JP3737198B2 - 防音装置付き給液装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水などの液体をポンプによって供給する給液装置に関し、特に該給液装置に防音機能を設けた防音装置付き給液装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば集合住宅の給水装置等として、給液装置が使用されている。図12はこの種の従来の給液装置を示す図であり、同図(a)は正面図、同図(b)は側面図である。
【0003】
同図に示すようにこの給液装置は、1つのユニットベース101上にポンプ部103と電動機部104からなる2台のポンプ電動機102,102と、圧力タンク106と、制御盤105とを搭載して構成されている。
【0004】
また2台のポンプ電動機102,102のポンプ部103,103にはそれぞれポンプ吸込口110,110が設けられ、また1本の吐出連通管111を介して1つの吐出し口109が設けられている。前記圧力タンク106は配管113によって吐出連通管111に接続されている。
【0005】
本給液装置の運転は、次のように行なわれるのが一般的である。即ち、給液装置の吐出し口109に接続されている負荷側で液体が使用されると、まず高圧になっている圧力タンク106内より負荷側に給液が開始される。圧力タンク106内の圧力がポンプ電動機102,102の始動圧力値まで低下すると圧力センサ112からの信号でポンプ電動機102,102が始動され、これによって負荷側に給液が行なわれる。負荷側への給液量が少なくなると、これをフロースイッチ107が検出し、該信号によってポンプ電動機102の運転が停止される。
【0006】
このようにこの給液装置によれば、負荷側で液が必要になるとポンプ電動機102,102を始動し、負荷側で液が必要なくなるとポンプ電動機102,102を停止させる。なお各種信号によるポンプ電動機102,102の運転制御は制御盤105によって行なわれる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この給液装置は、一般的に飲料水を扱う場合が多く、集合住宅の給水装置として使用される。多くの場合は、住宅に近い場所に据付けされる為、この給液装置近くの住宅に対し、ポンプ電動機運転時の騒音を考慮する必要がある。
【0008】
騒音を考慮する場合は一般的には、給液装置全体を防音カバーで覆い、該防音カバー内面に吸音材などを貼り付けて対応しているが、給液装置には発熱する電動機部104と制御盤105があり、しかも制御盤105内には熱に弱い半導体が制御に使用される場合が多くある。
【0009】
従って冷却の為に、給液装置全体を防音カバーで密封することができず、例えば図13に示すように、前記給液装置を防音カバー120内に収納し、また給液装置の発熱を外部に放熱するために防音カバー120に外気取り入れ口122と排気口124とを設けてある。
【0010】
当然、外気取り入れ口122と排気口124より給液装置の騒音が漏れるので、これらにはそれぞれサイレンサー121,123が取り付けられる。
【0011】
給液装置に使用されている電動機部104(図12参照)の出力が小さい場合や、外気温が低い場合などはこの状態で十分であるが、電動機部104の出力が大きい場合、外気温が高い夏場などにはこれらの換気では十分でない。
【0012】
このような場合は図14に示すように、サイレンサー121,123の部分に、更に強制換気用の吸気用換気扇125と、排気用換気扇126とを取り付ける。
【0013】
しかしながらこの場合は、両換気扇125,126自体の運転時の騒音が問題になるために、さらに性能の良いサイレンサーが必要になってしまう。
【0014】
以上のように給液装置全体を防音カバーで覆い、内部の電動機部と制御盤内の発熱処理を空気換気で処理しようとすると、給液装置自体の音の処理だけでなく、換気扇の音の処理が2次的に発生してくる為に、2重の防音処理を行なう必要があり、高価な防音装置が必要になる。
