JP3729845B2 - 液晶素子 - Google Patents
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Description
この発明は、カプセル化液晶構造、それを含む素子およびそのための方法に関する。
発明の背景
液晶材料を含む電気光学的にアクティブな素子を備える液晶素子(LCD)は、よく知られている。
1つの型のLCDは、液晶が高分子などの封入媒体中にカプセル化また分散されたカプセル化液晶構造を用いる。十分高い電界に対応する電界がカプセル化液晶構造に加えられるとき(「電界オン」条件)、その中での液晶分子の向きは、電界に従って変わり、このため、入射光は透過される。逆に、そのような電界がないと(「電界オフ」条件)、液晶分子の向きはランダムであるか、および/または、液晶とマトリックスとの界面により影響される。このため、カプセル化液晶構造は、入射光を散乱し、および/または、吸収する。カプセル化液晶構造が、電界オフ条件から電界オン条件に変わる印加電圧は、一般に、作動(operating)電圧といわれる。
封入材料と液晶材料の選択は、しきい値電圧、スイッチング速度、ヒステリシスなどの点でLCDの性能に影響する。いくつかの効果は、バルクの効果であり、他のものは、封入材料と液晶組成物との界面での相互作用から生じる。
重要な性能パラメータは、表示が1つの視覚状態から他の視覚状態へ変化する上記の作動電圧である。より低い電圧は、より小さな電力条件を意味し、電池で動作する装置に対して表示を有利にする。他の重要な性能パラメータは、スイッチング速度とヒステリシスである。われわれは、カプセル化液晶構造を備える表示において、作動電圧、スイッチング速度、および/または、ヒステリシスを大きく減少させる添加剤や他の改良を見い出した。
発明の概要
1実施例において、この発明は、減少した作動電圧E90を備える液晶素子を提供する。この液晶素子は、第1電極、第2電極(第1電極と第2電極の少なくとも一方は透明である)、および、これらの電極の間のカプセル化液晶構造からなり、上記のカプセル化液晶構造は、(a)封入媒体、(b)この封入媒体の中に分散された液晶組成物、および、(c)液晶素子の作動電圧E90を少なくとも10%減少する添加剤手段からなる。液晶素子において、以下の複数の条件の中の少なくとも1つの条件が満足されている。
(i)液晶組成物は、実質的に染料を含まず、次の式を満足し、
ここに、CRは、液晶素子のコントラスト比であり、V90は、液晶素子の作動電圧であり、f/#は、f/(コントラスト比を決定するために用いた測定光学部品の数)であり、この光学素子は、400〜700nmの間の波長で作動し、f/#は、3.5と15の間の値を有する。
(ii)液晶素子の電圧保持比は少なくとも50%である。
(iii)カプセル化液晶構造は、さらに、液晶材料に溶解される多色染料を有し、その比
は、添加剤手段が存在しないことを除いては同一の比較装置に対するよりも少なくとも10%大きく、ここに、Tonは、十分な印加電圧の下で液晶素子の最大透過率であり、Toffは、印加電圧がないときの液晶素子の透過率であり、V90は、液晶素子の作動電圧である。
(iv)液晶素子は、添加剤手段が存在しないことを除いては同一の比較装置の澄明点より20℃を越えない澄明点を有する。
(v)
ここに、Eavg、EmaxおよびEminは、10〜55℃の温度範囲での作動電圧E90の、平均値、最大値および最小値である。
(vi)液晶組成物と封入材料との間の接触角は、添加剤手段が存在しないことを除いて同一の液晶組成物と封入材料との間の接触角より5℃より多い。
(vii)液晶素子のヒステリシスは、添加剤手段が存在しないことを除いて同一の比較液晶素子のヒステリシスより少なくとも20%小さい。
(viii)添加剤手段は、2%w/wより少ない量で用いたときに、水の表面張力を10dyn/cmより多く低下するのに十分な活性を有する非イオン表面活性剤である。
(ix)カプセル化液晶構造の膜の広角X線回析スペクトルが、2θが14°と30°の間の散乱が、添加剤手段が存在しないことを除いて同一のカプセル化液晶構造の膜の回析スペクトルより少なくとも20%小さい。
(x)添加剤手段は、体積メジアン空洞直径が減少するにつれ、作動電圧E90のより大きな減少を生じる。または、
(xi)添加剤手段は、ヒドロキシル、カルボニル、カルボキシルの酸、エステル、ニトロ化合物からなるグループから選択された極性官能性を有する化合物であり、さらに、少なくとも2個のメチル基を有する少なくとも1個のC5〜C15の枝分かれアルキル基を有する。
第2実施例において、この発明は、第1電極、第2電極(第1電極と第2電極の少なくとも一方は透明である)、および、これらの電極の間のカプセル化液晶構造からなる液晶素子を提供し、上記のカプセル化液晶構造は、(a)封入媒体、および、(b)この封入媒体の中に分散された液晶組成物からなり、上記のカプセル化液晶構造は、5℃または液晶素子が作動している温度のいずれか大きい方より低いホメオトロピック転移温度を有する。
第3実施例において、この発明は、第1電極、第2電極(第1電極と第2電極の少なくとも一方は透明である)、および、これらの電極の間のカプセル化液晶構造からなり、作動電圧E90を減少した液晶素子を提供し、上記のカプセル化液晶構造は、(a)封入媒体、(b)この封入媒体の中に分散された液晶組成物、および、(c)液晶素子の作動電圧E90を少なくとも10%減少する添加剤手段からなり、
この添加剤手段は、以下の化合物からなるグループから選択される。
(i)下記の構造のジオール、
または、そのジエーテル(ここに、各R1は、同一でも異なっていてもよいが、ハロゲン、またはC1〜C18のアルキル基またはフルオロアルキル基であり、R2は、下記のものからなるグループから選択される2価の成分(moiety)である)
(ii)下記の構造のフェノール化合物、
(ここに、各R3は、同一でも異なっていてもよいが、水酸基またはC1〜C18のアルキル基またはフルオロアルキル基である)、
(iii)下記の構造の置換されたベンジルアルコール
(ここに、各R1は、同一でも異なっていてもよいが、前に定義されており、R4は、C1〜C18のアルキル基、ヒドロキシアルキル基またはフルオロアルキル基である)、
(iv)下記の構造のシアヌル酸塩化合物
(ここに、各R1は、同一でも異なっていてもよいが、前に定義されている)
(v)C5〜C20の炭水化物またはフッ素化アルコール、
(vi)下記の構造のジケトン
(ここに、R4は、前に定義されている)、および
(vii)C5〜C20のカルボン酸。
第4実施例において、この発明は、封入媒体中に分散された液晶組成物からなるカプセル化液晶構造の膜の製造法を提供する。この方法では、
(a)液晶組成物に反応性添加剤手段を添加し、
(b)反応性添加剤手段を含み封入媒体中に分散された液晶組成物のエマルジョンを形成し、
(c)支持シート上にこのエマルジョンを被覆し、乾燥して、支持シートにより支持されるカプセル化液晶構造の膜を形成し、
(d)反応性添加剤手段の反応を開始して、液晶組成物と接触する封入媒体の表面上に反応された添加剤手段を堆積する。
【図面の簡単な説明】
図1と図2は、カプセル化液晶LCDの作動を示す。
図3は、透過率−印加電界のカーブの図である。
図4a〜4bは、オン状態とオフ状態との間のコントラストが前方光散乱に主に寄与している装置の性能を見積もるための構成を示す。図5は、オン状態とオフ状態との間のコントラストが多色染料による吸収に主に寄与可能な装置の性能を見積もるための構成を示す。
図6と図7は、それぞれ、異なった装置についての、接触角と表面張力に対する作動電圧の図である。
図8は、作動電界でのホメオトロピック添加剤の効果を示す。
図9a〜9bは、この発明のカプセル化液晶構造からなる膜の広角X線回析スペクトルに関するものである。
図10は、本発明のある表示についての電圧対透過率の図である。
好ましい実施例の説明
本発明の詳細な説明は、本発明の個々の部分または観点に主にまたは専ら関する部分を含む。理解されるように、これは明快さと便宜のためであり、ある特徴は、それが開示されている部分だけでなく他の部分にも関連していることがあり、ここでの開示は、異なった部分に見い出される情報のすべての適当な組合せを含む。同様に、その種々の図と説明は、発明の特定の実施例に関するものであるけれども、理解されるように、特定の特徴がある1つの図の文脈で開示されるが、そのような特徴は、適当な程度で、他の図の文脈で、多の特徴と組み合わせて、または、一般に本発明において、使用できる。
