JP3736495B2 - 極厚鋼材の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、建築や土木構造物に溶接して用いられる、厚さ40mm以上の極厚鋼材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
建築構造物の大型化、建設工事の省力化の観点から極厚の鋼材を多く用いようとする傾向がある。主に対象となる鋼材は、例えばフランジ、ウエブの一方または双方の厚さあるいは板厚が40mmを超える極厚の形鋼や厚板である。このような鋼材に対しても阪神大震災などを契機にして、鋼材の安全性をより高める観点から、母材のみならず溶接部の靱性もより一層すぐれたものが要望されている。
【0003】
このような要望に応えるものとして、強度が高く靱性および溶接性にすぐれたこれら鋼材およびその製造方法などに関し、いくつかの提案がなされている。例えば、特開平8-197102号公報には、C当量が0.40%以下でNbおよびVを含有し、Cu、Ni、Cr、Mo、B、Ti、REM,Caなどを1種以上含有する素材鋼にて、熱間圧延時にフランジ部を1200〜1000℃の温度範囲内に制御し40%以上の圧下を施した後、室温まで空冷することにより、極厚H形鋼の強度を確保しフランジ断面における強度、靱性のばらつきの発生を防止するという製造方法が開示されている。
【0004】
また、特開平9-104949号公報には、溶接部HAZ(熱影響部)の靱性のすぐれた超大入熱溶接が対象になる極厚鋼材の発明が開示されている。この場合、TiおよびBを含む鋼にて、Nの含有量をTiおよびBがすべてTiNおよびBNとなるよりやや過剰の範囲に限定し、かつ圧延素材となる鋼片の凝固冷却時の冷却速度を遅く制御するか、または熱間圧延時の素材の加熱温度を1200℃以下として、直径0.1〜1.0μmのTiN析出物を多数析出させた鋼板とする。そうすると溶接時ボンド部やHAZ部にTiNが溶解せずに残り、これが核となってBNの再析出を促進し、組織を微細化して超大入熱時のHAZ靱性を確保できるとしている。
【0005】
さらに、特開2001-262225号公報には極厚H型鋼の製造方法として、Ar3点以上で圧延を終了後、フランジ部の平均冷却速度を2.0℃/s以上として冷却を開始し、表面温度がAr3点−200℃以下に到達後冷却を中断し、表面温度が600℃以上に復熱後、再び平均冷却速度を2.0℃/s以上で、400〜600℃の温度範囲にまで冷却する発明が開示されている。
【0006】
強度が高く靱性が良好で、しかも溶接部の靱性のすぐれた極厚鋼材を得るためには多くの問題がある。まず、通常、鋼材の幅が大きいので、圧延荷重を下げるために圧延素材の鋼片を高温に加熱し、高温で圧延をおこなわなければならない。そうすると、高温加熱によりオーステナイト粒(以下、γ粒ともいう)は粗大化して最終組織の結晶粒を大きくする。そして、圧延温度が高いと圧延後の変態開始温度における残留転位密度が小さくなり、極厚であるために冷却速度も低くなってこれも組織の粗大化をもたらし、靱性を低下させる。
【0007】
さらに極厚鋼材では溶接施工効率を高めるために大入熱溶接は必須であり、溶接時の熱影響部(HAZ)においても、高温に加熱される時間が長くなり冷却速度が低いので、上記同様組織が粗大化して溶接部の靱性を劣化させる。
【0008】
