水路からの水を
加熱して給湯路に供給する給湯用熱交換器と、浴槽の戻
り路からの湯水を加熱して浴槽の往き路に供給して浴槽
内の湯水を追焚きする追焚き用熱交換器と、前記給湯用
熱交換器と追焚き用熱交換器とを加熱する単一のバーナ
と、前記給湯路からの湯水を浴槽に供給するために給湯
路から分岐し、かつ、前記戻り路と往き路との少なくと
も一方に接続した湯張り路と、前記給湯路からの湯水を
前記湯張り路側に切替えて供給する給湯切替え手段と、
前記湯張り路に介装された空気層形成手段と、その空気
層形成手段より下流側の湯張り路に設けられた逆止弁と
を備えた給湯装置に関する。
【0002】
【従来の技術】このような構成の給湯装置においては、
給湯用熱交換器と追焚き用熱交換器とを単一のバーナで
加熱することによる構造の簡素化を図ることができ、か
つ、前記空気層形成手段により浴槽側の汚水と湯張り路
側の湯水との接触を防止し得るとともに、前記逆止弁に
より浴槽側の汚水の逆流を防止できるので、浴槽や追焚
き用熱交換器を設置する際の鉛直方向における位置関係
での制約もなく、比較的自由に設置することが可能とな
る。
【0003】ところが、給湯用熱交換器と追焚き用熱交
換器とを単一のバーナで加熱するものであるから、給湯
用熱交換器を単独使用して給湯運転のみを行う場合、追
焚き用熱交換器も同時に加熱される。その際、追焚き用
熱交換器内に湯水が残留していると、その残留湯水が加
熱により沸騰して湯水内の不純物が析出し、追焚き用熱
交換器の内面に付着して熱効率の低下を招いたり、付着
した不純物が膜状のスケールとなって浴槽内の湯水に混
入するなどの不都合が生じるが、従来、この点について
十分な対策が講じられていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題点を解消するもので、給湯用熱交換器の単独使用時
において、追焚き用熱交換器内における湯水の沸騰を確
実に防止して、湯水沸騰によるスケールの発生を防止す
ることのできる給湯装置の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明によれば、給湯用熱交換器と
追焚き用熱交換器とを単一のバーナで加熱する給湯装置
で、追焚き用熱交換器内に空気を供給して追焚き用熱交
換器内の湯水を浴槽内に排出する湯水排出状態と、追焚
き用熱交換器内への空気の供給を停止する停止状態とに
切替え操作可能な空気供給手段を設けるものであるか
ら、給湯用熱交換器の単独使用に際して、前記空気供給
手段を湯水排出状態に切替え操作することにより、追焚
き用熱交換器内の残留湯水を排出して空気と置換するこ
とができ、したがって、バーナが燃焼しても追焚き用熱
交換器内における湯水の沸騰はなく、湯水内の不純物の
付着による熱効率の低下やスケールの発生を確実に防止
することができる。
【0006】請求項2に記載の発明によれば、湯張り路
に介装する空気層形成手段が、下方に位置して大気に連
通するオーバーフロー室と、上方に位置して前記オーバ
ーフロー室と湯張り路とに連通するエアチャージ室と、
前記オーバーフロー室とエアチャージ室との連通を開閉
するエアチャージ弁とを備えた空気層形成用ホッパであ
るため、例えば、空気層形成用のバキュームブレーカの
ように設置位置に制約されず、給湯装置のケーシング内
に収納することも可能で、しかも、浴槽側の汚水が湯張
り路側の湯水に接触するのを確実に防止することができ
る。
【0007】そして、空気層形成用ホッパのオーバーフ
ロー室と浴槽の戻り路とを排水路で接続し、かつ、排水
路を開閉する排水弁を設け、前記戻り路に浴槽内の湯水
を吸引して追焚き用熱交換器側に供給する追焚き用循環
ポンプを設けるとともに、その追焚き用循環ポンプの吸
引側の戻り路に前記排水路を接続し、その排水路の接続
箇所より浴槽側の戻り路に開閉弁を設けて、前記空気供
給手段が、前記排水弁を開弁操作し、かつ、前記開閉弁
を閉弁操作して、前記追焚き用循環ポンプを駆動するよ
