JP4841285B2 - 無段変速機の油圧制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は無段変速機の油圧制御装置、特にアップシフト用ソレノイド弁とダウンシフト用ソレノイド弁とを備え、これら2つのソレノイド弁を利用して変速を実施する車両用無段変速機の油圧制御装置に関するものである。
特許文献1には、無段変速機の油圧制御装置として、アップシフト用ソレノイド弁と、ダウンシフト用ソレノイド弁と、両方のソレノイド弁の信号圧により供給位置、排出位置および遮断位置の3位置に切り替わる変速制御弁と、走行レンジで係合する摩擦係合要素への供給油圧をこの摩擦係合要素が締結する作動圧と緩やかに係合させる制御圧とに切り替えるガレージ制御切替弁とを備え、上記2つのソレノイド弁が共に信号圧を出力した時に、ガレージ制御切替弁が制御圧供給位置へ切り替わるように構成したものが開示されている。
特許文献2には、信号油室に入力される信号圧とばねの付勢力とのバランスにより制御され、それぞれアップシフト用、ダウンシフト用に用いられる2つの流量制御弁と、各流量制御弁にそれぞれ入力される信号圧を発生するアップシフト用およびダウンシフト用の2つのソレノイド弁とを備え、各ソレノイド弁の一方の信号圧を、当該ソレノイド弁に対応する流量制御弁の信号圧の他に、他方の流量制御弁のばね室にも入力するように構成した無段変速機の油圧制御装置が開示されている。
ところで、走行状態において、シフトレバーをDレンジからNレンジへ、さらにNレンジからDレンジへ切り替えることがある。特許文献1では、シフトレバーをNレンジからDレンジへ切り替えるガレージシフトを実施した場合、両方のソレノイド弁をONとし、ガレージ制御切替弁を制御圧供給位置へ切り替えることで、摩擦係合要素に緩やかに立ち上がる制御圧を供給し、係合ショックを解消している。この時、変速位置は両方のソレノイド弁の作用によって中立位置で保持することができる。
しかし、バッテリ消耗などによりソレノイド弁の電源電圧が低下した状態では、ソレノイド弁の特性ばらつきにより片方のソレノイド弁のみがONとなる場合がある。そのため、ガレージ制御切替弁が制御圧供給位置へ切り替わらずに、摩擦係合要素に一気に作動圧が供給されてショックが発生する。しかも、ONとなった一方のソレノイド弁によってダウンシフト方向またはアップシフト方向に急速に変速され、急ダウンシフトによる過減速あるいは急アップシフトによる加速不良などが発生する可能性がある。
特許文献2の場合、一方のソレノイド弁が故障してON状態が維持された場合には、他方のソレノイド弁をONにすることで、急激な変速を防止している。しかしながら、バッテリ消耗などにより電源電圧が低下した状態でガレージシフトを実施すると、ソレノイド弁の特性ばらつきにより片方のソレノイド弁のみがONとなる場合があり、上述と同様に急激な変速を防止できない可能性がある。
上記説明では走行状態におけるガレージシフトの問題について説明したが、停車状態におけるガレージシフト時においても、急激な変速が実施されることで、その後の走行に支障をきたす可能性がある。
特開2002−39344号公報 特開平11−182657号公報