厚板の場合、制御圧延や制御冷却をおこなってより少ない合金元素にて強度を高め靱性にすぐれた鋼とする方法があり、上述の各発明はいずれもこのような手法を取り入れたものと考えられる。しかし極厚の鋼材、とくに形鋼のような場合、制御圧延や制御冷却は、製品形状の精度が低下したり、部位による温度差が大きく機械的性質にばらつきを生じやすいので、その適用はかならずしも容易ではない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、引張強さが490Mpa以上で、厚さが40mm以上の鋼材、とくにフランジおよびウェブの一方または双方の厚さが40mmを超える極厚形鋼において、母材靱性および溶接部HAZの靱性のすぐれた、特性ばらつきの小さい鋼材の製造方法の提供にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは厚さが40mmを超える極厚鋼材において、母材靱性および溶接部靱性を向上させるための化学組成および製造条件に関し種々検討をおこなった。
【0011】
まず、このような鋼材の圧延の条件としては、素材鋼片の加熱温度は十分高くなければならず、そして制御圧延や制御冷却は採用し難い。そこで、素材鋼片の加熱温度は十分高くし、圧延後は主として放冷または空冷にて所要の性能を実現させることとして、化学組成の影響についての調査をおこなった。
【0012】
このような鋼の強度に関わる基本的な合金成分はC、SiおよびMnであり、脱酸剤としてAlが用いられ、不純物としてP、S、N、Oなどがあって、これに組織や変態挙動を制御し強度や靱性など、その性能を改善するための成分として、B、Cr、Cu、Mo、Nb、Ni、V、Ti等が添加され、さらに介在物の形態制御を目的にCaやREMなども添加される。これら各元素の含有量は、例えば、前述の各公報にみられるように、いずれもほぼ同程度の範囲が採用されている。
【0013】
しかしながら、上述のような製造条件に限定した場合、各合金成分の含有量をそれぞれ通常規制される範囲内とするだけでは、目的とする強度は到底安定して得ることはできず、強度を確保するための元素は比較的多量に含有させることになる。
【0014】
そこで、考えられる合金元素や不純物について含有量が種々異なる鋼を上記極厚材としての圧延条件にて製造したときの強度および靱性を測定し、引張強さが目標値を超え、かつ靱性が十分得られる範囲を調査した。この場合、できるだけ数多くのデータに基づくことが好ましいので、含有成分を変えて試作した鋼材について試験をおこなうと共に、過去のデータも利用できるものは採用した。さらには溶接部のHAZの靱性について、大入熱溶接の場合、圧延後放冷の条件に類似するものもあることが見出されたので、これらの知見も援用してデータの整理をおこなった。その結果、各成分の含有量にそれぞれ特定の係数をかけたものの加算値として後出の式▲1▼で示されるF値が、特定の値を超えればよいことが明らかになった。
【0015】
添加する元素の含有量を増すことは、当然のことながら溶接性に好ましくない影響を及ぼす。これについては、F値と共に溶接割れ感受性組成Pcm値を特定範囲内に限定すればよいこともわかった。Pcm値は、溶接時の割れ感受性の指標として上限を規制するが、放冷または空冷のような冷却の場合の強度の指標としても用いることができる。すなわち、溶接性の点から上限値を規制し、強度の点から下限値を規制するのである。
【0016】
このような調査の過程でさらに明らかになったことがいくつかある。その一つは、Ti、BおよびNの含有による効果に対するAlの影響である。大入熱溶接におけるボンド部やHAZ部に微細なTiNやBNを適量生成させると、その靱性向上に効果的であることが知られており、これら微細な析出物が組織を微細化させるためと考えられている。このため前述の特開平9-104949号公報に記載のように、Nの存在下でTiおよびBを適量添加する方法が採用される。
【0017】
上記圧延条件にて得られた鋼材を用い、溶接入熱量が100kJ/cm以上の大入熱溶接における、このTiNおよびBNの挙動について種々検討した結果、とくにBNを有効に析出させるためにはAlの含有量も大きく影響していることがわかった。すなわちAlが多すぎるとBNの析出が不十分になるので、その含有量の上限を低く抑える必要がある。
【0018】
