JPH06271984A - 耐疲労伝播特性とアレスト性の優れた鋼板およびその製造方法 - Google Patents
耐疲労伝播特性とアレスト性の優れた鋼板およびその製造方法Info
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- JPH06271984A JPH06271984A JP6223193A JP6223193A JPH06271984A JP H06271984 A JPH06271984 A JP H06271984A JP 6223193 A JP6223193 A JP 6223193A JP 6223193 A JP6223193 A JP 6223193A JP H06271984 A JPH06271984 A JP H06271984A
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Abstract
(57)【要約】 （修正有）
【目的】 鋼板自体に耐疲労伝播抑制特性を持たすと同
時に、脆性亀裂を停止する特性（アレスト性）を持た
せ、構造物の破壊を防止できる鋼板。 【構成】 重量％で、Ｃ：０．０３〜０．１０，Ｓｉ：
≦０．５０，Ｍｎ：０．４〜１．６，Ｐ：≦０．２０，
Ｓ：≦０．０１０，Ｔｉ：０．００５〜０．０２，Ａ
ｌ：≦０．１０，Ｎ：０．００２０〜０．００６０、残
部は鉄または不可避的不純物からなる鋼で、組織がフェ
ライト、パーライト、ベイナイトの１種または２種以上
で主に構成され、フェライトの平均粒径が、８μｍ以下
であり、さらに平均存在間隔２０μｍ以下でかつ平均偏
平比５以上の形状をした島状マルテンサイトが体積率で
０．５〜５％の割合で存在する鋼板。
時に、脆性亀裂を停止する特性（アレスト性）を持た
せ、構造物の破壊を防止できる鋼板。 【構成】 重量％で、Ｃ：０．０３〜０．１０，Ｓｉ：
≦０．５０，Ｍｎ：０．４〜１．６，Ｐ：≦０．２０，
Ｓ：≦０．０１０，Ｔｉ：０．００５〜０．０２，Ａ
ｌ：≦０．１０，Ｎ：０．００２０〜０．００６０、残
部は鉄または不可避的不純物からなる鋼で、組織がフェ
ライト、パーライト、ベイナイトの１種または２種以上
で主に構成され、フェライトの平均粒径が、８μｍ以下
であり、さらに平均存在間隔２０μｍ以下でかつ平均偏
平比５以上の形状をした島状マルテンサイトが体積率で
０．５〜５％の割合で存在する鋼板。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、構造物に発生する変動
荷重により生じる疲労亀裂による破壊が発生し得る、船
舶、橋梁、海洋構造物等の大型構造物に使用する厚鋼板
に適した、耐疲労亀裂伝播特性とアレスト性の優れた鋼
板およびその製造方法に関するものである。
荷重により生じる疲労亀裂による破壊が発生し得る、船
舶、橋梁、海洋構造物等の大型構造物に使用する厚鋼板
に適した、耐疲労亀裂伝播特性とアレスト性の優れた鋼
板およびその製造方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】鋼板に連続的に変動荷重が与えられる
と、疲労亀裂が発生する場合がある。特に溶接部では、
溶接金属と鋼板との不連続部が存在するため応力が集中
しやすく、疲労亀裂の発生起点となりやすい。また通
常、発生した疲労亀裂は伝播を続け、最悪の場合には構
造物自体の破壊に結びつく。構造物が船舶、橋梁、海洋
構造物等であれば破壊した場合の社会的影響は大きく、
多くの場合は人命の危険を伴うことが予測される。
と、疲労亀裂が発生する場合がある。特に溶接部では、
溶接金属と鋼板との不連続部が存在するため応力が集中
しやすく、疲労亀裂の発生起点となりやすい。また通
常、発生した疲労亀裂は伝播を続け、最悪の場合には構
造物自体の破壊に結びつく。構造物が船舶、橋梁、海洋
構造物等であれば破壊した場合の社会的影響は大きく、
多くの場合は人命の危険を伴うことが予測される。
【０００３】これらの構造物では、溶接部で疲労破壊が
発生しにくいように、構造的に応力集中が起こらないよ
うな設計を行ったり、溶接金属と鋼板との境界で特に入
念に形状のきれいな溶接を行って応力集中を避けている
のが現状である。従ってこれらの方法では、設計に大き
な制約がつくため効率的な設計ができず、また溶接の仕
上げに時間がかかり、非効率的であると同時に高コスト
化の原因となっている。
発生しにくいように、構造的に応力集中が起こらないよ
うな設計を行ったり、溶接金属と鋼板との境界で特に入
念に形状のきれいな溶接を行って応力集中を避けている
のが現状である。従ってこれらの方法では、設計に大き
な制約がつくため効率的な設計ができず、また溶接の仕
上げに時間がかかり、非効率的であると同時に高コスト
化の原因となっている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】船舶、橋梁、海洋構造
物等では、通常、板厚６mm以上の厚鋼板が用いられ、溶
融溶接により接合され組み立てられる。前記のように、
溶接部では応力集中が起こりやすいため疲労亀裂の発生
を避けることは非常に難しい。しかし疲労亀裂が発生し
ても、鋼板の疲労伝播速度が遅ければ、構造物の破壊を
