JP2003012982A - インク組成物 - Google Patents
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Abstract
水性・耐光性・耐擦過性に優れ、色濃度の高い高品質
(高精細、高彩度)記録が可能な顔料インク組成物を提
供することを課題とする。 【解決手段】 X線回折スペクトルにおいて、最大強度
を示す回折線とそのn次(n:2以上の整数)の回折線
を主要ピークとして有する擬1次元結晶性カラー有機顔
料からなる着色剤、水溶性有機溶剤、界面活性剤および
水溶性樹脂を含有することを特徴とするインク組成物に
より、上記の課題を解決する。
Description
録方式の記録(印刷)に好適な擬1次元結晶性カラー有
機顔料を含むインク組成物に関する。なお、本発明のイ
ンク組成物は、各種マーキング用具や器具の着色剤とし
ても好適に使用できる。
によりインクの小滴を吐出させ、その小滴をメディア上
に付着させ、ドットを形成して画像を記録する方式であ
る。このため、記録時の騒音が少ない、フルカラー化が
容易である、現像および定着が不要であり高速記録が可
能であるなどの特長を有している。近年、このインクジ
ェット記録方式は、ディスプレイなどに表示されたカラ
ー画像、各種図形、カラー原稿などを印刷する方法とし
て注目され、急速に普及している。
るインクは、メディア上では速やかに乾燥定着し、ノズ
ル内では乾燥しにくく、ノズル詰まりを起こしにくいと
いう矛盾した特性が要求される。また、基本性能として
保存安定性や安全性も要求される。さらに、メディアの
種類によって、インクの浸透・吸収状態が大きく異なる
ため、使用できる紙が制限されるなどの問題点がある。
特に、近年ではオフィスで一般に使用されているコピー
用紙、レポート用紙、ノート、便箋などのいわゆる普通
紙に対しても良好な記録を行えることが要求され、上記
の問題点についての早急な改善が望まれている。
とそれを溶解または分散させるための溶媒を主成分とす
る組成物であり、必要に応じて各種添加剤が含まれてい
る。顔料を用いたインクは、オフィス、パーソナル分野
向けに多用されている水溶性染料を用いたインクより
も、耐水性、耐光性に優れ、デザイン、ディスプレイ市
場の向けの大判印刷の分野において実用化が進んでい
る。しかし、多種多様なメディアに高画質の出力が求め
られるオフィス、パーソナル分野向けへの応用は困難な
状況にある。
ては、例えば、比較的極性の高い多孔質のカーボンブラ
ックを用いたもの(特開平8−3498号公報および特
表平10−510862号公報参照)、マイクロカプセ
ル化有機顔料を用いたもの(特開平9−151342号
公報および特開平10−140065号公報参照)があ
るが、彩度、乾燥速度、耐擦過性などの点で未だ充分と
は言えない。
に顔料を分散させること(保存安定性)、記録装置のノ
ズルの目詰まりがないことが特に求められる。例えば、
特開平6−212106号公報には、高分子分散剤、界
面活性剤などの分散剤などを用いて溶媒中に顔料を分散
させる技術が開示されている。しかしながら、このよう
な分散剤の添加は、一般にインクの泡立ちの原因とな
り、インクの吐出過程に影響を及ぼし、その結果、印字
ムラを引き起こすという問題がある。
としての着色成分(着色剤)の粒子径ならびに分散媒の
表面張力特性を特定の範囲に制御することにより滲みの
発生を抑えたインクジェット記録用インクが開示されて
いる。しかしながら、上記の公報には、X線回折スペク
トルにおいて、最大強度を示す回折線とそのn次(n:
2以上の整数)の回折線を主要ピークとして有する擬1
次元結晶性カラー有機顔料を着色剤として用いるという
技術思想はない。
れば耐水性・耐光性は容易に達成できるが、インクジェ
ット記録方式のインクとしては、安定なインクの吐出の
確保、インクの保存安定性、メディア表面への定着性が
問題となる。また、高い色濃度と耐擦過性の確保も未だ
達成できていない。さらに、顔料を着色剤とし、1次色
としてシアン顔料、マジェンタ顔料、イエロー顔料の3
色を基本とすると、混色による濁りが発生し易く、高彩
色な記録は実現できていないのが現状である。
に対して滲み、裏写りがなく、耐水性・耐光性・耐擦過
性に優れ、色濃度の高い高品質(高精細、高彩度)記録
が可能な顔料インク組成物を提供することを課題とす
る。
題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、X線回折ス
ペクトルにおいて、最大強度を示す回折線とそのn次
(n:2以上の整数)の回折線を主要ピークとして有す
る擬1次元結晶性カラー有機顔料からなる着色剤、水溶
性有機溶剤、界面活性剤および水溶性樹脂を主成分とし
て含むインク組成物を用いることによって、上記の課題
を解決できることを見出し、本発明を完成するに到っ
た。また、本発明者らは、表面改質技術を用いて親水化
を施す過程で上記の擬1次元結晶性を有するカラー有機
顔料が得られることを見出した。
物を用いると、普通紙に対する滲みと裏写りが抑止さ
れ、1次色として、シアン、マジェンタ、イエローの3
色に加え、レッド、グリーン、ブルーを用いると、色の
濁りのない極めて高精彩な記録装置、さらには両面同時
印写の可能な記録装置が実現できること、またこのイン
ク組成物は、長期間放置後もその安定したインク吐出性
能の確保を可能にし、再起動時にノズルの目詰まりがな