うに構成するものであるから、オーバーフロー室内の湯
水を浴槽内に供給するための排水路や排水弁をそのまま
利用し、かつ、追焚きの際に浴槽内の湯水を循環させる
ための追焚き用循環ポンプをそのまま利用して、追焚き
用熱交換器内の残留湯水を浴槽内に排出することがで
き、構成部品の共用による構造の簡素化と製造コストの
低廉化を図ることができる。
【0008】請求項3に記載の発明によれば、追焚き用
循環ポンプの吸引側の戻り路と前記往き路とを浴槽を迂
回するバイパス路で接続して、そのバイパス路を開閉す
るバイパス弁を設け、前記バイパス弁を開弁操作し、か
つ、前記追焚き用循環ポンプを駆動して、前記戻り路、
追焚き用熱交換器、往き路、ならびに、バイパス路によ
り形成される循環路内で湯水を循環する湯水循環手段を
設けるものであるから、例えば、浴槽への湯張りが完了
した直後のように、追焚き用熱交換器やそれに接続の配
管系内に十分な量の湯水が残留している場合、給湯用熱
交換器の単独使用に際して、前記湯水循環手段により湯
水を循環させることによって、追焚き用熱交換器内での
湯水の沸騰を防止することができる。したがって、追焚
き用熱交換器内などに十分な量の湯水が残留していない
場合には、上述のように空気供給手段を湯水排出状態に
切替えて湯水の沸騰を防止し、十分な量の湯水が残留し
ている場合には、湯水循環手段による湯水の循環で沸騰
を防止することができ、それぞれの状態に対応した合理
的な湯水の沸騰防止が可能となる。
【0009】請求項4に記載の発明によれば、給湯装置
の作動を制御する制御手段を設け、かつ、追焚き用熱交
換器と浴槽との鉛直方向における位置関係を指令する指
令手段を設けて、前記制御手段が、前記給湯用熱交換器
の単独作動の際に前記指令手段からの指令に基づいて、
追焚き用熱交換器の方が浴槽より上方に位置している場
合に前記空気供給手段を作動制御し、浴槽の方が追焚き
用熱交換器より上方に位置している場合に前記湯水循環
手段を作動制御するように構成するものであるから、指
令手段による指令さえあれば、追焚き用熱交換器の方が
浴槽より上方に位置している場合にも、逆の場合におい
ても、追焚き用熱交換器内における湯水の沸騰を合理的
かつ自動的に防止することができる。
【0010】つまり、追焚き用熱交換器の方が浴槽より
上方に位置する場合には、空気層形成用ホッパなどの空
気層形成手段内の空気が、その空気層形成手段より下流
側に設けられた逆止弁から、徐々にではあるが、追焚き
用熱交換器やそれに接続の配管系内に混入して残留湯水
の一部が空気と置換し、追焚き用熱交換器内などに十分
な量の湯水が残留していない可能性があり、その場合
に、上述した空気供給手段を作動して湯水の沸騰を防止
し、浴槽の方が追焚き用熱交換器より上方に位置して、
浴槽内の湯水の有無にかかわらず、追焚き用熱交換器内
などに十分な量の湯水が残留している可能性が高い場合
に、湯水循環手段により循環路内で湯水を循環させて、
追焚き用熱交換器内での湯水の沸騰を防止するのであ
り、このような合理的な湯水の沸騰防止を自動的に行う
ことができる。
【0011】請求項5に記載の発明によれば、浴槽の戻
り路に浴槽内の水位を検出する圧力検知式の水位センサ
を設け、その水位センサにより前記指令手段を構成する
ものであるから、浴槽や給湯装置の設置時において、追
焚き用熱交換器と浴槽との鉛直方向における位置関係を
人為的に検出したり、あるいは、追焚き用熱交換器と浴
槽との位置関係を設定操作する必要もなく、水位センサ
を圧力検知式にするだけで、その水位センサにより両者
の位置関係を確実に検出して、追焚き用熱交換器内にお
ける湯水の沸騰を確実に防止することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明による給湯装置の実施の形
態を図面に基づいて説明する。この給湯装置は、図1に
示すように、一般家庭用の水道管に接続された給水路1
からの水を加熱し、加熱後の湯を先端に給湯栓2を備え
