JP3589071B2 - 溶接性、強度および靱性に優れた極厚形鋼の製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、安価でありながら溶接性、強度および靱性に優れた極厚形鋼の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばフランジ厚さ、ウェブ厚さがともに50mmである極厚の圧延形鋼といった極厚の圧延鋼材では、一般的に圧延時の圧下率が小さくなりがちである。そのため、圧延素材に充分な圧下を行い難くなることに起因して、成品である圧延鋼材 (以降の説明は極厚の圧延形鋼を例にとる。) には強度低下が発生し易くなる。
【0003】
このような強度低下を防止するには圧延形鋼へ強度増加合金元素を添加すればよいが、強度増加合金元素の添加量の増加に伴って、炭素当量Ceq.が増加し、0.45% (本明細書では、特にことわりがない限り「%」は「重量%」を意味するものとする。) 以上にも及ぶことが多い。このため、極厚の圧延形鋼では、フランジ厚さおよびウェブ厚さの増加に伴う溶接入熱量の増大とあいまって、溶接性が著しく劣化してしまう。
【0004】
ところで、極厚の鋼板の高強度化を行う方法として、従来より、▲1▼焼入れ・焼戻しを行う方法、▲2▼圧延後に制御冷却を行う方法、▲3▼低温圧延を行う方法が知られている。しかし、これらの極厚の鋼板に対する高強度化方法を、極厚の圧延形鋼に流用することはできない。
【0005】
すなわち、圧延形鋼は断面形状が複雑であるために、▲1▼の焼入れ・焼戻しを行われたフランジとウェブとには、焼入れ時の冷却、焼戻し時の加熱、さらにはその後の冷却における加熱速度および冷却速度の差が発生し、最終的に100 ℃以上にも及ぶ大きな温度差が発生してしまう。そのため、ウェブ曲り等の変形が発生し易くなり、生産性およびコストが著しく悪化してしまう。
【0006】
また、▲2▼の制御冷却を行うと、▲1▼と同様に、フランジおよびウェブそれぞれの冷却速度の差に起因して100 ℃以上にも及ぶ大きな温度差が発生してしまう。
さらに、▲3▼の低温・大圧下の圧延法は、一般的に鋼板の圧延機に比較すると形鋼の圧延機のミル剛性が低いために、形鋼の圧延に用いることはできない。
【0007】
そのため、例えば特開平8−197104号公報や同8−197105号公報には、圧延ラインにオンライン冷却設備を設置し、950 ℃以上に高温仕上げした鋼材に強制冷却を行うことにより、極厚H形鋼の強度を、溶接性を損なうことなく、確保する発明が提案されている。
【0008】
また、特開平9−125138号公報には、1170℃以下の粗形鋼片に複数パスの中間圧延と複数パスの仕上圧延とを行うとともに、中間圧延と仕上圧延とのそれぞれにおいては、短時間のフランジ水冷を行うことにより、溶接性に優れた高靱性および高張力の極厚H形鋼を製造する発明が提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平8−197104号公報または同8−197105号公報により提案された発明では、圧延ラインに冷却設備を設置する必要があり、相当の設備費が必要になってしまう。また、圧延後のH形鋼の全長は通常100 m以上にも及ぶため、長手方向の温度ばらつきを制御する必要もあるが、このような温度制御は極めて難しいとともに、このためにさらに生産性およびコストが増加してしまう。さらに、設置スペースの問題で圧延ラインに冷却設備を設置できない場合には実施できない。
【0010】
また、特開平9−125138号公報により提案された発明は、低温で中間圧延および仕上圧延を行うことになり、一般的な形鋼の圧延機では実施できない。
