JP3521846B2 - 圧延h形鋼の製造方法 - Google Patents
圧延h形鋼の製造方法Info
- Publication number
- JP3521846B2 JP3521846B2 JP2000142913A JP2000142913A JP3521846B2 JP 3521846 B2 JP3521846 B2 JP 3521846B2 JP 2000142913 A JP2000142913 A JP 2000142913A JP 2000142913 A JP2000142913 A JP 2000142913A JP 3521846 B2 JP3521846 B2 JP 3521846B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- less
- rolling
- steel
- toughness
- section steel
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Metal Rolling (AREA)
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
Description
方法に関し、詳しくは、強度が高く母材およびHAZの
靱性に優れる圧延H形鋼の高能率生産を可能にする、圧
延H形鋼の製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】H形鋼は、建築、土木、橋梁を中心に幅
広く適用されており、インフラの整備には欠くことので
きない役割を果たしてきている。そういった性格から、
常に安価に安定的に供給することが望まれており、加え
て、高強度化や耐震性の観点からの高靭性化といった特
性改善が求められている。鋼材に高張力かつ高靭性を付
与しうる圧延製造方法として、厚鋼板等の板圧延に広く
適用されている制御圧延- 制御冷却法(いわゆるTMCP
法)がある。 【0003】しかしながら、H形圧延にTMCP法を適用す
ると、フランジとウェブとで圧延条件や冷却条件が異な
るために、組織の種類やサイズが変化し、H形鋼製品の
幅方向や厚み方向において大きな材質ばらつきが発生す
る。この材質ばらつきは、例えば、地震発生時に建築物
の骨組みを所定形状で崩壊させ、この骨組み材の塑性化
によって建物の崩壊を防ぐという耐震設計(鉄と鋼:第
74年(1998)第6号第11〜21頁参照)が行われる建築構造
物への適用を難しくする問題がある。 【0004】材質ばらつきを低減する手段として、特開
平8―144019号公報、特開平9―310117号公報および特
開平10―72620 号公報に、冷却速度の変化に拘わらず鋼
組織をベイナイト主体組織とするH形鋼等鋼材の製造方
法が提案されている。これらは、極低C- 高Mn- B系の
化学組成(以下、単に組成という)とすることで冷却速
度可変域内での変態組織をベイナイト主体組織として材
質ばらつきの低減を図り、かつC減量による低Pcm 化に
より溶接性の向上を図ったものである。 【0005】しかしながら、これらは、厚鋼板や主とし
てフランジ厚50mm超の極厚H形鋼を対象としており、圧
延効果(圧延による組織微細化)が期待できる比較的薄
いサイズのH形鋼に対しては、必ずしも最適なものでは
ない。最近では、かかる比較的薄いサイズのH形鋼につ
いて、製造コストをさらに低減し、しかも強度および靱
性をより一層向上させることが強く要望されている。 【0006】また、靱性の改善手段としては、特許1999
608 号公報に、溶接構造用鋼のHAZ靭性を対象とし
て、Alを基本的に無添加とし、Tiによる脱酸処理を行
い、Ti酸化物を主体とする介在物を分散させる方法が提
案されているが、この方法を圧延H形鋼に適用しても、
形鋼素材(ブルームやビームブランク等)の加熱条件が
溶接構造用鋼の素材(スラブ)よりも高温側(例えば13
00℃超)かつ長時間側にあり、また特にフィレット部
(H形鋼のフランジとウエブとの交錯部)では圧延効果
が小さく圧延後の冷却速度も小さいことから、靱性改善
の効果は不十分であった。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】前記従来技術の諸問題