カプセル化液晶構造において、液晶組成物の離散した複数の体積部分が、封入媒体または封入マトリックスの中に、カプセル化され、分散され、埋め込まれ、そうでなければ、含まれる。これらの体積部分は、必ずしも、球状または実質的に球状に限られない。不規則な形状であっても、相互に結合されていてもよい。体積部分の間の相互結合の量は、液晶が連続的な相を形成するように見える程度であってよい。「液晶組成物」とは、その組成物が単独の離散した液晶化合物、異なった液晶化合物の混合物、液晶化合物と非液晶化合物の混合物であるにせよ、液晶の性質を備える組成物をいう。好ましくは、液晶組成物は、ネマティックであるか、または、ネマティックとして機能する。さらに好ましくは、液晶組成物は、また、正の誘電異方性を有する。
個々の液晶分子は、典型的には、細長い形状を有し、長い分子軸を相互に平行にするように配向する傾向がある。この配向は、液晶組成物を異方的にさせるが、これは、測定される物理的性質、光学的性質などが測定方向(測定方向に平行か垂直か)に依存することを意味する。配向方向は、電界、磁界などの外部刺激により影響される。刺激がないときに1つの方向でのある物理的性質を示していた液晶組成物は、刺激が加えられると、急速に異なった値にスイッチされる。液晶組成物が表示のための材料として有用なのは、この異方性のためであり、その早い再配向のためである。
異方的性質である誘電定数(ε)は、2つの主な値、長い分子軸に対して垂直な場合の値
と平行な場合の値
を有する。平均誘電定数(εavg)は、計算でき、加重平均により便宜的に求められる(たとえば、Weber et al., Liq. Crystals Vol.5, No.5, 1381〜1388(1989)参照)。すなわち、
好ましくは、液晶組成物は、5より大きいεavg(1kHz、25℃で)を有する。特に好ましくは、εavgは、約5と約10の間であり、最も好ましいのは、約6と約10の間である。誘電定数と誘電異方性は、フィンケンツェラー(Finkenzeller)らの方法("Physical Properties of Liquid crystals:III.Dielectric Permittivities",The Merck group Liquid Crystal Newsletters,No.4(1989年3月))により測定できる。
本発明の他の観点では、液晶組成物は、好ましくは、小さな、すなわち、1.8meq/gのシアノ基より小さな(さらに好ましくは、0.5meq/gより小さな)シアノ成分を有する。特に好ましくは、液晶組成物は、実質的にシアノ基を含まず、または、本質的に、シアノ基を含まない化合物からなる。この発明の実施のために好ましい液晶組成物は、カマス(Kamath)らの米国特許出願第07/806,573号(1991年12月12日出願)に記載されており、この引用により本明細書に組み込まれる。
共通するが、液晶組成物は、一般に、単独のばらばらの化合物からなるのではなく、異なった液晶化合物の混合物である。好ましくは、液晶組成物は、フッ素化液晶組成物および/または塩素化液晶組成物からなり、全体の組成物は、2.0meq/gより大きな、好ましくは2.0〜10.0meq/gの間の、フッ素および/または塩素の成分を有する。特に好ましくは、上記のハロゲンはフッ素である。
好ましくは、液晶組成物は、複屈折ともいわれる大きな光学的異方性Δn(正常屈折率と異常屈折率の差)を有する。大きなΔnは、電界オフ状態で散乱を多くし、表示のコントラストをさらに高くする。液晶組成物の通常屈折率は一般に実質的に封入媒体の屈折率に合わせられるので、より大きなΔnは、また、液晶材料の封入媒体の屈折率と液晶材料の異常屈折率との間のより大きな差を意味する。この後の差は、電界がないときの散乱に影響し、より大きな散乱は、より大きな差と関連する。好ましくは、Δnは、0.15より大きく。さらに好ましくは0.20と0.30との間である。光学的異方性は、フィンケンツェラー(Finkenzeller)らの方法("Physical Properties of Liquid crystals: IV.Optical Anisotropy",The Merck group Liquid Crystal Newsletters,No.5(1989年10月))により測定できる。
封入媒体は、好ましくは、高分子材料である。適当な封入媒体は、以下の化合物を含むが、それらに限定されない。ポリ(ビニルアルコール)("PVA")、およびそのコポリマ、ゼラチン、ポリウレタン、ラテックス、ポリ(酸化エチレン)、ポリ(ビニルピロリドン)、セルロースポリマ、天然ゴム、アクリルポリマとメタアクリルポリマおよびそのコポリマ、エポキシ、ポリオレフィン、ビニルポリマなど。PVAは、好ましい封入材料である。
この発明のカプセル化液晶構造は、分散媒の存在下で、封入材料と液晶組成物の両方を含むエマルジョンからの堆積により形成される。エマルジョンは、プロペラブレードミキサ、コロイドミキサなどの装置により作成できる。添加手段は、封入媒体と液晶組成物の一方または双方に、エマルジョン作成の前でも後でも、添加できる。好ましいエマルジョン技術は、以下の特許に記載され、この引用により本明細書に組み込まれる。Fergasonの米国特許第4,435,047号(1984年)、同第4,606,611号(1986年)、同第4,616,903号(1986年)および同第4,707,080号(1987年)、Pearlmanらの米国特許第4,992,201号(1991年)、および、Wartenbergらの米国特許出願第07/834,438号(1992年2月12日出願)。
この発明のカプセル化液晶構造は、また、相分離技術により作成できる。1実施例では、溶媒は、封入媒体と液晶組成物とをともに含む均一な溶液から蒸発される。他の実施例では、封入媒体と液晶組成物とをともに含む初めは均一な混合物が加熱されて温度が上げられ、次に、冷却されて、封入媒体中に含まれる液晶部(複数)を相分離する。さらに、その場での(in-situ)高分子化法により形成できる。この方法では、封入媒体の前駆体(すなわち、高分子化可能なモノマー)が高分子化され、同時に、液晶組成物が相分離されるにつれ液晶組成物をカプセル化する。液晶組成物は、高分子により全体に囲まれる必要はなく、連続的な相を有する系の1部として存在できる。好ましい相分離技術は、以下の特許に記載され、この引用により本明細書に組み込まれる。Wuらの米国特許第4,671,618号(1987年)、Westらの米国特許第4,673,255号(1987年)および同第4,685,771号(1987年)、Doaneらの米国特許第4,688,900号(1987年)および大日本インキの欧州特許第0,313,053号(1989年)。
典型的には、カプセル化液晶構造は、電界がないとき(「電界オフ」状態で)実質的に不透明であり、充分な電界の下で(「電界オン」状態で)実質的に透明になる。電界は、液晶組成物中の液晶分子の配向の変化を起こし、カプセル化液晶構造を、大いに光を散乱(および/または吸収)する状態から大いに非散乱(および/または非吸収)の状態にスイッチさせる。一般に、好ましくは、液晶組成物は、正の誘電異方性を有し、液晶組成物の正常屈折率は、封入媒体の屈折率に合わせられる。一方、異常屈折率は、実質的に封入媒体の屈折率とはずされる。隣接する液晶小滴における異なった液晶配向により、さらに散乱が生じる。もしこれが主要な散乱モードであるならば、屈折率の整合の要求は緩められる。さらに、カプセル化液晶構造の動作の原理は、上述の文献、特にFergasonの特許に説明されている。もしカプセル化液晶構造の充分な電界が加えられた部分(複数)において、不透明状態から透明状態への転移が起こり、一方、電界が加えられない隣接領域(複数)は不透明のままである。
カプセル化液晶構造の動作原理は、図1と図2(同じ参照数字は同じものを指す)に示される。カプセル化液晶構造8は、封入媒体10を有し、封入媒体10は、その中に液晶組成物11の複数部分を分散していて、たとえばインジウムすず酸化物("ITO")または薄膜被覆からなる上電極12と下電極13の間に位置される。上電極12と下電極13は、(カプセル化液晶構造8とともに)それぞれ上下の支持シート(図示しない)により支持できる。支持シートは、ガラス、ポリマ(好ましくはポリ(エチレンテレフタレート)("PET"))などの透明材料からなる。電圧源14は、電極12、13に結合されるが、スイッチ15は、開位置にあり(図1)、電圧は、カプセル化液晶材料8に加えられない。入射光(光線A)は、後方(光線a'、a)と前方(光線b'、b)に散乱される。スイッチ15が閉じられると(図2)、電圧がカプセル化液晶材料8に加えられ、加えられた電圧の電界により液晶組成物中の分子をその長い分子軸方向に配向させる。封入材料10の屈折率と液晶組成物11の屈折率との整合のため、入射光(光線A)は、散乱されず、カプセル化液晶構造8を通って透過される。