さらに、現在、板厚40mm以上の極厚鋼板に要求される機械的性能は、JIS G 3136に示されるように、降伏点:295 〜415 N/mm2 、引張強さ:490 〜610 N/mm2 、伸び:23%以上、0℃Vノッチシャルピー吸収エネルギー:27J以上とされている。しかし、阪神大震災の教訓から、柱材用の形鋼に対しては、JIS G 3136に示される0℃Vノッチシャルピー吸収エネルギー:27J以上では靱性が足りず、少なくとも100 Jは必要であるとの報告がなされている。また、板厚40mm以上の極厚鋼板の降伏点の規定値は、薄鋼板よりも、下限値で20N/mm2 低く設定されている。しかし、ユーザー側では極厚鋼板に関しても325 〜445 N/mm2 の降伏点を有することが要求されている。
【0011】
したがって、柱材用の形鋼に関しては、前述した従来の提案によっては得られないような、高靱性化および高強度化を図る必要がある。
ここに、本発明の目的は、設備増設を行うことなく、溶接性、強度および靱性に優れた極厚形鋼を、熱処理を行うことなく、製造する方法を提供することである。
【0012】
具体的には、降伏点:325〜445 N/mm2、引張強さ:490〜610 N/mm2、伸び:23%以上、0℃Vノッチシャルピー吸収エネルギー:208 J以上である、板厚が40mm以上の50キロ級極厚形鋼を、熱処理を行うことなく、製造する方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、目的に応じたマイクロアロイの複合添加を行ったスラブを用い、このスラブを圧延素材として適正温度域で適正圧下率の圧延を行うことにより、圧延後の熱処理や強制冷却を必要とせず、低炭素当量であって溶接性、強度および靱性に優れた50キロ級極厚形鋼を製造するものである。
【0014】
ここに、本発明の要旨とするところは、C:0.05〜0.10%、Si:0.05〜0.55%、Mn:1.00〜1.90%、P:0.020 %以下、S:0.008 %以下、Cu:1.00%以下、Nb:0.020 〜0.050 %、V:0.050 〜0.100 %、Ti:0.010 〜0.030 %、sol.Al:0.005 〜0.030 %、N:0.003 〜0.005 %、残部Feおよび不可避不純物からなる鋼組成を有し、下記(a) 式により規定される炭素当量Ceq.が0.34〜0.40%であるスラブを、Ar3変態点以下の温度域から1250〜1350℃へ加熱して熱間粗圧延を行い、950 〜900 ℃の温度域で熱間中間圧延を開始し、Ar3変態点以上のオーステナイト未再結晶温度域における総圧下率が35%以上となるように熱間中間圧延を行い、さらに熱間仕上げ圧延を行い、その後室温まで放冷することによって、板厚中央部における0℃Vノッチシャルピー吸収エネルギーが208J以上の形鋼を製造することを特徴とする溶接性、強度および靱性に優れた極厚形鋼の製造法である。
【0015】
別の観点からは、本発明は、C:0.05〜0.10%、Si:0.05〜0.55%、Mn:1.00〜1.90%、P:0.020 %以下、S:0.008 %以下、Cu:1.00%以下、Nb:0.020 〜0.050 %、V:0.050 〜0.100 %、Ti:0.005 〜0.030 %、sol.Al:0.005 〜0.050 %、N:0.001 〜0.005 %、残部Feおよび不可避不純物からなる鋼組成を有し、上記(a) 式により規定される炭素当量Ceq.が0.32〜0.40%であるスラブを、Ar3変態点以下の温度域から1250〜1350℃へ加熱して熱間粗圧延を行い、950 〜900 ℃の温度域で熱間中間圧延を開始し、Ar3変態点以上のオーステナイト未再結晶温度域における総圧下率が35%以上となるように熱間中間圧延を行い、さらに熱間仕上げ圧延を行い、その後室温まで放冷することによって、板厚中央部における0℃Vノッチシャルピー吸収エネルギーが208J以上の形鋼を製造することを特徴とする溶接性、強度および靱性に優れた極厚形鋼の製造法である。
【0016】
