JP3731558B2 - インクジエツト印刷用水性インク - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明はインクジェット印刷用水性インクに関する。 更に詳しくは、インクジエツト印刷用水性インクの色材として用いる水溶性染料に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット印刷法はインクの微小液滴をノズルから吐出させ紙面に付着させた多数のインクドツトにより文字や画像の印刷をおこなう無版印刷法であり、公知である。 インクジエツト印刷法では微細インク滴が高速かつ高頻度で吐出されるため、インクの表面張力は出来るだけ大きく、インク粘度は出来るだけ低いことが好ましい。 それ故、インクジエツト印刷用インクは主たる溶媒が水から成る水性インクが使用されている。 この水性インクは基本的に水溶性染料で着色されている。 インク粘度を出来るだけ低く維持する必要があるため、インク粘度を高くする性質がある高分子化合物などは全く含まれていない。 この点が従来の版印刷用インクとは著しく異なる。
【0003】
インクジエツト印刷用インクは万年筆のインクに物性が似ており、低粘性を示す水溶液のインクである。 そのため、インクジエツト印刷用インクでは印刷された画像や字体が滲み易いという欠点がある。 インクジエツト印刷用インクは粘度が低いため、インク滲みの問題は解決困難なインクジエツト印刷法の欠点であった。
【0004】
また、水性インクの着色には水溶性染料が使用されるため、インクジエツト印刷ではインク色材の耐水性及び耐光性が悪いという問題がある。 これらの欠点は印刷技術としては死命的な欠陥であるため、特開平10−305570,特開2000−86958及び特開2001−342383では、可溶性建染め染料を含有する水性インクにUVエネルギーを与えて色材を不溶化させるインク定着方法により、上記の三大欠点(インク滲み,耐水性及び耐光性)を全て解決することが提案されている。 しかしながら、この方法はインクシステムに未開発の部分が残されており、まだ実用化されるには至っていない。
【0005】
一方、インク滲みの問題は用紙の側からも改良が進められており、実際に製品化されている。 即ち、現在のインクジエツトプリンターには、インクが滲まない専用紙を用いることによって滲み防止が図られている。 このインクジエツト専用紙は紙にインク吸収層が塗布されており、インク吸収層として液体インク吸収能力の大きなシリカ微粉末やアルミナゾル等の鉱物質の微粉末が接着材、例えば、ポリビニルアルコール変性樹脂やアクリレート変性樹脂と共に塗布されている。 このようなインク滲み防止の目的でセラミツク微粒子が塗布された紙をインクジエツト専用紙と呼んでおり、他にもインクジエツト用光沢紙とかインクジエツト用コート紙と呼ばれることもある。 これらの専用紙は“カラーBPペーパー”(キヤノン社)、“スーパーフアイン専用光沢紙”(セイコーエプソン社)等の商品名で市販されている。 このインクジエツト専用紙ではインク滲みが無いため、鮮明な印刷画像が得られ、特にカラー画像ではドツトの広がりを抑えて階調性が向上するため、デジタルカメラで撮影したカラー画像を鮮明にプリントすることができ好評を博している。 しかしながら、これらの専用紙にインクジエツト印刷された画像は耐光性が非常に貧弱であり長期間保存することができない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
インクジエツト専用紙を使用すれば、通常の水溶性染料でも滲まないため、インク色材には主として酸性染料が使用されている。 また、シリカ微粉末やアルミナゾル等のセラミツク微粒子に吸着された染料は水に溶け出さないので、インク色材の耐水性も向上する効果が得られた。 それ故、インクジエツト印刷における三大欠点(インク滲み、耐水性及び耐光性)のうち、インク滲みと耐水性の問題は用紙を改良することで解決できたのである。