引き起こす前に定期点検等で亀裂を発見し、補修するこ
とが可能となる。従って、鋼板に耐疲労伝播抑制特性を
持たすことができれば、上記の課題を解決することがで
きる。
物等では、通常、板厚６mm以上の厚鋼板が用いられ、溶
融溶接により接合され組み立てられる。前記のように、
溶接部では応力集中が起こりやすいため疲労亀裂の発生
を避けることは非常に難しい。しかし疲労亀裂が発生し
ても、鋼板の疲労伝播速度が遅ければ、構造物の破壊を
引き起こす前に定期点検等で亀裂を発見し、補修するこ
とが可能となる。従って、鋼板に耐疲労伝播抑制特性を
持たすことができれば、上記の課題を解決することがで
きる。
【０００５】鋼板の耐疲労亀裂伝播特性を向上させるこ
とに注目した方法として、特開平３−２９１３５５号公
報に開示された方法がある。特開平３−２９１３５５号
公報では、板厚方向に単調かつ連続的な強度勾配をつけ
ることを提案している。しかし、船舶、橋梁、海洋構造
物等の製造時に該公報による鋼板を使用しても、疲労亀
裂の進展を遅くすることはできるが、疲労亀裂を起点と
して脆性亀裂が発生した場合には、脆性亀裂が大きく伝
播して構造物の破壊に至ることも発生し得る。そこで本
発明の課題は、鋼板自体に耐疲労伝播抑制特性を持たす
と同時に、脆性亀裂を停止する特性（アレスト性）を持
たせ、構造物の破壊を防止できる鋼板およびその製造方
法を提供することにある。
とに注目した方法として、特開平３−２９１３５５号公
報に開示された方法がある。特開平３−２９１３５５号
公報では、板厚方向に単調かつ連続的な強度勾配をつけ
ることを提案している。しかし、船舶、橋梁、海洋構造
物等の製造時に該公報による鋼板を使用しても、疲労亀
裂の進展を遅くすることはできるが、疲労亀裂を起点と
して脆性亀裂が発生した場合には、脆性亀裂が大きく伝
播して構造物の破壊に至ることも発生し得る。そこで本
発明の課題は、鋼板自体に耐疲労伝播抑制特性を持たす
と同時に、脆性亀裂を停止する特性（アレスト性）を持
たせ、構造物の破壊を防止できる鋼板およびその製造方
法を提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために種々の検討を行った。その結果、組織
がフェライト、パーライト、ベイナイトの１種または２
種以上で主に構成され、フェライトの平均粒径が８μｍ
以下であり、さらに平均存在間隔２０μｍ以下でかつ平
均偏平比５以上の形状をした島状マルテンサイトが体積
率で０．５〜５％の割合で存在する鋼板は、疲労の伝播
速度が遅くしかもアレスト性が高いことを知見した。
を解決するために種々の検討を行った。その結果、組織
がフェライト、パーライト、ベイナイトの１種または２
種以上で主に構成され、フェライトの平均粒径が８μｍ
以下であり、さらに平均存在間隔２０μｍ以下でかつ平
均偏平比５以上の形状をした島状マルテンサイトが体積
率で０．５〜５％の割合で存在する鋼板は、疲労の伝播
速度が遅くしかもアレスト性が高いことを知見した。
【０００７】本発明の要旨は前記の鋼板を製造するため
には、重量％で、Ｃ：０．０３〜０．１０％、Ｓｉ：≦
０．５０％、Ｍｎ：０．４〜１．６％、Ｐ：≦０．０２
０％、Ｓ：≦０．０１０％、Ｔｉ：０．００５〜０．０
２％、Ａｌ：≦０．１０％、Ｎ：０．００２０〜０．０
０６０％を含有し、残部は鉄または不可避的不純物から
なる鋼を連続鋳造または造塊によりスラブとし、直送圧
延または再加熱後圧延を行い、仕上圧延においてＡｒ3
点＋２０℃〜Ａｒ3 点−５０℃の範囲で圧下率５０％以
上の圧延を終了し、その後Ａｒ3 点−５０℃以下の温度
から鋼板の表裏面同時に水冷を開始し、６００℃以下の
温度で水冷を停止した後空冷する。
には、重量％で、Ｃ：０．０３〜０．１０％、Ｓｉ：≦
０．５０％、Ｍｎ：０．４〜１．６％、Ｐ：≦０．０２
０％、Ｓ：≦０．０１０％、Ｔｉ：０．００５〜０．０
２％、Ａｌ：≦０．１０％、Ｎ：０．００２０〜０．０
０６０％を含有し、残部は鉄または不可避的不純物から
なる鋼を連続鋳造または造塊によりスラブとし、直送圧
延または再加熱後圧延を行い、仕上圧延においてＡｒ3
点＋２０℃〜Ａｒ3 点−５０℃の範囲で圧下率５０％以
上の圧延を終了し、その後Ａｒ3 点−５０℃以下の温度
から鋼板の表裏面同時に水冷を開始し、６００℃以下の
温度で水冷を停止した後空冷する。
【０００８】さらに本発明の要旨は重量％で、Ｃ：０．
０３〜０．１０％、Ｓｉ：≦０．５０％、Ｍｎ：０．４
〜１．６％、Ｐ：≦０．０２０％、Ｓ：≦０．０１０
％、Ｔｉ：０．００５〜０．０２％、Ａｌ：≦０．１０
％、Ｎ：０．００２０〜０．００６０％を含有し、かつ
Ｃｕ：≦１．０％、Ｎｉ：≦１．５％、Ｎｂ：≦０．１
％、Ｖ：≦０．１％、Ｃｒ：≦１．０％、Ｂ：０．００
０５〜０．００２０％のうち１種または２種以上を含有
し、残部は鉄または不可避的不純物からなる鋼を連続鋳
造または造塊によりスラブとし、直送圧延または再加熱
後圧延を行い、仕上圧延においてＡｒ3 点＋２０℃〜Ａ
ｒ3 点−５０℃の範囲で圧下率５０％以上の圧延を終了
し、その後Ａｒ3 点−５０℃以下の温度から鋼板の表裏
面同時に水冷を開始し、６００℃以下の温度で水冷を停
止した後空冷する。
０３〜０．１０％、Ｓｉ：≦０．５０％、Ｍｎ：０．４