そこで、本発明の目的は、ガレージシフト時に電源電圧の低下による急ダウンシフトあるいは急アップシフトを確実に防止できる無段変速機の油圧制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、アップシフト用およびダウンシフト用の2つのソレノイド弁と、上記2つのソレノイド弁から信号圧が入力され、これら信号圧の組み合わせにより駆動プーリの変速制御用油室への油量を制御する変速制御弁と、走行レンジで係合する摩擦係合要素への供給油圧をこの摩擦係合要素が締結する作動圧と緩やかに係合させる制御圧とに切り替えるガレージ制御切替弁とを備え、シフトレバーを中立レンジから走行レンジへ切り替えた時、上記2つのソレノイド弁に対し共に最大信号圧を発生させるようON指令を出力し、両方のソレノイド弁の信号圧を上記ガレージ制御切替弁へ供給することで、上記ガレージ制御切替弁を制御圧供給位置に切り替えるガレージシフト制御を実施する無段変速機の油圧制御装置において、上記2つのソレノイド弁への供給電源電圧を検出する手段と、予め設定された上記ソレノイド弁の作動保証電圧と上記供給電源電圧とを比較する手段であって、上記作動保証電圧とは上記2つのソレノイド弁を同時にONさせることができる電圧である、手段と、上記2つのソレノイド弁への供給電源電圧の少なくとも一方が上記作動保証電圧より低い状態で、上記シフトレバー中立レンジから走行レンジへ切り替えられたとき、上記2つのソレノイド弁に対して共に信号圧を出力しないOFF指令を出力し、上記ガレージ制御切替弁を作動圧供給位置とすると共に、前記変速制御弁を駆動プーリの変速制御用油室の閉じ込み状態としてガレージシフト制御を禁止する手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明では、ソレノイド弁への供給電源電圧が作動保証電圧より低くなった場合には、シフトレバーを中立レンジから走行レンジへ切り替えてガレージシフトを実施しようとしても、2つのソレノイド弁を共にONする制御を禁止し、共にOFFする。つまり、ガレージシフト制御を禁止する。そのため、ガレージ制御切替弁が制御圧供給位置へ切り替わらず、摩擦係合要素に一気に作動圧が供給されてショックが発生するが、両方のソレノイド弁がOFFであるため閉じ込み状態となり、一方のソレノイド弁だけがONして急ダウンシフトあるいは急アップシフトされるという事態を防止できる。また、ガレージシフト時にショックが発生するので、運転者に電源電圧が低下したことを警告できる。
本発明において、アップシフト用およびダウンシフト用のソレノイド弁のON状態とは、両ソレノイド弁の信号圧の同時供給によって、駆動プーリの変速制御用油室を閉じ込み状態とするべく変速制御弁を所定位置に保持させるとともに、ガレージ制御切替弁を制御圧供給位置に切替可能とする状態のことである。ソレノイド弁としてデューティソレノイド弁を用いた場合には、デューティ比が100%付近の状態とするのがよい。一方、ソレノイド弁のOFF状態とは、信号圧を出力しない状態のことであり、デューティソレノイド弁の場合には、デューティ比が0%付近の状態をさす。
本発明で用いられる変速制御弁としては、特許文献1のように、2つのソレノイド弁の信号圧を入力することにより、供給位置、排出位置および遮断位置の3位置に切り替わる1つの制御弁で構成する場合や、特許文献2のようなアップシフト用およびダウンシフト用の2つの流量制御弁で構成する場合などがある。後者の場合には、一方のソレノイド弁の信号圧を一方の流量制御弁の信号室と他方の流量制御弁のばね室とに供給し、他方のソレノイド弁の信号圧を一方の流量制御弁のばね室と他方の流量制御弁の信号室とに供給してもよい。いずれにしても、2つのソレノイド弁の信号圧の組み合わせによって駆動プーリの変速制御用油室への油量を制御できるものであり、特に、両方のソレノイド弁がOFF状態のとき、変速制御用油室を閉じ込み状態とし、アップシフト方向およびダウンシフト方向のいずれにも変速させないものがよい。
ソレノイド弁への供給電源電圧は、変速制御用コントローラ(ECU)が常にモニターすることで、供給電源電圧を常時検出できる。個々のソレノイド弁の供給電圧を検出してもよいし、バッテリの電圧を検出することで、ソレノイド弁への供給電圧を推定してもよい。