に鑑み、本発明は、比較的薄いサイズでTS(引張強
さ)500 〜700MPaにわたる幅広い要求強度レベルに対応
できてしかも優れた靱性を有する圧延H形鋼を、より安
価な成分コストおよび圧延コストで有利に製造しうる、
圧延H形鋼の製造方法を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成すべく、圧延H形鋼の成分系と製造工程について綿
密な見直しを行い、以下の知見を得た。鋼の清浄性を
確保するために、溶製過程でAl脱酸が行われる。しか
し、Al脱酸を行うとRH処理時に溶鋼中にAl2O3 が生成
し、これが連鋳(連続鋳造)時に取鍋ノズルやタンディ
ッシュノズルに付着・堆積してノズル閉塞を発生させ、
生産性が低下する。このAl脱酸に代えてSi脱酸とするこ
とにより前記ノズル閉塞が抑制される。 【0009】比較的薄物のH形鋼でもフィレット部で
は圧延効果が小さく、この部分の高靱性化のためには加
熱時のγ粒を微細化する必要があり、それには加熱温度
を低温化することが望まれるが、形鋼圧延では造形性の
観点からこれを1200℃未満にすることができない。1200
℃以上の高温加熱条件下でγ粒微細化を達成するには、
高温で安定な析出物であるTiN によるγピン止め効果を
活用するのが有効で、かかるγピン止め効果は、TiとB
の複合添加により大きく発現する。 【0010】圧延途中の待機により被圧延材の温度を
下げるいわゆる制御圧延をH形鋼のユニバーサル圧延に
適用するのは、フィレット部の靱性向上効果が小さく、
圧延待機による生産性低下のデメリットの方が大きい。
圧延H形鋼の強度をTS範囲500 〜700MPa内の目標値
に精度よく的中させるには、Ti- B系にさらにNbを微量
添加した成分系が最適である。 【0011】本発明は上記の知見を基礎としてなされた
もので、その要旨は以下の通りである。 【0012】 【0013】Si脱酸にて溶製した溶鋼を連続鋳造して下
記(1)〜(4)のいずれかに記載の組成を有する素材
となし、該素材を1200〜1350℃に加熱後、ブレークダウ
ン圧延し、次いで圧延終了温度:850 ℃以上、圧延温度
950 ℃以下での累積圧下率:50%未満の条件で粗ユニバ
ーサル圧延し、次いで仕上ユニバーサル圧延することを
特徴とする圧延H形鋼の製造方法。記 (1)質量%で、C: 0.05 %以下、 Si : 1.0 %以下、 M
n : 0.6 〜 2.0 %、 Nb : 0.010 〜 0.10 %、 Ti : 0.005 〜
0.030 %、B: 0.003 〜 0.006 %、N: 0.005 〜 0.010
%を含み残部 Fe および不可避的不純物からなる組成 (2)質量%で、C: 0.05 %以下、 Si : 1.0 %以下、 M
n : 0.6 〜 2.0 %、 Nb : 0.010 〜 0.10 %、 Ti : 0.005 〜
0.030 %、B: 0.003 〜 0.006 %、N: 0.005 〜 0.010
%を含み、さらに Zr : 0.005 〜 0.10 %、 Hf : 0.005 〜 0.
10 %、 REM : 0.001 〜 0.01 %、 Ca : 0.0005 〜 0.010 %の
1種または2種以上を含み、残部 Fe および不可避的不純
物からなる組成 (3)質量%で、C: 0.05 %以下、 Si : 1.0 %以下、 M
n : 0.6 〜 2.0 %、 Nb : 0.010 〜 0.10 %、 Ti : 0.005 〜
0.030 %、B: 0.003 〜 0.006 %、N: 0.005 〜 0.010
%を含み、さらに Cu : 0.5 %以下、 Ni : 0.5 %以下、 C
r : 0.5 %以下の1種または2種以上を含み、残部 Fe お
よび不可避的不純物からなる組成 (4)質量%で、C: 0.05 %以下、 Si : 1.0 %以下、 M
n : 0.6 〜 2.0 %、 Nb : 0.010 〜 0.10 %、 Ti : 0.005 〜
0.030 %、B: 0.003 〜 0.006 %、N: 0.005 〜 0.010
%を含み、さらに Zr : 0.005 〜 0.10 %、 Hf : 0.005 〜 0.