上記の本発明にかかる溶接性、強度および靱性に優れた極厚形鋼の製造法では、(1) スラブが連続鋳造スラブである場合には、連続鋳造後にAr3変態点以下の温度域への冷却を行うこと、(2) (1) 項における冷却は、徐冷、水冷または空冷であること、(3) 熱間粗圧延を終了した後に、引き続き、または一旦冷却を行ってから、熱間中間圧延を行うこと、(4)Ar3変態点は、得られる成品のフランジ厚さをt(mm)とした場合の下記(b) 式により算出されるか、または実測により求められること、(5) オーステナイト未再結晶温度域は、850 〜750 ℃であること、(6) スラブは、さらに、Ni:1.00%以下、Cr:0.50%以下、Mo:0.50%以下、およびB:0.0003〜0.0050%からなる群から選ばれた一種以上を含有することが、いずれも望ましい。
【0017】
Ar3(℃) =910−310xC−80xMn−20xCu−15xCr−55xNi−80xMo+0.35x(t−8)・・・・・▲2▼
上記の本発明にかかる溶接性、強度および靱性に優れた極厚形鋼の製造法において、「形鋼」には、建築構造物の柱材として用いられる形鋼が包含される。例えば、H形鋼、I形鋼、溝形鋼、等辺山形鋼、不等辺山形鋼さらにはT形鋼等を例示することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる溶接性、強度および靱性に優れた極厚形鋼の製造法を、詳細に説明する。なお、本実施形態では、スラブが連続鋳造スラブであるとともに形鋼がH形鋼である場合を例にとって、説明を行う。
まず、用いるスラブの組成を限定する理由を説明する。
【0019】
(C:0.05〜0.10%)
Cは、0.05%以上含有することにより鋼の強度および硬度を増加させるが、0.10%を超えて過剰に含有すると、鋼の靱性を損なうとともに炭素当量Ceq.を大幅に増加して溶接性を著しく損なう。そこで、本発明では、C含有量は0.05%以上0.10%以下と限定する。C含有量の下限は0.08%であることが望ましい。
【0020】
(Si:0.05〜0.55%)
Siは、強力な脱酸剤として有効であるとともに、鋼の強度を増加させる。Si含有量が0.05%未満では充分な脱酸効果が期待できず、一方0.55%を超えると鋼の靱性を損なう。そこで、本発明では、Si含有量は0.05%以上0.55%以下と限定する。
【0021】
(Mn:1.00〜1.90%)
Mnは、強度および靱性を向上させる。Mn含有量が1.00%未満では強度および靱性の向上効果が期待できず、一方1.90%を超えると強度増加作用が飽和するとともに靱性が低下する。そこで、本発明では、Mn含有量は1.00%以上1.90%以下と限定する。
【0022】
(P:0.020 %以下)
Pは、鋼中に不可避不純物として含有され、鋼の靱性を低下させるため、少ないほうが望ましい。特に、P含有量が0.020 %を超えると、連続鋳造スラブを用いた場合には、スラブ割れ等の悪影響がある。そこで、本発明では、P含有量は0.020 %以下と限定する。
【0023】
(S:0.008 %以下)
Sは、鋼中に不可避不純物として含有され、鋼の靱性を低下させるため、少ないほうが望ましい。特に、P含有量が0.008 %を超えると、連続鋳造スラブを用いた場合には、スラブ割れ等の悪影響がある。そこで、本発明では、P含有量は0.008 %以下と限定する。
【0024】
(Cu:1.00%以下)
Cuは、鋼の強度および靱性を向上させるが、含有量が1.00%を超えると、コスト上昇が著しくなる。そこで、本発明では、Cu含有量は1.00%以下と限定する。
【0025】
(Nb:0.020 〜0.050 %)
Nbは、鋼中において炭窒化物を形成して強度の増加をもたらすとともに、オーステナイト結晶粒を微細化して鋼の靱性を向上させる。Nbによる靱性向上効果は、1200℃以下ではTiよりも大きい。Nb含有量が0.020 %未満では強度増加が期待できず、一方0.050 %を超えると強度増加が飽和しコストが上昇するだけである。そこで、本発明では、Nb含有量は0.020 %以上0.050 %以下と限定する。Nb含有量の上限は0.040 %、下限は0.030 %であることが望ましい。
【0026】
(V:0.050 〜0.100 %)