しかしながら、耐光性に関しては、シリカ微粉末やアルミナゾル等のセラミツク微粒子に吸着された染料には何んら向上効果が認められない。 それどころか、シリカ微粉末やアルミナゾルに吸着された染料は、通常の普通紙の上に印刷された場合に較べて、その耐光性が著しく低下することが知られている。
この問題は次のように説明されている。
【0007】
シリカ微粉末やアルミナゾルは粒子径が1〜2μm程度の微粒子であり、表面積が非常に大きな粉末であるため特異な表面活性を示す。 液体吸収能力及びガス吸着能力が大きく、極性ガスや水溶液中に溶解している物質を吸着する能力に優れる。 インク吸収に優れる能力もこの性質に由来する。 SOx及びNOxのような大気中の微量ガスもシリカ微粉末やアルミナゾルに吸着されて微粒子表面に濃縮される。 セラミツク微粒子の中には、例えば酸化チタンに見られるように、光触媒的作用を有するものがあり、光エネルギーを受けて有機化合物を分解する性質を示すことがある。
一方、合成染料の中にはSOxやNOxのような酸化性ガスによって分解されるものがあり、特にアゾ染料は色素分子中のアゾ基(−N=N−)がSOxやNOxの攻撃を受けて切断され染料分子が分解して消色することがある。
そのため、染色技術者の間ではアゾ染料のガス褪色性として問題になることがある。
インクジエツト印刷用水性インクに使用される酸性染料にはアゾ染料が用いられており、シリカ微粉末やアルミナゾルの微粒子表面に吸着されたアゾ染料は、セラミツク微粒子の光触媒的作用もあって、SOxやNOxの酸化反応を受けて分解されると考えられている。 この現象が生じるため、インクジエツト専用紙ではアゾ染料の耐光性が著しく低下すると考えられている。
インクジエツト印刷ではイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラツク(K)の4色のインクが使用される。 市販のインクジエツトプリンタ用インクに使用される水溶性染料の例を表1に挙げる。
【0008】
【表1】
【0009】
表1から明らかなように、シアン(C)インクを除いて、他のインクにはアゾ染料が使用されている。 シアン色のみはアゾ染料で出すことは出来ないため、フタロシアニン染料が用いられている。 イエロー(Y)及びマゼンタ(M)はモノアゾ染料であり、ブラツク(K)にはトリスアゾ染料が使われている。
黒色染料は可視光線の全ての波長の光を吸収しなければならないため、アゾ基(−N=N−)を分子内に3個有する分子量の大きなトリスアゾ染料が使用される。 これは直接染料である。
このような水性インクでインクジエツト専用紙の上にインクジエツト印刷すると、フタロシアニン染料のみは耐光性が優れており褪色しないのであるが、アゾ染料は著しく褪色する。 そのため、カラープリントの印刷物を壁に貼っておくと1〜2週間後には色調が変わり始め、青っぽいカラー画像に変色してしまう。
また、黒色インクの文字印刷物ではインクが褪色して次第に見づらくなる欠点がある。
表1に挙げたインクジエツト用水性インクの色材の中でフタロシアニン染料のみが抜群の耐光堅牢度を示すものの、その他の染料の耐光性は非常に低いため、現在のインクジエツト印刷では保存性の良い印刷物が得られない問題があった。
【0010】
それ故、イエロー(Y)、マゼンタ(M)及びブラツク(K)の色材として、フタロシアニン染料と同じ程度の耐光性に優れた水溶性染料が望まれていた。
フタロシアニン染料は表1から明らかなように、色素化合物が金属(Cu)と配位結合している含金属染料である。 一般に、含金属染料は非常に優れた耐光性を有する。 しかし、含金属染料は溶解性が悪くて水に対する溶解度が低いため、ノズルの目詰まりを生じ易い欠点があり、インクジエツト用インクの色材として好ましくない。 フタロシアニン染料は溶解性を改良することができた特異な含金属染料である。