いことを見出し、本発明を完成するに到った。
クトルにおいて、最大強度を示す回折線とそのn次
(n:2以上の整数)の回折線を主要ピークとして有す
る擬1次元結晶性カラー有機顔料からなる着色剤、水溶
性有機溶剤、界面活性剤および水溶性樹脂を含有するこ
とを特徴とするインク組成物が提供される。
顔料からなる着色剤、特定の水溶性有機溶剤、界面活性
剤および水溶性樹脂を主成分として含む水系のインク組
成物について述べるが、これに限定されるものではな
く、本発明は非水系のインク組成物にも適用できる。
トルにおいて、最大強度を示す回折線とそのn次(n:
2以上の整数)の回折線を主要ピークとして有する擬1
次元結晶性カラー有機顔料からなる着色剤、水溶性有機
溶剤、界面活性剤および水溶性樹脂を含有することを特
徴とする顔料分散型のインク組成物である。本発明にお
ける「擬1次元結晶」とは、実質的に1軸方向の周期性
が認められる結晶を意味する。また、「主要ピーク」と
は、最大強度を示す回折線とそのn次(n:2以上の整
数)の回折線のピーク面積が、全回折線のピーク面積の
65%以上であることを意味するが、X線回折スペクト
ルは、最大強度を示す回折線とそのn次(n:2以上の
整数)の回折線のみからなるのが好ましい。
カラー有機顔料は、上記の条件を備えたイエロー、マジ
ェンタおよびシアンの3原色の擬1次元結晶性カラー有
機顔料、さらには補色となるブルー、グリーンおよびレ
ッドの擬1次元結晶性カラー有機顔料である。このよう
な擬1次元結晶性カラー有機顔料を用いることにより、
高彩度、高濃度の発色が可能なインク組成物を提供する
ことができる。
は、X線回折スペクトルにおいて、最大強度を示す回折
線とそのn次(n:2以上の整数)の回折線を主要ピー
クとして有するが、そのX線回折スペクトルは顔料の種
類によって異なる。擬1次元結晶性カラー有機顔料のX
線回折スペクトルにおける最大強度を示す回折線のブラ
ッグ角(2θ±0.2°)の好ましい例を以下に示す。 イエロー顔料 :5.4° マジェンタ顔料 :5.7° シアン顔料 :5.7° なお、このスペクトルはCuKα線(0.154050
nm)を用いた場合の数値である。
は、例えば、通常の結晶性カラー有機顔料を化学的処理
および/または物理的処理により改質することにより製
造することができる。この処理は粒子表面のみの改質に
は止まらず、結晶格子を大きく歪ませる程度まで改質す
るものであり、処理方法によっては同時に親水性も付与
される。
ための化学的処理および/または物理的処理としては、
酸素雰囲気での紫外線照射(例えば、酸素ガス雰囲気中
で低圧水銀ランプ(λ:185nm)を照射する方
法)、反応性プラズマガス中での暴露(例えば、真空下
で低圧酸素ガスのグロー放電プラズマ中に暴露する方
法)および酸処理(例えば、大気下、湿式で、発煙硫酸
やクロロスルホン酸で処理する方法)が挙げられるが、
擬1次元結晶性カラー有機顔料が最も得られやすいこと
から、酸処理が好ましい。酸処理としては、例えば、結
晶性カラー有機顔料と顔料重量の10〜50倍程度の濃
硫酸(98%)とを0.5〜3時間程度攪拌し、得られ
た混合溶液を0℃程度の水中に急速に滴下攪拌する方法
が挙げられる。
められる。つまり、顔料によっては改質処理中に分解し
たり変色することもあるので、処理条件を最適化すると
共に耐性のある顔料の選定が重要となる。
ンク、トナー、塗料などの着色剤として用いられるアゾ
顔料(例えば、モノアゾイエロー顔料、ナフトールAS
顔料、ベンズイミダゾロン顔料、ジスアゾイエロー顔
料、ピラゾロン顔料、縮合アゾ顔料など)、多環式顔料
(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノ
ン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、チオ
インジゴ顔料、アンサンスロン顔料など)などが結晶性
カラー有機顔料が挙げられる。これらの顔料を上記の処
理に付すことにより、本発明の着色剤、すなわち擬1次
元結晶性カラー有機顔料が得られる。
示す。イエロー顔料としては、C.I.ピグメントイエロー
74のようなモノアゾイエロー顔料、C.I.ピグメントイ
エロー13、C.I.ピグメントイエロー83およびC.I.ピ
グメントイエロー176のようなジスアゾイエロー顔
料、C.I.ピグメントイエロー128のような縮合アゾ顔
料、ならびにC.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグ
メントイエロー180およびC.I.ピグメントイエロー1
94のようなベンズイミダゾロン顔料などが挙げられ、
これらの中でも、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピ
グメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー15
1、C.I.ピグメントイエロー180およびC.I.ピグメン
トイエロー194が特に好ましい。
レッド122およびC.I.ピグメントレッド202のよう
なキナクリドン顔料、C.I.ピグメントレッド149、C.
I.ピグメントレッド190およびC.I.ピグメントレッド
224のようなペリレン顔料、ならびにC.I.ピグメント
レッド175、C.I.ピグメントレッド176およびC.I.