また、金属組織の調査から、鋼材の引張強さが目標値を超えかつ靱性が良好であるものは、断面の光学顕微鏡組織観察において、パーライト組織の面積率とベイナイト組織の面積率との合計面積率が特定範囲内にあり、かつフェライト組織における平均結晶粒径が小さいのが望ましいこともわかった。
【0019】
このような金属組織は、前述のF値およびPcm値を規制した鋼の、圧延後放冷の条件にて得ることができる。しかし、より安定してこのような組織を得、さらにはより一層靱性を向上させるには、圧延終了後の冷却時のAr3点を通過する温度域の冷却速度を、放冷よりは加速して冷却するのが望ましいことが明らかになった。ただし、そのときの冷却速度は速すぎたり、より低温まで範囲を拡げすぎたりすると、靱性に悪影響をもたらすベイナイト組織が増大するおそれがあり、その上、鋼材の部位による強度や靱性のばらつきを増大させる結果となる。
【0020】
以上のような知見に基づき、さらに範囲限界を明確にして発明を完成させた。本発明の要旨は次のとおりである。
【0021】
(1)素材鋼片
本発明の製造方法で用いる素材鋼片は下記のものである。
質量%で、C:0.05〜0.15%、Si:0.01〜0.55%、Mn:0.3〜1.6%、P:0.02%以下、S:0.008%以下、sol.Al:0.003〜0.02%、N:0.002〜0.01%、Ti:0.005〜0.025%、Ni: 0.05 〜4%およびB:0.0005〜0.0025%を含有するとともに、Cu:0.05〜1.6%、Cr:0.05〜1%、Mo:0.05〜1%、Nb:0.005〜0.05%およびV:0.005〜0.25%のうちの1種または2種以上を含有し、残部Feおよび不純物からなり、かつ、Ti/Nが1〜3で、下記(1)式で与えられるF値が50以上であり、加えて下記(2)式で与えられるPcm値が0.18〜0.27である鋼片。
【0022】
F=−109C+133Si+21Mn+1191P−2532S+42Cu+41Ni+66Cr
−36Mo+1138Nb+237V+1752Ti+5886B−1318Al−8519N・・・・(1)
Pcm=C+(Si/30)+(Mn/20)+(Cu/20)+(Ni/60)
+(Cr/20)+(Mo/15)+(V/10)+5B ・・・・(2)
ここで、元素記号は各元素の含有量(質量%)を示す。
(2)本発明の製造方法の一つは、上記の素材鋼片を1200〜1350℃に加熱して熱間圧延し、Ar3点以上で圧延を終了させた後、常温まで放冷または空冷することを特徴とする金属組織のフェライトの比率が全体の 60 〜 95 %を占め、フェライト平均結晶粒径が 35 μm以下である極厚鋼材の製造方法、である。
【0023】
(3)本発明の製造方法の他の一つは、上記の素材鋼片を1200〜1350℃に加熱して熱間圧延し、圧延終了後のAr3点以上の温度にある状態から、「Ar3点−150℃」になるまでの温度範囲内で、圧延材全体の平均冷却速度が0.5〜3℃/sである強制冷却をおこない、その後は常温まで放冷または空冷することを特徴とする金属組織のフェライトの比率が全体の 60 〜 95 %を占め、フェライト平均結晶粒径が 35 μm以下である極厚鋼材の製造方法、である。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明にて鋼の化学組成を限定した理由は次のとおりである。なお各元素の含有量の%はいずれも質量%である。
【0025】
C:0.05〜0.15%
Cは、経済的に引張強さを向上させるためにとくに有効な元素で、0.05%以上含有させる必要がある。しかし、その含有量が0.15%を超えると溶接性および靭性の低下が大きくなる。したがって、Cの含有量は0.05〜0.15%とする。なお、強度を高くしかつより靭性のすぐれたものにするためには、C含有量は0.07〜0.1%の範囲とすることが望ましい。
【0026】
Si:0.01〜0.55%