【0015】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、装置の発熱処理と防音処理とがいずれも効果的に行なえる防音装置付き給液装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するため本発明は、電動機部と該電動機部によって回転駆動されて給液を行なうポンプ部とを有するポンプ電動機と、該ポンプ電動機の電動機部の運転制御を行なう制御盤とを具備する給液装置であって、前記給液装置全体を密閉容器に収納すると共に、前記電動機部と前記制御盤内の発熱体とをいずれも前記ポンプ部が給液する扱い液自体を用いてなる液冷構造とし、さらに前記密閉容器内部から外部に引き出される配管を、前記密閉容器に設けた配管引出用の開口部分でフランジ接続し、該フランジ接続部にゴム材からなるシートパッキンを挟持し、且つ該シートパッキンの外形を前記開口よりも大きく形成して密閉容器の開口の周囲にパッキン押えによって密着固定した
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかる給液装置を示す図であり、同図(a)は側面図、同図(b)は正面図(いずれも密閉容器30を切断した状態を示している)である。また図2は給液装置の配管接続構造を示す概略図である。
【0018】
両図に示すようにこの給液装置はその全体が密閉容器30内に収納されている。そしてこの給液装置は、2台のポンプ電動機2,2をいずれも縦方向に並列に設置し、それぞれの下端にそれぞれ曲管17,17を取り付け、両曲管17,17を1本の吸込集合管16に接続し、1つとなった吸込集合管16の吸込口を縦方向を向くバイパス管15に接続し、バイパス管15の途中の部分を横方向を向く吸込管14の中央部付近に接続している。吸込管14はその両端が密閉容器30の左右両側壁部32,33に支持されており、その一端(左側壁部32側)を閉止フランジ13で塞ぎ、これによって吸込管14の他端(右側壁部33側)のみを吸込口10としている。吸込口10には相フランジ9−2がフランジ接続されている。
【0019】
なお両曲管17,17の吸込集合管16と接続する側の端部内には、それぞれ逆止弁8,8が取り付けられており、ポンプ電動機2,2方向への水の移動のみを可能としている。
【0020】
一方2台のポンプ電動機2,2の上端は、いずれもフロースイッチ7,7を介して1本の吐出し集合管18に接続されている。吐出し集合管18は前記バイパス管15の上端に接続されると共に、隣接する1本の吐出し管19のほぼ中央に接続されている。吐出し管19はその両端が密閉容器30の左右両壁部32,33に支持されており、その一端(左側壁部32側)を閉止フランジ12で塞ぎ、これによって吐出し管19の他端(右側壁部33側)のみを吐出し口9としている。吐出し口9にも相フランジ9−2がフランジ接続されている。
【0021】
なおバイパス管15と吐出し集合管18の接続部内には、バイパス逆止弁15−1が収納されており、これによってバイパス管15内を吸込集合管16側から吐出し集合管18側に移動する流体の移動のみを可能としている。
【0022】
また密閉容器30内の上部には、制御盤5が設置されており、また吐出し管19の側部には圧力タンク6が設置されている。
【0023】
そして制御盤5にはヒートシンク冷却水出口部5−1とヒートシンク冷却水入口部5−2が設けられ、ヒートシンク冷却水出口部5−1は配管51−1によってバイパス管15のバイパス逆止弁15−1よりも上流側に接続されており、またヒートシンク冷却水入口部5−2は配管15−2によって吐出し集合管18に接続されている。配管15−2には電磁開閉弁5−3が取り付けられている。
【0024】
なお前記制御盤5内には図示しないインバータ(可変速装置)が収納されているが、このインバータは図示しない放熱用のヒートシンクに取り付けられている。そして該ヒートシンク内には冷却水用のパイプが埋め込まれており、該パイプの両端がそれぞれ前記ヒートシンク冷却水入口部5−2とヒートシンク冷却水出口部5−1に接続されている。なおこのヒートシンクには該ヒートシンクの温度を検出する図示しない温度センサが取り付けられている。
【0025】
次に前記圧力タンク6は配管によって吐出し配管19に接続されている。
【0026】
一方前記ポンプ電動機2は図2に示すように、下部にポンプ部3を設け、上部に電動機部4を設け、両者の駆動軸を連結し、これら全体をケース内に収納して構成されている。そしてこのポンプ電動機2を駆動した際に曲管17側からポンプ部3内に吸い込まれた水は、電動機部4の周囲を通過した後にフロースイッチ7,7側に吐出されるように構成されている。つまり電動機部4は給水する水(扱い水)自体によって冷却されるように構成されている。