〜１．６％、Ｐ：≦０．０２０％、Ｓ：≦０．０１０
％、Ｔｉ：０．００５〜０．０２％、Ａｌ：≦０．１０
％、Ｎ：０．００２０〜０．００６０％を含有し、かつ
Ｃｕ：≦１．０％、Ｎｉ：≦１．５％、Ｎｂ：≦０．１
％、Ｖ：≦０．１％、Ｃｒ：≦１．０％、Ｂ：０．００
０５〜０．００２０％のうち１種または２種以上を含有
し、残部は鉄または不可避的不純物からなる鋼を連続鋳
造または造塊によりスラブとし、直送圧延または再加熱
後圧延を行い、仕上圧延においてＡｒ3 点＋２０℃〜Ａ
ｒ3 点−５０℃の範囲で圧下率５０％以上の圧延を終了
し、その後Ａｒ3 点−５０℃以下の温度から鋼板の表裏
面同時に水冷を開始し、６００℃以下の温度で水冷を停
止した後空冷する。
【０００９】ここで以下に、各成分の限定理由を述べ
る。Ｃ以外の各成分の限定理由は、一般的な構造用鋼に
おける成分の限定理由と同様である。Ｃは、強度の増加
および島状マルテンサイトの生成に必要であるが、少な
すぎると効果がないため下限を０．０３％とした。また
多すぎると溶接性の低下や母材および溶接部の靭性を低
下させる。さらに本発明では二相温度領域で圧延を行う
が、後述のように、Ｃが多いと二相域圧延での靭性の低
下が著しくなるため、上限を０．１０％とした。
る。Ｃ以外の各成分の限定理由は、一般的な構造用鋼に
おける成分の限定理由と同様である。Ｃは、強度の増加
および島状マルテンサイトの生成に必要であるが、少な
すぎると効果がないため下限を０．０３％とした。また
多すぎると溶接性の低下や母材および溶接部の靭性を低
下させる。さらに本発明では二相温度領域で圧延を行う
が、後述のように、Ｃが多いと二相域圧延での靭性の低
下が著しくなるため、上限を０．１０％とした。
【００１０】Ｓｉは、溶鋼の脱酸に有効であるが、多す
ぎると溶接性の低下や母材および溶接部の靭性低下を起
こすため、０．５％を上限とした。ＭｎもＣと同様に強
度の増加および島状マルテンサイトの生成に必要である
が、少なすぎると効果がなく、多すぎると溶接性の低下
や母材および溶接部の靭性低下を起こすため、下限を
０．４％、上限を１．６％とした。Ｐは母材特性の向上
のためには低い方が望ましいが、Ｐを下げることにより
コストの増加を引き起こす。そこで経済性の点から上限
を０．０２％とした。Ｓは、Ｐと同様に母材特性の向上
のためには低い方が望ましいが、Ｓを下げることにより
コストの増加を引き起こす。そこで経済性の点から上限
を０．０１％とした。
ぎると溶接性の低下や母材および溶接部の靭性低下を起
こすため、０．５％を上限とした。ＭｎもＣと同様に強
度の増加および島状マルテンサイトの生成に必要である
が、少なすぎると効果がなく、多すぎると溶接性の低下
や母材および溶接部の靭性低下を起こすため、下限を
０．４％、上限を１．６％とした。Ｐは母材特性の向上
のためには低い方が望ましいが、Ｐを下げることにより
コストの増加を引き起こす。そこで経済性の点から上限
を０．０２％とした。Ｓは、Ｐと同様に母材特性の向上
のためには低い方が望ましいが、Ｓを下げることにより
コストの増加を引き起こす。そこで経済性の点から上限
を０．０１％とした。
【００１１】Ａｌは、脱酸のために必須であるが、多す
ぎると介在物が増加し、鋼板の超音波探傷での欠陥とし
て検出されたり、母材の靭性低下を引き起こすため、上
限を０．１％とした。Ｎは、後述のＴｉと共にＴｉＮを
形成することにより再加熱圧延時の加熱時や溶接熱影響
部でのオーステナイト粒の成長を抑制することにより靭
性を向上させることができる。しかし固溶量が多くなる
と溶接熱影響部の靭性を著しく低下させることから、下
限を０．００２０％、上限を０．００６０％とした。Ｃ
ｕは、母材の靭性を損なわずに強度を増加させることが
できるが、多すぎると溶接部の靭性を低下させるため、
１．０％を上限とした。
ぎると介在物が増加し、鋼板の超音波探傷での欠陥とし
て検出されたり、母材の靭性低下を引き起こすため、上
限を０．１％とした。Ｎは、後述のＴｉと共にＴｉＮを
形成することにより再加熱圧延時の加熱時や溶接熱影響
部でのオーステナイト粒の成長を抑制することにより靭
性を向上させることができる。しかし固溶量が多くなる
と溶接熱影響部の靭性を著しく低下させることから、下
限を０．００２０％、上限を０．００６０％とした。Ｃ
ｕは、母材の靭性を損なわずに強度を増加させることが
できるが、多すぎると溶接部の靭性を低下させるため、
１．０％を上限とした。
【００１２】Ｎｉは、母材の靭性を損なわずに強度を増
加させることができるが、多すぎると溶接部の靭性を低
下させるため、１．０％を上限とした。Ｎｂは、母材の
靭性を向上させると同時に強度を増加させることができ
るが、多すぎると溶接部の靭性を低下させるため、０．
１％を上限とした。Ｖは、母材の靭性を損なわずに強度
を増加させることができるが、多すぎると溶接部の靭性
を低下させるため、０．１％を上限とする。Ｃｒは、母
材の靭性を損なわずに強度を増加させることができる
が、多すぎると母材および溶接部の靭性を低下させるた
め、１．０％を上限とした。
加させることができるが、多すぎると溶接部の靭性を低
下させるため、１．０％を上限とした。Ｎｂは、母材の
靭性を向上させると同時に強度を増加させることができ
るが、多すぎると溶接部の靭性を低下させるため、０．
