JPH10146728A - 孔明き部品供給装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】ナットとワッシャーなど２個又は３個の孔明き
部品をワーク上のボルト等に対し供給することができる
孔明き部品供給装置を提供する。 【解決手段】この孔明き部品供給装置は、流体圧シリン
ダ１の先端部に取付けられた筒状のロッドホルダー２
と、流体圧シリンダ１のピストンロッド４の先端に連結
され、ロッドホルダー内に摺動可能に配設されると共
に、２個の孔明き部品を挿通させる挿通部を先端に設け
た供給ロッド３と、ロッドホルダー２の先端部付近に取
付けられ供給ロッドを磁化させる電磁コイル５と、ロッ
ドホルダーの前方に取付けられたヘッドブロック７とを
備える。ヘッドブロック７には、供給ロッドが通過可能
で２個の孔明き部品を保持する保持通路７ａと、保持通
路に向けて上方から第一の孔明き部品を供給する第一供
給通路７ｂと第二の孔明き部品を供給する第二供給通路
７ｃとが設けられ、ヘッドブロック７の前端には保持通
路の前端部を閉じ押し開き可能な扉１４と、保持通路内
の２個の孔明き部品間に進退可能に配設された仕切り板
１１とが設けられる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ナットとワッシャ
ーなど２〜３個の孔明き部品を、ボルトなどの先端位置
に供給する孔明き部品供給装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、機械部品の自動組立工程などで使
用される装置として、部品上に立設されたボルトの先端
位置に、ナット供給装置によりナットを自動供給し、ボ
ルトの先端にナットを嵌めた状態で、上方に位置するナ
ット締付け装置の締付けヘッドを下降させ、締付けヘッ
ドをナットに嵌合させた状態で、それを回転させてナッ
トの締付けを行う装置が知られている（例えば特開平７
−２１４４３３号公報参照）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のこの種
のナット供給装置は、ナットのみをボルトの先端に供給
する構造のため、ナットと共にワッシャーをボルトに嵌
めたい場合、ナット供給装置の他に、ワッシャーを供給
するための供給装置を別に設置する必要があった。ま
た、その装置によりナットを締付ける際には、先ず、そ
のワッシャー供給装置によりワッシャーをボルトに嵌め
た後、ナット供給装置を使用してナットをボルトの先端
に嵌め、ナット締付けヘッドによりナットの締付けを行
う必要があり、工程数が増大する問題があった。

【０００４】本発明は、上記の点に鑑みてなされたもの
で、ナットとワッシャーなど２個又は３個の孔明き部品
をワーク上のボルト等に対し供給することができる孔明
き部品供給装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の孔明き部品供給装置は、流体圧シリンダの
先端部に取付けられた筒状のロッドホルダーと、流体圧
シリンダのピストンロッドの先端に連結され、ロッドホ
ルダー内に摺動可能に配設されると共に、２個の孔明き
部品を挿通させる挿通部を先端に設けた供給ロッドと、
ロッドホルダーの先端部付近に取付けられ供給ロッドを
磁化させる電磁コイルと、ロッドホルダーの前方に取付
けられ、供給ロッドが通過可能で２個の孔明き部品を保
持する保持通路と保持通路に向けて上方から第一の孔明
き部品を供給する第一供給通路と第二の孔明き部品を供
給する第二供給通路とを内部に設けたヘッドブロック
と、ヘッドブロックの前端に保持通路の前端部を閉じて
押し開き可能に取付けられた扉と、ヘッドブロックの保
持通路内に供給された第一の孔明き部品と第二の孔明き
部品の間に進退可能に配設された仕切り板と、を備えて
構成される。

【０００６】

【作用・効果】このような構成の孔明き部品供給装置で
は、第一供給通路を通して第一の孔明き部品がそして第
二供給通路を通して第二の孔明き部品が保持通路内に供
給され、両孔明き部品が保持通路内に並んで位置する。

【０００７】この状態で、電磁コイルを励磁させ、仕切
り板を保持通路外に退出させ、且つ流体圧シリンダを押
出し作動させると、供給ロッドが磁化された状態で前進
し、供給ロッド先端の挿通部が、保持通路内の第一と第
二の孔明き部品を串刺しのように通して磁着し、その前
進力で前方の扉を開き、斜め下方のワークに向けて前進
する。そして、ワーク上の所定位置に孔明き部品が到達
したとき、流体圧シリンダを停止させると共に電磁コイ
ルの励磁を停止させれば、挿通部上から両孔明き部品が
離れワーク上の所定部位に嵌合或は載置される。