多色性染料は、液晶と混合され、液晶との溶液を作る。多色性染料分子は、一般に、液晶分子とともに配向する。このため、電界を加えることは、液晶の支配的な配向だけでなく、多色性染料の支配的な配向にも影響する。多色性染料による入射光の吸収の程度は、入射光に対するその配向に依存する。液晶と多色性染料との組み合わせに対して外部刺激を加えると、吸収による光の制御された減衰のためのメカニズムを与える。(こうして、ここに用いられるように、「液晶組成物」という用語は、文脈においては、そこに溶解される多色性染料を含む液晶組成物も意味する。)多色性染料は、カプセル化液晶構造において、色付き表示を形成するために使用できる。色付きの像を表示できる表示は、対応する色のカプセル化液晶構造からなる赤、青および緑のピクセルを並べて堆積することにより形成できる。
われわれが見いだしたことは、カプセル化液晶構造を有するLCDの性能は、封入媒体に添加剤を組み込むことにより改善できることである。
1実施例では、添加剤は、(i)エチレン酸化物のポリマとオリゴマ、(ii)エチレン酸化物のコポリマ、および、(iii)プロピレン酸化物ポリマからなるグループから選択される。そのような添加剤は、上に引用されたPearlmanの米国特許第4,992,201号に示されるように、ラテックス封入媒体と組み合わせて用いられると作動電界を低下しない。一方、われわれが予想外に見いだしたように、添加剤は、PVAのような非ラテックス封入媒体と組み合わせて用いられると、作動電界を減少する。しかし、電圧保持比(後で定義される)を、望ましくなく、低下することがある。
オリゴマに対するものとしてエチレン酸化物ポリマを構成するものについて、しっかりした早いきまりはないが、一般に、われわれは、10個以上の連続的なエチレン酸化物のブロックを有する組成を、高分子であると考え、そのような繰り返し単位が10個より少ないものをオリゴマであると考える。適当なエチレン酸化物のポリマとオリゴマの例は、下記のものを含む。ポリ(エチレングリコール)(CarbowaxTMポリエチレングリコール400および8000(HO(CH2CH2O)nH(nはそれぞれ約10と約200))として、ユニオンカーバイド社から市販されている)、アルキルフェニルを末端基とするエチレン酸化物ポリマ(IgepalTMCA630およびCO-430)として、(GAF社から)市販されている)、および、トリ(エチレングリコール)、テトラ(エチレングリコール)およびエトキシ化アルコール(TergitolTM15-SおよびTMN-3(ユニオンカーバイド社から)、SurfynolTM420および485(エアプロダクツ社から)として市販されている)。
適当なエチレン酸化物コポリマの例は、下記のものを含む。エチレン酸化物-プロピレン酸化物ブロックコポリマ(TetronicTM702および704ならびにPluronicTM10R5、P103、L62、L44、L122、L121および31R1(すべてBASF社から)、および、Voranol 5287、2103、3137(ダウケミカル社から)として市販されている)、シリコン-ポリ(エチレン酸化物)グラフトコポリマ(SilwetTML7614、L7607、L77(ユニオンカーバイド社から)として市販されている)、および、テトラフルオロエチレン-エチレン酸化物コポリマ(ZonylTMFSN(デュポン社から)として市販されている)。
適当なプロピレン酸化物コポリマは、ポリ(プロピレングリコール)(NiaxTMポリオールPPG425として(ユニオンカーバイド社から)市販されている)である。
典型的なジオールは、下記の化合物を含む。
および
ジオールIa、Ib、Icは、それぞれ、SurfynolTM104、82および124(エアプロダクツ社から)として、そのまままたは分散媒と組み合わせて、市販されている。適当なジオール(I)のジエステルの中で、ジアセテートエステルが好ましい。
典型的なフェノール化合物(II)は下記の化合物を含む。
および
典型的なベンジルアルコール(III)は、下記の化合物を含む。
および
典型的なシアヌレート化合物(IV)は、下記の化合物を含む。
および
典型的なアルコール(V)は、下記の化合物を含む。
CF3(CF2)6CH2OH、
N−オクタノール、
(nは、1と12の間の整数)
および
典型的な好ましいジケトン(VI)は、下記の化合物である。
他の実施例では、添加剤は、モノラウリン酸ゾルビタンおよびトリオレイン酸ゾルビタン(ICIアメリカ社からSpanTM80およびSpanTM85として市販されている)などの、トリポリオールの長鎖アルキルエステル、モノオレイン酸グリセロール、ジイソステアリン酸トリグリセロールである。
また、添加剤は、メタアクリルオキシプロピルトリメトキシシランやN−フェニルアミノプロピルトリメトキシシランなどのシラン結合剤であってもよい。
典型的なカルボン酸(VII)は、n-ヘプタン酸、t-ブチル酢酸、2-プロピルペンタン酸、および、
を含む。
好ましい実施例では、この発明の添加剤は、ヒドロキシル、カルボニル、カルボキシルの酸、エステル、ニトロ化合物からなるグループから選択された極性官能性を有する化合物であり、さらに、少なくとも2個のメチル基を有する少なくとも1個のC5〜C15の枝分かれアルキル基を有する。
一般に、添加剤は、封入媒体と液晶組成物の重量で100あたり、0.1〜20pph(100分率)の、好ましくは0.2〜10pphの比較的少量で使用できる。異なった添加剤の混合物も使用できる。
電界オフ条件から電界オン条件への切り替えに必要な電圧は、膜厚、封入媒体の中の液晶部分の大きさの分布、液晶組成物(誘電定数、誘電異方性、弾性定数など)などを含むがそれに限定されない多くのパラメータに依存する。多くの応用のため、望ましくは、20ボルトより小さく、好ましくは10ボルトより小さく、さらに好ましくは5ボルトより小さいスイッチング電圧で、よいコントラストと明るさを構造に生じさせることができる。本発明は、光のコントラストまたは明るさをほとんどまったく生じさせずに、比較できる従来の表示の作動電圧の1/2より小さい作動電圧で動作するカプセル化液晶表示の製造を可能にする。作動電圧の特定のパーセントの減少により、われわれが意味するのは、添加剤手段が存在しないことを除いては同一の表示に比較して、表示の作動電圧が、その特定パーセントだけ減少することである。
カプセル化液晶構造からなる膜は、光学的応答においてヒステリシスを示すことがある。ある電圧での膜の光学的応答は、より高いまたはより低い電圧から膜がその電圧へ到達したか否かに依存する。多くの表示は、与えられた電気信号(電圧)が所望の光への応答に対応するように設計される。ヒステリシスは、その所望の光への応答に実際に到達する表示素子の性能を劣化する。このことは、高分解能でのグレイレベルの数を低下する効果を生じる。膜のヒステリシスを測定する1つの方法は、試料に加えられる電圧を増加して次ぎに減少し、光学的応答のカーブを比較することである。増加カーブと減少カーブとの間の差が大きいほど、ヒステリシスは大きくなる。膜に対するヒステリシス値は、試験に用いられた回数と電圧に強く依存する。多くの応用に対して、できるだけ小さい(20%の差より小さい、好ましくは6%より小さい)ヒステリシスを有することが希望される。従来のカプセル化液晶表示は、非常に大きなヒステリシス、ときには100%より大きなヒステリシスを示すことがあった。本発明は、著しくヒステリシスを減少したカプセル化液晶表示を製造することを可能にする。
スイッチング速度は、カプセル化液晶構造の膜が電圧を印加または除去して動作しまたは動作を停止する時間の尺度である。スイッチング速度を測定する1つの方法は、電圧を印加または除去するときの膜の光学的応答をモニタすることである。電圧を印加したときに膜が最終的な応答の90%に達する時間は、通常、「オン時間」といわれ、一方、電圧を除去したときに膜がその応答の10%に達する時間は、通常、「オフ時間」といわれる。測定されたスイッチング速度は、印加電圧に依存する。動くグラフィックスを表わす表示にとって、40msecより小さいオン時間とオフ時間を有することが望ましい。もしスイッチング速度がずっと遅ければ、動くイメージの結果をぼんやりさせる。「フレーム・シーケンス」表示にとって、より速い(すなわち5msecより小さい)スイッチング速度は、よい色純度を得るために望ましい。