10 %、 REM : 0.001 〜 0.01 %、 Ca : 0.0005 〜 0.010 %の
1種または2種以上、および Cu : 0.5 %以下、 Ni : 0.5
%以下、 Cr : 0.5 %以下の1種または2種以上を含み、
残部 Fe および不可避的不純物からなる組成 【0014】 【発明の実施の形態】本発明では、素材は転炉⇒RH処理
工程により溶製される。この溶製法では、転炉出鋼後、
合金調整のため溶鋼にFe-Mn が投入されるが、Fe-Mn 中
に含まれるCが溶鋼中のC量を増加させるため、RH処理
時には脱炭処理を行う必要があり、この脱炭処理は比較
的長時間を要することから、その間に溶鋼中のMnがスラ
グと反応してMnO を多量に含むスラグが形成される。 【0015】そのため、Al脱酸を行うと、鋼中のAlとス
ラグ中のMnO とが反応して高融点化合物であるAl2O3 が
生成し、これが鋳込みの際に取鍋ノズルないしはタンデ
ィッシュノズルに付着、堆積してノズル閉塞を引き起こ
す。これに対し、Si脱酸を行うと、Al2O3 のような高融
点化合物が生成しないので、ノズル閉塞を回避すること
ができる。そこで、本発明では、素材溶製段階での脱酸
をSi脱酸にて行うものとした。これにより、ノズル閉塞
が解消され、生産性が大きく向上する。 【0016】また、本発明では、素材鋳片は連鋳鋳片に
限った。造塊鋳片では熱間圧延の前に鋼塊均熱- 分塊圧
延が必要となり生産性が悪いからである。次に、本発明
における組成(素材と製品とで同じ)の限定理由を述べ
る。なお、成分含有量に係る%は質量%を意味する。 C:0.05%以下 本発明では、H形圧延製品の組織をベイナイトにして同
製品の強度、靱性を高めようとするが、Cが0.05%を超
えるとベイナイトの多くの部分が島状マルテンサイトで
置換された組織となって、靱性が低下するほか、溶接性
およびHAZ靱性も低下するため、Cは0.05%以下とし
た。なお、HAZの粒界割れを防ぐ観点から、Cは0.01
4 %以上が好ましい。 【0017】Si:1.0 %以下 Siは、本発明において脱酸剤として必須に使用され、さ
らに鋼に固溶してこれを強化するが、反面、Cの拡散を
促して島状マルテンサイトの形成に与り、1.0%超では
島状マルテンサイトが増えすぎて靱性が劣化するため、
1.0 %以下とした。この靱性劣化をより小さく抑えるに
はSi:0.6 %以下が好ましい。なお、固溶強化効果を十
分に得るにはSi:0.05%以上が好ましい。 【0018】Mn:0.6 〜2.0 % Mnは、鋼のベイナイト変態強化のために重要な元素であ
るが、0.6 %未満ではその効果に乏しく、一方、2.0 %
超では溶接性を損なうため、0.6 〜2.0 %とした。 Nb:0.010 〜0.10% Nbは、本発明では強度調整のために最も効果のある元素
である。NbをTi、Bと複合して添加することでベイナイ
ト変態が促進され、かつ、Nb量を調整することでベイナ
イト変態温度を容易に変更できて、強度をTS500 〜70
0MPaの範囲内の目標値に精度よく的中させることができ
る。しかし、Nbは、0.010 %未満ではその効果に乏し
く、一方、0.10%超ではHAZの粒界割れを招くことか
ら、0.010〜0.10%とした。なお、HAZの粒界割れを
より確実に防ぐには、Nb:0.010 〜0.08%が好ましい。 【0019】Ti:0.005 〜0.030 % Tiは、鋼中のNと結合してできたTiN のγピン止め効果
により、圧延効果の小さいH形鋼フィレット部において
も組織を微細化して靭性を向上させる効果があるが、0.