Siは、強度を高めるのに有効な元素で、鋼の脱酸を補助する効果もある。その効果を得るためには0.01%以上含有させる必要がある。しかし、0.55%を超えると、溶接性と靭性の低下が大きくなる。したがって、Siの含有量は0.01〜0.55%とする。なお、強度を高くしかつより靭性のすぐれたものにするためには、Si含有量は0.2〜0.4%の範囲とすることが望ましい。
【0027】
Mn:0.3〜1.6%
Mnは、強度を高めるのに有効な元素であり、その効果を得るには0.3%以上含有させる必要がある。しかし、その含有量が1.6%を超えると溶接性と靭性の低下が大きくなる。したがって、Mnの含有量を0.3〜1.6%とする。
なお、強度を高くしかつより靭性のすぐれたものにするためには、Mn含有量は1〜1.6%の範囲とすることが望ましい。
【0028】
P:0.02%以下
Pは、不純物で靭性を低下させる有害な元素であり、少なければ少ないほどよい。とくにその含有量が0.02%を超えると靭性の低下が著しくなる。したがってPの含有量は0.02%以下とする。
【0029】
S:0.008%以下
Sは、Pと同様不純物であり靭性を低下させる有害な元素であるので、少なければ少ないほどよい。とくに、その含有量が0.008%を超えると靭性の劣化が著しくなる。したがって、Sの含有量は0.008%以下とした。望ましくは0.004%以下である。
【0030】
Al:0.003〜0.02%
ここで、Alは酸可溶Al(sol.Al)を意味する。Alは鋼の脱酸のために添加する元素であるが、その含有量が0.003%未満では十分な脱酸効果が得られず疵の多い鋼片となるおそれがある。一方、AlはTi、Bと同様に窒化物を生成するが、TiNはAlNよりも十分高温まで安定であるため、AlはTiN生成量にほとんど影響を与えない。しかし、AlはHAZ部におけるBNの生成量を阻害し、靱性に悪影響を及ぼす場合があるので、Alを0.02%以下に制限することが重要である。また、Al含有量を制限することによってHAZにおける島状マルテンサイトの生成を低減させることができ靱性が改善される。したがって、Alの含有量は0.003〜0.02%とする。なお、HAZ靱性をさらに良好にするためには、0.003〜0.015%の範囲とすることが望ましい。
【0031】
N:0.002〜0.01%
Nは、TiNやBNを形成し、高温加熱時のγ粒粗大化を抑制して靭性を高めることに寄与する。しかし、その含有量が0.002%未満では効果に乏しく、一方0.01%を超えると、かえって靭性の低下を招く。したがって、Nの含有量は0.002〜0.01%とする。靱性改善効果をよりよくするためには、含有量を0.003〜0.008%とすることが望ましく、さらに望ましいのは、0.004〜0.007%とすることである。
【0032】
Ti:0.005〜0.025%_ Tiは、Ti窒化物を形成し、高温加熱時のγ粒粗大化を抑制して靭性を高める作用を有するが、Tiの含有量が0.005%未満ではそのような効果に乏しい。一方、含有量が0.025%を超えると、かえって靭性の劣化が起こりやすくなる。したがって、Tiの含有量は0.005〜0.025%する。なお、母材靱性をさらに良好にするためには、0.005〜0.015%の範囲とすることが望ましい。
【0033】
B:0.0005〜0.0025%
Bは、母材および溶接時のHAZ部やボンド部にBNとなって微細に析出し、組織を微細化させてその靱性を向上させる効果がある。含有量が0.0005%未満ではこの靱性の改善効果に乏しい。一方、含有量が0.0025%を超えると鋼材の靭性がかえって劣化するおそれがあり、したがって、Bの含有量は0.0005〜0.0025%とする。望ましくは0.0005〜0.0015%である。
【0034】