表1に挙げたC.I.ダイレクト ブルー86は実際には平均2.5個のスルホン基を導入されたものが市販されている。 化1に示されたフタロシアニン染料(C.I.アシツド ブルー 249)には4個のスルホン基が導入されており、溶解性が改良されているため、ノズルの目詰まりを起こすことが少ない。 このC.I.アシツド ブルー249はC.I.ダイレクト ブルー86に較べて耐水性が低いものの、専用紙ではセラミツク微粒子に吸着されるため、問題なくインクのシアン色材として使われる。 染料化学における経験則から、有機顔料化合物に導入されたスルホン基は色素の色調及び耐光性に殆ど影響を与えないことが従来より知られている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
フタロシアニン染料は最高級の耐光性を示す合成染料であるが、色素母体は有機顔料である。 フタロシアニン顔料に可溶性基(−SO3H)を導入することにより水溶性色素に変性したものである。
この度、イエロー,マゼンタ,ブラツク色の有機顔料又は建染め染料(バツト染料)をスルホン化してそれぞれ耐光性の優れた水溶性色素を得ることができた。 これらの水溶性色素を含む水性インクはインクジエツト専用紙の上でも褪色することが少なく、耐光性の良いインクジエツト印刷物が得られるようになった。
建染め染料(バツト染料)という呼称は紛らわしいが、これは不溶性色素であり有機顔料と同じである。 建染め染料は水酸化ナトリウムとハイドロサルフアイトによるアルカリ性還元浴の中でロイコ化合物に還元されて初めて水溶性となり染料として使用できる。 本来は有機顔料と同じ不溶性色素であり、耐光性が非常に優れていることが特長である。 建染め染料はSOxやNOx等の酸化性ガスにも強い。 建染め染料は耐光性が優れているため、塗料用着色材として使われることもあり、顔料として使用される建染め染料はスレン系顔料とも呼ばれる。
【0012】
不溶性色素に導入されるスルホン基の数が多いほど水に対する溶解性が良くなりノズルの目詰まりを生ずることが少なくなる。 そのため、インクジエツト印刷用インクの色材として優れたものになる。 色材の溶解性が向上すれば、当然のことながら印刷物の耐水性は悪くなるが、インクジエツト専用紙では、紙面に塗工されているセラミツク微粉末の表面に吸着されるため、色材の耐水性が低下しない利点がある。
【0013】
【発明の実施の形態】
有機顔料を水溶性化するには、常法に従い発煙硫酸を用いるスルホン化反応により顔料分子にスルホン基を導入することにより行われる。 SO3含有量が10〜50重量%の発煙硫酸に有機顔料の乾燥粉末を投入し溶解して反応温度10〜80℃で1〜10時間反応させると顔料のスルホン化物が得られる。 発煙硫酸の使用量は顔料にたいして重量比で5〜10倍量である。 反応時間は反応温度及び発煙硫酸の濃度によっても変わるが、通常は1〜10時間で終了する。 スルホン化反応はTLC(薄層クロマトグラフイ)により顔料が検出されなくなった時点を終点とする。 反応終了後、反応液を氷水中に注意深く投入し、酸析または塩析後、濾過、乾燥することにより目的の水溶性色素である顔料スルホン化物を得る。
【0014】
例として、化2に示したC.I.バツトグリーン8では4個のスルホン基を導入することができるが、実際には反応条件によっても異なり、3〜4個のスルホン基が導入された混合物が得られる。 また置換位置も複数考えられることからスルホン化物は多種類混在する。 しかし、後記する本発明のインクジエツト用インク組成物を得るための色素としては何ら差し支えない。 反応温度が高いほど、また反応時間が長いほど、スルホン化度は高くなる。
このたび、化2に示したC.I.バツトグリーン8をスルホン化した緑褐色の水溶性色素を含有するインクによりインクジエツト印刷したものは専用紙の上でもフタロシアニン染料に匹敵する耐光性を有していることが判明した。
【0015】
