JP3736050B2 - 自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動変速機の油圧制御装置に関し、詳しくは、信号圧に応じて異なる増幅率で出力圧を制御するようにした自動変速機の油圧制御装置に係る。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動変速機の油圧制御装置においては、一般的に、リニアソレノイドバルブにより信号圧を発生し、この信号圧をプライマリレギュレータバルブに入力することにより、ライン圧を適宜な出力圧に調圧し、この調圧された出力圧によって種々の制御を行っている。このときの、リニアソレノイドバルブが発生する信号圧の変化に対する、プライマリレギュレータバルブの出力圧の変化の比を増幅率(以下「ゲイン」という)とすると、このゲインは、リニアソレノイドバルブが発生する信号圧の範囲内で、ライン圧を必要なすべての出力圧に調圧できるように設定されている。つまり、出力圧の変動幅が、信号圧の変動幅内で実現できるように、ゲインが設定されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、例えば、ベルトが掛け渡された2個のプーリのプーリ比を変更することで無段階の変速を行ういわゆる無段変速機においては、非常に高い出力圧が必要となる。すなわち、このような無段変速機にあっては、各プーリを構成する固定シーブと可動シーブとによるベルトの挟持圧を増減することでプーリ比を変更しているが、このベルトの挟持圧は広範囲で変更することが必要であり、したがって、このような広範囲の挟持圧を発生させるためのプライマリレギュレータバルブの出力圧を、その変動幅が大きくなるようにしなければならない。 出力圧の変動幅を大きくとる方法として、リニアソレノイドバルブの信号圧の変動幅を大きくすることが考えられる。しかし、信号圧の変動幅を大きくするためには、リニアソレノイドバルブを大きくすることが必要となり、スペース面、コスト面で不利になる。
【0004】
これらの不利を伴うことなく、出力圧の変動幅を大きくとる方法として、上述したゲインを大きくする方法が考えられる。しかし、ゲインを大きくするということは、信号圧の変動に対する出力圧の変動が大きくなることを意味し、これによると、信号圧の振動による出力圧のばらつきが大きくなり、出力圧の精度の高い制御が難しくなるという問題がある。すなわち、信号圧の変動幅が一定の場合、ゲインを大きく設定すると、出力圧の変動幅が大きくなり高い出力圧が得られる反面、出力圧の精度の高い制御が困難となる。反対に、ゲインを小さく設定すると、出力圧の精度の高い制御が可能である反面、出力圧の変動幅が小さくなり高い出力圧が得られない。
【0005】
実際、上述の無段変速機を搭載した自動車においては、無段変速機は、発進時等にはプーリ比を大きく変更させなければならないため、大きな出力圧が必要とされる反面、定速走行時等には低燃費等の目的で、小さな出力圧の領域が使用され、しかも精度の高い出力圧の制御が要求される。つまり、上述の無段変速機の例では、低出力側では低ゲインが、また高出力側では高ゲインが適しているということになる。
【0006】
そこで、本発明は、信号圧の変化に対応して増幅率(ゲイン)を切り換えて、出力圧の高精度の制御と、高出力圧の出力とを両立させるようにした自動変速機の油圧制御装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る本発明は、第1の信号圧(P10)を発生させる信号圧発生手段(SLT)と、出力圧を調圧する調圧手段(72,72A)と、前記第1の信号(P10)圧に基づき前記出力圧(PL)を調圧して第2の信号圧(PG)を出力する増幅率変更手段(110…)と、を備え、前記調圧手段(72,72A)は、前記第1の信号圧(P10)に基づき、該第1の信号圧の変化に対応する前記出力圧(PL)の変化の比が小さい低増幅率(G1)にて前記出力圧を調圧すると共に、前記第2の信号圧(PG)に基づき、前記第1の信号圧の変化に対応する前記出力圧の変化の比が大きい高増幅率(G2)にて前記出力圧を調圧し、前記第1の信号圧(P 10 )の変動幅内(例えば図8、図9、図10の横軸minとmaxの間)での調圧に基づき前記出力圧(P L )を前記低増幅率(G 1 )と前記高増幅率(G 2 )とに調圧する、ことを特徴とする自動変速機の油圧制御装置にある。
【0008】
請求項2に係る本発明において、前記増幅率変更手段は、前記第1の信号圧(P10)によって調圧される前記第2の信号圧(以下ゲイン圧P G という)を出力するゲインコントロールバルブ(110)と、前記第1の信号圧(P10)と前記ゲイン圧(PG)とのうちのいずれか一方を選択的に出力し前記調圧手段(72)に入力する選択手段(111)と、を有する、ことを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る本発明において、前記選択手段(111)は、前記第1の信号圧(P10)と前記ゲイン圧(PG )とのうちのいずれか一方をこれらの大きさに応じて選択的に出力し前記調圧手段(72)に入力する、ことを特徴とする。
【0010】
請求項4に係る本発明において、前記選択手段(111)は、前記第1の信号圧(P10)と前記ゲイン圧(PG )とのうちのいずれか大きい方を選択的に出力し前記調圧手段(72)に入力するチェックボール(111)を有する、ことを特徴とする。
【0011】
請求項5に係る本発明において、前記選択手段(111)は、前記第1の信号圧(P10)と前記ゲイン圧(PG)とのうちのいずれか一方が選択的に前記調圧手段(72)に入力するように切り換える切換バルブ(115)と、該切換バルブを操作するソレノイドバルブ(116)と、を有する、ことを特徴とする。
【0012】
請求項6に係る本発明は、前記信号圧発生手段(SLT)からの第1の信号圧(P10)が所定値未満のときに、該第1の信号圧(P10)が前記調圧手段(72)に入力され、低増幅率(G1)が選択されるとともに、前記信号圧発生手段(SLT)からの第1の信号圧(P10)が所定値以上のときに、該第1の信号圧(P10)より大きい前記ゲイン圧(PG)が前記調圧手段(72)に入力され、高増幅率(G2)が選択される、ことを特徴とする。
【0013】