ソレノイド弁の作動保証電圧は、ソレノイド弁の製造メーカーによって予め規定されている値である。この値は、アップシフト用およびダウンシフト用の両方のソレノイド弁が共にONできる最低電圧よりやや高目の電圧に設定される。
以上のように、本発明によれば、ソレノイド弁への供給電源電圧が作動保証電圧より低くなった場合には、シフトレバーを中立レンジから走行レンジへ切り替えた時、2つのソレノイド弁を共にOFFするので、ガレージシフト制御を禁止できると共に、一方のソレノイド弁だけがONして急ダウンシフトあるいは急アップシフトされるという事態を防止できる。そのため、急ダウンシフトによる過減速や急アップシフトによる加速不良などの発生を防止できる。
また、ガレージシフト時にガレージ制御切替弁が制御圧供給位置へ切り替わらないので、摩擦係合要素に一気に作動圧が供給されてショックが発生するが、このショック発生によって運転者に電源電圧が低下したことを警告できる。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、実施例を参照して説明する。
図1は本発明にかかる無段変速機の一例を示す。
この実施例の無段変速機はFF横置き式の自動車用変速機であり、大略、エンジン出力軸1によりトルクコンバータ2を介して駆動される入力軸3、入力軸3の回転を正逆切り替えて駆動軸10に伝達する前後進切替装置4、駆動プーリ11と従動プーリ21と両プーリ間に巻き掛けられたVベルト15とからなる無段変速装置A、従動軸20の動力を出力軸32に伝達するデファレンシャル装置30などで構成されている。入力軸3と駆動軸10とは同一軸線上に配置され、従動軸20とデファレンシャル装置30の出力軸32とが入力軸3に対して平行でかつ非同軸に配置されている。したがって、この無段変速機は全体として3軸構成とされている。
この実施例で用いられるVベルト15は、一対の無端状張力帯と、これら張力帯に支持された多数のブロックとで構成された公知の金属ベルトである。
トルクコンバータ2と前後進切替装置4との間にはオイルポンプ6が配置され、オイルポンプ6はトルクコンバータ2のポンプインペラ2aにより駆動される。トルクコンバータ2のタービンランナ2bは入力軸3に連結され、ステータ2cはワンウエイクラッチ2dを介してケースにより支持されている。入力軸3とポンプインペラ2aとの間にロックアップクラッチ2fが設けられている。
前後進切替装置4は、遊星歯車機構40と逆転ブレーキB1と直結クラッチC1とで構成されている。遊星歯車機構40のサンギヤ41は入力回転部材である入力軸3に連結され、リングギヤ42は出力回転部材である駆動軸10に連結されている。遊星歯車機構40はシングルピニオン方式であり、逆転ブレーキB1はピニオンギヤ43を支えるキャリア44と変速機ケース5との間に設けられ、直結クラッチC1はキャリア44とサンギヤ41または入力軸3との間に設けられている。直結クラッチC1を解放して逆転ブレーキB1を締結すると、入力軸3の回転が逆転され、かつ減速されて駆動軸10へ伝えられ、前進走行状態となる。一方、逆転ブレーキB1を解放して直結クラッチC1を締結すると、遊星歯車機構40のキャリア44とサンギヤ41とが一体に回転するので、入力軸3と駆動軸10とが直結され、後進走行状態となる。
上記のように逆転ブレーキB1および直結クラッチC1は走行レンジ(Dレンジ、Rレンジなど)においてのみ締結され、非走行レンジ(Nレンジ、Pレンジ)では解放される。