われわれは理論により縛られることを望まないが、液晶組成物と封入媒体との界面を改良することにより添加剤が性能を改善することは、われわれの信念である。印加電圧がないとき、封入媒体とのインターフェースでの液晶組成物の向きは、界面の性質により強く影響される。界面の化学的組成の変化は、液晶組成物の表面配向(anchoring)強度に影響する。表面配向強度は、表面で液晶分子の好ましい向きから液晶分子の配向ベクトル(director)を曲げるために必要な力の大きさの尺度である。表面配向強度を変えることは、電界中での分子の回転だけでなく、欠陥(向きのずれ)を除くために要するエネルギー、好ましい傾斜角度、さらに、小滴または(放射状、双極状などの)部分の中の液晶分子の好ましい向きにさえ、影響することがある。われわれの信念では、添加剤は、液晶組成物と封入媒体との界面の化学的性質と物理的性質を変えることにより作用する。
液晶の表面配向強度は通常の液晶素子の中で測定できるが、カプセル化液晶構造の中の液晶の表面配向強度の測定のための定量的実験手順はいままで記載されていない。さらに、カプセル化構造における電圧減少がどのように液晶材料を含む空洞の平均体積に依存するかを測定することにより、表面配向強度に対する本発明の添加剤の効力を定性的に試験できる。空洞の表面積の体積に対する比は、空洞が小さくなるにつれ増加する。すなわち、表面と体積との比(S/V)は、より小さい空洞に対して、より大きい空洞に対するものより、大きくなる。表面配向エネルギーの相対的重要性は、空洞の相対的表面積に依存するので、より大きな空洞を有するカプセル化液晶構造に比べて、より小さな空洞を有するカプセル化液晶構造の体積を小さくすることにおいて、添加剤がより効果的になる、と期待できる。この議論は、通常の液晶セルにおける固定エネルギーの一般的な測定法と類似している(G.A.DiLisiらの論文、「高分子被覆界面でのモノマーとその2量体の表面配向強度係数」、Liquid Crystals,(1992),11,63〜71ページ、参照)。この方法において、表面配向強度は、大きなセル間隙に比べて、小さなセル間隙をもつ素子において液晶を配向するために要求される電圧の差を決定することにより、測定される。固定エネルギーが無限でなければ、小さなセル間隙の素子は、常に、大きなセル間隙の素子より低い作動電圧を有ずる。
好ましいLCDは、アクティブマトリックス型であり、ここで、各ピクセル(すなわち画素)は、薄膜トランジスタ(「TFT」)、バリスタ、ダイオード、金属-絶縁体-金属素子(「MIM」)などのアクティブスイッチング素子により、(1つの視覚状態から他の視覚状態へ)駆動される。スイッチング素子は、アクティブにアドレスされていないときでも、クロストークを除去し、対応するピクセルに初めに印加される電圧を維持することを助ける。このため、そのピクセルは、他のピクセルがアドレスされているときも、「オン」に留まる。ピクセルが初めに印加された電圧をより長く維持できるほど、次にアドレスされるまで、より長い時間「オン」状態に留まる。もしマトリックスが十分小さい大きさの十分多数のスイッチング素子を含むならば、高分解能の表示が可能になる。アクティブナトリックス表示は、テレビ、コンピュータ、機器のスクリーンのために重要である。液晶構造を用いるアクティブマトリックス表示は、Beckerらの米国特許第5,124,822(1992年)およびKamathらの米国特許出願第07/806,573号(1991年12月12日出願)に開示され、この引用により本明細書に組み込まれる。
本発明の実施は、さらに、以下の例を参照して理解できる。これらの例は、説明のために与えられ、本発明を限定するものでない。
以下の一般的な手順がこれらの例において用いられた。光測定は、f/3.5集光光学部品と550±40nmの平行光光源を用いてなされた。(染料を含む試料は、f/0光学部品を用いて測定された。)カプセル化液晶構造のTonと作動電界E90を測定するために、試料は、比較的高電界(典型的には8〜10V/μm)へ、段階的に電界を上下された(上昇(up)は25段階、下降(down)は25段階、各段階あたり0.7秒)。各試験において、透過率の最大値は、Tonとして定義され、Toffは、印加電界がないときの、パーセントの透過率である。T90の値は、次の方程式により与えられる。
T90=0.9(Ton−Toff)+Toff
上昇カーブにおいてT90に達するのに必要な印加電界は、E90である(上昇カーブは、電圧を増加して得られた%T/Vカーブである)。好ましくは、この発明のカプセル化液晶構造(および対応する表示)の作動電界E90は、電界を低下する添加剤手段が存在しない制御構造または制御表示の作動電界E90より、少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、もっとも好ましくは少なくとも50%、小さい。ヒステリシスは、試料にかける電圧を、典型的には膜に電界E90を印加する最大電圧まで、25段階で上昇し、25段階で低下する試験(段階あたり0.7秒、)で測定された。例で引用されるヒステリシス値は、E50(avg)でのΔT/Tavgである。E50(avg)は、E50(up)とE50(down)の線形平均である。E50(up)とE50(down)は、それぞれ、上昇カーブと下降カーブでT50に到達するのに要する電界である。T50は、次の方程式により定義される。
T50=0.5(Ton−Toff)+Toff
ΔTは、上昇カーブと下降カーブとの間の透過率の差(E50(avg)でのT(E50(avg),down)−T(E50(avg),up))であり、Tavgは、次の式で与えられる。
これらの定義は、図3の図式的表現を参照するとさらに理解できる。留意するべきことは、E90は、ボルト/μmの単位を有する電界値であり、試料の厚さに実質的に依存しないが、対応する作動電圧V90は、厚さい依存し、ボルトの単位を有する。V90は、E90にカプセル化液晶構造の厚さt(μm単位)を掛けることにより得られる。
V90=t・E90
スイッチング速度は、E90で、1秒、400Hzの矩形波を試料に与えることにより得られた。試料がT10からT90にいく時間は、立上がり時間である。試料がT90からT10に下がる時間は、立下がり時間である。
カプセル化液晶構造の電圧保持比は、次のように測定される。カプセル化液晶構造の試料は、2つの電極の間に設置され、一連の交互の極性の電圧パルスが加えられた。パルスは、30〜300μsecの長さであり、15msecごとに加えられた。15msecの保持時間の間に、試料は、開いた回路に保持され、試料に加えた電圧の減衰がモニターされた。電圧保持比(VHR)は、15msecの保持時間の最後に残っている電圧の、初めに加えた電圧に対するパーセントとして定義される。測定は、「定常状態」で得られ、多くの試料は20パルスの前に定常状態に到達する。より大きなVHRの値が望ましい。試験は、その最大透過率の90%に達する電界以上で、すなわち、E90以上で、通常は行う。この発明の表示では、VHRは、好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも80%、もっとも好ましくは少なくとも90%以上である。
好ましい実施例では、この発明の添加剤を含むカプセル化液晶構造を用いた表示は、カプセル化液晶構造が添加剤を含まないことを除いては同一の比較のための表示に比べて、少なくとも10%、好ましくは少なくとも50%速い、立上がり時間、および/また、立下がり時間を有する。
他の好ましい実施例では、この発明の添加剤を含むカプセル化液晶構造を用いた表示は、カプセル化液晶構造が添加剤を含まないことを除いては同一の比較のための表示に比べて、少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%のヒステリシスの低下を示す。
例1
エチレン酸化物-プロピレン酸化物ブロックコポリマ(ユニオンカーバイト社からのPluronicTM、0.012g)が秤量され、30mLのポリエチレンビーカーの中に入れられた。PVA(エアプロダクツ社からのAirvolTM、88%加水分解され、11%水溶液、3.700g)が追加され、この2成分が撹袢により混合された。次に、液晶(英国メルク社からのE49、2.000g)が追加され、この3成分がエマルションにされた。得られたエマルションは、42重量%の全固体(液晶+PVA)を有し、液晶のPVAに対する比は87:13である。体積メジアン小滴直径は、Coulterカウンタにより、約2.7μm部分パーセントメジアンであると決定された。このエマルションは、ITOで被覆されたPET基板上に塗布され、1時間以上放置して乾燥された。次に、第2のPET/ITO基板が、乾燥された膜の上に重ねられた。制御膜は、ブロックコポリマを用いないことを除いて同様に作成された。ブロックコポリマを含む試料は、飽和の90%まで立ち上げるのに、3.0V/μmを要した。制御試料は、同じレベルに達するまで、5.25V/μmを要した。ブロックコポリマを有する膜のヒステリシスは、±22%であり、制御膜のヒステリシスは、±77%であった。