【0027】
またこの給液装置全体は、ユニットベース1上に組み込まれており、さらに該ユニットベース1は下記する密閉容器30の底板部35上に防振装置20を介して載置されている。
【0028】
ここで図3は前記密閉容器30を示す分解斜視図である。また図4は図1に示すR部分の拡大図である。図3に示すように密閉容器30は、天井部31と、左側壁部32と、右側壁部33と、後側壁部34と、底板部35と、前側壁部36の6面の各辺を、図4に示すようにゴムパッキン等のゴム材からなる防振ゴム30−1を介在して相互に結合することによって構成されている。なお左側壁部32と右側壁部33には、それぞれ2つずつの開口52が設けられている。
【0029】
次に図5は前記吐出し管19の密閉容器30から外部への配管取り出し構造を示す図であり、同図(a)は左側面図、同図(b)は要部断面図(図1のS部分の拡大図)である。同図に示すように密閉容器30の右側壁部33に設けられた配管引出用の開口52内では密閉容器30内部の吐出し配管19の端部に設けた吐出しフランジ19−1と相フランジ9−2とがボルト・ナットAによってフランジ接続されている。
【0030】
なお相フランジ9−2の配管内部には雌ネジ9−2aが設けられており、該雌ネジ9−2aには図示しない外部配管が螺合接続される。
【0031】
ここで吐出しフランジ19−1と相フランジ9−2とのフランジ接続部には、シートパッキン9−1が挟持されている。このシートパッキン9−1は、円板状のゴム材で形成され、その中央に前記吐出し配管19の内径と略同一内径の貫通孔9−1aが設けられ、またその外径は、前記開口52の内径よりも大きく形成されている。
【0032】
そしてシートパッキン9−1は、前記開口52の周囲の右側壁部33の外面にリング状の板を二つ割構造としたパッキン押え9−3とボルト・ナットBによって挟持され、密着固定されている。つまりこのシートパッキン9−1によって開口52は密封されている。
【0033】
なお前記パッキン押え9−3を二つ割構造としたのは、相フランジ9−2に図示しない外部配管を螺合した後に該パッキン押え9−3を取り付ける場合に該取り付けが行なえるようにするためであり、外部配管を取り付ける前であれば、単にリング状の板で構成しても良い。
【0034】
なお図1に示す吐出し管19の他端も上記図5に示すと同様に左側壁部32の開口52にシートパッキンを介してフランジ接続された構造であり、異なるのは相フランジ9−2の代わりに、閉止フランジ12を取り付けて該吐出し管19を塞いでいる点のみである。吐出し配管19の両端をこのように構成したのは、相フランジ9−2と閉止フランジ12の取付位置を左右取り替えるだけで容易に外部配管の接続位置を逆にできるからである。
【0035】
また図1に示す吸込管14の両端にも前記図5に示す構造と同様に、シートパッキンを介して相フランジ9−2と閉止フランジ13が取り付けられている。
【0036】
次にこの防音装置付き給液装置の動作を主として図1を用いて説明する。
【0037】
給液装置の負荷側で液が使用されると、まず吐出し管19に取り付けられている圧力タンク6内の高圧になっている水が負荷側に給水され、圧力タンク6内の圧力が予め定められた圧力以下になると、ポンプ電動機2,2が始動し、給水を開始する。
【0038】
ポンプ電動機2が始動すると、吸込管14の吸込口10より吸い込まれた扱い水は、バイパス管15を介して吸込集合管16に導かれ、逆止弁8と曲管17を経由してポンプ部3内に導入され、電動機部4の外周を経由して該電動機部4を冷却しながらポンプ電動機2の上部に吐出され、フロースイッチ7を経由して吐出し集合管18から吐出し管19に導かれて、吐出し口9へと圧送されていく。
【0039】
ポンプ電動機2の運転は、該ポンプ電動機2の吐出圧力が一定になるように制御盤5内の図示しない可変速装置(インバータ等)によってポンプ電動機2の運転回転数を調整するように行なわれる。
【0040】
前記負荷側の使用水量が少なくなり、フロースイッチ7がこれを検知するとポンプ電動機2は停止する。以上のようにポンプ電動機2の運転・停止が行なわれる。
【0041】