B、TiおよびNの関係は、Bの母材および溶接のHAZにて微細な窒化物を形成する効果を発揮させるためには、Ti含有量とN含有量との比(Ti/N)を1〜3の範囲とするのが望ましい。これが3より大きくなるとBNが十分に形成されず母材およびHAZ部の靱性改善効果がなくなる。しかしTi/Nが1を下回ると固溶Nが増し靱性が低下する。好ましいのはTi/Nを1.5〜2.7とすることである。
【0035】
上述の元素の他、目的とする強度をより安定して得るために、Niを必須成分とし、Cu、Cr、Mo、NbおよびVの1種以上を、以下に記すそれぞれ定める範囲の量で含有させる。
【0036】
Cu:0.05〜1.6%
Cuを含有させる場合、0.05%未満では強度改善効果に乏しく、1.6%を超えると靱性と溶接性の劣化が著しくなる。なお、強度を高くしかつより靭性の良好なものにするためには、0.05〜0.6%の範囲にすることが望ましい。
【0037】
Ni:0.05〜4%
Niの含有量は0.05%未満では強度改善効果に乏しい。一方、その含有量が4%を超えると溶接性が劣化しやすくなる。また、Cu添加に起因する熱間加工時の割れを防止する効果があるので、Cuを添加する場合には、Cu含有量の1/2以上のNiを同時に含有させることが望ましい。
【0038】
Cr:0.05〜1%
Crの含有量は0.05%未満では強度改善効果に乏しく、1%を超えると靭性と溶接性の劣化が著しくなる。したがって、Crを含有させる場合の含有量は0.05〜1%とする。なお、強度を高くしかつより靭性の良好なものにするためには、0.05〜0.5%の範囲とすることが望ましい。
【0039】
Mo:0.05〜1%
Moの含有量は0.05%未満では強度改善効果に乏しい。一方、その含有量が1%を超えると靭性と溶接性の劣化が著しくなる。したがって、Moを含有させる場合の含有量は0.05〜1%とする。なお、強度を高くし、かつより靭性の良好なものにするためには、Mo含有量は0.05〜0.5%の範囲とすることが望ましい。
【0040】
Nb:0.005〜0.05%
Nbの含有は0.005%未満では強度改善効果に乏しく、0.05%を超えると溶接性の劣化が著しくなる。したがって、Nbを含有させる場合の含有量は0.005〜0.05%とする。なお、強度を高くしかつより靭性の良好なものにするためには、0.01〜0.035%の範囲とすることが望ましい。
【0041】
V:0.005〜0.25%
Vの含有は0.005%未満では添加効果に乏しく、0.25%を超えると靭性と溶接性の劣化が著しくなる。したがって、Vを含有させる場合の含有量は0.005〜0.25%とする。なお、強度を高くしかつより靭性の良好なものにするためには、V含有量は0.05〜0.15%の範囲とすることが望ましい。
【0042】
以上は鋼に含有させる各元素それぞれの含有量範囲限界であるが、一つの極厚鋼材として、目的とする引張強さが490MPa以上で、靱性がすぐれ、大入熱溶接をおこなった場合の溶接性、すなわちボンド部やHAZ部の靱性が良好で溶接割れのないものとするためには、各元素含有量間の相互の効果を配慮しなければならない。
【0043】
すなわち、鋼材の組成は下記(1)式で示されるF値が50以上で、かつ(2)式で示されるPcm値が0.18〜0.27の範囲とする必要がある。これらの式の元素記号はそれぞれその元素の含有量(質量%)を示すものとする。
【0044】
F=−109C+133Si+21Mn+1191P−2532S+42Cu+41Ni+66Cr
−36Mo+1138Nb+237V+1752Ti+5886B−1318Al−8519N・・・・(1)
Pcm=C+(Si/30)+(Mn/20)+(Cu/20)+(Ni/60)
+(Cr/20)+(Mo/15)+(V/10)+5B ・・・・(2)
式(1)のF値は50を下回ると、とくに母材、溶接部のいずれも靱性が劣る傾向を示し、靱性がよければ母材の引張強さが目標値を下回るようになる。より靱性のすぐれたものを得るためには、F値を70以上にするのが好ましい。