無段変速装置Aの駆動プーリ11は、駆動軸10上に一体に形成された固定シーブ11aと、駆動軸10上に軸方向移動自在に、かつ一体回転可能に支持された可動シーブ11bと、可動シーブ11bの背後に設けられた作動油室12とを備えている。作動油室12への油量を制御することにより、変速制御が実施される。従動プーリ21は、従動軸20上に一体に形成された固定シーブ21aと、従動軸20上に軸方向移動自在に、かつ一体回転可能に支持された可動シーブ21bと、可動シーブ21bの背後に設けられたベルト挟圧手段である作動油室22とを備えている。作動油室22の油圧を制御することにより、トルク伝達に必要なベルト挟圧力が与えられる。なお、作動油室22には初期挟圧力を与えるスプリングを配置してもよい。
従動軸20の一端部はエンジン側に向かって延び、この一端部に出力ギヤ27が固定されている。出力ギヤ27はデファレンシャル装置30のリングギヤ31に噛み合っており、デファレンシャル装置30から左右に延びる出力軸32に動力が伝達され、車輪が駆動される。
図2は、上記無段変速機を制御するための制御ブロック図である。
電子制御装置(ECU)50には、エンジン回転速度センサ51、車速センサ52、スロットルセンサ53、シフトポジションセンサ54などが接続され、これらセンサから信号が入力されている。車速センサ52は無段変速装置Aの従動プーリ21の回転速度に対応した信号を出力し、スロットルセンサ53はスロットル弁の開度に応じた信号を出力し、シフトポジションセンサ54はシフトレバーの位置に対応した信号を出力する。また、電子制御装置50は、後述するソレノイド弁DS1,DS2の供給電源電圧55を常時モニターし、予め設定されているソレノイド弁の作動保証電圧と比較している。
電子制御装置50には、ソレノイド弁SLT、SLU、SL、DS1、DS2が接続されている。ソレノイド弁SLTは、プーリ比、スロットル開度、エンジン回転数などの運転信号に基づき電子制御装置50により制御されるものであり、ライン圧制御、ガレージシフト制御、およびベルト挟圧力制御などに用いられる。ソレノイド弁SLUは、ソレノイド弁SLTと同じく運転信号に基づき、ロックアップ制御、後進時のクラッチ圧制御、ライン圧制御などに用いられる。ソレノイド弁SLはロックアップ用であり、非ロックアップ時にはOFF、ロックアップ時にONし、ロックアップ締結圧を保持する。ソレノイド弁DS1,DS2はそれぞれダウンシフト用およびアップシフト用であり、変速時には一方のみが作動され、ガレージシフト時には両方が同時にONする。ここでは、ソレノイド弁SLTとして常開形リニアソレノイド弁を、ソレノイド弁SLUとして常閉形リニアソレノイド弁を、ソレノイド弁SLとして常閉形ON/OFF切替弁、ソレノイド弁DS1,DS2は共に常閉形デューティソレノイド弁を用いた。
図2では、説明を簡単にするため4個のセンサと5個のソレノイド弁を備えた例について説明したが、上記センサ以外に各種の運転状態を検出するセンサを備えてもよいし、上記ソレノイド弁以外に各種制御用のソレノイド弁を備えてもよいことは勿論である。
図3は上記構成よりなる無段変速機の油圧回路図である。各ソレノイド弁の出力圧をそれぞれPSLT 、PSLU 、PSL、PDS1 、PDS2 で示す。
図3において、70はレギュレータ弁、72はクラッチモジュレータ弁、73はマニュアル弁、74はカットバック弁、75はガレージシフト弁、76はソレノイドモジュレータ弁、77はソレノイドリレー弁、78はダウンシフト用制御弁(流量制御弁)、79はアップシフト用制御弁(流量制御弁)である。この例では、変速制御弁を2つの流量制御弁78,79で構成した。
レギュレータ弁70は、オイルポンプ6の吐出圧を所定のライン圧PL に調圧する弁であり、信号ポート70aに入力される信号油圧に応じたライン圧PL に調圧する。信号ポート70aには、ソレノイドリレー弁77からソレノイド圧PSLT またはPSLU の一方の油圧が入力される。そのため、ライン圧PL はソレノイド圧PSLT 、PSLU に応じて比例的に変化する。