005 %未満ではその効果に乏しく、一方、0.030 %超で
は、製鋼- 連鋳工程において高融点化合物を形成してノ
ズル閉塞を助長する。よって、Tiは0.005 〜0.030 %と
した。 【0020】B:0.003 〜0.006 % Bは本発明では固溶Bの粒界偏析による焼入れ性向上効
果を利用して強度増加を図るために添加される。加えて
本発明では前記のようにTiN のγピン止め効果による組
織微細化のためにTi、Nを所定の量だけ含有させる。こ
のTi、N量の範囲では、NがTiN 形成所要量よりも過剰
に存在し、このNの過剰分(固溶N)がBをBNとして固
定し、B<0.003 %では、BNとして固定されずに残るB
(固溶B)が不足して焼入れ性向上効果が不十分とな
る。一方、B>0.006 %では焼入れ性向上効果が飽和す
るか、あるいはBがFeとの化合物を形成して逆に焼入れ
性が低下し、また、溶接性も低下する。よって、Bは0.
003 〜0.006 %とした。 【0021】N:0.005 〜0.010 % Nは、鋼中のTiと結合してTiN を形成しそのγピン止め
効果により、高温に加熱されるH形鋼素材のγ粒を効果
的に微細化しうる有用な元素である。 図1は、Ti量、N
量を変化させた鋼素材をH形鋼フィレット部相当の圧延
条件(素材厚=100mm、仕上厚=40mm 、加熱温度=1300
℃、仕上温度=1050 ℃、圧延後冷却速度=0.3℃/s)で実
験圧延して得た材料について、靱性(0℃でのシャルピ
ー吸収エネルギー(vEo) で評価)に及ぼすTi量とN量の
影響を調べた結果を示すグラフである。なお、この実験
圧延では鋼素材として、0.03〜0.04%C-0.5%Si- 1.3〜1.
6%Mn- 0.03〜0.06%Nb-0.0035%B-Ti-N 鋼を用いた。 【0022】同図に示されるように、N:0.005%未満で
はγピン止め効果が小さいためにvEo:30J 以下と低靱性
であるが、N:0.005%以上ではvEo:30J 超の高靱性が得
られる。一方、N:0.010%超の領域では、固溶Bが不足
して焼入れ性が低下し、またHAZ靱性(図示省略)が
低下する。よって、Nは0.005 〜0.010 %とした。な
お、Ti量とN量とを両者の比(Ti/N)が2.0 〜3.4 となる
範囲に調整すると、より高靱性(vEo>70J)が得られるの
で好ましい。 【0023】また、本発明の組成には不可避的不純物が
含まれ、うちP、Sについては、極力それらの混入を防
止することが望ましいが、 P:0.05 %以下、S:0.04 %
以下であれば許容できる。なお、前述のように連鋳時の
ノズル閉塞の原因となるため本発明では無添加としたAl
も、耐火煉瓦などから不可避的に混入する不純物に属す
るが、混入Al量が0.005 %を超えなければノズル閉塞に
至らないため、Alは0.005 %以下であれば許容できる。 【0024】以上のように本発明によれば、比較的合金
コストの低いMn、Nb、Ti、N、Bの組合せにより高強度
化、高靱性化を達成しうるので、合金コストの大幅な上
昇につながるCr、Cu、Ni を無添加ないしは最小限の添加
で済ますことができ、加えて、Al脱酸に代えてSi脱酸を
採用したので製鋼- 連鋳時のノズル閉塞による生産性悪
化の問題も解消することから、高強度・高靱性の圧延H
形鋼を高能率で量産でき、安価に供給できるようにな
る。 【0025】また、本発明では、必要に応じてさらにZ
r:0.005 〜0.10%、Hf:0.005 〜0.10%、REM :0.001