ここで前記バイパス管15とバイパス逆止弁15−1を設けているのは、吸込口10側の水圧が、ポンプの運転圧力(吐出圧力一定制御による目標値)より高い等の場合に、ポンプ電動機2の運転を停止し、吸込口10より吸込管14とバイパス管15とバイパス逆止弁15−1を通して直接吐出し集合管18から吐出し管19に向けて給水が行なえるようにするためである。
【0042】
ところで前記制御盤5内のインバータのヒートシンクに取り付けた温度センサがヒートシンクの温度が所定値以上になったことを検出すると、電磁開閉弁5−3が開放され、圧力的に高いヒートシンク冷却水入口部5−2よりヒートシンク内の冷却水用のパイプに通水が行なわれて該ヒートシンク(即ちインバータ)を冷却した後に、ヒートシンク冷却水出口部5−1から圧力的に低いバイパス管15の1次側に返送される。
【0043】
前記ヒートシンクの温度が所定値よりも低くなった場合は、前記電磁開閉弁5−3を閉じ、冷却水の通水を停止する。
【0044】
なお制御盤5内にインバータ以外の発熱体がある場合は、その冷却に上記冷却構造を用いても良い。
【0045】
以上のように電動機部4の発熱と、制御盤5内の発熱体の発熱とを、いずれもこの給液装置が給水する扱い液自体によって回収し冷却しているので、外部に熱が伝熱されることはない。従って上記実施形態のように給液装置を密閉容器30によって完全密閉することができ、これによって外部に騒音が伝達されない。
【0046】
ところで給水装置を構成する機器類の振動が大きい場合は、その振動がユニットペース1に伝達され密閉容器30の底板部35より各側壁部32,33,34,36や天井部31に伝達され、振動によって騒音が発生する恐れがある。
【0047】
しかしながら本実施形態の場合は、底板部35と各側壁部32,33,34,36と天井部31の各々の間に防振ゴム30−1を取り付けたので、底板部35の振動が他の各部材31,32,33,34,36に伝達されず、その騒音が防止される。
【0048】
振動が大きい場合は図8,図9に示すように、底板部35の底面の部分に緩衝材となる絶縁ゴム61を介して該底面全体を覆う閉止板63を取り付ければよい。これによってポンプ電動機2の運転振動が底板部35に伝達されてその下面より騒音が発生しても、閉止板63で遮音することで騒音が外部に漏れず、また絶縁ゴム61により閉止板63自身も振動をすることがない。
【0049】
振動がさらに大きい場合、または更に減音を必要とするような場合でも、本実施形態のようにユニットベース1と底板部35との間に防振装置20を取り付けることで防振効果を更に大きくでき、その目的を達成できる。
【0050】
一方上記給水装置は、底板部35の他に吸込管14と吐出し管19の両端部分が左右側壁部32,33に接続されているので、該接続部分から給水装置の振動が密閉容器30全体に伝達され、その騒音が外部に漏れる恐れがある。
【0051】
しかしながら本実施形態の場合は、前記図5で説明したように、吐出し配管19の両端はゴム材製のシートパッキン9−1によって左右側壁部32,33に接続されているので、機器類の振動が吐出し配管19に伝達されても、該振動はシートパッキン9−1が吸収し密閉容器30には伝達しない。従ってその騒音が外部に漏れる恐れはない。なおゴム材製のシートパッキン9−1を用いることによって、吐出し配管19の取り出し位置に機械的な寸法誤差による狂いが生じても、該狂いを前記シートパッキン9−1が吸収し、これによって密閉構造の機能が保たれる。以上のことは吸込管14においても同様である。
【0052】
なお図5に示す構造のシートパッキン9−1の場合、吐出し配管19の振動方向が図5に示すX方向、即ち吐出し配管19の軸方向の場合は、シートパッキン9−1がたわむ方向に変形することとなるので、吐出し配管19の振動が密閉容器30に伝達されないが、吐出し配管19の振動方向が図5に示すY,Z方向、即ち吐出し配管19の軸に垂直な面方向の場合は、シートパッキン9−1を引っ張る方向になるので該振動の絶縁が十分ではなくなる恐れがある。
【0053】
そこで更にこのY,Z方向の振動の絶縁を確実に行なうために、図10(a)に示すように、シートパッキン9−4のパッキン押え9−3によって固定される部分の内側の部分の面を外方に向けて断面略く字状に突出するように変形せしめてなるリング状凸部(振動吸収手段)9−5を設けてもよい。
【0054】