上述の手順は、追加の添加剤を用いて繰り返された。添加剤が固体であるときは、10重量%水溶液が、脱イオン水の中に作成された。添加剤が、低い親水性と疎水性のバランス(HLB)を有するならば、その添加剤はまず液晶と混合され、その後で、封入媒体が混合される。添加剤を含む膜の各々に比較するのに適当な小滴の大きさと厚さを有する制御膜(添加剤なし)が作成された。結果は、表Iにまとめられ、表Iは、本発明による添加剤を含む試料の、より小さな作動電界および/またはヒステリシスを示す。
例2
この例では、添加剤は、エマルションの生成の前に添加される。PVA(エアプロダクツ社からのAirvolTM205、11%水溶液、5.400g)が秤量され、30mLののポリエチレンビーカーの中に入れられ、次に、液晶(E49、2.900g)が続いた。両者は、例1におけるように、エマルションにされた。小滴の大きさは、約2.4μm体積パーセントメジアンであった。エマルションは、複数の部分に分割され、添加剤は、エマルションの各部分に混合された。これらのエマルションは、それぞれ、ITO被覆PET基板に塗布され、1時間以上放置して乾燥された。次に、第2のPET/ITO基板が乾燥膜の上に重ねられた。制御試料は、添加剤なしであるが、同様に作成された。表IIは、得られた結果をまとめたものである。
例3
水溶性PVA(AirvolTM205)における液晶組成物(1)のエマルションが作成された。液晶組成物(1)は、以下の液晶を含む混合物である。
ここに、R1は、C3H7またはC5H11であり、R2は、C2H5、C3H7またはC5H11であり、R3は、C2H5、C3H7またはC5H11であり、R4は、C2H5、C3H7、C4H9またはC5H11である。
エマルションは、2.5μmの体積メジアン小滴直径、83:17の液晶対PVAの比、60%の水成分を有する。このエマルションは、2つの部分に分割された。1つの部分には、SurfynolTM104のエタノールの25%溶液が添加された(SurfynolTM104の量は、液晶+PVAを100としたとき、重量で、4.3pphである)。添加剤を含む部分と、未処理の部分とは、ITO被覆PET上に塗布され、約10μmの乾燥厚さを有する。もう1つのITO/PETシートが上に重ねられて、最終素子が作成された。これらの膜は、乳白色であり(光散乱)、電界の印加により透明になる。SurfynolTMを含む試料は、0.8V/μmの作動電界E90を有し、制御試料(SurfynolTMなし)は、3.3V/μmの作動電界E90を有する。添加剤含有試料の電圧保持性能は、87%であり、制御試料の電圧保持性能は、89%であった(100Vで試験した)。添加剤を含む膜のヒステリシスは、制御試料のヒステリシスの20%より小さい。添加剤は、異常な透明効果を示した。すなわち、0℃になったとき、電界を加えなくても透明になり、室温にまで温められると、ふたたび、散乱を生じた。
添加剤を含むエマルションは、PVAに基づいて0.5重量%の液晶のレベルを得るために、SurfynolTM104で飽和した20%の水溶性PVAで希釈された。希釈されたエマルションは、約6μmの乾燥厚さまで被覆され、1500Xで交差した偏光子を用いて顕微鏡で観察された。同様な制御試料(添加剤なし)の中の小滴は、周知の「面内双極」方位を有する。添加剤含有試料の中の小滴は、明らかな欠陥構造を含まない点で非常に異なって見えた。
液晶(1)とPVAから同様に作成された(ただし、2pph(エマルションを100としたとき重量で)のレベルでSurfynolm 104Hを含む)エマルションは、作成時に33.6dyne/cmであり、15時間後に34.2dyne/cmであった。比較のため、制御試料(Surfynol 104Hなし)は、49.8dyne/cmの表面張力を有した。
例4
PVA(AirvolTM205、10%水溶性、7.400g)は、液晶(2)とともに、秤量され、50mLのビーカーの中に入れられ、例1におけるようにエマルションにされた。液晶(2)は、液晶化合物(A)、(D)(R3=C2H5、C3H7またはC5H11)、(E)(R4=C3H7、C4H9またはC5H11)、および、さらに下記の構造の液晶化合物をふくむ混合物である。
ここに、R5はC5H11またはC7H15である。
小滴の大きさは、2.3μmの体積パーセントメジアンであった。固体の量は、39.5重量%であり、液晶とPVAとの比は83:13であった。このマスターバッチは、2つの部分に分けられる。エマルションの1つの部分には、エチレン酸化物−プロピレン酸化物のブロックコポリマ(Pluronic L44)が、エマルションの重量で2%添加された。制御試料は、添加剤を含まなかった。膜は、例1に説明されたように、これらのエマルションから作成された。添加剤を含む試料のE90は、1.73V/μmであり、制御試料のE90は、3.8V/μmであった。添加剤を含む試料のヒステリシスは、27%であり、制御試料のヒステリシスは、43%であった。添加剤を含む試料の立上がり時間と立下がり時間は、それぞれ、14msecと6msecであり、制御試料の立上り時間と立下り時間は、それぞれ、21msecと41msecであった。
例5
水溶性PVA(AirvolTM205)の中の液晶(1)のエマルションは、2.1μmのメジアン小滴直径、83:17の液晶対PVAの比、および、60%の水成分で、作成された。このエマルションは、3つの部分に分けられた。第1部分には、2,5-ジメチル-3-ヘキシン-2,5-ジオールの50%エタノール溶液(液晶+PVAの重量で100の部分あたり4.3pph)が添加された。第2部分には、CF3(CF2)6CH2OHの50%エタノール溶液(4.1pph)が添加された。第3部分は、添加剤を加えず、制御試料として使用された。各部分は、ITO被覆PET上に塗布され、約6〜10μmの乾燥厚さを有した。もう1つのITO/PETシートが上に重ねられて、それぞれ、第1、第2おおび第3(制御)の素子が作成された。第1素子は、14msec(立上がり時間)と11msec(立下がり時間)のスイッチング速度をもった。第2素子は、20msec(立ち上がり時間)と11msec(立下がり時間)のスイッチング速度をもった。第3素子は、42msec(立上がり時間)と21msec(立下がり時間)のスイッチング速度をもった。
例6
水溶性PVA(AirvolTM205)のなかの液晶のエマルションは、2.5μmの体積メジアン小滴直径、83:17の液晶対PVAの比、および、60%の水成分で、作成された。このエマルションは、複数の部分に分けられた。1つの部分には、1-オクタノールの25%エタノール溶液(1-オクタノールの量は、液晶+PVAの重量で100の部分あたり4.1pph)が添加された。添加剤を含む部分と、添加剤を加えない部分(制御試料)は、ITO被覆PET上に塗布され、約10μmの乾燥厚さを有した。もう1つのITO/PETシートが上に重ねられて、最終素子が作成された。これらの膜は、不透明であり(散乱)、電界の印加により透明になった。試験膜と制御膜は、それぞれ、1.8V/μmと3.3V/μmの作動電界E90を有した。試験膜と制御膜の電圧保持性能は、ともに90%(100Vで試験され、15msecの最後で保持される電圧のパーセント)であった。試験膜のヒステリシスは、制御膜のヒステリシスの70%より小さかった。
例7
液晶(1)の水溶性PVA(AirvolTM205)の中の液晶のエマルションは、エタノール/水の中に2.5μmの体積メジアン直径まで混合された。これは、Wartenbergらの米国特許出願第07/834,438号に説明されたように、遠心分離を用いてペレット化され、83:17の液晶対PVAの比と60%の水成分まで水中で加工された。エマルションは複数の部分に分けられた。第1の部分に、トリオレイン酸ゾルビタン(SpanTM85、ICIアメリカ社)の25%エタノール溶液が、3.6pph(液晶+PVAの重量で100の部分あたり)で添加された。第2の部分に、モノオレイン酸グリセロール(EmerestTM2421、ヘンケル社)の25%エタノール溶液が、3.3pphで添加された。第3の部分に、ジイソステアリン酸トリグリセロール(EmerestTM2452、ヘンケル社)の25%エタノール溶液が、3.7pphで添加された。第4の部分は、処理されず、制御試料として用いられた。この種々の部分は、ITO/PETシート上に塗布され、約10μmの乾燥厚さを有した。もう1つのITO/PETシートが上に重ねられた。これらの試料のE90とヒステリシスのデータは、表IIIに示される。