【0045】
式(2)のPcm値は高くなると溶接割れ感受性が大となって溶接性が劣化するので、0.27以下であることとする。しかし、Pcm値が0.18を下回るようになると目標とする引張強さが得られなくなる。
【0046】
他にCa、Mg、ZrまたはREM等を微量添加すると、これらの元素は硫化物など非金属介在物の形態を変化させ、母材靱性やHAZ靱性を改善する効果がある。上記の成分以外はFeおよび不純物とする。
【0047】
引張強さが490MPa以上であり、かつ靱性の良好な極厚鋼材の金属組織は、フェライトが全体の60〜95%であり、かつフェライトの平均結晶粒径が35μm以下であることとする。この場合、鋼材の断面の光学顕微鏡組織観察において、フェライト組織の面積率が60〜95%であり、そのフェライト部分の平均結晶粒径が35μm以下であればよい。
【0048】
これは、フェライト組織の面積率が95%を超えると強度が目標値に達せず、60%未満であれば靱性が低下するからである。良好な靱性であるために望ましいのは、フェライト組織の面積率を70〜95%とすることである。また、本発明の鋼材の組織はフェライトが主であるが、フェライトの平均結晶粒径が大きくなると靱性が低下する。したがってフェライト平均結晶粒径を35μm以下とするが、より望ましいのは28μm以下である。
【0049】
本発明の極厚鋼材は、成分を調整した溶鋼により、得られた鋼塊を分塊圧延して製造した鋼片、または連続鋳造法で製造した鋼片を熱間圧延して製造する。熱間圧延時の素材鋼片の加熱温度は1200〜1350℃の温度範囲とし、目的とする形状に応じて圧延加工するが、これらは通常実施される条件でおこなえばよい。加熱温度は、1200℃未満では広幅の極厚鋼材の圧延をおこなうには、変形抵抗が大きくなって加工困難となり、1350℃を超える加熱は、加熱のためのコストが上昇するばかりでなく、酸化が著しく歩留まりの低下や表面品質の低下を来す。
【0050】
しかし、熱間圧延は可能なら比較的低温でおこなえば、γ組織の回復、再結晶および粒成長の速度が減少し、変態後の組織は微細化し、母材の靱性を向上させることができる。したがって、鋼表面温度が950℃以下になってから仕上げ終了までの圧下率が30%以上となるように、圧延をおこなうことが望ましい。
【0051】
熱間圧延の終了後は、常温まで放冷または空冷とする。これは強制冷却を実施すれば、強度を向上させることができるが、極厚鋼材の場合、厚さ方向の機械的性質が変動したり、極厚H形鋼などの形鋼では部位により強度や靱性が異なってしまうことがあるからである。
【0052】
強度を確保し靱性をより一層向上させ、板厚や部位による機械的性質の変動を少なくし、かつ金属組織を確実に目標のものとするには、Ar3点近傍の冷却を制御しその間における平均冷却速度を0.5〜3℃/sとするのが望ましい。この制御冷却は、熱間圧延終了後の圧延鋼材の温度がAr3点以上の温度にあるときから制御を開始して「Ar3点−150℃」の温度に至れば制御を停止し、その後は放冷するのがよい。なおAr3点は、あらかじめ鋼片から試料を採取し熱膨張計などを用いて実測してもよく、組成から一般的に用いられる推測式により求めてもよい。
【0053】
上記の制御冷却する温度範囲では、放冷のようなゆっくりした冷却はフェライト結晶粒が大きくなりすぎることがあり、強度も靱性も低下するおそれがあるので、0.5℃/s以上の平均冷却速度とするのが望ましい。しかし、3℃/sを超える平均冷却速度にすると、板厚や部位による機械的性質の変動が大きくなり、その上ベイナイト組織が増加し靱性を悪くするおそれがある。
【0054】
さらに、この制御冷却を「Ar3点−150℃」までの温度範囲内で停止し、その後放冷とすれば、とくにH形鋼など形鋼の形状精度を確保し、冷却により生じる残留応力を軽減する効果がある。
【0055】