クラッチモジュレータ弁72は、直結クラッチC1および逆転ブレーキB1への供給圧(PC1,PB1)を調圧する弁である。入力ポート72aにはライン圧PL が入力され、出力ポート72bからクラッチ圧が出力される。また、第1信号ポート72cには出力圧がスプールを付勢するスプリング荷重と対向するようにフィードバックされている。そのため、前進時のクラッチ圧PB1は、ライン圧PL が所定値以下の場合にはライン圧と同じ圧を出力し、ライン圧PL が所定値を越えると、一定圧に制限される。さらに、クラッチモジュレータ弁72は、スプリング荷重と対向するように信号圧が入力される第2信号ポート72dを備えており、この信号ポート72dには、カットバック弁74を介してソレノイド弁SLUからソレノイド圧PSLU が入力されている。ソレノイド弁SLUは本来はロックアップ制御用のソレノイド弁であるが、後進時にはロックアップ制御を行う必要がないので、このソレノイド弁SLUを用いて後進用の直結クラッチC1の油圧PC1を制御している。
マニュアル弁73はシフトレバーと機械的に連結された手動操作弁であり、P、R、N、D、B、Lの各レンジに切り換えられ、ガレージシフト弁75から供給される油圧をC1,B1に選択的に導くものである。入力ポート73aにはガレージシフト弁75から油圧が供給され、出力ポート73bは直結クラッチC1と接続され、出力ポート73c,73dは共に逆転ブレーキB1に接続されている。なお、出力ポート73bはカットバック弁74の信号ポート74cにも接続されている。マニュアル弁73は、Rレンジでは直結クラッチC1に油圧を供給するとともに逆転ブレーキB1の油圧をドレーンし、D、B、Lレンジでは逆転ブレーキB1に油圧を供給するとともに直結クラッチC1の油圧をドレーンし、非走行レンジであるP、Nレンジでは直結クラッチC1および逆転ブレーキB1の油圧を共にドレーンする。
カットバック弁74は、前進時にソレノイド弁SLUのソレノイド圧PSLU を遮断する弁である。カットバック弁74は、ソレノイド圧PSLU が入力される入力ポート74aと、クラッチモジュレータ弁72の第2信号ポート72dに接続された出力ポート74bと、直結クラッチC1と接続された信号ポート74cとを備えており、信号ポート74cに入力される信号圧とスプールを付勢するスプリング荷重とが対向している。前進時には直結クラッチC1が解放されているので、カットバック弁74は左側位置にあり、入力ポート74aと出力ポート74bとを遮断している。そのため、ソレノイド圧PSLU はクラッチモジュレータ弁72の第2信号ポート72dに何ら影響を及ぼさない。一方、後進時には直結クラッチC1が締結されるので、カットバック弁74は右側位置に切り換わり、入力ポート74aと出力ポート74bとが連通する。そのため、ソレノイド圧PSLU がクラッチモジュレータ弁72の第2信号ポート72dに入力され、ソレノイド弁SLUによって直結クラッチC1の供給圧PC1が減圧制御される。ソレノイド弁SLUは、入力トルクに応じたソレノイド圧を出力するので、供給圧PC1は入力トルクに応じてすべりが生じない必要最低限の油圧に調圧される。
ガレージシフト弁75は、シフトレバーをNからDまたはNからRへ切り替えた時(ガレージシフト時)に、直結クラッチC1および逆転ブレーキB1への供給圧を緩やかに立ち上げるように制御するための切替弁である。NからDまたはNからRへの切り替えに伴い、スプールを付勢するスプリング荷重と対向するように、信号ポート75a,75bにそれぞれダウンシフト用ソレノイド弁DS1およびアップシフト用ソレノイド弁DS2のON信号圧が同時に入力される。