た給湯路3に供給する給湯用熱交換器4と、浴槽5内の
湯水を加熱して追焚きする追焚き用熱交換器6とを備
え、これら給湯用熱交換器4と追焚き用熱交換器6とを
単一のガスバーナ7によって加熱するように構成され、
両熱交換器4,6とガスバーナ7とは、給湯装置のケー
シング8内に収納されている。
【0013】前記ガスバーナ7は多段式のバーナで、一
般家庭用の燃料ガスを供給するガス供給路9が3系統に
分岐して接続され、各分岐供給路にはガス切替え電磁弁
10が設けられ、ガス供給路9には、上流側から順に元
ガス電磁弁11とガス供給量を調整する電磁式ガス比例
弁12とが設けられ、かつ、図示はしないが、燃焼用空
気を供給する燃焼用ファン、点火用のイグナイタ、着火
を検出するフレームロッドなども設けられ、前記ガス供
給路9のうちの元ガス電磁弁11を含んで下流側が前記
ケーシング8内に収納され、燃焼用ファンもケーシング
8内に収納されている。
【0014】前記給水路1には、上流側から順に給水温
度を検出する給水サーミスタ13と給水量を検出する水
量センサ14とが設けられ、給水サーミスタ13を含ん
で下流側がケーシング8内に収納され、水量センサ14
より下流側の給水路1と前記給湯路3とが、給湯用熱交
換器4を迂回する給水バイパス路15を介して接続さ
れ、その給水バイパス路15と給湯路3との接続箇所に
は、給湯用熱交換器4からの湯量と給水バイパス路15
からの水量との混合比を調整するミキシング弁16が設
けられている。
【0015】そのミキシング弁16より下流側の給湯路
3には、ミキシング弁16により混合された後の湯水の
温度を検出する出湯サーミスタ17、湯水の量を調整す
る水比例弁18、一般給湯の割込みを検出する割込み水
量センサ19がこの順で設けられ、ミキシング弁16よ
り上流側の給湯路3には、給湯用熱交換器4からの湯水
の温度を検出する給湯サーミスタ20が設けられ、割込
み水量センサ19を含んで上流側がケーシング8内に収
納されている。
【0016】前記追焚き用熱交換器6には、浴槽5から
の戻り路21と浴槽5への往き路22とが接続され、こ
れら戻り路21と往き路22とは、風呂アダプタ23を
介して浴槽5に接続され、戻り路21に設けられた追焚
き用循環ポンプ24を駆動することにより、浴槽5内の
湯水を戻り路21を介して追焚き用熱交換器6に供給
し、加熱後の湯水を往き路22を介して浴槽5内に供給
し、浴槽5内の湯水を循環しながら追焚きするように構
成されている。
【0017】前記戻り路21には、浴槽5側から順に、
圧力を検出することによって浴槽5内の水位を検出する
指令手段としての圧力検知式水位センサ25、戻り路2
1を開閉する開閉弁としての電磁式の風呂2方弁26、
上述の追焚き用循環ポンプ24、水流スイッチ27、風
呂用の戻りサーミスタ28などが設けられ、水位センサ
25を含んで追焚き用熱交換器6側がケーシング8内に
収納されている。浴槽5への往き路22には、風呂用の
往きサーミスタ29が設けられていて、往きサーミスタ
29より浴槽5側の往き路22と風呂2方弁26と循環
ポンプ24との間の戻り路21とが、浴槽5を迂回する
循環用バイパス路30で接続され、その循環用バイパス
路30には、循環用バイパス路30を開閉する電磁式の
バイパス弁31が設けられ、循環用バイパス路30との
接続箇所を含んで追焚き用熱交換器6側の往き路22が
ケーシング8内に収納されている。
【0018】前記水比例弁18と割込み水量センサ19
との間の給湯路3には、風呂用の湯張り路32が接続さ
れて分岐され、その湯張り路32の他端が、前記追焚き
用循環ポンプ24と水流スイッチ27との間の戻り路2
1に接続され、かつ、その湯張り路32には、上流側か
ら順に、給湯切替え手段としての湯張り電磁弁33と湯
張り逆止弁34とが設けられ、湯張り電磁弁33と湯張
り逆止弁34との間の湯張り路32には、空気層形成手
段としての空気層形成用ホッパ35が介装されている。