このように構成すれば、吐出し配管19の振動方向がY,Z方向であっても、該リング状凸部9−5の部分が変形することで該振動を容易に吸収し、従ってポンプ電動機2のX,Y,Z方向のいずれの振動が吐出し配管19に伝達されても、密閉容器30には伝達されない。
【0055】
またY,Z方向の振動の絶縁を確実に行なうために、図10(b)に示すように、シートパッキン9−6の外側円周に、側壁33方向に突出するリング状突起(振動吸収手段)9−7を設け、該リング状突起9−7をパッキン押え9−3と側壁33の間に挟持するように構成しても良い。
【0056】
このように構成しても、吐出し配管19のY,Z方向への振動が容易に吸収できる。
【0057】
さらに騒音を低減化する必要がある場合は、密閉容器30の内面に鉛の板などからなる遮音材を取り付けたり、また密閉容器30内の音圧を下げるために密閉容器30の内部に吸音材を設置したり、または密閉容器30の内面に吸音材(グラスウールなどからなる)を貼り付けたりすることができる。
【0058】
以上のように構成することによって、非常に防音効果の大きい構造体を提供できる。
【0059】
ところで給液装置が扱う液の温度と外気温の関係について、例えば外気温が夏場などで30℃近くあり湿度も高く、一方で扱い液が例えば井戸水の場合はその温度は例えば14℃程度であり、この温度差によって給液装置の通水部分(吸込管14から吐出し管19に到る部分)に外気の湿度による結露が生じ、その量が多くなると滴下状態になり、密閉容器30内に水が蓄積されて内部の腐食が進行してしまう。
【0060】
これを防止するためには密閉容器30の底にドレン機構を設けてドレンを排水する必要がある。しかしながら単に通常のドレン機構を設けた場合は、該ドレン機構の箇所から騒音が外部に漏れ、密閉容器30の意味が無くなるという問題が生じる。
【0061】
図6は騒音が外部に漏れないように構成したドレン機構を取り付けた底板部35を示す図であり、同図(a)は正面図、同図(b)は右側面図である。
【0062】
同図に示すようにこのドレン機構は、底板部35の側壁に取り付けたドレン回収用のソケット1−3に向かってドレンが集まるように側壁部35に傾斜面1−1及び傾斜面1−2を設け、またソケット1−3にはドレン配管1−4を取り付けてその管端を容器形状のドレンキャッチ1−5内に挿入し、且つ予め該ドレンキャッチ1−5内に前記ドレン配管1−4の管端を塞ぐ程度まで水を満たして水封して構成されている。
【0063】
このように構成しておけば、密閉容器30内で結露が発生し、底板部35上に滴下したドレンは傾斜面1−1,1−2によってソケット1−3に集められてドレンキャッチ1−5内に排出され、積極的に回収される。一方ドレン配管1−4の管端は常に水封されているので、管端部分からの騒音の漏れを防ぐことができる。
【0064】
なおこの底板部35に前記図8,9に示すと同様な閉止板63を取り付ける場合も、図11に示すように底板部35に前記図8,9に示すと同様の絶縁ゴム61を介して閉止板63を取り付ければ良い。
【0065】
図7は前記図5に示す実施形態とは別の形態にかかる配管取り出し構造を示す要部断面図である。
【0066】
この実施形態においては、吐出し管19を右側壁部33の開口52から外部に突出し、その先端に設けた吐出フランジ19−1を相フランジ9−2にフランジ接続し、該フランジ接続とは別に、吐出し配管19の外周に取付フランジ19−2を溶接し、該取付フランジ19−2と、別途吐出し管19に挿入されている取付フランジ9−4とをシートパッキン9−1を介してボルト・ナットCで締め付け挟持し、さらにシートパッキン9−1をパッキン押え9−3とボルト・ナットBによって右側壁部33に密着固定している。
【0067】
このように構成しても、シートパッキン9−1によって開口52部分は密封される。
【0068】
また本発明にかかる給液装置を水以外の液体の給液用に用いても良いことは言うまでもない。
【0069】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明によれば以下のような優れた効果を有する。
▲1▼ポンプ電動機と制御盤内の発熱体とをいずれもこの給液装置の扱い液自体を用いた液冷構造によって冷却しているので、給液装置全体を一つの密閉容器内に密封することができ、これによって給液装置の騒音を容易に防音処理できる。