化3に示した黄色,マゼンタ色、黒色の各不溶性色素をそれぞれスルホン化してイエローインク、マゼンタインク、ブラツクインク用の水溶性色素を作った。
これらの各色素には1分子当たり2〜3個のスルホン基を導入することができる。 市販の有機顔料及び建染め染料は調整された化成品であり、分散剤や助剤を含有するため、これらの不純物をメタノール/水の混合溶媒で除去して100%色素のみを原料として使用する。 このようにして顔料又は建染め染料をスルホン化して変性された水溶性色素は水に対する溶解度が大きい。
又、シリカ微粉末やアルミナゾル等が塗付されたインクジエツト専用紙の上で優れた耐光性を有することが明らかになった。
【0016】
化4に示したC.I.バツトブラツク9をスルホン化した黒色の水溶性色素は最高の耐光性及び耐熱性を示すことが明らかになった。 シリカ微粉末又はアルミナゾル等のセラミツク微粒子が塗付されたインクジエツト専用紙の上で当該色素の優れた耐光性は電子写真法レーザプリンタに使用されるブラツク色トナーと較べても遜色ない水準であることが確認された。 更に、この水溶性色素は高い直接性を有しており普通紙の上でもインク滲みの無いインクジエツト印刷物が得られた。
化4に示された黒色の水溶性色素には6個のスルホン基が記されているが、これは平均値であり、スルホン化の反応条件によって4〜8個のスルホン基を導入することができる。 いずれにしても導入されたスルホン基の数が異なる多種類の混合物が得られるが、色調は皆殆ど同じであり、インクジエツト印刷用インク色材として使用するには差し支えない。
【0017】
次に述べる方法によっても耐光性の優れたブラツクインクを作ることができる。 化2に示したC.I.バツトグリーン8と紺色のジベンザンスロン染料(ビオランスロン染料)を1:2〜3の比率で混合すると濃い黒色インクを作ることができることが明らかになった。 ジベンザンスロンには2〜4個のスルホン基を導入することができ、その水溶性色素の溶解性は非常に良好である。 この配合された建染め染料を水溶性化したブラツク色材もC.I.バツトブラツク9と同じように直接性が大きくインク滲みの無い印刷物が得られることを見いだした。 このブラツク色材の耐光性は非常に良好である。 この方法で作られたブラツクインクについては別に新たな明細書を提出する。
【0018】
又、上記に述べたイエロー色及びマゼンタ色の水溶性色素はCMYRGBの6色インクを用いるインクジエツト印刷法にも使用できることを言及しておきたい。 6色インクを用いてカラー画像をインクジエツト印刷する方法は特願2001−86433に記載されている。 しかし、6色インクを用いるインクジエツト印刷法に関しての記述は発明の単一性を逸脱するため別途新たな明細書を提出する。
次に実施例について更に詳しく説明する。 実施例中に表示された「部」又は「%」はすべて重量基準である。
【0019】
【実施例1】
30%発煙硫酸800部に撹拌しながら25℃で化3の冒頭に記載した黄色の不溶性色素(C.I.60530)の乾燥粉末100部を徐々に振り込み溶解した。 次いで、60℃に昇温した後、この温度で8時間反応を行った。 反応後、反応液を室温にまでした冷却した後、反応液を氷水4リツトル中に注加して発煙硫酸を分解した。 次いで、撹拌しながら食塩200部を徐々に添加した。 室温にて5時間撹拌して色素を十分に析出させた後、析出した黄色結晶を濾過して得られたウエツトケーキを10%食塩水で洗浄した。
得られた色素スルホン化物のウエツトケーキに水1800部を加えて溶解した後、20%水酸化ナトリウム水溶液にて中和した。 次いで、食塩400部を添加して再び塩析を行った。 析出してくる赤橙色結晶を濾過してウエツトケーキ370部を得た。 次いで得られたウエツトケーキを1800部のメタノールと共に50℃で1時間撹拌した後室温まで冷却した後、分散している結晶を濾別して下記の化学式の黄色水溶性色素を得た。 この黄色水溶性色素に「水溶性イエロー色素(Y−1)」の符号を付けた:
【0020】
【実施例2】