Vは、鋼中において炭窒化物を形成して強度増加をもたらす。V含有量が0.050 %未満ではかかる効果が期待できず、一方0.100 %を超えるとスラブ品質に問題が発生する。そこで、本発明では、V含有量は0.050 %以上0.100 %以下と限定する。V含有量の上限は0.080 %、下限は0.060 %であることが望ましい。
【0027】
(Ti:0.005 〜0.030 %)
Tiは、鋼中において炭窒化物を形成しオーステナイト結晶粒を微細化させ、鋼の靱性を向上させる。靱性向上効果は、1200℃以上の高温側ではNbよりも大きい。つまり、スラブ加熱によりオーステナイト結晶粒が加熱温度に応じて粗大化するが、Tiは炭窒化物を形成し1250〜1350℃の加熱温度においても固溶せずオーステナイト結晶粒の粗大化を抑制する。よって、圧延開始時の初期オーステナイト粒径を最小限に確保することにより後のフェライト粒径を微細化することができる。また、その微細化作用により溶接部靱性も向上する。Ti含有量が0.005 %未満では靱性向上効果が期待できず、一方0.030 %を超えると、靱性向上効果は飽和しコストが上昇するだけとなる。そこで、本発明では、Ti含有量は0.005 %以上0.030 %以下と限定する。同様の観点から、Ti含有量の上限は0.025 %であることが望ましい。一方、Ti含有量の下限は0.010 %であることが望ましく、0.015 %であることがさらに望ましい。
【0028】
(sol.Al:0.005 〜0.050 %)
Alは、鋼の強力な脱酸剤として使用され、sol.Alの含有量が0.005 %未満では脱酸作用が不足し、一方0.050 %を超えるとコストが上昇するだけとなる。そこで、本発明では、sol.Al含有量は0.005 以上0.050 %以下と限定する。同様の観点から、sol.Al含有量の上限は0.030 %であることが望ましい。
【0029】
(N:0.001 〜0.005 %)
Nは、Nb、V、Tiと窒化物を生成し、強度および靱性を向上させる。特に、スラブ加熱時において分散しているTiNがオーステナイト結晶粒の粗大化を防止するため、H形鋼特有の高温加熱に有効である。N含有量が0.001 %未満ではかかる効果が期待できず、一方0.005 %を超えると鋼の溶接性が損なわれる。そこで、本発明では、N含有量は0.001 %以上0.005 %以下と限定する。同様の観点から、N含有量の下限は0.003 %であることが望ましい。
【0030】
本発明で用いるスラブは、上記以外に、Ni、Cr、MoおよびBからなる群から選ばれた1種以上を、任意添加元素として含有してもよい。以下、これらの任意添加元素についても説明する。
【0031】
(Ni:1.00%以下)
Niは、鋼の強度と靱性とをともに向上させるが、その含有量をいたずらに増加させることはその効果以上にコスト上昇をもたらす。そこで、Niを添加する場合には、その含有量は1.00%以下と限定することが望ましい。
【0032】
(Cr:0.50%以下)
Crは、鋼の強度と靱性とをともに向上させるが、その含有量をいたずらに増加させることはその効果以上にコスト上昇をもたらす。そこで、Crを添加する場合には、その含有量は0.50%以下と限定することが望ましい。
【0033】
(Mo:0.50%以下)
Moは、鋼の強度と靱性とをともに向上させるが、その含有量をいたずらに増加させることはその効果以上にコスト上昇をもたらす。そこで、Moを添加する場合には、その含有量は0.50%以下と限定することが望ましい。
【0034】
(B:0.0003〜0.0050%)
Bは、0.0003%以上含有することにより鋼の強度を増加させるが、0.0050%超含有するとその効果以上にコスト上昇をもたらす。そこで、Bを添加する場合には、その含有量は0.0003%以上0.0050%以下と限定することが望ましい。
上記以外の組成は、Feおよび不可避的不純物である。
【0035】
(炭素当量Ceq.:0.32〜0.40%)