本発明の方法は、H形鋼、I形鋼、溝形鋼、等辺山形鋼、不等辺山形鋼、T形鋼など様々な形状の形鋼の製造に好適であり、またテーパー鋼板を含む厚鋼板の製造にも適用できる。なお、本発明に係る鋼材は、建築物、橋梁、その他の強度を必要とする広い用途に用いることができる。
【0056】
【実施例】
〔実施例1〕
表1に示す化学組成を有する鋼片を連続鋳造法にて製造し常温まで冷却後再加熱し、ブレークダウン圧延、粗ユニバーサル圧延、仕上ユニバーサル圧延を施して、下記寸法の極厚H形鋼を製造した。圧延終了温度はフランジ部の幅の端部から1/4の位置の表面で測定し、圧延終了後室温まで空冷した。再加熱温度および圧延終了温度を表2に示す。
【0057】
H形鋼寸法
フランジ幅:510mm、 フランジ肉厚:60mm
ウエブ肉厚:60mm、 高さ(H) :572mm
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
図1に示すように、圧延ままのH形鋼のフランジ部の幅Bの1/4の位置で、フランジ1の肉厚T表面から1/4の深さ位置で試験片の長手方向が圧延方向になるようにシャルピー衝撃試験片(図中点線で示す)および引張試験片を採取した。引張試験片はJIS-Z-2201に規定の4号引張試験片、シャルピー衝撃試験片はJIS-Z-2202に規定の4号試験片とした。これらの試験片にて降伏応力、引張強さおよび0℃と−20℃での衝撃吸収エネルギー(vE0℃、vE-20℃)を測定した。同じ位置で金属組織観察用試験片を採取し、圧延方向に平行な断面でのフェライトの面積率および平均結晶粒径を測定した。また、フィレット部からもシャルピー衝撃試験片をその長手方向が圧延方向になるように採取し、−20℃での衝撃吸収エネルギーを測定した。これらの結果を表2に示す。
【0061】
大入熱溶接部の靱性を評価するため、H形鋼の端部同士を突き合わせて溶接入熱が約100kJ/cmのサブマージアーク溶接をおこなった。図2は、溶接したH形鋼のフランジの側面図である。シャルピー衝撃試験片は、ボンド部とボンドから3mm母材に寄った位置とから採取した。ボンド部からの採取は、ボンド部にVノッチがくるように、またボンドから3mm母材側に寄った位置からの採取は、その位置にVノッチがくるようにし、シャルピー衝撃試験片の長手方向は圧延方向に平行にした。各試験片について−20℃での衝撃エネルギーを調べた。これらの結果も合わせて表2に示す。
【0062】
表2から明らかなように、本発明例のTi、Bを含有し、Alが0.02%以下で、F値が50以上の鋼番号1〜10により製造したH形鋼は、母材の圧延ままでのvE−20℃がフランジ部、フィレット部共に50J以上あり、溶接ボンド部、HAZ3mm部のvE−20℃も50J以上ある。一方、比較例の鋼番号11〜14によるH形鋼では、母材のvE−20℃が50J未満、溶接部のvE−20℃も50J未満であるが、これらはS、B、Ti、Alの含有量およびF値のいずれかが本発明で規定する範囲外を外れているからである。
【0063】
〔実施例2〕
表1に示した鋼番号7〜10の鋼片を用い、加熱温度を1250〜1330℃とし実施例1と同じ寸法の極厚H形鋼を熱間圧延して、圧延終了後フランジ部の幅の端部から1/4の位置の温度が、Ar3点を上回る温度にある状態から水冷を開始し、15秒後にこの水冷を停止した。水冷停止後表面温度は復熱するので復熱後の温度を冷却終了温度とし、鋼片全体の平均冷却速度(℃/s)は{(水冷前温度)−(復熱後の温度)}/(水冷時間)として求めた。これら熱間圧延温度、冷却制御条件を表3に示す。
【0064】
実施例1と同様にしてフランジ部から試験片を採取し、引張試験および衝撃試験をおこなった結果も表3に示すが、同じ鋼による表2の結果に比し、衝撃値がすぐれていることがわかる。
【0065】
【表3】
【0066】
【発明の効果】