〜0.01%、Ca:0.0005〜0.010 %の1種または2種以
上を添加することができる。これらの元素は各々、上記
下限以上の含有によりγ粒微細化効果を補強してフィレ
ット部靭性のさらなる向上に寄与しうるが、上記上限超
の含有では、脆性破壊の起点となる介在物の増加を招き
靱性の劣化をもたらすことから、利用に際しては夫々上
記の下限〜上限の範囲に限ることが望ましい。 【0026】なお、前記のCr、Cu、Ni については、夫々
の発揮しうる材質(強度、靱性バランス)改善効果と添
加所要コストとを考え合わせると、本発明においてこれ
らを利用する場合は、夫々の含有量を、Cr : 0.5 %以
下、Cu:0.5 %以下、Ni:0.5 %以下に抑えるのが望ま
しい。次に、本発明の製造方法について説明する。 【0027】本発明では、素材の目標組成が前記(1)
〜(4)の何れかに記載の組成に設定される。溶製では
前記理由によりSi脱酸が採用され、鋳造では前記理由に
より連鋳法が採用される。鋳造後の素材は、通常ビーム
ブランクあるいはブルームと呼ばれるものに該当する。
そして、上記素材は、大形圧延ラインにて、加熱⇒ブレ
ークダウン圧延(BD)⇒粗ユニバーサル圧延(UR)
⇒仕上ユニバーサル圧延(UF)の順次工程から成る熱
間H形圧延を施され、圧延H形鋼に仕上げられる。BD
では通常のブレークダウンミルを用いた多パス- リバー
ス圧延により粗H形状に造形する初期成形がなされ、U
Rでは通常の粗ユニバーサルミルを用いた多パス- リバ
ース圧延によりほぼ最終形状近くまで造形する中間成形
がなされ、UFでは通常の仕上ユニバーサルミルを用い
た1パス- スキンパス圧延により最終形状に整える仕上
成形がなされる。 【0028】かかる製造方法において、本発明では、素
材の加熱温度を1200〜1350℃とする。加熱温度が1200℃
に満たないと変形抵抗の増大により造形性が低下し、一
方、1350℃を超えるとγ粒粗大化による靭性低下やスケ
ールロスの増加が懸念されるからである。また、URで
は、圧延温度950 ℃以下での累積圧下率を50%未満と
し、かつ圧延終了温度を850 ℃以上に規制する。ここ
に、圧延温度および累積圧下率は、フランジ幅1/4 部で
評価され、圧下率はフランジ厚み方向の圧下率である。
このように規制した理由は、累積圧下率が50%以上にな
るかまたは圧延終了温度が850 ℃未満になるようなUR
では、殆どの製品サイズで圧延待機(温度降下待ち)の
必要が生じ、生産性が阻害されるからである。 【0029】なお、BD、UFは常法に従って実施すれ
ばよい。また、圧延後の冷却は放冷を基本とするが、フ
ランジとウェブの厚み差が大きいサイズについては、フ
ランジとウェブの温度差を小さくしてウェブの座屈を防
止すべく、UR後あるいはUF後にフランジを水冷して
も構わない。 【0030】 【実施例】転炉- RH処理にて表1に示す種々の組成にな
るよう溶製した溶鋼180tonを、連鋳- 圧延工程にて表2
に示す条件に従い処理することにより、種々のH形鋼を
製造し、得られた製品について、F1/4B-1/4t(フランジ
幅1/4 の1/4t深さ)部およびフィレット部相当のF1/2B-
4/4t(フランジ幅1/2 の4/4t深さ)部よりJIS 4号シャ
ルピー衝撃試験片とJIS 4号引張試験片を圧延方向に沿
って採取し、機械的性質を調べた。 【0031】連鋳時のノズル閉塞の有無、圧延での生産
性および製品の機械的性質の一覧を表2に併記する。 【0032】 【表1】【0033】 【表2】【0034】これに対し比較例は、Al脱酸した鋼Gでは