本発明で用いるスラブは、(a) 式により規定される炭素当量Ceq.が0.32〜0.40%である。炭素当量Ceq.は溶接性を判断する指標の一種であり、炭素当量Ceq.が上昇するにつれて溶接性が悪化する。炭素当量Ceq.が0.40%を越えると溶接割れ等の弊害が発生し、一方0.32%を下回ると鋼の強度を所望の程度に保つことができない。そこで、本発明では、炭素当量Ceq.を0.32%以上0.40%以下と限定する。同様の観点から、炭素当量Ceq.の下限は0.34%であることが望ましい。
【0036】
(Ar3 変態点以下の温度域へのスラブ冷却)
本実施形態と同様に、H形鋼用スラブは連続鋳造により製造される。連続鋳造直後のスラブは、結晶粒が最も粗大化している。この状態から圧延を開始すると、最終的にフェライト結晶粒も大きくなって、その分だけ強度および靱性の低下を招く。したがって、連続鋳造後に一旦Ar3 変態点以下の温度域へのスラブ冷却を行い、その後に再加熱することにより、フェライトをオーステナイトに変態させ圧延初期オーステナイト結晶粒の微細化を行うことが効果的である。そのため、連続鋳造スラブを、オーステナイトがフェライトへ変態するAr3 変態点以下まで空冷、炉冷または水冷等によって冷却する。
【0037】
Ar3 変態点は、本実施形態では(b) 式により算出した。しかし、適宜手段により実測して求めてもよいことはいうまでもない。なお、本実施形態とは異なり、造塊スラブを用いる場合には、このようなスラブ冷却工程は不要であることはいうまでもない。
【0038】
(Ar3 変態点以下の温度域から1250〜1350℃への加熱)
H形鋼用圧延機のミル剛性は、厚板用圧延機のミル剛性に比較すると、非常に小さい。そのため、スラブ加熱温度が1250℃未満であるとトルクオーバー等の圧延トラブルを発生し易く、圧下不能の事態を招くおそれがある。また、スラブ加熱温度が1350℃を超えると、加熱炉の燃料原単位が上昇するのみであって不経済かつ無意味である。そこで、本発明では、スラブ加熱温度は1250℃以上1350℃以下と限定する。
【0039】
なお、本実施形態では、スラブに適量のTiが含有されているため、この加熱時に、Tiは炭窒化物を形成し1250〜1350℃の加熱温度においても固溶せずオーステナイト結晶粒の粗大化を抑制する。
【0040】
(熱間粗圧延)
熱間粗圧延は、鋼材の機械的性能を向上する工程ではなく、鋼材の機械的性能を制御する次の熱間中間圧延の前段階圧延工程である。通常、粗ユニバーサル圧延機を用いて複数パスのリバース圧延が行われて、中間圧延素材である粗形鋼片が得られる。本発明では、熱間粗圧延は、通常の圧延条件で行えばよい。
【0041】
(熱間中間圧延)
熱間粗圧延を終了した後に、引き続き、または一旦冷却を行ってから、熱間中間圧延が行われる。連続して熱間中間圧延を行うほうがエネルギの点で有利であるが、連続して熱間中間圧延を行うことができない場合には、一旦冷却して再度加熱してから行ってもよい。
【0042】
熱間中間圧延は、粗形鋼片の造形を行って中間圧延材とするとともに、スラブ加熱時に粗大化した結晶粒を微細化して適度な強度および靱性を中間圧延材に与える圧延工程であり、本発明の中心的圧延工程である。
【0043】
この熱間中間圧延工程は、エッジャー圧延機および粗ユニバーサル圧延機を用いて、複数パスのリバース圧延により行われる。
この圧延工程においては、中間圧延材の温度は約100 〜150 ℃低下する。圧延機の性能およびオーステナイト未再結晶域であることを考慮した望ましい仕上げ温度は、後述するように、850 〜750 ℃である。
【0044】
よって、熱間中間圧延の圧延開始温度は、950 ℃以下とする。圧延開始温度が950 ℃超であると、圧延終了時にオーステナイトの再結晶・粗大化のため、微細化させたオーステナイト結晶粒が粗大化し、さらに圧延中に導入した変形帯も減少することからフェライト結晶核が減少し微細フェライトを得ることができなくなる。一方、圧延開始温度が900 ℃未満であると、極厚H形鋼の場合には圧延終了時に圧延不可能な750 ℃未満の温度域まで低下する。そこで、本発明では、熱間中間圧延の圧延開始温度は、950 ℃以下900 ℃以上と限定する。