例8
多色性の黒染料(2.2重量%、昭和化工社の黒ブレンドKKD-602)が秤量され、液晶(1)を含むホウケイ酸塩のガラスビン(vial)の中に入れられた。この混合物は、磁気撹拌棒で、60〜65℃で約48時間撹袢された。この混合物は、室温でさらに48時間保持され、その後で、0.6μmのNucleoporeTMフィルタをとおしてろ過された。PVA(AirvolTM205、重量で50:50の水:エタノールの中の10%溶液、40g)は、秤量され、100mLのポリプロピレンビーカーの中に、染料-液晶混合物(20g)とともに入れられ、プロペラブレードを用いて、2.9μmの体積メジアン小滴直径にまでエマルション化された。このエマルションは、水で、75:25の水:エタノール比まで希釈され、遠心分離され、エマルションペレットを分散媒から分離した。ペレットは、83:17の液晶対PVA固体の比と40%の全体の固体を与えるまSで、10%PVA水溶液の中に分散された。
このマスターバッチは、各々10gの4つの部分に分けられた。1つの部分は、制御試料として用いられた。SurfynolTM104Hは、他の部分に1.50%、1.75%および2.00%のレベル(エマルションのpphとして表わされる)まで添加された。各部分は、ホウケイ酸塩のガラスビンに入れられていて、手で約1分間振られ、次に。ゆっくりと機械的に2時間回転される。試験セルは、これらのエマルションをITO被覆ガラスに被覆し、切断と重ね合わせにより、60℃で、ITOのパターンを有するガラスに切断される。結果は、表IVに示される。
例9
一般に、カプセル化液晶構造の厚さが増加するにつれ、コントラスト比CRも増加する。CRは次のように定義される。
しかし、カプセル化液晶構造の厚さが増加するにつれ、オンとオフのスイッチに必要な電圧も増加し、これは好ましくない結果である。したがって、作動電圧を増加することなくコントラスト比を改善した素子へ導くカプセル化液晶構造を発展することが望ましい。オン状態とオフ状態との間のコントラストは、オフ状態での光散乱に第1に奇与可能である(すなわち、液晶組成物が実質的に染料を含まない場合)カプセル化液晶素子の性能の比較的に厚さに依存しない尺度を与える表現は、次の通りである。
ここに、CRとV90は、前に定義されており、f/#は、f/(測定に使用される集光光学部品の数)である。f/#は、カプセル化液晶構造により散乱される光を検知する集光光学部品の能力の尺度であり、図4aと図4bを参照すると、さらに容易に理解できる。図4aは、前電極22と後電極23との間に挟まれたカプセル化液晶構造21からなる素子20を示す。電圧源24からの電圧は、スイッチ25の位置に依存して、印加され、または、印加されない。光源26からの平行光Cは、素子20に入射し、カプセル化液晶構造21により前方に散乱される(光線C')。(図示しないが、後方への散乱もある。)検知器27に達する光の量は、その直径dと、カプセル化液晶構造21からの距離Dに依存する。直径dが与えられると、明らかに、検知器27が近くなるほど(距離Dが短いほど)、より多くの光が検知される。逆に、距離Dが与えられると、より大きな直径dの検知器27が、より小さな直径dの検知器27より多くの光を集められる。図4bは、同じ装置で、スイッチ25が閉じられた場合を示す。ここで、素子20は、入射光Cに対して実質的に透明であり、入射光Cのすべて(図示しないが、少量の残留散乱および/または残留吸収を除いて)が検知器27に到達する。f/#は、比D/dとして表現できる。
本発明の他の実施例において、われわれが発見したことは、本発明の好ましい表示が、3.5と10の間のf/#の値と400〜700nmの光での測定において、次の不等式を満足することである。
他の観点において、ネマティック結晶は、温度が上昇すると、ネマティック相から等方的な相へ変わり、「透明化」を示すことが知られている。この転移は、液晶のネマティック-等方転移、すなわち、澄明点といわれる。カプセル化構造を含む素子は、液晶がネマティック相から等方的な相へ変わるときに、類似の転移を示す。多くのその様な素子において、この転移は、液晶のネマティック-等方転移温度で、または、その近くの温度で起こる。阻止の澄明点を越えた温度では、素子は、もはや、電界を加えても透過率を変化せず、表示として機能しない。したがって、素子の有用な作動範囲を広げるために、素子の澄明点が高いことが望ましい。
素子の澄明点は、温度を1分あたり1℃の速度で上昇されるときに、透過率の増加を観察することにより決定できる。素子の澄明点は、転移の中点での温度として示される。測定は、温度を制御したステージを備えた顕微鏡を用いて実行できる。
これらの実施例の結果は、チッソ社の液晶RY1007と封入媒体としてのPVA(83:17の液晶:PVAの重量比)を用いた一連の実験により、表Vに与えられる。
また、カプセル化液晶構造は、エタノール-水分散媒を用い、Wartenbergらの米国特許出願第07/834,438号(1992年2月12日出願)に示されるように、遠心分離ステップを続け、液晶RY1007と封入媒体としてPVAを用いて(83:17の液晶:PVAの重量比で)、作成された。その結果は、表Vaに示される。
もう1つのシリーズの実験が、チッソ社の液晶RY1007と封入媒体としてPVAを用いて(83:17の液晶:VAの重量比で)、作成された。その結果は、表Vbに示される。
例10
上記の不等式と構成は、オフ状態とオン状態との間のコントラストが散乱に対するものとして吸収により主に起こる素子(たとえば、多色性染料を含む液晶材料の場合など)の性能の評価にはあまり適していない。そのような染料を含む系の性能を評価するための構成は、図5に示される(図4aと図4bに用いられたのと同じ数字は同等なものをさす)。検出器22'は、素子20に対して接して配置され(すなわち、f/数の値は非常に小さい)、前方散乱効果を打ち消す。このため、オフ状態とオン状態とで検出器27'に達する光の間の全体の差は多色性染料による吸収(図示しないが、少量の後方散乱を除いて)によるものである。
本発明の他の観点で、われわれが見出したことは、次の分数
が、染料を含む素子の電気光学的性能の尺度となることである。ここに、Ton、Toff、V90は、前に定義されている。測定は、0.2より小さいf/数と400〜700nmの光を用いた集光光学部品を用いてなされた。この発明の好ましい素子において、この分数は、添加剤を加えないことを除いて同一の比較の素子より少なくとも10%大きい。典型的な結果は、上の表IVに示されたが、この関係の直接の評価のための形で、下の表VIに再度示しなおされる。
例11
本発明の他の好ましい観点において、われわれが見出したことは、添加剤手段が、液晶素子の作動電界E90を減少するだけでなく、液晶組成物と封入媒体との間の接触角を、添加剤がないことを除いて同一の液晶組成物と封入媒体との間の接触角にくらべて5°以上増加することである。直感的にはそのような添加剤が実際には接触角を減少すると予想するので、添加剤が接触角を増加することは、非常の予想外のことであった。
少量(≦0.09g)の各添加剤手段が、ガラスのビンの中で測定された。十分な液晶(チッソ社のRY1007)が、添加剤手段が混合物の4.0重量%を占めるように(特に記す場合を除いて)、各ビンに添加された。各ビンは完全に混合された。一方、顕微鏡のスライドが、アルコールで洗ってきれいにされ、50/50エタノール/水の中にPVA(エアプロダクツ社からのVinolTM205)の10重量%溶液で被覆し、乾燥させた。液晶組成物/添加剤の混合物の滴は、顕微鏡のスライドの上に置かれ、接触角の測定が、ゴニオメータを用いてなされた。結果は、後で表VIIに与えられる。
本発明のさらに別の観点では、見出した添加剤が非イオン性の表面活性剤であり、この表面活性剤は、作動電界を少なくとも10%低下するだけでなく、2重量%より少ない量で使用したとき、水の表面張力を10dyne/cm(好ましくは20dyne/cm)より大きく低下するのに十分な表面活性を有する。典型的な結果は、また表VIIに示される。
図6は、接触角に対して作動電界を示す。図7は、2重量%の添加剤手段での表面張力に対する作動電界E90を示す。
例12
他の実施例では、添加剤手段は、反応性添加剤手段である。これは、カプセル化液晶構造の生成に続き、それ自体と反応して、液晶組成物を取り囲む封入媒体の壁に分離または堆積できる、より高い分子量の種を生成するか、または、液晶組成物と封入媒体との界面で封入媒体の中の官能性基と反応する。