連鋳時にノズル閉塞を生じて180ton溶鋼の鋳込みを完遂
できず、また、N過剰の鋼H、N不足の鋼Jでは強度低
位あるいはフィレット部靭性低位などの問題を生じ、ま
た、Ti不足の鋼Iでは鋼J同様フィレット部靭性が低
く、また、B不足の鋼K、Nb不足の鋼Lでは強度が低か
った。 【0035】また、発明例では、さらに溶接性およびH
AZ靭性を調査し、溶接HAZの最高硬さはHV350 以
下、再現熱サイクルによる200kJ/mm相当入熱の再現CG(c
oase-grained)HAZ靭性はvEo で100J以上という好結果が
得られ、溶接性、HAZ靱性のいずれも高位にあること
が確認された。これは、炭素およびその他合金成分ミニ
マム化(低Ceq(炭素当量) 化、低Pcm 化)の所産であ
る。 【0036】 【発明の効果】本発明によれば、TS500 〜700MPaにわ
たる幅広い要求強度レベルに対応できてしかも優れた靱
性を有する圧延H形鋼を、より安価な成分コストおよび
圧延コストで有利に製造できるようになるという優れた
効果を奏する。
ぼすTi量とN量の影響を示すグラフである。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 Si脱酸にて溶製した溶鋼を連続鋳造して
下記(1)〜(4)のいずれかに記載の組成を有する素
材となし、該素材を1200〜1350℃に加熱後、ブレークダ
ウン圧延し、次いで圧延終了温度:850 ℃以上、圧延温
度950 ℃以下での累積圧下率:50%未満の条件で粗ユニ
バーサル圧延し、次いで仕上ユニバーサル圧延すること
を特徴とする圧延H形鋼の製造方法。記 (1)質量%で、C: 0.05 %以下、 Si : 1.0 %以下、 M
n : 0.6 〜 2.0 %、 Nb : 0.010 〜 0.10 %、 Ti : 0.005 〜
0.030 %、B: 0.003 〜 0.006 %、N: 0.005 〜 0.010
%を含み残部 Fe および不可避的不純物からなる組成 (2)質量%で、C: 0.05 %以下、 Si : 1.0 %以下、 M
n : 0.6 〜 2.0 %、 Nb : 0.010 〜 0.10 %、 Ti : 0.005 〜
0.030 %、B: 0.003 〜 0.006 %、N: 0.005 〜 0.010
%を含み、さらに Zr : 0.005 〜 0.10 %、 Hf : 0.005 〜 0.
10 %、 REM : 0.001 〜 0.01 %、 Ca : 0.0005 〜 0.010 %の
1種または2種以上を含み、残部 Fe および不可避的不純
物からなる組成 (3)質量%で、C: 0.05 %以下、 Si : 1.0 %以下、 M
n : 0.6 〜 2.0 %、 Nb : 0.010 〜 0.10 %、 Ti : 0.005 〜
0.030 %、B: 0.003 〜 0.006 %、N: 0.005 〜 0.010
%を含み、さらに Cu : 0.5 %以下、 Ni : 0.5 %以下、 C
r : 0.5 %以下の1種または2種以上を含み、残部 Fe お
よび不可避的不純物からなる組成 (4)質量%で、C: 0.05 %以下、 Si : 1.0 %以下、 M
n : 0.6 〜 2.0 %、 Nb : 0.010 〜 0.10 %、 Ti : 0.005 〜
0.030 %、B: 0.003 〜 0.006 %、N: 0.005 〜 0.010
%を含み、さらに Zr : 0.005 〜 0.10 %、 Hf : 0.005 〜 0.