【0045】
また、Ar3 変態点以上のオーステナイト未再結晶温度域、すなわち850 ℃以下750 ℃以上の温度域における総圧下率が35%未満であると、所望の強度および靱性がいずれも得られない。そこで、本発明では、Ar3 変態点以上のオーステナイト未再結晶温度域における総圧下率を35%以上と限定する。
これら以外の熱間中間圧延条件に関する限定は、不要である。
【0046】
(熱間仕上げ圧延)
熱間仕上げ圧延は、仕上ユニバーサル圧延機により通常1パスの圧延により行われ、熱間粗圧延後のH形鋼の形状を整える最終圧延工程である。この熱間仕上げ圧延では、フランジの寸法修正等が行われる程度であって圧下は殆ど行われない。仕上ユニバーサル圧延機の性能を勘案し、仕上げ温度は熱間中間圧延と同様に850 ℃以下750 ℃以下が望ましい。
【0047】
(室温までの放冷)
熱間仕上圧延後の冷却過程で変態したフェライトは、時間の経過とともにその結晶粒が成長して粗大化するが、圧延工程での圧下によりミクロ組織は充分に微細化されているため、最終的に得られるフェライト結晶粒も微細なものとなり、放冷により充分な靱性が確保される。むしろ、加速冷却等を施すと冷却むらが発生し機械的性質にばらつきを生じてしまう。そこで、熱間仕上圧延後の冷却は、放冷により、行う。
【0048】
このように、本発明にかかる極厚形鋼の製造法によれば、組成の最適化により溶接性が確保され、Ti添加によって1250〜1350℃の高温加熱時のオーステナイト結晶粒の粗大化が防止され、NbおよびVの複合添加によりAr3 変態点以上の温度域で圧延される際のオーステナイト結晶粒微細化と、Nb炭窒化物およびV炭窒化物の析出による析出強化とが図られる。
【0049】
このようにして、本発明によれば、設備増設を行うことなく、溶接性、強度および靱性に優れた極厚H形鋼を、熱処理を行うことなく、製造することができる。具体的には、降伏点:325〜445 N/mm2、引張強さ:490〜610 N/mm2、伸び:23%以上、0℃Vノッチシャルピー吸収エネルギー:208J以上である、板厚が40mm以上の50キロ級極厚H形鋼を、熱処理を行うことなく、製造することができる。
【0050】
【実施例】
さらに、本発明を実施例を参照しながら、より具体的に説明する。
表1に示す鋼組成を有する連続鋳造スラブを、連続鋳造終了後に室温まで空冷し、1250〜1350℃の温度域に再加熱を行って、熱間粗圧延を行って粗形鋼片とした。なお、1400℃まで加熱すると、融点近傍であるために熱間粗圧延時に素材がロールに焼付いてしまい、圧延は困難であった。
【0051】
【表1】
【0052】
熱間粗圧延温度は1300℃であった。そして、この粗形鋼片に熱間中間圧延を行った。熱間中間圧延における圧延開始温度、圧延終了温度およびAr3 変態点以上のオーステナイト未再結晶温度域における総圧下率は、表2に示す。
【0053】
【表2】
【0054】
そして、熱間仕上げ圧延を行い、その後室温まで放冷することにより、試料No.1〜試料No.19 の極厚溝形鋼を得た。この極厚溝形鋼の寸法は、フランジ幅303 mm、ウェブ幅606
mm、フランジ厚さ50mm、ウェブ厚さ50mmであった。
【0055】
これらの溝形鋼のフランジ部の板厚中央部から、JIS Z 2201 1A の引張試験片とJIS Z 2202 4号のシャルピー衝撃試験片とを切り出し、YP、TS、ELおよびvE0 を測定した。結果を表2にあわせて示す。
【0056】
表2に示すように、本発明の範囲を全て満足する条件で製造された試料No.1〜試料No.13 は、50キロ級の強度を確保し、靱性もvE0で208J以上を確保することができた。また、これらは、炭素当量Ceq.が0.32〜0.40%の間にあり、溶接性も優れることが確認された。
【0057】