したがって、封入媒体中に分散された液晶組成物からなるカプセル化液晶構造の膜の製造法が提供される。この方法は、
(a)液晶組成物に反応性添加剤手段を添加し、
(b)反応性添加剤手段を含み封入媒体中に分散された液晶組成物のエマルションを形成し、
(c)支持シート上にこのエマルションを被覆し、乾燥して、支持シートにより支持されるカプセル化液晶構造の膜を形成し、
(d)反応性添加手段の反応を開始して、液晶組成物と接触する封入媒体の表面上に反応された添加剤手段を堆積するステップからなる。
反応性の添加剤手段を含むことは、カプセル化液晶構造に、希望の性質を与え、より低い作動電界E90、より小さいヒステリシス、より速いスイッチング速度を有する素子を生じる。反応性添加剤手段が液晶組成物と封入媒体との界面の性質を変えることによりこれらの効果を生じたものと考えられる。
反応性添加剤手段の反応の開始は、たとえば、熱または光(特に紫外光)である。反応促進剤、触媒、活性化剤などは、添加剤の反応を開始および/または制御するために添加できる。一般に、反応性添加剤の反応の開始は、カプセル化液晶構造の被覆の後でなされる。しかし、被覆ステップの前のエマルション時において行ってもよい。すなわち、ステップ(d)は、ステップ(c)の前に行ってもよい。
通常、反応性添加剤手段は、物理的けん濁液(サスペンション)またはその液晶組成物との溶液を生成することにより、液晶組成物に添加される。しかし、積層していないカプセル化液晶構造への反応性添加剤手段のガス拡散などの他の添加方法を用いてもよい。言い換えれば、エマルションステップの前に液晶組成物に反応性添加剤手段を添加する必要はない。
適当な反応性添加剤手段の例は、アクリルまたはメタアクリルの官能性を有するシラン結合剤、たとえば、メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、他のアクリル化合物およびメタアクリル化合物、エポキシ化合物、アルデヒド、チオール化合物などである。
被覆の後の硬化(cure)を説明する1例において、液晶(0.5g、メルク社からのE7)、ビス-エポキシド(チバガイギー社からのアラルダイトTMGY2600の0.57g+ウィルミントンケミカル社からのビス-エポキシドMK-107の0.33g)、トリス-メルカプタン(1.21g、ヘンケル社からのCapcureTM3-800)および塩化メチレン(0.15g)が、ビーカーの中で組み合わされた。この混合物は、均一化され、PVA(AirvolTM205)の15%水溶液と水が、1:1の液晶とPVAとの重量比と65%の水成分を生じるのに十分な量で、加えられた。この混合物は、エマルションにされ、2.5μmの体積メジアン小滴の大きさのエマルションが得られた。エマルションは、ITO被覆PETのシートの上に広げられ、約0.5時間放置して乾燥され、ITO被覆PETの第2のシートが重ねられた。各々の場合に、ITO被覆は、カプセルか液晶構造に面していた。この素子は、エポキシ成分を硬化するために50℃のオーブンで20〜30時間加熱された。制御素子は、反応性添加剤を加えないことを除いて、同様に作成された。試験素子の作動電圧V90は30Vであり、制御素子の作動電圧V90は70Vであった。試験素子のヒステリシスは、制御素子のヒステリシスの1/4であった。
被覆の前の硬化を説明する他の例において、第1エポキシ(シェル社からのEponTM828)、第2エポキシ(9MK-107)、トリス−メルカプタン(CapcureTM3−800)および液晶(E7)が、ビーカーの中で2.8/9.5/17.7/70の重量比で組み合わされた。この混合物は、水溶性PVAを用いてエマルション化され、1.8μmの体積メジアンの大きさのエマルションが得られた。エマルションは、温かい水(40〜80℃)で約10の因子で希釈され、加熱して一晩中撹拌されてエポキシを硬化した。この材料は、冷凍乾燥され、次に、1:1の液晶とPVAとの重量比と70%の水成分を生じるのに適当な量のPVAと水を用いで再分散された。得られたエマルションは、ITO/PETのシートの上に被覆され、放置して乾燥され、ITO/PETの第2のシートが重ねられた。この素子の作動電圧V90は、エポキシを加えない制御素子の値より50%より多く低下したことがわかった。ヒステリシスは、制御素子より、5より大きい因子で低下した。
もう1つの例では、2-エチルヘキシルアクリレート(10重量%、3%のIrgacureTM184光開始剤を含む)が、液晶(RY1011、チッソ社)に溶かされた。この溶液は、水溶性PVA(AirvolTM205)に加えられ、混合されて、2.3μmの体積メジアン小滴直径と83:17の液晶:PVAのエマルションが得られた。得られたエマルションは、ITO/PETの上に被覆され、面を開放して放置して乾燥され、10.5μmの膜厚が得られた。ITO/PETの第2のシートが、この膜に重ねられた。この膜は、紫外光で約10mW/cm2で5分間照射され、アクリレートを硬化した。この膜は、3.3V/μmの作動電界E90(制御素子より45%小さい)を有した。
例13
本発明の他の実施例では、カプセル化液晶構造は、5℃より低いホメオトロピック転移温度TH、または、素子が作動する温度のいずれか大きい方を示した。好ましくは、THは、−20〜+5℃の範囲にある。ホメオトロピック転移温度とは、その温度以下で液晶組成物が封入媒体の壁に実質的に垂直に配向する温度である。(これに対し、その温度より上では、液晶組成物は壁に実質的に平行に配向する。)ホメオトロピック転移温度は、容易に決定できる。なぜなら、この温度以下では、カプセル化液晶構造は、電界が存在しても、実質的に透明になり、すなわち、非散乱が少なくなるからである。この透明化、ホメオトロピック転移は、上記の例9の説明における素子澄明点と混同するべきでない。
われわれが意外にも発見したことは、そのような転移の発生が、液晶素子の通常の動作温度範囲である0〜40℃(投射素子などのいくつかの応用では0〜55℃)での液晶素子の作動電界E90の有利な変化と関連していることである。これらの有利な変化は、作動電界E90の減少、および/または、動作温度範囲での平らな(flatter)E90カーブ、または、これら両者として表れる。第1の表れでは、作動電界E90は、添加剤手段がないことを除いて同一の比較素子の作動電界E90と比べて、少なくとも10%減少する。第2の表れでは、次の比
として測定される作動電界E90の変化は、好ましくは0.30より小さく、さらに好ましくは0.10より小さい。ここに、Eavg、EmaxおよびEminは、それぞれ、10〜55℃の温度範囲におけるE90の平均値、最大値および最小値である。動作温度範囲での平らなE90カーブは、広い駆動電圧範囲で動作するように設計する必要がないので、有利である。
カプセル化液晶構造は、ホメオトロピック添加剤を添加することにより、本発明の範囲内でホメオトロピック転移温度THを有するように誘導できる。
典型的な結果は、表VIIIに示され、ここに、RY1011の液晶とPVAの封入媒体が83:17の重量比で用いられている。
これらの添加剤は、0.5〜20pph(封入媒体と液晶組成物の重量で100部分に対して)の間、好ましくは2〜10pphの間の量で使用される。図8は、ホメオトロピック添加剤を用いて得られた効果を示す。
一方、ホメオトロピック効果は、封入媒体と液晶組成物の適当な組み合わせを選択することにより達成できる。典型的な組み合わせは、封入媒体としてのAirflexTMポリ(エチレン-酢酸ビニル)と液晶組成物としてのE7(メルク社)である。
例14
この例は、高分子化誘導相分離法により得られるカプセル化液晶構造の作成における本発明の添加剤の使用を説明する。液晶(1.7g、4.25重量%のSurfynolTM104を含むRY1007)が、紫外光で硬化可能な光学的接着剤(0.8g、ノーランドアドヘッシブ社からのNorlandTM65)とバイアルビンの中で組み合わされた。このバイアルビンは、2分間手で揺すられ、これにより混合物は透明になる。7μmのスペーサを用いてあらかじめ重ね合わされたセルは、50℃に保持されて、キャピラリの作用で混合物で満たされれる。SurfynolTM104がないことを除いて同一である制御セルも、作成された。これらのセルは、種々の強度の紫外光(エレクトロライト社からのELC600ユニットを用いて)で299秒硬化された。10mW/cm2の紫外光で硬化されたセルは、不満足であったが、しかし、より大きな強度の紫外光(30〜100mW/cm2)で硬化されたセルは評価に適していた。一般に、作動電界E90の約1/3の減少が、制御セルに比べて、見出された。素子の電圧保持比は、一般に、約85%であった。詳細な結果は、表IXに示される。