10 %、 REM : 0.001 〜 0.01 %、 Ca : 0.0005 〜 0.010 %の
1種または2種以上、および Cu : 0.5 %以下、 Ni : 0.5
%以下、 Cr : 0.5 %以下の1種または2種以上を含み、
残部 Fe および不可避的不純物からなる組成
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000142913A JP3521846B2 (ja) | 2000-05-16 | 2000-05-16 | 圧延h形鋼の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000142913A JP3521846B2 (ja) | 2000-05-16 | 2000-05-16 | 圧延h形鋼の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001323334A JP2001323334A (ja) | 2001-11-22 |
JP3521846B2 true JP3521846B2 (ja) | 2004-04-26 |
Family
ID=18649805
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000142913A Expired - Fee Related JP3521846B2 (ja) | 2000-05-16 | 2000-05-16 | 圧延h形鋼の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3521846B2 (ja) |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09137218A (ja) * | 1995-11-13 | 1997-05-27 | Kawasaki Steel Corp | 建築構造用h形鋼の製造方法 |
JP3589071B2 (ja) * | 1998-03-24 | 2004-11-17 | 住友金属工業株式会社 | 溶接性、強度および靱性に優れた極厚形鋼の製造法 |
JP4006112B2 (ja) * | 1998-09-28 | 2007-11-14 | 新日本製鐵株式会社 | 結晶粒の微細な高張力鋼の製造方法 |
-
2000
- 2000-05-16 JP JP2000142913A patent/JP3521846B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001323334A (ja) | 2001-11-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6441939B2 (ja) | 溶接熱影響部の靱性に優れた超高強度溶接構造用鋼材及びその製造方法 | |
JP3718348B2 (ja) | 高強度高靱性圧延形鋼とその製造方法 | |
JPH0127128B2 (ja) | ||
WO2008126944A1 (ja) | 高温強度、靭性に優れた鋼材並びにその製造方法 | |
JP2022510216A (ja) | 溶接熱影響部の靭性に優れた鋼材及びその製造方法 | |
JP4464486B2 (ja) | 高強度高靱性圧延形鋼とその製造方法 | |
JP5098210B2 (ja) | 耐火用鋼材およびその製造方法 | |
JPH10306316A (ja) | 低温靭性に優れた低降伏比高張力鋼材の製造方法 | |
JP2006274388A (ja) | 音響異方性が小さい降伏強さ650MPa以上の高張力鋼板およびその製造方法 | |
JP2609732B2 (ja) | 加工性とスポット溶接性に優れた熱延高強度鋼板とその製造方法 | |
WO2017150665A1 (ja) | 低温用h形鋼及びその製造方法 | |
JP2000319750A (ja) | 溶接熱影響部靱性に優れた大入熱溶接用高張力鋼材 | |
JPS6141968B2 (ja) | ||
EP2258880A1 (en) | Process for production of thick high-tensile-strength steel plates | |
JP4309561B2 (ja) | 高温強度に優れた高張力鋼板およびその製造方法 | |
JP2607796B2 (ja) | 靭性の優れた低合金圧延形鋼の製造方法 | |
JP2007191785A (ja) | 耐溶接割れ性が優れた高張力鋼材の製造方法 | |
JP3521846B2 (ja) | 圧延h形鋼の製造方法 | |
JP7332697B2 (ja) | 脆性亀裂開始抵抗性に優れた構造用極厚物鋼材及びその製造方法 | |
JPH1060576A (ja) | フィレット部靱性に優れたh形鋼およびその製造方法 | |
JP3622246B2 (ja) | 強度、靭性及び溶接性に優れた極厚h形鋼の製造方法 | |
JP3181448B2 (ja) | 含酸化物分散鋳片及びその鋳片による靱性の優れた圧延形鋼の製造方法 | |
JP2007302977A (ja) | 溶接熱影響部の靭性に優れる引張強さ570MPa級高強度鋼材の製造方法 | |
JP2005220379A (ja) | 超大入熱溶接熱影響部靭性に優れた非調質高強度厚鋼板の製造方法 | |
JP3502809B2 (ja) | 靭性の優れた鋼材の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040120 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Effective date: 20040202 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 4 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080220 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 5 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090220 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 6 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100220 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |