JP3931540B2 - 自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents

自動変速機の油圧制御装置 Download PDF

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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H61/00Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing
    • F16H61/66Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing specially adapted for continuously variable gearings
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    • F16H2061/6608Control of clutches, or brakes for forward-reverse shift

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の車輌に用いられる自動変速機の油圧制御装置に係り、特にレシオコントロールバルブ等の2個のソレノイドバルブにより制御される変速制御バルブを有する油圧制御装置に用いて好適であり、詳しくは発進時に係合する摩擦係合要素用の油圧を制御圧及び作動(レンジ)圧に切換える油圧制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、発進時に係合する摩擦係合要素、例えばダイレクト(入力)クラッチ用油圧を制御圧と作動圧(レンジ圧)に切換える油圧制御装置として、例えば特開平10−246317号公報に開示されているものがある。このものは、ソレノイドバルブにて切換えられるニュートラルリレーバルブと、リニアソレノイドバルブにて調圧制御されるコントロールバルブとを備え、マニュアルシフトバルブのニュートラルレンジからドライブレンジ(N→D)への切換えに際し、コントロールバルブにて調圧された制御圧を、上記ニュートラルリレーバルブの所定ポートを介してダイレクトクラッチ用油圧サーボに供給し、該制御圧を徐々に上昇して、ダイレクトクラッチを滑らかに係合し、そして上記ニュートラルリレーバルブを切換えて、上記制御圧を遮断すると共に、マニュアルシフトバルブからのレンジ圧を上記油圧サーボに供給して、ダイレクトクラッチを係合状態に保持する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術に係るソレノイドバルブは、上述したようにニュートラルリレーバルブを切換えると共に、リバースインヒビットバルブの切換えも行うが、これは、ニュートラルリレーバルブとリバースインヒビットバルブが同時作動することがないことを利用したものであり、柔軟性の欠ける設計となっている。即ち、リバースインヒビット機能を、例えばロックアップリレーバルブ等の他の切換えバルブを利用して専用の切換えバルブを用いない場合、また前進時に限らず後進発進時、即ちニュートラルレンジからリバースレンジ(N→R)の切換えに際しても上記制御圧及びレンジ圧の切換えを行う場合、それぞれ専用のソレノイドバルブを必要としてしまう。
【0004】
そこで、本発明は、発進時に係合する摩擦係合要素用油圧サーボへの油圧を制御圧及び作動圧に切換える切換えバルブを、専用のソレノイドを用いることなく行い、もって上記課題を解決した自動変速機の油圧制御装置を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、入力回転を無段に変速して出力する無段変速装置(3)と、発進時に接続する摩擦係合要素(C ,C )と、を備え、前記無段変速装置を油圧アクチュエータ(33)にて変速操作すると共に、前記摩擦係合要素を油圧サーボ(C1,B1)により断接操作してなる、自動変速機(1)の油圧制御装置において、
それぞれ電気信号により信号圧の出力と排出とに切換えられる2個のソレノイドバルブ(S3)(S4)と、
前記油圧アクチュエータ(33)へ所定油圧を供給して前記無段変速装置をアップシフトする供給位置、前記油圧アクチュエータからの油圧を排出して前記無段変速装置をダウンシフトする排出位置及び前記油圧アクチュエータの油圧の給排を遮断して前記無段変速装置を所定変速位置にホールドする遮断位置の3種に切換える制御バルブ(80)と、
前記油圧サーボ(C1,B1)への供給油圧を、前記摩擦係合要素が完全締結する油圧である作動圧(PB1,PC1)と、徐々に上昇して前記摩擦係合要素を滑らかに接続する制御圧(PCC)とに切換える切換えバルブ(79)と、を備え、
前記2個のソレノイドバルブ(S3,S4)の、前記制御バルブの3種の切換え以外の組合せにより、前記切換えバルブ(79)を切換えることを特徴とする、
自動変速機の油圧制御装置にある。
【0006】
例えば図1、図7に示すように、前記制御バルブ(80)は、無段変速装置(2)を、前記供給位置でアップシフトし、前記排出位置でダウンシフトし、前記遮断位置で前記無段変速装置を所定変速位置にてホールドするように制御する変速制御バルブ(レシオコントロールバルブ)である
【0007】
例えば図8、図9、図10に示すように、前記切換えバルブ(79,79,79)は、前記2個のソレノイドバルブが共に信号圧を出力する場合と、それ以外の組合せとにより切換えられる
【0008】
例えば図8、図9、図10に示すように、前記制御バルブ(80)は、前記2個のソレノイドバルブの一方(S3)が信号圧を出力しかつ他方(S4)が排出するときに前記排出位置をとり、前記他方(S4)が信号圧を出力しかつ一方(S3)が排出するときに前記供給位置をとり、前記両ソレノイドバルブ(S3)(S4)が共に排出するときに前記遮断位置をとり、
前記切換えバルブ(79,79,79)は、前記2個のソレノイドバルブの前記3種の組合せのときに前記作動圧を出力する位置(ダイレクト位置)をとり、前記2個のソレノイドバルブが共に信号圧を出力するときに前記制御圧を出力する位置(コントロール位置)をとる
【0009】
例えば図11、図12、図13、図14に示すように、前記切換えバルブ(79,79,79,79)は、前記2個のソレノイドバルブ(S3,S4)が共に排出する場合と、それ以外の組合せとにより切換えられる
【0010】
例えば図11、図12、図13、図14に示すように、前記制御バルブ(80)は、前記2個のソレノイドバルブの一方(S3)が信号圧を出力しかつ他方(S4)が排出するときに前記排出位置をとり、前記他方(S4)が信号圧を出力しかつ一方(S3)が排出するときに前記供給位置をとり、前記両ソレノイドが共に信号圧を出力するときに前記遮断位置をとり、
前記切換えバルブ(79,79,79,79)は、前記2個のソレノイドバルブ(S3,S4)の前記3種の組合せのときに前記作動圧を出力する位置(ダイレクト位置)をとり、前記2個のソレノイドバルブが共に排出するときに前記制御圧を出力する位置(コントロール位置)をとる
【0011】
例えば図8、図11に示すように、前記切換えバルブ(79,79)は、スプール(79g)を一方向に付勢するように配置された、前記2個のソレノイドバルブ(S3,S4)の出力ポート(e,f)にそれぞれ連通する2個の制御油室(79e,79f)と、前記スプールを他方向付勢するように配置されたスプリング(79c)と、を有する
【0012】
例えば図9、図13に示すように、前記切換えバルブ(79,79)は、スプール(79f)を一方向に付勢するように配置された、前記2個のソレノイドバルブ(S3,S4)の出力ポート(e,f)にそれぞれ連通する2個の制御油室(79e,79f)と、前記スプールを他方向に付勢するように配置された、前記2個のソレノイドバルブ(S3,S4)の入力ポート(p,o)に連通する制御油室(79h)と、を有する
【0013】
例えば図12、図13に示すように、前記切換えバルブ(79,79)は、スプール(79f)と、該スプールに接離し得るプラグ(79j)と、前記プラグの一端に付勢する、前記2個のソレノイドバルブの一方(S3又はS4)の出力ポート(e又はf)に連通する制御油室(79e又は79f)と、前記プラグの他端と前記スプールの間に作用する、前記2個のソレノイドバルブの他方(S4又はS3)の出力ポート(f又はe)に連通する制御油室(79f又は79e)と、を有する
【0014】
例えば図14に示すように、前記2個のソレノイドバルブ(S3,S4)の出力ポート(e,f)にそれぞれ連通する2個の入力ポート(90a,90b)と、出力ポート(90c)と、前記入力ポートのいずれかの供給圧を出力ポートに出力するように切換える切換え機構(90d)と、を有する選択バルブ(90)を備え、
前記切換えバルブ(796)は、スプール(79g)を一方向に付勢するように配置された、前記2個のソレノイドバルブの入力ポート(p,o)に連通する制御油室(79h)と、前記スプールを他方向に付勢するように配置された、前記選択バルブ(90)の出力ポート(90c)に連通する制御油室(79k)と、を有する
【0015】
例えば図1、図2に示すように、前記発進時に係合する摩擦係合要素用油圧サーボは、前進時に係合する摩擦係合要素(C)用油圧サーボ(C1)と、後進時に係合する摩擦係合要素(B)用油圧サーボ(B1)である
【0016】
例えば図2、図7に示すように、運転者が操作するマニュアルシフトバルブ(75)を備え、
前記マニュアルシフトバルブの入力ポート(PM)に、前記切換えバルブ(79)から出力された作動圧(PB1,PC1)又は制御圧(PCC)を供給するように配置してなる
【0017】
[作用]
以上構成に基づき、2個のソレノイドバルブ(S3,S4)の3種の組合せにより制御バルブ(80)は、供給位置、排出位置、遮断位置に切換えられる。例えば、2個のソレノイドバルブの一方(S3)が信号圧を出力すると、変速制御バルブ(80)は排出位置となってダウンシフトに、他方(S4)が信号圧を出力すると、供給位置となってアップシフトに、両方(S3,S4)が共に信号圧を出力するか又は排出すると、遮断位置となって変速比をホールドする。これにより、無段変速装置(2)が適宜変速されて車輌は走行する。
【0018】
上述した2個のソレノイドバルブ(S3,S4)の組合せにより制御バルブ(80)が制御される際、切換えバルブ(79…)は、作動圧(PB1,PC1)を供給する状態にあって、摩擦係合要素(B,C)は確実に締結している。そして、運転者がニュートラルレンジ(N)からドライブレンジ(D)又はリバースレンジ(R)に操作して、車輌を発進する際、前記2個のソレノイドバルブ(S3,S4)は上記3種の組合せ以外の残りの1種、例えば両ソレノイドバルブが共に排出するか信号圧を供給する位置をとる。これにより、切換えバルブ(79…)は、制御圧(PCC)を出力するように切換えられ、摩擦係合要素(B,C)は徐々に接続して車輌を滑らかに発進する。そして、上記摩擦係合要素の滑らかな係合が完了すると、前記ソレノイドバルブ(S3,S4)は前記3種の組合せのいずれかに切換えられ、無段変速装置を適宜変速すると共に、切換えバルブ(79…)は、作動圧が出力する状態に切換え・保持される。
【0019】
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の構成に何等影響を及ぼすものではない。
【0020】
【発明の効果】
請求項1又は2に係る本発明によると、2個のソレノイドバルブの組合せにより、供給、排出及び遮断の各位置に切換える制御バルブを用いるものにおいて、上記2個のソレノイドバルブの残りの1個の組合せにより、切換えバルブを、作動圧又は制御圧供給状態に切換えるので、発進時の摩擦係合要素の係合を滑らかにすると共に該摩擦係合要素の締結を確実にできるものでありながら、上記切換えバルブ専用のソレノイドバルブが不要となる。
【0021】
御バルブが無段変速装置を制御する変速制御バルブであるので、発進時には変速制御の必要がなく、かつ変速制御時には発進時制御は必要がなく、従って互いに悪影響を及ぼすことがなく、発進時の制御及び変速制御を行うことができる。
【0022】
個のソレノイドバルブが共に信号圧を出力する状態とそれ以外の組合せとで切換えバルブを切換える、制御圧を供給する発進時制御の経過後、アップシフトする場合、両ソレノイドバルブの信号圧出力状態から一方を排出に切換えればよく、素速くかつ確実に通常の走行制御に切換えることができる。
【0023】
個のソレノイドバルブが共に排出する状態とそれ以外の組合せとで切換えバルブを切換える、エンジン停止状態から発進する際、両ソレノイドバルブの排出状態により切換えバルブは低い制御圧の供給位置にあって、素速い立上りによる発進時の制御を行うことができる。
【0024】
請求項に係る本発明によると、2個のソレノイドバルブの出力ポートにそれぞれ連通する制御油室に、共に信号圧が供給された状態か又は排出された状態で始めて、スプリングに抗してスプールが切換わり、簡単な構成で切換えバブルを切換えることができる。
【0025】
請求項に係る本発明によると、一方のソレノイドバルブの信号圧は、ソレノイドバルブの入力ポートに連通する油圧(ソレノイド元圧)にて打消されるので、ソレノイドバルブへの入力圧が変化しても、常に一定の切換えバルブの切換え開始圧及び完了圧を得ることができ(例えば図9(b)参照)、車輌走行状況による油圧変化に拘らず、確実にかつ正確に切換えバルブを切換えることができる。また、切換えバルブの切換油圧が、ソレノイドバルブへの入力圧に比例させることにより(例えば図10(b)参照)、ソレノイド元圧が変動しても、確実かつ正確に切換えバルブを切換えることができる。
【0026】
請求項に係る本発明によると、スプールとプラグとの間に作用する制御油圧に一方のソレノイドバルブの出力ポートを連通して、両ソレノイドバルブからの信号圧をそれぞれ単独でスプールに作用するようにしたので、同径からなるスプール及びプラグを用いた簡単で小型の切換えバルブを用いることができる。
【0027】
請求項に係る本発明によると、両ソレノイドバルブの信号圧は、選択バルブを介して供給されるので、切換えバルブのソレノイドバルブの出力ポートに連通する制御油室は1個で足り、構造を簡単かつ小型化することが可能となる。
【0028】
請求項に係る本発明によると、ニュートラル位置からの前進位置及び後進位置への両方の発進時に、制御圧を供給する発進時制御を行うことができる。
【0029】
請求項に係る本発明によると、マニュアルバルブの入力ポートに、切換えバルブから出力される作動圧又は制御圧を供給するので、前進及び後進の両発進時の制御を共通化することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明を適用し得る車輌用無段自動変速機1を示す図であり、該無段自動変速機は、ベルト式無段変速装置(CVT)2、前後進切換え装置3、ロックアップクラッチ5を内蔵したトルクコンバータ6、カウンタシャフト7及びディファレンシャル装置9を備えており、これら装置が一体化された分割ケースに収納されている。
【0031】
トルクコンバータ6は、エンジン出力軸10にフロントカバー17を介して連結されているポンプインペラ11、入力軸12に連結されているタービンランナ13及びワンウェイクラッチ15を介して支持されているステータ16を有しており、更に入力軸12とフロントカバー17との間にロックアップクラッチ5が介在している。なお、図中20は、ロックアップクラッチプレートと入力軸との間に介在するダンパスプリング、21は、ポンプインペラ11に連結して駆動されるオイルポンプである。
【0032】
CVT(ベルト式無段変速装置)2は、プライマリシャフト22に固定された固定シーブ23及びシャフトに摺動のみ自在に支持されている可動シーブ25からなるプライマリプーリ26と、セカンダリシャフト27に固定されている固定シーブ29及び該シャフトに摺動のみ自在に支持されている可動シーブ30からなるセカンダリプーリ31と、これら両プーリに巻掛けられた金属製のベルト32と、を備えている。
【0033】
更に、プライマリ側可動シーブ25の背面にはダブルピストンからなる油圧アクチュエータ33が配置されており、またセカンダリ側可動シーブ30の背面にはシングルピストンからなる油圧アクチュエータ35が配置されている。上記プライマリ側油圧アクチュエータ33は、プライマリシャフト22に固定されたシリンダ部材36及び反力支持部材37と、可動シーブ25に固定された筒状部材39及びピストン部材40を有しており、筒状部材39、反力支持部材37及び可動シーブ25の背面にて第1の油圧室41を構成すると共に、シリンダ部材36及びピストン部材40にて第2の油圧室42を構成する。そして、これら第1の油圧室41及び第2の油圧室42は、連通孔37aにて互いに連通しており、同一油圧によりセカンダリ側油圧アクチュエータ35に比して略々倍する軸方向力を発生する。一方、セカンダリ側油圧アクチュエータ35は、セカンダリシャフト27に固定されている反力支持部材43及び可動シーブ30の背面に固定されている筒状部材45を有しており、これら両部材により1個の油圧室46を構成すると共に、可動シーブ30と反力支持部材43との間にプリロード用のスプリング47が縮設されている。
【0034】
前後進切換え装置3は、ダブルピニオンプラネタリギヤ50、リバース(後進用)ブレーキB1 及びダイレクトクラッチ(前進用クラッチ又は入力クラッチ)C1 を有している。前記プラネタリギヤ50は、そのサンギヤSが入力軸12に連結されており、第1及び第2のピニオンP1 ,P2 を支持するキャリヤCRがプライマリ側固定シーブ23に連結されており、そしてリングギヤRが後進用摩擦係合要素となる前記リバースブレーキB1 に連結されており、またキャリヤCRとリングギヤRとの間に前記ダイレクトクラッチC1 が介在している。
【0035】
カウンタシャフト7には、大ギヤ51及び小ギヤ52が固定されており、大ギヤ51はセカンダリシャフト27に固定されたギヤ53に噛合し、かつ小ギヤ52はディファレンシャル装置9のギヤ55に噛合している。ディファレンシャル装置9は、前記ギヤ55を有するデフケース66に支持されたデフギヤ56の回転が左右サイドギヤ57,59を介して左右車軸60,61に伝達される。
【0036】
ついで、図2に沿って、本無段自動変速機の油圧回路について説明する。図において、21は前記オイルポンプ、また70はプライマリレギュレータバルブ、71はセカンダリレギュレータバルブ、SLTはライン圧制御用リニアソレノイドバルブ、73はセカンダリシーブコントロールバルブであり、75は運転者のシフトレバー等の操作により切換えられるマニュアルシフトバルブである。
【0037】
また、76は、前記ダイレクトクラッチC1 及びリバースブレーキB1 用油圧サーボC1,B1に供給する、いわゆるクラッチ(モジュレータ)圧(作動圧、レンジ圧)を発生するクラッチモジュレータバルブ、77は、クラッチ及びブレーキの切換え時に上記油圧サーボへ供給するコントロール圧(制御圧)を発生するコントロールバルブ、79は上記クラッチ圧及びコントロール圧を切換えるリレー(切換え)バルブであり、上記コントロールバルブ及びリレーバルブは、主に車庫出し、車庫入れ等に用いられるので、便宜的に77をガレージシフトコントロールバルブ、79をガレージシフトバルブと称する。
【0038】
また、80はレシオコントロールバルブ(変速制御バルブ)、81はロックアップリレーバルブ、82はロックアップコントロールバルブ、83はソレノイドモジュレータバルブである。そして、S1は、上記ロックアップリレーバルブ81切換え用のソレノイドバルブであり、ノーマルクローズタイプで油圧をオン・オフ(供給・解放)制御する。S2は、上記ロックアップコントロールバルブ81を制御するソレノイドバルブであり、ノーマルクローズタイプで油圧をデューティ制御により調圧する。S3は、上記レシオコントロールバルブ80をダウンシフト側に作動するソレノイドバルブであり、ノーマルクローズタイプでデューティ制御を行い、またS4は、上記レシオコントロールバブルをアップシフト側に作動するソレノイドバルブであり、同じくノーマルクローズタイプでデューティ制御を行う。
【0039】
更に、図2中、85はストレーナ、86はリリーフバルブ、87はオイル温度センサ、89は圧力センサ、88は潤滑油路、91はクーラ、92はクーラバイパスバルブ、93はチェックバルブであり、また前述したように、33はプライマリ側油圧アクチュエータ、35はセカンダリ側油圧アクチュエータ、6はトルクコンバータ、5はロックアップクラッチである。なお、図2において、他の部品は周知の油圧記号に従うものである。
【0040】
ついで、上記構成に基づく作用について説明する。エンジン回転に基づくオイルポンプ21の回転により、所定油圧が発生し、該油圧は、図4に示すように、プーリ比及び入力トルクに基づき演算される制御部からの信号により制御されるリニアソレノイドバルブSLTからのSLT(制御)圧に基づきプライマリレギュレータバルブ70が制御されることにより、ライン圧PLに調圧され、更にセカンダリレギュレータバルブ71により、セカンダリ圧(Psec)が調圧される。更に、リニアソレノイドバルブSLTの出力ポートaからの信号油圧(SLT圧)は、油路a1を介してセカンダリシーブコントロールバルブ73の制御油室73aに供給され、該バルブ73は、ポート73bに入力されているライン圧をセカンダリシーブ用圧PSSに調圧してポート73cに出力し、セカンダリ側油圧アクチュエータ35に供給する。
【0041】
また、上記リニアソレノイドバルブSLTの信号油圧(SLT圧)は、油路a2を介してガレージコントロールバルブ77の制御油室77aに供給され、該バルブ77は、ポート77bに入力されているクラッチ圧をクラッチコントロール圧PCCに調圧してポート77cから出力する。
【0042】
また、クラッチモジュレータバルブ76は、ポート76aにライン圧PLが入力され、ポート76bから出力すると共に、一方の制御油室76cに上記出力ポートからの出力圧(クラッチ圧)が入力されており、かつスプールがスプリング76dにより上記制御油室に向けて付勢されていると共に、小径プラグを介しての他方の制御油室76eにマニュアルシフトバルブ75のリバースポートRからの油圧が油路bを介して供給されている。従って、該クラッチモジュレータバルブ76は、図5に示すように、ライン圧PLが低い状態では、制御油室76cに作用するフィードバック圧はスプリング76dの予荷重に打勝つことなく、左半位置にあってライン圧と略々同じクラッチ圧を出力するが、ライン圧PLが高くなると、それに応じてフィードバック圧も高くなり、スプリング76dの予荷重に打勝つと、該スプリング76dと制御油室76cのフィードバック圧とのバランスにより、略々一定のクラッチ圧PB1,PC1が出力する。
【0043】
ここで、マニュアルシフトバルブ75がRレンジにある場合、リバースポートRからの油圧が下端制御油室76eに作用して、スプールの持上げ力を助勢し、出力ポート76bからのクラッチ圧が、該制御油室に油圧が作用していないDレンジ圧より所定量高くなる。従って、図5において、油圧サーボB1に作用する後進レンジ(R)のクラッチ圧PB1が、油圧サーボC1に作用する前進レンジ(D)のクラッチ圧PC1より所定量高くなり、クラッチ(ブレーキ)係合力が出力トルクに対応するように設定される。
【0044】
ついで、図3の作動表に沿って、本無段自動変速機の作動を説明する。パーキングレンジP、リバースレンジR及びニュートラルレンジNにある場合、4個のソレノイドバルブS1〜S4は、すべてOFFであり、解放状態にある。また、クラッチモジュレータバルブ76の出力ポート76bからのクラッチ圧が、油路c1、ストレーナ85及び油路c2を介して、更に右半位置にあるガレージシフトバルブ79のポート79a,79bを介してマニュアルシフトバルブ75の入力(供給)ポートPMに供給されている。なお、上記油路c2のクラッチ圧は、リニアソレノイドバルブSLTの入力ポートcに入力していると共に、ソレノイドモジュレータバルブ83にも入力している。該モジュレータバルブ83は、上記クラッチ圧を所定量減圧して、各ソレノイドバルブS1〜S4及びガレージシフトバルブ79の制御油室79cに供給される。
【0045】
そして、ドライブレンジDにあっては、マニュアルシフトバルブ75が、入力ポートPMとドライブポートDとを連通して、前記クラッチ圧が油路dを介して油圧サーボC1に供給され、ダイレクトクラッチC1 を接続する。この状態では、エンジン出力軸10の回転は、トルクコンバータ6、入力軸12及びダイレクトクラッチC1 により直結状態となっているプラネタリギヤ50を介してプライマリプーリ26に伝達され、更に適宜変速されるCVT2を介してセカンダリシャフト27に伝達され、そしてカウンタギヤ51,52、ディファレンシャル装置9を介して左右車軸60,61に伝達される。
【0046】
エンジン出力軸10のトルクは、トルクコンバータ6を介して入力軸12に伝達され、特に発進時にあっては、該トルクコンバータ6によりトルク比が高くなるように変速されて入力軸12に伝達され、滑らかに発進する。また、該トルクコンバータ6は、ロックアップクラッチ5を有しており、所定速度以上の定常走行時にあっては、該ロックアップクラッチが係合して、エンジン出力軸10と入力軸12とが直結状態となって、トルクコンバータの油流による損失を減少している。更に、該クラッチが完全に係合するまで、ロックアップクラッチの入力側と出力側の回転差が所定値になるように、後述するソレノイドバルブS2のデューティ制御による出力圧に基づきスリップ制御される。
【0047】
即ち、図6に詳示すように、ポジションセンサによりマニュアルシフトバルブ75がDレンジにある場合、アクセル開度及び入力回転数センサからの入力回転数をマップから読取り、制御部から、ロックアップOFF信号又はON信号をソレノイドバルブS1に出力する。該ソレノイドバルブS1が出力ポートpからロックアップOFF信号圧(解放)を出力している場合、ロックアップリレーバルブ81は、スプリング81fの付勢力により右半位置にある。この状態では、セカンダリレギュレータバルブ71の出力ポート71aからのセカンダリ圧(Psec)は、油路g、リレーバルブ81のポート81a及び81bを介してロックアップOFFポート6aからトルクコンバータ6に供給され、そしてロックアップONポート6bからリレーバルブ81のポート81c,81dを介してクーラー91に導かれ、これによりロックアップクラッチ5は切断状態に保持される。
【0048】
一方、ソレノイドバルブS1が制御部からのロックアップON信号を入力して信号圧(供給)を出力すると、該信号圧が制御油室8tに供給され、ロックアップリレーバルブ81が左半位置に切換えられる。この状態では、油路gからのセカンダリ圧は、リレーバルブ81のポート81a及びポート81cを介してロックアップONポート6bからトルクコンバータ6に供給され、そしてロックアップOFFポート6aからリレーバルブ81のポート81b及び81eを介してコントロールバルブ82のポート82aに導かれてドレーンポートEXから排出され、これによりロックアップクラッチ5は接続状態に保持される。
【0049】
そして、ロックアップクラッチをスリップ作動する場合、制御部にロックアップクラッチの入力側及び出力側の回転数即ちエンジン回転数センサからの信号及び入力回転数センサからの信号が入力され、その差が所定値になるような信号を出力する。該信号に基づきソレノイドバルブS2がデューティ制御され、出力ポートhから所定制御油圧を出力し、該制御油圧がロックアップコントロールバルブ82の中間制御油室82bに作用する。該ロックアップコントロールバルブ82は、スプール82cの上端に作用する上制御油室82dと、該スプールの下段にスプリング82eと共に作用する下制御油室82fを有しており、上制御油室82dにロックアップOFFポート6aからの油圧が油路jを介して作用すると共に、下制御油室82fにロックアップONポート6bからの油圧が油路kを介して作用して、スプール82cにロックアップクラッチ制御用の両油圧が差圧状態にて作用している。
【0050】
そして、該コントロールバルブ82は、上記差圧作用状態にて、上記デューティ制御による制御油圧が制御油室82bに作用すると、スプール82cは該制御油圧に応じて下方に移動して、出力ポート82aが、セカンダリ圧入力ポート82g及びドレーンポートEXに所定割合にて連通する。これにより、ロックアップOFF側ポート6aからの油圧が所定圧となり、トルクコンバータ6のON側油室とOFF側油室がバランスして、ロックアップクラッチ5は所定スリップ状態となる。
【0051】
ついで、後進段成立禁止(リバースインヒビット)機構について、図6に沿って説明する。前記ロックアップリレーバルブ81は、前述したロックアップクラッチ制御用の各ポート81a,81b,81c,81d,81eの外に、リバースインヒビット用のポート81g,81h及びドレーンポートEXを有する。なお、ポート81iは、セカンダリレギュレータバルブ71の潤滑ポート71b(図2参照)からの潤滑油が油路rを介して供給されているポートであり、ロックアップオン位置(左半位置)にあって、ポート81iと81dを連通して、該潤滑油圧クーラー91に供給するものであり、ロックアップOFF位置(右半位置)にある場合、トルクコンバータからの油が油路81dを介してクーラー91に供給されていたものが、ON位置にて供給されなくなるための対策である。
【0052】
ドライブレンジDにあって、車輌が所定速度以上で定常走行している場合、ロックアップクラッチ5は接続状態にあり、ロックアップリレーバルブ81は、ソレノイドバルブS1のON信号圧(供給)によりON位置(左半位置)に保持されている。この状態で、運転者が誤ってシフトレバーをリバースレンジRに操作して、マニュアルシフトバルブ75の入力ポートPMとリバースポートRが連通して、入力ポートPMのクラッチ圧がポートRに供給されても、該クラッチ油圧は、油路b2を介して上記ロックアップリレーバルブ81のポート81gで遮断されており、かつリバースブレーキ用油圧サーボB1は、油路n及びポート81hを介してドレーンポートEXに連通している。従って、ロックアップクラッチがONされている所定速度以上の定常走行状態にあっては、例えシフトレバーをリバースレンジに操作しても、リバースブレーキB1 が係合して、後進状態を達成することはない(リバースインヒビット)。また、上記リバースインヒビットにおいて、ロックアップリレーバルブ81はON状態(左半位置)に保持された状態を維持したままであり、専用のリバースインヒビット(後進段禁止)バルブを有する従来の技術のように、バルブの切換えに伴うタイムラグが発生することはない。
【0053】
なお、車輌が所定速度以下に減速して停止状態となる場合は、次の発進に備えてソレノイドバルブS1はOFF(解放)状態となり、ロックアップリレーバルブ81はOFF位置(右半位置)となる。この状態は、前述したように、セカンダリ圧が、ポート81aからポート81bを介してトルクコンバータのOFFポート6aに供給され、そしてONポート6b、ポート81c,81dを介してクーラー91に流れ、ロックアップクラッチ5は切断状態にある。該所定速度以下の車輌の略々停止状態にあっては、上記リレーバルブ81のポート81g,81hは連通し、マニュアルシフトバルブ75をリバース位置Rに操作して、入力ポートPMとリバースポートRとを連通すると、クラッチ圧(又はコントロール圧)は、油路b2、ポート81g,81h、油路nを介して油圧サーボB1に供給され、リバースクラッチBが係合して後進段が達成される。
【0054】
更に、上記リバースインヒビットの作動中、即ち所定速度以上での前進走行中、運転者が後進段に誤って操作し、そしてシフトレバーをリバースレンジに放置した状態にあって、例えば減速(又は加速)等により制御部からロックアップクラッチ5の解放信号が出力する場合がある。この場合、ソレノイドバルブS1は、制御部からのON信号により出力ポートpから信号圧が出力したままで、ロックアップリレーバルブがON位置(左半位置)に保持され、前記ポート81gが遮断されたリバースインヒビット状態がそのまま保持される。この状態で、ソレノイドバルブS2がOFF状態、即ちデューティ比が0[%]の解放(0圧)状態にあり、ロックアップコントロールバルブ82は、スプリング82eの付勢力により右半位置にあり、ポート82gと82aとが全通状態にある。従って、セカンダリ圧Psecは、ポート82g,82aを介してリレーバルブ81のポート81eに連通され、更に上記ON位置にある該バルブのポート81bを介してロックアップOFFポート6aに供給される。この状態は、トルクコンバータ6は、ポート6bからのオン側及びポート6aからのオフ側に同じセカンダリ圧Psecが供給され、両室の差はなくなり、ロックアップクラッチ5は解放状態に保持される。
【0055】
ドライブレンジDにあって、ソレノイドバルブS1のONへの切換えによりリレーバルブ81がON位置に切換わり、セカンダリ圧Psecがポート81a,81cを介してロックアップONポート6bに供給される際、ロックアップOFFポート6aからの油圧が、ポート81a,81cを介してコントロールバルブ82の82aに連通するが、その際、ソレノイドバルブS2は、OFF状態から滑らかにそのデューティ比を上昇する。これにより、コントロールバルブ82は、右半位置にあって、ポート82aにポート82gのセカンダリ圧が供給されている状態、即ち上記ロックアップOFFポート6aからの排出圧と同じ油圧を供給して、前述と同様に、トルクコンバータの両室を差のない状態としてロックアップクラッチ5を解放してある状態から、上記ソレノイドバルブS2のデューティ比の上昇に伴い徐々に増加する信号圧を制御油室82bに供給することにより、スプール82cを下方向に移動し、ポート82aは、セカンダリ圧供給ポート82gとドレーンポートEXとの連通割合を徐々にドレーンポート側に増加する。これにより、ロックアップクラッチ5を滑らかに接続し、そして該コントロールバルブ82を左半位置にすることによりポート82aをドレーンポートEX全通してロックアップクラッチを完全に接続する。
【0056】
即ち、ロックアップコントロールバルブ82は、前述したロックアップクラッチのスリップ制御、上記クラッチ接続時のシフトショックのない滑らかな係合、そしてロックアップリレーバルブ81にリバースインヒビット機能を付加することに伴うリバースインヒビット時におけるロックアップクラッチの解放の各機能を有する。
【0057】
ついで、本発明の要部に係る発進用摩擦係合要素用油圧サーボへの油圧の切換え機構について、図7に沿って説明する。レシオコントロールバルブ80は、スプール80aの両端にそれぞれ制御油室80s,80tを備えており、これら制御油室にそれぞれスプリング80b,80cが縮設されていると共に、これらスプリングと、前記スプールの両端に座金80d,80eが介在している。これら、座金は、円筒部及び底壁部を有しており、円筒部は前記制御油室80s,80tの側壁に摺動自在に案内され、また底壁部は上記スプールの端及び上記制御油室の端面に当接し得る。
【0058】
更に、上記レシオコントロールバルブ80は、中央部に環状の凹部からなる連通部を有するスプール80aと、前記ダウンシフト用ソレノイドバルブS3の出力ポートeに油路e2及びオリフィス95を介して連通しかつ前記制御油室の一方80sに開口しているポート80fと、前記アップシフト用ソレノイドバルブS4の出力ポートfに油路f2及びオリフィス95を介して連通しかつ前記制御油室の他方80tに開口しているポート80hと、ライン圧油路lからのライン圧PLが供給される入力(供給)ポート80gと、前記プライマリ側油圧サーボ33(詳しくはその油圧室41,42)に連通する出力ポート80iと、2個のドレーンポートEXと、を有する。なお、詳しい構成は、先願である特願平11−210485号及び特願平11−375789号に記載されている。
【0059】
そして、上記両ソレノイドバルブS3,S4が、OFFであって出力ポートe,fが解放状態(0圧)である場合、レシオコントロールバルブ80は、両制御油室80s,80tに制御圧が作用せず、両スプリング80b,80eの付勢力が座金80d,80eを介してスプール80aの両端に作用し、これら座金の底壁部が制御油室の端面に当接することにより、スプールは図に示す中立位置に位置決め・保持される。この状態では、供給ポート80g及び出力ポート80iが共に遮断状態にあり、プライマリ側油圧アクチュエータ33は、油圧の出入がなく所定状態に保持されて、CVT2は所定変速比に保持される。
【0060】
一方、ダウンシフト用ソレノイドバルブS3及びアップシフト側ソレノイドバルブS4は、ソレノイドモジュレータバルブ83からのソレノイドモジュレータ圧がその入力ポートo,pに入力されており、制御部からの所定電気信号によりデューティ制御されてポートe,fから所定信号圧を出力する。
【0061】
ドライブレンジDにおいて、センサからの信号に基づき制御部がダウンシフト判断をすると、該判断に応じてソレノイドバルブS3がデューティ制御され、その出力ポートeから所定信号圧が出力する。レシオコントロールバルブ80は、上記中立位置に保持された状態から前記出力ポートeからの所定信号圧が、油路e2、オリフィス95を介して上記レシオコントロールバルブ80のポート80fに作用すると、上制御油室80sに作用する信号圧に応じて、スプール80aはスプリング80cに抗して下方向に移動する。
【0062】
これにより、出力ポート80iが上記所定信号圧に応じた割合にてドレーンポートEXに連通し、プライマリ側油圧アクチュエータ33の油圧を所定速度でドレーンし、上記セカンダリ側油圧アクチュエータ35に所定セカンダリシーブ圧PSSが供給されていることに基づき、CVT2は、プライマリプーリ26の有効径が小さくなる方向、即ちアンダドライブ側に変速(ダウンシフト)する。
【0063】
また、上記ドライブレンジDにおいて、制御部がアップシフト判断すると、該判断に応じてソレノイドバルブS4がデューティ制御され、その出力ポートfから所定信号圧が出力され、該信号圧が、油路f2、オリフィス95を介してレシオコントロールバルブ80のポート80hに供給される。
【0064】
該レシオコントロールバルブ80は、下制御油室80tの上記信号圧に基づき、スプール80aをスプリング80bに抗して上方に移動し、供給ポート80gと出力ポート80iを所定割合にて連通する。これにより、油路lから供給ポート80gに供給されるライン圧PLが上記デューティ制御に基づく所定信号圧に応じた油圧に調圧されて、出力ポート80iからプライマリ側油圧アクチュエータ33に供給される。一方、セカンダリ側油圧アクチュエータ35には、前述したように、セカンダリシーブコントロールバルブ73により入力トルクに応じた所定セカンダリシーブ圧PSSが作用しており、ベルト狭持力を保持しているが、上述したダブルピストンからなるプライマリ側油圧アクチュエータ33に上記油圧が供給されると、CVT2は、プライマリプーリ26の有効径が大きくなる方向、即ちオーバドライブ側に変速(アップシフト)する。
【0065】
そして、シフトレバーを操作して、マニュアルシフトバルブ75が、ニュートラルNからドライブ位置D又はリバース位置Rに切換わる際、ポジションセンサに基づく制御部からの信号により、ダウンシフト用ソレノイドバルブS3及びアップシフト用ソレノイドバルブS4の両方が、ON状態、即ちデューティ比100[%]のフル供給状態に切換えられる。これにより、レシオコントロールバルブ80は、その両方の入力ポート80f及び80hから両制御油室に同じモジュレータ圧が供給され、スプール80aの両端に作用する付勢力が同じになり、該レシオコントロールバルブ80は、両ソレノイドバルブS3,S4がOFF状態の場合と同様に、中立位置に保持される。従って、CVT2は、所定変速比に保持されることになるが、一般に、停止状態であるニュートラル位置になる前のドライブレンジDにおいてダウンシフト操作され、最アンダドライブ状態にある。なお、リバースレンジRにあっては、レシオコントロールバルブ80は操作されず、CVT2は所定位置(一般に最アンダドライブ位置)に保持される。
【0066】
ガレージシフトバルブ79は、スプール79gの一端(上端)に制御油室79fが形成されていると共に他端(下端)にスプリング79cが縮設されており、かつ中段に面積差に基づき下方に付勢する制御油室79eが形成されている。また、該シフトバルブ79は、クラッチモジュレータバルブ76からのクラッチモジュレータ圧(作動圧、レンジ圧)PB1,PC1が供給される入力(供給)ポート79a、マニュアルシフトバルブ75の入力ポートPMに連通する出力ポート79b、ガレージシフトコントロールバルブ77の出力ポート77cに連通するコントロール圧入力ポート79dを有している。更に、前記スプリング79cが縮設されている制御油室79hに、前記ソレノイドバルブS3,S4の入力ポートp,oに供給されるソレノイドモジュレータバルブ83からのソレノイドモジュレータ圧PSMが連通されている。
【0067】
また、ガレージシフトコントロールバルブ77は、スプール77sの一端(上端)に制御油室77dが形成されていると共に、他端にリニアソレノイドバルブSLTからの信号圧PSLTが供給される制御油室77aが形成されている。更に、該コントロールバルブ77は、前記クラッチモジュレータ圧(作動圧)PB1,PC1が供給される入力(供給)ポート77b、前記シフトバルブのコントロール圧(制御圧)入力ポート79dに連通するポート77c、ドレーンポートEXを有しており、ポート77cからのコントロール圧は、上記上制御油室77dにフィードバック圧として作用し、また該ポート77cからの油圧は油路s及びチェックバルブ96を介してマニュアルシフトバルブ75の入力ポートPMに連通している。
【0068】
この状態、即ちマニュアルシフトバルブ75のニュートラル位置Nからドライブ位置D又はリバース位置Rへの切換え時、つまり車輌を前進又は後進で発進する際、上記両ソレノイドバルブS3,S4からのフル供給状態の信号圧は、油路e1,f1を通ってガレージシフトバルブ79の制御油室79e,79fに供給される。これにより、該シフトバルブ79は、スプール79g上端に作用する制御油室79fの油圧及びスプール中段の面積差により下方に向けて作用する制御油室79eの油圧により、スプール79gが下端制御油室79hのソレノイドモジュレータ圧(元圧)及びスプリング79cに抗して移動して左方位置(コントロール位置)に切換えられる。
【0069】
この状態では、入力ポート79aからのクラッチ圧(ダイレクト圧)PB1,PC1が出力ポート79bに供給されていた状態から、コントロール圧入力ポート79dと出力ポート79bとが連通する位置に切換えられ、ガレージシフトコントロールバルブ77からのコントロール圧PCCが出力ポート79bから出力する。前述したように、上記コントロールバルブ77は、図4に示すように、リニアソレノイドバルブSLTからの信号圧PSLTにより、上記クラッチ圧がコントロール圧PCCに減圧されて出力ポート77cから出力しており、該コントロール圧が上記切換えられたシフトバルブ79及び油路mを介してマニュアルシフトバルブ75の入力ポートPMに供給される。
【0070】
そして、ニュートラルレンジNからドライブレンジDに切換わる際(N→D)、上記入力ポートPMからのコントロール圧は、マニュアルシフトバルブ75のポートDから油路d及びオリフィス95を介して、ダイレクトクラッチ用油圧サーボC1に供給される。この際、上記コントロール圧は、コントロールバルブ77の制御油室77aに供給されるリニアソレノイドバルブSLTからの信号油圧により制御され、滑らかに上昇する。これにより、ダイレクト(入力)クラッチCは、シフトショックを生じないように滑らかに接続し、前後進切換え装置3は、入力軸12とプライマリプーリ26とが直結した前進状態となる。なお、シフトレバーをローレンジLにシフトする際も、マニュアルシフトバルブ75の入力ポートPMは、右端のポートDにも連通し、上記同様に、クラッチ用油圧サーボC1にコントロール圧PCCが供給される。
【0071】
一方、ニュートラルレンジNからリバースレンジRに切換わる際(N→R)、上記入力ポートPMからのコントロール圧は、マニュアルシフトバルブ75のポートRから、油路b2及びロックアップリレーバルブ81のポート81g,81h、油路n及びオリフィス95を介してリバースブレーキ用油圧サーボB1に供給され、該コントロール圧は、前述同様に、リニアソレノイドバブルSLTの信号油圧により滑らかに上昇する。これにより、リバースブレーキBは、シフトショックを生じないように滑らかに接続し、前後進切換え装置3は、リングギヤRが固定され、入力軸12の回転は、ダブルピニオンプラネタリギヤ50を介して逆回転・減速回転としてプライマリプーリ26に伝達される。
【0072】
そして、ポジションセンサ検知からの所定時間経過又は回転センサによる所定係合状態の達成により、前記ダイレクトクラッチC1 又はリバースブレーキB1 の係合が完了した際は、制御部からの信号により前記両ソレノイドバルブS3,S4のフル供給状態が解除される。この状態、即ち両ソレノイドバルブの少なくとも一方のOFF(解放)により、ガレージシフトバルブ79は、制御油室79hのソレノイド元圧及びスプリング79cの付勢力により右半位置(ダイレクト位置)に切換えられる。この状態では、前述したように、クラッチモジュレータバルブ76からのクラッチ圧が、出力ポート76b、油路c1、ストレーナ85、油路c2及びポート79a、79b、油路mを介してマニュアルシフトバルブ75の入力ポートPMに供給される。そして、該シフトバルブのレンジD又はRに基づき、上記クラッチ圧(ダイレクト圧)は、油圧サーボC1又はB1に供給され、ダイレクトクラッチC又はリバースブレーキBを入力トルクに対応して確実に締結状態に保持する。
【0073】
なお、前記両油圧サーボC1,B1に連通する油路d,mに介在するチェックバルブ96は、ダイレクトクラッチC、リバースブレーキBを解放する際、遅れがないように、オリフィス95を介することなく、油圧サーボの油圧を速やかにドレーンするためのものである。
【0074】
上述したレシオコントロールバルブ切換え用の2個のソレノイドバルブS3,S4の作動と、ガレージシフトバルブ79の切換えの関係を、図8(a)(b)に示す単純化した実施例に沿ってまとめて説明する。ガレージシフトバルブ79は、図8(a)に示すように、1個のスプール79gと、スプールの上端に作用する制御油室79fと、ランドの面積差(例えばスプール上端と同じ面積差)に作用する制御油室79eと、スプールの下端に作用するスプリング79cと、ダイレクト圧(クラッチモジュレータ圧、レンジ圧、作動圧)PB1,PC1の入力ポート79aと、コントロール圧(制御圧)の入力ポート79dと、出力ポート79bとを有する。上記スプリング79cは、上記制御油室79f,79eのいずれか一方に油圧が作用しても左半位置(ダイレクト位置)に保持され、両制御油室に油圧が作用して始めて右半位置(コントロール位置)にスプールを切換えるように、弾性係数及び初期圧が設定されている。
【0075】
そして、図8(b)に示すように、ノーマルクローズタイプのダウンシフト用ソレノイドバルブS3がONで供給(デューティ制御)、アップシフト用ソレノイドバルブS4がOFFで排出(解放、0圧)の場合、レシオコントロールバルブ80はプライマリ側油圧アクチュエータの排出位置にあってダウンシフト状態にあり、またソレノイドバルブS3がOFFで排出、ソレノイドバルブS4がONで供給(デューティ制御)の場合、レシオコントロールバルブ80はアクチュエータへの供給位置にあってアップシフト状態にあり、更に両ソレノイドバルブS3,S4が共にOFFで排出の場合、レシオコントロールバルブは中立位置に保持された遮断位置にあってCVTは所定変速比にホールドされる。
【0076】
そして、ガレージシフトバルブ79は、上記ソレノイドバルブS3,S4の3種の状態、即ち両ソレノイドバルブの少なくともいずれか一方がOFFで排出状態にある場合、両制御油室79f,79eの少なくとも一方に制御圧が作用せず、スプール79gはスプリング79cにより左半位置(ダイレクト位置)にある。この状態では、前記クラッチ圧(ダイレクト圧、作動圧、レンジ圧)がポート79a,79bを介してマニュアルシフトバルブ75の入力ポートPMに供給される。
【0077】
両ソレノイドバルブS3,S4が共にONにあって供給状態にある場合、レシオコントロールバルブ80を上下両制御油室に同じソレノイドモジュレータ圧が供給され、前記両ソレノイドバルブが共にOFF位置にある場合と同様に、中立位置に保持された遮断位置にあり、CVTは所定変速比に保持される。この状態では、ガレージシフトバルブ79は、両制御油室79f,79eの両方に制御圧が作用して、スプール79gがスプリング79cに抗して右半位置(コントロール位置)に切換えられ、コントロールバルブ77からのコントロール(制御)圧がポート79d,79bを介して出力され、マニュアルシフトバルブの入力ポートPMに導かれる。
【0078】
上記図8(a)に示すものは、スプール79gを下方に付勢するように2個の制御油室79f,79bが配置されていると共に、該スプール79gを上方に付勢するようにスプリング79cが縮設されている。従って、スプール79gは、上方からの2個の制御油室の付勢力と、下方からのスプリング弾性力によりバランスして位置が定まるので、2個の制御油室79f,79eの作用油圧、例えば入力トルク等に基づく制御油圧の変化等によりスプールのダイレクト位置での保持が確実ではなく、車輌の走行状況によっては、ダイレクト位置とコントロール位置との切換えを正確かつ確実に行えない虞れがある。
【0079】
図2及び図7に示す実施例にあっては、その点が改良されており、図9(a),(b)に沿って説明する。ガレージシフトバルブ79は、スプール79gの下端にスプリング79cが縮設されると共に、プランジャ79iを介して制御油室79hが形成されている。該制御油室79hに、図7に示すように、油路vを介してソレノイドバルブS3,S4の供給圧、即ちソレノイドモジュレータバルブ83からのソレノイドモジュレータ圧(元圧)PSMが供給されている。なお、前記3個の制御油室79f,79e,79hは、油圧が作用する面積が同じになるように設定されている。
【0080】
両ソレノイドバルブS3,S4のいずれか一方がデューティ比100[%]のフル供給状態にあって、ソレノイドモジュレータ圧(元圧)と同じ油圧が一方の制御油室79f又は79eに供給されている状態は、上記下端制御油室79hに同じソレノイド元圧が供給された状態にある。従って、図9(b)に示すように、ソレノイド元圧PSMが変化しても、スプールに対して反対方向の同じ面積に、これらソレノイド元圧PSMが共に作用して互いに打消(キャンセル)されているので、ソレノイド元圧従って車輌の走行状況がどのような場合にあっても、ガレージシフトバルブ79は、切換え開始油圧及び切換え完了油圧は常に一定であり、ガレージシフトバルブ79の切換えに必要とされる油圧は、どの信号圧の位置にあっても、スプリング79cの付勢力に基づく常に一定の値となる。
【0081】
これにより、上記切換え油圧より大きい油圧にソレノイド元圧を設定することにより、他方のソレノイドバルブS4又はS3のONにより該ソレノイド元圧が他方の制御油室79f又は79eに供給されることにより、どのような走行状況にあっても素速くかつ確実にガレージシフトバルブ79は切換えられる。
【0082】
図10(a)(b)は、一部変更した実施例を示すものであり、ガレージシフトバルブ79の構造は先の実施例のもの[図7,図9(a)]と略々同じであるが、プランジャ79iに作用する下端制御油室79hの油圧作用面積が上方からスプールに作用する制御油室79fの作用面積より所定量大きくなっている点で相違している。
【0083】
従って、両ソレノイドバルブS3,S4のいずれか一方がデューティ比100[%]の供給状態にあって、ソレノイドモジュレータ圧(元圧)PSMが制御油室79e又は79fのいずれか一方に供給された状態では、下端制御油室79hにも上記ソレノイドモジュレータ圧(元圧)PSMが作用する。上記両制御油室の作動圧は、元圧となるソレノイドモジュレータ圧PSMの変化に拘らず常に同じであり、両制御油圧の面積差に基づき、スプール79gは確実に右半位置(ダイレクト位置)になるように付勢されている。そして、他方のソレノイドバルブS4又はS3のオンにより他方の制御油室へソレノイド圧が供給されると、該ソレノイド圧によるスプール下方への付勢力は、上記面積差によるスプール上方への付勢力より大きいので、スプールは直ちに左半位置(コントロール位置)に切換えられる。
【0084】
上記ソレノイドバルブS3,S4は、デューティ比100[%]のフル供給状態にある時は、図10(b)に示すように、上記面積差による切換え開始油圧は、元圧であるソレノイドモジュレータ圧PSMに比例している。従って、上記ガレージシフトバルブ79は、一方の制御油室(両方の制御油圧が解放されている場合は勿論)にソレノイド圧PSが供給されている状態では、信号圧に拘らず常にダイレクト位置にあり、かつ元圧及び信号圧が変動しても確実にダイレクト位置にある。従って、両方の制御油室にソレノイド圧が供給されると、どのような状況でも素速くかつ確実にコントロール位置に切換わる。
【0085】
ついで、図11(a)(b)に沿って他の実施例について説明する。本実施例のガレージシフトバルブ79は、図8(a)に示すものと略々同様であるが、クラッチ圧入力ポート79aとコントロール圧入力ポート79dの位置が逆になっており、かつスプリング79cは、両ソレノイドバルブS3,S4のいずれか一方の供給では左半位置(ダイレクト位置)に保持され、両ソレノイドバルブの供給により始めて右半位置(コントロール位置)に切換わるように、そのばね定数及び初期圧が設定されている。
【0086】
そして、ソレノイドバルブS3,S4が、ノーマルオープンタイプのデューティソレノイドバルブからなり、図11(b)に示すように作動する。即ち、ソレノイドバルブS3がオフで供給、S4がオンで排出の場合、レシオコントロールバルブ80が出力ポートの排出でダウンシフトになり、S3がオンで排出、S4がオフで供給の場合、コントロールバルブ80が出力ポートに供給されてアップシフトになり、両ソレノイドバルブS3,S4が共にオフによる供給で、コントロールバルブ80は出力ポートが遮断されて所定変速比にホールドされる。
【0087】
上記ソレノイドバルブS3,S4の少なくとも一方がオフで供給状態にある場合、ガレージシフトバルブ79は、該一方の制御油室79e又は79fによるスプールの下方向の付勢力がスプリング79cによる上方への付勢力より大きく、右半位置(ダイレクト位置)にある。この状態では、クラッチ圧(ダイレクト圧、作動圧、レンジ圧)PB1,PC1がポート79a,79bを介して供給される。また、両ソレノイドバルブS3,S4がオンで共に排出状態の場合、レシオコントロールバルブ80は、出力ポートが遮断される位置にあって、前記両オフと同様にCVTを所定変速比にホールドし、またガレージシフトバルブ79は、両制御油室79f,79eが共に排出され、スプール79gはスプリング79cの付勢力により左半位置(コントロール位置)に切換えられる。この状態では、コントロールバルブ77からのコントロール圧(制御圧)がポート79d,79bを介して供給される。
【0088】
図12に示す実施例は、スプール79gの一端にプラグ79jが設けられており、該プラグの上端に制御油室79fが配設されていると共に、プラグ及びスプールの両方に作用するように制御油室79eが配設され、かつ該制御油室は、プラグ79jの下端及びスプール79gの上端に同じ面積にて油圧を作用する。本ガレージシフトバルブ79は、一方の制御油室79fに作用するソレノイド圧PSより低い値となるようにスプリング79cの付勢力が設定されている。
【0089】
従って、ソレノイドバルブS3から制御油室79eに制御圧が供給されている場合、プラグ79jは上端が当接してスプール79gをスプリング79cに抗して下方に移動して、右半位置(ダイレクト位置)に保持して、クラッチ圧をポート79a,79bを介して供給する。また、ソレノイドバルブS4から制御油室79fに制御圧が供給されている場合、プラグ79jを介してスプール79gを下方位置とし、また両ソレノイドバルブS3,S4から両制御油室79e,79fに制御圧が供給されている場合も同様に、右半位置(ダイレクト位置)となる。そして、両制御油圧79e,79fが共に排出の場合のみ、スプールがスプリングにより上方に移動した左半位置(コントロール位置)となり、コントロール圧PCCがポート79d,79bを介して供給される。
【0090】
図13に示すガレージシフトバルブ79は、プラグ79jがスプール79gの下端とスプリング79cとの間に配置されており、かつプラグとスプールの間部分に一方の制御油室79fが形成されていると共に、該プラグの下端に他方の制御油室79eが形成されている。更に、スプールの上端には元圧となるソレノイドモジュレータ圧(信号圧)PSMが供給される制御油室79hが形成されている。なお、各制御油室79f,79e,79hの受圧面積はすべて同じに設定されており、かつプラグ79jはその下方移動量を規制する足79mを有する。
【0091】
従って、ソレノイドバルブS3,S4の少なくともいずれか一方から制御油室79e,79fに制御圧(デューティ比0[%])が供給されている場合、スプリング79cの付勢力により右半位置(ダイレクト位置)にあり、クラッチ圧がポート79a,79bを介して供給される。また、両ソレノイドバルブS3,S4の両方がオンで両制御油室79e,79fが解放状態にある場合、制御油室79hに作用しているソレノイド元圧によりスプールがスプリング79cに抗して左半位置(コントロール位置)となる。この状態では、コントロール圧がポート79d,79bを介して供給される。
【0092】
図14に示すガレージシフトバルブ79は、スプール79gの上端にソレノイド元圧PSMが作用する制御油室79hが形成されており、かつ下端にスプリング79cが縮設されていると共に、制御油室79kが形成されている。また、一方のソレノイドバルブS3と他方のソレノイドバルブS4にそれぞれ連通する入力ポート90a,90bと、前記制御油室79kに連通する出力ポート90cと、上記入力ポートを供給圧側に切換えるボール90dと、を有するダブルチェックバルブ(選択バルブ)90が設けられている。なお、上記両制御油室79h,79kの受圧面積は等しくなるように設定されている。
【0093】
従って、両ソレノイドバルブS3,S4の少なくともいずれか一方(両方からは勿論)から制御圧がダブルチェックバルブ90を介して制御油室79kに供給されると、スプール79gは、その上端の制御油室79hに作用するソレノイド元圧PSMとその下端の制御油室79kに作用する制御圧(元圧と等しい圧)がバランスして、スプリング79cにより右半位置(ダイレクト位置)にある。この状態では、クラッチ圧がポート79a,79bを介して供給される。両ソレノイドバルブS3,S4がオンして下端の制御油室79kが解放状態になると、上端の制御油室79hに作用しているソレノイド元圧PSMに基づきスプールはスプリングに抗して左半位置(コントロール位置)になる。この状態では、コントロール圧がポート79d,79bを介して供給される。
【0094】