その空気層形成用ホッパ35からは、電磁式の排水弁3
6を備えた排水路37が延出されて、その端部が前記戻
り路21と循環用バイパス路30との接続箇所に接続さ
れ、空気層形成用ホッパ35や排水弁36も全てケーシ
ング8内に収納されている。
【0019】前記空気層形成用ホッパ35は、図2およ
び図3に示すように、下方にオーバーフロー室38、上
方に湯張り路32に連通のエアチェージ室39を備え、
エアチャージ室39の上方には、前記湯張り電磁弁33
が湯張り路32を弾性的に閉弁する状態で組み付けら
れ、エアチャージ室39の横側方には、前記湯張り逆止
弁34が同じく湯張り路32を弾性的に閉弁する状態で
組み付けられている。前記エアチャージ室39内には、
湯張り路32を開閉する別の逆止弁40とオーバーフロ
ー室38とエアチャージ室39との連通を開閉するエア
チャージ弁41とが一体化されて収納され、逆止弁40
が湯張り路32を閉弁し、かつ、エアチャージ弁41が
オーバーフロー室38とエアチャージ室39とを連通す
るように弾性付勢されている。
【0020】そして、前記オーバーフロー室38には、
大気開放のオバーフロー管42が開口されていて、図2
に示すように、湯張り時に湯張り電磁弁33を開弁する
と、水圧によって逆止弁40を開弁し、かつ、エアチャ
ージ弁41によってオーバーフロー室38とエアチャー
ジ室39との連通を断つとともに、水圧により湯張り逆
止弁34を開弁して湯張りを実行するように構成されて
いる。湯張り終了後においては、図3に示すように、水
量センサ14による検出に基づいて湯張り電磁弁33が
閉弁し、それに伴って逆止弁40と湯張り逆止弁34が
閉弁し、かつ、エアチャージ弁41が開弁して、エアチ
ャージ室39が空気と置換し、その空気層の介在によっ
て浴槽5側の汚水と湯張り路32側の湯水との接触が断
たれるように構成されている。
【0021】前記オーバーフロー室38には、水位を検
出するための水位電極43が設けられ、かつ、このオー
バーフロー室38に前記排水路37が連通されて、その
排水路37を開閉する電磁式の排水弁36が排水路37
を弾性的に閉弁する状態で組み付けられていて、水位電
極43による検出水位が所定以上になると、排水弁36
を開弁し、オーバーフロー室38内の湯水を排水路37
を介して戻り路21へ排出するように構成されている。
前記湯張り逆止弁34より下流側の湯張り路32とオー
バーフロー室38とは、排水用バイパス路44で連通さ
れ、その排水用バイパス路44を開閉する排水用逆止弁
45が、排水用バイパス路44を弾性的に閉弁する状態
で組み付けられている。
【0022】以上の構成からなる給湯装置の作動は、全
てマイクロコンピュータを主要部とする制御手段として
の制御装置Hにより制御され、制御装置Hも給湯装置の
ケーシング8内に収納され、かつ、ケーシング8と別体
に構成されたリモコン46が設けられて、リモコン46
と制御装置Hとが互いに通信可能に構成され、さらに、
給湯用熱交換器4には、その給湯用熱交換器4内の湯水
の温度を検出する沸騰防止用サーミスタ47が設けられ
ている。
【0023】つぎに、制御装置Hによる給湯装置の制御
作動について説明する。まず、リモコン46の運転スイ
ッチを入れると、浴槽5への湯張りや一般給湯が可能な
運転状態となり、リモコン46の湯張りスイッチを入れ
ると、湯張り運転が実行される。この湯張り運転におい
ては、湯張り電磁弁33が開弁し、水圧により逆止弁4
0と湯張り逆止弁34も開弁し、水量センサ14が所定
量以上の水流を検出するに伴って図外のファンを駆動
し、その後、元ガス電磁弁11を開弁し、電磁式ガス比
例弁12の開度を調整してイグナイタによりガスバーナ
7に点火する。
【0024】ガスバーナ7の燃焼によって給水管1から
の水が給湯用熱交換器4で加熱され、加熱後の湯に給水
バイパス路15からの水が混合され、湯張り路32を介
して風呂用の戻り路21と往き路22との両路から浴槽
5内に供給される。その際、リモコン46による設定湯