化3に記載したC.I.バツトイエロー29,C.I.バツトイエロー27,C.I.ピグメントレツド209,C.I.バツトブラツク2,C.I.73850,C.I.バツトブラツク1,C.I.バツトブラツク35及びC.I.バツトブラツク 9を精製したものを実施例1と同じ方法及び処方によりスルホン化して下記の水溶性色素を得た。 尚、C.I.ピグメントレツド209には市販のキナクリドン顔料を使用した。 また、C.I.バツトブラツク9にはミケスレンダイレクトブラツクRB(三井化学)を使用した。
それぞれの水溶性色素に下記の符号を付けた:
【0021】
【実施例3】
本発明の水溶性色素の耐光性をテスト評価するため、実施例2において作った各水溶性色素を使用してインクジエツト用水性インクを試作した。
試作インクは次のインク組成から成る:
各試作インクに下記の符号を付けた:
試作インクA〜Iをそれぞれ使用済みインクカートリッジを再生して作った空インク容器に充填し、インクジエツトプリンタにより専用紙にベタ印刷して露光テスト用試料片を作成した。 プリンタにはピエゾ型インクジエツトプリンタ(セイコーエプソン製)を使用した。 専用紙として市販のカラーBPペーパーLC101(キヤノン社製)(=専用紙A)及びインクジエツト専用光沢フイルムMJA4SP6(セイコーエプソン社製)(=専用紙B)を使用した。
露光テスト:
ベタ印刷した紙を10cm×10cmの大きさに切り取り試料片を作った。試料片の半分を黒紙で覆って完全に遮光した試験片を作った。 すべての試験片を一枚の段ボール紙に貼り、同一条件下で露光した。 露光テストは夏季の7〜8月中に晴天の日の屋外で直射日光に暴露した。 夜間及び雨天の日は試験片を屋内に保管した。 20日間の屋外露光の後、試験片の黒紙を取り除きインクの耐光性(褪色性)を目視判定した。
比較用に市販のIJインクも試作インクと同一条件で試験片を作成し、テストした。 電子写真方式のレーザープリンタ用のトナーのベタ印刷試験片も同じ条件下で露光テストした。
記号の説明:
※)通常の人間の肉眼は10%以下の色濃度差を識別できない。
【0022】
【実施例4】
YMC三原色インクを用いてカラー画像をインクジエツトプリントした場合の実際のカラー写真プリントの耐光性を評価した。 用紙は専用紙Bを用いた。 市販のYMC三原色カラーインクカートリッジを用いてインクジエツトプリントしたカラー画像に「カラー写真1号」の符号を付けた。
他方、市販インクカートリッジのイエローインクの代わりに本発明の試作イエローインクAを使用し、又、マゼンタインクの代わりに本発明の試作マゼンタインクDを使用した三原色カラーインクを用いてインクジエツトプリントしたカラー画像に「カラー写真2号」の符号を付けた。
カラー写真1号及び2号を実施例3の露光テスト条件の下で他の試験片と一緒に露光テストをおこなった。 露光テスト結果の評価は、カラー写真1号は青色のモノトーン写真に変色したのに比べて、カラー写真2号では元のカラー色調が維持されていた。
【0023】
【発明の効果】
インクジエツト専用紙にはインク滲み防止のためセラミツク微粒子が塗付されているが、従来の水溶性染料はインクジエツト専用紙の上で耐光性が著しく低下する問題があった。 キノン系色素の不溶性色素(顔料又は建染め染料)にスルホン基を導入して水溶性に変性した水溶性色素はインクジエツト専用紙の上でも優れた耐光性を有する。 水に対する溶解性に優れており、インクジエツト印刷用インクに適した水溶性色素を提供する。 本発明の水溶性色素は新規化学物質ではあるが、アゾ染料のように発癌性を疑われるアゾ基,アミノ基,ニトロソ基等を含有しないため、安全な色材である。 その色素母体は既存化学物質として実績があり、化審法(化学物質審査規制法)に基づく発癌性テスト,変異原性テスト等をパスするため実用的価値が大きい。
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