本発明によれば、母材の靱性と大入熱溶接熱影響部の靱性とが共にすぐれた極厚鋼材、とくに極厚H形鋼が得られ、建設構造物の大型化や建設工事の省力化に大きく寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験片の採取位置を説明するためのH形鋼の斜視図である。
【図2】溶接したH形鋼のフランジの側面図である。
Claims (2)
- 質量%で、C: 0.05 〜 0.15 %、Si: 0.01 〜 0.55 %、Mn: 0.3 〜 1.6 %、P: 0.02 %以下、S: 0.008 %以下、 sol. Al: 0.003 〜 0.02 %、N: 0.002 〜 0.01 %、Ti: 0.005 〜 0.025 %、Ni: 0.05 〜4%およびB: 0.0005 〜 0.0025 %を含有するとともに、Cu: 0.05 〜 1.6 %、Cr: 0.05 〜1%、Mo: 0.05 〜1%、Nb: 0.005 〜 0.05 %およびV: 0.005 〜 0.25 %のうちの1種または2種以上を含有し、残部Feおよび不純物からなり、かつ、Ti/Nが1〜3で、下記 (1) 式で与えられるF値が 50 以上であり、加えて下記 (2) 式で与えられるP cm 値が 0.18 〜 0.27 である素材鋼片を1200〜1350℃に加熱して熱間圧延し、Ar3点以上で圧延を終了させた後、常温まで放冷または空冷することを特徴とする金属組織のフェライトの比率が全体の 60 〜 95 %を占め、フェライト平均結晶粒径が 35 μm以下である極厚鋼材の製造方法。
F=−109C+133Si+21Mn+1191P−2532S+42Cu+41Ni+66Cr
−36Mo+1138Nb+237V+1752Ti+5886B−1318Al−8519N・・・・(1)
Pcm=C+(Si/30)+(Mn/20)+(Cu/20)+(Ni/60)
+(Cr/20)+(Mo/15)+(V/10)+5B ・・・・(2)
ここで、元素記号は各元素の含有量(質量%)を示す。 - 質量%で、C: 0.05 〜 0.15 %、Si: 0.01 〜 0.55 %、Mn: 0.3 〜 1.6 %、P: 0.02 %以下、S: 0.008 %以下、 sol. Al: 0.003 〜 0.02 %、N: 0.002 〜 0.01 %、Ti: 0.005 〜 0.025 %、Ni: 0.05 〜4%およびB: 0.0005 〜 0.0025 %を含有するとともに、Cu: 0.05 〜 1.6 %、Cr: 0.05 〜1%、Mo: 0.05 〜1%、Nb: 0.005 〜 0.05 %およびV: 0.005 〜 0.25 %のうちの1種または2種以上を含有し、残部Feおよび不純物からなり、かつ、Ti/Nが1〜3で、下記 (1) 式で与えられるF値が 50 以上であり、加えて下記 (2) 式で与えられるP cm 値が 0.18 〜 0.27 である素材鋼片を1200〜1350℃に加熱して熱間圧延し、圧延終了後のAr3点以上の温度にある状態から、「Ar3点−150℃」になるまでの温度範囲内で、圧延材全体の平均冷却速度が0.5〜3℃/sである強制冷却をおこない、その後は常温まで放冷または空冷することを特徴とする金属組織のフェライトの比率が全体の 60 〜 95 %を占め、フェライト平均結晶粒径が 35 μm以下である極厚鋼材の製造方法。
F=−109C+133Si+21Mn+1191P−2532S+42Cu+41Ni+66Cr
−36Mo+1138Nb+237V+1752Ti+5886B−1318Al−8519N・・・・(1)
Pcm=C+(Si/30)+(Mn/20)+(Cu/20)+(Ni/60)
+(Cr/20)+(Mo/15)+(V/10)+5B ・・・・(2)
ここで、元素記号は各元素の含有量(質量%)を示す。
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