これに対し、試料No.14 はC含有量が本発明の範囲の下限を下回り、試料No.15 はSi含有量が本発明の範囲を下回り、試料No.16 はMn含有量が本発明の範囲を下回り、試料No.17 は、NbおよびVがともに本発明の範囲を下回っている。そのため、試料No.14 〜試料No.17 はいずれも強度が不足し、試料No.14 、16、17は溶接性も劣化した。
【0058】
また、試料No.18 および試料No.19 は、ともにC含有量が本発明の範囲を上回っているため、強度を確保できたが靱性が著しく劣化した。
また、確認のため、試料No.3について、熱間中間圧延における圧延開始温度、終了温度および総圧下率が、表3に示すように本発明の範囲を満足しない条件に置換して、試料を製造し、得られた試料のYP、TS、ELおよびvE0を測定した。結果を表3にあわせて示す。
【0059】
【表3】
【0060】
表3から、本発明により特定された圧延条件、特に熱間中間圧延条件の有効性が明らかである。
【0061】
以上、詳細に説明したように、本発明により、設備増設することなく、溶接性、強度および靱性に優れた極厚形鋼を、熱処理を行うことなく、製造すること、具体的には、降伏点:325〜445 N/mm2、引張強さ:490〜610 N/mm2、伸び:23%以上、0℃Vノッチシャルピー吸収エネルギー:208J以上である、板厚が40mm以上の柱材用50キロ級極厚形鋼を、熱処理を行うことなく、製造することが可能となった。
かかる効果を有する本発明の意義は、極めて著しい。
Claims (2)
- 重量%で、C:0.05〜0.10%、Si:0.05〜0.55%、Mn:1.00〜1.90%、P:0.020 %以下、S:0.008 %以下、Cu:1.00%以下、Nb:0.020 〜0.050 %、V:0.050 〜0.100 %、Ti:0.010 〜0.030 %、sol.Al:0.005 〜0.030 %、N:0.003 〜0.005 %、残部Feおよび不可避不純物からなる鋼組成を有し、下記式により規定される炭素当量Ceq.が0.34〜0.40%であるスラブを、Ar3変態点以下の温度域から1250〜1350℃へ加熱して熱間粗圧延を行い、950 〜900 ℃の温度域で熱間中間圧延を開始し、Ar3変態点以上のオーステナイト未再結晶温度域における総圧下率が35%以上となるように熱間中間圧延を行い、さらに熱間仕上げ圧延を行い、その後室温まで放冷することによって、板厚中央部における0℃Vノッチシャルピー吸収エネルギーが208J以上の形鋼を製造することを特徴とする溶接性、強度および靱性に優れた極厚形鋼の製造法。
Ceq(%)=C(%)+Si/24(%)+Mn/6(%)+Ni/40(%)+Cr/5(%)+Mo/4(%)+V/14(%) - 重量%で、C:0.05〜0.10%、Si:0.05〜0.55%、Mn:1.00〜1.90%、P:0.020 %以下、S:0.008 %以下、Cu:1.00%以下、Nb:0.020 〜0.050 %、V:0.050 〜0.100 %、Ti:0.005 〜0.030 %、sol.Al:0.005 〜0.050 %、N:0.001 〜0.005 %、残部Feおよび不可避不純物からなる鋼組成を有し、下記式により規定される炭素当量Ceq.が0.32〜0.40%であるスラブを、Ar3変態点以下の温度域から1250〜1350℃へ加熱して熱間粗圧延を行い、950 〜900 ℃の温度域で熱間中間圧延を開始し、Ar3変態点以上のオーステナイト未再結晶温度域における総圧下率が35%以上となるように熱間中間圧延を行い、さらに熱間仕上げ圧延を行い、その後室温まで放冷することによって、板厚中央部における0℃Vノッチシャルピー吸収エネルギーが208J以上の形鋼を製造することを特徴とする溶接性、強度および靱性に優れた極厚形鋼の製造法。
Ceq(%)=C(%)+Si/24(%)+Mn/6(%)+Ni/40(%)+Cr/5(%)+Mo/4(%)+V/14(%)
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