請求項7に係る本発明において、前記増幅率変更手段は、前記第1の信号圧(P10)によって調圧される前記ゲイン圧(PG)を出力するゲインコントロールバルブ(110)を有し、前記第1の信号圧(P10)が所定値未満のときに、該第1の信号圧(P10)を前記調圧手段(72A)に入力するとともに、前記第1の信号圧(P10)が所定値以上のときに、前記第1の信号圧(P10)及び前記ゲイン圧(PG)を前記調圧手段(72A)に入力する、ことを特徴とする。
【0014】
請求項8に係る本発明において、前記低増幅率(G 1 )の出力圧(P L )と前記高増幅率(G 2 )の出力圧とは、切換点で連続してなる、ことを特徴とする。
【0015】
請求項9に係る本発明において、前記ゲインコントロールバルブ(110)は、前記第1の信号圧(P10)の小から大への変化に対して、前記ゲイン圧(PG )を小から大へ調圧する、ことを特徴とする。
【0016】
請求項10に係る本発明は、前記信号圧発生手段(SLT)からの前記第1の信号圧(P10)の最小値から最大値への変化に対して、前記第1の信号圧(P10)が前記調圧手段(72)に入力され、低増幅率(G1)を選択し、前記出力圧(PL)を小から大へ調圧し、前記信号圧発生手段(SLT)からの前記第1の信号圧(P10)の最大値から最小値への変化に対して、前記第1の信号圧(P10)より大きい前記ゲイン圧(PG)が前記調圧手段(72)に入力され、高増幅率(G2)を選択し、前記出力圧(PL)を小から大へ調圧する、ことを特徴とする。
【0017】
【発明の作用・効果】
請求項1の発明によると、第1の信号圧(P10)に対する出力圧(PL)の増幅率(ゲイン)(G)を、低増幅率(以下低ゲインG 1 という)とすることにより、第1の信号圧(P10)に対する出力圧(PL)の変動を小さくして第1の信号圧(P10)に対する出力圧(PL)の精度を向上させることができ、また、ゲイン(G)を増幅率変更手段によって高ゲイン(G2)とすることにより、第1の信号圧(P10)に対する出力圧(PL)の変動を大きくして高い出力圧(PL)を出力することができる。
【0018】
請求項2の発明によると、ゲインコントロールバルブ(110)及び選択手段(111)により、調圧手段(72)に対して、第1の信号圧(P10)とゲイン圧(PG)とのうちの一方を出力信号圧(P20)として選択的に調圧手段(72)に入力することができる。したがって、調圧手段(72)に第1の信号圧(P10)が入力されたときのゲイン(G)と、同じく調圧手段(72)にゲイン圧(PG)が入力されたときのゲイン(G)とを異ならせることにより、異なる2つのゲイン(G1、G2)を実現することができる。このとき、例えば、出力圧(PL)の精度を上げたい場合にはゲイン(G)の小さい方(G1)を選択し、高い出力圧を出力したい場合には、逆にゲイン(G)の大きい方(G2)を選択するようにするとよい。
【0019】
請求項3の発明によると、選択手段(111)によって第1の信号圧(P10)とゲイン圧(PG )とのうちの一方を選択する際の一つの基準を与えることができる。すなわち、これら第1の信号圧(P10)の大きさとゲイン圧(PG )との大きさとを比較し、その大小関係を基準として選択するものである。これによると、例えば次の請求項4に示すように、選択のための構成を簡単なものとすることができる。
【0020】
請求項4の発明によると、第1の信号圧(P10)とゲイン圧(PG )とのうちの大きい方を、チェックボール(111)によって容易に選択することができ、選択のための構成を簡略化することができる。
【0021】
請求項5の発明によると、第1の信号圧(P10)とゲイン圧(PG )とのうちの一方を、切換バルブ(115)によって選択することができる。
【0022】
請求項6の発明によると、第1の信号圧(P10)を小から大へ徐々に変更していくと、第1の信号圧(P10)が、所定値を境としてこれ未満のときは、調圧手段(72)に入力される出力信号圧(P20)として第1の信号圧(P10)が選択され低ゲイン(G1)となり、所定値以上のときは、出力信号圧(P20)として第1の信号圧(P10)よりも高いゲイン圧が選択され高ゲイン(G2)となる。すなわち、第1の信号圧(P10)の増加に伴い、所定値を境として低ゲイン(G1)と高ゲイン(G2)とが自動的に切り換わる。
【0023】
以上の請求項2〜請求項6では、第1の信号圧(P10)とゲイン圧(PG )とのうちの一方が選択され、選択された方が第2の信号圧(P20)として調圧手段(72)に入力された。
【0024】
これに対し、請求項7の発明では、出力信号圧(P20)として調圧手段(72A)に入力されるのは、第1の信号圧(P10)の所定値未満では第1の信号圧(P10)のみであり、第1の信号圧(P10)の所定値以上では第1の信号圧(P10)及びゲイン圧(PG)である。これによると第1の信号圧(P10)は常に入力されているので、上述の請求項2〜請求項5のように第1の信号圧(P10)とゲイン圧(PG)との一方が選択される場合に比して、ゲイン(G)の切換えが円滑に行われる。
【0025】
請求項8の発明によると、低ゲイン(G 1 )の出力圧と高ゲイン(G 2 )の出力圧は、切換点で連続するので、低ゲインと高ゲインとの切換えがあっても、出力圧は、滑らかに連続する。
【0026】
請求項9の発明によると、第1の信号圧(P10)の大小関係と、ゲイン圧(GG )の大小関係とが対応する。
【0027】
請求項10の発明によると、第1の信号圧(P10)の変動幅を往復利用することができ、出力圧(PL )の制御精度の向上と、高い出力圧(PL )とを得ることができる。また、低ゲイン(G1 )と高ゲイン(G2 )との切換えが第1の信号圧(P10)の最大値で行われ、第1の信号圧(P10)が最小値から最大値へ変化し、さらに最大値から最小値へ変化するときに、出力圧を小から大へ連続して変化させることができるため、低ゲイン(G1 )から高ゲイン(G2 )へ(又はこの逆に高ゲイン(G2 )から低ゲイン(G1 )へ)切り換わるときの出力圧(PL )の制御が容易となる。
【0028】
なお、上述のカッコ内の符号は、図面と対照するためのものであり、何等本発明の構成を限定するものではない。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、図面に沿って、本発明の実施の形態について説明する。
【0030】
〈実施の形態1〉
実施の形態1では、以下、
(1) 本発明に係る自動変速機の油圧制御装置を適用し得る無段変速機の構成
(2) 本発明の基礎となる油圧回路の構成
(3) (1) の無段変速機及び(2) の油圧回路の動作
(4) 本発明の基礎となるライン圧PL の調圧について
(5) 本発明に係る自動変速機の油圧制御装置の構成
(6) 同じく動作
の順で説明する。
【0031】
(1) 本発明に係る自動変速機の油圧制御装置を適用し得る無段変速機の構成
図1に、本発明に係る自動変速機の油圧制御装置を適用し得る車輌用無段自動変速機(以下「無段変速機」という)1の概略構成を示す。
【0032】
同図に示す無段変速機1は、CVT(ベルト式無段変速装置)2、前後進切換え装置3、ロックアップクラッチ5を内蔵したトルクコンバータ6、カウンタシャフト7、及びディファレンシャル装置9を備えており、これらの装置や部材が分割ケース(不図示)に収納されている。
【0033】
トルクコンバータ6は、エンジン出力軸10にフロントカバー17を介して連結されているポンプインペラ11、入力軸12に連結されているタービンランナ13、及びワンウェイクラッチ15を介して支持されているステータ16を有する。そして、ロックアップクラッチ5は、入力軸12とフロントカバー17との間に介装されている。なお、図中20は、ロックアップクラッチプレートと入力軸12との間に介装されたダンパスプリングであり、また、21は、ポンプインペラ11に連結されて駆動されるオイルポンプである。
【0034】
CVT2は、プライマリシャフト22に固定された固定シーブ23、及びこのプライマリシャフト22に軸方向の摺動のみ自在に支持されている可動シーブ25からなるプライマリプーリ26と、セカンダリシャフト27に固定されている固定シーブ29、及びこのセカンダリシャフト27に軸方向の摺動のみ自在に支持されている可動シーブ30からなるセカンダリプーリ31と、これらプライマリプーリ26とセカンダリプーリ31とに巻き掛けられた金属製のベルト32とを備えている。
【0035】
さらに、プライマリ側可動シーブ25の背面にはダブルピストンからなる油圧アクチュエータ33が配置されており、またセカンダリ側可動シーブ30の背面にはシングルピストンからなる油圧アクチュエータ35が配置されている。上記プライマリ側油圧アクチュエータ33は、プライマリシャフト22に固定されたシリンダ部材36及び反力支持部材37と、可動シーブ25に固定された筒状部材39及びピストン部材40を有しており、筒状部材39、反力支持部材37及び可動シーブ25の背面にて第1の油圧室41を構成するとともに、シリンダ部材36及びピストン部材40にて第2の油圧室42を構成する。そして、これら第1の油圧室41と第2の油圧室42とは、連通孔37aにて互いに連通されているため、全体として、同一油圧によりセカンダリ側油圧アクチュエータ35に発生する軸力に比してほぼ2倍の軸力を発生する。一方、セカンダリ側油圧アクチュエータ35は、セカンダリシャフト27に固定されている反力支持部材43及び可動シーブ30の背面に固定されている筒状部材45を有しており、これら反力支持部材43と筒状部材45とにより1個の油圧室46を構成するとともに、可動シーブ30と反力支持部材43との間にプリロード用のスプリング47が縮設されている。
【0036】
前後進切換え装置3は、ダブルピニオンプラネタリギヤ50、リバースブレーキB1 、及びダイレクトクラッチC1 を有している。上述のダブルピニオンプラネタリギヤ50は、そのサンギヤSが入力軸12に連結されており、第1のピニオンP1 及び第2のピニオンP2 を支持するキャリヤCRがプライマリ側固定シーブ23に連結されており、そしてリングギヤRが上述のリバースブレーキB1 に連結されており、またキャリヤCRとリングギヤRとの間に上述のダイレクトクラッチC1 が介装されている。
【0037】
カウンタシャフト7には、大ギヤ51及び小ギヤ52が固定されており、大ギヤ51はセカンダリシャフト27に固定されたギヤ53に噛合し、かつ小ギヤ52はディファレンシャル装置9のギヤ55に噛合している。ディファレンシャル装置9においては、このギヤ55を有するデフケース66に支持されたデフギヤ56の回転が左右サイドギヤ57、59を介して左右車軸60、61に伝達される。
【0038】
また、プライマリ側固定シーブ23の外周部には多数個の凹凸部23aが歯切りにより等間隔に形成されており、またこれら凹凸部23aに臨むようにケース(不図示)に固定されて電磁ピックアップ62が配置されている。同様に、セカンダリ側固定シーブ29の外周部にも多数個の凹凸部29aが歯切りにより等間隔に形成されており、またこれら凹凸部29aに臨むようにケースに固定されて電磁ピックアップ63が配置されている。これら電磁ピックアップ62、63は、それぞれその検知面が上述の凹凸部23a、29aに近接して配置され、凹凸部23a、29aを検出するそれぞれプライマリ(入力)回転数センサ、セカンダリ(出力)回転数センサ(車速センサ)を構成している。また、フロントカバー17に近接して電磁ピックアップ65が配置されており、電磁ピックアップ65はエンジン回転数センサを構成している。そして、入力トルクは、マップによりスロットル開度とエンジン回転数に基づきエンジントルクを求め、さらにトルクコンバータ6の入出力回転数から速度比を計算し、この速度比によりマップにてトルク比を求め、エンジントルクにこのトルク比を乗じて求められる。
【0039】
(2) 本発明の基礎となる油圧回路の構成
つづいて、図2を参照して、本発明の基礎となる無段変速機1の油圧回路について説明する。なお、本発明は、後述するように、図2に示す油圧回路に対して、増幅率変更手段(例えば、図4では、ゲインコントロールバルブ110)を付加した構成となっている。
【0040】
図2において、21は上述のオイルポンプ、70はオイルポンプコントロールバルブ、S2はこのオイルポンプコントロールバルブ用ソレノイドバルブである。また、72はプライマリレギュレータバルブ、73はセカンダリレギュレータバルブ、SLTはライン圧制御用リニアソレノイドバルブ、SLUはロックアップ制御用リニアソレノイドバルブ、SLRはレシオ制御用リニアソレノイドバルブであり、76はソレノイドバルブ用モジュレータバルブである。
【0041】
77はマニュアルバルブであって、マニュアル操作により、同図中の表に示すように、クラッチモジュレータバルブ79によって調圧されるモジュレート圧(ポート1の油圧)がポート2又はポート3に切り換えられる。80はC1コントロールバルブ、81はニュートラルリレーバルブ、82はリバースインヒビットバルブ、S1は前後進制御用ソレノイドバルブである。また、C1は前述のダイレクトクラッチC1 用の油圧サーボ、B1は前述のリバースブレーキB1 用油圧サーボ、90、91はそれぞれB1用アキュムレータ、C1用アキュムレータである。
【0042】
92はレシオコントロールバルブ、33及び35は前述のプライマリ側油圧アクチュエータ及びセカンダリ側油圧アクチュエータである。95はロックアップコントロールバルブ、96はロックアップリレーバルブ、S3はロックアップ切換え用ソレノイドバルブである。なお、図中、EXはドレーンポートである。
【0043】
そして、97はバイパスコントロールバルブ、99はセカンダリコントロール圧モジュレータバルブ、100はクーラーである。
【0044】
(3) 無段変速機及び油圧回路の動作
つづいて、上述構成の無段変速機1及び油圧回路の動作について説明する。エンジン回転に基づくオイルポンプ21の起動により、所定油圧が発生し、この油圧は、プーリ比及び入力トルクに基づき演算される制御部からの信号により制御されるリニアソレノイドバルブSLTに基づきプライマリレギュレータバルブ72により、ライン圧PL に調圧され、さらに後述するセカンダリレギュレータバルブ73により、セカンダリ圧PS が調圧される。また、停止状態等、高いライン圧PL を必要としない場合、制御部からの信号に基づきソレノイドバルブS2が制御され、オイルポンプコントロールバルブ70を右半位置に操作して、ポンプ21からの油圧を直接循環させる。
【0045】
マニュアルバルブ77のD(ドライブ)レンジ及びL(エル)レンジにあっては、ポート1からの油圧がポート2を介してダイレクトクラッチ用油圧サーボC1に供給され、ダイレクトクラッチC1 が接続する。この状態では、エンジン出力軸10の回転は、トルクコンバータ6、入力軸12及びダイレクトクラッチC1 により直結状態となっているプラネタリギヤ50を介してプライマリプーリ26に伝達され、さらに適宜変速されるCVT2を介してセカンダリシャフト27に伝達され、そしてカウンタシャフト7、ディファレンシャル装置9を介して左右車軸60、61に伝達される。
【0046】
また、マニュアルバルブ77をR(リバース)レンジに操作すると、ポート1からの油圧はポート3を介してブレーキ用油圧サーボB1に供給される。この状態では、プラネタリギヤ50のリングギヤRが係止され、入力軸12からのサンギヤSの回転は、キャリヤCRに逆回転として取り出され、この逆回転がプライマリプーリ26に伝達される。
【0047】
前述のCVT2は、セカンダリプーリ31の油圧アクチュエータ35にプライマリレギュレータバルブ72からのライン圧PL が供給されており、入力トルク及び変速比に応じたベルト挟持力を作用する。一方、制御部からの変速信号に基づきレシオコントロール用リニアソレノイドバルブSLRが制御され、このレシオコントロール用リニアソレノイドバルブSLRからの(信号圧)によりレシオコントロールバルブ92が制御されて、その出力ポートからの油圧がプライマリプーリ26のダブルピストンからなる油圧アクチュエータ33に供給され、これによりCVT2の変速比が適宜制御される。
【0048】
そして、エンジン出力軸10のトルクは、トルクコンバータ6を介して入力軸12に伝達され、特に発進時にあっては、このトルクコンバータ6によりトルク比が高くなるように変速されて入力軸12に伝達され、滑らかに発進する。また、トルクコンバータ6は、ロックアップクラッチ5を有しており、高速安定走行時にあっては、このロックアップクラッチ5が係合して、エンジン出力軸10と入力軸12とが直結状態となって、トルクコンバータ6の油流による動力損失を減少させている。
【0049】
以上で、本発明が適用される無段変速機1、及び本発明の基礎となる無段変速機の油圧回路の構成及び動作についての説明を終える。
【0050】
(4) 本発明の基礎となるライン圧PL の調圧について
次に、上述の図2の一部拡大図である図3を参照して、本発明の基礎となるライン圧PL の調圧について詳述する。
【0051】
プライマリレギュレータバルブ72の一端室lにスプリング72bが縮設されているとともにリニアソレノイドバルブSLTの出力ポートmからの制御油圧がオリフィス101を介して作用し、また該バルブ72の他端室nにはオリフィス102を介してライン圧PL が作用する。したがって、スプール72aは一端室lに作用する制御油圧と他端室nに作用するフィードバック圧とによりバランスして、オイルポンプ21からプライマリレギュレータバルブ72のポートoに供給される圧は、該ポートoがドレーンポートEX及びセカンダリポートqに所定割合にて連通することにより調圧され、これにより入力トルク及びCVT2の変速比に基づき算出されるライン圧PL が油路hに導かれる。
【0052】
一方、セカンダリレギュレータバルブ73の一端室rにはスプリング73bが縮設されているとともにセカンダリコントロール圧モジュレータバルブ99の出力ポートsからの出力圧がオリフィス103を介して作用し、また他端室tにはオリフィス105を介してセカンダリ圧PS が作用する。したがって、スプール73aは一端室rに作用する制御油圧と他端室tに作用するフィードバック圧によりバランスして、ポートuは、ドレーンポートEX及び潤滑油ポートvと所定割合にて連通することにより調圧され、前記プライマリレギュレータバルブ72のポートqからセカンダリレギュレータバルブ73のポートuに供給されている油圧は、前記セカンダリコントロール圧モジュレータバルブ99の出力ポートsからの圧に基づくセカンダリ圧PS となって、前記油路pに導かれる。また、該セカンダリレギュレータバルブ73のポートvからオリフィス109を介して潤滑装置107に潤滑油圧が供給される。
【0053】
そして、上記モジュレータバルブ99は、その一端室wにスプリング99bが縮設されており、またその他端室xに前記出力ポートsからの出力圧がオリフィス106を介して作用している。さらに、該モジュレータバルブ99は、前記ライン圧制御用リニアソレノイドバルブSLTからの制御油圧がオリフィス104を介して供給される入力ポートy、前記出力ポートs及びドレーンポートEXを有しており、かつ出力ポートsが入力ポートy及びドレーンポートEXに所定割合にて連通するとともに、入力ポートyにはVノッチy′が形成されている。
【0054】
したがって、上記モジュレータバルブ99のスプール99aは、その上端に出力圧がフィードバック圧として作用しかつ下端にスプリング99bの付勢力が作用してバランスするが、制御油圧が所定圧以内の場合、上端室xに作用するフィードバック圧に対してスプリング99bの付勢力が大きく、右半位置にあって、入力ポートyからの制御油圧が出力ポートsにそのまま出力する。そして、リニアソレノイドバルブSLTからの制御油圧が所定圧以上になると、上記スプール99aがフィードバック圧及びスプリング付勢力によりバランスして、制御油圧が上昇しても、出力ポートsからの出力圧は、一定値に保持される。
【0055】
したがって、ライン圧制御用リニアソレノイドバルブSLTは、制御部からの入力トルク及びCVT2の変速比に基づく制御信号によりソレノイドモジュレータバルブ79からのモジュレータ圧PM を出力ポートmに所定制御油圧として出力し、該制御油圧が制御油室lに作用することに基づき、プライマリレギュレータバルブ72は、CVT2のU/D(アンダードライブ)及びO/D(オーバドライブ)の間で入力トルクに比例するライン圧PL を出力する。
【0056】
一方、上記リニアソレノイドバルブSLTからの制御油圧が所定圧以内にある場合、セカンダリコントロール圧モジュレータバルブ99は、上記制御油圧をそのまま出力し、該出力圧が制御油室rに作用することによりセカンダリレギュレータバルブ73は、U/D時及びO/D時の間で入力トルクに比例したセカンダリ圧PS を出力する。上記O/D時のセカンダリ圧PS がトルクコンバータ6の必要圧に合うように設定されており、U/D時においてセカンダリ圧PS が不足することはない。
【0057】
そして、上記モジュレータバルブ99の出力ポートsからの出力圧は、リニアソレノイドバルブSLTの制御油圧が所定圧以上になると一定に保持される。したがって、ライン圧PL は上記制御油圧に比例して上昇するが、セカンダリ圧PS は、一定の出力圧(制御油圧)に基づき一定値に規制される。該セカンダリ圧PS の上限は、トルクコンバータ5の限界圧以下であって、かつその必要最高圧にほぼ一致する。
【0058】
(5) 本発明に係る自動変速機の油圧制御装置の構成
以上の説明を基礎として、以下に本発明の特徴部分について詳述する。
【0059】
本発明に係る自動変速機の油圧制御装置は、信号圧発生手段と、増幅率変更手段と、調圧手段とを備えており、低ゲインと高ゲインとを切り換えることを特徴としている。構成上の特徴は、上述の図2、図3との関係でいうと、図4、図5に示すように、信号圧発生手段としてのリニアソレノイドバルブSLTと調圧手段としてのプライマリレギュレータバルブ72との間に増幅率変更手段を介装した点にある。なお、図2と図4との対応関係については、同じ構成、動作の部材等については同符号を付して対応させているが、本発明に対して直接的に関与しない部分においては若干対応しない部分もある。例えば、図4では、図2のロックアップコントロールバルブ95が省略されている。
【0060】
信号圧発生手段としてのリニアソレノイドバルブSLTは、前述の図2、図3に示すものと同じである。すなわち、制御部からの入力トルク及びCVT2の変速比に基づく制御信号により、ソレノイドモジュレータバルブ79からのモジュレータ圧PM を出力ポートmに第1の信号圧P10として出力するものである。
【0061】
本実施の形態1における増幅率変更手段は、図4、図5に示す本実施の形態1においては、ゲインコントロールバルブ110と、選択手段としてのチェックボール111とによって構成されている。図5に示すように、ゲインコントロールバルブ110は、リニアソレノイドバルブSLTによって発生される第1の信号圧P10が入力される油室aと、プライマリレギュレータバルブ72から出力されたライン圧PL が入力される入力ポートcと、ライン圧PL を第1の信号圧P10によりゲイン圧PG として調圧して出力する出力ポートbとを有する。また、ゲインコントロールバルブ110は、ランドL1 、L2 を有するスプール110aを有し、スプール110aは、スプリング110bによって上方に付勢されている。
【0062】
チェックボール111は、2個の入力口111a、111bと、1個の出力口111cとを有する。一方の入力口111aはリニアソレノイドバルブSLTからの第1の信号圧P10が入力されるものであり、他方の入力口111bはゲインコントロールバルブ110からのゲイン圧(第2の信号圧)PGが入力されるものである。これら第1の信号圧P10とゲイン圧PGとの大きい方が、ボール111dにより選択され、出力口111cから出力信号圧P20として出力され、この出力信号圧P20がオリフィス101を介してプライマリレギュレータバルブ72の一端室lに入力される。この一端室lに入力された出力信号圧P20に応じて、前述のように、ライン圧PLが調圧されることになる。なお、調圧手段としてのプライマリレギュレータバルブ72の構成及び作用は、図3に示すものとほぼ同様なので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0063】
(6) 本発明に係る自動変速機の油圧制御装置の動作
つづいて、図5及び図8を参照して、上述構成の、自動変速機の油圧制御装置の動作について説明する。
【0064】
オイルポンプ21(図3参照)が起動されると、オイルポンプ21からの油圧は、プライマリレギュレータバルブ72の入力ポートoに入力されるとともに、オリフィス102を介してスプール72a上方の他端室nに入力される。スプール72aは、他端室nに入力された油圧により、スプリング72に抗して下方に押し下げられ、図5の左半位置に配置される。一方、ゲインコントロールバルブ110は、スプール110aがスプリング110bによって押し上げられて左半位置に配置される。これにより、ゲインコントロールバルブ110の入力ポートcは、ランドL2よって閉鎖され、ゲインコントロールバルブ110には、ライン圧PLは入力されない。この状態は、図8のminに対応する。なお、図8縦軸の(P20)は、第1の信号圧P10の変化に対応して、出力信号圧P20がライン圧PLと同様に変化することを示すものである。
【0065】