張り温度、給水サーミスタ13による検出水温、水量セ
ンサ14による検出水量などに基づいて、ガス切替えガ
ス電磁弁10や電磁式ガス比例弁12の開度が調整さ
れ、かつ、ミキシング弁16の開度も調整されて湯張り
温度が設定温度になるように、いわゆるフィードフォワ
ード制御が実行されるとともに、ミキシング弁16によ
り混合された後の湯温が出湯サーミスタ17により検出
され、その検出湯温に基づいて電磁式ガス比例弁12の
開度を微調整し、いわゆるフィードバック制御も実行さ
れる。
【0025】このフィードフォワード制御とフィードバ
ック制御とによって、浴槽5内に設定温度の湯が供給さ
れ、浴槽内5に所定量の湯が供給されると、水位センサ
25の検出に伴って元ガス電磁弁11が閉弁してガスバ
ーナ7の燃焼が停止され、一定時間駆動後にファンも停
止して湯張り運転が終了する。なお、この湯張り運転中
は、バイパス弁31が閉弁しており、その湯張り運転中
に給湯栓2を開くと、割込み水量センサ19が水流を検
出し、湯張り運転を停止して後述する一般給湯運転を実
行する。つまり、一般給湯運転が優先して実行され、給
湯栓2を閉じると、再び湯張り運転が再開される。
【0026】湯張り運転が終了すると、上述のように水
量センサ14の検出に伴って湯張り電磁弁33が閉弁
し、逆止弁40と湯張り逆止弁32も閉弁し、かつ、逆
止弁40の閉弁に伴ってエアチャージ弁41が開弁し、
エアチャージ室39内の湯水がオーバーフロー室38内
に落下し、エアチャージ室39が空気と置換され、その
後、一定時間だけ排水弁36が開弁し、かつ、追焚き用
循環ポンプ24が駆動される。この循環ポンプ24の駆
動によって排水用逆止弁45が開弁し、オーバーフロー
室38内の湯水が戻り路21に吸入され、その後、排水
弁36が閉弁し、浴槽5内の湯が戻り路21と往き路2
2を介して循環され、戻りサーミスタ28によって湯温
が検出され、戻りサーミスタ28による検出湯温が設定
温度に達していれば、循環ポンプ24を停止し、設定温
度に達していなければ、引き続き自動的に追焚き運転が
実行される。
【0027】追焚き運転は、循環ポンプ24の駆動によ
って浴槽5内の湯を戻り路21と往き路22を介して循
環させながら、ガスバーナ7の燃焼により追焚き用熱交
換器6で浴槽5内の湯を加熱して行う。その際、後述す
る一般給湯運転中であれば、電磁式ガス比例弁12など
の開度は、リモコン46によって設定された一般給湯温
度に基づいて調整され、一般給湯運転中でなければ、つ
まり、追焚き単独運転中であれば、沸騰防止用サーミス
タ47による検出温度に基づいて給湯用熱交換器4内の
湯水が沸騰しない程度に電磁式ガス比例弁12の開度が
調整される。
【0028】つぎに、一般給湯運転の作動につき、図4
のフローチャートに基づいて説明すると、上述した運転
状態において給湯栓2を開いて水量センサ14による検
出水量が所定量以上になると、一般給湯運転を実行す
る。この給湯運転においては、上述の湯張り運転と同様
にガスバーナ7に点火し、フィードフォワード制御とフ
ィードバック制御とにより、電磁式ガス比例弁12やミ
キシング弁16の開度を調整して、リモコン46による
設定温度の湯を給湯栓2から供給する。その際、水流ス
イッチ27が入りの状態となっている追焚き運転中であ
れば、後述する沸騰防止処理を終了し、追焚き運転と一
般給湯運転とを並行して実行し、水流スイッチ27が入
っていない一般給湯単独運転であれば、沸騰防止処理を
実行し、追焚き運転終了時であれば、追焚き運転を終了
して沸騰防止処理を実行する。
【0029】この沸騰防止処理においては、まず、追焚
き用循環ポンプ24を駆動し、循環ポンプ24の駆動に
かかわらず水流スイッチ27が入らなければ、浴槽5が
空であると判断して、そのまま一般給湯運転を実行す
る。追焚き用循環ポンプ24の駆動に伴って水流スイッ
チ27が入ると、浴槽5内に湯水があると判断し、循環
ポンプ24を停止し、かつ、圧力検知式の水位センサ2