そのため、ガレージシフト弁75は右側位置に切り替わり、ソレノイド弁SLTによって緩やかに立ち上がる油圧(制御圧)がポート75c,75dを介してマニュアル弁73へ送られ、さらに直結クラッチC1または逆転ブレーキB1へ供給される。その結果、締結ショックが回避される。やがて、必要油圧まで立ち上がると、ソレノイド弁DS1,DS2の信号圧がドレーンされるため、ガレージシフト弁75は左側位置に切り替わり、クラッチモジュレータ弁72から所定のクラッチ締結圧(元圧)がポート75e,75dを介して直結クラッチC1または逆転ブレーキB1に供給される。そのため、ソレノイド弁SLTの作動に関係なく直結クラッチC1、逆転ブレーキB1は締結状態を保持することができる。
ソレノイドモジュレータ弁76はクラッチレギュレータ弁72の出力圧を調圧して一定のソレノイドモジュレータ圧を発生する弁であり、ソレノイドモジュレータ圧は、ソレノイド弁SLU、ロックアップ用ソレノイド弁SL、ダウンシフト用およびアップシフト用ソレノイド弁DS1,DS2に供給されている。
ソレノイドリレー弁77はソレノイド圧PSLT 、PSLU を切り替えるための弁である。ソレノイドリレー弁77の信号ポート77aはロックアップ用ソレノイド弁SLと接続され、入力ポート77bはソレノイド弁SLTと接続され、入力ポート77dはソレノイド弁SLUと接続され、出力ポート77cはレギュレータ弁70の信号ポート70aと接続されている。非ロックアップ時にはソレノイド弁SLがOFFしているので、ソレノイドリレー弁77の信号ポート77aにはソレノイド圧PSLが入力されておらず、スプリング荷重によってソレノイドリレー弁77は左側位置にある。そのため、ソレノイド圧PSLT がソレノイドリレー弁77のポート77b,77cを経由してレギュレータ弁70のポート70aに入力され、ソレノイド弁SLTによってライン圧PL が調圧される。一方、ロックアップ時にはソレノイド弁SLがONするので、そのソレノイド圧PSLによりソレノイドリレー弁77が右側位置に切り替わり、ソレノイド圧PSLU がポート77d,77cを経由してポート70aに入力され、ソレノイド弁SLUによってライン圧PL が調圧される。
ダウンシフト用制御弁78は、一端側にスプリングが収容されたスプリング室78aを備え、他端側に信号ポート78bを備える。スプリング室78aはアップシフト用ソレノイド弁DS2と接続され、信号ポート78bはダウンシフト用ソレノイド弁DS1と接続されている。入力ポート78cは後述するアップシフト用制御弁79の第2ポート79eと接続され、隣接するポート78dはドレーンポートである。
アップシフト用制御弁79は、一端側にスプリングが収容されたスプリング室79aを備え、他端側に信号ポート79bを備える。スプリング室79aはダウンシフト用ソレノイド弁DS1と接続され、信号ポート79bはアップシフト用ソレノイド弁DS2と接続されている。入力ポート79cにはライン圧PL が入力され、第1出力ポート79dは駆動プーリ11の作動油室12と接続され、第2出力ポート79eはダウンシフト用制御弁78の入力ポート78cと接続されている。
ダウンシフト用制御弁78およびアップシフト用制御弁79は、ダウンシフト用ソレノイド弁DS1およびアップシフト用ソレノイド弁DS2のON,OFF信号圧の組み合わせによって、3通りの位置をとる。例えば、ダウンシフト用ソレノイド弁DS1がONし、アップシフト用ソレノイド弁DS2がOFFすると、ダウンシフト用制御弁78は図3の右側位置となり、アップシフト用制御弁79も右側位置となる。そのため、作動油室12の作動油はアップシフト用制御弁79のポート79d,79e、およびダウンシフト用制御弁78のポート78c,78dを介して排出され、ダウンシフトが実施される。逆に、ダウンシフト用ソレノイド弁DS1がOFFし、アップシフト用ソレノイド弁DS2がONすれば、ダウンシフト用制御弁78は図3の左側位置となり、アップシフト用制御弁79も左側位置となる。そのため、アップシフト用制御弁79の入力ポート79cと第1出力ポート79dとが連通し、ライン圧PL が作動油室12へ供給され、アップシフトが実施される。