１％を上限とした。Ｖは、母材の靭性を損なわずに強度
を増加させることができるが、多すぎると溶接部の靭性
を低下させるため、０．１％を上限とする。Ｃｒは、母
材の靭性を損なわずに強度を増加させることができる
が、多すぎると母材および溶接部の靭性を低下させるた
め、１．０％を上限とした。
【００１３】Ｔｉは、鋼中でＴｉＮを生成することによ
り再加熱圧延時の加熱時や溶接熱影響部でのオーステナ
イト粒の成長を抑制することにより靭性を向上させるこ
とができる。しかし添加量が少なすぎるとその効果がな
く、多すぎるとＴｉＣの生成により母材および溶接熱影
響部の靭性が著しく低下するため、下限を０．００５
％、上限を０．０２％とした。Ｂは、固溶Ｂとして母材
強度の増加、ＢＮやＦｅ23ＣＢ6 の析出により溶接熱影
響部での組織微細化のために添加する。少なすぎるとそ
の効果がなく、多すぎると溶接性の低下および靭性の低
下を招くため、下限を０．０００５％、上限を０．００
２０％とした。
り再加熱圧延時の加熱時や溶接熱影響部でのオーステナ
イト粒の成長を抑制することにより靭性を向上させるこ
とができる。しかし添加量が少なすぎるとその効果がな
く、多すぎるとＴｉＣの生成により母材および溶接熱影
響部の靭性が著しく低下するため、下限を０．００５
％、上限を０．０２％とした。Ｂは、固溶Ｂとして母材
強度の増加、ＢＮやＦｅ23ＣＢ6 の析出により溶接熱影
響部での組織微細化のために添加する。少なすぎるとそ
の効果がなく、多すぎると溶接性の低下および靭性の低
下を招くため、下限を０．０００５％、上限を０．００
２０％とした。
【００１４】上記の成分を有するスラブを直送圧延また
は再加熱圧延するにあたり、仕上圧延においてＡｒ3 点
＋２０℃〜Ａｒ3 点−５０℃の範囲で圧下率５０％以上
の圧延を終了し、その後Ａｒ3 点−５０℃以下の温度か
ら鋼板の表裏面同時に水冷を開始し、６００℃以下の温
度で水冷を停止した後空冷することによって、組織がフ
ェライト、パーライト、ベイナイトの１種または２種以
上で主に構成され、フェライトの平均粒径が８μｍ以下
であり、さらに平均存在間隔２０μｍ以下でかつ平均偏
平比５以上の形状をした島状マルテンサイトが体積率で
０．５〜５％の割合で存在する鋼板を製造することがで
き、疲労亀裂の進展速度を低下できると同時にアレスト
性を著しく向上させることができる。しかし島状マルテ
ンサイトは、多量に存在すると、シャルピー試験値等の
靭性を著しく低下させるため上限の体積率を５％とし、
少なすぎると効果がないことから下限の体積率を０．５
％とした。
は再加熱圧延するにあたり、仕上圧延においてＡｒ3 点
＋２０℃〜Ａｒ3 点−５０℃の範囲で圧下率５０％以上
の圧延を終了し、その後Ａｒ3 点−５０℃以下の温度か
ら鋼板の表裏面同時に水冷を開始し、６００℃以下の温
度で水冷を停止した後空冷することによって、組織がフ
ェライト、パーライト、ベイナイトの１種または２種以
上で主に構成され、フェライトの平均粒径が８μｍ以下
であり、さらに平均存在間隔２０μｍ以下でかつ平均偏
平比５以上の形状をした島状マルテンサイトが体積率で
０．５〜５％の割合で存在する鋼板を製造することがで
き、疲労亀裂の進展速度を低下できると同時にアレスト
性を著しく向上させることができる。しかし島状マルテ
ンサイトは、多量に存在すると、シャルピー試験値等の
靭性を著しく低下させるため上限の体積率を５％とし、
少なすぎると効果がないことから下限の体積率を０．５
％とした。
【００１５】
【作用】本発明者らは、下記の成分のスラブから製造し
た数種類の鋼板の疲労伝播速度を調査し、図３および図
４に示すような結果を得、以下のことを見出した。 仕上温度が低いほど、疲労亀裂の伝播速度が遅いこ
と。 圧延後空冷した鋼板と水冷した鋼板では、水冷した鋼
板の方が疲労亀裂の伝播速度が遅いこと。 仕上温度が低いほど、アレスト性が良好であること。
た数種類の鋼板の疲労伝播速度を調査し、図３および図
４に示すような結果を得、以下のことを見出した。 仕上温度が低いほど、疲労亀裂の伝播速度が遅いこ
と。 圧延後空冷した鋼板と水冷した鋼板では、水冷した鋼
板の方が疲労亀裂の伝播速度が遅いこと。 仕上温度が低いほど、アレスト性が良好であること。
【００１６】
【表１】
【００１７】これらの鋼板の疲労亀裂の伝播部の組織を
調査した結果、仕上圧延終了温度が低くしかも圧延後に
水冷を行った鋼板では、鋼板中に島状マルテンサイトが
生成し、しかも島状マルテンサイトの生成部で疲労亀裂
が見られることを発見した。疲労亀裂が分岐すると亀裂
先端での応力が低下することが予測され、この応力低下
により疲労亀裂の伝播速度が低下したと思われる。
調査した結果、仕上圧延終了温度が低くしかも圧延後に
水冷を行った鋼板では、鋼板中に島状マルテンサイトが
生成し、しかも島状マルテンサイトの生成部で疲労亀裂
が見られることを発見した。疲労亀裂が分岐すると亀裂
先端での応力が低下することが予測され、この応力低下
により疲労亀裂の伝播速度が低下したと思われる。
【００１８】ここでの水冷は、鋼板の表面および裏面に
おいて同時に行っているため、鋼板の強度（硬さ）は、
図５に示すように、特開平３−２９１３５５号公報に開