【０００８】なお、ヘッドブロック内に、供給ロッドが
通過可能で３個の孔明き部品を保持する保持通路を設け
ると共に、保持通路に向けて上方から第一の孔明き部品
を供給する第一供給通路と、第二の孔明き部品を供給す
る第二供給通路と、第三の孔明き部品を供給する第三供
給通路とを設け、保持通路内に供給された３個の孔明き
部品の間に仕切り板を進退可能に配設する構造とすれ
ば、３個の孔明き部品を供給ヘッド先端の挿通部に挿通
させて一度にワーク上まで供給することができる。

【０００９】このように、１台の部品供給装置で２個或
は３個の孔明き部品を所定の位置に供給できるため、別
々の装置を設置する場合に比べ、装置を簡素化でき、設
置スペースも節約である。また、２個或は３個の孔明き
部品を一度の工程動作で所定の位置に供給できるため、
迅速の効率良く部品の組み立て等を行うことができる。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。

【００１１】図１に示す孔明き部品供給装置は、ナット
８とワッシャー９をボルトの位置まで供給する装置であ
り、基本的には、流体圧シリンダ１の先端に固定された
筒状のロッドホルダー２と、ロッドホルダー２内に摺動
可能に挿入され流体圧シリンダ１のピストンロッド４の
先端に連結された供給ロッド３と、ロッドホルダー２の
先端のカバー筒６内に取付けられた電磁コイル５と、カ
バー筒６の先端に固定され内部にナット８とワッシャー
９の保持通路７ａを設けたヘッドブロック７と、を備え
て構成される。

【００１２】供給ロッド３は、磁性体で形成され、電磁
コイル５内を貫通して配設されると共に、電磁コイル５
の励磁により磁化される。供給ヘッド３の先端部にはナ
ット８とワッシャー９に串刺しのように挿通される挿通
部３ａが設けられる。

【００１３】カバー筒６の先端に固定されたヘッドブロ
ック７内には、供給ロッド３が進入可能で、ナット８と
ワッシャー９を保持する保持通路７ａがロッド３の軸方
向に沿って形成される。また、ヘッドブロック７内には
保持通路７ａに向けて上方からナット用の第一供給通路
７ｂとワッシャー用の第二供給通路７ｃが連通して形成
される。ヘッドブロック７の下側に、ベースプレート１
０が保持通路７ａの底壁を形成するように固定される。
ヘッドブロック７は、複数のブロック片に分けて形成
し、内部に保持通路や供給通路を形成した状態に組み付
けることができる。

【００１４】ベースプレート１０における保持通路７ａ
の中間部には矩形孔１０ａが形成される。この矩形孔１
０ａは、保持通路７ａ内に供給されたナット８とワッシ
ャー９の間を分ける位置に設けられ、その矩形孔１０ａ
には下方から仕切り板１１が進入可能に配設される。仕
切り板１１は、ベースプレート１０の下側にブラケット
１３を介して取付けた流体圧シリンダ１２のピストンロ
ッドの先端に固定され、矩形孔１０ａ内から保持通路７
ａ内に進入する。

【００１５】ヘッドブロック７の前端にブラケット１６
が取付けられ、そこに扉１４が保持通路７ａの前端を閉
じるように設けられる。扉１４はその上部がブラケット
１６に対し軸１５を介して上下に開閉可能軸支され、閉
鎖方向に付勢するばね１７が取付けられる。扉１４には
ロッド３の挿通部３ａを通す凹部が形成される。

【００１６】ヘッドブロック７の上部には第一供給通路
７ｂと第二供給通路７ｃが開口し、第一供給通路７ｂに
はシュート１８を介してナット用の供給ホース２０が接
続され、第二供給通路７ｃにはシュート１９を介してワ
ッシャー用の供給ホース２１が接続される。供給ホース
２０は図示しないナット用の分離供給装置に接続され、
供給ホース２１は図示しないワッシャー用の分離供給装
置に接続される。

【００１７】このように構成された孔明き部品供給装置
は、ナット８とワッシャー９を嵌めるためのボルト２５
を突設した下方のワーク２６に対し、その先端を向ける
ように、下方に傾斜して配設され、供給ロッド３を押出
したとき、その先端の挿通部３ａがボルト２５の先端上
に向くように位置決めされる。また、ナット８を自動的
に締付ける締付装置のソケット部２２がボルト２５の真
上に、昇降及び回転駆動可能に設置される。