上述のようにガレージシフト時には、ダウンシフト用ソレノイド弁DS1およびアップシフト用ソレノイド弁DS2が共にONされる。そのため、ガレージシフト弁75は図3の右側に切り替わり、ソレノイド弁SLTによって緩やかに立ち上がる油圧(制御圧)を直結クラッチC1または逆転ブレーキB1へ供給し、締結ショックを回避することができる。この時、両方のソレノイド弁DS1,DS2が共にONであるため、ダウンシフト用制御弁78は図3の左側位置、アップシフト用制御弁79は図3の右側位置となり、作動油室12は閉じ込み状態となる。
しかし、バッテリ消耗などによりソレノイド弁DS1,DS2の電源電圧が低下した状態では、ソレノイド弁DS1,DS2の特性ばらつきにより片方のソレノイド弁のみがONとなる場合がある。つまり、電子制御装置50が両方のソレノイド弁DS1,DS2にON指令を出しているにも拘わらず、一方のソレノイド弁しかONしない場合がある。そのため、ガレージシフト弁75が制御圧供給位置へ切り替わらずに、直結クラッチC1または逆転ブレーキB1へ一気に作動圧が供給されてショックが発生する。しかも、ONとなった一方のソレノイド弁によってダウンシフト方向またはアップシフト方向に急速に変速される恐れがある。
図4はソレノイド弁DS1,DS2の特性ばらつきの一例を示す。ここでは、ソレノイド弁DS2のON可能最低電圧がソレノイド弁DS1より低い例を示す。作動保証電圧VL は特性ばらつきを見込んでソレノイド弁の製造メーカによって予め決められた値であり、両方のソレノイド弁DS1,DS2が共にON可能な最低電圧よりやや高い値に設定されている。もしソレノイド弁の供給電源電圧が、図4のVsで示すようにソレノイド弁DS1のON可能最低電圧とソレノイド弁DS2のON可能最低電圧との中間である場合、両方のソレノイド弁にON指令を出しても、ソレノイド弁DS2だけがONすることになる。その場合には、急アップシフトが実施され、急アップシフトによる加速不良が発生する。図4とは逆に、ソレノイド弁DS1のON可能最低電圧がソレノイド弁DS2より低い場合には、ソレノイド弁DS1だけがONし、急ダウンシフトが実施される。
本発明では、電子制御装置50がソレノイド弁DS1,DS2の供給電源電圧55を常にモニターしておき、もし供給電源電圧55がソレノイド弁の作動保証電圧VL より低くなった場合には、ガレージシフト制御を禁止する。つまり、2つのソレノイド弁DS1,DS2を共にONする制御を禁止する。例えば、2つのソレノイド弁DS1,DS2を共にOFF状態とすれば、ダウンシフト用制御弁78は図3の左側位置、アップシフト用制御弁79は図3の右側位置となり、作動油室12の作動油は閉じ込み状態となって、急ダウンシフトまたは急アップシフトを防止できる。
図5は、本発明におけるガレージシフト制御の一例を示す。
スタートすると、シフトレバーをN→DまたはN→Rに切り替えたかどうか、つまりガレージシフトを行ったか否かを判定する(ステップS1)。もし、ガレージシフトを行った場合には、ソレノイド弁DS1,DS2の供給電源電圧が作動保証電圧VL 以上であるか否かを判定する(ステップS2)。供給電源電圧が作動保証電圧VL 以上であれば、ガレージシフト制御を実施する(ステップS3)。すなわち、ダウンシフト用ソレノイド弁DS1およびアップシフト用ソレノイド弁DS2を共にONし、ガレージシフト弁75を制御圧供給位置へ切り替えて係合ショックを解消する。