5による圧力検出により、浴槽5内の水位が水位センサ
25に対して上方に位置するか、下方に位置するかを判
断する。
【0030】つまり、給湯装置のケーシング8内に収納
された追焚き用熱交換器6と水位センサ25との鉛直方
向における高さの関係が確定しているため、水位センサ
25に対する浴槽5内の水位を検出することにより、追
焚き用熱交換器6と浴槽5との鉛直方向における上下の
位置関係を検出することができる。そして、浴槽5の方
が追焚き用熱交換器6より上方に位置している場合に
は、追焚き用熱交換器6、戻り路21、往き路22内に
ほぼ満杯の状態で湯水が存在するため、風呂2方弁26
を閉弁し、バイパス弁31を開弁するとともに、追焚き
用循環ポンプ24を駆動し、追焚き用熱交換器6や戻り
路21内などの湯水を、戻り路21、追焚き用熱交換器
6、往き路22、循環用バイパス路30により形成され
る循環路内で循環させながら一般給湯運転を実行し、追
焚き用熱交換器6内での湯水の沸騰を防止する。
【0031】すなわち、追焚き用循環ポンプ6、風呂用
2方弁26、循環用バイパス路30を開閉するバイパス
弁31、ならびに、これらの作動を制御する制御装置H
が、戻り路21、追焚き用熱交換器6、往き路22、な
らびに、循環用バイパス路30により形成される循環路
内で湯水を循環する湯水循環手段を構成する。その場
合、給水路1と往き路22とが近接配置され、かつ、両
路1,22の間に熱交換器が介在されていて、往き路2
2内を循環する湯水によって給水路1内の水が予熱され
るように構成されている。
【0032】逆に、追焚き用熱交換器6の方が浴槽5よ
り上方に位置している場合には、バイパス弁31を閉弁
したままで、風呂2方弁26を閉弁し、かつ、排水弁3
6を開弁して追焚き用循環ポンプ24を駆動しながら一
般給湯運転を実行する。すると、図3に示すように、追
焚き用循環ポンプ24による吸引で排水用逆止弁45が
開弁し、オーバーフロー室38内に湯水が残留していて
ば、その湯水が戻り路21内に吸引された後、残留して
いなければ直ちに、オーバーフロー室38内の空気が、
第3図と第2図中に破線で示すように、排水路37を介
して戻り路21内に吸引されて追焚き用熱交換器6内に
供給され、追焚き用熱交換器6内などに残留していた湯
水は全て浴槽5内に排出されて空気と置換され、一定時
間駆動後に循環ポンプ24が停止され、排水弁36も閉
弁される。すなわち、追焚き用循環ポンプ6、排水弁3
6、ならびに、これらの作動を制御する制御装置Hが、
追焚き用熱交換器6内に空気を供給して追焚き用熱交換
器6内の湯水を浴槽5内に排出する空気供給手段を構成
する。
【0033】このように追焚き用熱交換器6内の残留湯
水が排出されて空気と置換されるため、追焚き用熱交換
器6の方が浴槽5より上方に位置している場合において
も、追焚き用熱交換器6内での湯水の沸騰が防止され、
以上のような沸騰防止処理をしながら一般給湯運転が実
行されて、給湯栓2を閉じて水量センサ14が所定量の
通水を検出しなくなると、元ガス電磁弁11を閉弁して
ガスバーナ7の燃焼を停止し、一定時間経過後にファン
も停止して一般給湯運転を終了するとともに、沸騰防止
処理の際に閉弁した風呂2方弁26を開弁し、バイパス
弁31を閉弁するとともに、追焚き用循環ポンプ24の
駆動を停止するなどの沸騰防止処理の終了を実行する。
【0034】〔別実施形態〕先の実施形態においては、
追焚き用熱交換器6の方が浴槽5より上方に位置してい
る場合にのみ、追焚き用循環ポンプ24などで構成され
る空気供給手段により追焚き用熱交換器6内の残留湯水
を浴槽5内に排出して空気と置換する構成を示したが、
浴槽5の方が追焚き用熱交換器6より上方に位置してい
る場合にも、前記空気供給手段によって追焚き用熱交換
器6内に空気を供給しながら一般給湯運転を実行して、
追焚き用熱交換器6内での湯水の沸騰を防止するように
構成することもでき、その場合には、循環用バイパス路
30を設けて循環路を形成する必要もないので、循環用
バイパス路30やそれに付属のバイパス弁31をなくし
て実施することができる。
【0035】逆に、循環用バイパス路30を設けた場合
において、追焚き用熱交換器6の方が浴槽5より上方に
位置していても、浴槽5への湯張り完了直後のような場
合には、追焚き用熱交換器6内などに十分な量の湯水が
残留している可能性があり、その場合には、敢えて追焚
き用熱交換器6内の湯水を空気と置換することなく、循
環用バイパス路30などで形成される循環路内で湯水を
循環し、追焚き用熱交換器内での湯水の沸騰を防止して
実施することもできる。
【0036】また、空気層形成手段の一例として空気層
形成用ホッパ35を示したが、このホッパ35に替えて
バキュームブレーカのような各種の空気層形成用装置を
用いて実施することもでき、さらに、追焚き用循環ポン
プ24や排水弁36などによって、追焚き用熱交換器6
内に空気を供給して湯水を排出する空気供給手段を構成
した例を示したが、例えば、浴槽5の戻り路21や往き
路22において、追焚き用熱交換器6より上方に位置し
ている箇所に大気開放用の開閉弁を設け、その開閉弁に
より空気供給手段を構成することもできる。つまり、大
気開放用の開放弁を開弁して、戻り路21や追焚き用熱
交換器6内を大気に開放すれば、追焚き用熱交換器6内
の湯水が自ずと浴槽5内に排出されため、大気開放用の
開閉弁によって空気供給手段を構成することができる。
【0037】また、圧力検知式の水位センサ25を用い
て浴槽5内の水位を検出し、それによって浴槽5と追焚
き用熱交換器6との鉛直方向における上下の位置関係を
検出する構成を示したが、水位センサ25以外の専用の
検出手段を用いて検出するように構成することもでき
る。さらに、浴槽5と追焚き用熱交換器6との上下位置
関係については、通常、浴槽5や給湯装置の設置時にお
いて確定するものであるから、例えば、人為的設定操作
によって制御装置Hに指令して、その指令を制御装置H
内の不揮発性メモリなどに記憶させるように構成するこ
ともでき、その場合には、両者の上下位置関係を検出す
るための検出手段をなくすことも可能である。その場
合、追焚き用熱交換器6の方が浴槽5より上方にあれ
ば、循環用バイパス路30などで形成される循環路が不
必要となるので、循環用バイパス路30やそれに付属の
バイパス弁31をなくして実施することもでき、さら
に、給湯路3から分岐した湯張り路32を浴槽5の戻り
路21に接続した構成を示したが、この湯張り路32を
往き路22に接続して実施することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】給湯装置全体の概略構成図
【図2】空気層形成用ホッパの断面図
【図3】同じく空気層形成用ホッパの断面図
【図4】給湯運転時の作動を示すフローチャート
【符号の説明】 1 給水路 3 給湯路 4 給湯用熱交換器 5 浴槽 6 追焚き用熱交換器 7 バーナ 21 戻り路 22 往き路 24 空気供給手段として作用する追焚き用循環ポ
ンプ 25 指令手段としての水位センサ 26 開閉弁 30 バイパス路 31 バイパス弁 32 湯張り路 33 給湯切替え手段 34 逆止弁 35 空気層形成手段としての空気層形成用ホッパ 36 空気供給手段として作用する排水弁 37 排水路 38 オーバーフロー室 39 エアチャージ室 41 エアチャージ弁 H 制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 榎本 有 大阪府大阪市港区南市岡1丁目1番52号 株式会社ハーマン内 (72)発明者 田中 充 大阪府大阪市港区南市岡1丁目1番52号 株式会社ハーマン内 (72)発明者 田中 直己 大阪府大阪市港区南市岡1丁目1番52号 株式会社ハーマン内 (72)発明者 米沢 信剛 大阪府大阪市港区南市岡1丁目1番52号 株式会社ハーマン内 (72)発明者 佐藤 勇夫 大阪府大阪市港区南市岡1丁目1番52号 株式会社ハーマン内 (56)参考文献 特開 平8−320150(JP,A) 特開 平4−350455(JP,A) 実開 平3−6252(JP,U) 実開 平2−70153(JP,U)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 給水路からの水を加熱して給湯路に供給
    する給湯用熱交換器と、浴槽の戻り路からの湯水を加熱
    して浴槽の往き路に供給して浴槽内の湯水を追焚きする
    追焚き用熱交換器と、前記給湯用熱交換器と追焚き用熱
    交換器とを加熱する単一のバーナと、前記給湯路からの
    湯水を浴槽に供給するために給湯路から分岐し、かつ、
    前記戻り路と往き路との少なくとも一方に接続した湯張
    り路と、前記給湯路からの湯水を前記湯張り路側に切替
    えて供給する給湯切替え手段と、前記湯張り路に介装さ
    れた空気層形成手段と、その空気層形成手段より下流側
    の湯張り路に設けられた逆止弁とを備えた給湯装置であ
    って、 前記追焚き用熱交換器内に空気を供給して追焚き用熱交
    換器内の湯水を浴槽内に排出する湯水排出状態と、前記
    追焚き用熱交換器内への空気の供給を停止する停止状態
    とに切替え操作可能な空気供給手段を設けてある給湯装
    置。
  2. 【請求項2】 前記空気層形成手段が、下方に位置して
    大気に連通するオーバーフロー室と、上方に位置して前
    記オーバーフロー室と湯張り路とに連通するエアチャー
    ジ室と、前記オーバーフロー室とエアチャージ室との連
    通を開閉するエアチャージ弁とを備えた空気層形成用ホ
    ッパで、その空気層形成用ホッパのオーバーフロー室と
    前記戻り路とを排水路で接続し、かつ、排水路を開閉す
    る排水弁を設けるとともに、前記戻り路に浴槽内の湯水
    を吸引して追焚き用熱交換器側に供給する追焚き用循環
    ポンプを設け、その追焚き用循環ポンプの吸引側の戻り
    路に前記排水路を接続し、その排水路の接続箇所より浴
    槽側の戻り路に開閉弁を設けて、前記空気供給手段が、
    前記排水弁を開弁操作し、かつ、前記開閉弁を閉弁操作
    して、前記追焚き用循環ポンプを駆動するように構成し
    てある請求項1に記載の給湯装置。
  3. 【請求項3】 前記追焚き用循環ポンプの吸引側の戻り
    路と前記往き路とを浴槽を迂回するバイパス路で接続し
    て、そのバイパス路を開閉するバイパス弁を設け、前記
    バイパス弁を開弁操作し、かつ、前記追焚き用循環ポン
    プを駆動して、前記戻り路、追焚き用熱交換器、往き
    路、ならびに、バイパス路により形成される循環路内で
    湯水を循環する湯水循環手段を設けてある請求項2に記
    載の給湯装置。
  4. 【請求項4】 前記給湯装置の作動を制御する制御手段
    を設け、かつ、前記追焚き用熱交換器と浴槽との鉛直方
    向における位置関係を指令する指令手段を設けて、前記
    制御手段が、前記給湯用熱交換器の単独作動の際に前記
    指令手段からの指令に基づいて、追焚き用熱交換器の方
    が浴槽より上方に位置している場合に前記空気供給手段
    を作動制御し、浴槽の方が追焚き用熱交換器より上方に
    位置している場合に前記湯水循環手段を作動制御するよ
    うに構成してある請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    給湯装置。
  5. 【請求項5】 前記浴槽の戻り路に浴槽内の水位を検出
    する圧力検知式の水位センサを設け、その水位センサに
    より前記指令手段を構成してある請求項4に記載の給湯
    装置。
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