ピグメントレッド185のようなナフトールAS―ベン
ズイミダゾロン顔料などが挙げられる。
ー15、C.I.ピグメントブルー15:3およびC.I.ピグ
メントブルー15:4のようなフタロシアニン顔料など
が挙げられる。
ー60およびC.I.ピグメントブルー15:6のようなフ
タロシアニン顔料などが挙げられる。グリーン顔料とし
ては、C.I.ピグメントグリーン7およびC.I.ピグメント
グリーン36のようなフタロシアニン顔料などが挙げら
れる。レッド顔料では、C.I.ピグメントレッド238の
ようなナフトールAS顔料、およびC.I.ピグメントレッ
ド221のような縮合アゾ顔料などが挙げられる。
元結晶性カラー有機顔料からなる着色剤の1種を単独
で、または2種以上を適宜組み合わせて用いられる。そ
の含有量は、1〜10重量%が好ましく、2〜5重量%
がより好ましい。着色剤が1重量%未満の場合には、印
字濃度が低くなるので好ましくない。また、着色剤が1
0重量%を超える場合には、粘度が高く、分散安定性に
劣るので好ましくない。
としては、含窒素複素環式ケトン類、グリコールエーテ
ル類、プロピレングリコール類が挙げられる。
に伴う目詰まり防止剤としても機能し、擬1次元結晶性
カラー有機顔料との組み合わせにおいて、インクの保存
安定性の向上、高粘度領域での流動性の改善などの効果
が得られる。インク組成物への含窒素有機溶剤の添加量
は、1〜10重量%程度、好ましくは2〜6重量%であ
る。含窒素複素環式ケトン類が1重量%未満の場合に
は、上記の効果が得られないので好ましくない。また、
含窒素複素環式ケトン類の添加量が10重量%を超える
場合には、粘度が高く、分散安定性に劣るので好ましく
ない。
ては、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、
1,3−ジメチル−イミダゾリジノンなどが挙げられ
る。また、上記の含窒素複素環式ケトン類以外に、pH
調整剤および目詰まり防止剤として、尿素、ジエタノー
ルアミン、トリエタノールアミンなどの含窒素有機溶剤
が好適に用いられる。
だけではなく、メディア表面に擬1次元結晶性カラー有
機顔料を効率的に定着させたり、あるいは普通紙におい
て滲みを防止するといった重要な役割を果たす。また、
擬1次元結晶性カラー有機顔料の種類によっては、イン
ク組成物の粘度を飛躍的に低下させる機能を有する。イ
ンク組成物へのグリコールエーテル類の添加量は、1〜
15重量%程度、好ましくは2〜10重量%である。な
お、グリコールエーテル類の添加量が1重量%未満の場
合には、上記の効果が得られないので好ましくない。ま
た、含窒素複素環式ケトン類の添加量が15重量%を超
える場合には、分散安定性に劣るので好ましくない。
は、エチレングリコール−n−ブチルエーテル、ジエチ
レングリコール−n−ブチルエーテル、トリエチレング
リコール−n−ブチルエーテル、プロピレングリコール
−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコール−n−
ブチルエーテル、メチルカルビトールなどが挙げられ
る。
の保存安定性、記録特性およびメディアに対する定着性
の向上に寄与するだけでなく、前記の含窒素複素環式ケ
トン類と同様に、インクの乾燥に伴うノズルやオリフィ
スでの目詰まり防止剤としても機能する。インク組成物
へのプロピレングリコール類の添加量は、1〜30重量
%程度、好ましくは2〜25重量%である。なお、プロ
ピレングリコール類の添加量が1重量%未満の場合に
は、上記の効果が得られないので好ましくない。また、
プロピレングリコール類の添加量が30重量%を超える
場合には、滲み特性や乾燥性に劣るので好ましくない。
ては、プロピレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリ
コールなどが挙げられる。
してアセチレンジオール系界面活性剤が好適に用いられ
る。アセチレンジオール系界面活性剤は、インク組成物
の分散安定性を向上させ、普通紙に対する滲みと裏写り
を抑止し、耐刷性を向上させる。インク組成物へのアセ
チレンジオール系界面活性剤の添加量は、0.1〜2重
量%程度、好ましくは0.5〜1.5重量%である。な
お、アセチレンジオール系界面活性剤の添加量が上記の
範囲であれば、より滲みの少ない画像を実現できる。
い例としては、2,4,7,9−テトラメチル−5−デ
シン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オク
チン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキ
シン−3−オールなどが挙げられる。具体的には、Air
Products and Chemicals Inc.社から上市されているサ
ーフィノール104、82、465、485、504、
TGなどが挙げられる。
性剤、例えば、サーフィノール104およびサーフィノ
ールTGは、親水性親油性バランス(HLB)が低いた
めに、水に対する溶解度が低くなるが、インク組成物に
グリコールエーテル類、グリコール類、他の界面活性剤
を添加することで溶解度を改善することができる。
してスチレン−αメチルスチレン−アクリル酸からなる
三元共重合体が好適に用いられる。スチレン−αメチル
スチレン−アクリル酸からなる三元共重合体は、インク
組成物の耐光性の向上に寄与する。インク組成物へのス
チレン−αメチルスチレン−アクリル酸からなる三元共
重合体の添加量は、0.5〜8重量%程度、好ましくは
1〜6重量%である。なお、三元共重合体の添加量が
0.5重量%未満の場合には、上記の効果が得られない
ので好ましくない。また、三元共重合体の添加量が8重
量%を超える場合には、インク組成物の粘度を低く設定
するのが困難になり、また液滴が十分に生成できなくな
るので好ましくない。
からなる三元共重合体は、公知の方法で各モノマーを共
重合させることにより得ることができ、アクリル酸1モ
ルに対して、スチレンおよびαメチルスチレンの合計3
〜5モルを共重合せしめたものが好ましく、アクリル酸
1モルに対して、スチレン1.5〜2.5モルおよびα
メチルスチレン1.5〜2.5モルを共重合せしめたも
のがより好ましく、アクリル酸1モルに対して、スチレ
ン1.7〜2.3モルおよびαメチルスチレン1.8〜
2.2モルを共重合せしめたものが特に好ましい。前記
の割合で各モノマーを共重合させることにより、優れた
分散安定性、耐水性、再溶解性を得ることができる。
組成物における擬1次元結晶性カラー有機顔料の分散性
およびインク吐出安定性などの点で、2,000〜8,
000が好ましく、2,000〜5,000がより好ま
しい。三元共重合体の酸価は、紙面における耐水性およ
びヘッド部でのインクの再溶解性などの点で、90〜1
30が好ましい。
からなる三元共重合体の好ましい例としては、ジョンソ
ンポリマー社から上市されているジョンクリル57、ジ
ョンクリル60、ジョンクリル62、ジョンクリル63
などが挙げらる。
重合体をインク組成物の液体成分に安定に溶解させてお
くために、中和剤を用いるのが好ましい。中和剤の好ま
しい例としては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ
金属の水酸化物、脂肪族アミン、エタノールアミン、プ
ロパノールアミン、メチルエタノールアミンなどのアル
コールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、ジ
メチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノールな
どが挙げられる。このような中和剤を、三元共重合体中
のアクリル酸と等モルないし数%過剰に使用することに
より、三元共重合体をインク組成物の液体成分に安定に
溶解させることができ、また三元共重合体の再溶解性お
よび記録物の耐水性を良好に調整できる。
外にさらにインクの諸物性を改善するために必要に応じ
て適当な調整剤を添加することができる。物性調整剤と
しては、例えば、湿潤剤、浸透剤、粘度調整剤、防カビ
剤、防腐剤などが挙げられる。
録特性およびメディアに対する定着性の向上にも寄与す
る。また、含窒素有機溶剤と同様に、インクの乾燥によ
るノズルやオリフィスでの目詰まり防止剤としても機能
する。インク組成物への湿潤剤の添加量は、0.5〜4
0重量%程度、好ましくは3〜10重量%である。
グリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール、テトラプロピレングリコール、ペンタエチ
レングリコール、ヘキサエチレングリコール、ヘプタエ
チレングリコール、オクタエチレングリコール、エチレ
ングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリ
コール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオグリコ
ール、へキシレングリコール、トリメチロールエタン、
トリメチロールプロパンなどが挙げられる。
成物には低沸点有機溶剤を添加するのが好ましい。イン
ク組成物への低沸点有機溶剤の添加量は、0.5〜10
重量%程度、好ましくは1.5〜6重量%である。
タノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プ
ロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、t
ert−ブタノール、iso−ブタノール、n−ペンタ
ノールなどの1級、2級および3級アルコールが挙げら
れ、特に1級アルコールが好ましい。
メディア表面に着色剤を効率的に定着させたり、あるい
は普通紙において滲みを防止するといった重要な役割を
果たす。インク組成物への浸透剤の添加量は、0.1〜
5重量%程度、好ましくは0.5〜4重量%である。な
お、浸透剤の添加量が前記の範囲外の場合には、乾燥
性、滲み防止の効果が劣化するので好ましくない。
コールエーテル類およびアセチレンジオール系界面活性
剤以外に、アニオン型であるパーフルオロアルキルスル
ホン酸アンモニウム塩、パーフルオロアルキルスルホン
酸カリウム塩、パーフルオロアルキルカルボン酸カリウ
ム塩 、ないしはノニオン型であるパーフルオロアルキ
ルポリオキシエチレンエタノール、パーフルオロアルキ
ルアルコキシレート、フッ素化アルキルエステルなどの
フッ素系界面活性剤などが挙げられるが、表面張力を低
下させる機能をもつものであれば、これらに限定される
ものではない。
御するために、インク組成物には界面活性剤、特にノニ
オン性界面活性剤を添加するのが好ましい。インク組成
物への界面活性剤の添加量は、0.1〜2重量%程度、
好ましくは0.2〜1重量%である。なお、界面活性剤
の添加量が前記の範囲外の場合には、滲み、裏写りが大
きくなるので好ましくない。カチオン界面活性剤および
アニオン界面活性剤は、本発明の着色剤との組み合わせ
において、泡立ちし易く、分散安定性が劣化し易く、裏
写りが大きくなり易いので好ましくない。
は、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシ
エチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンセチ
ルエーテルなどのアルキルエーテル型、ポリオキシエチ
レンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオク
チルフェニルエーテルなどのアルキルフェノール型、ポ
リオキシエチレンモノステアレートなどのアルキルエス
テル型、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノ
ラウレートなどのソルビタンエステル型、ポリオキシエ
チレンソルビタンモノラウレートなどのソルビタンエス
テルエーテル型が挙げられる。
適宜、適当な方法で水に分散あるいは混合することによ
って調製することができる。凝集状態の本発明の着色剤
(擬1次元結晶性カラー有機顔料)を、本発明において
規定する体積平均粒子径の微粒子にまで分散する方法と
しては、ダイノミル分散法、ペイントシェーカー分散
法、ボールミル分散法、アトライター分散法、サンドミ
ル分散法、ビーズミル分散法、超音波分散法などの通常
の方法を採用することができる。
すると同時に、着色剤粒子の光散乱を制御することで鮮
やかな色再現(高彩色記録)も得られ、かつ普通紙に記
録した場合でも滲みと裏写りが極めて少ない記録が得ら
れる。また、本発明によれば、インク組成物の分散安定
性、保存安定性も向上する。
比較例に基づいてさらに具体的に説明するが、これらの
製造例および実施例により本発明が限定されるものでは
ない。
晶性カラー有機顔料の分光反射スペクトルを、日本平板
機材株式会社製の分光測色計X−Rite938を用い
て測定した。また、製造例1〜9において得られた擬1
次元結晶性カラー有機顔料のX線回折パターンを、マッ
クサイエンス社製の粉末X線回折装置MXP−18(X
線源:CuKα=0.154050nm)を用いて測定
した。
(98%)約100gに、C.I.ピグメントイエロー18
0を3g加え、2時間攪拌後、0℃の水中に急速に滴下
攪拌して、擬1次元結晶性カラー有機顔料を得た。得ら
れた顔料の分光反射スペクトルおよびX線回折スペクト
ルをそれぞれ図1(a)および図2に示す。X線回折ス
ペクトルでは、ブラッグ角(2θ±0.2°)5.4°
に最大回折ピーク(半値全幅(FWHM)=0.7°)
を示し、2次および3次の回折ピークが10.8°およ
び16.1°に観測された。
料としてC.I.ピグメントレッド185を用いる以外は製
造例1と同様にして、擬1次元結晶性カラー有機顔料を
得た。得られた顔料の分光反射スペクトルおよびX線回
折スペクトルをそれぞれ図1(b)および図3に示す。
X線回折スペクトルでは、ブラッグ角(2θ±0.2
°)5.7°に最大回折ピーク(FWHM=0.6°)
を示し、2次のブロードな回折ピークが11.8°に観
測された。
顔料としてC.I.ピグメントシアン15:3を用いる以外
は製造例1と同様にして、擬1次元結晶性カラー有機顔
料を得た。得られた顔料の分光反射スペクトルおよびX
線回折スペクトルをそれぞれ図1(c)および図4に示
す。X線回折スペクトルでは、ブラッグ角(2θ±0.
2°)5.7°に最大回折ピーク(FWHM=0.9
°)が観測されたが、2次以上の高次の明瞭な回折ピー
クは観測されなかった。
トイエロー128、C.I.ピグメントレッド122、C.I.
ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー1
5:6、C.I.ピグメントグリーン7およびC.I.ピグメン
トレッド238をそれぞれ用いて、擬1次元結晶性カラ
ー有機顔料を得た。得られた顔料のX線回折スペクトル
の最大回折ピーク(FWHM)を表1に示す。
弱い顔料(C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメン
トレッド23など)を製造例1〜3と同様にして処理し
たが、何れの改質技術においても、本発明に使用できる
擬1次元結晶性カラー顔料を得ることができなかった。
ク組成物中の顔料の粒子サイズを、大塚電子株式会社製
の電気泳動光散乱光度計ELS−8000を用いて測定
し、得られたデータから体積平均粒子径(nm)を求め
た。
グリコール、トリエチレングリコール−n−ブチルエー
テル、n−プロパノール、尿素、2−ピロリドン、サー
フィノール465、ジョンクリル60を除く前記成分を
混合し、ペイントコンディショナー装置(レッドレベル
社製)により直径0.8mmのジルコニアビーズと共に
2時間分散処理を施し、ジルコニアビーズを除去後、残
りの構成成分を混合し、0.45μmのメンブランフィ
ルターで濾過してインク組成物を得た。得られたインク
組成物中での顔料の体積平均粒子径は82nmであっ
た。
グリコール、トリエチレングリコール−n−ブチルエー
テル、n−プロパノール、尿素、2−ピロリドン、サー
フィノール465、ジョンクリル60を除く前記成分を
混合し、ペイントコンディショナー装置(レッドレベル
社製)により直径0.8mmのジルコニアビーズと共に
2時間分散処理を施し、ジルコニアビーズを除去後、残
りの構成成分を混合し、0.45μmのメンブランフィ
ルターで濾過してインク組成物を得た。得られたインク
組成物中での顔料の体積平均粒子径は75nmであっ
た。
グリコール、トリエチレングリコール−n−ブチルエー
テル、n−プロパノール、尿素、2−ピロリドン、サー
フィノール465、ジョンクリル60を除く前記成分を
混合し、ペイントコンディショナー装置(レッドレベル
社製)により直径0.8mmのジルコニアビーズと共に
2時間分散処理を施し、ジルコニアビーズを除去後、残
りの構成成分を混合し、0.45μmのメンブランフィ
ルターで濾過してインク組成物を得た。得られたインク
組成物中での顔料の体積平均粒子径は68nmであっ
た。
リコール、トリエチレングリコール−n−ブチルエーテ
ル、メチルカルビトール、n−プロパノール、尿素、N
−メチル−2−ピロリドン、サーフィノール465、ジ
ョンクリル57を除く前記成分を混合し、ペイントコン
ディショナー装置(レッドレベル社製)により直径0.
8mmのジルコニアビーズと共に2時間分散処理を施
し、ジルコニアビーズを除去後、残りの構成成分を混合
し、0.45μmのメンブランフィルターで濾過してイ
ンク組成物を得た。得られたインク組成物中での顔料の
体積平均粒子径は78nmであった。
リコール、トリエチレングリコール−n−ブチルエーテ
ル、メチルカルビトール、n−プロパノール、尿素、N
−メチル−2−ピロリドン、サーフィノール465、ジ
ョンクリル57を除く前記成分を混合し、ペイントコン
ディショナー装置(レッドレベル社製)により直径0.
8mmのジルコニアビーズと共に2時間分散処理を施
し、ジルコニアビーズを除去後、残りの構成成分を混合
し、0.45μmのメンブランフィルターで濾過してイ
ンク組成物を得た。得られたインク組成物中での顔料の
体積平均粒子径は80nmであった。
リコール、トリエチレングリコール−n−ブチルエーテ
ル、メチルカルビトール、n−プロパノール、尿素、N
−メチル−2−ピロリドン、サーフィノール465、ジ
ョンクリル57を除く前記成分を混合し、ペイントコン
ディショナー装置(レッドレベル社製)により直径0.
8mmのジルコニアビーズと共に2時間分散処理を施
し、ジルコニアビーズを除去後、残りの構成成分を混合
し、0.45μmのメンブランフィルターで濾過してイ
ンク組成物を得た。得られたインク組成物中での顔料の
体積平均粒子径は70nmであった。
コール、ジエチレングリコール−n−ブチルエーテル、
イソプロパノール、尿素、1,3−ジメチル−2−イミ
ダゾリジン、サーフィノール504、ジョンクリル63
を除く前記成分を混合し、ペイントコンディショナー装
置(レッドレベル社製)により直径0.8mmのジルコ
ニアビーズと共に2時間分散処理を施し、ジルコニアビ
ーズを除去後、残りの構成成分を混合し、0.45μm
のメンブランフィルターで濾過してインク組成物を得
た。得られたインク組成物中での顔料の体積平均粒子径
は65nmであった。
コール、ジエチレングリコール−n−ブチルエーテル、
イソプロパノール、尿素、1,3−ジメチル−2−イミ
ダゾリジン、サーフィノール504、ジョンクリル63
を除く前記成分を混合し、ペイントコンディショナー装
置(レッドレベル社製)により直径0.8mmのジルコ
ニアビーズと共に2時間分散処理を施し、ジルコニアビ
ーズを除去後、残りの構成成分を混合し、0.45μm
のメンブランフィルターで濾過してインク組成物を得
た。得られたインク組成物中での顔料の体積平均粒子径
は76nmであった。
コール、ジエチレングリコール−n−ブチルエーテル、
イソプロパノール、尿素、1,3−ジメチル−2−イミ
ダゾリジン、サーフィノール504、ジョンクリル63
を除く前記成分を混合し、ペイントコンディショナー装
置(レッドレベル社製)により直径0.8mmのジルコ
ニアビーズと共に2時間分散処理を施し、ジルコニアビ
ーズを除去後、残りの構成成分を混合し、0.45μm
のメンブランフィルターで濾過してインク組成物を得
た。得られたインク組成物中での顔料の体積平均粒子径
は80nmであった。
コール−n−ブチルエーテル、n−プロパノール、尿
素、2−ピロリドン、サーフィノール465、ジョンク
リル60を除く前記成分を混合し、ペイントコンディシ
ョナー装置(レッドレベル社製)により直径0.8mm
のジルコニアビーズと共に2時間分散処理を施し、ジル
コニアビーズを除去後、残りの構成成分を混合し、0.
45μmのメンブランフィルターで濾過してインク組成
物を得た。得られたインク組成物中での顔料の体積平均
粒子径は85nmであった。
コール−n−ブチルエーテル、メチルカルビトール、n
−プロパノール、尿素、N−メチル−2−ピロリドン、
サーフィノール465、ジョンクリル57を除く前記成
分を混合し、ペイントコンディショナー装置(レッドレ
ベル社製)により直径0.8mmのジルコニアビーズと
共に2時間分散処理を施し、ジルコニアビーズを除去
後、残りの構成成分を混合し、0.45μmのメンブラ
ンフィルターで濾過してインク組成物を得た。得られた
インク組成物中での顔料の体積平均粒子径は83nmで
あった。
ール−n−ブチルエーテル、イソプロパノール、尿素、
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジン、サーフィノー
ル504、ジョンクリル63を除く前記成分を混合し、
ペイントコンディショナー装置(レッドレベル社製)に
より直径0.8mmのジルコニアビーズと共に2時間分
散処理を施し、ジルコニアビーズを除去後、残りの構成
成分を混合し、0.45μmのメンブランフィルターで
濾過してインク組成物を得た。得られたインク組成物中
での顔料の体積平均粒子径は85nmであった。
グリコール、n−プロパノール、尿素、2−ピロリド
ン、サーフィノール465、ジョンクリル60を除く前
記成分を混合し、ペイントコンディショナー装置(レッ
ドレベル社製)により直径0.8mmのジルコニアビー
ズと共に2時間分散処理を施し、ジルコニアビーズを除
去後、残りの構成成分を混合し、0.45μmのメンブ
ランフィルターで濾過してインク組成物を得た。得られ
たインク組成物中での顔料の体積平均粒子径は76nm
であった。
リコール、n−プロパノール、尿素、N−メチル−2−
ピロリドン、サーフィノール465、ジョンクリル57
を除く前記成分を混合し、ペイントコンディショナー装
置(レッドレベル社製)により直径0.8mmのジルコ
ニアビーズと共に2時間分散処理を施し、ジルコニアビ
ーズを除去後、残りの構成成分を混合し、0.45μm
のメンブランフィルターで濾過してインク組成物を得
た。得られたインク組成物中での顔料の体積平均粒子径
は72nmであった。
コール、イソプロパノール、尿素、1,3−ジメチル−
2−イミダゾリジン、サーフィノール504、ジョンク
リル63を除く前記成分を混合し、ペイントコンディシ
ョナー装置(レッドレベル社製)により直径0.8mm
のジルコニアビーズと共に2時間分散処理を施し、ジル
コニアビーズを除去後、残りの構成成分を混合し、0.
45μmのメンブランフィルターで濾過してインク組成
物を得た。得られたインク組成物中での顔料の体積平均
粒子径は74nmであった。
グリコール、トリエチレングリコール−n−ブチルエー
テル、n−プロパノール、尿素、サーフィノール46
5、ジョンクリル60を除く前記成分を混合し、ペイン
トコンディショナー装置(レッドレベル社製)により直
径0.8mmのジルコニアビーズと共に2時間分散処理
を施し、ジルコニアビーズを除去後、残りの構成成分を
混合し、0.45μmのメンブランフィルターで濾過し
てインク組成物を得た。得られたインク組成物中での顔
料の体積平均粒子径は70nmであった。
リコール、トリエチレングリコール−n−ブチルエーテ
ル、メチルカルビトール、n−プロパノール、尿素、サ
ーフィノール465、ジョンクリル57を除く前記成分
を混合し、ペイントコンディショナー装置(レッドレベ
ル社製)により直径0.8mmのジルコニアビーズと共
に2時間分散処理を施し、ジルコニアビーズを除去後、
残りの構成成分を混合し、0.45μmのメンブランフ
ィルターで濾過してインク組成物を得た。得られたイン
ク組成物中での顔料の体積平均粒子径は71nmであっ
た。
コール、ジエチレングリコール−n−ブチルエーテル、
イソプロパノール、尿素、サーフィノール504、ジョ
ンクリル63を除く前記成分を混合し、ペイントコンデ
ィショナー装置(レッドレベル社製)により直径0.8
mmのジルコニアビーズと共に2時間分散処理を施し、
ジルコニアビーズを除去後、残りの構成成分を混合し、
0.45μmのメンブランフィルターで濾過してインク
組成物を得た。得られたインク組成物中での顔料の体積
平均粒子径は70nmであった。
グリコール、トリエチレングリコール−n−ブチルエー
テル、n−プロパノール、尿素、2−ピロリドン、ジョ
ンクリル60を除く前記成分を混合し、ペイントコンデ
ィショナー装置(レッドレベル社製)により直径0.8
mmのジルコニアビーズと共に2時間分散処理を施し、
ジルコニアビーズを除去後、残りの構成成分を混合し、
0.45μmのメンブランフィルターで濾過してインク
組成物を得た。得られたインク組成物中での顔料の体積
平均粒子径は72nmであった。
リコール、トリエチレングリコール−n−ブチルエーテ
ル、メチルカルビトール、n−プロパノール、尿素、N
−メチル−2−ピロリドン、ジョンクリル57を除く前
記成分を混合し、ペイントコンディショナー装置(レッ
ドレベル社製)により直径0.8mmのジルコニアビー
ズと共に2時間分散処理を施し、ジルコニアビーズを除
去後、残りの構成成分を混合し、0.45μmのメンブ
ランフィルターで濾過してインク組成物を得た。得られ
たインク組成物中での顔料の体積平均粒子径は76nm
であった。
コール、ジエチレングリコール−n−ブチルエーテル、
イソプロパノール、尿素、1,3−ジメチル−2−イミ
ダゾリジン、ジョンクリル63を除く前記成分を混合
し、ペイントコンディショナー装置(レッドレベル社
製)により直径0.8mmのジルコニアビーズと共に2
時間分散処理を施し、ジルコニアビーズを除去後、残り
の構成成分を混合し、0.45μmのメンブランフィル
ターで濾過してインク組成物を得た。得られたインク組
成物中での顔料の体積平均粒子径は70nmであった。