例15
上に述べたように、われわれは、液晶-封入媒体の界面を変化することにより少なくとも部分的に性能を改善できると信じる。周知のように、広角X線回折は、オングストロームの領域での分子の秩序を測定するために使用できる。X線回折スペクトルは、X線ビームの試料に対する入射角θに対して散乱強度を図示したものであり、ブラッグ方程式
nλ=2dsinθ
により決定される。ここに、nは正の整数であり、λは、X線放射の波長であり、dは、試料の中の散乱面の間の間隔であり、θは、上に定義されている。もし試料が、巨視的な単結晶のように高度に秩序化されていれば、1連の鋭いピークが観測される。秩序化がより少ない試料(たとえばネマティック液晶)は、より広い回折ピークを示す。もしネマティック配向ベクトルが、カプセル化液晶構造を有する膜の中で実質的に均一に配向されるならば、間隔(複数)dは、ネマティックディレクタと構造の面の両者に直交する方向に関連する。X線回折計における試料に対するX線源と検出器の幾何学的配置のため、膜の表面に平行な面だけが、ある角度で回折に寄与する。したがって、もし液晶散乱面が膜の表面に実質的に平行に向いているならば、散乱されたX線の強度は、面が表面に対して角度を有する場合より大きい。封入媒体と膜の面の界面に対するネマティックディレクタの向きに対する添加剤手段の効果は、X線回折によりモニタできる。
図9aは、83:17の液晶(RY1014、チッソ社)対PVAの重量比の組成を有するカプセル化液晶構造からなる膜の広角X線スペクトルを示す。PVAだけの比較膜回折スペクトルも示される。両膜は、ITOをスパッタしたガラスの上に被覆され、広角回折計(ジーメンス社D-5000)において膜面を開いて解析された。21°、30°および35°の2θでの鋭いピークは、ITO被覆から生じる。これらのデータから、明らかに、膜中の液晶は、14〜30°の2θの範囲でX線散乱強度を優勢に示し、PVAは、十分には秩序化されていず、または、大きな散乱を起こすほど豊富である。
図9bは、カプセル化液晶構造の2つの膜の散乱を示す。2つの膜は、83:17の重量比の液晶(RY1014、チッソ社)とPVAから作成され、7.0μmの厚さを有した。両者は、100あたり4.25部分の添加剤を含むか否かにより異なるだけである。添加剤を含む試料において、14〜30°の2θの範囲での散乱強度が40%減少した。この減少は、膜表面に対するディレクタの配向の変化を示す。
したがって、本発明の他の実施例において、添加剤手段は、表示の作動電界E90を少なくとも10%減少するだけでなく、カプセル化液晶構造の膜の広角X線スペクトルは、添加剤を含まないことを除いて同一の膜に比べて、14〜30°の2θの範囲での散乱強度が少なくとも20%減少した。
例16
染料を含む液晶(2.2655g、メルク社からのZLI-3499)と3-メタアルリロキシプロピルトリメトキシシランとの混合物が、PVA溶液に添加され、混合されて、エマルションを形成する。このエマルションの体積メジアンは、2.11μmであった。エマルションは、ITO/PET上に被覆され、80℃で空気循環オーブンの中に置かれた。2時間後、オーブンのスイッチが切られ、夜通しで室温まで冷えるままにされた。次に、試料は、第2のITO/PETシートに重ねられた。試料のV90は約20Vであり、一方、制御試料のV90は60〜80Vであった。
の値は、試料について33であった。
例17
この例は、高分子化誘起相分離法によるカプセル化液晶構造の作成における本発明の添加物の使用を説明する。アクリレートモノマー(PN393、メルク社)と液晶(TL205、メルク社)の溶液が、1:4の重量比で作成された。この溶液に、3.9重量%の化合物Id(エアプロダクツ社)が添加された。この溶液は、あらかじめ間隔(10μm)をあけたITO被覆ガラスセルの中に導入された。試料は、14mW/cm2で2分間硬化された。この試料の作動電界E90は、5.5V/μmであった。これに対し、制御試料(化合物Idなし)については、7.6V/μmであった。
例18
いくつかのエマルションが作成された。ここに、エマルションを作成する前に、有機酸が液晶に溶解された。一般的手順は、液晶(BL004、メルク社、ドイツ、ダルムシュタット)とこの有機酸(液晶の重量の10%)との混合物を作成することからなる。使用された酸は、n-ヘプタン酸、2-プロピルペンタン酸およびt-酢酸ブチルであり、それぞれ、オルドリッチケミカル社から得られた。各溶液は、83:17の液晶対PVA(AirvolTM205)の水溶性PVAにおけるエマルションにされた。(酸を含まない)制御エマルションも作成された。各エマルションの平均体積直径は、Coulterカウンタを用いて測定され、3.0±0.5μmの範囲内であった。各エマルションは、ITO/PET基板上に被覆され、1時間放置して乾燥された。第2のITO/PET基板がこの膜の上に重ねられ、最終素子を作成した。各試料のE90は、f/3.5集光光学部品と550nmの光を用いて測定され、下の表Xに示される。酸を含む試料のE90測定値は、制御試料の値より著しく低いことがわかった。
例19
多色性染料(2.2重量%、KKD-602、ショーワ社)は、液晶(RY1005、チッソ社)に溶解された。この液晶混合物の2つのエマルションA、Bが、水溶性PVA中に作られ、それぞれ、3.8μmと2.1μmのメジアン体積直径(Coulterカウンタで測定)を有し、各エマルションは、83:17の液晶:PVAの重量比と60%の水成分を有した。各エマルションは、2つの部分に分けられた。1つの部分には、(液晶の重量の)2%の添加剤Iaが添加された。エマルションは、夜通し揺すられた。各エマルションは、ITO/PET基板上に被覆され、1時間放置して乾燥された。第2のITO/PET基板がこの膜の上に重ねられ、最終素子を作成した。各素子は、15±1μmの乾燥膜厚を有した。
図10は、試料A、B(それぞれ、添加剤を有する部分と有しない部分)の(f/0)での透過率を電圧に対して示す。添加剤Iaを含まない2つのエマルションを比べると、エマルションAは、エマルションBより、液晶を再配向するのにより低い電圧を要した。この作動電圧の差は、カプセル化液晶システムにおいて周知であり、より大きな空洞の大きさを有する素子は、より低い作動電圧を要する。
しかし、2%の添加剤Iaを含む2つのエマルションを比べると、両エマルションA、Bは、ほぼ同じ作動電圧を有する。これは、添加剤が、エマルションA(大きな小滴のエマルション)において作動電圧を低下するよりも、エマルションB(小さな小滴のエマルション)の電圧を低下するのに有効であることを意味する。化合物Iaが、より小さな小滴の膜において、より大きな効果を有するということは、高分子の壁での固定強度を弱めることとつじつまがあう。
表XIを参照すると、表XIは、上で比較された4つのエマルションのT50値を示す。T50は、先に定義されている。明らかに、2%の添加剤のレベルで、T50での電圧は、エマルションAにおけるよりも、エマルションBにおいてより低下する。
したがって、本発明の実施例において、添加剤手段は、体積メジアン空洞直径が減少するにつれ、作動電界E90をより大きく減少させる。
Claims (8)
- 第1電極、第2電極(第1電極と第2電極の少なくとも一方は透明である)、および、これらの電極の間のカプセル化液晶構造からなる液晶素子であって、
上記のカプセル化液晶構造は、(a)封入媒体、および、(b)この封入媒体の中に分散された液晶組成物からなり、上記のカプセル化液晶構造は、5℃より低いホメオトロピック転移温度を有する液晶素子。 - 液晶素子が、添加剤手段が存在しないことを除いて同一の比較液晶素子の立上がり時間より少なくとも10%速い立上がり時間を有する、請求の範囲第1項に記載された液晶素子。
- 液晶素子が、添加剤手段が存在しないことを除いて同一の比較液晶素子の立下がり時間より少なくとも10%速い立下がり時間を有する、請求の範囲第1項に記載された液晶素子。
- 上記の液晶組成物が1.8meq/gより小さいシアノ基を有する、請求の範囲第1項に記載された液晶素子。
- 上記の液晶組成物が5より大きい平均誘電定数を有する、請求の範囲第1項に記載された液晶素子。
- 上記の液晶組成物が0.15より大きい光学異方性を有する、請求の範囲第1項に記載された液晶素子。
- 上記の液晶組成物が2.0meq/gより大きいフッ素量を有する、請求の範囲第1項に記載された液晶素子。
- 上記の液晶組成物がネマティックであり、正の誘電異方性を有する、請求の範囲第1項に記載された液晶素子。
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