示されているような板厚方向に単調かつ連続的な強度勾
配を持つものではない。
おいて同時に行っているため、鋼板の強度（硬さ）は、
図５に示すように、特開平３−２９１３５５号公報に開
示されているような板厚方向に単調かつ連続的な強度勾
配を持つものではない。
【００１９】また鋼板中に島状マルテンサイトが存在す
ると、図６に示すように、同一のフェライト粒径でもア
レスト特性が向上することを見出した。ここで、平均フ
ェライト粒径が８μｍ以下であれば、ＬＰＧタンクの使
用温度である−４６℃でもＫｃａ≧４５０kgf/mm3/2 の
ように非常に良好なアレスト性が得られることも見出し
た。
ると、図６に示すように、同一のフェライト粒径でもア
レスト特性が向上することを見出した。ここで、平均フ
ェライト粒径が８μｍ以下であれば、ＬＰＧタンクの使
用温度である−４６℃でもＫｃａ≧４５０kgf/mm3/2 の
ように非常に良好なアレスト性が得られることも見出し
た。
【００２０】そこでさらに組織を詳細に調査した結果、
フェライト、パーライトまたはベイナイトを主とする組
織中に、島状マルテンサイトが層状に分散し、しかもそ
の平均存在間隔が２０μｍである場合に、上記の疲労亀
裂伝播速度の遅延が起こることを見出した。また、疲労
亀裂が分岐するためには、島状マルテンサイトの形状
が、鋼板表面に平行に伸延した形状で、偏平比（長手方
向の長さ／厚み方向の長さ）の平均値で５以上である方
が良いことを見出した。
フェライト、パーライトまたはベイナイトを主とする組
織中に、島状マルテンサイトが層状に分散し、しかもそ
の平均存在間隔が２０μｍである場合に、上記の疲労亀
裂伝播速度の遅延が起こることを見出した。また、疲労
亀裂が分岐するためには、島状マルテンサイトの形状
が、鋼板表面に平行に伸延した形状で、偏平比（長手方
向の長さ／厚み方向の長さ）の平均値で５以上である方
が良いことを見出した。
【００２１】さらに上記の組織を得るための製造条件を
検討した結果、成分は通常の構造用鋼と同等で良く、圧
延および圧延後の冷却条件として、仕上圧延において
Ａｒ3 点＋２０℃〜Ａｒ3 点−５０℃の範囲で圧下率５
０％以上の圧下を行うことによりオーステナイト粒を偏
平させ、フェライト変態の進行したＡｒ3 点−５０℃
以下の温度から水冷を開始することによりオーステナイ
ト中に成分を濃縮させ、水冷することにより冷却速度
を増加し成分の濃縮したオーステナイトを島状マルテン
サイトに変態させ、かつ６００℃以下の温度で水冷を
停止した後に空冷することにより変態後の島状マルテン
サイトを残存させることが必要であることを見出した。
検討した結果、成分は通常の構造用鋼と同等で良く、圧
延および圧延後の冷却条件として、仕上圧延において
Ａｒ3 点＋２０℃〜Ａｒ3 点−５０℃の範囲で圧下率５
０％以上の圧下を行うことによりオーステナイト粒を偏
平させ、フェライト変態の進行したＡｒ3 点−５０℃
以下の温度から水冷を開始することによりオーステナイ
ト中に成分を濃縮させ、水冷することにより冷却速度
を増加し成分の濃縮したオーステナイトを島状マルテン
サイトに変態させ、かつ６００℃以下の温度で水冷を
停止した後に空冷することにより変態後の島状マルテン
サイトを残存させることが必要であることを見出した。
【００２２】また通常は、二相温度領域で圧延を行う
と、変態により生成したフェライトに加工歪が与えられ
ることにより靭性が著しく低下する場合がある。しかし
Ｃが０．１％以下である低Ｃ鋼の場合には、このような
加工歪による靭性低下が少ないことも見出した。これ
は、Ｃが少ない場合には、フェライト中の固溶Ｃ量が少
なく、歪の回復（転位の移動）を阻害しないためと思わ
れる。
と、変態により生成したフェライトに加工歪が与えられ
ることにより靭性が著しく低下する場合がある。しかし
Ｃが０．１％以下である低Ｃ鋼の場合には、このような
加工歪による靭性低下が少ないことも見出した。これ
は、Ｃが少ない場合には、フェライト中の固溶Ｃ量が少
なく、歪の回復（転位の移動）を阻害しないためと思わ
れる。
【００２３】
【実施例】表２〜表４に、本発明での実施例を示す。本
圧延条件を決定するために、Ａｒ3 点を求めることが必
要であるが、下式を用いて計算により求めた。 Ａｒ3 ＝１１０８−７７７×Ｃ−２００×Ｍｎ−２３×
Ｃｕ−３８×Ｎｉ
圧延条件を決定するために、Ａｒ3 点を求めることが必
要であるが、下式を用いて計算により求めた。 Ａｒ3 ＝１１０８−７７７×Ｃ−２００×Ｍｎ−２３×
Ｃｕ−３８×Ｎｉ
【００２４】疲労伝播速度は、図１に示す形状の試験片
に、図２で示す３点曲げの方法で応力を付加し、一定の
応力振幅付加回数ごとに応力振幅を小さくすることでビ
ーチマークを入れ、ビーチマーク間の疲労亀裂の進展長
さを応力振幅付加回数で割った値を指標として用いた。
この値は、応力振幅１回あたりの疲労亀裂の進展長さを
示し、この値が小さいほど、疲労亀裂の伝播が遅いこと
を示す。試験体の長軸方向が圧延方向と平行になるよう
に採取した。
に、図２で示す３点曲げの方法で応力を付加し、一定の
応力振幅付加回数ごとに応力振幅を小さくすることでビ
ーチマークを入れ、ビーチマーク間の疲労亀裂の進展長
さを応力振幅付加回数で割った値を指標として用いた。
この値は、応力振幅１回あたりの疲労亀裂の進展長さを