【0070】
▲2▼密閉容器内部から外部に引き出される配管のフランジ接続部にゴム材からなるシートパッキンを介在することで密閉容器に設けた開口を密封したので、内部の機器の振動が密閉容器に伝達されず、防音できる。
またシートパッキンにゴム材を使用しているので、密閉容器の開口に対する配管の位置の誤差が容易に吸収できる。
特にシートパッキンに略リング状の振動吸収手段を設けた場合は、配管の軸に垂直な面方向への振動が効果的に吸収され、密閉容器への振動の伝達が更に効果的に防止できる。
さらにパッキン押えをリングを2つ割りした構造にした場合は、配管を外部の配管に接続した後に、該パッキン押えの取付が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる給液装置を示す図であり、同図(a)は側面図、同図(b)は正面図である。
【図2】給液装置の配管接続構造を示す概略図である。
【図3】密閉容器30を示す分解斜視図である。
【図4】図1に示すR部分の拡大図である。
【図5】吐出し管19の密閉容器30から外部への配管取り出し構造を示す図であり、同図(a)は左側面図、同図(b)は要部断面図である。
【図6】本発明にかかるドレン機構を取り付けた底板部35を示す図であり、同図(a)は正面図、同図(b)は右側面図である。
【図7】別の形態にかかる配管取り出し構造を示す要部断面図である。
【図8】底板部35に閉止板63を取り付けた実施形態を示す要部側面図である。
【図9】図8のT部分の拡大図である。
【図10】図10(a),(b)はシートパッキンの他の実施形態を示す要部側断面図である。
【図11】ドレン機構付きの底板部35に閉止板63を取り付けた状態を示す要部側断面図である。
【図12】従来の給液装置を示す図であり、同図(a)は正面図、同図(b)は側面図である。
【図13】従来の防音カバー付給液装置を示す図である。
【図14】従来の防音カバー付給液装置を示す図である。
【符号の説明】
1 ユニットベース
1−4 ドレン配管
2 ポンプ電動機
3 ポンプ部
4 電動機部
5 制御盤
9−1 シートパッキン
9−3 パッキン押え
20 防振装置
30 密閉容器
30−1 防振ゴム
31 天井部
32 左側壁部
33 右側壁部
34 後側壁部
35 底板部
36 前側壁部
52 開口
61 絶縁ゴム
63 閉止板
9−5 リング状凸部(振動吸収手段)
9−7 リング状突起(振動吸収手段)

Claims (5)

  1. 電動機部と該電動機部によって回転駆動されて給液を行なうポンプ部とを有するポンプ電動機と、該ポンプ電動機の電動機部の運転制御を行なう制御盤とを具備する給液装置であって、
    前記給液装置全体を密閉容器に収納すると共に、
    前記電動機部と前記制御盤内の発熱体とをいずれも前記ポンプ部が給液する扱い液自体を用いてなる液冷構造とし、
    さらに前記密閉容器内部から外部に引き出される配管は、前記密閉容器に設けた配管引出用の開口部分でフランジ接続され、該フランジ接続部にはゴム材からなるシートパッキンが挟持され、且つ該シートパッキンの外形は前記開口よりも大きく形成されて密閉容器の開口の周囲にパッキン押えによって密着固定されていることを特徴とする防音装置付き給液装置。
  2. 前記パッキン押えは、リングを2つ割りにした形状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の防音装置付き給液装置。
  3. 前記シートパッキンには、略リング状の振動吸収手段が設けられていることを特徴とする請求項1記載の防音装置付き給液装置。
  4. 前記振動吸収手段は、シートパッキンの前記パッキン押えによって固定される部分の内側の部分の面を一方の面側に突出するように変形せしめてなるリング状凸部によって構成されていることを特徴とする請求項3記載の防音装置付き給液装置。
  5. 前記振動吸収手段は、シートパッキンの前記パッキン押えによって固定される部分の面を一方の面側に突出するように変形せしめてなるリング状突起を設け、該リング状突起をパッキン押えと密閉容器の間に挟持して構成されていることを特徴とする請求項3記載の防音装置付き給液装置。
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