グリコール、トリエチレングリコール−n−ブチルエー
テル、n−プロパノール、尿素、2−ピロリドン、サー
フィノール465を除く前記成分を混合し、ペイントコ
ンディショナー装置(レッドレベル社製)により直径
0.8mmのジルコニアビーズと共に2時間分散処理を
施し、ジルコニアビーズを除去後、残りの構成成分を混
合し、0.45μmのメンブランフィルターで濾過して
インク組成物を得た。得られたインク組成物中での顔料
の体積平均粒子径は88nmであった。
グリコール、トリエチレングリコール−n−ブチルエー
テル、n−プロパノール、尿素、2−ピロリドン、サー
フィノール465を除く前記成分を混合し、ペイントコ
ンディショナー装置(レッドレベル社製)により直径
0.8mmのジルコニアビーズと共に2時間分散処理を
施し、ジルコニアビーズを除去後、残りの構成成分を混
合し、0.45μmのメンブランフィルターで濾過して
インク組成物を得た。得られたインク組成物中での顔料
の体積平均粒子径は80nmであった。
リコール、トリエチレングリコール−n−ブチルエーテ
ル、メチルカルビトール、n−プロパノール、尿素、N
−メチル−2−ピロリドン、サーフィノール465を除
く前記成分を混合し、ペイントコンディショナー装置
(レッドレベル社製)により直径0.8mmのジルコニ
アビーズと共に2時間分散処理を施し、ジルコニアビー
ズを除去後、残りの構成成分を混合し、0.45μmの
メンブランフィルターで濾過してインク組成物を得た。
得られたインク組成物中での顔料の体積平均粒子径は7
8nmであった。
グリコール、トリエチレングリコール−n−ブチルエー
テル、n−プロパノール、尿素、2−ピロリドン、サー
フィノール465、ジョンクリル60を除く前記成分を
混合し、ペイントコンディショナー装置(レッドレベル
社製)により直径0.8mmのジルコニアビーズと共に
4時間分散処理を施し、ジルコニアビーズを除去後、残
りの構成成分を混合し、0.45μmのメンブランフィ
ルターで濾過してインク組成物を得た。得られたインク
組成物中での顔料の体積平均粒子径は123nmであっ
た。
グリコール、トリエチレングリコール−n−ブチルエー
テル、n−プロパノール、尿素、2−ピロリドン、サー
フィノール465、ジョンクリル60を除く前記成分を
混合し、ペイントコンディショナー装置(レッドレベル
社製)により直径0.8mmのジルコニアビーズと共に
4時間分散処理を施し、ジルコニアビーズを除去後、残
りの構成成分を混合し、0.45μmのメンブランフィ
ルターで濾過してインク組成物を得た。得られたインク
組成物中での顔料の体積平均粒子径は130nmであっ
た。
グリコール、トリエチレングリコール−n−ブチルエー
テル、n−プロパノール、尿素、2−ピロリドン、サー
フィノール465、ジョンクリル60を除く前記成分を
混合し、ペイントコンディショナー装置(レッドレベル
社製)により直径0.8mmのジルコニアビーズと共に
4時間分散処理を施し、ジルコニアビーズを除去後、残
りの構成成分を混合し、0.45μmのメンブランフィ
ルターで濾過してインク組成物を得た。得られたインク
組成物中での顔料の体積平均粒子径は105nmであっ
た。
物の特性を、それぞれ以下に示す方法で評価した。
ート紙(RW−P4A4)上にアプリケータ塗布したも
のを乾燥して、反射濃度測定用サンプルを得た。得られ
たサンプルについて、濃度計RD−918(マクベス社
製)を用いて、反射濃度を測定した。1.40以上の値
であれば、良好と評価した。
普通紙(SF−4AM3)上に塗布したものを乾燥し
て、裏写り評価用サンプルを得た。得られたサンプルの
裏面(インク組成物を塗布していない面)の反射濃度
を、濃度計RD−918(マクベス社製)を用いて測定
し、裏写りの程度を評価した。0.12以下の値であれ
ば、両面印刷が可能と評価した。
odensitometer)X−Rite938(日本平版機材株
式会社製)を用いて、L*a*b*表色系における色特性
(明度、色度)を評価した。色の鮮やかさ(彩度C*)
は、次式により求めた。
ソン株式会社製)を用いて、コピー用紙Xerox P
紙(登録商標、富士ゼロックス株式会社製)に格子状の
細線を印字し、印字の滲みを目視観察し、以下の基準で
滲み特性を評価した。 ○ :滲みが発生しなかったもの △ :滲みが発生したが、実用上許容できる範囲のもの × :ひげ状の滲みが発生したもの
瓶に入れ、60℃で1ヶ月の保存テストを実施した。1
ヶ月後に動的光散乱式粒度分布測定装置LB−500
(株式会社堀場製作所製)を用いて、顔料の粒子径を測
定した。得られた結果と予め測定しておいた保存テスト
前の粒子径とから変化率を求め、以下の基準により保存
安定性を評価した。 ◎ :変化率が5%以下のもの ○ :変化率が10%以下のもの △ :変化率が20%以下のもの × :変化率が20%を超えるもの
enon TestChamberに設置し、0.35
W/m2(λ=340nm)の光を300時間照射し
て、試験前後のΔEを測定した。10未満の値であれ
ば、良好と評価した。
ソン株式会社製)を用いて、10秒間インク連続吐出
および一定時間休止を繰り返す、インクの間欠吐出を
行い、吐出安定性を以下の基準により評価した。 ◎ :21〜30秒間休止してもインクを安定に吐出し
たもの ○ :11〜20秒間休止してもインクを安定に吐出し
たもの △ :10秒以下の休止時間でのみインクを安定に吐出
したもの × :インクを安定に吐出しなかったもの
ソン株式会社製)を用いて、コピー用紙Xerox P
紙(登録商標、富士ゼロックス株式会社製)にベタ印字
を行い、印字物を1時間自然乾燥した後、印字物を水に
浸漬し、濃度計RD−918(マクベス社製)を用い
て、印字物の濃度(OD値)を測定した。得られた結果
と予め測定しておいた浸漬前の濃度とから変化率を求
め、以下の基準により耐水性を評価した。 ◎ :浸漬前後でOD値の変化が0.1未満のもの ○ :浸漬前後でOD値の変化が0.1以上0.3未満