この状態から、リニアソレノイドバルブSLTにより第1の信号圧P10が発生されると、この第1の信号圧P10は、ゲインコントロールバルブ110の油室aと、チェックバルブ111の入力口111aに入力される。このときチェックバルブ111の他方の入力口111bには、まだライン圧PLから調圧されたゲイン圧PGは入力されないので、ボール111dは、入力口111aから入力された第1の信号圧P10によって同図中の左方に押し付けられる。これにより、チェックボール111の出力口111cからは、第1の信号圧P10が、そのまま出力信号圧P20として出力される。出力された出力信号圧P20は、オリフィス101を介して、プライマリレギュレータバルブ72の一端室lに入力される。
【0066】
さらに、第1の信号圧P10が増加すると、油室aに入力する第1の信号圧P10によってスプール110aが徐々に押し下げられるのと並行して、出力信号圧P20が徐々に増加し、これにより、プライマリレギュレータバルブ72からのライン圧PLも増加する。このときの、第1の信号圧P10の変化に対する、ライン圧PLの変化の比、つまりゲインGは、低ゲインG1として図8に示してある。この図8における傾きの小さい低ゲインG1は、後述の切換点までつづく。
【0067】
第1の信号圧P10の増加に伴うスプール110aの下降により、ランドL2 の上面が入力ポートcの上端を過ぎると、ゲインコントロールバルブ110に、入力ポートcからライン圧PL が入力され調圧されて、出力ポートbからゲイン圧PG として出力される。このゲイン圧PG は、チェックボール111の入力口111bに入力される。このとき、スプール110aは、ランドL1 下面の受圧面積がランドL2 上面の受圧面積よりも大きいことに基づいて、ライン圧PL からは上方に押し上げる力を受ける。この力は、ランドL1 下面の受圧面積とランドL2 上面の受圧面積との面積差と、ゲイン圧PG との積であり、この力と第1の信号圧P10が油室aに作用する力とのバランスにより、ゲイン圧PG は調圧される。なお、スプール110aのランドL1 下面の受圧面積と、ランドL2 上面の受圧面積との差を適宜に設定することで、出力ポートbからのゲイン圧PG を適宜に調圧することができる。例えば、これらの受圧面積の差を小さくすると、同じ第1の信号圧P10に対して高いゲイン圧PG でつり合うことになり、ゲインGを、後述の高ゲインG2 よりもさらに高いものとすることが可能である。
【0068】
上述のように、油室aに入力される第1の信号圧P10が増加するに伴って、チェックボール111の入力口111aに入力される第1の信号圧P10と、入力口111bに入力されるゲイン圧PGとは双方とも増加する。そして、第1の信号圧P10が低い領域では、上述のようにゲイン圧PGよりも第1の信号圧P10の方が大きいため、ボール111dが左方に押し付けられて、出力口111cからは、大きい方の第1の信号圧P10が、出力信号圧P20として出力される。
【0069】
ところが、ゲイン圧PG は、第1の信号圧P10によって調圧され、ゲイン圧PG のフィードバック圧の受圧面積(ランドL1 下面とランドL2 上面の受圧面積差)が第1の信号圧P10の受圧面積よりも小さく設定されているため、この入力口111bに入力されるゲイン圧PG と、入力口111aに入力される第1の信号圧P10とを比較すると、ゲイン圧PG の増加率が第1の信号圧P10の増加率よりも大きくなる。
【0070】
したがって、第1の信号圧P10を徐々に増加させていくと、ある点でゲイン圧PGと第1の信号圧P10との大小関係が逆転し、ゲイン圧PGが第1の信号圧P10を上回る。この点が図8に示す切換点である。この切換点まで、第1の信号圧P10よりも小さかったゲイン圧PGが、この切換点を境として、第1の信号圧P10よりも大きくなる。これにより、ボール111dが図5中の右方に押し付けられ、以後、出力口111cからは、ゲイン圧PGが出力信号圧P20として出力され、プライマリレギュレータバルブ72に入力されることになる。このときの、油室aに入力される第1の信号圧P10の変化に対する、プライマリレギュレータバルブ72からのライン圧PLの変化の比(ゲインG)は、高ゲインG2(G2>G1)となる。なお、低ゲインG1、高ゲインG2における「低」、「高」とは、ゲインGの絶対値の高低をいうのではなく、他方に対する相対的な「高低」をいうものである。
【0071】
この高ゲインG2 は、第1の信号圧P10の最大値に対応するライン圧PL の最大値maxまでつづく。なお、図8のグラフにおいては、グラフの傾きがゲインGを示し、傾きが小さいときが低ゲインG1 、傾きが大きいときが高ゲインG2 となる。
【0072】
上述のように、本発明においては、実施の形態においては、リニアソレノイドバルブSLTが出力する第1の信号圧P10の変動幅(最小minと最大maxとの間)内で、必要なライン圧PL の変動幅(最小minと最大maxとの間)を実現しようとするものである。
【0073】
ところが、前述したように、例えば、無段変速機1(図1参照)においては、第1の信号圧P10に基づく、ライン圧PL の高精度の制御と高いライン圧PL とを実現することが要求されるが、前者の高精度の制御には低ゲインG1 が必要となり、後者の高いライン圧PL には高ゲインG2 が必要となるため、従来のように、ゲインGを一種に固定した場合には、高精度の制御と高いライン圧PL との双方を両立させることが困難であった。
【0074】
すなわち、第1の信号圧P10の変動幅を一定とすると、ライン圧PL の高精度の制御を実現すべく、低ゲインG1 に設定した場合、図8の二点鎖線に示すように、第1の信号圧P10を最大にしても、必要なライン圧PL の最大値を得ることができない。一方、これとは逆に、高いライン圧PL を実現すべく、一点鎖線に示すように、高ゲインに設定した場合、ライン圧PL の高精度の制御が困難となる。
【0075】
そこで、本発明においては、第1の信号圧P10の変動幅内の切換点を境として、ライン圧PL の高精度の制御が必要な、第1の信号圧P10の低い領域では、低ゲインG1 とする一方、高いライン圧PL が必要な、第1の信号圧P10の高い領域では、高ゲインG2 とすることにより、ライン圧PL の高精度の制御と、高いライン圧PL とを両立させるようにしている。
【0076】
そのための手段として、以上説明した実施の形態1では、ゲインコントロールバルブ110とチェックボール111とによって構成された増幅率変更手段によって、第1の信号圧P10とゲイン圧PG とを選択的に出力し、選択された一方を第2の信号圧P20として、プライマリレギュレータバルブ72に入力し、これによりライン圧PL を制御するものである。
【0077】
〈実施の形態2〉
上述の実施の形態1に対し、本実施の形態2においては、第1の信号圧P10が低い領域においては、これを出力信号圧P20としてプライマリレギュレータバルブ72に入力し、また、第1の信号圧P10が高い領域においては、第1の信号圧P10とゲイン圧PGとを出力信号圧P20としてプライマリレギュレータバルブ72に入力するものである。
【0078】
図6に、実施の形態2を示す。なお、図5に示す実施の形態1と同じ構成、同じ作用の部材等については、同じ符号を付して、これらの重複説明を省略するとともに、主に実施の形態1と異なる部分について説明するものとする。
【0079】
図6において、信号圧発生手段としてのリニアソレノイドバルブSLT及びゲインコントロールバルブ110は、図5のものとすべて同様であり、また、調圧手段としてのプライマリレギュレータバルブ72Aは、スプール72aの下端部を下方に延長するとともに油室dを設けた点を除いて、図5のものと同様である。
【0080】
本実施の形態2のおける増幅率変更手段は、プライマリレギュレータバルブ72Aの油室l及び油室dと、ゲインコントロールバルブ110とによって構成されている。
【0081】
リニアソレノイドバルブSLTから発生された第1の信号圧P10は、オリフィス101を介して、プライマリレギュレータバルブ72Aの油室lに入力されてスプール72aを徐々に上方に押し上げるとともに、ゲインコントロールバルブ110の油室aに入力されてスプール110aを徐々に下方に押し下げる。
【0082】
この状態は、図9に示すように低ゲインG1 であり、第1の信号圧P10が切換点に達するまで継続される。
【0083】
また、リニアソレノイドバルブSLTからの第1の信号圧P10は、ゲインコントロールバルブ110の入力ポートaに入力され、スプール110aを徐々に下方へ押し下げ、出力ポートbによりゲイン圧PGが出力され、プライマリレギュレータバルブ72Aの下部の油室dに入力される第1の信号圧P10が切換点に達するまでは、このゲイン圧PGは、第1の信号圧P10よりも低いために、ゲイン圧PGがプライマリレギュレータバルブ72Aのスプール72aを上方に押し上げることはない。次に、第1の信号圧P10が切換点に達すると、ゲイン圧PGが第1の信号圧P10よりも大きくなり、スプール72aは第1の信号圧P10に加え、ゲイン圧PGによっても上方へ押し上げられる。したがって、本実施の形態2においては、第1の信号圧P10が切換点に達するまでは、この第1の信号圧P10のみがプライマリレギュレータバルブ72Aのスプール72aを上方に押し上げる出力信号圧P20として作用し、切換点を超えると、この第1の信号圧P10とゲイン圧PGとの両方が出力信号圧P20として作用することになる。
【0084】
第1の実施の形態では、第1の信号圧P10とゲイン圧PGとのうちの大きい方が選択的に出力信号圧P20となっていたのと異なり、本実施の形態2においては、図9に示すように、ゲイン圧PGによって、同図中の斜線部分の圧力が付加されることになるため、前述の実施の形態1の場合に比して、低ゲインG1から高ゲインG2への移行、またその逆の移行が円滑に行われる。
【0085】
〈実施の形態3〉
図7に実施の形態3を示す。なお、同図に示す信号圧発生手段としてのリニアソレノイドバルブSLT及び調圧手段としてのプライマリレギュレータバルブ72は、前述の実施の形態1のものとすべて同じであり、これらの説明は省略する。実施の形態1とは、増幅率変更手段のみが異なり、以下では、この相違点を主に説明する。
【0086】
図7に示す増幅率変更手段は、ゲインコントロールバルブ113と、切換バルブ115と、オン/オフ用のソレノイドバルブ116とを備えている。
【0087】
ゲインコントロールバルブ113は、リニアソレノイドバルブSLTからの第1の信号圧P10が入力される入力ポートaと、ライン圧PL が入力される入力ポートcと、ゲイン圧PG が出力される出力ポートbを有し、スプール113aは、スプリング113bによって上方に付勢されている。
【0088】
切換バルブ115は、第1の信号圧P10が入力される入力ポートeと、ゲイン圧PG が入力される入力ポートfと、第1の信号圧P10又はゲイン圧PG が出力される出力ポートgと、ソレノイドバルブ116の信号圧が入力される入力ポートiとを有する。
【0089】
図10に示すように、本実施の形態3においては、第1の信号圧P10の、minからmaxへの変更に対応させて低ゲインG1 とし、これに引き続いてのmaxからminへの変更に対応させて高ゲインG2 とするものである。
【0090】
これによると、第1の信号圧P10の変動幅をほぼ2倍にしたのと同等の効果を得ることができ、ライン圧PL の高精度の制御が可能となり、かつライン圧PL の高いライン圧PL の実現を可能とするものである。
【0091】
以下、詳述する。
【0092】
第1の信号圧P10の増加に対応する低ゲインG1 時は、ソレノイドバルブ116により、切換バルブ115のスプール115aを図7の右半位置に配置する。
【0093】
この右半位置においては、第1の信号圧P10の大きさにかかわらず、切換バルブ115の入力ポートfがスプール115aによって閉鎖されるため、切換バルブ115の出力ポートgからゲイン圧PG が出力されることはない。入力ポートeに入力された第1の信号圧P10は、出力ポートgから第2の信号圧P20としてオリフィスを介して油室lに入力される。この状態は、図10における第1の信号圧P10のminからmaxまでつづけられる。
【0094】
上述の第1の信号圧P10は、ゲインコントロールバルブ113の油室aにも入力されており、そのminからmaxへの変化に伴って、スプール113aが下限位置まで押し下げられる。このスプール113aの下限位置においては、上方のランドによって入力ポートcがほぼ閉鎖されている。
【0095】