一方、供給電源電圧が作動保証電圧VL より低ければ、ガレージシフト制御を禁止する(ステップS4)。すなわち、両方のソレノイド弁DS1,DS2を共にONにしないことで、ガレージシフト弁75は制御圧供給位置に切り替わらない。この時、係合ショックは発生するが、急ダウンシフトまたは急アップシフトを確実に防止できる。ガレージシフト制御を禁止する場合、必ずしも両方のソレノイド弁DS1,DS2を共にOFFにする必要はないが、少なくともガレージシフト制御を回避でき、かつ急ダウンシフトや急アップシフトを起こさせない程度のデューティ比まで低下させる必要がある。
上記実施例では、摩擦係合要素として後進時に締結される直結クラッチと、前進時に締結される逆転ブレーキとを備えた無段変速機について説明したが、例えば前進時に締結される直結クラッチと、後退時に締結される逆転ブレーキとを備えた無段変速機にも適用できる。
本発明における摩擦係合要素とは、実施例のような前後進切替用の逆転ブレーキと直結クラッチに限るものではなく、発進クラッチであってもよい。いずれにしても、ガレージ制御切替弁は走行レンジで係合する摩擦係合要素への供給油圧を切り替えるものであればよい。
本発明にかかる無段変速機の一例のスケルトン図である。 図1に示す無段変速機の制御ブロック図である。 図1に示す無段変速機の油圧回路図である。 変速制御用ソレノイド弁の特性ばらつきの一例を図である。 本発明にかかるガレージシフト制御方法の一例のフローチャート図である。
符号の説明
A 無段変速装置
B1 逆転ブレーキ(摩擦係合要素)
C1 直結クラッチ(摩擦係合要素)
11 駆動プーリ
12 作動油室(変速制御用油室)
21 従動プーリ
50 電子制御装置
70 レギュレータ弁
72 クラッチモジュレータ弁
73 マニュアル弁
74 カットバック弁
75 ガレージシフト弁(ガレージ制御切替弁)
78 ダウンシフト用制御弁(変速制御弁)
79 アップシフト用制御弁(変速制御弁)
SLT ソレノイド弁
DS1 ダウンシフト用ソレノイド弁
DS2 アップシフト用ソレノイド弁

Claims (1)

  1. アップシフト用およびダウンシフト用の2つのソレノイド弁と、上記2つのソレノイド弁から信号圧が入力され、これら信号圧の組み合わせにより駆動プーリの変速制御用油室への油量を制御する変速制御弁と、走行レンジで係合する摩擦係合要素への供給油圧をこの摩擦係合要素が締結する作動圧と緩やかに係合させる制御圧とに切り替えるガレージ制御切替弁とを備え、シフトレバーを中立レンジから走行レンジへ切り替えた時、上記2つのソレノイド弁に対し共に最大信号圧を発生させるようON指令を出力し、両方のソレノイド弁の信号圧を上記ガレージ制御切替弁へ供給することで、上記ガレージ制御切替弁を制御圧供給位置に切り替えるガレージシフト制御を実施する無段変速機の油圧制御装置において、
    上記2つのソレノイド弁への供給電源電圧を検出する手段と、
    予め設定された上記ソレノイド弁の作動保証電圧と上記供給電源電圧とを比較する手段であって、上記作動保証電圧とは上記2つのソレノイド弁を同時にONさせることができる電圧である、手段と、
    上記2つのソレノイド弁への供給電源電圧の少なくとも一方が上記作動保証電圧より低い状態で、上記シフトレバー中立レンジから走行レンジへ切り替えられたとき、上記2つのソレノイド弁に対して共に信号圧を出力しないOFF指令を出力し、上記ガレージ制御切替弁を作動圧供給位置とすると共に、前記変速制御弁を駆動プーリの変速制御用油室の閉じ込み状態としてガレージシフト制御を禁止する手段と、を備えたことを特徴とする油圧制御装置。
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