示し、この値が小さいほど、疲労亀裂の伝播が遅いこと
を示す。試験体の長軸方向が圧延方向と平行になるよう
に採取した。
【００２５】鋼材の主たる組織は、鋼材から切り出した
小型試験体の板厚方向断面（圧延方向と平行な面）を研
磨し、鏡面状態まで仕上げた面にて、５％硝酸−アルコ
ール溶液にて腐食を行い、その面を金属顕微鏡で観察す
ることによって決定した。
小型試験体の板厚方向断面（圧延方向と平行な面）を研
磨し、鏡面状態まで仕上げた面にて、５％硝酸−アルコ
ール溶液にて腐食を行い、その面を金属顕微鏡で観察す
ることによって決定した。
【００２６】鋼材中の島状マルテンサイトは、鋼材から
切り出した小型試験体の板厚方向断面（圧延方向と平行
な面）を研磨し、鏡面状態まで仕上げた面にて、１％ピ
ロ亜硫酸ナトリウム−４％ピクリン酸混合溶液での腐食
により現出させた。現出させた島状マルテンサイトを写
真撮影し、その写真について画像解析装置で解析を行
い、体積率（写真からの面積率と等しいとした）、平均
存在間隔および平均偏平比を求めた。
切り出した小型試験体の板厚方向断面（圧延方向と平行
な面）を研磨し、鏡面状態まで仕上げた面にて、１％ピ
ロ亜硫酸ナトリウム−４％ピクリン酸混合溶液での腐食
により現出させた。現出させた島状マルテンサイトを写
真撮影し、その写真について画像解析装置で解析を行
い、体積率（写真からの面積率と等しいとした）、平均
存在間隔および平均偏平比を求めた。
【００２７】
【表２】
【００２８】
【表３】
【００２９】
【表４】
【００３０】実施例のNo．Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄは同一成分で
あるが、それぞれ製造条件が異なる。No．Ａは、本発明
鋼である。これに対しNo．Ｂ，Ｃ，Ｄは比較鋼である。
Ｂは圧延温度域が高めに外れた場合であるが、Ａに比較
して平均フェライト粒径が大きく島状マルテンサイトの
平均偏平比が小さいため、アレスト性が悪く疲労伝播速
度も大きい。Ｃは圧下率が小さい場合であるが、Ａに比
較して平均フェライト粒径が大きいため、アレスト性が
悪い。Ｄは水冷を行っていないため、Ａに比較して島状
マルテンサイト量が少なく、しかも平均存在間隔も大き
いため、疲労伝播速度が大きい。
あるが、それぞれ製造条件が異なる。No．Ａは、本発明
鋼である。これに対しNo．Ｂ，Ｃ，Ｄは比較鋼である。
Ｂは圧延温度域が高めに外れた場合であるが、Ａに比較
して平均フェライト粒径が大きく島状マルテンサイトの
平均偏平比が小さいため、アレスト性が悪く疲労伝播速
度も大きい。Ｃは圧下率が小さい場合であるが、Ａに比
較して平均フェライト粒径が大きいため、アレスト性が
悪い。Ｄは水冷を行っていないため、Ａに比較して島状
マルテンサイト量が少なく、しかも平均存在間隔も大き
いため、疲労伝播速度が大きい。
【００３１】さらにNo．Ｅ，Ｇ，Ｉ，Ｋは本発明鋼であ
り、製造条件の外れた比較鋼のNo．Ｆ，Ｈ，Ｊ，Ｌに比
較し、疲労の伝播速度が１／３〜１／４程度に低下し、
アレスト性も良好である。またNo．Ｍは、Ｃ量が多い場
合の比較例であるが、本発明の圧延−水冷条件範囲で
は、加工フェライトの形成によりアレスト性が悪い。
り、製造条件の外れた比較鋼のNo．Ｆ，Ｈ，Ｊ，Ｌに比
較し、疲労の伝播速度が１／３〜１／４程度に低下し、
アレスト性も良好である。またNo．Ｍは、Ｃ量が多い場
合の比較例であるが、本発明の圧延−水冷条件範囲で
は、加工フェライトの形成によりアレスト性が悪い。
【００３２】
【発明の効果】本発明の鋼板を疲労亀裂の発生する可能
性のある構造物に使用することによって、疲労亀裂の進
展を遅らせることができ、疲労設計条件の緩和、定期点
検の期間の延長、構造物の破壊の回避等の効果が期待で
きると同時に、疲労亀裂から脆性亀裂が発生しても、脆
性亀裂を停止させ構造物の破壊を防止することが可能と
なり、本発明の社会的意義は大きい。
性のある構造物に使用することによって、疲労亀裂の進
展を遅らせることができ、疲労設計条件の緩和、定期点
検の期間の延長、構造物の破壊の回避等の効果が期待で
きると同時に、疲労亀裂から脆性亀裂が発生しても、脆
性亀裂を停止させ構造物の破壊を防止することが可能と
なり、本発明の社会的意義は大きい。
【図１】（ａ），（ｂ），（ｃ）は疲労伝播特性調査に
用いた試験片の形状の説明図を示す。
用いた試験片の形状の説明図を示す。
【図２】疲労伝播特性調査に用いた試験片への応力付加
方法の説明図を示す。
方法の説明図を示す。
【図３】仕上圧延終了温度、圧延後の水冷有無と疲労亀
裂伝播速度の関係の図表を示す。
裂伝播速度の関係の図表を示す。
【図４】仕上圧延終了温度とアレスト性の関係の図表を
示す。
示す。
【図５】本発明鋼の板厚方向の硬さ分布の図表を示す。
【図６】島状マルテンサイト組織の有無による平均フェ
ライト粒径とアレスト性の関係の図表を示す。
ライト粒径とアレスト性の関係の図表を示す。
【手続補正書】
【提出日】平成５年６月２１日
【手続補正１】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項１