ここで、第1の信号圧P10がmaxに達したときに、ソレノイドバルブ116によって切換バルブ115を左半位置に配置する。これにより、スプール115aの上方のランドによって入力ポートeが閉鎖され、出力ポートgから第1の信号圧P10が出力されなくなる。これに代わり、出力ポートgからは、入力ポートfに入力されたゲイン圧PGが調圧されて出力信号圧P20として出力されることになる。すなわち、切換バルブ115を左半位置に配置し、第1の信号圧P10を徐々に低下させると、ゲインコントロールバルブ113のスプール113aが徐々に上昇し、これにより、入力ポートcの開口面積が徐々に大きくなり、ゲインコントロールバルブ113に入力されるライン圧PLが徐々に増加する。したがって、出力ポートbからは、徐々に増加するゲイン圧PGが出力され、切換バルブ115の入力ポートfに入力される。入力されたゲイン圧PGは、出力ポートgから出力信号圧P20として出力され、プライマリレギュレータバルブ72の油室lに入力される。
【0096】
上述のように、本実施の形態3においては、第1の信号圧P10のminからmaxの変化に対応して、低ゲインG1 を実現し、これに連続する第1の信号圧P10のmaxからminへの変化に対応して、高ゲインG2 を実現している。
【0097】
なお、図11に、図1に示す無段変速機1におけるプーリ比とライン圧PL との関係を参考までに示す。これらの関係は、同図に示すように、下方に凸の曲線状となるため、発進時等においてプーリ比を大きくしようとする(U/D側に移動させる)と、大きなライン圧PL が必要となる。
【0098】
上述の実施の形態1ないし実施の形態3で説明した本発明によると、プーリ比のU/D側での大きなライン圧PL の発生と、プーリ比のO/D側での、精度の高いライン圧PL の制御とが可能となるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される無段変速機を示す概略図。
【図2】本発明の基礎となる油圧回路を示す図。
【図3】ライン圧の増幅を説明するための拡大図。
【図4】本発明の油圧回路を示す図。
【図5】実施の形態1における増幅率変更手段を示す拡大図。
【図6】実施の形態2における増幅率変更手段を示す拡大図。
【図7】実施の形態3における増幅率変更手段を示す拡大図。
【図8】実施の形態1における第1の信号圧とライン圧との関係を示す図。
【図9】実施の形態2における第1の信号圧とライン圧との関係を示す図。
【図10】実施の形態3における第1の信号圧とライン圧との関係を示す図。
【図11】無段変速機におけるプーリ比とライン圧との関係を示す図。
【符号の説明】
1 自動変速機(無段変速機)
72、72A 調圧手段(プライマリレギュレータバルブ)
110、113 ゲインコントロールバルブ
111 選択手段(チェックボール)
115 切換バルブ
116 ソレノイドバルブ
G 増幅率(ゲイン)
G1 低ゲイン
G2 高ゲイン
P10 第1の信号圧
P20 出力信号圧
PG 第2の信号圧(ゲイン圧)
PL 出力圧(ライン圧)
SLT 信号圧発生手段(リニアソレノイドバルブ)
Claims (10)
- 第1の信号圧を発生させる信号圧発生手段と、
出力圧を調圧する調圧手段と、
前記第1の信号圧に基づき前記出力圧を調圧して第2の信号圧を出力する増幅率変更手段と、を備え、
前記調圧手段は、前記第1の信号圧に基づき、該第1の信号圧の変化に対応する前記出力圧の変化の比が小さい低増幅率にて前記出力圧を調圧すると共に、前記第2の信号圧に基づき、前記第1の信号圧の変化に対応する前記出力圧の変化の比が大きい高増幅率にて前記出力圧を調圧し、前記第1の信号圧の変動幅内での調圧に基づき前記出力圧を前記低増幅率と前記高増幅率とに調圧する、
ことを特徴とする自動変速機の油圧制御装置。 - 前記増幅率変更手段は、
前記第1の信号圧によって調圧される前記第2の信号圧を出力するゲインコントロールバルブと、
前記第1の信号圧と前記第2の信号圧とのうちのいずれか一方を選択的に出力し前記調圧手段に入力する選択手段と、を有する、
ことを特徴とする請求項1記載の自動変速機の油圧制御装置。 - 前記選択手段は、
前記第1の信号圧と前記第2の信号圧とのうちのいずれか一方をこれらの大きさに応じて選択的に出力し前記調圧手段に入力する、
ことを特徴とする請求項2記載の自動変速機の油圧制御装置。 - 前記選択手段は、
前記第1の信号圧と前記第2の信号圧とのうちのいずれか大きい方を選択的に出力し前記調圧手段に入力するチェックボールを有する、
ことを特徴とする請求項3記載の自動変速機の油圧制御装置。 - 前記選択手段は、
前記第1の信号圧と前記第2の信号圧とのうちのいずれか一方が選択的に前記調圧手段に入力するように切り換える切換バルブと、
該切換バルブを操作するソレノイドバルブと、を有する、
ことを特徴とする請求項2記載の自動変速機の油圧制御装置。 - 前記信号圧発生手段からの第1の信号圧が所定値未満のときに、該第1の信号圧が前記調圧手段に入力され、低増幅率が選択されるとともに、
前記信号圧発生手段からの第1の信号圧が所定値以上のときに、該第1の信号圧より大きい前記第2の信号圧が前記調圧手段に入力され、高増幅率が選択される、
ことを特徴とする請求項2ないし請求項5のいずれか1項記載の自動変速機の油圧制御装置。 - 前記増幅率変更手段は、
前記第1の信号圧によって調圧される前記第2の信号圧を出力するゲインコントロールバルブを有し、
前記第1の信号圧が所定値未満のときに、該第1の信号圧を前記調圧手段に入力するとともに、
前記第1の信号圧が所定値以上のときに、前記第1の信号圧及び前記第2の信号圧を前記調圧手段に入力する、
ことを特徴とする請求項1記載の自動変速機の油圧制御装置。 - 前記低増幅率の出力圧と前記高増幅率の出力圧とは、切換点で連続してなる、
請求項1ないし請求項7のいずれか記載の自動変速機の油圧制御装置。 - 前記ゲインコントロールバルブは、前記第1の信号圧の小から大への変化に対して、前記第2の信号圧を小から大へ調圧する、
ことを特徴とする請求項2ないし請求項8のいずれか1項記載の自動変速機の油圧制御装置。 - 前記信号圧発生手段からの前記第1の信号圧の最小値から最大値への変化に対して、前記第1の信号圧が前記調圧手段に入力され、低増幅率を選択し、前記出力圧を小から大へ調圧し、
前記信号圧発生手段からの前記第1の信号圧の最大値から最小値への変化に対して、前記第1の信号圧より大きい前記第2の信号圧が前記調圧手段に入力され、高増幅率を選択し、前記出力圧を小から大へ調圧する、
ことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項5、又は請求項8記載の自動変速機の油圧制御装置。
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