【００１８】ナット用の分離供給装置からはナット８が
分離・整列状態で供給ホースを送られ、シュート１８を
通してヘッドブロック７内の第一供給通路７ｂに供給さ
れ、ワッシャー用の分離供給装置からはワッシャー９が
分離・整列状態で供給ホースを送られ、シュート１９を
通してヘッドブロック７内の第二供給通路７ｃに供給さ
れる。そして、１個ののナット８と１個のワッシャー９
が保持通路７ａ内に並行に並んで位置する。

【００１９】この状態で、図示しないスイッチがオンさ
れると、ロッド用の流体圧シリンダ１がピストンロッド
４を押出し作動すると共に、仕切り板用の流体圧シリン
ダ１２がピストンロッドを引き戻し作動し、同時に、電
磁コイル５に通電を行って励磁する。

【００２０】このとき、電磁コイル５の励磁により供給
ロッド３が磁化された状態で前進し、その先端の挿通部
３ａが先ずナット８を貫通して磁着し、仕切り板１１が
保持通路７ａ外に引き出されているため、次に、ワッシ
ャー９を貫通して磁着する。そして、供給ロッド３の前
進力で前方の扉１４を開き、供給ロッド３は、その先端
の挿通部３ａにナット８及びワッシャー９を串刺しにし
て磁着した状態で斜め下方のワーク２６上のボルト２５
に向けて前進する。

【００２１】供給ロッド３がその前進端、つまり挿通部
３ａの先端がボルト２５の真上に到達したとき、流体圧
シリンダ１が停止し、電磁コイル５の通電がオフされて
励磁が停止される。これにより、挿通部３ａ上のワッシ
ャー９とナット８がそこから落下するように離れて、ワ
ーク２６上のボルト２５に嵌まり込む。

【００２２】一方、流体圧シリンダ１はピストンロッド
４を引き戻し作動して供給ヘッド３がロッドホルダー２
内に戻り、仕切り板用の流体圧シリンダ１２が押出し作
動して仕切り板１１が保持通路７ａ内に進入し、最初の
状態に戻る。

【００２３】ボルト２５上には、締付装置のソケット部
２２が下降し、ソケット部２２にナット８が嵌合され、
ソケット部２２の回転によりナット２２の締付けが行わ
れる。

【００２４】このように、ナット８と共にワッシャー９
が同じ工程動作でボルト２５に嵌めることができるた
め、少ない工数で迅速に孔明け部品の供給を行なうこと
ができる。また、１台の部品供給装置でナット８と共に
ワッシャー９を所定の位置に供給できるため、別々の装
置を設置する場合に比べ、装置を簡素化でき、設置スペ
ースも節約である。

【００２５】なお、上記のワッシャー９としては、平ワ
ッシャー、スプリングワッシャー等何れでも適用可能で
あり、コーンワッシャーのように特殊な形状のワッシャ
ーであっても、ヘッドブロック７の第二供給通路の広さ
を変えれば供給することができる。また、仕切り板１１
は流体圧シリンダ１２の他に電磁プランジャを用いて出
入れすることもできる。

【００２６】図６は他の実施例を示し、この例では、ナ
ット８と共にスプリングワッシャー２９、平ワッシャー
３０の３個の孔明き部品を、ワーク上のボルト２５まで
一度に供給する。

【００２７】即ち、このヘッドブロック２７内下部に
は、ナット８、スプリングワッシャー２９、及び平ワッ
シャー３０を保持する保持通路２７ａがロッド３の軸方
向に沿って形成される。また、ヘッドブロック２７内に
は保持通路２７ａに向けて上方から、ナット用の第一供
給通路２７ｂ、スプリングワッシャー用の第二供給通路
２７ｃ、及び平ワッシャー用の第三供給通路２７ｄが連
通して形成される。

【００２８】保持通路２７ａ内のベースプレート１０上
には２つの矩形孔が形成される。これらの矩形孔は、保
持通路２７ａ内に供給されたナット８、スプリングワッ
シャー２９、平ワッシャー３０の間を分ける位置に設け
られ、それらの矩形孔には下方から２枚の仕切り板３
１、３２が進入可能に配設され、仕切り板３１、３２は
流体圧シリンダ１２により進退動作する。

【００２９】ヘッドブロック２７の上部には第一供給通
路２７ｂ、第二供給通路２７ｃ、及び第三供給通路２７
ｄが開口し、第一供給通路２７ｂにはシュート３３を介
してナット用の供給ホースが接続され、第二供給通路２
７ｃにはシュート３４を介してスプリングワッシャー用
の供給ホースが接続され、第三供給通路２７ｄにはシュ
ート３５を介して平ワッシャー用の供給ホースが接続さ
れる。そして、各供給ホースは図示しないナット用の分
離供給装置、スプリングワッシャー用の分離供給装置、
及び平ワッシャー用の分離供給装置に各々接続される。

【００３０】このような部品供給装置では、ナット用の
分離供給装置からナット８が分離・整列状態で供給ホー
スを送られ、シュート３３を通してヘッドブロック２７
内の第一供給通路２７ｂに供給される。また、スプリン
グワッシャー用の分離供給装置からはスプリングワッシ
ャー２９が分離・整列状態で供給ホースを送られ、シュ
ート３４を通してヘッドブロック２７内の第二供給通路
２７ｃに供給され、平ワッシャー用の分離供給装置から
は平ワッシャー３０が分離・整列状態で供給ホースを送
られ、シュート３５を通してヘッドブロック２７内の第
三供給通路２７ｄに供給される。そして、１個のナット
８、スプリングワッシャー２９、及び平ワッシャー３０
が保持通路２７ａ内に並んで位置する。

【００３１】したがって、上記と同様に、電磁コイル５
の励磁により供給ロッド３を磁化された状態で前進さ
せ、同時に仕切り板３１、３２を保持通路７ａ外に引き
出せば、供給ロッドの先端の挿通部３ａが、ナット８、
スプリングワッシャー２９、及び平ワッシャー３０を貫
通して磁着し、その前進力で前方の扉１４を開き、斜め
下方のワーク２６上のボルト２５に向けて供給ロッド３
を前進させれば、ナット８、スプリングワッシャー２
９、及び平ワッシャー３０を、上記と同様に、ワーク上
のボルト２５に嵌め込むことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す孔明き部品供給装置の
断面図である。

【図２】同装置の正面図である。

【図３】図１の III− III断面図である。

【図４】図１の IV − IV 断面図である。

【図５】仕切り板を引き出した状態の同断面図である。

【図６】他の実施例の孔明き部品供給装置の断面図であ
る。

【符号の説明】

１−流体圧シリンダ ２−ロッドホルダー ３−供給ロッド ５−電磁コイル ７−ヘッドブロック ７ａ−保持通路 ７ｂ−第一供給通路 ７ｃ−第二供給通路 １１−仕切り板 １４−扉

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 流体圧シリンダの先端部に取付けられた
   筒状のロッドホルダーと、 該流体圧シリンダのピストンロッドの先端に連結され、
   該ロッドホルダー内に摺動可能に配設されると共に、２
   個の孔明き部品を挿通させる挿通部を先端に設けた供給
   ロッドと、 該ロッドホルダーの先端部付近に取付けられ該供給ロッ
   ドを磁化させる電磁コイルと、 該ロッドホルダーの前方に取付けられ、該供給ロッドが
   通過可能で２個の孔明き部品を保持する保持通路と該保
   持通路に向けて上方から第一の孔明き部品を供給する第
   一供給通路と第二の孔明き部品を供給する第二供給通路
   とを内部に設けたヘッドブロックと、 該ヘッドブロックの前端に該保持通路の前端部を閉じて
   押し開き可能に取付けられた扉と、 該ヘッドブロックの保持通路内に供給された第一の孔明
   き部品と第二の孔明き部品の間に進退可能に配設された
   仕切り板と、 を備えたことを特徴とする孔明き部品供給装置。
2. 【請求項２】 流体圧シリンダの先端部に取付けられた
   筒状のロッドホルダーと、 該流体圧シリンダのピストンロッドの先端に連結され、
   該ロッドホルダー内に摺動可能に配設されると共に、２
   個の孔明き部品を挿通させる挿通部を先端に設けた供給
   ロッドと、 該ロッドホルダーの先端部付近に取付けられ該供給ロッ
   ドを磁化させる電磁コイルと、 該ロッドホルダーの前方に取付けられ、該供給ロッドが
   通過可能で３個の孔明き部品を保持する保持通路と該保
   持通路に向けて上方から第一の孔明き部品を供給する第
   一供給通路と第二の孔明き部品を供給する第二供給通路
   と第三の孔明き部品を供給する第三供給通路とを内部に
   設けたヘッドブロックと、 該ヘッドブロックの前端に該保持通路の前端部を閉じて
   押し開き可能に取付けられた扉と、 該ヘッドブロックの保持通路内に供給された第一の孔明
   き部品と第二の孔明き部品と第三の孔明き部品の間に進
   退可能に配設された仕切り板と、 を備えたことを特徴とする孔明き部品供給装置。