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正２】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】０００６
【補正方法】変更
【補正内容】
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために種々の検討を行った。その結果、組織
がフェライト、パーライト、ベイナイトの１種または２
種以上で主に構成され、フェライトの平均粒径が８μｍ
以下であり、さらに平均存在間隔２０μｍ以下でかつ平
均偏平比５以上の形状をした島状マルテンサイトが面積
率で０．５〜５％の割合で存在する鋼板は、疲労の伝播
速度が遅くしかもアレスト性が高いことを知見した。
を解決するために種々の検討を行った。その結果、組織
がフェライト、パーライト、ベイナイトの１種または２
種以上で主に構成され、フェライトの平均粒径が８μｍ
以下であり、さらに平均存在間隔２０μｍ以下でかつ平
均偏平比５以上の形状をした島状マルテンサイトが面積
率で０．５〜５％の割合で存在する鋼板は、疲労の伝播
速度が遅くしかもアレスト性が高いことを知見した。
【手続補正３】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】００１４
【補正方法】変更
【補正内容】
【００１４】上記の成分を有するスラブを直送圧延また
は再加熱圧延するにあたり、仕上圧延においてＡｒ3 点
＋２０℃〜Ａｒ3 点−５０℃の範囲で圧下率５０％以上
の圧延を終了し、その後Ａｒ3 点−５０℃以下の温度か
ら鋼板の表裏面同時に水冷を開始し、６００℃以下の温
度で水冷を停止した後空冷することによって、組織がフ
ェライト、パーライト、ベイナイトの１種または２種以
上で主に構成され、フェライトの平均粒径が８μｍ以下
であり、さらに平均存在間隔２０μｍ以下でかつ平均偏
平比５以上の形状をした島状マルテンサイトが面積率で
０．５〜５％の割合で存在する鋼板を製造することがで
き、疲労亀裂の進展速度を低下できると同時にアレスト
性を著しく向上させることができる。しかし島状マルテ
ンサイトは、多量に存在すると、シャルピー試験値等の
靭性を著しく低下させるため上限の面積率を５％とし、
少なすぎると効果がないことから下限の面積率を０．５
％とした。
は再加熱圧延するにあたり、仕上圧延においてＡｒ3 点
＋２０℃〜Ａｒ3 点−５０℃の範囲で圧下率５０％以上
の圧延を終了し、その後Ａｒ3 点−５０℃以下の温度か
ら鋼板の表裏面同時に水冷を開始し、６００℃以下の温
度で水冷を停止した後空冷することによって、組織がフ
ェライト、パーライト、ベイナイトの１種または２種以
上で主に構成され、フェライトの平均粒径が８μｍ以下
であり、さらに平均存在間隔２０μｍ以下でかつ平均偏
平比５以上の形状をした島状マルテンサイトが面積率で
０．５〜５％の割合で存在する鋼板を製造することがで
き、疲労亀裂の進展速度を低下できると同時にアレスト
性を著しく向上させることができる。しかし島状マルテ
ンサイトは、多量に存在すると、シャルピー試験値等の
靭性を著しく低下させるため上限の面積率を５％とし、
少なすぎると効果がないことから下限の面積率を０．５
％とした。
【手続補正４】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】００２６
【補正方法】変更
【補正内容】
【００２６】鋼材中の島状マルテンサイトは、鋼材から
切り出した小型試験体の板厚方向断面（圧延方向と平行
な面）を研磨し、鏡面状態まで仕上げた面にて、１％ピ
ロ亜硫酸ナトリウム−４％ピクリン酸混合溶液での腐食
により現出させた。現出させた島状マルテンサイトを写
真撮影し、その写真について画像解析装置で解析を行
い、面積率、平均存在間隔および平均偏平比を求めた。
切り出した小型試験体の板厚方向断面（圧延方向と平行
な面）を研磨し、鏡面状態まで仕上げた面にて、１％ピ
ロ亜硫酸ナトリウム−４％ピクリン酸混合溶液での腐食
により現出させた。現出させた島状マルテンサイトを写
真撮影し、その写真について画像解析装置で解析を行
い、面積率、平均存在間隔および平均偏平比を求めた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹下 幸一郎 大分市大字西ノ洲１番地 新日本製鐵株式 会社大分製鐵所内
Claims (3)
- 【請求項１】 組織がフェライト、パーライト、ベイナ
イトの１種または２種以上で主に構成され、フェライト
の平均粒径が８μｍ以下であり、さらに平均存在間隔２
０μｍ以下でかつ平均偏平比５以上の形状をした島状マ
ルテンサイトが体積率で０．５〜５％の割合で存在する
ことを特徴とする耐疲労伝播特性とアレスト性の優れた
鋼板。 - 【請求項２】 重量％で Ｃ ：０．０３〜０．１０％ Ｓｉ：≦０．５０％ Ｍｎ：０．４〜１．６％ Ｐ ：≦０．０２０％ Ｓ ：≦０．０１０％ Ｔｉ：０．００５〜０．０２％ Ａｌ：≦０．１０％ Ｎ ：０．００２０〜０．００６０％ 残部は鉄または不可避的不純物からなる鋼を連続鋳造ま
たは造塊によりスラブとし、直送圧延または再加熱後圧
延を行い、仕上圧延においてＡｒ3 点＋２０℃〜Ａｒ3
点−５０℃の範囲で圧下率５０％以上の圧延を終了し、