のもの △ :浸漬前後でOD値の変化が0.3以上0.5未満
のもの × :浸漬前後でOD値の変化が0.5以上のもの
ソン株式会社製)を用いて、OHPシート(セイコーエ
プソン株式会社製)に専用OHPシートを印字し、印字
物を指で擦り、印字の汚れの有無をを目視観察し、以下
の基準で定着性を評価した。 ◎ :印字の汚れが観察されないもの ○ :印字の汚れが若干発生するが、文字の判別が可能
なもの △ :印字の汚れが発生し、文字の判別が困難なもの × :OHPシート上に定着しなかったもの
社製)を用いて、各インク組成物の粘度(cp)を測定
した。以上の評価結果を表2〜7に示す。
施例では、高耐水性、高耐光性を有し、高い反射濃度と
色の鮮やかさが得られ、普通紙に対する滲みと裏写りが
少なく、定着性が良好で、かつ吐出安定性および保存安
定性にも優れたインク組成物が得られることがわかっ
た。
おいて、最大強度を示す回折線とそのn次(n:2以上
の整数)の回折線を主要ピークとして有する擬1次元結
晶性カラー有機顔料からなる着色剤、水溶性有機溶剤、
界面活性剤および水溶性樹脂を主成分として含むインク
組成物を用いることにより、普通紙記録に対して滲み、
裏写りがなく、耐水性・耐光性・耐擦過性に優れ、色濃
度の高い高品質(高精細、高彩度)記録が可能な顔料イ
ンク組成物およびそれを用いた両面同時印写の可能な記
録装置を提供することができる。
1〜3の擬1次元結晶性カラー有機顔料の分光反射スペ
クトルを示す図である。
折スペクトルである。
折スペクトルである。
折スペクトルである。
Claims (11)
- 【請求項1】 X線回折スペクトルにおいて、最大強度
を示す回折線とそのn次(n:2以上の整数)の回折線
を主要ピークとして有する擬1次元結晶性カラー有機顔
料からなる着色剤、水溶性有機溶剤、界面活性剤および
水溶性樹脂を含有することを特徴とするインク組成物。 - 【請求項2】 擬1次元結晶性カラー有機顔料が、結晶
性カラー有機顔料を化学的処理および/または物理的処
理により改質された顔料である請求項1に記載のインク
組成物。 - 【請求項3】 水溶性有機溶剤が、2−ピロリドン、N
−メチル−2−ピロリドンおよび1,3−ジメチル−イ
ミダゾリジノンのような含窒素複素環式ケトン類、エチ
レングリコール−n−ブチルエーテル、ジエチレングリ
コール−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコール
−n−ブチルエーテル、プロピレングリコール−n−ブ
チルエーテル、ジプロピレングリコール−n−ブチルエ
ーテルおよびメチルカルビトールのようなグリコールエ
ーテル類、プロピレングリコール、ジプロピレングリコ
ール、トリプロピレングリコールおよびテトラプロピレ
ングリコールのようなプロピレングリコール類から選択
される有機溶剤である請求項1または2に記載のインク
組成物。 - 【請求項4】 界面活性剤が、アセチレンジオール系界
面活性剤である請求項1〜3のいずれか1つに記載のイ
ンク組成物。 - 【請求項5】 水溶性樹脂が、スチレン−αメチルスチ
レン−アクリル酸からなる三元共重合体である請求項1
〜4のいずれか1つに記載のインク組成物。 - 【請求項6】 擬1次元結晶性カラー有機顔料が、C.I.
ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー12
8、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイ
エロー180およびC.I.ピグメントイエロー194から
選択された結晶性イエロー顔料を改質することにより得
られた擬1次元結晶性イエロー顔料である請求項1〜5
のいずれか1つに記載のインク組成物。 - 【請求項7】 擬1次元結晶性カラー有機顔料が、C.I.
ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド20
2、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッ
ド190、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメン
トレッド175、C.I.ピグメントレッド176およびC.
I.ピグメントレッド185から選択された結晶性マジェ
ンタ顔料を改質することにより得られた擬1次元結晶性
マジェンタ顔料である請求項1〜5のいずれか1つに記
載のインク組成物。 - 【請求項8】 擬1次元結晶性カラー有機顔料が、C.I.
ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:3
およびC.I.ピグメントブルー15:4から選択される結
晶性シアン顔料を改質することにより得られた擬1次元
結晶性シアン顔料である請求項1〜5のいずれか1つに
記載のインク組成物。 - 【請求項9】 擬1次元結晶性カラー有機顔料が、C.I.
ピグメントブルー60またはC.I.ピグメントブルー1
5:6の結晶性ブルー顔料を改質することにより得られ
た擬1次元結晶性ブルー顔料である請求項1〜5のいず
れか1つに記載のインク組成物。 - 【請求項10】 擬1次元結晶性カラー有機顔料が、C.
I.ピグメントグリーン7またはC.I.ピグメントグリーン
36の結晶性グリーン顔料を改質することにより得られ
た擬1次元結晶性グリーン顔料である請求項1〜5のい
ずれか1つに記載のインク組成物。 - 【請求項11】 擬1次元結晶性カラー有機顔料が、C.
I.ピグメントレッド238またはC.I.ピグメントレッド
221の結晶性レッド顔料を改質することにより得られ
た擬1次元結晶性レッド顔料である請求項1〜5のいず
れか1つに記載のインク組成物。
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