なお、フェールセーフ上好ましくないが、上記図8、図9、図10に示すガレージシフトバルブにノーマルオープンタイプのソレノイドバルブを適用してもよく、この場合図8(b)に示すソレノイドバルブの作動表はON(○)とOFF(×)が逆となり、また図11、図12、図13、図14に示すガレージシフトバルブにノーマルクローズタイプのソレノイドバルブを適用してもよく、この場合図11(b)に示すソレノイドバルブの作動表はON(○)とOFF(×)が逆になる。
【0095】
また、上述した実施の形態は、ベルト式無段変速装置を用いて説明したが、これに限らず、レシオコントロールバルブ(変速制御バルブ)をトロイダル方式等の他のCVTに用いたものにも同様に適用できることは勿論である。更に、無段変速装置(CVT)に限らず、2個のソレノイドバルブの組合せにより、供給、排出及び保持の3種の作動状態に切換える制御バルブを用いるものであれば、本発明を同様に適用し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した無段自動変速機の概略を示す図。
【図2】その油圧回路を示す図。
【図3】その作動表を示す図。
【図4】リニアソレノイドバルブの制御油圧による各油圧を示す図。
【図5】リニアソレノイドバルブの制御油圧によるクラッチ圧を示す図。
【図6】リバースインヒビット部分に係る油圧回路を示す拡大図。
【図7】本発明に係る油圧回路の要部を示す拡大図。
【図8】その単純化した実施例を示す図で、(a)は単純化した切換えバルブ(ガレージシフトバルブ)を示す断面図、(b)は作動表を示す。
【図9】(a)は上記油圧回路の切換えバルブ(ガレージシフトバルブ)を示す断面図、(b)はその信号圧と切換え油圧の関係を示す図。
【図10】(a)は一部変更した切換えバルブを示す断面図、(b)はその信号圧と切換え油圧の関係を示す図。
【図11】(a)は他の実施例による切換えバルブを示す断面図、(b)はその作動表を示す。
【図12】他の実施例による切換えバルブを示す断面図。
【図13】他の実施例による切換えバルブを示す断面図。
【図14】他の実施例を示す断面図。
【符号の説明】
2 無段変速装置
75 マニュアルシフトバルブ
79,79〜79 切換えバルブ(ガレージシフトバルブ)
79a (作動圧)入力ポート
79b 出力ポート
79c スプリング
79d (制御圧)入力ポート
79e 制御油室
79f 制御油室
79g スプール
79h 制御油室
79j プラグ
79k 制御油室
80 (変速)制御バルブ(レシオコントロールバルブ)
80i 出力ポート
B1,C1 油圧サーボ
,C 摩擦係合要素(リバースブレーキ、ダイレクトクラッチ)
S3,S4 ソレノイドバルブ
e,f 出力ポート
o,p 入力ポート
90 選択バルブ(ダブルチェックバルブ)
90a,90b 入力ポート
90c 出力ポート
90d 切換え機構(ボール)

Claims (8)

  1. 入力回転を無段に変速して出力する無段変速装置と、発進時に接続する摩擦係合要素と、を備え、前記無段変速装置を油圧アクチュエータにて変速操作すると共に、前記摩擦係合要素を油圧サーボにより断接操作してなる、自動変速機の油圧制御装置において、
    それぞれ電気信号により信号圧の出力と排出とに切換えられる2個のソレノイドバルブと、
    前記油圧アクチュエータへ所定油圧を供給して前記無段変速装置をアップシフトする供給位置、前記油圧アクチュエータからの油圧を排出して前記無段変速装置をダウンシフトする排出位置及び前記油圧アクチュエータの油圧の給排を遮断して前記無段変速装置を所定変速位置にホールドする遮断位置の3種に切換える制御バルブと、
    前記油圧サーボへの供給油圧を、前記摩擦係合要素が完全締結する油圧である作動圧と、徐々に上昇して前記摩擦係合要素を滑らかに接続する制御圧とに切換える切換えバルブと、を備え、
    前記制御バルブは、前記2個のソレノイドバルブの出力ポートにそれぞれ連通しかつスプールに対し対向するように配置された2個の制御油室を有し、前記2個のソレノイドバルブの一方が信号圧を出力しかつ他方が排出するときに前記排出位置をとり、前記他方が信号圧を出力しかつ一方が排出するときに前記供給位置をとり、前記両ソレノイドバルブが共に排出するときに前記遮断位置をとり、
    前記切換えバルブは、前記2個のソレノイドバルブの出力ポートに連通する制御油室を有し、前記2個のソレノイドバルブの前記制御バルブの切換えに用いられる3種の組合せのときに前記作動圧を出力する位置をとり、前記2個のソレノイドバルブが共に信号圧を出力するときに前記制御圧を出力する位置をとる、
    ことを特徴とする自動変速機の油圧制御装置。
  2. 入力回転を無段に変速して出力する無段変速装置と、発進時に接続する摩擦係合要素と、を備え、前記無段変速装置を油圧アクチュエータにて変速操作すると共に、前記摩擦係合要素を油圧サーボにより断接操作してなる、自動変速機の油圧制御装置において、
    それぞれ電気信号により信号圧の出力と排出とに切換えられる2個のソレノイドバルブと、
    前記油圧アクチュエータへ所定油圧を供給して前記無段変速装置をアップシフトする供給位置、前記油圧アクチュエータからの油圧を排出して前記無段変速装置をダウンシフトする排出位置及び前記油圧アクチュエータの油圧の給排を遮断して前記無段変速装置を所定変速位置にホールドする遮断位置の3種に切換える制御バルブと、
    前記油圧サーボへの供給油圧を、前記摩擦係合要素が完全締結する油圧である作動圧と、徐々に上昇して前記摩擦係合要素を滑らかに接続する制御圧とに切換える切換えバルブと、を備え、
    前記制御バルブは、前記2個のソレノイドバルブの出力ポートにそれぞれ連通しかつスプールに対し対向するように配置され2個の制御油室を有し、前記2個のソレノイドバルブの一方が信号圧を出力しかつ他方が排出するときに前記排出位置をとり、前記他方が信号圧を出力しかつ一方が排出するときに前記供給位置をとり、前記両ソレノイドバルブが共に信号圧を供給するときに前記遮断位置をとり、
    前記切換えバルブは、前記2個のソレノイドバルブの出力ポートに連通する制御油室を有し、前記2個のソレノイドバルブの前記制御バルブの切換えに用いられる3種の組合せのときに前記作動圧を出力する位置をとり、前記2個のソレノイドバルブが共に排出するときに前記制御圧を出力する位置をとる、
    ことを特徴とする自動変速機の油圧制御装置。
  3. 前記切換えバルブは、スプールを一方向に付勢するように配置された、前記2個のソレノイドバルブの出力ポートにそれぞれ連通する2個の制御油室と、前記スプールを他方向付勢するように配置されたスプリングと、を有する、
    請求項1又は2記載の自動変速機の油圧制御装置。
  4. 前記切換えバルブは、スプールを一方向に付勢するように配置された、前記2個のソレノイドバルブの出力ポートにそれぞれ連通する2個の制御油室と、前記スプールを他方向に付勢するように配置された、前記2個のソレノイドバルブの入力ポートに連通する制御油室と、を有する、
    請求項1又は2記載の自動変速機の油圧制御装置。
  5. 前記切換えバルブは、スプールと、該スプールに接離し得るプラグと、前記プラグの一端に付勢する、前記2個のソレノイドバルブの一方の出力ポートに連通する制御油室と、前記プラグの他端と前記スプールの間に作用する、前記2個のソレノイドバルブの他方の出力ポートに連通する制御油室と、を有する、
    請求項記載の自動変速機油圧制御装置。
  6. 前記2個のソレノイドバルブの出力ポートにそれぞれ連通する2個の入力ポートと、出力ポートと、前記入力ポートのいずれかの供給圧を出力ポートに出力するように切換える切換え機構と、を有する選択バルブを備え、
    前記切換えバルブは、スプールを一方向に付勢するように配置された、前記2個のソレノイドバルブの入力ポートに連通する制御油室と、前記スプールを他方向に付勢するように配置された、前記選択バルブの出力ポートに連通する制御油室と、を有する、
    請求項記載の自動変速機の油圧制御装置。
  7. 前記発進時に係合する摩擦係合要素用油圧サーボは、前進時に係合する摩擦係合要素用油圧サーボと、後進時に係合する摩擦係合要素用油圧サーボである、
    請求項1ないしのいずれか記載の自動変速機の油圧制御装置。
  8. 運転者が操作するマニュアルシフトバルブを備え、
    前記マニュアルシフトバルブの入力ポートに、前記切換えバルブから出力された作動圧又は制御圧を供給するように配置してなる、
    請求項記載の自動変速機の油圧制御装置。
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