その後Ａｒ3 点−５０℃以下の温度から鋼板の表裏面同
時に水冷を開始し、６００℃以下の温度で水冷を停止し
た後空冷することを特徴とする耐疲労伝播特性とアレス
ト性の優れた鋼板の製造方法。 - 【請求項３】 重量％で Ｃｕ：≦１．０％、 Ｎｉ：≦１．５％ Ｎｂ：≦０．１％、 Ｖ ：≦０．１％ Ｃｒ：≦１．０％、 Ｂ ：０．０００５〜０．００
２０％ のうち１種または２種以上を含有することを特徴とする
請求項２記載の耐疲労伝播特性とアレスト性の優れた鋼
板の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6223193A JPH06271984A (ja) | 1993-03-22 | 1993-03-22 | 耐疲労伝播特性とアレスト性の優れた鋼板およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6223193A JPH06271984A (ja) | 1993-03-22 | 1993-03-22 | 耐疲労伝播特性とアレスト性の優れた鋼板およびその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06271984A true JPH06271984A (ja) | 1994-09-27 |
Family
ID=13194182
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6223193A Withdrawn JPH06271984A (ja) | 1993-03-22 | 1993-03-22 | 耐疲労伝播特性とアレスト性の優れた鋼板およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06271984A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO1998057767A1 (en) * | 1997-06-19 | 1998-12-23 | Acciai Speciali Terni S.P.A. | Continuous casting process for producing low carbon steel strips and strips so obtainable with good as cast mechanical properties |
| JP2003328070A (ja) * | 2002-05-14 | 2003-11-19 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 極厚鋼材およびその製造方法 |
| KR100544611B1 (ko) * | 2001-12-22 | 2006-01-24 | 주식회사 포스코 | 피로특성이 우수한 가공용 고강도 박강판 및 그 제조방법 |
| JP2008156750A (ja) * | 2006-11-30 | 2008-07-10 | Jfe Steel Kk | 板厚方向の脆性亀裂伝播停止特性に優れる板厚５０ｍｍ以上の鋼板およびその製造方法 |
| JP2008214646A (ja) * | 2007-02-28 | 2008-09-18 | Jfe Steel Kk | 板厚方向の耐疲労亀裂伝播特性に優れた溶接構造用厚鋼板およびその製造方法 |
-
1993
- 1993-03-22 JP JP6223193A patent/JPH06271984A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO1998057767A1 (en) * | 1997-06-19 | 1998-12-23 | Acciai Speciali Terni S.P.A. | Continuous casting process for producing low carbon steel strips and strips so obtainable with good as cast mechanical properties |
| KR100544611B1 (ko) * | 2001-12-22 | 2006-01-24 | 주식회사 포스코 | 피로특성이 우수한 가공용 고강도 박강판 및 그 제조방법 |
| JP2003328070A (ja) * | 2002-05-14 | 2003-11-19 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 極厚鋼材およびその製造方法 |
| JP2008156750A (ja) * | 2006-11-30 | 2008-07-10 | Jfe Steel Kk | 板厚方向の脆性亀裂伝播停止特性に優れる板厚５０ｍｍ以上の鋼板およびその製造方法 |
| JP2008214646A (ja) * | 2007-02-28 | 2008-09-18 | Jfe Steel Kk | 板厚方向の耐疲労亀裂伝播特性に優れた溶接構造用厚鋼板およびその製造方法 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20000530 |