JP3738429B2 - ナットの自動締付方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ナット供給装置の供給ロッドによりナットをワークのボルト先端位置まで供給し、ナット締付装置を用いてナットを自動的に締めつけるナットの自動締付方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、機械部品の自動組立工程などで使用されるナット締付方法として、部品上に立設されたボルトの先端位置に、ナットフィーダによりナットを自動供給し、ボルトの先端にナットを嵌めた状態で、上方に位置するナット締付装置の締付けヘッドを下降させ、締付けヘッドのソケットをナットに嵌合させた状態で、それを回転させてナットの締付けを行う方法が知られている(例えば特開平7−214433号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のこのナット締付方法は、先端にガイド部を突設したボルトを使用し、供給ロッドの前進によりボルトの先端に供給したナットを、まずそのガイド部にはめ、次にナット締付装置のソケットをガイド部上のナットに嵌めて、締付装置を駆動してナットを回しながらボルトにねじ込み締めつけるように実施する。このため、ガイド部を上部に設けた特殊なボルトの締付にしか適用できず、ガイド部を持たない汎用ボルトの締付には適用できないという問題あった。また、上記の締付方法は、鉛直に立設されたボルトに対しては実施できるが、水平方向つまり横向きに配置されたボルトに対しては、ナットとボルトの正確な螺合が難しく、実施が困難であるという問題があった。
【0004】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、ガイド部を持たない汎用のボルトでも適用可能で、ボルトの姿勢が水平横向きであっても、確実にナットの締付を行うことができるナットの自動締付方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の自動締付方法は、ワークに突設されたボルトに対し斜め方向から、先端にナットを挿通し磁気吸着した供給ロッドを、該ボルトの先端にむけて前進させる工程と、該ナットが該ボルトの先端近傍に達した時、該供給ロッドの磁力を遮断すると共に、該ボルトの軸方向前方に位置するナット締付装置のソケットの空気噴出孔から、空気を該ナットに向けて吹き付ける工程と、ナット締付装置のソケットが空気を噴出すると共に反ねじ込み方向に回転しながら前進し、該ソケットが該ナットに嵌り該ナットを反ねじ込み方向に数回回転させてナットとソケットの軸線を合わせる工程と、該軸線を合わせた状態で、ナット締付装置が該ソケットをねじ込み方向に回転させて該ナットをボルトに螺合させ、所定の締付トルクに達するまでナットを締め付け駆動する工程と、所定の締付トルクに達した時、該ソケットの回転を停止し、該ソケットを後退させる工程と、から構成される。
【0006】
ここで、ナット供給装置として、ナットとワッシャーの両方を一度にその供給ロッドに挿通させて供給可能なものを使用すれば、その供給ロッドは、その先端にナットと共にワッシャーを挿通させて供給し、ボルトにワッシャーとナットを嵌めて締め付けることができる。
【0007】
【作用・効果】
このナット自動締付方法では、先ず、ワークに突設されたボルトに対し斜め方向から、先端にナットを挿通し磁気吸着した供給ロッドを、ボルトの先端にむけて前進させる。次に、ナットがボルトの先端近傍に達した時、供給ロッドの磁力を遮断すると共に、ボルトの軸方向前方に位置するナット締付装置のソケットの空気噴出孔から、空気をナットに向けて吹き付ける。これにより、ナットは供給ロッドの先端から離れ、ボルトの先端部に押し付けられ、ナットの穴がボルトの先端部に略嵌った状態となる。
【0008】
次に、ナット締付装置のソケットが空気を噴出すると共に反ねじ込み方向に回転しながら前進し、ソケットがナットに嵌りナットを反ねじ込み方向に数回回転させてナットとソケットの軸線を合わせる。そして、その軸線を合わせた状態で、ナット締付装置がソケットをねじ込み方向に回転させてナットをボルトに螺合させ、所定の締付トルクに達するまでナットを締め付け駆動する。そして、所定の締付トルクに達した時、ソケットの回転を停止し、ソケットを後退させる。
【0009】
このように、ナット供給装置の供給ロッドの前進により、ナットをボルトの先端位置に供給し、ボルトの軸方向前方に位置するナット締付装置のソケットの空気噴出孔から、空気をナットに向けて吹き付けながら、ソケットをナットに向けて前進させるため、ガイド部を持たない汎用のボルトでも、また、ボルトが水平横向きの場合でも、ナットの穴をボルトの先端に確実に嵌めることができる。さらに、ソケットがナットに嵌入したときナットを反ねじ込み方向に数回回転させてナットとソケットの軸線を合わせるため、ナットを正確にボルトに螺合させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
図1は本発明の締付方法を実施する装置の構成を示している。1はナット締付装置であり、水平に設置されたガイドレール2上に、回転駆動部3の支持部3aを移動可能に係合させ、回転駆動部3の前部には、ナットに嵌合するソケット4が回転可能に取り付けられる。
【0012】
このナット締付装置1は、ワークYに水平横方向に取り付けられたボルトBの中心軸上に、回転駆動部3とソケット4を設け、それらを前進させてナットNにソケット4を嵌合させる。ガイドレール2の後方にエアシリンダ8が設置され、そのピストンロッドが支持部3aに連結され、エアシリンダ8の駆動により回転駆動部3がソケット4と共に軸方向に移動する。ソケット4内には前方にむけて空気を噴出する空気噴出孔4aが設けられる。
【0013】
回転駆動部3は、モータ7と、モータ7の回転軸に電磁クラッチ6を介して取り付けられた減速機5とからなり、減速機5の出力軸にソケット4が連結される。また、回転駆動部3にはトルクセンサ(図示せず)が設けられ、所定の締付トルクを検出した時、電磁クラッチ6を切り離す。また、回転駆動部3内には、空気噴出孔4aに空気を送るための空気通路が設けられ、そこに空気管9が接続される。
【0014】
ナット供給装置20は、ボルトBの斜め上方に設置され、斜め上方からボルトBの先端に向けて前進させる供給ロッド23を有し、その供給ロッド23先端の挿通部23aにナットNとワッシャーWを挿通させ、ボルトBの位置まで供給する構造である。
【0015】
このナット供給装置20は、基本的には、流体圧シリンダ21の先端に固定された筒状のロッドホルダー22と、ロッドホルダー22内に摺動可能に挿入され流体圧シリンダ21のピストンロッド24の先端に連結された供給ロッド23と、ロッドホルダー22の先端のカバー筒26内に取付けられた電磁コイル25と、カバー筒26の先端に固定され内部にナットNとワッシャーWの保持通路27aを設けたヘッドブロック27と、を備えて構成される。
【0016】
供給ロッド23は、磁性体で形成され、電磁コイル25内を貫通して配設されると共に、電磁コイル25の励磁により磁化される。供給ヘッド23の先端部にはナットNとワッシャーWに串刺しのように挿通される挿通部23aが設けられる。
【0017】
カバー筒26の先端に固定されたヘッドブロック27内には、供給ロッド23が進入可能で、ナットNとワッシャーWを保持する保持通路27aがロッド23の軸方向に沿って形成される。また、ヘッドブロック27内には保持通路27aに向けて上方からナット用の第一供給通路27bとワッシャー用の第二供給通路27cが連通して形成される。ヘッドブロック27の下側に、ベースプレート10が保持通路27aの底壁を形成するように固定される。ヘッドブロック27は、複数のブロック片に分けて形成し、内部に保持通路や供給通路を形成した状態に組み付けることができる。
【0018】
ベースプレート10における保持通路27aの中間部には矩形孔が形成される。この矩形孔は、保持通路27a内に供給されたナットNとワッシャーWの間を分ける位置に設けられ、その矩形孔には下方から仕切り板11が進入可能に配設される。仕切り板11は、ベースプレート10の下側にブラケット13を介して取付けた流体圧シリンダ12のピストンロッドの先端に固定され、矩形孔内から保持通路27a内に進入する。
【0019】
ヘッドブロック27の前端にブラケット16が取付けられ、そこに扉14が保持通路7aの前端を閉じるように設けられる。扉14はその上部がブラケット16に対し軸15を介して上下に開閉可能軸支され、閉鎖方向に付勢するばねが取付けられる。扉14にはロッド23の挿通部23aを通す凹部が形成される。
【0020】
ヘッドブロック27の上部には第一供給通路27bと第二供給通路27cが開口し、第一供給通路27bにはシュート18を介してナット用の供給ホース30が接続され、第二供給通路27cにはシュート19を介してワッシャー用の供給ホース31が接続される。供給ホース30は図示しないナット用の分離供給装置に接続され、供給ホース31は図示しないワッシャー用の分離供給装置に接続される。
【0021】
次に、上記構成のナット供給装置20とナット締付装置1を使用して、ワークYに突設された水平横向きのボルトBに、ナットNを送って締めつける締付方法を説明する。
【0022】
先ず、ナット用の分離供給装置からはナットNが分離・整列状態で供給ホースを送られ、シュート18を通してヘッドブロック27内の第一供給通路27bに供給され、ワッシャー用の分離供給装置からはワッシャーWが分離・整列状態で供給ホースを送られ、シュート19を通してヘッドブロック27内の第二供給通路27cに供給される。そして、1個ののナットNと1個のワッシャーWが保持通路27a内に並行に並んで位置する。
【0023】
この状態で、図示しないスイッチがオンされると、ロッド用の流体圧シリンダ21がピストンロッド24を押出し作動すると共に、仕切り板用の流体圧シリンダ12がピストンロッドを引き戻し作動し、同時に、電磁コイル25に通電を行って励磁する。
【0024】
このとき、電磁コイル25の励磁により供給ロッド23が磁化された状態で前進し、その先端の挿通部23aが先ずナットNを貫通して磁着し、仕切り板11が保持通路27a外に引き出されているため、次に、ワッシャーWを貫通して磁着する。そして、供給ロッド23の前進力で前方の扉14を開き、供給ロッド23は、その先端の挿通部23aにナットN及びワッシャーWを串刺しにして磁着した状態で斜め下方のワークYのボルトBの先端に向けて前進する。
【0025】
供給ロッド23がその前進端、つまり挿通部23aの先端がボルトBの先端近傍に到達したとき、流体圧シリンダ21が停止し、電磁コイル25の通電がオフされて励磁が停止される。このとき、ほぼ同時にボルトBの前方に位置するナット締付装置のソケット4の空気噴出孔4aから、空気がボルトBの先端に向けて噴出し、この空気の噴出により、挿通部23aからワッシャーWとナットNが離れて、ボルトBの先端に嵌まり込む。
【0026】
次に、流体圧シリンダ21が引き戻し作動して供給ヘッド23が引き戻され、同時にナット締付装置1のエアシリンダ8が押し出し作動し、回転駆動部3がソケットを反ねじ込み方向に低速で回転させ、同時にソケット4の空気噴出孔4aから空気を噴出しながら、回転駆動部3及びソケット4が前進する。そして、ソケット4がナットNに嵌り、ナットNを反ねじ込み方向に数回回転させてナットNとソケット4の軸線を合わせる。
【0027】
次に、その軸線を合わせた状態で、空気の噴出が停止され、回転駆動部3がソケット4をねじ込み方向に回転させてナットNをボルトBに螺合させ、所定の締付トルクに達するまでナットNを締め付け駆動する。そして、所定の締付トルクに達した時、回転駆動部3はソケット4の回転を停止し、エアシリンダ8が引き戻し作動してソケット4を後退させ、ナットの締付を終了する。
【0028】
このように、ナット供給装置20の供給ロッド23の前進により、ナットNをボルトBの先端位置に供給し、ボルトBの軸方向前方に位置するナット締付装置1のソケット4の空気噴出孔4aから、空気をナットNに向けて吹き付けながら、ソケット4をナットNに向けて前進させるため、ガイド部を持たない汎用のボルトでも、また、ボルトBが水平横向きの場合でも、ナットNの穴をボルトBの先端に確実に嵌めることができる。さらに、ソケット4がナットに嵌入したときナットを反ねじ込み方向に数回回転させてナットとソケットの軸線を合わせるため、ナットを正確にボルトに螺合させることができる。
【0029】
なお、上記実施例では、ナットとワッシャーの両方を供給できるナット供給装置を用いてナットとワッシャーをボルトに嵌めたが、ナットのみをボルトに嵌めて締めつけることもできる。また、上記では、水平横向きのボルトに対しナットを嵌めて締め付けたが、図6に示すように、ボルトBが上向きに突設された場合でも、ナット締付装置をボルトの真上に位置させ、ソケット4を昇降させれば、ナットN及びワッシャーWを、上記と同様に、ワーク上のボルト25に嵌め込み締め付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施する装置の一実施例を示す正面図である。
【図2】ナット供給装置の断面図である。
【図3】ボルトにナットを嵌める工程を示す部分断面図である。
【図4】ボルトにナットを嵌める工程を示す部分断面図である。
【図5】ナットを締め付ける工程を示す図1に対応した正面図である。
【図6】他の実施例のボルトにナットを嵌める工程を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1−ナット締付装置
3−回転駆動部
4−ソケット
4a−空気噴出孔
20−ナット供給装置
23−供給ヘッド
23a−挿通部
【発明の属する技術分野】
本発明は、ナット供給装置の供給ロッドによりナットをワークのボルト先端位置まで供給し、ナット締付装置を用いてナットを自動的に締めつけるナットの自動締付方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、機械部品の自動組立工程などで使用されるナット締付方法として、部品上に立設されたボルトの先端位置に、ナットフィーダによりナットを自動供給し、ボルトの先端にナットを嵌めた状態で、上方に位置するナット締付装置の締付けヘッドを下降させ、締付けヘッドのソケットをナットに嵌合させた状態で、それを回転させてナットの締付けを行う方法が知られている(例えば特開平7−214433号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のこのナット締付方法は、先端にガイド部を突設したボルトを使用し、供給ロッドの前進によりボルトの先端に供給したナットを、まずそのガイド部にはめ、次にナット締付装置のソケットをガイド部上のナットに嵌めて、締付装置を駆動してナットを回しながらボルトにねじ込み締めつけるように実施する。このため、ガイド部を上部に設けた特殊なボルトの締付にしか適用できず、ガイド部を持たない汎用ボルトの締付には適用できないという問題あった。また、上記の締付方法は、鉛直に立設されたボルトに対しては実施できるが、水平方向つまり横向きに配置されたボルトに対しては、ナットとボルトの正確な螺合が難しく、実施が困難であるという問題があった。
【0004】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、ガイド部を持たない汎用のボルトでも適用可能で、ボルトの姿勢が水平横向きであっても、確実にナットの締付を行うことができるナットの自動締付方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の自動締付方法は、ワークに突設されたボルトに対し斜め方向から、先端にナットを挿通し磁気吸着した供給ロッドを、該ボルトの先端にむけて前進させる工程と、該ナットが該ボルトの先端近傍に達した時、該供給ロッドの磁力を遮断すると共に、該ボルトの軸方向前方に位置するナット締付装置のソケットの空気噴出孔から、空気を該ナットに向けて吹き付ける工程と、ナット締付装置のソケットが空気を噴出すると共に反ねじ込み方向に回転しながら前進し、該ソケットが該ナットに嵌り該ナットを反ねじ込み方向に数回回転させてナットとソケットの軸線を合わせる工程と、該軸線を合わせた状態で、ナット締付装置が該ソケットをねじ込み方向に回転させて該ナットをボルトに螺合させ、所定の締付トルクに達するまでナットを締め付け駆動する工程と、所定の締付トルクに達した時、該ソケットの回転を停止し、該ソケットを後退させる工程と、から構成される。
【0006】
ここで、ナット供給装置として、ナットとワッシャーの両方を一度にその供給ロッドに挿通させて供給可能なものを使用すれば、その供給ロッドは、その先端にナットと共にワッシャーを挿通させて供給し、ボルトにワッシャーとナットを嵌めて締め付けることができる。
【0007】
【作用・効果】
このナット自動締付方法では、先ず、ワークに突設されたボルトに対し斜め方向から、先端にナットを挿通し磁気吸着した供給ロッドを、ボルトの先端にむけて前進させる。次に、ナットがボルトの先端近傍に達した時、供給ロッドの磁力を遮断すると共に、ボルトの軸方向前方に位置するナット締付装置のソケットの空気噴出孔から、空気をナットに向けて吹き付ける。これにより、ナットは供給ロッドの先端から離れ、ボルトの先端部に押し付けられ、ナットの穴がボルトの先端部に略嵌った状態となる。
【0008】
次に、ナット締付装置のソケットが空気を噴出すると共に反ねじ込み方向に回転しながら前進し、ソケットがナットに嵌りナットを反ねじ込み方向に数回回転させてナットとソケットの軸線を合わせる。そして、その軸線を合わせた状態で、ナット締付装置がソケットをねじ込み方向に回転させてナットをボルトに螺合させ、所定の締付トルクに達するまでナットを締め付け駆動する。そして、所定の締付トルクに達した時、ソケットの回転を停止し、ソケットを後退させる。
【0009】
このように、ナット供給装置の供給ロッドの前進により、ナットをボルトの先端位置に供給し、ボルトの軸方向前方に位置するナット締付装置のソケットの空気噴出孔から、空気をナットに向けて吹き付けながら、ソケットをナットに向けて前進させるため、ガイド部を持たない汎用のボルトでも、また、ボルトが水平横向きの場合でも、ナットの穴をボルトの先端に確実に嵌めることができる。さらに、ソケットがナットに嵌入したときナットを反ねじ込み方向に数回回転させてナットとソケットの軸線を合わせるため、ナットを正確にボルトに螺合させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
図1は本発明の締付方法を実施する装置の構成を示している。1はナット締付装置であり、水平に設置されたガイドレール2上に、回転駆動部3の支持部3aを移動可能に係合させ、回転駆動部3の前部には、ナットに嵌合するソケット4が回転可能に取り付けられる。
【0012】
このナット締付装置1は、ワークYに水平横方向に取り付けられたボルトBの中心軸上に、回転駆動部3とソケット4を設け、それらを前進させてナットNにソケット4を嵌合させる。ガイドレール2の後方にエアシリンダ8が設置され、そのピストンロッドが支持部3aに連結され、エアシリンダ8の駆動により回転駆動部3がソケット4と共に軸方向に移動する。ソケット4内には前方にむけて空気を噴出する空気噴出孔4aが設けられる。
【0013】
回転駆動部3は、モータ7と、モータ7の回転軸に電磁クラッチ6を介して取り付けられた減速機5とからなり、減速機5の出力軸にソケット4が連結される。また、回転駆動部3にはトルクセンサ(図示せず)が設けられ、所定の締付トルクを検出した時、電磁クラッチ6を切り離す。また、回転駆動部3内には、空気噴出孔4aに空気を送るための空気通路が設けられ、そこに空気管9が接続される。
【0014】
ナット供給装置20は、ボルトBの斜め上方に設置され、斜め上方からボルトBの先端に向けて前進させる供給ロッド23を有し、その供給ロッド23先端の挿通部23aにナットNとワッシャーWを挿通させ、ボルトBの位置まで供給する構造である。
【0015】
このナット供給装置20は、基本的には、流体圧シリンダ21の先端に固定された筒状のロッドホルダー22と、ロッドホルダー22内に摺動可能に挿入され流体圧シリンダ21のピストンロッド24の先端に連結された供給ロッド23と、ロッドホルダー22の先端のカバー筒26内に取付けられた電磁コイル25と、カバー筒26の先端に固定され内部にナットNとワッシャーWの保持通路27aを設けたヘッドブロック27と、を備えて構成される。
【0016】
供給ロッド23は、磁性体で形成され、電磁コイル25内を貫通して配設されると共に、電磁コイル25の励磁により磁化される。供給ヘッド23の先端部にはナットNとワッシャーWに串刺しのように挿通される挿通部23aが設けられる。
【0017】
カバー筒26の先端に固定されたヘッドブロック27内には、供給ロッド23が進入可能で、ナットNとワッシャーWを保持する保持通路27aがロッド23の軸方向に沿って形成される。また、ヘッドブロック27内には保持通路27aに向けて上方からナット用の第一供給通路27bとワッシャー用の第二供給通路27cが連通して形成される。ヘッドブロック27の下側に、ベースプレート10が保持通路27aの底壁を形成するように固定される。ヘッドブロック27は、複数のブロック片に分けて形成し、内部に保持通路や供給通路を形成した状態に組み付けることができる。
【0018】
ベースプレート10における保持通路27aの中間部には矩形孔が形成される。この矩形孔は、保持通路27a内に供給されたナットNとワッシャーWの間を分ける位置に設けられ、その矩形孔には下方から仕切り板11が進入可能に配設される。仕切り板11は、ベースプレート10の下側にブラケット13を介して取付けた流体圧シリンダ12のピストンロッドの先端に固定され、矩形孔内から保持通路27a内に進入する。
【0019】
ヘッドブロック27の前端にブラケット16が取付けられ、そこに扉14が保持通路7aの前端を閉じるように設けられる。扉14はその上部がブラケット16に対し軸15を介して上下に開閉可能軸支され、閉鎖方向に付勢するばねが取付けられる。扉14にはロッド23の挿通部23aを通す凹部が形成される。
【0020】
ヘッドブロック27の上部には第一供給通路27bと第二供給通路27cが開口し、第一供給通路27bにはシュート18を介してナット用の供給ホース30が接続され、第二供給通路27cにはシュート19を介してワッシャー用の供給ホース31が接続される。供給ホース30は図示しないナット用の分離供給装置に接続され、供給ホース31は図示しないワッシャー用の分離供給装置に接続される。
【0021】
次に、上記構成のナット供給装置20とナット締付装置1を使用して、ワークYに突設された水平横向きのボルトBに、ナットNを送って締めつける締付方法を説明する。
【0022】
先ず、ナット用の分離供給装置からはナットNが分離・整列状態で供給ホースを送られ、シュート18を通してヘッドブロック27内の第一供給通路27bに供給され、ワッシャー用の分離供給装置からはワッシャーWが分離・整列状態で供給ホースを送られ、シュート19を通してヘッドブロック27内の第二供給通路27cに供給される。そして、1個ののナットNと1個のワッシャーWが保持通路27a内に並行に並んで位置する。
【0023】
この状態で、図示しないスイッチがオンされると、ロッド用の流体圧シリンダ21がピストンロッド24を押出し作動すると共に、仕切り板用の流体圧シリンダ12がピストンロッドを引き戻し作動し、同時に、電磁コイル25に通電を行って励磁する。
【0024】
このとき、電磁コイル25の励磁により供給ロッド23が磁化された状態で前進し、その先端の挿通部23aが先ずナットNを貫通して磁着し、仕切り板11が保持通路27a外に引き出されているため、次に、ワッシャーWを貫通して磁着する。そして、供給ロッド23の前進力で前方の扉14を開き、供給ロッド23は、その先端の挿通部23aにナットN及びワッシャーWを串刺しにして磁着した状態で斜め下方のワークYのボルトBの先端に向けて前進する。
【0025】
供給ロッド23がその前進端、つまり挿通部23aの先端がボルトBの先端近傍に到達したとき、流体圧シリンダ21が停止し、電磁コイル25の通電がオフされて励磁が停止される。このとき、ほぼ同時にボルトBの前方に位置するナット締付装置のソケット4の空気噴出孔4aから、空気がボルトBの先端に向けて噴出し、この空気の噴出により、挿通部23aからワッシャーWとナットNが離れて、ボルトBの先端に嵌まり込む。
【0026】
次に、流体圧シリンダ21が引き戻し作動して供給ヘッド23が引き戻され、同時にナット締付装置1のエアシリンダ8が押し出し作動し、回転駆動部3がソケットを反ねじ込み方向に低速で回転させ、同時にソケット4の空気噴出孔4aから空気を噴出しながら、回転駆動部3及びソケット4が前進する。そして、ソケット4がナットNに嵌り、ナットNを反ねじ込み方向に数回回転させてナットNとソケット4の軸線を合わせる。
【0027】
次に、その軸線を合わせた状態で、空気の噴出が停止され、回転駆動部3がソケット4をねじ込み方向に回転させてナットNをボルトBに螺合させ、所定の締付トルクに達するまでナットNを締め付け駆動する。そして、所定の締付トルクに達した時、回転駆動部3はソケット4の回転を停止し、エアシリンダ8が引き戻し作動してソケット4を後退させ、ナットの締付を終了する。
【0028】
このように、ナット供給装置20の供給ロッド23の前進により、ナットNをボルトBの先端位置に供給し、ボルトBの軸方向前方に位置するナット締付装置1のソケット4の空気噴出孔4aから、空気をナットNに向けて吹き付けながら、ソケット4をナットNに向けて前進させるため、ガイド部を持たない汎用のボルトでも、また、ボルトBが水平横向きの場合でも、ナットNの穴をボルトBの先端に確実に嵌めることができる。さらに、ソケット4がナットに嵌入したときナットを反ねじ込み方向に数回回転させてナットとソケットの軸線を合わせるため、ナットを正確にボルトに螺合させることができる。
【0029】
なお、上記実施例では、ナットとワッシャーの両方を供給できるナット供給装置を用いてナットとワッシャーをボルトに嵌めたが、ナットのみをボルトに嵌めて締めつけることもできる。また、上記では、水平横向きのボルトに対しナットを嵌めて締め付けたが、図6に示すように、ボルトBが上向きに突設された場合でも、ナット締付装置をボルトの真上に位置させ、ソケット4を昇降させれば、ナットN及びワッシャーWを、上記と同様に、ワーク上のボルト25に嵌め込み締め付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施する装置の一実施例を示す正面図である。
【図2】ナット供給装置の断面図である。
【図3】ボルトにナットを嵌める工程を示す部分断面図である。
【図4】ボルトにナットを嵌める工程を示す部分断面図である。
【図5】ナットを締め付ける工程を示す図1に対応した正面図である。
【図6】他の実施例のボルトにナットを嵌める工程を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1−ナット締付装置
3−回転駆動部
4−ソケット
4a−空気噴出孔
20−ナット供給装置
23−供給ヘッド
23a−挿通部
Claims (2)
- ワークに突設されたボルトに対し斜め方向から、先端にナットを挿通し磁気吸着した供給ロッドを、該ボルトの先端にむけて前進させる工程と、
該ナットが該ボルトの先端近傍に達した時、該供給ロッドの磁力を遮断すると共に、該ボルトの軸方向前方に位置するナット締付装置のソケットの空気噴出孔から、空気を該ナットに向けて吹き付ける工程と、
ナット締付装置のソケットが空気を噴出すると共に反ねじ込み方向に回転しながら前進し、該ソケットが該ナットに嵌り該ナットを反ねじ込み方向に数回回転させてナットとソケットの軸線を合わせる工程と、
該軸線を合わせた状態で、ナット締付装置が該ソケットをねじ込み方向に回転させて該ナットをボルトに螺合させ、所定の締付トルクに達するまでナットを締め付け駆動する工程と、
所定の締付トルクに達した時、該ソケットの回転を停止し、該ソケットを後退させる工程と、
を含むことを特徴とするナットの自動締付方法。 - 前記供給ロッドは、その先端にナットと共にワッシャーを挿通させて供給し、前記ボルトにワッシャーとナットを嵌めて締め付けることを特徴とする請求項1記載のナットの自動締付方法。
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